水・土壌・地盤・海洋環境の保全
地中熱の特徴
効率的な運転で大きな省エネ・二酸化炭素削減が可能
地中熱利用システムは、年間を通して温度が一定の地中の熱を利用するので空気熱を利用するよりも高い効率で稼働します。そのため、高い省エネ・二酸化炭素削減効果をもたらします。建物の冷暖房のほか歩道の融雪に地中熱を利用している青森県弘前市の施設で、地中熱と従来型のエネルギー利用を比較したときの、一次エネルギー消費量と二酸化炭素発生量を示しています。ここではエネルギー消費量は在来システムとの比較で、46%減となっており、また二酸化炭素発生量は50%減となっています。
● 青森県の施設におけるエネルギー利用の比較
出典:地中熱利用協会ホームページ
省エネが電気代の削減にもつながる
地中の熱の温度は年間を通して一定で、夏は外気より冷たく冬は外気より温かいです。そのため地中熱ヒートポンプは、同じ温度の熱を作り出すのに空気熱源ヒートポンプよりも少ない電力で済みます。
空気熱源ヒートポンプを地中熱ヒートポンプシステムに切り替えた場合のランニングコストについて、オフィスビルを例に試算すると年間の電気料金は25%の削減が見込まれます。
また、地中熱の利用は燃料代の削減にも寄与します。暖房や融雪利用における油焚ボイラーの場合は、燃料代と電気料金の合計で37%の削減が見込まれます。
● ランニングコストの試算例
出典:環境省 地中熱利用システム パンフレット
地中熱はヒートアイランド対策にも
空気熱源ヒートポンプは、冷房時に発生する熱を大気に放出します。そのため都市部で問題となっているヒートアイランド現象の一因として考えられています。
一方で地中熱ヒートポンプは地中で熱交換を行い、温排気を大気中へ放出しません。したがってその普及はヒートアイランド現象の緩和に寄与し、夏期の気温上昇を抑制する効果が期待されています。
大気中に熱を放出する空気熱源ヒートポンプ