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ZEBの定義

ZEBとは

ZEBの定義は国内外で様々な議論や検討がされています。経済産業省資源エネルギー庁「ZEBロードマップ検討委員会とりまとめ」(平成27年12月)では、ZEBを「先進的な建築設計によるエネルギー負荷の抑制やパッシブ技術の採用による自然エネルギーの積極的な活用、高効率な設備システムの導入等により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギー化を実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、エネルギー自立度を極力高め、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物」と定義しています。さらに、ZEBの実現・普及に向けて、3段階のZEBを定性的及び定量的に定義しています。

ZEBの定義
この図は、ゼロエネルギーの達成状況に応じて定義される3段階のZEBシリーズを説明したものです。
定性的な定義 定量的な定義(判断基準)
『ZEB』 年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの建築物 以下の①~②のすべてに適合した建築物
基準一次エネルギー消費量から50%以上の削減(再生可能エネルギー*を除く)
基準一次エネルギー消費量から100%以上の削減(再生可能エネルギー*を含む)
Nearly ZEB ZEBに限りなく近い建築物として、ZEB Readyの要件を満たしつつ、再生可能エネルギーにより年間の一次エネルギー消費量をゼロに近付けた建築物 以下の①~②のすべてに適合した建築物
基準一次エネルギー消費量から50%以上の削減(再生可能エネルギー*を除く)
基準一次エネルギー消費量から75%以上100%未満の削減(再生可能エネルギー*を含む)
ZEB Ready ZEBを見据えた先進建築物として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備えた建築物 再生可能エネルギー*を除き、基準一次エネルギー消費量から50%以上の一次エネルギー消費量削減に適合した建築物

*再生可能エネルギー量の対象は敷地内に限定し、自家消費分に加え、売電分も対象に含めることとする。

出所)経済産業省資源エネルギー庁「ZEBロードマップ検討委員会とりまとめ」(平成27年12月)より作成

建築物省エネ法

平成27年7月、社会経済情勢の変化に伴い、住宅・建築物におけるエネルギー消費量が著しく増加していることを背景に「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」(以下、「建築物省エネ法」)が公布され、平成29年4月に全面施行されました。
建築物省エネ法は、わが国における住宅・建築物のエネルギー消費性能(以下、「省エネ性能」)を向上させて行くために、建築主等の自発的な省エネ性能の向上を促す誘導措置に加え、住宅・建築物の規模等に応じた規制措置を講じています。誘導措置としては、「エネルギー消費性能向上計画認定・容積率特例」、「基準適合認定・表示制度」が挙げられます。一方、規制措置は、延べ面積が2,000m2以上の建築物の「建築物エネルギー消費性能基準(以下、「省エネ基準」)」への適合義務、および従来の「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」で措置されていた延べ面積が300m2以上の住宅・建築物の新築等の「省エネ措置の届出」、そして住宅事業建築主が新築する一戸建て住宅に対する「住宅トップランナー制度」で構成されています。
※住宅:戸建住宅、共同住宅など  建築物:住宅以外の建築物

BEI(Building Energy Index)

建築物省エネ法において住宅・建築物の省エネ性能の評価対象となるのは、建物に設ける空気調和設備、換気設備、照明設備、給湯設備、昇降機です。なお、家電やOA機器等のその他の消費機器は評価の対象になりません。省エネ基準適合義務対象の建築物の規制に係る省エネ基準は、一次エネルギー消費量で評価し、性能向上計画認定・容積率特例の誘導措置に係る誘導基準は、一次エネルギー消費量および外皮の性能で評価します。一方、住宅については、省エネ基準、誘導基準のいずれにおいても、一次エネルギー消費量および外皮の性能で評価します。
また、建築物省エネ法では、住宅・建築物の一次エネルギー消費量の基準の水準として、BEI(Building Energy Index)という指標を用います。BEIは、実際に建てる建物の設計一次エネルギー消費量を、地域や建物用途、室使用条件などにより定められている基準一次エネルギー消費量で除した値で評価し、新築される住宅・建築物の一次エネルギー消費量基準に適合となる水準は、BEI≦1.0となります。つまり、新築される建築物においては、設計一次エネルギー消費量基準一次エネルギー消費量以下であれば省エネ基準に適合しているということになります。
ZEBの評価でも建築物省エネ法と同様に、BEIを用います。国立研究開発法人建築研究所が公表している建築物のエネルギー消費性能計算プログラムを使用してBEIを計算します。再生可能エネルギーを除きBEI≦0.50の場合にZEB Ready、さらに再生可能エネルギー導入によって0.00<BEI≦0.25となる場合にはNearly ZEB、BEI≦0.00となる場合には『ZEB』と判定されます。このようにZEBの評価に当たっては、建築物省エネ法の評価方法が用いられています。

この図は、建築物の一次エネルギー消費量(非住宅部分)を説明したものです。
建築物の一次エネルギー消費量(非住宅部分)
*出所)「建築物の省エネ設計技術」編集委員会「建築物の省エネ設計技術
省エネ適判に備える」(平成29年5月、(株)学芸出版社)より作成

ZEBに向けた取組の方向性

ZEBに向けた取組の方向性としては、建築物における負荷の低減と設備の効率化を図ることによりエネルギー需要を少なくし、最適な規模の再生可能エネルギー設備を導入していくことが合理的です。つまり、先ずは①外皮性能の向上などにより負荷を抑制し、その上で必要となるエネルギー需要に対して②自然エネルギー利用及び③設備システムの高効率化を行うことで、基準一次エネルギー消費量に対して50%以上の省エネルギーの実現を目指します。そして、④再生可能エネルギーの導入により、建築物の外部からの自立性を高めていきます。

この図は、ZEBに向けた取組の方向性を説明したものです。 *出所)経済産業省資源エネルギー庁「ZEBロードマップ検討委員会とりまとめ」(平成27年12月)
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