報道発表資料

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2011年10月20日
  • 地球環境

自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)第5期(2009年度採択・2010年度排出削減実施)の排出削減実績と取引結果について(お知らせ)

 環境省では、温室効果ガスの費用効率的かつ確実な削減と国内排出量取引制度に関する知見・経験の蓄積を目的として、自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)を2005年度から開始しています。これまでのところ、のべ389の事業者が目標保有参加者として排出削減に取り組んでいます。
 今回、第5期(2009年度採択・2010年度排出削減実施)が本年9月末で終了したことから、当期におけるCO2の排出削減量の実績と排出量取引の結果をお知らせいたします(排出削減量合計:96,996t-CO2、排出枠の取引件数合計:41件、排出枠の取引量合計:29,649t-CO2)。
 JVETSは、第3期より「排出量取引の国内統合市場の試行的実施」(試行スキーム)の参加類型の一つとなっていますが、当期において、JVETSと「試行スキーム」で口座を保有する取引参加者間での制度間取引(システム間移転)が10件ありました。
 なお、JVETSにつきましては、第6期(2010年度採択・2011年度排出削減実施)及び第7期(2011年度採択・2012年度排出削減実施)についても制度運用を行います。

1.自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)とは

(1)制度の概要(別添1参照)

本制度は、温室効果ガスの費用効率的かつ確実な削減と、国内排出量取引制度に関する知見・経験の蓄積を目的として、2005年度から開始したものです。
温室効果ガスの排出削減に自主的・積極的に取り組もうとする事業者に対し、一定量の排出削減約束と引換えに、省エネルギー等によるCO2排出抑制設備の整備に対する補助金を交付することにより支援します。
排出削減約束達成のために排出枠の取引という柔軟性措置の活用も可能とします。
本制度に参加する事業者は、「排出量取引の国内統合市場の試行的実施」における試行排出量取引スキーム(試行スキーム)の参加者として位置付けられることとなります。
制度の詳細については、添付資料及び下記のWEBサイトを御参照下さい。
自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)
http://www.jvets.jp/jvets/
試行排出量取引スキームポータルサイト
http://www.shikou-et.jp/

(2)第5期(2009年度採択・2010年度排出削減実施)参加事業者の概要

自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)第5期(2009年度採択・2010年度排出削減実施)には、以下の参加者が参加しています。
[1]目標保有参加者68社(別添2参照)

 一定量の排出削減と引き換えに、排出枠の交付を受ける参加者。CO2排出抑制設備整備に対する補助金を受ける参加者(タイプA)と、補助金を受けない参加者(タイプB)があります。

[2]取引参加者及び過去のJVETS目標保有参加者のうちバンキングした参加者86社(別添3参照)

 取引参加者は、専ら排出枠の取引のみを行うことを目的とした参加者で補助金及び排出枠の交付はなされません。また、過去のJVETS目標保有参加者のうち、排出枠をバンキングした参加者も取引に参加することができます。
 なお、取引参加者については、「排出量取引の国内統合市場の試行的実施」における試行排出量取引スキームにおいて一元的に募集することとし、第4期(2008年度採択・2009年度排出削減実施)より本制度においては募集しないこととしております。

2.基準年度排出量と排出削減量の実績について

(1)対象工場・事業場の基準年度排出量

本制度は、全社単位ではなく、対象となる工場・事業場を特定し、対象工場・事業場からの排出量全体を算定・検証するルールとしています。
基準年度排出量とは、本制度への参加時期(2010年度目標の場合、2009年)からみて過去3年(2006~2008年度)の排出量の平均値のことです。
検証機関による第三者検証を経た結果、目標保有参加者68社の基準年度排出量の合計は、624,546t-CO2でした。

(2)排出削減実施年度(2010年度)における排出削減量の実績

目標保有参加者68社がCO2の排出削減に取り組んだ結果、2010年度の1年間で96,996t-CO2のCO2が削減されました。
これは、対象工場・事業場の基準年度排出量(上記(1)参照)の15.5%に相当します。
本制度開始時点で目標保有参加者が約束した排出削減予測量の合計は、99,807t-CO2でしたが、削減実績は削減予測量を約3%下回る結果となりました。

(3)排出削減目標の達成状況

目標保有参加者68社は、排出削減に取り組むとともに、目標達成に不足する差分がある場合には、前年度までのバンキング分等の排出枠の取引を活用し、67社の参加者が制度参加時点で約束された削減目標を達成しました。
なお、第5期に補助金なしのタイプB(グループ参加者)に参加して目標未達となった北本市は、第6期も引き続きタイプB(グループ参加者)に参加し、削減努力を続けることとしています。

3.排出量取引の結果について

(1)取引期間

参加事業者は、2010年4月から2011年9月末までを取引期間として、必要に応じて排出枠の過不足分を取引する排出量取引を実施しました。

(2)取引データ

取引件数の合計…41件(うち、10件はJVETSと「試行スキーム」で口座を保有する取引参加者間での制度間取引(システム間移転))
取引量の合計…29,649t-CO2
平均取引単価…概ね830円/t-CO2
上記単価は取引参加者への任意のヒアリングに基づくものです。
また、取引対象には第5期の初期割当量に加え、第1期~第4期よりバンキングされた排出枠も含みます。

添付資料

連絡先
環境省地球環境局地球温暖化対策課市場メカニズム室
直通:03-5521-8354
代表:03-3581-3351
室長:上田 康治(6737)
補佐:平尾 禎秀(6728)
担当:山下 智也(6788)

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