里海ネット

全国の里海活動状況

7.課題と解決策

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生きもの元気子どもも元気漁師さんも元気な中津干潟を100年後も

NPO法人水辺に遊ぶ会ほか(大分県中津市)

様々な体験を通して干潟への関心を高める体験型の活動であり、活動の継続性、人づくり、活動範囲、組織の輪を広げていった事例。

目標(キーワード:干潟の重要性の認識)

周防灘の豊前海に面する中津干潟は縄文の昔から人々が食料を得る場であった。そんな干潟から人々の足が徐々に遠のくなか、港湾整備事業をきっかけに自然豊かな中津干潟を見直す活動が1999年から始まった。

私たちの祖先が大切につきあってきた身近な海や水辺の自然をきちんと見つめ直し、 自分たちのくらす中津の海や水辺の未来を考えるため、 私たち海辺にくらすものは、もっともっと海のことを知る必要がある。遠ざかってしまった「海と人の心の距離」を取り戻し、 中津の海や水辺と人々のくらしをつなぎ直すために、NPO法人水辺に遊ぶ会を中心に活動が続けられている。

実施(キーワード:多様な活動)

中津干潟を活動の場に、多様なアプローチを行っている。

  • ずぼっとはまって干潟あそびは楽し-活動のメインの干潟観察会
  • べんりな世の中のひずみを海岸に見る-海岸漂着ゴミ対策としての年4回実施する海岸清掃と漂着物調査
  • にんきものはカブトガニ-環境学習・啓発活動。アオギスやカブトガニ等の希少種の恒久的な保全を目指す。
  • あやしい干潟調査隊が行く-調査研究活動
  • そんけいするのは漁師さん-干潟漁業との連携
  • ぶんかや歴史は大切な海の記憶-海と浜の郷土史の調査
  • かそう(仮想)博物館「水辺に遊ぶ会MUSEUM」-情報発信

効果と課題(キーワード:人のつながり、活動の拡大)

  • 活動の成果は、活動のビーチクリーン参加者が1500人を超えるようになった(年間)。市中、近隣小学校の多くが干潟学習に取り組むようになった。理解、協力してくれる漁業者がいる。
  • 一方、若手スタッフ、後継者が不在 ・育てるための資金がない、いつもお金の心配が尽きない(100%ボランティア)といった課題も抱えているが、活動が15年におよび、かつての参加者がスタッフとして活躍している。
  • また、重要港湾である中津港の整備に対して行政、あるいは漁業者への中津干潟の重要性を訴え続けている。
小さな子供として参加した人が大きくなって調査を手伝っています

出典:水辺に遊ぶ会HP