環境再生・資源循環

3Rや資源効率性に関するG7/G8の取組

G7/G8の動き

富山物質循環フレームワーク

 2016年5月に開催したG7富山環境大臣会合のコミュニケにおいては、G7の取組についての進捗を確認するとともに、引き続き、資源効率性・3Rのために率先して継続的に取り組み、経済成長と天然資源利用との分断(デカップリング)を促進することで一致した。また、UNEP国際資源パネル及びOECDからの報告を受け、協調した行動によって、環境のみならず、経済成長、技術革新、資源安全保障及び社会開発に多大な関連する便益をもたらすとの認識でも一致。共通のビジョン、G7各国による野心的な行動、グローバルな取組の促進、着実なフォローアップを含む「富山物質循環フレームワーク」を採択した。

【概要】

○ G7富山環境大臣会合(2016年5月15-16日)のコミュニケ附属書として採択。

○ G7として、 「共通のビジョン」を掲げ、協力して具体的な「野心的な行動」に取り組むもの。

○ 持続可能な開発目標(SDGs)及びパリ協定の実施に向けて、国際的に協調して資源効率性や3Rに取り組むという強い意志を示した世界の先進事例ともいうべき国際的枠組。

資源効率性向上・3R推進に関するG7共通ビジョン

○ 我々の共通の目標は、関連する概念やアプローチを尊重しつつ、地球の環境容量内に収まるように天然資源の消費を抑制し、再生材や再生可能資源の利用を進めることにより、ライフサイクル全体にわたりストック資源を含む資源が効率的かつ持続的に使われる社会を実現することである。

○ こうした社会は、廃棄物や資源の問題への解決策をもたらすのみならず、自然と調和した持続的な低炭素社会も実現し、雇用を生み、競争力を高め、グリーン成長を実現するものである。

G7各国による野心的な行動

目標1:資源効率性・3Rのための主導的な国内政策

○ 資源効率性・3Rと気候変動、異常気象、有害物質、災害廃棄物、自然環境保全等の政策を包括的に統合し、促進。

○ 規制的手法に加え、事業者による自主的取組等を推進

○ 災害廃棄物の適正処理と再生利用、災害に対して強靱な廃棄物処理施設の整備等

○ 地域の多様な主体間の連携(産業と地域の共生)、消費者対策

具体例:食品ロス・食品廃棄物対策

・SDGsを踏まえ、国内や地域での政策や計画策定など、食品ロス・食品廃棄物の最小化及び有効かつ安全な利用に向けた取組を加速。

目標2:グローバルな資源効率性・3Rの促進

○ G7アライアンス等を通じて、ベストプラクティスや適用可能な最良技術(BAT)、有用な教訓を他の国々と共有。

○ 途上国における資源効率性・資源循環政策の能力構築支援

○ 巨大自然災害を経験する国・地域を支援

○ 上流産業における、再生可能資源の利用を含むリユース、リサイクルのための積極的取組を奨励

具体例:電気電子廃棄物(E-Waste)の管理

・違法取引を防止するため、国際的な協調行動を強化

・適正な管理能力を有しない国から有する国への有害廃棄物の輸出は、環境と資源効率・資源循環に寄与するものと認識

目標3:着実かつ透明性のあるフォローアップ

・国内指標を検討

・WS等を通じて、本フレームワークのフォローアップ

環境大臣会合・サミット

2008年5月 G8神戸環境大臣会合

2008年7月 G8北海道洞爺湖サミット

・OECD報告書「Resource Productivity in the G8 and the OECD A Report in the Framework of the Kobe 3R Action Plan

2015年6月 G7エルマウ・サミット

2016年5月 G7富山環境大臣会合

・OECD報告書「Policy Guidance on Resource Efficiency

・UNEP-IRP報告書 政策者向け要約「資源効率性:潜在的可能性及び経済的意味

2016年5月 G7伊勢志摩サミット

G7アライアンス

 2015年6月のG7 エルマウ・サミットでは、首脳宣言の中で資源効率性が取り上げられ、産業界、公的部門、研究機関、消費者等のステークホルダーがベストプラクティスを共有するフォーラムとして、「資源効率性のためのG7 アライアンス」が設立されました。G7 アライアンスは、議長国の主導によりワークショップを開催することとされ、2015年は、 議長国であるドイツの主導の下、3回のワークショップ(英国との共催を含む。)が開催されました。日本がG7 議長国を務めた2016年には、2月に横浜にて国際協力をテーマに ワークショップを開催したほか、3月には米国のホストのもと、ワシントンにて自動車 サプライチェーンをテーマにしたワークショップを開催しました。

資源効率性のためのG7アライアンスワークショップ(2015年)

9月~10月  多国間協力の役割に関するWS及びG7アライアンス立ち上げイベント(ベルリン)

10月      産業共生(Industrial Symbiosis)に関するWS(バーミンガム)

11月      革新的な生物由来製品に関するWS(ベルリン)

我が国における資源効率性のためのG7アライアンスワークショップ(2016年)

2月    G7国際協力に関するWS(横浜市)

     報道発表       http://www.env.go.jp/press/102011.html

     IGES ホームページ  http://www.iges.or.jp/jp/scp/20160222.html

3月    自動車サプライチェーンに関するWS(ワシントンDC)

12月   資源効率性と低炭素社会に関するWS(東京)

     報道発表   http://www.env.go.jp/press/103206.html  

             http://www.env.go.jp/press/103357.html 

     IGES ホームページ  http://www.iges.or.jp/jp/scp/20161213.html

12月   国際資源循環に関するWS(東京)

資源効率性のためのG7アライアンスワークショップ(2017年)

2月 資源効率性に関するG7 会合(ブリュッセル)