水・土壌・地盤・海洋環境の保全

新技術の紹介

熱を大地に蓄積して、冷暖房を効率的に行う

帯水層蓄熱システムは地中熱利用の一つです。広く普及している空気熱源ヒートポンプでは冷暖房の排熱を大気に放出していますが、帯水層蓄熱ではその排熱を帯水層に蓄え、熱エネルギーとして活用することで省エネ・省CO2・ヒートアイランド現象緩和を図るシステムです。夏期に排出される温熱を冬期の暖房熱源に、冬期に排出される冷熱を夏期の冷房熱源として利用することができるため、他のシステムと比較して効率の高いエネルギー利用を行うことができます。

● 帯水層蓄熱システムのイメージ

帯水層蓄熱システムのイメージ

帯水層蓄熱システムの特徴

節電・省エネによる二酸化炭素削減効果
消費電力の削減は、電力使用による二酸化炭素排出削減につながります。空気熱源ヒートポンプと比較して、夏の二酸化炭素排出量について大幅な削減を実現しています

節電・省エネによるコスト削減効果
空気熱源ヒートポンプの電気使用と比較して、節電でき経済的です。夏のランニングコストについて大幅な削減を実現しています。

ヒートアイランド現象の緩和
空気熱源ヒートポンプのように冷房時の排熱を大気に放出しないた
め、都市部のヒートアイランド現象を緩和します。

持続可能な地下水の保全と利用
汲み上げた地下水を熱源としてのみ利用しつつ、同一の帯水層に全量還元することで地盤沈下を防止することができ、持続可能な地下水の保全と利用が可能です。

● 夏の月別二酸化炭素排出量

夏の月別二酸化炭素排出量

● 夏の月別ランニングコスト

夏の月別ランニングコスト

帯水層蓄熱システムの事例

兵庫県高砂地区、大阪市北区うめきた2期地区では低コスト高性能熱源システムの構築に関する技術開発を行うとともに、運用に伴う地下水位低下による地盤沈下への影響の評価、熱源井のメンテナンス、長寿命化等に関す
る検討が行われました。
山形県山形市での事例は、地下水を利活用することによって地中熱利用システムの高効率化を達成して省エネルギーと二酸化炭素排出量の大幅削減を実現させることを目的として実施したものです。

工事の進むうめきた2期地区

工事の進むうめきた2期地区