里海ネット

全国の里海活動状況

7.課題と解決策

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御前浜を「まもり、つかい、そだて」地域の宝
"里浜"として、よりよい形で未来へ継承

NPO法人「チーム御前浜・香露園浜里浜づくり」、「浜・川・山の自然たんけん隊」ほか(兵庫県西宮市)

都市部において様々な体験を通して砂浜への関心を高める体験型の活動であり、活動の継続性、人と人とのつながり、活動範囲を広げていった事例。

目標(キーワード:活動を通した人のつながり)

「御前浜・香櫨園浜」は、夙川の河口に広がる大阪湾の奥域に残された貴重な自然海岸である。この浜には、多様な植物や動物が生息しており、多くの渡り鳥が飛来する。また、国指定史跡『西宮砲台』が現存している。

都市部にありながら豊かな自然と歴史資源が保たれている貴重な浜を、地域の宝『里浜』として大切にし、誰もが自由に安心して楽しめる浜をめざして、大人と子どもが一緒に楽しみながら、よりよい浜を未来に引き継いでいくことが目的である。

浜を「まもり」「つかい」「そだてる」活動を通して、人と人、人と海の新たなつながりをめざしてNPO法人「チーム御前浜・香櫨園浜 里浜づくり」を中心に活動が続けられている。

実施(キーワード:多様な活動、継続的な活動)

御前浜・香櫨園浜を中心に多様な活動を継続的に実施している。

  • 浜辺クリーンアップ&自然観察、防災学習(津波から避難する親子でのかけっこ訓練や、阪神淡路大震災、東日本大震災の体験や復興支援活動について写真等により説明)の実施(毎月1回)
  • 「自然たんけん!」を開催(専門家の協力をえた「海辺の生き物さがし」「渡り鳥の観察」等)
  • 外来種駆除のためのイベントを開催
  • 「親子で楽しむ"海辺であそぼ!里浜健康体操"を開催(毎月1回)
  • 近隣の小学校2校の3年生を対象に「環境出前講座」を実施(毎学期)
  • 「海辺のひろっぱフェスタ」を開催(毎年9月)
  • 西宮砲台を生かして、砲台ジャズや砲台ギャラリー等を実施
  • 情報誌「ツタエホウダイ」の発行により、浜の情報や、チームの活動を紹介(メンバーの手作り)

効果と課題(キーワード:人のつながり、活動の拡大)

  • 活動の成果は、ビーチクリーニングやイベントが恒例となり参加者が増えている(ビーチクリーン参加者年間1,000名、フェスタ参加者1,500名)。近隣児童が、浜に親しみを持ち浜を大切にするようになった。文化庁から「西宮砲台を含む御前浜」が重要名勝地に選定された。活動が行政からも高く評価され、西宮砲台保存活用委員にも任命された、等。
  • 一方、スタッフの高齢化や後継者の不足、活動費用の捻出が厳しい、助成団体も継続助成を認めていないといった課題も抱えている。
環境出前講座やビーチクリーニング、海辺のひろっぱフェスタ、砲台ジャズが行われています

出典:御前浜・香櫨園浜 里浜づくりHP