地球環境・国際環境協力

作成作業の流れ

報告書骨子(章立て)の検討~決定

2008年4月の第28回IPCC総会(ブダペスト)にて、AR5の作成が合意された。その後、2回のIPCC総会の後、2009年7月ベニスにて、AR5各WG報告書骨子案(章立て)作成のため専門家によるスコーピング会合が開催された。スコーピング会議の結果提出された骨子案について、2009年10月バリ(インドネシア)でのIPCC第31回総会において審議し、AR5の各WG報告書の骨子が確定した。

AR5 各作業部会報告書 骨子(章立て)(PDF形式:6.69KB) ※環境省記者発表資料より

AR5「統合報告書」(SYR)の骨子検討~決定については、2010年8~9月にベルギーにおけるスコーピング会合にて骨子案が作成され、その案について、2010年10月釜山(韓国)でのIPCC第32回総会にて審議が行われ確定した。

AR5統合報告書 骨子(4つのTopics と1つのボックス)

  • 気候変動の観測とその原因(Observed Changes and their Causes)
  • 将来の気候変動、影響、リスク(Future Climate Changes, Impacts, and Risks)
  • 適応策と緩和策(Adaptation and Mitigation Measures)
  • 社会システムの変革(Transformations and Changes in Systems)
  • 【ボックス】気候変動の観測とその原因(Information relevant to Article 2 of the UNFCCC)

執筆者の推薦~選考

第31回総会(2009年10月)に合意された骨子に基づき、実際にAR5の執筆を担当するCLA(統括執筆責任者/調整役代表執筆者)、LA(主執筆者/代表執筆者)およびWG毎に全体の査読を行うRE(査読編集者)についての推薦および選考が行われた。

推薦は、IPCCからの依頼に基づき、各国政府が行い(2010年1-3月)、推薦された研究者の中から、IPCCビューロー会合にて選考された。(2010年5月ビューロー会合にて選考、6月に発表された)

IPCC報道発表資料<2010年6月23日付>(IPCCホームページ(リンク))(PDF形式:24.79KB)

WG1 list:WG1の執筆者一覧(IPCCホームページ(リンク))(PDF形式:369.72KB)
WG2 list:WG2の執筆者一覧(IPCCホームページ(リンク))(PDF形式451.41KB)
WG3 list:WG3の執筆者一覧(IPCCホームページ(リンク))(PDF形式:91.56KB)

日本からのIPCC AR5 CLA・LA・REメンバー延べ30名(WG1:10名、WG2:11名、WG3:9名)

※統合報告書の執筆者は、各作業部会執筆者・査読者の中から、議長が中心となって、CWT(Core Writing Team)メンバーの選考を行い、IPCCビューロー会議に諮り決定し、IPCC総会にて報告される。

報告書ドラフト作成~レビュー(査読)

各WG報告書のドラフト作成作業は各WGの第1回LA会合の開催とともにスタートした。

(WG1:2010年11月(中国・昆明)、WG2:2011年1月(つくば)、WG3:2010年7月(フランス・ブレスト))

LA会合は各作業部会共通で各全4回開催された。

WG報告書については、執筆者によるドラフト作成作業が行われ、それについて、1)専門家レビュー、2)専門家・政府レビュー、3)最終政府レビュー、という一巡のプロセスが行われ、2013年9月(WG1)、2014年3月(WG2)、4月(WG3)の各作業部会総会において承認された。

『統合報告書(AR5 SYR:Synthesis Report)』については、2014年10月のIPCC総会で審議・承認される予定。
統合報告書に関しても、Core Writing Teamによる数次にわたるドラフト作成作業が行われ、専門家/政府レビューが行われる。

報告書の承認

IPCCの報告書は、「IPCC総会」において正式に承認をうける、という手順を踏むこととなっており、AR5の各作業部会報告書についても、各"作業部会"総会にて承認された後、その次の回のIPCC総会において、「3つの作業部会報告書全体」として一括承認(採択)された。 

また、AR5統合報告書については、2014年10月のIPCC総会にて、審議・承認された。