第1回グッドライフアワード 優秀賞

受賞者紹介

第1回グッドライフアワード 優秀賞

やまぐち食べきっちょる運動
〜おいしく、ぜんぶ、たべちゃろう〜

山口県食品ロス削減推進協議会

第1回グッドライフアワード 優秀賞
協議会会長の人見英里山口県立大学教授(左)と、山口県廃棄物・リサイクル対策課の山野元課長。
グッドライフアワード受賞が、活動に取り組むみんなの励みになっています。

受賞者紹介

第1回グッドライフアワード 優秀賞

やまぐち食べきっちょる運動
〜おいしく、ぜんぶ、たべちゃろう〜

山口県食品ロス削減推進協議会

第1回グッドライフアワードの優秀賞を受賞した『やまぐち食べきっちょる運動』は、食品ロスを減らすための取り組みです。平成22年度、山口県内で発生した食品ロスは約6.1万トンもありました。一般家庭の生ゴミだけでも約2.1万トン。一世帯あたり年間で約37kg(およそ2万4000円相当)もの食品を捨てていたことになるのです。

いろんなアイデアで食品ロス削減に取り組んでいます。

活動のきっかけは?

官民の枠を超えて協議会を設立

第1回グッドライフアワード 環境学習後援会や映画上映など幅広い 活動を展開しています。

第1回グッドライフアワード スタディツアーも実施しました。

山口県では平成23年2月に「山口県食品ロス削減推進協議会」を設立。学識経験者や飲食店、旅館、事業者などが力を合わせて食品ロスを減らしてくための『やまぐち食べきっちょる運動』がスタートしました。

協議会の事務局は、山口県環境生活部廃棄物・リサイクル対策課に置かれていますが、取り組みの内容を検討したり、取り組みへの参加を広げていくための活動などに、「みんなの問題」として、官民の枠を超えて取り組んでいるということです。

山口県では、もともとゴミの焼却灰を主要な産業であるセメント製造に有効利用するなど、リサイクルへの意識が高い側面がありました。レジ袋削減の問題にも、今回と同様に「協議会」を設立して取り組んで、うまくいっているという実績もあったそうです。今、『やまぐち食べきっちょる運動』は山口県下全体で着実に広がっています。

どんな取り組みを?

「やまぐち食べきり協力店」やアイデアレシピ

第1回グッドライフアワード アイデアレシピの人気メニュー。 「おでんの炊き込みご飯」。

第1回グッドライフアワード 残り野菜のピクルス」のレシピも好評でした。

さて、食品ロスを減らすために、具体的にはどんな取り組みをしているのでしょうか。取り組みにはいくつかのポイントがありますが、まず注目したいのが「やまぐち食べきり協力店」です。これは、県内の飲食店や旅館・ホテルなどが登録し、県のご当地キャラである「ちょるる」が図案化されたステッカーを掲示。お客様とコミュニケーションを深めて好き嫌いや盛りの量などを伺い食べ残しが出ないように工夫したり、仕入れや調理方法などを工夫して食材を使い切るようにするという取り組みです。「やまぐち食べきり協力店」には、平成26年2月現在で181店舗が登録しています。

さらに「やまぐち食べきりアイデアレシピ」では、食材を使い切る料理のアイデアを募集。レシピ集を作成して、県内のスーパー店頭や、イベントなどで配布しています。協議会の会長である山口県立大学教授の人見英里さんが「食べきっちょる運動は難しいことではありません。日本人古来の『もったいない』の気持ちを大切して、食材を捨てないようにする。これは環境にいいだけじゃなく、家計にも優しいことですよね」というように、今まではうっかり捨てていた野菜の皮なども、ちょっとした工夫でおいしく食べることができるアイデアレシピがいっぱい集まっています。

またアイデアレシピの料理を実際に作ってみる「エコクッキング講座」を開催したり、宴会シーズンなどには飲食店などでの食べ残しを減らすためのポイントを紹介する「やまぐち食べきりキャンペーン」などを展開しています。

成功のポイントは?

満足に結びつく工夫がいろいろ

第1回グッドライフアワード 『キッチンあさくら』のオーナーシェフ、森永恭平さん。奥様のみゆきさん、娘の千恵さんなど、ご家族一緒に営んでいる人気店です。

第1回グッドライフアワード 『西の雅 常盤』の女将。今井高美さんと、 宮川和也社長。

『やまぐち食べきっちょる運動』が順調に広がっているポイントは「食材を無駄にしない工夫が、おいしい料理の発見や、来客へのサービス向上に結びついているからこそ」といえるでしょう。

たとえば「食べきり協力店」のひとつである『キッチンあさくら』では、タマネギの茶色い皮まで活用します。カレーなどに使うブイヨンを作る時に、タマネギの皮を入れて煮込むと、旨みが出ておいしくなるそうです。

山口市内の名湯として知られる湯田温泉の『西の雅 常盤』という旅館では、食べないで残す人が多い刺身のつまを減らして氷で盛りつけるなどの工夫を凝らしています。旅館の料理といえば食べきれないほどの品数が出されるものというイメージは前時代的。「事前にメールのやり取りなどで好みなどを確認するやり取りで、お客様とのコミュニケーションが深まる」(宮川和也社長)という思わぬメリットがあったそうです。

また、こうした協力店のキーパーソンなど、民間の活力ある方々が自らの問題として活動に取り組むことで、さらに協力店の輪が広がり、一般住民のみなさんへの呼びかけが広がることにもつながっています。

レポート

活動すれば、共感する人たちが集まってくれる!

第1回グッドライフアワード 『キッチンあさくら』の入り口には、 食べきり協力店のステッカーが貼ってありました

第1回グッドライフアワード どうしても出てしまった残飯などは、 堆肥にしています。

第1回グッドライフアワード 飲食店などで、食べきるためのポイントを 掲示しています。

第1回グッドライフアワード 湯田温泉をはじめ、たくさんの旅館やホテル、飲食店が「食べきり協力店」に名を連ねています。 (写真は湯田温泉『西の雅 常盤』)

今山口県食品ロス削減推進協議会の幹事でもある『キッチンあさくら』と『西の雅 常盤』には、実際に取材に伺いました。『キッチンあさくら』の二代目オーナーシェフは森永恭平さん。実は、この運動に参加する前から、残飯を出さない工夫に力を入れていたそうです。

「余った野菜はミキサーで砕いてスープにしたり、工夫して使うことでよりおいしい料理になるんです」(森永さん)というように、食材を使い切る工夫は本格的な味を生み出すための基本でもあるといえます。また、10年ほど前から生ゴミを堆肥にする処理機を導入して、その堆肥で育てた野菜を料理に使っているそうです。

『西の雅 常盤』の宮川さんからも、興味深いお話しを聞くことができました。もともと、旅館の宴会料理などで食べきれないほどの品数が出されていたのは、好き嫌いがあって食べない皿があっても満足できるようにという意味もあったというのです。でも、そんなサービスのスタイルはもう時代遅れ。「事前に好き嫌いやアレルギーなどをお客様からうかがって、量は抑えて質を高めた料理をご提供するように心掛けています。食べきって満足していただくのが、これからは大切だと思っています」(宮川さん)というスタイルには、とても共感できました。

『やまぐち食べきっちょる運動』では、フェイスブックでの情報発信も行っています。チェックしてみてくださいね。

『やまぐち食べきっちょる運動』公式Facebookページ https://www.facebook.com/yamaguchi.syokurosu

第1回 グッドライフアワード

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