NPO法人環境生態工学研究所ほか(宮城県南三陸町)
東日本大震災後の地域コミュニティの復興に里海づくり活動をとりいれた活動であり、地元の住民に加え、多様な団体と連携。
漁業の盛んな宮城県南三陸町は、平成23年3月の東日本大震災の被害を被った。被害は、特に津波の壊滅的な影響が陸上の集落・インフラのみならず、沿岸生態系にも及んでいた。
この未曾有の災害からの復興の一環として、持続可能な水産・漁業の復興を目的として、里海づくり活動がスタートした。
活動にあたり、現状把握のための科学的な調査が実施され、河口部や汀線付近の干潟や藻場の減少で自然浄化能力が低下していること、アマモ場は大きな被害を受けていたが、アカモク等のガラモ場は藻場を形成していたこと、生態系の完全な復活には時間を要すると予想されること等が判明した。
このため、持続可能な利用をめざして、「環境と生産活動の調和」、「地場産品の開発」、「里山と里海をつなぐ人・物・心の交流」、「漁協・農協・青年部・婦人部の協働」、「6次産業化(地産地消)」等の活動を実施している。なかでも、豊富に自生し、生態系の基点となっている未利用の資源であるアカモクに着目し、食品・商品の開発を行っている。
活動は、南三陸町生活改善研究会、地区ごとの生活改善グループ活動の共同体、大学有識者、県や町の支援等と協働・連携し、そのほとんどが里山・里海にすむ人々(被災した方も多い)、多様な職種の集まりであることが特徴である。
出典:森は海の恋人HP