(背景)
平成14年3月29日に「公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画」が閣議決定され、その基本的考え方として「公益法人が国の代行機関として行う検査・検定等の事務・事業については、官民の役割分担及び規制改革の観点から見直し、(中略)国の関与を最小限とし、事業者の自己確認・自主保安を基本とする制度に移行することを基本原則とする。この場合、直ちに事業者の自己確認・自主保安のみに委ねることが国際ルールや消費者保護等の観点から必ずしも適当でないときは、法令等に明示された一定の要件を備え、かつ、行政の裁量の余地のない形で国により登録された公正・中立な第三者機関による検査・検定等の実施とする。」とされ、具体的措置内容として水道法第20条第3項の規定に基づく水質検査を受託できる者及び水道法第34条の2第2項に基づく簡易専用水道の管理に係る検査を実施できる者について、厚生労働大臣による指定制から登録制に改正することとされた。
これを受け、平成15年3月7日に水道法の一部改正を含む「公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案」が閣議決定され、第156回通常国会に提出された。国会での審議により「公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律」(法律102号)が平成15年7月2日に公布された。(施行日:平成16年3月31日)
(概要)
(1) | 水道法第20条第3項の規定に基づく水質検査を受託できる者及び水道法第34条の2第2項に基づく簡易専用水道の管理に係る検査を実施できる者について「厚生労働大臣の指定する者」が「厚生労働大臣の登録を受けた者」に改められた。 |
(2) | 登録基準を定めるとともに、厚生労働大臣は登録申請者が登録基準に適合しているときは、登録をしなければならないこととし、一定期間ごとの更新制度が設けられた。登録基準については、検査施設及び検査員に関する要件の他、検査の信頼性確保のための措置に関する要件が規定された。 |
(3) | 登録機関の義務として、検査の受託義務等(公正・適正な方法による検査の実施義務含む)、変更の届出、業務規程及び業務の休廃止の届出、財務諸表等の備付け及び閲覧等、帳簿の備付けが規定されるとともに、登録機関に対する措置としては、登録基準への適合命令、検査の受託義務、検査の方法等に係る改善命令、登録の取消し等、業務停止命令、報告の徴収及び立入検査が規定された。この他、業務停止命令、立入検査等に係る罰則が整備された。 |
なお、簡易専用水道の管理の検査についても、基本的に水質検査機関に係る規程が準用されている。