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平成2 3年度第3回議事録要旨

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第3回環境省政策評価委員会 議事録要旨

1.日時: 平成24年3月2日(金)14:00〜16:00

2.場所: 環境省第1会議室

3.出席者

−委員−

(委員長)

須藤 隆一

東北大学大学院工学研究科客員教授

 

井村 秀文

横浜市立大学特任教授

 

大塚 直

早稲田大学大学院法務研究科教授

 

河野 正男

横浜国立大学名誉教授

 

崎田 裕子

ジャーナリスト・環境カウンセラー

 

藤井 絢子

特定非営利活動法人 菜の花プロジェクトネットワーク代表

 

三橋 規宏

千葉商科大学名誉教授

 

山本 良一

東京都市大学特任教授

 

鷲谷いづみ

東京大学大学院農学生命科学研究科教授

   

 

[欠席]

 

堤 惠美子

株式会社タケエイ 顧問

 

細田 衛士

慶應義塾大学経済学部教授


−事務局−

谷津大臣官房長、奥主秘書課長、鎌形会計課長、
吉川総務課課長補佐、高橋政策評価広報課長、他


−環境省各局部−

坂川企画課長(廃棄物・リサイクル対策部)、
小笠原総務課課長補佐(総合環境政策局)、瀬川企画課長(環境保健部)、
米谷総務課長(地球環境局)、弥元自動車環境対策課長(水・大気環境局)、
上河原総務課長(自然環境局)

   

4.議題:

(1)平成24年度環境省政策評価実施計画(案)について
(2)平成23年度政策評価手法検討部会の検討状況の報告について
(3)その他

5.配布資料

6.議事録要旨  

配布資料

議事録要旨

〔議事録要旨〕

(大臣官房長挨拶)

議事1 平成24年度環境省政策評価実施計画(案)について

(事務局より、資料1「平成24年度環境省政策評価実施計画(案)」の説明)

【藤井委員】
  人の健康と環境の保護が環境省の根幹だと思う。そうしたときに、現在の施策体系(案)の中で「東日本大震災への対応」の項目が含まれるのは、「3.大気・水・土壌環境等の保全」、「4.廃棄物・リサイクル対策の推進」、「5.生物多様性の保全と自然との共生の推進」の3体系のみである。「6.化学物質対策の推進」、「7.環境保健対策の推進」にも入れるべきではないか。

【三橋委員】
 「施策10.放射性物質による環境の汚染への対処」が新たに加わった点が変更点である。
 現在、除染するためにはがされた瓦礫や表土は校舎の一部に野積みされたままになっており、子供達の健康影響にも懸念があるほか、地元の自治体も処理に困っている。本施策の中で、放射性物質を含んだ土壌の処理を進める具体的措置をお考えいただきたい。遮断シートをひいた3メートルほどの土中の穴に汚染土壌を溜めて土をかぶせれば、10年程度は影響がないと聞いたこともある。
 中間処理施設の建設が進まないのであれば、予算を準備し、上記のような処理を地元の方の雇用という形でやってもらうこともできる。また、シートを用いた産業廃棄物の最終処分方法等、環境省が持っている技術も活かすことができるはずだ。

【崎田委員】
 放射線や汚染物質への対処方法について、環境省は細かく取り決めて発信されていると思うが、実際、現場で除染をされている方等には伝わっていないように感じる。
そのため、例えば、「10.放射性物質による環境の汚染への対処」の施策体系に、10−3.として国民対話、リスクコミュニケーションなどの目標を立て、国民とのコミュニケーションを施策として明確に位置づけてもよいのではないか。
 施策体系の目標に「東日本大震災への対応」とあるが、具体的な実施目標が書いてあるものとないものがある。全て具体的に括弧して書いてほしい。
 関連して、「10−1.放射性物質により汚染された廃棄物の処理」と「4−7.東日本大震災への対応(災害廃棄物の処理)」は、廃棄物の放射線量の違いで区別するのか。現場の作業は同じであり、どのように区別・整理をされるのかご説明いただきたい。
 現在、協力を呼びかけている震災廃棄物の広域処理と、地域内で行う放射性廃棄物処理の違いが正確に伝わっていないように思う。両者の基本的な違いや、国・環境省が考えている方針がきちんと伝わることが大事である。

【河野委員】
 資料1、平成24年度環境省政策評価実施計画(案)で、「3.事後評価の方法等」の記載の変更について、(2)「可能な限り」及び、2「別途定める期日」という記載は消極的な表現に感じるが理由があるのかをお伺いしたい。
 放射性物質について、放射性廃棄物と災害廃棄物が混同され、放射性廃棄物が拡散して処理されるのではないかという懸念があると感じている。この件についてどのように考えているのか、ご説明いただきたい。
 また、評価書の統一様式について、政策評価・独立行政法人評価委員会において、省によっては統一様式を一部変更したいという意見があり、内部的な管理の必要上と統一性で議論があった。国民の視点からいうと、全省統一評価書の方が理解しやすく、できるだけ統一させてほしい。

【大塚委員】
 施策体系について、放射性物質による環境汚染への対処が新しく入ってよかったと思う。
 一つだけ、施策目標4−2について、以前の3R(リデュース・リユース・リサイクル)の記載が削除されてしまったことにより、リデュース、リユースを重視しなくなるという印象を受けるので、誤解を受けないように工夫をすべきではないか。

【山本委員】
 別添1の施策体系について、意見を申し上げる。
 「施策1.地球温暖化対策の推進」の目標1−1〜4を見ると、いずれも軽減策の目標だが、現在は適応策を真剣に議論・実施する時期に来ており、目標としても盛り込んでほしい。
 第二点は、震災の廃棄物と放射性物質に汚染された廃棄物の問題である。廃棄物の処理について、災害廃棄物の処理事業費が約1兆円、除染・モニタリングで7千億円ほど計上されている。この額では、理想的な除染を徹底的に実施する覚悟があるかどうか疑問である。莫大は経費がかかることは明確である。現実的に、広域での処理が始まっているが、汚染されてないものについては安全措置をして一括で埋め立てる、等の検討をされているのか。除染も現在のようなシンプルな方法ですべてやり切れると思っているのか。政府は、きわめて理想的なことだけをいっているように聞こえる。トータルの経費を削減でき、かつ有効な方法をとらなければならない。
 「施策1.地球温暖化対策の推進」は、毎年評価をやることになっているが、施策8の環境・経済・社会の統合的向上こそ、環境政策の究極的目標であり、毎年評価すべきである。本年6月に行われるリオ+20(国連持続可能な開発会議)でも、グリーン経済と貧困の開発がテーマになっている年に、24年度の評価対象から外してよいのか疑問である。
 
【鷲谷委員】
 モニタリング評価について、達成度に関して実績の測定を行うとしているが、測定とは数値等に拠らざるを得ず、言葉の論理で組み立てた政策の評価をどう測定するのか理解しがたい。
 かなり単純化した数値、カテゴリでなければ、測定という言葉にそぐうようなことができないと思う。このモニタリング評価が出てくることには、政策を評価するということに対して非常に単純なモデルで考えられているような感じがする。
 多様な性格・複雑な要素の政策を単純なモデルに当てはめて評価することで何を目指しているのか。1年ごとに達成の進捗を評価できるものをまとめて評価することに、どのような意図があるのか。本当に簡素化になるのか。

【井村委員】
 別添1の施策体系について、従来であると地球温暖化対策は、あらゆる分野に横断的にまたがるということで、一番重要な環境施策として施策1にまとめていた。
 今回新たに加わった東日本大震災への対応について、様々な施策に分散されており、一体感が見えない。環境省、国全体として取り組む大きな施策であり、震災対応を大きな施策体系としてまとめた方が良いのではないか。従来から環境省の部局・課といった組織に応じて施策体系をつくっていることに配慮したために、こうした体系になるのは仕方ない面もあるが、可能であれば国の重点施策として分類できないか。

【須藤委員長】
 委員長であるが、付け加えさせていただきたい。
 施策体系における東日本大震災の位置づけについて、本施策の評価の毎年実施については、5年10年と継続すべきものでよいが、井村委員もおっしゃったように、地球温暖化と同様に取り組むべき課題として、一つの施策体系を立てた方がよいのではないかと思う。
 私は、現在も、宮城県の廃棄物・瓦礫の処理、除染の仕事を中心的に県庁の中で行政の援助をしているが、一番の誤解は、地元の住民や行政の中で、瓦礫の処理と除染でスクラップされた土壌が混同していることである。処理のプロセスも似ているため、作業する側も混同してしまう。その結果、瓦礫を運んだらそこが汚染される、と考えてしまう。それが余計に行政を混乱させ、住民を悩ませ、子どもたちを不安にさせている。
 環境省が決定していることが、話し合いや連携の中で地方自治体に届いていないと感じる。当初から、環境省と各県及び各市町村の間では瓦礫処理の連携ができておらず、対処の遅れを引き起こした。今後2年間のうちに瓦礫処理を終了するとしているが、現在、処理済みはわずか5%で現状では、期限までに終了しないだろう。そういう問題も行政評価の中に含めて、分けてきちんとやっていただきたい。

【政策評価広報課長】
  東日本大震災関係の施策体系化及び放射能・災害廃棄物の区分については、「施策10.放射性物質による環境の汚染への対処」を別途策定することによって、放射性物質による汚染の関係をまとめる。他方、災害廃棄物の処理は、目標4-7として明確にわけて位置づけていく。
 各施策体系の中に位置づけた「東日本大震災への対応」目標については、すべて内容までわかるよう具体的に明記していく。
 平成23年度の環境保健については、有害物質やアスベストのモニタリングと同様、東日本大震災関連のモニタリング等も「施策3.大気・水・土壌環境等の保全」の目標3-6.に含めて未然防止を図ると明確にしていく。今後の議論で、原子力規制庁の構想が具体的になれば、その中で原発事故に伴う健康管理調査が位置づけられ、新たな項目が追加されると思うが、現時点では施策3.の中で、放射能を含む有害物質のモニタリングしていくことが妥当と考えている。
 資料1の平成24年度環境省政策評価実施計画(案)について、河野委員からご指摘のあった文言に関しては、決して消極性を意図したものではない。随時行っている事業評価や昨年度の震災による評価時期のずれ等、一部例外があることから、より実態に合わせて表現を適正化したものでご理解いただきたい。
 「施策1.地球温暖化対策の推進」の適応策については、昨年の評価でもご指摘を受け、「目標1−1.地球温暖化対策の計画的な推進による低炭素社会づくり」の中で記述している。この中で、施策体系としては対応させていただきたい。
 
【事務局】
 モニタリング評価について、総務省の説明によると、評価作業の効率化を目指した試行的取り組みの一例であり、毎年評価を行うことを否定するものではなく、それぞれの項目については各省で対応が可能である。実績評価は目標管理型の政策評価として、毎年評価しなければいけないものではなく、その対応も各省にゆだねられている。昨年度の試行的取組の中で評価を実施しなかった施策もあるが、毎年、評価が必要であるとのご意見があれば対応は可能である。

【鷲谷委員】
 簡便な評価という表現ではわかるが、実績の測定をすると書いているので、それは難しいのではないか。

【事務局】
 指標の測定という意味であり、指標によっては数量的に表せず定性的な表現で進捗状況を表すことも可とされたもの。

【鷲谷委員】
  ロジカルに良い悪いの評価では、あまり実施する意味がない。モニタリング評価の具体的な例はどのようなものなのか。各省で検討するということか。意義のあるモニタリング評価とはどのようなものか、考える必要がある。
 
【水・大気環境局】
 除染方法、瓦礫や汚染土壌の保管方法に関しては、具体的な方法や注意事項、保管の際に飛散・流出しない方法等の基準について、専門の先生方に集まっていただき検討した。一つの方法に固執しているのではなく、目的を達成するための方法をオプションを持ってガイドラインにまとめている。新技術等ご提案があれば、今後、逐次ガイドラインの見直しもしていきたい。
 国民の不安が先行する形で除染作業等が進んでいるが、リスクコミュニケーションを重視し、さらにより正しい情報を、頻度高く世の中に提供していかなければいけない。目標項目として立てるか、与えられた項目の中で評価を実施していくかは今後検討していくが、いずれにしても国民に対する発信、国民とのコミュニケーションの現状についても評価を行っていきたい。
 法律や省令・政令において汚染土壌や廃棄物に関する保管の基準等を定めているが、条文を理解するのは難しいため、写真や図等を加え、市町村の職員を想定して、事業の発注方法なども分かりやすく明示したものがガイドラインである。放射線の正しい知識を持ってもらうため、ガイドラインのほか、パンフレットも作成した。
 1月1日付けで福島に情報提供のための環境事務所をオープンし、その隣に除染プラザを設けて、質問や相談に応じる体制をとっている。また、今後、ホームページ上で除染の状況や結果などを統一的に公表する場を作っていきたい。

【廃棄物・リサイクル対策部】
 広域処理の対象とする災害廃棄物と放射性物質に汚染された廃棄物との混同がある。広域処理でお願いしているのは放射性物質が不検出か又は低い濃度のものである旨周知しているがまだまだ不足している。今後もさらにPRや説明に力を入れていきたい。
この点を正確に理解いただいても、どんなに低いレベルとはいえ、いくらかは汚染しているということをもって不安を感じ、受け入れてもらえない場合もある。非常に低いレベルの汚染による健康影響に関する知見も合わせて説明し、理解してもらわなければ受入れは難しい。いずれにせよ、被災地の災害廃棄物は膨大で、このままでは処理に非常に長い期間がかかるため、可能な限り広域処理を依頼していきたい。
 山本委員から、一括で処理する方法をご提案いただいたが、今から処分場を設置するとかなり時間がかかる。余裕のある既存の処分場もあるため、できるだけそこを活用しつつ、被災地に設置した仮設の焼却炉も活用していく。
 施策目標「10−1.放射性物質により汚染された廃棄物の処理」では、主として上下水道汚泥や稲藁、さらに、災害廃棄物ではないが、普通の廃棄物の焼却灰からも放射性物質が検出されており、そのようなものも対象と考えている。一方、災害廃棄物は施策目標「4−7.東日本大震災への対応(災害廃棄物の処理)」の対象だが、災害廃棄物には放射性物質に汚染された廃棄物も含まれており、どちらに分類するかは、わかりやすさを考えて整理していく。
 「施策目標4−2.各種リサイクル法の円滑な施行によるリサイクル等の推進」の表現修正については、4−1と4−2の違いが分かりにくいという指摘を受けて変更した。4−2はリサイクル法が主になっていたため、内容に沿ったものに変更したが、3R活動が後退したと思われないよう内容を中身に盛り込んで対応していく。

【山本委員】
 指摘した「8.環境・経済・社会の統合的向上」を、今年リオサミットがあってグリーン経済がテーマなのに外していいのか。東日本大震災で国民の意識が内向きになってしまい、国際的にグリーン経済の潮流から取り残されることを懸念している。太陽光発電や液晶テレビ、風力発電にしても日本は既に後塵を拝している。東日本大震災からの復興に役に立った除染技術やリサイクル技術、スマートシティ等の技術を売り込む戦略が必要である。

【総合環境政策局】
 「施策8.環境・経済・社会の統合的向上」について、ご指摘の通り、リオ+20で重要な課題になっており、特に、再生可能エネルギーを中心としたグリーン経済をどう構築していくかは大事なので、頑張っていきたい。

【須藤委員長】
  山本先生の御意見も活かして、重点施策の順番なりを場合によってはもう一回検討していただきたい。
 
【政策評価広報課長】
 この施策体系自体は、予算要求書と連動しており、今の時点で変更は難しいが、施策目標については変更の余地があるため、今日のご意見を踏まえて見直しをさせていただきたい。

(総合環境政策局より参考資料2の説明)

議事2 平成23年度政策評価手法検討部会の検討状況の報告について

(井村委員(政策評価手法検討部会長)より、資料2「平成23年度政策評価手法検討部会の検討状況の報告について」の説明)

【崎田委員】
 原子力規制庁の組織をどう運営していくかを大事にお話いただき、心強い。現在、規制庁組織の法案が出ているが、運営の仕組みづくりの段階でぜひ本報告の意見を活かしてほしい。規制庁の組織体制に関して議論する「原子力安全庁(仮称)に対する市民会議」を開催したが、そのときに出た意見も本報告に似ている側面があったが、以下簡単に申し上げる。
 まずは、これまでの原子力行政は閉ざされた印象があり、国民や市民、地域に開かれた運営であってほしいということが強調された。それとともに、環境省が原子力規制を推進するにあたってどこが変わったのか、国民に明確に伝わるように運営してほしいという声が強かった。環境省は公害の補償の歴史を持ち、また、最近は協働連携という新しい政策の形を実施しているため、環境省らしい組織体制・運営を行ってほしい。
 このような運営体制を評価につなげることが、社会への安心感につながると思う。

【山本委員】
 福田内閣において原子力ルネサンスの委員会に関わった際、中越地震後の柏崎刈羽原発の再稼動までのプロセスを調査した。再稼動のために計330回、津波対策についても39回の審査が行われ、その時は信頼していたが、東日本大震災後に考えると審査が形骸化していた。おそらく他の原発でも同様の審査が行われていると思うが、あらゆる委員会、審査が形骸化している恐れがある。どれが確実なデータで確実に審査しているか、担保する必要がある。
 今回、原子力安全調査委員会が設立されるが、旧原子力委員会、原子力安全委員会、原子力安全・保安院の人材を一新しないと国民は信用してくれない。環境省の政策評価は大変に難しいと思うが、国民の立場で審査をやっているか、厳しく見てほしい。

【鷲谷委員】
 参考資料2 原子力規制庁の予算案の概要の「3.健康管理・調査」の予算案の中で、リスクコミュニケーションが強調されている印象を受けるが、社会とサイエンスの現状の中で、先ほど水・大気環境局が述べた「正しい情報を頻度高く提供していく」ことが有効に機能する状況なのかどうか考える必要がある。
 客観的にみて何が正しいのかわからない、科学的には不確実性とされるような事象について、ある方向からの見方を伝えることは、逆に国民の不安、不信感を煽ってしまうのではないかと懸念している。低線量の放射線の影響については分かっていないことが多く、今後一層の科学的知見の蓄積が必要で、安全の知見の確立はしていない。
 確実な情報発信を行うためには、偏りのない視点から世界中の情報・知見を集めて検討・分析することが必要である。この少なめの予算の中では、調査・研究や情報収集に注力する方が良いのではないか。リスクコミュニケーションは、そのような情報に則って実施していくべきである。去年の春から行われてきたようなリスクコミュニケーションの延長上で実施するものが、どれぐらい有効なのかなという印象を持っている。

【大塚委員】
 原子力安全調査委員会の位置づけについて、第三者委員会がよいのではという国会での意見に対し、細野大臣は、事故時の対応は行政庁のほうが好ましいと答えていた。平時の場合は、原子力規制庁が中心になって行動し、原子力安全調査委員会は勧告にすぎないという位置づけでも構わないという趣旨か。事故時の場合に原子力規制庁が機動的に動かなければいけないというのはわかるが、平時もその論理が通用するのか。原子力規制庁の独立性を確認したい。

【総合環境政策局】
 現在、国会で議論になっているのは、原子力安全調査委員会の位置づけではなく、規制庁自体を環境省の外局にするか、内閣府下に3条委員会として置くかという新組織自体の議論である。政治介入がかかったりして判断が揺らぐ可能性があり、だから独立行政委員会にして科学的、客観的な立場から判断すべきだという議論が1つある。
 それに対して、細野大臣はご自身の経験に基づき、災害時、つまり自衛隊や警察、消防等あらゆる資源を投入し総力戦を行わなければいけない時に、会議体で議論していたのでは対応できない、したがって総理大臣をはじめとした全政府での対応が必要である、とお答えしている。
 平時の場合は、環境大臣によって方向性が左右されるのは好ましくなく、原子力発電所の規制についての判断は原子力規制庁の長官に委ねられ、緊急時になると環境大臣の権限が優先される構造になっている。
 平時の規制庁長官の権限については、法律上、環境大臣の権限を規制庁長官に委任する旨規定されている。原子力規制庁は独立して客観的・科学的に判断し、その規制の実効性等を専門家の合議体である原子力安全調査委員会がチェックするという仕組みになっている。必要な場合には勧告する。

【三橋委員】
 新しい原子力規制庁が発足した際、現在の原子力安全・保安院や原子力安全委員会の幹部クラスが横滑りするだけではないかという懸念を持っている。そこが変わらなければ、新しい規制庁の意味がなくなってしまうのではないか。

【大臣官房長】
 幹部の人事は一番重要で、細野大臣もお考えのことと思う。
 新しいミッション、新しい体系の下に原子力安全規制の組織が発足するため、過去の体制から一新し、その新しいミッション・役割に全面的に従って行政官としての仕事を遂行する必要があると思っている。
 現在、政府内で原子力関係の専門的知識を持っている公務員は、原子力安全・保安院や原子力安全委員会の事務局、文部科学省、経済産業省にいる。一定レベル以上の原子力規制庁に来る幹部職員は、いわゆる“ノーリターン”で来ていただくことを考えている。利用と規制についても人事面からはっきり区別する、というのが大臣のお考えだと思う。

議事3 その他

【地球環境局】
 山本先生のご指摘の点について、我々も適応の問題については大きな柱だと認識しており、今後取り組んでいきたい。

【環境保健部】
 水俣病特措法は、公害健康被害の補償等に関する法律(公健法)で認定されないが、一定の症状を抱える患者の救済を行っている。被害者の早期救済の観点から、法の施行から3年以内に被害者を確定することを目指しており、2月3日にそれを実現するために申請期限を7月末日までと定めた。現在、知らなくて申請できなかったという患者がいないよう、広く告知をしている。

【自然環境局】
 自然環境局の取組みを3点、紹介させていただく。
 今回の震災で、東北の自然公園も大きな被害を受けた。この復旧を図るため、周辺の国定公園、県立公園を含めて三陸復興国立公園として再編成を行い、地元の復興に役立てる形で進めていきたい。
 一昨年のCOP10の成果を踏まえ、生物多様性国家戦略の見直しを行っている。10月の第11回締約国会議で成果を報告する。またイノシシやシカなどの鳥獣管理も重要な課題となっている。
 動物愛護法の見直しの時期になっており、昨年12月の中央環境審議会の報告書を踏まえ、可能であれば本国会で議員立法として成立させていただければありがたいと考えている。

【河野委員】
 適応策について、施策目標ではなく、施策体系の柱として一つに立ててもよいと思う。
 大震災後、即脱原発という方向に動いているように見受けられる。経済界は化石エネルギーの使用を増やしている。温暖化抑制と脱原発を両立させるためには、自然エネルギーを急速に増大させる政策を取らなければならないが、環境省の対応をご説明いただきたい。

【藤井委員】
 先ほど山本委員から指摘があったように、私自身も審議会や委員会が形骸化していると感じる。委員は報告を聞くということが多く、政策を議論するときにタイムリーに部会が開かれないと審議会の位置づけに疑問を覚える。政策評価の土台として、様々な部会の開かれ方、協議のあり方を整理しておかなければならない。

【崎田委員】
 福島原発の事故調査委員会等の報告で、大震災時の指揮命令系統が機能したかについて聞くことが多いが、現場にいた人が責任を持ってどう動くかという意識、志の問題が大きいと思う。今後、原子力行政に関わる方の意識をどう高く保っていくかは重要な課題である。
 放射線に関する政策評価を行うには、今後、自然状況や健康状況に関するかなりの研究・調査が必要である。国は、自然影響や除染、健康影響、医療に関するすべての研究拠点を福島に作るとしているが、福島県庁にも拠点を作る構想がある。国と福島県がどう連携し、相乗効果を作り上げていくのか検討していただき、ビジョンを作り上げてほしい。

【大臣官房長】
 政府のエネルギー・環境会議の中で、エネルギー政策と温暖化政策を中心にした環境政策について議論しており、今年の春にオプションをまとめ、夏に方向性を報告できるだろう。温暖化については、中環審の地球環境部会で議論が進められており、春の中間的な報告をまとめられる予定である。
 審議会等のあり方については、環境省としても重要視している。根本的な重要事項については全て公開の審議会を経て、政策・法律化している。本委員会に限って言えば、基本的には政策を実施した成果を検討する事後評価であり、次の政策プロセスのための検討の場として、事後に重きを置いた委員会である。
 まさに現在、環境省職員ひとりひとりが自ら自分の心と向き合いながら仕事をしており、原子力規制庁もそうでなければならない。
 研究拠点については、政府としては復興庁が中心となり関係行政機関と連携しながら検討を行い、参画している。環境省は福島県の浜通り、双葉郡に軸足を置いた検討をしている。しかし、福島、郡山など福島県内でどのような配置になるか、あるいは福島県立医大をはじめ、地元の研究とも良い形で連携をしていきたいと考えている。

【政策評価広報課長】
 本日のご意見を踏まえて資料1を今月中に決める必要がある。直すべき点については、須藤委員長とご相談して決めさせていただきたい。

【須藤委員長】
 以上をもって、第3回政策評価委員会を終了する。

以上



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