保健・化学物質対策

放射性物質対策に関する不安の声について

平成26年5月13日
環境省

 東京電力福島第一原子力発電所の事故による被ばくにより、疲労感や鼻血といった症状が福島県の多数の住民にあらわれているのではないかとのご不安や、災害がれきの広域処理に係るご不安、また、除染作業、効果等に関するご不安の声もいただきました。このような不安にこたえ、不当な風評被害が生じることを避けるとともに、福島県内に住んでおられる方々の心情に鑑みて、環境省としての見解を以下のようにお示しいたします。

放射線被ばくと確定的影響の1つとされる疲労感、鼻血といった症状との関係について

  • 国連(原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR(アンスケア))が、これまでの知見に基づき公表した「2011年東日本大震災と津波に伴う原発事故による放射線のレベルと影響評価報告書」(平成26年4月2日公表)によれば、住民への健康影響について、「確定的影響は認められない」とされています。
  • 東京電力福島第一原子力発電所の事故の放射線被ばくが原因で、住民に鼻血が多発しているとは考えられません。

がれきの広域処理について

  • 災害がれきについては、岩手県、宮城県から搬出されたものについて、両県外での広域処理を実施しております。広域処理を実施した全ての地域において、焼却施設における排ガス実測データ中の放射能濃度等の実測データは検出下限値未満であり、安全に処理できていることを確認しています。

除染について

  • 除染事業の効果については、除染前後の測定結果から、除染作業により空間線量率が低減することが確認されています。また、除染後も、面的な除染効果が維持されていることが、除染作業後一定期間を経た後の測定結果等から分かっています。
  • 除染作業員の安全衛生については、労働安全衛生のための法令等に則り、適切に放射線障害防止対策を講じています。

参考(放射線被ばくと確定的影響の1つとされる疲労感、鼻血といった症状との関係について)

  • 放射線の人体への影響には、影響が生じるメカニズムの違いにより、「確定的影響」と「確率的影響」があります。確定的影響は、臓器や組織を構成する細胞が大量に死んだり、変性したりすることで起こる症状で、高線量を短時間に被ばく後、数週間以内に現れる影響である急性障害もこれに含まれます。
  • 確率的影響と異なり、確定的影響の特徴は、これ以下なら影響が生じない、これ以上なら影響が生じるという「しきい値」が存在することです。造血機能低下(白血球や血小板が作られなくなる)は約500mGy(0.5Gy)以上で現れるとされ、鼻血の誘因となる出血傾向が生じるのは、それより高い被ばく線量です。吐き気、嘔吐、脱力感は1000mGy(1Gy)未満では現れないとされています。
  • 鼻血の原因は数多くあり、その鑑別には鼻腔の診察や、場合によっては血液検査が有効です。確定的影響が生じるほどの高い線量の被ばくを全身に受けた場合、鼻血だけでなく、鼻粘膜の広範囲な障害、全身の内出血、頭髪の脱毛などが生じることもあります。被ばく線量の推計や被ばくから症状発症までの経緯とともに、これらの症状を総合的に評価する必要があります。
  • また、福島県が実施している県民健康調査では、内部被ばく・外部被ばくとも、以下に示す結果となっており、これまでの科学的知見では「放射線による健康影響があるとは考えにくい」と評価される範囲となっています。疲労感・鼻血といった症状と被ばく量との関係が既に知られているほどの被ばくをされた方は確認されていません。
    • 外部被ばく線量は、99.8%が5ミリシーベルト未満、99.9%以上が10ミリシーベルト未満
    • 内部被ばく線量は、99.9%以上の方が1ミリシーベルト未満
(注)シーベルト(Sv)とグレイ(Gy)の関係について
Gyは、物質が放射線から受けるエネルギー量を表す量であり、Svは生体が放射線から受けたエネルギーによって起こる影響を表す量です。それらの関係は係数をかけて換算することとなりますが、X線、ガンマ線及びベーター線は係数が1であるため、数字としては同じになります。ただし意味合いは異なります。

参考(がれきの広域処理について)

参考(除染について)

  • 国及び地方自治体が実施した除染によって空間線量率は平均値で30~50%程度低減されています(第10回環境回復検討会参考資料5 [PDF 1,448KB])。また、除染による空間線量率の低減率と放射性物質の物理減衰等による低減率との合計で評価した結果、平成23年8月~平成25年8月までの2年間で一般公衆の年間追加被ばく線量は全体として約64%、子どもの年間追加被ばく線量は約65%減少していると考えられます(第10回環境回復検討会資料4 [PDF 361KB])。
  • 現在の知見によれば、除染の効果は面的には維持されていると考えられます(第11回環境回復検討会資料2 [PDF 148.5KB])。例えば、田村市の国直轄除染においては、事後モニタリングにおいて、面的な除染の効果が維持されていることが確認され、いずれの地目でも除染後から線量がさらに低減しています(第11回環境回復検討会参考資料1 [PDF 117.8KB])。
  • 国直轄除染だけで数千人の方が除染作業に従事しています。除染作業員の安全衛生については、除染電離則(東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則(平成23年厚生労働省令第152号))に基づき、特別教育、特殊健康診断及びホールボディカウンター測定を含む作業員の被ばく線量管理を事業者に義務付ける等の措置を講じています。

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