水・土壌・地盤・海洋環境の保全

温泉排水規制に関する検討会(第2回)議事録

日時

平成22年10月22日(金) 13:00~15:00

場所

環境省第一会議室(22F)

議事

  • 吉田課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「第2回温泉排水規制に関する検討会」を開催させていただきます。
    本日は、委員総数12名中11名の御出席を予定していただいておりまして、ただいま10名の御出席をいただいておるところでございます。
    それから、事務局につきまして、異動に伴いましてメンバーの変更がございますので、紹介をさせていただきます。
    まず、水環境担当審議官の関でございます。
    それから、申し遅れましたが、水環境課長、吉田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
    次に、お手元の配付資料につきまして確認をお願いいたしたいと思います。議事次第がございます。その下に配付資料ということで、資料1~7までの名前を記載させていただいてございます。これが議事次第の後ろに付いておるかと思います。もし不足等ございましたら、適宜事務局の方までお申しつけいただければと存じます。よろしいでしょうか。
    それでは、ここからの進行を須藤委員にお願いをいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。
  • 須藤委員長 かしこまりました。それでは、以降の進行につきましては、私の方からさせていただきたいと思います。
    一言御挨拶を申し上げてから議事進行に移りたいと思いますが、委員の先生方には大変御多用の中を繰り合わせ御出席いただきましてありがとうございました。
    また、本日は、ヒアリングのために、後で申し上げます4団体の方々にも繰り合わせ御出席いただきましたことをお礼を申し上げておきたいと思います。
    前回は委員の先生方からフリートーキングのようなやり方で温泉排水の規制に関する御意見をいただきましたが、我々が共通の理解をしなければならないということで、本日は、業界団体、あるいは地方自治体の皆様から、温泉排水の諸問題について御意見を伺うということでお集まりをいただいたわけでございます。
    それでは、これから議事に入りますが、その前に、前回の議事録(案)を資料3として用意してございますので、どうぞごらんになってください。各委員には一度ごらんいただいておりますので、特に修正がないようでございましたら、第1回議事録とさせていただきたいと思います。時間の関係もございますので、特になければ、これを議事録とさせていただきたいと思います。どうしてもということがございましたら、後ほど事務局までお申出ください。
    それでは、本日は、温泉に関する関係団体といたしまして、温泉所在都市協議会、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本温泉協会、それから、地方自治体の岩手県の方々にお越しをいただいております。どうもありがとうございます。各団体の皆さんからは、温泉排水の規制に係る取組状況、御意見をいただく予定になっておりますので、委員の皆様におかれましては、御質問等をいただき、今後の温泉排水の規制について検討していただく際の基礎的な情報として理解を深めていただければと存じます。
    それでは、早速ですが、温泉所在都市協議会から、まずは阿南さん、御説明をお願いいたします。どうぞ、前の方へお進みになってください。本日は御多用の中、どうもありがとうございます。それでは、どうぞ、お始めになっていただいて結構でございます。座ってくださって結構です。
  • 温泉所在都市協議会(阿南) 皆様、こんにちは。大分県別府市副市長の阿南でございます。本日は、温泉所在都市協議会を代表いたしまして出席をさせていただきました。どうぞよろしくお願いをいたします。
    まず、温泉排水規制に対する取組状況を説明する前に、私どもの温泉所在都市協議会について簡単に説明をさせていただきます。
    世界屈指の温泉国であります我が国において、温泉は日本の観光の核であり、温泉の活用は観光立国に欠かすことができません。このような中、温泉所在都市協議会は、加盟市が協調して、温泉が所在することに伴って生ずる各種問題を総合的に調査・研究をし、各都市に共通した政策課題を解決するなど、温泉所在都市特有の施策を推進し、進行を図るため、昭和46年に設立をされております。現在、加盟市は88市であり、別府市が会長市を務めさせていただいているところでございます。
    では、温泉排水規制に関する取組み状況について御説明をさせていただきます。今回の温泉排水規制に関する件につきましては、一律排水基準が適用されれば、この基準を超える温泉施設におきまして多大な影響が懸念されることから、この排水規制に対して、環境省初め関係国会議員の各先生方へ要望活動等を行ってきております。
    ここで多大な影響とは、温泉施設、特に、現在規制の対象となっております宿泊施設は、個人経営を含め資本規模が零細なことが多く、多額の費用を要する除去装置を設置することが事実上できないため、結果として廃業せざるを得ない状況になり、地域によっては各自治体の運営にも大きな影を落としかねない、そのように思っております。
    また、この排水規制に対し、要請活動の内容は、お手元に配付をさせていただいた資料のとおりで、次の点を要望しております。ほう素・ふっ素等に係る水質汚濁防止法に基づく暫定排水基準については、安定的な排水処理等の技術開発がされ、装置の低廉化が図られるまでは延長すること。また、排水処理技術の開発及び設置推進に向けた財政支援を行うこと。
    要望先といたしまして、平成21年度においては、加盟市において、地元選出国会議員に対し、要望の実現方について要請を行うとともに、また協議会事務局が関係国会議員に要請をいたしております。
    また、全国温泉振興議員連盟の各役員及び関係国会議員にも要請をいたしております。平成22年度は、小沢鋭仁環境大臣、田島一成環境副大臣、大谷信盛環境大臣政務官初め、横光克彦衆議院環境委員会理事、細野豪志全国温泉振興議員連盟事務局長ほか、全国温泉振興議員連盟役員に対し要請を行っております。
    まず、一律排水規制が適用された場合の影響についてでございますが、この影響については、全加盟市の状況を把握しているわけではございませんので、別府市の状況についてお話をさせていただきます。
    別府市は人口12万、東西13km、南北14km、面積が約125km2の中にありまして、総数2,508の源泉を有しております。その湧出量につきましては、自噴、動力含めまして1分間に8万7,616l。これは日本一の湧出量でございます。市内の入湯施設につきましては、宿泊施設が288、公衆浴場の日帰り施設が122、合計410の入湯施設がございます。
    ほう素・ふっ素の調査につきまして、源泉数が多いために、市内に所在するすべての温泉から湧出する物質の確認は困難でございますので、別府市の温泉課が所有する26か所の温泉分析表を基に調査をしましたら、この26か所のうち約2割に当たる施設が、ほう素が一律基準を上回っているという状況でございます。市内の410の温泉を有する旅館、ホテル、公衆浴場等、単純に計算いたしますと、約82の旅館、ホテルがこの装置を導入しなければならないという状況でございます。
    また、別府では、この基準を超えているのは特定の地域に集中しておりまして、その地域には77もの温泉施設が集中いたしております。現状で暫定排水基準が適用されれば、この77の温泉施設は直接的な影響を受け、その地域は結果として衰退をする恐れがあると想像いたしております。
    更に、マスコミの報道等によりますと、日帰り温泉に適用の範囲が広げられるという動きがあるようでございます。これについても更に影響が大きくなるのではないかと思っております。別府市では市内に100を超える共同温泉がございます。別府市の共同温泉は市有区営温泉と呼ばれているものでございまして、別府市の土地、建物、また自治会、それから、温泉組合などが賃貸ということで運営をしております。市有区営温泉の維持管理について、市費で賄うことではなくて、区自らが賄っているということで、この規制により高額な除去装置を設置する必要があれば、温泉を廃業せざるを得なくなるという状況でございます。
    このような状況から、別府市の共同温泉、ほとんどが市有区営温泉で、建物は市が持って、管理運営は地元が行って、維持管理費などは区が出しておりますので、財政上の措置を是非お願いをしたい。事情を御賢察をいただいて、是非低廉な装置の開発を暫定排水基準の期限が切れるまでに行い、広く多く一般に流通していただくよう、併せて財政上の措置を講ずることをお願いを申し上げ、報告とさせていただきます。
  • 須藤委員長 御説明どうもありがとうございました。
    それでは、ただいまから委員の先生方からの御質問、あるいは御意見をお願いいたします。
    どうぞ、浅野委員。
  • 浅野委員 20%程度が一律基準を上回るというお話でございましたが、その上回り方ですが、どの程度上回っているでしょうか。場所によって違うかもしれませんが、かなり大幅に上回って、つまり、限りなく暫定基準に近い数値なのか、それとも、ともかく一律基準ではオーバーしてしまうということなのか、その辺りの状況はどうでしょうか。
  • 温泉所在都市協議会(阿南) まずは、これは排水ということになっていますが、温泉の分析ということで、いわゆる源泉での調査、温泉の分析表というのがございますが、それによって私どもが数値を出しております。その数値そのものについては、ほう素だけで言いますと、1lにほう素が10mg以上というのが一律排水基準でございます。別府市はふっ素については基準をオーバーしているところはございません。ただ、ほう素につきましては、ほう素だけの調査でなくて、メタほう酸と言うんですか、こういう温泉分析の中には数値がございます。その数値そのものは、多いところでメタほう酸で70mg/kgを超えている。要するに、ほう素の10mg/lからすれば7倍になりますが、ほう素に換算すると数値は随分下がってくるんではないかという思いを持っております。分析表の数値上では、メタほう酸で、一番多いところで77mg/kgが最高でございます。
  • 浅野委員 ありがとうございました。
  • 須藤委員長 その分布状況は、ほう素で10mg/lを越えたぐらいの方が多いのか、今の最高の方が多いんですか。ばらつきはどの程度の範囲ですか。
  • 温泉所在都市協議会(阿南) 温泉というのは不思議なもので、近隣にあっても、調査によってはぎりぎりのところもあるし、40 mg/l、それから、50 mg/lというところもございます。平均すればメタほう酸で40 mg/lぐらい。
  • 須藤委員長 浅野委員、よろしいですか。
    ほかの先生方、よろしいですか。ほかにございますか。どうぞ。
  • 辰巳委員 除去装置なんですけれども、実際に温泉に適用するときに、どのぐらいの価格だったら大丈夫なのか、もしおわかりになったら教えていただけませんか。
  • 温泉所在都市協議会(阿南) 除去装置の規模等については、私どもも、どういう除去装置があるのかということはなかなかわからなくて、これは民間の旅館ホテル組合等とも、この問題が出ている中で、いろんな協議はしていますけれども、逆に私どもの方に、どういう装置があるのかという、要するに、源泉のときにつける部分、それから、あくまでこれは排水ですので、温泉から流れて側溝なり、下水なり、川に行くんですけれども、例えそれがメタほう酸で40mg/lとか、そういう数値があっても、実際、排水になったときに、トイレであるとか、洗面であるとか、それから、要するに高温の温泉を水で薄めたりすると、ほう素で10mg/l以下になる場合もあるんです。私どもも市営温泉については3か所程度、排水について調査もしておりますが、その辺では当然下がってきている。だから、どの時点で言うのかという部分もありますが、先ほど言われた除去装置については、私ども、どういう装置があるのかという、それがまだわからない。
  • 須藤委員長 辰巳委員、よろしいですか。
  • 辰巳委員 勿論、いろんな方法が、除去装置もあるんですけれども、例えば、開発する方から見ても、大体どのぐらいのレベルまで除去できる装置を開発しなければいけないのかというのもありますので、もしそういう点がおわかりになっていれば、これからそういうことを研究しようとする者にとっても参考になるんではないかと思うんです。目標値みたいなものですね。
  • 須藤委員長 装置の低廉化と書いてありますね。低廉化とお願いがあるんで、低廉化というのは、それはただだったら一番よろしいんでしょうけれども、そういうものはございませんので、例えば、家庭下水というか、浄化槽ぐらいまでなのか、あるいはもっと高価なものでもいいのか。低廉化とおっしゃっておられるので、どの程度までが低廉化とおっしゃられているのか、目安で結構でございますので、無責任で結構でございます。
  • 温泉所在都市協議会(阿南) 金額的には、営業している旅館、ホテルが小規模という部分もありまして、これは報道関係等でも、除去装置については数千万、当時、私どもが聞いているのは2,000万から3,000万はするんではないかと。到底それはできないんで、幾らだったらいいのかという部分については、なかなかそこまでは、行政としても、民間の業者としても、幾らだったらいいというのはないんです。ただ、民間の方から言えば、自然の恵みの温泉を、なぜそういう除去装置をつけないと悪いのかと、その辺の疑問といいますか、その辺を言われておりますので、十分な回答ではございませんが、金額についてはお答えすることが難しいです。
  • 須藤委員長 ありがとうございます。
    浅野委員。
  • 浅野委員 別府のことだけでお尋ねをすることになると思いますが、先ほどのお話ですと、超過する温泉は地域集中的傾向がおありだとのことですので、そういう条件があるのであれば、排水の共同処理という可能性もありそうな気がするのですが、そのようなことは将来にわたって考える余地が全くないのでしょうか。そうすれば、1軒1軒が莫大なお金をかけて処理施設をつくらなくても処理はできるという理屈になりそうな気はするんですが、行政としては、そういう対応をお考えになる余地はありませんか。
  • 温泉所在都市協議会(阿南) 別府に関しては、先ほど申しましたが、今、源泉数が2,500を超えております。今、実際使っている温泉の孔は2,333ございます。そのうちの26か所、市営温泉といいますか、別府市の給湯管がありますので、そこの源泉を見たときに、位置的にはこういう位置が多いなということであり、全市的な調査をしたわけではありません。調べた中ではそういう形で、一定程度偏っているのかなという思いは持っております。
  • 須藤委員長 平沢委員、どうぞ。
  • 平沢委員 2つお聞きしたいんですが、1つは、そういう温泉の排水処理で、現状ついている排水処理というのはあるのか。
    もう一つは、別府は海のそばだと思うんですけれども、全部河川に放流なんでしょうかということです。
  • 温泉所在都市協議会(阿南) まず、1点目の排水処理については、ついておりません。つけているところはない。
    それから、別府は海も近いんで、別府八湯と言って、8か所の温泉地がございます。その中の浜脇、別府、亀川、この3か所が海に面しているんです。他の施設については河川に流れております。それから、一部下水に流している施設もありますし、下水道と接続していないところもあるんです。
  • 平沢委員 どうもありがとうございました。
  • 須藤委員長 ほかの先生、いかがでしょうか。
    森田先生、どうぞ。
  • 森田委員 2点ばかり御質問させていただきます。1つは、今、お話しされた中で、メタほう酸濃度が最大で70ぐらい、平均40ぐらいとおっしゃいましたが、これはほう素に換算すると5分の1~6分の1ぐらいになりますので、実際には平均濃度はせいぜい7ppmとか6ppmぐらい、濃いもので11ppmとか12ppmぐらい、これに若干のほかからの水が混じると、排水レベルではほとんど排水基準をクリアしているようにも見えますが、それはどうでしょうか。要するに、何もしなくても大体は大丈夫のような気もするんですが、これがまず1点です
  • 温泉所在都市協議会(阿南) 確かに先生が言われたとおりでございます。メタほう酸という数値ですれば、約77あるんですが、私どもも何か所か、排水という部分を含めて測り直してみました。測り直してみたというのは、午前10時ごろ測った分、それから、午後1時ごろ、それから、午後4時ごろという3回測っております。その中で、源泉のままであればメタほう酸は77mg/kgあるんだが、ほう素だけを調査すれば、さっき言った20mg/lを切る、14~15mg/lぐらい。それからまた排水の方で測定すると、数字的にはほう素で5mg/lとか、下がっていくわけですけれども、どの位置をとらえるのかというのは非常に難しくて、温泉に関しては、要するに、温泉が湧いている、そこを数値を取るのか、あくまでも温泉が流れた排水の位置なのかという部分がある。今、数値的には、温泉の分布表は源泉のところの数値であり、メタほう酸で表示されていますので、その辺がちょっと。排水基準ですから、あくまで排水の濃度が問題になるんだろうと思いますけれども、なかなかそこを。
  • 須藤委員長 先ほどメタほう酸で70mg/lぐらいとおっしゃっていただいたんですけれども、最後の排水のところでの測定値というのは、薄まったものですね、それはそちらで測っているものはございませんですか。行政ではあるかもしれませんけれども。
  • 温泉所在都市協議会(阿南) 私ども、市営温泉といいますか、こういう部分では測った結果がございます。これは高温なものだから、施設に入るときにはほう素で9.6 mg/lぐらいの数値、それから、排水にしてみると5mg/lという数値。それはそれぞれの施設によって違うんです。トイレがあったり、洗面所があったり、いろんな附属施設がついたり、こういう部分があると薄まるといいますか、ほう素の数値的には下がってくるということはわかっていますが、民間まで全部調べてはおりません。
  • 須藤委員長 どうぞ。
  • 森田委員 ちょっとお伺いしたいんですが、別府はすごくたくさん温泉があると思うんですが、現在もなお次々と温泉が掘られるような状況があるんでしょうか。
  • 温泉所在都市協議会(阿南) 今は、新たな掘削はできないようになっております。今ある数で、これを潰すんで、この位置で掘らしてほしいと、これは県の許可があればできることになっております。
  • 須藤委員長 藤田先生。
  • 藤田委員 細かい話なんですけれども、トイレの排水とか、そういうので薄まっていると聞いていたんですけれども、私の理解では、お湯の排水と、いわゆる雑排水というか、厨房とかトイレの排水は多分、分けているんではないかと思うんです。薄まるのはもっと別の要因で薄まって出ていくんだろうと思うんです。きちっと分けられているのか、あるいはトイレと温泉の使用後を一緒に処理して捨てているのか、そこはすごく大きな違いがあると思うんですけれども、その辺、確認したいんです。
  • 温泉所在都市協議会(阿南) これは施設によってそれぞれまた違うふうになっています。私どもが今、別府市の市営温泉を2か所調査した結果によれば、トイレなども一緒に浄化槽の方に、出てくる排水は同じだという話を聞いています。
  • 須藤委員長 混ぜてしまっているんですね。
  • 温泉所在都市協議会(阿南) そうですね。新しいところはそういうことはないでしょうけれども、昔の施設なので、こうなのかなという思いはしております。
  • 須藤委員長 先生、よろしいですか。
  • 藤田委員 普通に考えまして、我々、水処理の技術から行けば、トイレとか雑排水というのは量的には、多分、旅館であったとしても、そんなに大きくはないんです。ところが、掛け流しの温泉ということになると、1日何十m3とか、下手すると何百m3と使うわけです。しかも、それはBODとかはほとんど入っていないので、それを浄化槽に入れるというのは基本的には考えられない。逆の場合はあるんです。浄化槽の処理水と掛け流し等の温泉の水がどこかで一緒になっているということは理解できるんです。そこのところの確認をしたかったということです。
  • 温泉所在都市協議会(阿南) 先生言われたように、要するに、浄化槽の処理水と温泉が一緒になっていると。
  • 須藤委員長 そういうことですね。混ぜてしまっているわけではないんですね。
  • 藤田委員 最後に出るところが一緒になって出てくると、そういう意味でよろしいですね。
  • 温泉所在都市協議会(阿南) そういうことです。
  • 藤田委員 わかりました。
  • 須藤委員長 甘露寺先生、今の問題、よろしいですか。どうぞ。
  • 甘露寺委員 今、言われたのをお聞きしまして、1つは、排水処理の過程が必ずしも同じではないということですね。だけれども、全体的に見れば、今のお話だと、10mg/lという数値は何となくクリアしそうである。結局、その中で特に問題になる源泉をどうやって、ある程度抽出するなり何かして調べ上げていくかということが必要だなと、私はそう思うんです。
    現実にどこの温泉も、排水のところでほう素の値を測るということは、実際は余りやっていないと思うんです。源泉の分析というのは大体やられていまして、本当は浴槽でやるというふうに最近なって、利用施設でやるということになっているんですけれども、それも実態としては余りないのではないか。薄まった温泉というか、浴槽や何かの循環、あるいはそういうのについてやったデータというのはうちも余りないんです。
    ですから、1つ考えるのは、排水基準を念頭に、そういった温泉の分析、ポイントになる成分の分析というのをちゃんとやっていくということを何らかの形でつくっていかないといけないのではないか。今のお話だと、ちょっとわからないですものね。あるところは恐らく10mg/l以下だけれども、あるところは10mg/lを超えてしまうだろう。しかも、それがどのくらい全体のパーセンテージとしてあるのかということが非常に重要になってくるんですね。
    それから、ものすごく濃度が高いのも別府にはあると思うんです。特定の温泉で、すごくほう素が高いというのもあるかもしれない。これは別府だけの話ではありませんが、個々の状況を我々もはっきりつかまえていないというのが1つ問題かなという感じはいたします。
    以上でございます。
  • 須藤委員長 コメントいただきまして、どうもありがとうございました。今日のディスカッション等も生かして、もう少し広範囲にデータやら調査をお進めになればありがたいと私どもも思っております。一応、これをもって今回のこのヒアリングは終了させていただきます。どうもお疲れ様でございました。御協力ありがとうございました。
    続きまして、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会から御説明をいただきたいと思います。本日は、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の島村博幸さんから御説明をお願いいたします。島村さん、どうぞよろしくお願いいたします。
  • 全旅連(島村) ただいま御紹介を賜りました全国旅館ホテル同業組合連合会専務理事の島村でございます。本日は理事の清澤ともども参っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
    では、お手元の資料5に基づきまして御説明をしたいと思っております。座ってよろしいですか。恐縮でございます。
    まず、私どもの団体の概要と会員組合員、旅館業の経営状況の概要につきまして御説明申し上げたいと思います。
    「概要」の1番目の名称でございますが、今、申し上げましたとおり全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、略称「全旅連」と申します。実は、それまでは全国旅館生活衛生同業組合と、「ホテル」が入っていなかったんですけれども、ホテルが組合員に増えてきましたので、今年の6月に名称変更させていただいたところでございます。
    所在地でございますけれども、平河町、都道府県会館の裏側にございます。
    会長は佐藤信幸、山形県の上山の古窯の経営者でございます。
    会員につきましては、47都道府県の組合が私どもの会員になっておりますけれども、その傘下に約1万8,000の旅館ホテル組合員がおります。
    設立は昭和33年でございますけれども、これは昭和32年に施行されました生活衛生関係営業の適正化及び振興に関する法律、当時は関営法と申しておりましたけれども、これに基づき設立された団体でございます。
    実は、全旅連の歴史は非常に古うございまして、前身は大正11年に全国旅館組合連合会が結成されまして、当時は南満州とか朝鮮の方の同業者も組合の傘下におりまして、現在の中国の大連市において大会を開いたことがございます。戦争中には組合員から募金を募集しまして、零戦や大砲を国に献納したという実績もございます。戦後の荒廃期におきましては、食料品や衣料品の配給等に協力しました。最近におきましては、遊興飲食税、いわゆる特別地方消費税の廃止等につきまして、団体として取り組んだ実績がございます。
    次に、所管でございますけれども、厚生労働省の所管でございます。
    関連団体としましては、後ほど御説明があるかもしれませんけれども、社団法人日本温泉協会、社団法人日本観光旅館連盟、社団法人国際観光旅館連盟等でございます。例えば、日本温泉協会の会長の滝さんは私どもの岐阜県の組合の理事長をやっておりましたり、あるいは国際観光旅館連盟の副会長は私どもの関東ブロックの会長をしているというように、非常に相互に関係の深い団体でございます。
    次に「(2)宿泊産業の経営状況」でございますけれども、一言で申し上げますと、非常に厳しい状況にございます。
    [1]の旅館の件数でございますけれども、厚生労働省の資料によりますと、1988年には全国で約7万8,000軒ございました旅館が、2008年には35%減に当たります5万軒強にまで減少しております。2万7,000軒以上の旅館が転廃業へと追い込まれているような状況にございます。また、旅館の客室数だけを見ましても、同様に100万室から80万室へと、約2割も減少しております。
    ちなみに、私ども全旅連の組合数でございますけれども、ピーク時には約3万8,000組合員おりましたが、現在は1万8,000まで減少しております。毎年1,000社ぐらいが減っているということでございますけれども、脱退理由としましては、今、申し上げましたとおり、廃業とか、あるいは倒産、こういったことによって組合員が減少しているということでございます。
    2番目の旅館が減少している理由でございますけれども、余暇市場がピークでございました1991年、平成3年、いわゆるバブルの絶頂期でございますけれども、このときに3.5兆円ございました需要が、2007年には6割以下の1.87兆円まで落ち込んでいるということでございます。当時、需要拡大を見込んで設備投資を盛んに行ったわけでございますけれども、その返済が旅館経営を非常に圧迫している状況にございます。
    また、一方、旅行の形態につきましても、当時はグループ旅行、団体旅行が多かったわけでございますけれども、最近は個人旅行へ変化して、それに十分対応し切れていないと、そのような状況が旅館の減少の原因となっていると考えております。
    3番目でございますけれども、更には、一昨年の、皆様、御承知のとおり、リーマンショックを契機とします世界的な景気後退や、昨年発病しました新型インフルエンザの流行によりまして、宿泊客の減少やキャンセル等、旅行需要の一層の冷え込みによりまして、旅館経営は有史以来の厳しい状況に追い込まれているということでございます。
    [4]、国際観光旅館連盟は、私ども全旅連の組合員1万8,000社の上層、上積みといいますか、経営規模が多いところが両方に加入しているわけでございますけれども、この1,200社の経営状況を見ますと、2008年度の赤字企業が約5割を占めているという状況にございまして、前年度から15%ぐらい増加しているという状況にございます。
    ページをめくっていただきまして、借入金の状況につきましても、77.8%と非常に高い水準でございまして、特にこの傾向につきましては、中小零細規模の旅館に行くほど著しいという状況にございます。
    [5]でございますけれども、日本政策金融公庫の調査によりましても、やはり設備投資が非常に冷え込んでいるというような状況にございます。
    最後にまとめでございますけれども、このように、旅館業を取り巻く経営環境は非常に厳しい状況にありまして、社会的な責務は当然果たすべきものと我々は考えておりますけれども、利益に直接結びつかない設備投資資金を捻出するためには非常に困難な経営状況にあるということも是非御理解いただきたいと思います。
    そういった前提で、この温泉排水規制に対する取組状況、今まで行ってきたことを御報告したいと思います。2の(1)でございます。正直言いまして、十分な取組みを行ってきたとは言いがたいと思いますけれども、まず[1]のところで、昨年、環境省が実施されました温泉排水の実態調査に当たりまして、組合員であります旅館に対して協力の要請を行ったり、あるいは実証試験に当たりまして場所の提供等、協力をして行ってきたところでございます。
    次に、私どもが直接行った事業としましては、旅館経営者の温泉排水規制に対します認識を高めるために、温泉協会の協力を得まして、研修会の開催や、私どもの機関誌等を通じまして、温泉排水からのほう素・ふっ素濃度の低減が求められている社会的要請等につきまして啓発活動を繰り返し行ってきたところでございます。
    3番目に、これは具体的な事例でございますけれども、岩手県の安比温泉や新潟県の松之山温泉等におきまして、公共水域への負荷を少しでも低減するために対策等を行っているところも、ほんの一部の組合員でございますけれども、現実にございます。
    次に「(2)今後実施を検討している取り組み」でございますけれども、今までに引き続きまして啓発活動の継続を、研修とか機関誌等を通じまして実施していきたいと考えております。
    それから、[2]の排水実態の把握でございますけれども、実は、私ども、恥ずかしながら、団体としまして、現在、この基準値を達成できていない事業所数が1万8,000のうちどのくらいあるかというのを把握していない状況にございます。これにつきましては、この対策を実施する上で基本的なことと思われますので、環境省や地元の自治体、その他の機関と協力して、是非最初に取り組んでまいりたいと思っております。
    先ほど別府市の副市長から御報告ございましたけれども、個別の旅館業者では、自分のところが果たして規制値を上回っているのかどうか、把握やはり地元の自治体とか、公的機関の協力がないとなかなか把握できないところがございますので、そこら辺のところをお知恵をかりながら、まずは実態把握に努めていきたいと思っております。
    [3]の処理技術の開発でございますけれども、私ども組合員のうち、ほとんどが客室20室以下の中小零細規模でございますけれども、こういった旅館が利用可能な、価格が低廉で、しかも省スペースに対応した処理装置の開発を是非ともお願いしたいと思います。私ども業界団体だけではなかなかできないんで、むしろ公的機関の技術開発に積極的に協力させていただきたいと考えております。
    最後の「3.温泉排水規制に対する意見」でございますけれども、読ませていただきます。旅館業におきましては、ほう素・ふっ素について、同様に暫定基準が適用されています他の製造工場とは異なりまして、製造工程等を見直すことによって、排水基準の達成を測ることができる状況にはございません。また、井戸を掘り、地下水で温泉排水を希釈して放流することも考えられますけれども、これは地下水を無駄に使用することになり、逆に自然破壊につながるものと考えております。
    更に、処理設備についても、これまで研究開発技術が進められ、実証実験等が行われているものの、残念ながらコストが極めて高いことなどから、中小零細な旅館業者にとりましては、現実的に利用できない状況にあります。
    今、申し上げましたとおり、経営状況は非常に厳しいということも御理解いただきたいと思います。
    したがいまして、現時点では、旅館業においては、これらの理由によりまして、一律排水基準を達成することは極めて困難な状況にあります。すべての旅館に処理技術が導入されるためには、更なる技術開発等によりまして、旅館の経営が成り立つ範囲にコストが低減される処理設備の開発が必要ではないでしょうか。
    加えて、自然界に存在する温泉排水につきましては、あくまでも自然水であり、旅館業者が手を加えたものではありません。
    したがいまして、水質汚濁防止法により排水基準を定める省令においては、その対象業種から旅館業等を除外されるよう切に、強くお願いしたいと思っております。
    先ほど申し上げたとおり、環境対策というのを、社会的責任を果たすことは十分認識しておりますので、私ども組合員、小規模零細旅館業者が導入可能な処理設備の開発、あるいは支援措置、そういったものと併せて、その導入には努めていきたいと思いますので、その辺の状況を御理解の上、それができるまでは是非、規制対象から旅館業を除外していただきたいというお願いでございます。
    以上でございます。
  • 須藤委員長 御説明どうもありがとうございました。
    それでは、委員の先生から、どうぞ、浅野委員。
  • 浅野委員 最後の御説明、御発言の趣旨からすると、この紙に書かれている事柄の趣旨はこういうことですね。対象業種から除外されるよう要望しますと書いてありますと、一切規制は困るということになってしまいますが、現実には今、暫定基準があるわけです。ですから、暫定基準が適用されることも困ると言われたのでは、こちらも立場がないのでして、そういうわけではないですね。
  • 全旅連(島村) ただ、今、暫定基準を違反しているか、それにおさまっているか自身も業界としては把握していないわけなんです。むしろ、そういうことがもしわかれば、この旅館については、今、規制値が守れていませんよという指導もできるんですけれども、そこからスタートしませんと、もう9年ぐらいたつんでしょうか、最初の段階にまだ業界として至っていないということでございます。
  • 浅野委員 少なくとも暫定基準については、地方自治体が法に基づいて規制を行うことになっていますから、摘発されている事業者がいないということは、論理的にはみんなクリアできているということになるはずですね。ですから、現実に暫定基準ですらオーバーしているのだということがあるのであれば、これは非常に問題が多いわけで、妙に徹底的に調べ直すみたいなことをやる必要はないような気がいたしますが。
    それはともかく、この書きぶりですと、一切規制をするなということになってしまうのですが、それはちょっと、私どもとしては、今やっていることすら否定されるのでは困ると思ったのでお聞きしたわけです。
    それから、ともかく達成できない事業所がどうなっているかということを調べていただくということは、今後いろいろ協議をしていく上での基礎的な資料ということになるわけですから、是非必要なことだろうと思いますが、先ほどの別府の副市長のお話のように、源泉の成分の中で、メタほう酸というようなことでわかっていれば、ある程度、科学的な経験則でそれが実際に排水に出るときはどの程度だということを、幅はあるかもしれませんけれども、推定できるでしょうから、余り無茶苦茶に分析費用などをかけなくても、現在あるデータを集めて、ある種の推定といった手法で考えることができるような気がいたします。この辺のことになるとこれを業界にお尋ねしてもお答えをいただくのは難しいかもしれませんが、全くデータがないわけではないと思うのです。
  • 全旅連(島村) 源泉は確かにございます。
  • 浅野委員 そうすると、そこから逆にある推定をしていって、どのぐらいのものがオーバーするかということは、業界としては、その気になればデータを取ることができると思うのですが、いかがでしょうか。勿論、技術的な点は、環境省からもさまざま協力があると思いますが。
  • 全旅連(島村) 旅館単独ではなかなかできないんで、環境省とか、別府市のような自治体の御協力があれば、勿論、業界としても積極的に御協力したいと考えております。我々だけでやれというのはなかなか難しいということでございます。
  • 浅野委員 協力するとおっしゃっていただければ、それで、結構でございます。
  • 全旅連(島村) 勿論、それは当然のことだと思います。
  • 須藤委員長 ありがとうございました。
    ほかの委員の皆さん、いかがですか。
    秋葉先生、どうぞ。
  • 秋葉委員 ここ数年、温泉施設のレジオネラ症の防止対策の指導で、地域の保健所の環境衛生監視員の方々が、出入りしていると思うんですけれども、そのときに、ついでといってはなんですが、温泉排水の問題もフォローすることができないのでしょうか。レジオネラ対策は厚生労働省の指導のもと実施されていますが。
  • 全旅連(島村) 今、御指摘のありましたレジオネラ対策につきましては重要なことと認識しておりまして、厚生労働省の御協力を得まして、一昨年マニュアルをつくりまして、これは全組合員に配布して、再発防止等に努めているところでございます。その際、今、お話のありましたふっ素、ほう素につきましては、特段の調査は行っておりません。
  • 須藤委員長 そういうときに一緒に併せて何かやっていただくといいですね。簡易測定でもいいから、そういうときにフォローする。所管が違うと言えば所管が違うのかもしれないけれどもね。
    ほかの委員の先生、いかがでしょうか。どうぞ。
  • 浅野委員 抽象的な御説明でしたが、具体的には安比温泉とか、松之山温泉というような地域での対策は、どんな対策を立てられたのでしょうか。
  • 全旅連(島村) これは非常に単純でございまして、例えば、安比温泉につきましては、安比川の支流より別水路を引き込みまして、その水路で廃湯を希釈して支流に流している。導入路をつくるのは大変ですけれども、その後、コストがかからない方法でやっております。先ほども御質問ありましたけれども、処理施設を実際につけて、それで排水をしているというところは、残念ながら、今時点、組合員の中では見つからなかったという状況でございます。
  • 浅野委員 そうですか。わかりました。
  • 須藤委員長 ほかの委員の方、よろしいですか。
    どうぞ。
  • 藤田委員 2の(2)のところで、啓発活動の継続と書かれているんですけれども、研修会等の開催はかなり積極的に、例えば、全国の方々を集めて、場合によってはその地区地区でそういうふうな研修会をされて、公共水域を守るためにはこういうことがありますよというふうな研修をされたのか、どういうふうにされているのかということをお聞きしたいんです。
  • 全旅連(島村) 私どもが一番メインに考えておりますのは、機関誌で何回か啓発活動を行ったのと、あとは、私どもの正副会長とか、理事長会議、あるいは都道府県の事務担当者会議、そういった中でこの問題を提起しておりまして、それを受け継いで各地域でやったというのは、これから御説明になります温泉協会がやっているものに私どもが積極的に協力したということでございますけれども、今回は我々も中心になって啓発活動、研修活動をやっていきたいと思っております。
  • 須藤委員長 ありがとうございます。
    ほかの先生、よろしいですか。
    森田先生、どうぞ。
  • 森田委員 少しずれた質問かもしれませんが、温泉旅館のところで、掛け流しと言いながら薄めているとか何か、いろんな議論が昔あったような気がするんですが、薄めれば濃度が低くなりますので、それはそれで1つのやり方なのかもしれませんが、とりあえず実態的には、例えば、源泉の温度が高過ぎて、温度調節などで薄めるということは、水を加えて薄めてやっているんですか、それとも何か別のメカニズムでやっていらっしゃるんですか。
  • 全旅連(島村) 基本的には水を加えております。
  • 森田委員 そこで希釈はされると。
  • 全旅連(島村) それは、そもそも希釈という目的ではないんですけれども、今、先生がおっしゃった温度を下げるための希釈というのは、別府を初め高温なところにつきましてはやっております。
  • 森田委員 それは結構多いものですか。
  • 全旅連(清澤) 全国の温泉地の何千件という、そこまでの数値はつかんでおりません。
  • 森田委員 先ほど浅野先生がおっしゃったんですが、源泉のデータはそこそこある可能性が高いんです。そこでメタほう酸を測られている。測られていないケースもあるかもしれません。希釈は、多分、2か所で起こっていると思うんです。1つは、源泉の温度調節のために希釈しているということと、もう一つは、実際におふろ場で、シャンプーとかするために、どうしても淡水系のお水を持ってこなければいけない。お湯を供給されてくる。そこでもう一回希釈される。その2つの希釈要素があって、源泉の濃度はほぼ倍ぐらいに薄まっているんではないかという気もするので、そうすると、一体どのぐらい網かけをしなければいけないか、見えてくるような感じがするんですが、その辺で感想はございますか。
  • 全旅連(島村) 入浴時間というのは集中していますので、1日24時間の中でも、今のお話のとおり、濃度にかなり濃淡が出てくる可能性があります。
  • 森田委員 それはそうですが、例えば、1日平均だとか、あるいは年平均とかで問題を考えれば、どうなるでしょうかということです。多分、たくさんお客さんが来るときと、そうでないときで様相が違うでしょう。
  • 全旅連(島村) 少なくとも年を通じて変動しますね。
  • 森田委員 わかりました。
  • 須藤委員長 ほかはよろしいですか。それでは、これをもってヒアリングを終了させていいただきます。どうもありがとうございました。
    私、最初の温泉所在都市協議会の御発表者のお名前を御紹介するのを失念して大変失礼いたしました。温泉所在都市協議会の会長は別府市の浜田博市長でございますが、本日は代理として別府市の阿南俊晴副市長から御説明いただきました。私がお名前を御紹介するのを失念して失礼いたしましたので、再度御紹介させていただきます。どうもありがとうございました。
    それでは、3番目に入りますが、続きまして、日本温泉協会から御説明をお願いいたします。本日は、日本温泉協会の学術部委員の酒井幸子さんに御説明をお願いします。どうぞよろしくお願いいたします。どうぞおかけください。
  • 日本温泉協会(酒井) 社団法人日本温泉協会の酒井です。よろしくお願いいたします。
    まず、温泉排水規制に対する取組状況について御報告いたします。お手元の資料6になりますけれども、社団法人日本温泉協会では、これまでパブリックコメントの提出、要望書の提出を行いまして、協会からの意見と立場を行政に理解を求めてまいりました。
    また、環境省が実施いたしました温泉排水の実態調査に当たりまして、個別の旅館に協力の要請を実施し、環境省が実施した排水処理技術の実証試験に当たりましては、実証のための温泉排水及びスペースを提供することなどで関係者の意識の向上に取り組んでまいりました。
    更に旅館経営者の認識を高めるために、機関誌において温泉排水からのほう素・ふっ素濃度の低減が求められている旨の啓発を行ったり、水質汚濁防止法への理解を高めるために講演会を開催してまいりました。
    しかしながら、当協会といたしましては、温泉利用旅館排水中のほう素・ふっ素濃度の実態及び一律排水基準を達成できていない事業所数の把握を実施しておりません。
    以上が取組状況でございます。
    温泉排水規制に対する意見といたしましては、資料6で提出させていただきましたけれども、日本温泉協会といたしましては、平成13年7月1日施行の水質汚濁防止法有害物質としてのほう素とふっ素の規制に対しましては、パブリックコメントで提出いたしました意見2のとおり、有害物質の砒素と同じ扱い、つまり、旅館業に属する事業所に係る排出水については当分の間、適用しないとしていただきたいと考えております。ほう素・ふっ素2成分と考えがちですけれども、ふっ素はふっ素含有量として、平成13年6月30日までは水濁法の生活環境項目として、pHや溶解製鉄含有量と同時に、旅館業に属する事業所に係る排出水については、当分の間、適用しないとされていた項目ですから、新たにはほう素が当分の間、適用しないとなるものです。
    しかしながら、環境に対して厳しい目が向けられている昨今におきましては、温泉は自然由来100%ではなくて、人為的に掘削しているのではないかという御意見があります。当協会の会員は、旅館業や日帰り施設の経営者、温泉関係者や学識経験者等で構成されており、また、利用している源泉も、自噴泉、動力揚湯泉と異なること、更に施設排水を海域へ排出できる旅館の存在等々、この水濁法の問題につきましては、温泉業界にかかわる者として、なかなか統一した見解をお示しすることが難しく、これから述べさせていただくことは、必ずしも協会としてまとめられた意見ではないことを御承知おきいただきたいと思います。
    平成13年7月1日から水質汚濁防止法の有害物質として規制されましたほう素とふっ素につきましては、温泉水が自然由来であることから、従来の水濁法の規制と異なるのではないかと感じている部分がございます。従来の水濁法の規制は、利用上において、原材料や技術の見直しにより排出濃度の低減化が可能ということがありました。そういった意味で、利用している温泉水の成分の低減化は、温泉そのものの存在と申しましょうか、温泉の意義を失うことになりかねない状況を招くことになります。対応といたしましては、温泉水の使用量を衛生的に許される範囲で抑え込むことしかありません。
    しかしながら、公共水域の水質保全のために有害物質としてほう素とふっ素が追加された現実から、どのような業界対応が国民的なコンセンサスを得られるか考えてみました。環境基本法第2条では、この法律において、環境への負荷とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となる恐れのあるものを言うとなっております。
    お手元の資料にありますけれども、環境省が公表している温泉利用状況経年変化表、数字が大変細かいので、次の5ページに説明資料として必要な部分を抜き出しました。公表されております一番新しい数値ですけれども、平成20年度では、我が国の源泉総数は2万8,033、そのうち自噴泉は8,023源泉で、28%に相当しております。ポンプをかけて汲み出さないと利用できない動力揚湯泉は2万10源泉、72%に相当するという状況がございます。
    ちなみに、旅館業は、水質汚濁防止法で規制事業所となったのは昭和49年でございます。そのときの比較のために、昭和49年の我が国の源泉総数は1万7,160、内訳といたしましては、自噴泉が6,663源泉で、39%相当です。動力揚湯泉が1万497源泉、61%相当で、昭和49年から平成20年度までの34年間で総源泉数として1万873本、内訳といたしましては、動力揚湯泉が9,513本ということで、87%を占める、そのような状況があります。
    湧出量を見ますと、旅館業が水質汚濁防止法の特定事業所となった昭和49年、総湧出量は142万3,547毎分でございますけれども、142万3,547lから、平成20年度では、毎分ですけれども、277万2,022lと、1.9倍の増加となっており、内訳を見ますと、ポンプをかけた動力揚湯泉で2.6倍の増加となっております。旅館数は昭和49年と平成20年度を比べまして99件の増加ということで、ほとんど横ばい状態にもかかわらず、動力用揚湯泉で湧出量を確保し、各旅館が露天ぶろや個室ぶろの設備を拡充するために、1旅館当たりの温泉使用量を増やしているのではないかということが推察されます。
    そして、このような実態から、動力を使用する行為を環境基本法の人の活動により環境に加えられる影響と考えますと、自然湧出とばかり言い切れない側面があるのではないかと考えられます。しかしながら、現状でも30%弱の源泉は自噴しており、このような自噴泉は、旅館が使用する、あるいは使用しない、そういった状況にかかわらず、ほとんど公共水域へ温泉水は流出していきます。
    更に、先ほど申しましたけれども、温泉利用旅館というのは横ばいということで、一度は平成7年度に1万5,714件まで増加したものですけれども、その後、大変厳しい経営状態のために旅館数は減少しているという状況があります。
    このような理由から、自噴泉につきましては、ほう素とふっ素は排水基準は適用除外とし、動力揚湯泉について、暫定排水基準を少しずつ一律基準に近づけながら、将来的には一律基準に向けて、先ほど出ておりますけれども、廉価な排水技術の開発、助言を国には続行していただきたいと考えております。
    規制対象は掘削の許可と動力の許可、2つの許可を受けている源泉。と申しますのは、平成20年度で総源泉数で71%を占めております。温泉法第32条で、掘削の許可も動力の許可も、自然環境保全法の規定により置かれた審議会その他の合議制の機関の意見を聞かなければならないとなっておりますので、掘削の許可と動力の許可は実態の把握が大変容易であると考えております。28%を占めている自噴泉は、先ほど申しましたように、利用の有無にかかわらず公共水域へ流出していくことから、規制対象外としていただきたいと考えております。
    次に、温泉利用の公衆浴場問題ですけれども、その実態は私にもよくわかりません。というのは、細かい資料で大変申し訳ないんですけれども、平成20年度として、温泉利用公衆浴場数を全国的に7,913と報告されておりますけれども、旅館業でも日帰り施設を併設して許可を受けている数も混在していることと、日帰り温泉施設でも、厨房面積のために既に飲食店としての水質汚濁防止法の規制を受けている施設もある。そういったことがこのデータからは見えておりませんので、この表から単純に温泉利用施設で新たに規制対象となっている公衆浴場の実態が見えていません。しかし、実情といたしましては、温泉利用の日帰り施設が増えていることは確かだと思います。
    また、温泉地には、無料、例えば、100円、300円程度の管理費を取る、そういった低料金の公衆浴場というか、共同浴場と呼ばれていることがあると思うんですけれども、こういったものが昔からある温泉地は伝統的に存在して、我が国の温泉文化を継承しております。公衆浴場法に基づく浴場業の都道府県知事の許可というのは、有料か無料かを問いません。このような伝統的な共同浴場も浴場業の許可を受けております。
    水質汚濁防止法は今まで施設、あるいは業を指定して規制していましたけれども、実際、こういった種々の形態がある温泉利用の公衆浴場の中で、今後どの部分を規制していくかということは、大変細かい問題を片づけながら対応しなければならないと考えます。
    そういったことを考えたときに、この温泉利用公衆浴場への対応というのは、旅館業への対応方針が決まってから、まだ問題点が多く残されているような場合、例えば、環境基準点でほう素やふっ素の濃度が高い、そういった場合に新たに規制を考えることが適切ではないかと考えております。現状では公衆浴場を水質汚濁防止法の特定事業とすることは時期尚早ではないかと考えております。
    以上です。
  • 須藤委員長 御説明どうもありがとうございました。
    それでは、委員の先生方から御質問、御意見を伺います。いかがでございましょうか。
    どうぞ、浅野委員。
  • 浅野委員 要するに、こういう御主張だという理解でよろしいでしょうか。確認ですが、自噴と動力分については、環境基本法2条の環境への負荷という概念から見ても使い分けをすべきだ。自噴についてはむしろ規制をしない、動力分については規制対象にすることはいたしかたがないのではないか、ただし、直ちに一律というわけにはまいらないので段階的に考えてほしい。日帰り温泉については、公衆浴場のさまざまな形態があるので、直ちに全部一網打尽というのも困るので、時期尚早だ、もうちょっとよく考えろということだと、こういう理解でよろしいですか。
  • 日本温泉協会(酒井) そうです。
  • 浅野委員 後の方ですけれども、要するに、公衆浴場の形態について、きちっと精査をして、ほとんど旅館業と形態が変わらないけれども、食事を出さないので規制されていないようなところと、今、おっしゃるような温泉文化を形成するような伝統的な共同浴場のような形態のものがあるということはよくわかったわけです。
    それ以外に更にどういうパターンのものがあるか、なかなかわかりにくいのですが、その辺を丁寧に分析するということがあれば、時期尚早であると言われたことについてはどうなのでしょうか。特に旅館を圧迫しているような日帰り温泉が全く野放しで、食事を提供すれば水濁法に引っ掛かりますけれども、例えば、ケータリングでよそから食べ物を取り寄せて、自分のところでは一切調理をしなければ、全く規制なしという状態はアンバランスだと思われませんか。
  • 日本温泉協会(酒井) 水質汚濁防止法の特定事業所になるということは大変重いことだと感じております。ですから、同じ温泉を使っていて、旅館業だったら、排水基準がかかってきて、日帰り施設だったらかからないという、その不合理さというのは理解できるんですけれども、温泉の利用形態全体を考えたときに、先ほど申しましたように、温泉という文化を考えたときに、温泉地にある共同浴場に余り負担がかかるような、水質汚濁防止法の特定事業所になったときはいろいろ大変だと思いますので、基本的に環境省は公共水域の水質測定を継続して行っていますから、そういった数字を見ていて、ほう素・ふっ素の数値が少し高目に移行しているとか、あるいはその原因が規制対象外だった公衆浴場であるということが明らかになったときに新たに対応をしていただく方がよろしいのではないかと考えております。
  • 浅野委員 とりあえず御意見としてはわかりました。
    ちなみに、共同浴場タイプのものについても、温泉協会という組織の中でメンバーになっておられる例があるのでしょうか。
  • 須藤委員長 布山委員、どうぞ。
  • 布山委員 地域によってはあります。特に、先ほどヒアリングをお願いした別府市自体が会員になっておられまして、別府市で所有している共同浴場もあります。
  • 浅野委員 先ほど市営温泉とおっしゃっていましたね。ほかにありますか。
  • 布山委員 例えば、上山市は、上山温泉の中に幾つも共同浴場があるのですが、その浴場単位で御入会いただいているというケースもあります。
  • 浅野委員 なるほど。それは経営形態はどうなっていますか。
  • 布山委員 それは民営でやっていると思います。
  • 浅野委員 全く民営ですね。なるほど。
  • 須藤委員長 よろしいですか。
    森田委員。
  • 森田委員 ちょっと数値が違うのが気持ちが悪いというだけの話なんですが、日本温泉協会からいただいている資料の3ページ目の「温泉排水中のほう素含有量の規制に関する研究班の設置の要望書」の中で、ほう素は別府温泉では平均して50mg/lが含まれると書いてありまして、先ほどの別府市の御説明では、平均的には、ほう素に換算するとほう素は7とか8、10mg/l以下ぐらいの平均値なんですが、この辺はどう考えておいたらよろしいでしょうか。
  • 日本温泉協会(酒井) この要望書をお書きになられたのは学術部の委員長の綿抜先生という方で、別府は大変源泉数が多いと感じておりますけれども、源泉の平均濃度を、温泉だとメタほう酸で出ているんですけれども、それをほう素に換算して書かれたものだと思います。先ほどの別府市の方は、特定の源泉の平均値をお話ししていたと私は伺っていたんですけれども、違いますか。
  • 森田委員 非常におおざっぱに言うと、綿抜先生の書かれているものはほう素ですので、これをメタほう酸に換算すると、平均で200mg/lぐらいという計算になる。つまり、先ほど来、別府の方でお話しになったものだと、例えば、10ppmというものが出されても、そんなに問題はなさそうだというふうに見えるんだけれども、もしここに書いてある数字が本当だとすると、相当大変だという、テクニカルな話でありますが、温泉協会の方はほかにいらっしゃいますか。
  • 須藤委員長 温泉協会の方。
  • 森田委員 どっちが正しいかという、それだけです。
  • 須藤委員長 測っているものが違ったら、またその値も違うんでしょうけれども。
  • 森田委員 いえ、測っているものは同じです。ほう素を測っています。通常は、ほう素を測った後、それをメタほう酸に換算し直すという作業をやっていらっしゃるんだと思うんです。したがって、どっちかが違うのかもしれないなという感じがして、それによって濃度の議論が少し変わってくるものだから。
  • 須藤委員長 今の森田委員の御説明のところで、何か議論がありますか。大体10mg/l以下におさまるという話だったですよね。
  • 温泉所在都市協議会(阿南) 先ほど別府市が話をしたのは、あくまでも市営温泉の部分でございます。それと、測った中で一番大きかったのがメタほう酸77mg/kgというのが一番大きな数値でございます。それから、これをほう素に直しますと、最大19mg/lでございました。これは直近の調査でございます。
  • 森田委員 したがいまして、扱っている温泉水が違うんだということでしょうか。
  • 温泉所在都市協議会(阿南) 調査をしてみないとわからないんですけれども、そこまで大きな差があるのかなと思います。そこまで差はないんではなかろうかという思いはしております。
  • 森田委員 でも、綿抜先生はかなり御経験の深い地球科学者ですから。結構です。
  • 須藤委員長 要するに、両方のデータの食い違いがちょっと大き過ぎるというのが先生の御指摘です。
    ほかの委員の皆さん、よろしいですか。
    藤田先生、どうぞ。
  • 藤田委員 あくまで温泉協会からの意見ということですので、恐らくさきにお話をされました全国旅館ホテル生活衛生同業組合の方々と必ずしも意思統一をされているとは思わないんですけれども、最後の4番目、いわゆる温泉排水処理施設などを共同でやるという話が1つ出てきているわけですけれども、これは多分、場所、地域によって、しやすいところと、なかなか難しいところはあると思うんですけれども、温泉協会としては、こういうふうな形で取り組むと、現実には解決に一歩前に進むのではないかという御意見だと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
  • 日本温泉協会(酒井) 4番の複数の温泉利用施設で排水処理するというのは、もともと水濁法には排水処理施設の排水を処理するというのは入っていたと思うんですけれども、ただ、実際、個別の温泉地を考えたときに、例えば、温泉排水を利用してロードヒーティングをしているところがかなりあるということを見ますと、簡単に排水のパイプラインを別につくって、いわゆる下水道方式で処理するということができるかどうか。
    個別の温泉地の置かれた立場が違うので、いろいろな選択肢が欲しいという形で、多分、日本温泉協会はこれを入れたんだと思うんです。これができればすべていいという話ではなくて、選択肢の1つとして入れて、環境省のパブリックコメントのお答えの中にも、既にいわゆる排水処理施設の排水処理施設はあって、温泉だけを集合排水する場合は、緩和措置、暫定廃止基準が使えますよという返事がありました。排水処理施設の排水処理施設が温泉の暫定排水基準を使えるかどうかというところは非常に疑問があったんですけれども、パブリックコメントできちんと環境省がお答えになっていたので、そうすると、温泉排水の集合処理施設ということは、個別の旅館で排水処理するよりは合理的であると、温泉地があったら、選択肢としてとてもいいんではないかと思うんです。
    実際、個々の温泉を考えたときに、源泉の濃度、あるいは温泉の浴槽に入っている濃度というのは、微妙にほう素・ふっ素濃度が違う場合に、処理費用の負担とか、非常に細かい問題が、本当はこの集合処理施設には出てくるので、下水道のように公共でつくる場合は、ある程度行政的な力でできますけれども、実際、これができるところというのは、例えば、小さいところだったら割とできるかもしれないけれども、少し条件が違った旅館が5軒、10軒集まってきたときに、費用負担を考えたときに、出す濃度と量が違う、そういったことを考えたときに、果たしてうまくいくのかなという懸念はあります。
  • 須藤委員長 よろしいですか。ほかの委員、よろしいですか。それでは、どうもありがとうございました。これをもってヒアリングを終了させていただきます。お疲れ様でした。
    続きまして、岩手県から御説明をお願いいたします。本日は、岩手県環境生活部環境保全課特命課長、大泉善資様より御説明いただきます。大泉さん、どうぞお願いいたします。
  • 岩手県(大泉) 岩手県の環境生活部の大泉と申します。
    私どもの県には、先ほど来、名前が出ていますけれども、新安比温泉といいます、ほう素として大体1,500mg/lという非常に高い温泉がございまして、昨年度、環境省の温泉分野技術検討会で、この温泉で処理技術の実証試験が行われたところでございます。恐らく今日、この検討会でお話しする機会をいただいたというのは、そういった御縁かなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
    それでは、まず初めに、当県における温泉排水規制の取組みについて簡単に説明をいたします。資料の2ページをお開き願います。当県におきましては、県の中央部を北上川が南に、また、馬淵川が北の方に流れておりまして、これら2つの流域のほとんどの河川がAA、またはA類型の基準を満たしております。県内の温泉地はほとんどがこの北上川、あるいは馬淵川の西側にございまして、地図の中に、新安比温泉、あるいは夏油川という表示がございますが、ほう素の高い温泉もこうした地域にございます。沿岸部につきましては温泉も少なく、ほとんどの河川がAA類型の基準を満たしております。
    これらの河川、湖沼海域について、1ページの表1に記載しておりますが、県が150水域、247地点で水質測定を行っております。このうち、ほう素・ふっ素につきましては、発生源の分布などを基に、ほう素について40地点、ふっ素について32地点で測定を行っておりまして、表2のとおり、夏油川、安比川という2つの河川で温泉水の影響が若干認められますが、そのほかの地点におきましては、過去10年間のほう素・ふっ素がともに0.1mg/l以下といった低い値で推移しております。
    次に、ほう素・ふっ素の排出源に対する取組みでございますが、3ページの表3のとおり、旅館業、製造業等の事業所に対しまして、水質汚濁防止法に基づき、立入検査を実施しております。
    なお、中核市であります盛岡市も、この表には計上されておりませんが、県と同様に立入検査を実施しております。この中で、ほう素・ふっ素が検出される可能性の高い温泉旅館が、ほう素では17施設、ふっ素では18施設ございまして、いずれも暫定排水基準を満たしております。当県では、温泉旅館の浴槽排水は浄化槽に流入させないよう指導しておりまして、ほう素やふっ素の濃度の高い未処理の浴槽排水が浄化槽の処理水などと合流し、希釈され、暫定排水基準を満たしているという状態でございます。
    なお、これらの温泉旅館の中で、将来、一律排水規制を満たすために何らかの対応が必要と考えられます施設が、平成21年度の結果だけに着目しますと4施設、過去数年の状況から見ますと、恐らくその倍の8施設程度あるものと思われます。
    以上がルーチン的な取組みでございますが、そのほかに個別の取組みといたしましては、河川流量の低下時に砒素の濃度が環境基準を超えるという河川がございまして、平成20年度から負荷量調査を実施いたしまして、関係する温泉旅館業者の方々と現在対応を検討中のものがございます。
    以上が温泉排水規制の当県の取組みでございますが、続きまして、温泉排水規制に対する意見についてお話しさせていただきますと、まず第1に、温泉旅館の経営面から、負担可能な処理技術の開発が今後どの程度の期間でなされるのかというのが大きなポイントだと思います。昨年度の環境省の処理技術開発普及等調査報告によりますと、表4のとおり、標準的なケースを1日100m3、これは処理水量でございます。流入濃度を、ほう素であれば50mg/l、ふっ素であれば16mg/lと設定いたしまして、これを一律排水基準を満たすように処理する場合を試算したものでございますが、年間のランニングコストは、ほう素につきましては約6,700~8,800万円、ふっ素につきましては約1,400万円となっておりまして、関係業者の皆様はどうもイニシャルコストを盛んに気になさっているようですけれども、ランニングコストに大きな課題があるように思われます。
    ここで、温泉旅館の売上げに占める排水処理コストの割合を考えてみるために、表5で、1日150m3の排水を処理する場合の下水道使用料がどれくらいになるのかを試算しております。1日150m3の排水の内訳を、温泉浴室系の排水が100m3、厨房やトイレなどの生活系排水が50m3と仮定いたしますと、表5の金額にほう素またはふっ素の除害コストといたしまして、表4の金額、こちらは単位が1,000円でございますが、これが加算されたものがトータルの排水処理コストになります。
    こういった規模の温泉旅館の宿泊定員につきましては、浄化槽の人員算定基準と生活排水量50立米から、一応、250~500人辺りと考えられます。結婚式場のありなし等で1人当たりの水量が異なっているということで、幅があるわけでございますが、仮に宿泊定員を500名、年間売上げを10億円と仮定いたしましても、ほう素関連ですと、排水処理のランニングコストが年間売上げの1割に相当するというのがこの実証試験での結論でございます。
    ちなみに、昨年度、実証試験が行われました新安比温泉でございますが、浴槽系の排水量、これはモデルケースに非常に近い約100m3でございますが、ほう素濃度が1,500と非常に高いこともございまして、これを一律基準に適合させるためのランニングコストが年間40億円と、経営的にはとても考えらないような結果となっております。
    更につけ加えますと、温泉の場合に、多種多様な共存物質への対応、それから、浴槽の洗浄時の多量排水に対する流量調整能力の確保、それから、サービス業者であります旅館業者の方が特殊な処理設備の運転管理を自ら行うということは、製造業等に比べましても通常困難であると思われること、その結果、地方では、遠隔地のメーカー等への外部委託が避けられず、生物処理などと比較いたしましても委託費が割高になる可能性が高い、そういった温泉旅館に特有のコスト増加要因があるということにも配慮が必要かと思われます。
    次に、一律排水規制への移行についてでございますが、公共用水域におけるほう素・ふっ素濃度の趨勢に応じた検討が必要ではないかと思います。当県の河川水質等の状況は先ほどお話ししたとおりでございますが、全国の状況につきましては、表6のとおり、今のところ、これらの項目の超過率につきましては、大きく増加しているようには思われません。ただし、各地点、あるいは各水域におけるこれらの濃度レベルがどのような趨勢にあるのか、例えば、温泉の新規掘削などを反映して上昇傾向にあるのか、あるいは逆に一律排水基準へのこれまでの段階的な移行などを反映して減少傾向にあるのか等につきまして、データを整理して、水域ごとの趨勢、あるいは全国の趨勢というものを判断する必要があるように思われます。
    また、平成20年度の水道統計によりますと、表7の一番右側の列でございますが、ほう素につきましては、全国の4,349水源中2水源で、また、ふっ素につきましては、4,351水源中18水源で水道水質基準を超えております。水道統計では、河川水と関係の深い伏流水が地下水という水源種別に、浅井戸、深井戸などと一緒に集計されておりますので、表7では伏流水をフォローするために地下水のデータも記載しております。これによりますと、地下水がすべて伏流水であると仮定いたしましても、表流水、ダム湖沼、伏流水などの河川系の水道水源における基準超過率がほう素で約0.05%、ふっ素で約0.4%となりまして、関係される水道事業者の皆様の御苦労、これは非常に大変だとは思いますけれども、超過率といたしましては、そう高いとは言えないのではないかと、そういうふうに思っております。
    こうしたことから、今後の規制の在り方について意見をまとめて申し上げますと、速やかに一律基準へ移行することが理想的ではありますけれども、公共用水域におけるほう素・ふっ素の濃度レベルが増加傾向にない限りにおきましては、温泉旅館業者が負担可能な処理技術が開発されるまでの間、暫定排水基準の適用はやむを得ないと考えております。
    また、各水域の置かれております状況や趨勢といったものを整理いたしました結果、逆に濃度レベルが上昇している水域が多いとの結果が得られるようであれば、当面、現状レベルを悪化させないような規制、例えば、新規掘削温泉の利用に対しての何らかの規制、そういったものを検討する必要があるのではないかと考えております。
    更に、温泉旅館業者が負担可能な処理技術の開発についてでございますが、まず経営分析的な視点から、処理コストの開発目標値といったものを考える必要があるのではないかと思います。国や温泉旅館業界の方々が協力して検討の上、水処理の業界に提示する、あるいは処理技術の開発について、国の研究機関や水処理業界が共同して検討する、そういった取組みが望まれるのではないかと考えております。
    以上、規制の方向に関しまして、即効的な、あるいは具体的な提言はできかねましたけれども、私の意見を述べさせていただきました。どうもありがとうございました。
  • 須藤委員長 御説明どうもありがとうございました。
    それでは、委員の先生方から御質問、御意見を伺います。
    どうぞ。
  • 辰巳委員 この処理コストの目標値の提示というのは是非やっていただきたいと思うんです。すぐでなくても結構ですけれども、前回やられたのも1つの方法ですけれども、幾つかの方法を組み合わせることによっても処理コストの低減というのは可能な場合もありますので、目標値の提示というのは是非お願いしたいと思います。
  • 岩手県(大泉) 非常に大切なことだと思います。先ほどの旅館ホテル業界からの資料を拝見いたしますと、年間の規模が2兆円ですか、軒数が5万軒、客室数が幾らでしたか、ありまして、逆算しますと、1軒当たり4,000万円くらいという売上げになるのかなと。これは規模の小さいところもあるからだと思います。そうしますと、私、先ほど500人の規模で10億円の売上げと言いましたけれども、非常に規模の小さなところで、例えば、年間売上げ4,000万となりますと、先ほどの説明でイニシャルコストのことは一切触れておりませんけれども、イニシャルコストの方も、そこでばかにならないということで、恐らく業界の皆様はまずそこに目が行って心配されているのではないかと思います。ただ、そこをクリアしたとしても、ランニングコストが先ほどお話ししたような状況だということで、そこの検討が大切なのではないかと考えております。
  • 須藤委員長 辰巳委員、よろしいですか。
  • 辰巳委員 ありがとうございました。
  • 須藤委員長 どうぞ、秋葉先生。
  • 秋葉委員 水道水の基準超過率のお話がでてきましたので、水道のことにについてお聞きします。ほう素・ふっ素は、基準超過率がそう高くないとのことですが、50の基準項目全体に見ますと、基準値の10%、50%値を検出されたか、を考えると、ほう素・ふっ素というのは相対的に高い方に当たる物質であるとと思うんです。地下水が問題とりますので、、規模的にはどうなんですか。例えば、小規模水道ほど、地下水を水源とするところが増えてくると思いますが、規模別で見るとどうですか。
  • 岩手県(大泉) 私、水道の方を担当していませんで、詳しいことはわかりませんけれども、地下水という水源種別の中には、先ほどお話ししましたとおり、伏流水のほかに、自由地下水を取る浅井戸、あるいは被圧地下水を取る深井戸と呼ばれるものがございます。河川の取水許可をいただいて伏流水を取るというのは、ある程度規模が大きなところではないのか、それに対しまして、地方の、例えば、簡易水道レベルなどでは、比較的浅井戸ですとか深井戸という、河川水からちょっと離れたようなものが多いのではないかと思います。
  • 秋葉委員 岩手県の場合、簡易水道レベルより小規模な専用水道、飲用井戸レベルですと、地下水を汲み上げて水源としている割合が高くなることを想像します。例えば、夏油川とか安比川に温泉水が入るという話ですけれども、その温泉地の近くの井戸とかは両物質の検出率いかがですか。おわかりでしたら教えてください。
  • 岩手県(大泉) 水道事業の水源といたしましては、過去に温泉の近くで掘った井戸でふっ素が高かったというケースがあるというのは聞いております。ただ、水質基準を超えるまでには至っていなかったと思います。それから、今、お話がありましたとおり、岩手県の水道普及率はまだ100%でございません。90ちょっと、忘れましたけれども、おっしゃるとおり、飲用井戸というのがありますけれども、そういったもので、こういうふっ素が基準を超えるというものは承知しておりません。また、環境保全サイドで地下水のモニタリングをやっておりまして、万一基準を超える地下水の利用がございまして、それをしかも飲用に利用しているというケースがあれば、その時点で出先を通じて必要な指導をするという体制を取ってございます。
  • 須藤委員長 秋葉先生、水道の水質基準を超えたときには、勿論、浄水場でふっ素・ほう素の処理技術というのは駆使するわけですか。
  • 秋葉委員 現行の通常な処理技術ではほう素はほとんど除去することができませんし、フッ素は凝集沈澱ろ過で多少は除去できますが。これはやはり水源を変えるとか、そういった措置が必要だと思います。最近、専用水道など自己水源で、地下水を利用するところが増えていますので、どのような指導体制をとるかが重要だと思いました。
  • 須藤委員長 ほかの例もいっぱいあるでしょうから、そういう問題が排水の方にも応用できるので、今、私は伺ったわけです。
  • 秋葉委員 水道の場合は、ほう素でしたら通常の処理技術では除去できませんから、例えば、海水の淡水化を行っているところでは、海水にほう素が含まれていますので、処理水にも検出されるわけです。結局、安価な除去技術はないということで、最終的には水を薄めて供給しているんです。
  • 須藤委員長 濃度の低い水と、濃度の高い水と混ぜれば。
  • 秋葉委員 淡水化した水と水道水を混ぜてですね。
  • 須藤委員長 わかりました。そういう意味ですね。水質基準に合うようにしてやっているわけですね。ここで言えば、希釈とある意味で同じですね。
  • 秋葉委員 希釈ということです。
  • 須藤委員長 ほかによろしいですか。
    森田先生、どうぞ。
  • 森田委員 今、いろいろお話しいただいて、特に安い処理技術が必要だと、それは全く賛成なんですけれども、1,500ppmというのは究めて特異な例と考えてよろしいですよね。このぐらいの濃度になりますと、今度は逆にほう素の資源としての、外国でもほう素は温泉みたいなところから採取されたりするんです。あるいは排水処理と組み合わせるということもあるかもしれませんが、そういうことはお考えになってございますか。
  • 岩手県(大泉) 今、どのように処理をするかというところに注意が集まっておりますけれども、当然、吸着されたものをどうするか、あるいは汚泥処理をどうするかという問題が出てきますので、そこがしっかりしていないと、それもすべて処理コストにはね上がるという結果になろうかと思います。
  • 森田委員 非常に簡単なのは、煮詰めてしまって、ほう酸ナトリウムにして売ってしまうという方法があるんです。こういう吸着剤を使ってやるものはすごくお金かかるんです。1,500ppmありますと、ほう酸源にすると、その分子量が数倍になりますから、日量100立米もし出るとすると、おおざっぱに計算すると、200tぐらいのほう酸ナトリウムが取れる。これをどう売るかがありますが、例えば、中性子吸収剤みたいな、原子炉などで、とにかく中性子を外に出すときの、それは比較的高く売れるし、勿論、ほう珪酸ガラスの原料でもありますし、それ以外にも、いろんな用途はあり得る。そこまで組み合わせてうまく価格の最適化を図る道はあるんではないだろうかと思います。
  • 須藤委員長 今のような資源化とか、あるいはさっきの処理技術について、工業試験所とか、いろいろありますよね。県として取り組んでいる開発はあるんですか。
  • 岩手県(大泉) 今、お話いただいたわけですけれども、確かに特異なケースが私どもの県に1件だけあるという状況でございます。まさに処理コストをどうするかの部分にしかまだ目が行っていないという状況でございまして、それをどう売るかというところまではなかなか視点が行っていないという状況でございます。
  • 須藤委員長 ほかの委員の先生、どうぞ。
  • 藤田委員 私は今の大変な温泉に見学に行ったんですけれども、これは前回も発言をしたんですけれども、ほう酸だけなら解消できると思うんですけれども、実はもっとほかに大変なものがたくさん溶けているので、結果としては全部処理されて濃度が落ちてくるわけです。今、大泉さんが説明されましたグルカミン酸とか、いわゆるイオン交換とか何かも、ほとんどがほう素の前にほかのものがくっついてしまうので、結果としてランニングコストが上がった。非常に純粋なものが入って、それを例えばイオン交換で取るというのは、経済的にも十分成り立つ方法論だろうと、我々はそう感じたんです。
  • 須藤委員長 ありがとうございます。
    ほかの委員の先生、どうですか。よろしいですか。それでは、今日はどうもありがとうございました。これでヒアリングを終了させていただきます。どうもお疲れ様でございました。
    それでは、一応、これで4団体の御意見を伺いました。我々として、大体質問させていただきましたが、全体を通しまして、委員の先生方から各団体への御質問等ございますでしょうか。共通する問題とか何かございましたら、どうぞお出しいただけますでしょうか。
    秋葉先生。
  • 秋葉委員 結局、感想としまして、お話を聞いた限りにおいては、それぞれの団体におきましても実態把握の必要性があると思います。
  • 須藤委員長 それぞれの団体の中で危機感を感じていただいて、環境保全のために、例えば、もう少し排水口のデータを取っていただくとか、そういうことですね。あるいは対応技術、処理技術、試験技術とか、岩手県は地方自治体ですけれども、関係団体として、そういう技術の実態把握をお願いしたいということですか。
  • 秋葉委員 そのとおりです。
  • 須藤委員長 ほかの委員の先生方、どうですか。この辺の御専門の甘露寺委員、4つ伺った感想をどうぞ。
  • 甘露寺委員 今のお話、非常に重要だと思うんです。レジオネラの場合は各浴槽でやるというふうに、法律というか、管理要領というのが、旅館業とか、公衆浴場でやっているわけですけれども、そういう手段で、排水についてのほう素・ふっ素を測るということを義務化ということまでできないものだろうかというのを1つ私は考えたんです。それをやらないとなかなか進まない。ほう素とふっ素を測るのにそんなにお金がかかるわけではないから。ただし、レジオネラの場合は、危ないぞという声があって、みんな申告でやり出した。ほう素・ふっ素は、そんな危ないぞというのがないから、そこら辺のところは非常に難しいかもしれないけれども、少なくともある程度データを1つの基準としていかないといけないのではないか。それを逃れられる、特に水で薄めたもののほう素が非常に重要なような気がするんです。そして、それが実態にどうなのかということを踏まえていかなければいけないんではないかと思います。結論的な、最後のいろんな基準値を、今のままではなくて、少なくとも排水基準から、当分の間、砒素と同じようなやり方で処理するとか、そういうのは後の手段ですね。ですけれども、具体的にはそうやっていかないといけないんではないか。
    それから、これは全部見ているわけではないですが、全体としては、ほう素の値が全国平均400ppmなどになるわけがないと思うんです。メタほう酸としてもね。だから、ある程度は現状でやれるのもかなりあると思うんです。そういうこともあるんで、余計ほう素のちゃんとしたデータを出した方がいいんではないかと考えたんです。ただ、どういうふうにやるか。保健所がやれと言ってやるか。例えば、厚労省がやるとすると、どういうような手続で、保健所を通して、排水のこういう問題があるから、こういうものについて、基本データとして集めたいんだということでできるのかどうか、その辺はどうなんでしょうか。
  • 須藤委員長 すぐにできる問題があればお答えいただきたいし、これも、私の理解だったら、温泉排水だって排水口での話ですよね。今の御疑念に対して何かお答えはありますか。課長からどうぞ。
  • 吉田課長 今日のお話を伺っていると、その実態がどうなっているのかということで、少し懸念があるというお気持ちはよくわかります。たしか前回のこの検討会でも、温泉の実態調査をもう少し詳しくということで、今、聞こうとしているところなんですが、今日の話で、源泉のデータは聞くことになっていなかったんですが、追加的に源泉のデータ等についてもどうかと。これは場合によっては自治体の方で、自分のところの温泉はどういうような成分かというのは把握されているんではないかという気もいたしますので、その辺を含めて聞いてみて、先ほどのメタほう酸の関係である程度想定もできるということですから、まずはそこで実態を調べるといったことは必要かと思います。
    ただ、今の制度上から言いますと、いわゆる特定施設ということになっていますと、一応、排水については水質は調べてくださいというような仕組みには、現在も法律上はなってございますので、その辺はつけ加えさせていただきます。
  • 須藤委員長 仕組みはそういう仕組みなんですね。そこはほかの排水と同じです。
    ほかはよろしいですか。それでは、全体を通して、少しデータ不足ではなかろうか、環境省としてその辺をもう少しお調べいただいたり、あるいは排水の測定の一元化というか、あるいは厚生労働省との共同のというか、レジオネラなどのときに併せてそういうことができないかとか、こんな御意見もいただきましたが、本日は4団体の皆様、本当にありがとうございました。お蔭様で、私どもがわからなかったことが大分わかって、環境省としても調べなくてはいけないことは調べるということになろうかと思います。次回以降の審議につきまして、本日の4団体のヒアリング成果は十分に参考にさせていただきたいと思います。
    それでは、最後に「その他」とございますので、事務局からお願いいたします。
  • 吉田課長 本日は、委員の皆様方並びに温泉に関係をいたします4つの団体の皆様方、本当にありがとうございました。
    本検討会の今後の予定でございますけれども、今年度中にあと2回ぐらい、この検討会を開催したいと考えてございます。前回、各委員の方々からいろいろと御意見をいただいておりますし、本日、各団体の皆様方からもいろいろと取組状況等についてお話をいただきました。それから、先ほどちょっと申し上げましたように、改めて温泉の実態調査といいますか、各自治体に調査をしようとしている段階でございますので、源泉のデータもできれば入手させていただいて、そういった結果も含めて、次回、御議論を進めていただければと考えているところでございます。
    なお、次回の日程につきましては、1月12日水曜日10~12時でお願いできればと考えておるところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 須藤委員長 かしこまりました。それでは、今、課長から御説明がございましたように、次回は来年1月ということでございますので、委員の皆様にはスケジュールの中に入れていただいて、是非御出席をいただきたいと思います。1月12日水曜日10~12時ということでございます。
    それでは、本日の審議はこれで終了させていただきたいと思います。本日は誠にどうもありがとうございました。

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