「五感で学ぼう!」子ども自然体験プログラム モデルプログラム紹介

『那須の森』での自然体験プログラム

「那須の森」ってどんなところ?

「那須の森」は、日光国立公園の北部、栃木県と福島県の県境にある那須連山の山麓にあります。近年はほとんど人の手が入っておらず、自然の遷移に任せた森林となっていますが、かつては皇居で使用する薪炭の生産や放牧が行われており、自然の恵みを享受してきた森です。現在も里山的自然が残されています。もともとは皇族方のご静養・ご研究の場でしたが、天皇陛下のご意向を受けて、平成20年3月に宮内庁から環境省に所管換が行われました。

那須の森写真左:「ツツジ」  写真右:「リョウブと林床のササ」
那須の森地図

プログラム開発のテーマ

「那須の森」での自然体験プログラムの開発に当たっては、以下の点を重点テーマとしています。

自然体験から学ぶ仕組み 自然の少ない現在のこどもたちが、豊かな自然を体験し、体験を通して自然の仕組みを学ぶ内容としました。
「里山」と「人」との関わり 里山は、生物多様性や環境の確保、災害の防止機能、良好な景観の形成等の多面的機能を有している。この貴重な財産を後世に受け継ぐために、里山の役割や管理の必要性、里山と人の関りを学ぶ内容としました。
生物多様性 ツキノワグマなどの大型哺乳類も含めた多様な生物とそのつながりについて学ぶ内容としました。

プログラム作成のプロセス

以下の手順で、プログラム開発を行いました。

1. 近隣県の活動事例調査  なす高原自然の家 
国立那須甲子青少年自然の家 
ホテルエピナール那須 
コミュニティガーデン那須倶楽部 
NPO 法人オオタカ保護基金  
那須野が原博物館 
柏崎・夢の森公園 
2. 「那須の森」の自然環境・歴史等の整理
安全管理・技術的手法マニュアルの作成  
   
「那須の森」の自然環境・歴史等の整理 
安全管理のポイント 
技術的手法のポイント 
3. 『五感で学ぼう』自然体験プログラムの開発 『五感で学ぼう』自然体験プログラムの開発 

 

開発マニュアル(プログラム)の内容

プログラムの使い方

プログラムの選択や、プログラムを組み立てるために、次項の表に、年齢・構成・実施場所・所要時間・テーマを表にまとめた。

(1)プログラムの選択

次項の表を参考に、時間や対象、学ばせたい内容等から、プログラムを選択いただきたい。しかし今回、提示するプログラムは、年齢やテーマを絞り、対象の発達段階に沿ったプログラム展開となっている。そのため、表を参考にしながら、対象やテーマに沿った最適なプログラムにアレンジする事が可能である。「那須の森」の活用目的に合わせ、本プログラムを活用いただきたい。

(2)体験を学びにつなげる (ふりかえり・分かち合い)
自然体験活動は、五感を通して生き物や自然への興味・関心を高めたり、「美しさ」「驚き」「喜び」「恐れ」などの感性を豊かにしたりするものである。プログラムを通して体験した事・感じた事を、言葉にする「ふりかえり」を行う事で、これらを学びに結びつける。また、参加者間でふりかえりを「分かち合う」事で、新たな気づきや、様々な価値観があることを知ることが可能となる。
ふりかえり・分かち合いを行う事で、体験を学びにつなげ、体験をより効果的に行なっていただきたい。
【ふりかえり・分かち合いの方法(案)】
・体験を通じて、感じた事・学んだ事を一人ひとり考え、発表する。
・体験を通じて、感じた事・学んだ事を紙に書き、掲示する。
・グループごとに体験を通じて、感じた事・学んだ事を話し合い、その中で面白いものを全体で
発表する。

プログラムタイトル
対象年齢
構成
実施場所
所要時間
テーマ
幼児~
小学校
低学年
小学校
中~高
学年
中学生
個人
団体
屋外
屋内
導入
本体
まとめ
自然の仕組み
里山
生物多様性

導入・まとめのみ、屋内で実施可
20分
30分
15分

導入・まとめのみ、屋内で実施可
15分
30分
10分
(まとめのみ屋内で実施可)
15分
60分
10分

雨天の場合は屋内の観察を省略して実施可
15分
40分
10分

導入・まとめのみ、屋内で実施可
10分
50分
10分

ササを採る以外、屋内で実施可
15分
70分
15分

導入・まとめのみ、屋内で実施可
10分
60分
10分

導入・まとめのみ、屋内で実施可
15分
40分
15分


モデルプログラム紹介TOP|那須の森|おぢかの海佐渡島