地中熱関係

導入事例インタビュー 東京スカイツリー®地域

東京スカイツリータウン

新しい施設ならではの挑戦
日本初、地中熱を利用した地域冷暖房

株式会社 東武エネルギーマネジメント

導入概要

【場所】東京都墨田区
【用途】東京スカイツリータウン®とその周辺の建物、施設の冷暖房の熱源に地中熱を利用
【供給開始】サブプラント:平成21年10月26日 メインプラント:平成24年4月1日
【導入効果】
 ・省エネ効果:同規模の従来式システムと比べ、エネルギー消費量を年間48%削減
 ・省CO2効果:同規模の従来式システムと比べ、CO2排出量を年間40%削減
 ・ヒートアイランド抑制効果:従来式システムの場合の大気放熱量7,176MJ/日を0に削減

新しい施設だからこそ検討できた地中熱

 計画当初、東京スカイツリータウンは新しい施設でしたから、エネルギー供給という面でも新しいことができないかと考えていました。そこで検討していたのが再生可能エネルギーや未利用エネルギーの活用です。
 東京スカイツリータウンのすぐ横を通る北十間川を熱交換で利用できないか、近くにある工業用水路を使って熱交換できないか、また隅田川を使うことはできないかなど、さまざまな手法を検討しましたがどれも実現は難しそうでした。そこで、地中熱であれば小規模ながらでも実現の可能性があったことから検討を開始しました。地中熱で東京スカイツリー地域全体への冷暖房を行うことはできませんが、少しでも再生可能エネルギーを活用して環境面から社会に貢献できればとの思いからです。
 地域冷暖房としては我々が初めての地中熱利用だったのですが、小規模なものは北海道や東北で既に利用されていたので導入に不安はありませんでした。また、導入する前から事前調査は念入りに行い、採熱に問題が無いことを確認しておりましたので、導入はスムーズに進みました。

 

東京スカイツリータウン地下のメインプラント

学生、海外関係者など国内外から反響多数

 地中熱を利用したプラントができたということは、関係者でも話題になりました。地中熱利用促進協会様が地中熱を使ったプラントの一例として展示会などで紹介してくださりました。そのおかげもあり、国内外のさまざまな方から見学したいという声を頂きました。さらに工業高校に通う高校生や、東京の大学生も見学に来たことがあります。

導入された地中熱ヒートポンプ

地中熱を利用した地域冷暖房のパイオニアとして

 環境に優しい施設ではありますが、地域の方からの反応は残念ながら多くありません。冷暖房自体も見えないですし、プラントは地下にありますから、なかなか実感しにくいのが課題かなと思います。身近なところで使われている事例を紹介して、気運を高めていくことが大事になってくるのではないでしょうか。
 地中熱利用が全国にもっと広まれば、地球温暖化防止にもだいぶ貢献できるはずです。地中に排熱することでヒートアイランド現象を抑制できるということが地中熱利用の特徴なのですが、規模が大きくなればそれだけ効果も大きくなります。
 東京スカイツリー地域の供給区域は新しく開発されてきたエリアですから、脱炭素社会の実現に向けて引っ張っていきたいという気持ちは十分あります。東京都の定めるトップレベル事業所等の認定、省エネ大賞受賞という実績を活かしながら、地中熱を利用した地域冷暖房のパイオニアとして将来に向けてどんどんアピールしたいです。

東京スカイツリータウン
ソラマチひろばの地中深さ約120mまでチューブが埋設されている。