環境再生・資源循環
第4回 令和6年度災害廃棄物対策推進検討会 議事録
日時
令和7年3月25日(火) 15:00~16:38
場所
対面・オンライン併催
出席委員
- 委員 浅利 美鈴 大迫 政浩
大塚 直 勝見 武
金澤 貞幸 酒井 伸一
島岡 隆行 中林 一樹
牧 紀男 目黒 公郎(欠席)
安富 信 吉岡 敏明(欠席)
(敬称略)
委員以外の出席者
- (事務局)
- 環境省
角倉環境・再生資源循環局次長
松﨑災害廃棄物対策室室長
髙橋廃棄物適正処理推進課課長補佐
髙栁災害廃棄物対策室対策官
岸災害廃棄物対策室主査
議題
1 開会
2 議事
(1)第3回令和6年度災害廃棄物対策推進検討会における委員御意見に対する回答
(2)今後の災害廃棄物対策の方向性に関する主な事項
3 その他
4 閉会
配付資料
資料1 第3回令和6年度災害廃棄物対策推進検討会における委員御意見に対する回答
資料2 今後の巨大地震や集中豪雨等の発生に備えた更なる取組の方向性(案)
【参考資料】
参考資料1 令和6年度災害廃棄物対策推進検討会 委員名簿
参考資料2 令和6年度災害廃棄物対策推進検討会 開催要綱
参考資料3 今後の巨大地震や集中豪雨等の発生に備えた更なる取組の方向性(骨子)
参考資料4 今後の巨大地震や集中豪雨等の発生に備えた更なる取組の方向性(参考資料)
議事
(岸災害廃棄物対策室主査)
それでは定刻になりましたので、ただいまから第4回令和6年度災害廃棄物対策推進検討会を開催いたします。委員の皆様におかれましては、ご多忙のところ、ご参加いただき、誠にありがとうございます。
事務局を務めます環境省災害廃棄物対策室の岸でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、会議の進め方について説明いたします。本会議は、対面会場とウェブ会議のハイブリッド会議でございます。ウェブ会議の進め方は前回推進検討会と同様ですが、改めて説明いたします。
ウェブ会議でご参加の方におかれましては、発言をしない間はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。カメラについては、皆様にオンにしていただいて進めたいと思いますが、通信環境によってはつながりにくくなることがございます。音や動画が途切れる場合はチャット機能やお伝えしている電話番号にご連絡ください。その場合、皆様のカメラをオフにしていただくようアナウンスいたします。
資料については、対面会場参加者、ウェブ会議参加者ともにウェブ会議上に投影されたものをご確認いただけるようになっております。対面会場参加者については、お手元に資料もお配りしております。
質疑応答については、対面会場参加者、ウェブ会議参加者の順で座長から発言者をご指名いただきます。ウェブ会議参加者におかれましては、発言される際は挙手ボタンを使用してお知らせください。座長から発言者の指名を受けてから、ミュート解除の上、ご発言をお願いいたします。
続いて、本日の委員の出欠状況ですが、酒井座長、大塚委員、島岡委員、牧委員は会議室にて出席されています。浅利委員、大迫委員、勝見委員、金澤委員、中林委員、安富委員はウェブにて出席させています。また、目黒委員、吉岡委員は所用によりご欠席でございます。
本検討会の事務局につきましては、環境省環境再生・資源循環局災害廃棄物対策室が行っております。よろしくお願いいたします。
それでは、以降の進行は酒井座長にお願いしたいと思います。
酒井座長、よろしくお願いいたします。
(酒井座長)
どうも、岸さん、ありがとうございます。承りました。
最近、よくお会いしておりますが、何とか取りまとめに向けて、いい議論をお願いできれば幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、まず、初めに本日の議事について事務局から説明をお願いいたします。
(髙栁災害廃棄物対策室対策官)
事務局の髙栁です。よろしくお願いいたします。
それでは、議事次第をご覧ください。今回、議事は大きく分けまして2点ございます。
一つ目に関しましては、3月14日に開催させていただきました第3回の推進検討会における委員の皆様方からのご意見に対してご回答させていただこうと考えております。
そして二つ目に関しましては、こちらも第3回の検討会での委員の皆様方からご意見をいただいた内容や、関係者ヒアリング先からの提案内容も反映させていただいた形で、今後の災害廃棄物対策の方向性に関する主な事項についてとなります。議事はこの2点を挙げさせていただきました。
配付資料に関しましては、資料1、資料2、そして参考資料が四つ、ご配付させていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
以上となります。
(酒井座長)
どうもありがとうございます。
それでは、早速議事に入らせていただきたいと思います。
議事は、髙栁さんのご紹介で二つ用意いただいておりますが、通しで説明いただいて、ご意見を伺う形で進めさせていただきたいと思います。前回の意見に対する回答、そして今後の災害廃棄物対策の方向性に関する主な事項ということで、二つの資料の説明、どうぞよろしくお願いいたします。
(岸災害廃棄物対策室主査)
それでは、資料1につきまして、事務局、岸よりご説明させていただきます。
資料1をご覧ください。
以前と同様、当日回答させていただいたものについては白色で、本日回答させていただく内容については水色で表示しております。水色箇所を中心にご説明させていただきます。
まず、一つ目、関係者ヒアリングの中で、倉敷市に対して、平時の対応を切り口にして業務の整理をされていた内容がありましたが、そういった視点で処理計画をどのように見直していくべきかというご意見を吉岡委員からいただいておりました。そのご意見について右側の回答になりますが、担当者が決まっておらず、業務が停滞する場合や、担当者は決まっているが、一部の部署に対応が集中するために業務が停滞する場合があり、平時から災害廃棄物処理業務に近い仕事をしている部署の職員については、主担当の部署に配置して、その下に応援職員を充てることを定めるなど、受援体制を踏まえた役割を処理計画に落とし込むことが重要であるとのご回答を倉敷市よりいただいております。
続いて、No.3でございます。熊本地震の際、どのようにボランティアを運用されていたのか、安富委員よりご質問がございました。こちらは、熊本市の社会福祉協議会がボランティアセンターを設置しまして、高齢者や障がい者等の在宅災害要援護者や、家屋の片づけが自身では困難な方に対する掃除や片づけ支援などのボランティア活動がされていたとのことでした。
続いて、No.4でございます。災害ボランティアとの連携について考えてほしいという意見ついてなど、今後の取組の方向性に関わるご意見については、資料2でご説明させていただきますので、以降も割愛させていただきます。
続いて、2頁でございます。No.9になりますが、中林委員からいただいておりました発災時1週間程度で、初動における災害廃棄物発生量の推計を行っていると思いますが、最終的な処理実績値と推計値の乖離はどの程度かというご質問についてです。発災1週間程度の推計値が出てこなかった部分がありますが、倉敷市、熊本市にご回答いただいた内容として、災害廃棄物処理実行計画との策定時の差を見ていきますと、それぞれ1.5倍、1.9倍となっております。
熊本市の欄、一番下を見ていただきますと、乖離の原因としてこのようなことが考えられるのではないかというご指摘もいただきました。例えば半壊以上の被害棟数の解体予測が困難であったことや、補償コンサルタントからもご指摘がございましたが、罹災証明の発行数が世帯ごとになっていることから過少な推計になってしまうこと、推計のための係数が、処理を進めていく中で実態に即したものになっていったことで、どうしてもこの程度の差が出てしまっているとご回答をいただいております。
続いて4頁でございます。No.13になりますが、こちらも中林委員よりいただいておりました、東日本大震災の事例についてご説明させていただいた際、津波被災地と津波被災地以外に分けて実績を整理する必要があり、建物の所有権が滅失する場合と所有権が残る場合に分けて考えることが重要ではないかご意見をいただいておりました。右側の回答欄になりますが、来年度以降、所有権等に関する専門的知見を有する有識者と検討を進めさせていただくと、前回ご回答させていただきましたが、いただいた内容も踏まえて整理、検討を行っていきたいと思っております。また、その結果については、本検討会に来年度以降、フィードバックをさせていただきます。
続いて、No.14でございます。島岡委員よりいただいておりました、熊本市に関して人材育成の取組等がどのように行われているのかについてでございます。熊本市からのご回答ですが、被災支援経験がある職員と未経験職員をセットで被災地に派遣することや、初動対応においては管理職の職員を派遣するといった取組をされているとのことです。また、環境局の管理職向けに支援マニュアルを作成すること、研修を今後予定されているとのことでした。
続いて5頁でございます。No.19については、前回概ね回答済みですが、勝見委員からいただいておりました、平時と災害時で解体に関して技術的な差異があるのかといったところ、クオリティーの高い業務をどうしたらできるのかというところです。4行目にございます、平時と災害時では建物の状態によって解体技術レベルが異なることから経験によって対応速度に差が出てしまうということがあるとのことでした。こうした技術レベルを向上させるために、各県解体協などを通じて技術講習などによる技術向上のための活動などが必要とご意見いただきました。
また、No.22でございます。産資協に関して、大迫委員からご質問いただいておりまして、業界で広域処理に貢献できることはどのようなことがあるのかについてご質問いただいておりました。一つ目の段落で、令和6年能登半島地震では、受入先処分場や運搬業者との調整は、国や石川県と連携して対応していただいたとのことでございます。また、二つ目の段落になりますが、全国産業資源循環連合会においては、全国47都道府県に産資協を設置しており、産資協が隣県の産資協を含めて協力をしていくネットワークは今後の大規模災害発生時にも大いに貢献できるのではないかとのことでした。
7頁のNo.35をご覧ください。酒井座長よりいただいておりました廃掃法の改正点に関して、先日お示ししましたが、整理した内容で足りるのか、どのような根拠で、どう進めるのか明確な方向性の整理が必要とご意見いただいておりました。こちらについては、別途開催される廃棄物処理制度小委員会でのご議論も踏まえつつ、来年度以降の本検討会でさらに議論を深めさせていただければと考えております。
私から資料1の説明は以上でございます。
(髙栁災害廃棄物対策室対策官)
それでは、続きまして、事務局、髙栁よりご説明させていただきます。
資料1に関しましては、そのまま置いておいていただきまして、追加で参考資料の3をご覧いただければと思います。右、左と置いていただければ見やすいかなと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、参考資料3に関しまして、リンクしながらご説明させていただきます。
今後の巨大地震や集中豪雨等の発生に備えた更なる取組の方向性という形で、第3回の推進検討会の資料8でお出しさせていただいていた資料でございます。参考資料3は前回の資料8から変更した部分について水色文字にさせていただいております。変更部分に関しましては、資料1のとおり、皆様方から頂きました様々なご意見を反映させていただいている形となっておりますので、一つ一つご紹介させていただければと思います。
それでは行ったり来たりで大変申し訳ありませんが、資料1を見ていただいて、No.4から進めさせていただければと思います。
No.4の災害ボランティアとの連携について、いま一度改めて考えていただきたいといったご意見いただいておりました。これに関しましては、参考資料3の4頁(3)の1ポツ目や、9頁最後のポツのところに青字とさせていただいておりますが、このような形でボランティアとの連携について追加させていただきました。
次に資料1のNo.7に関しまして、熊本市のご発表の中にもございました対口支援に関する部分でございますが、これが非常にすばらしい取組だといったところで、今回、反映をさせていただいております。具体的には、参考資料3の9頁目(2)の真ん中ポツで対口支援について記載させていただいております。このような形で反映をさせていただきました。
次に、資料1のNo.11でございます。補償コンの資料の中でもございましたが、支援側と受援側のタイムスケジュールがマッチしていないことがあったといったところで、その部分について、この資料でも反映をさせていただきました。参考資料3の9頁目でございますが、上から3ポツ目で、支援のスケジュールといった形で盛り込ませていただいております。
続きまして、資料1のNo.17でございます。こちらは地元企業とゼネコンの業務分岐点を設ける点は一つのヒントになることに関しましては、参考資料3の9頁目に先ほどと同じくですが、3ポツ目の中に支援者の役割分担として、支援者と地元事業間でしっかりと役割分担をすることを検討していきたいと考え入れさせていただいてございます。
引き続き、資料1のNo.24でございます。こちらは人員を補充することが大規模で長期的な支援を行う上で重要であることに関して、比較的活力のあるOB・OGに方に働いていただけるような仕組みが考えられないかとのご意見がございました。こちらに関しましては、参考資料3の10頁に入れさせていただいております。一番下のポツに、OB・OGの方々にぜひともご協力いただきたいため、こちらを検討するような形で入れさせていただいてございます。
続きまして、資料1の26番目でございます。こちらは災害廃棄物処理の全般を管理する環境省災害対応管理システムがあったほうがよいのではないかといったご意見でございます。こちらに関しましては、参考資料3の8頁目をご覧ください。上から3ポツ目に入れさせていただいております。災害廃棄物処理全般を管理する共通システム、そしてツールの構築に当たっては、各種データとの連携により、情報の充実化を図る形で入れさせていただいております。
続いて、資料1のNo.27でございます。こちらは自治体の発注業務の負担を軽減する観点から、国交省だとCMRが導入なされているところで、環境省としてもこのような組織を設けてはどうかといったご意見いただいておりました。こちらに関しましては、参考資料3の11頁目にございます。想定される横断的専門機能主の役割の部分に追加をさせていただきました。青色で書かせていただいているところがまさにその部分となってまいります。
次に、資料1のNo.28でございます。こちらは復旧・復興との関係に関しまして、調和に関して、もう少し分かるとよいとご意見もいただいております。こちらに関しましては、参考資料3の12頁目でございますが、こちらは(1)の最後のポツに、(事前)復興計画を踏まえた災害廃棄物処理の在り方を検討する形で入れさせていただいている部分となります。
続きまして、資料1のNo.30でございます。こちらは被災想定地域では、初動対応マニュアルに基づいて訓練を実施していくことが大事であるといったご意見をいただいておりまして、参考資料3の2頁目の(1)でございますが、こちらは下から二つ目のポツに入れさせていただいておりまして、初動対応マニュアル、初動対応の手引に基づいて職員への研修や訓練を実施することでといったような形で、こちらは盛り込ませていただきました。
続きまして資料1のNo.31でございます。こちらは住民との協力について、処理計画の実効性を高めるために住民へ積極的に処理計画に関して啓発をしていくことが必要なのではないかとご意見いただいておりました。それに関しましては、同様に参考資料の2頁目の(1)の最後のポツの部分に、住民への周知、そして理解を得ることで、処理計画の実効性を高めることを入れさせていただいております。
続きまして、資料1のNo.32でございます。こちらは受援計画や、受援体制の構築を処理計画に記載する項目の必須内容にしてもらえないかとご意見いただいております。こちらに関しましては、参考資料の例えば2頁目になります。こちらの(1)2ポツ目にございます「※」の中にしっかりと入れさせていただいております。また、9頁目にも、下から四つ目のポツでございますが、受援計画・受援体制の部分でしっかりと入れさせていただきました。
さらに、都道府県の役割に関しましても、No.33でいただいております、都道府県の役割は市町村の規模によって考えていく必要があるのではないかとご意見に関しましても、9頁目の1ポツ目に、「被害状況、被害自治体の被災経験及び被災自治体の組織体制・財政規模に応じ」という形で、各市町村の規模感を考えていく上で入れさせていただいたところでございます。
続きまして、No.34の酒井座長から頂いたご意見に関しましては、また後ほど資料2でご説明をさせていただきます。
続きまして、No.36でございます。こちらは巨大地震と書かせていただいておりましたが、もう少し規模感を明確にしたほうがいいのではとご意見いただいております。それに関しましては、参考資料3の1頁目にございます。こちらはレベル感を書かせていただきまして、どの程度の規模感を想定しているのかを分かりやすく記載させていただいております。
続きまして、No.37でございますが、こちらは災害の種類や、災害の規模や、自治体の体力や、被災経験の有無を意識した取組の方向性が示されることが望まれるとご意見いただいております。こちらは先ほど少しお話しさせていただいた内容ともかぶりますが、12頁目の三つ目のポツに関しましては、水害や、地震などで種類別に入れさせていただいております。また、7頁目でも規模や、種類別に入れさせていただいております。
そして最後、No.38でございます。こちらは災害の種類に関して、地震災害に伴う火災、最近多発している山火事についての検討がされていないのではないかとご意見いただきました。それに関しまして、参考資料3の12頁目(1)の下から3ポツ目に火災部分を入れさせていただいて対応させていただいております。
ここまでが、前回検討会でいただいていた意見に関しまして反映をさせていただいた部分となっております。
それを基に、資料2をご覧いただければと思います。
参考資料3にございますように、1章、2章、3章という、この構成に関しましては、前回から変わらない形としております。資料2では、文章を入れさせていただいて解説を追記させていただいている内容となってまいります。
それでは、冒頭からご説明をさせていただければと思います。資料2をご覧ください。
また、資料2に関しましては、参考資料4が参考になってまいりますので、また飛び飛びご説明をさせていただきます際、提示させていただきますので、よろしくお願いいたします。
それでは、資料2について、冒頭から少しご説明をさせていただきます。
今回の推進検討会での取組の方向性を最終的にセットにさせていただきたいと考えておりますので、ぜひご意見等を頂ければと考えております。
まず、題目といたしましては、今後の巨大地震や集中豪雨等の発生に備えた災害廃棄物対策のさらなる取組の方向性を考えている部分となってまいります。
それでは、1頁、おめくりいただきまして、こちらは目次になっております。4頁目まで飛ばしていただきますと、こちらから第1章、はじめにが開始しております。
まず、冒頭、1段落目で、災害廃棄物に関する基本的な事項について述べさせていただいております。災害廃棄物対策指針や、災害廃棄物処理計画の策定についても、こちらで少し触れさせていただいております。次の「また」以降に関しましては、実際に平成27年の法改正の関係を概要で説明をさせていただいております。グランドデザインや、対策スキームについても、こちらで記載させていただきまして、いつ法改正を行ったかを明記させていただいております。
そして、次の段落の「この平成27年改正法附則第2項においては」に関しましては、今回の見直しの検討の契機の内容を書かせていただいております。
少し読ませていただきます。「この平成27年改正法附則第2項においては」の行の3行下をご覧いただければと思いますが、平成27年改正法以降、特定非常災害に該当する災害が複数回発生したことに加えて、今回の能登の地震が発生したことや、令和6年8月8日に宮崎県沖の日向灘でマグニチュード7.1の地震が発生したところで、今回、気象庁から初めて南海トラフ地震臨時情報が発表されたところもございました。このようなこともあって、南海トラフの地震や、首都直下地震等への備えに対する関心が高まっていたところもございますし、先般の災害廃棄物対策も鑑みまして、現行の制度の点検をして、今後の制度の見直しについて検討を行うこととしたことを契機として考えさせていただいております。
そして「検討会においては」から段落になりますが、こちらに関しましては、本検討会での検討の内容や、令和6年能登半島地震に特化した形で、内閣府防災で災害対応の検証をしておりますので、災害廃棄物処理や公費解体についても記載させていただいております。
そして「また、令和6年12月には」の段落以降に関しましては、令和6年12月に設置しました小委員会についてのご説明をさせていただいている形となっております。
5頁目に移りまして、「以上の点を踏まえ」の段落になりますが、取組の方向性についてまとめていることを記載させていただいております。少し、なお書で書かせていただいていますが、今年度で推進検討会での議論は終わりではなく、今後も引き続き取組の方向性については検討会において必要に応じてしっかりと具体化をするための検討を進めていきたいとも記載させていただいております。また、廃棄物処理制度小委員会において、制度的対応の事項についても検討、議論を行うこととするとも、こちらで明記させていただいております。
それでは、6頁目から、こちらは第2章が始まります。
これまでの災害廃棄物対策の進捗と課題でございます。
全て読むところは省かせてはいただきますが、内容といたしましては、第2回の推進検討会でご議論させていただきました法改正事項の概要や、活用状況の調査結果を、当時お見せしながら議論させていただきましたので、その内容について整理させていただいているところでございます。より詳しい内容といたしましては、参考資料4で、各条文の、法第9条の3の2や、3の3など、どのような改正の概要なのかを参考資料4で冒頭から入れさせていただいております。
資料2に戻りまして、さらに頁をおめくりいただきまして、8頁目でございます。
こちらは2-2の部分でございますが、東日本大震災以降の災害に対する対応でございます。こちらも第2回の検討会で、これまでの大規模災害における取組のポイント及び課題への対応といったような形で資料を提示させていただきながらご議論させていただいた内容となってまいります。その内容を文章に落とし込ませていただいてございます。
東日本大震災も含めて6件の特定非常災害について、実際の災害対応における取組のポイントや、災害対応を踏まえた課題とその後の対応について、改めて文章として整理させていただいているものとなってまいります。こちらは各災害について、それぞれポイントや、対応状況について記載させていただいてございます。
続きまして、16頁まで、飛ばせていただきます。
16頁の2-3、巨大地震や集中豪雨等へのこれまでの検討状況と課題でございます。こちらも第2回の推進検討会でのご議論の内容を基に記載させていただいております。南海トラフ巨大地震、首都直下地震、日本海溝・千島海溝地震、そして集中豪雨といった形で、これまでの推進検討会での検討内容や、集中豪雨であれば、気象庁の観測データの話も、検討会の中でさせていただきましたので、その内容も改めてここで明記させていただきました。各地震や、集中豪雨について、どのような取組をやっているのかなど、概要について述べさせていただいている頁となってまいります。
それでは18頁目に移らせていただきます。
18頁目が、先ほど参考資料3のご説明をさせていただいた内容が入っております。
まず、18頁目の冒頭で、第3章、方向性と取組事項で、前提条件を書かせていただいておりまして、これは平成27年の改正法の基本コンセプトでございます。
平時の廃棄物処理体制では、対処できない規模の災害については、廃棄物処理法の枠組みと、東日本大震災またはそれ以上の大規模災害の発生時の対応に関しましては災害対策基本法の枠組みを活用といったところで、平時の備えから大規模災害発生時の対応までを切れ目なく災害対策を実施、強化することを、そもそものコンセプトから引き続き堅持することを前提とさせていただきました。その上で、東日本大震災またはそれ以上の規模の巨大地震や大規模な集中豪雨等の発生時に備えたさらなる対策の方向性を、先ほど参考資料3でもご説明させていただいたように、3-1から3-6という六つの柱として整理させていただきまして、それぞれの柱の中で項目を入れさせていただいている形となっております。そして、3-1から3-6の各種取り組むべき事項のうち制度的な対応に関するものに関しましては、改めて3-7で整理する構成とさせていただきます。
これは参考資料3の1頁目の内容と大分かぶる内容ですが、重要なため、改めてご説明をさせていただきました。
そして3-1、3-6に挙げた内容に関しましては、引き続き検討会で検討を進めさせていただきまして、3-7に挙げられる制度的対応事項については、小委員会においても検討・議論を行うといった形で考えております。
それでは、19頁以降、参考資料3の内容が入っている内容ではございますが、3-7に飛ぶような内容などを改めてご説明させていただければと考えております。
まず、3-1に関しまして、自治体における災害廃棄物処理計画等及び災害支援協定の充実でございます。
(1)に関しましては、災害廃棄物処理計画等の策定・充実及び実効性向上部分でございます。こちらは、概要だけお話しさせていただきます。まず、冒頭で、「発災後、速やかに災害廃棄物対策を行うためには」で、平時からの事前の備えが重要である前提を改めて書かせていただきました。その上で実効性の高い災害廃棄物処理計画の策定や改定を行うことが必要だといったところで、実際に今の策定率、何%かといったところも改めてこちらに明記させていただきました。さらに、2030年度までの市町村の災害廃棄物処理計画の策定率を第5次循環型社会形成推進基本計画の中で100%の達成といったところを目標とさせていただいております。それも踏まえて、市町村へのさらなる支援が必要であるところで、今後、災害廃棄物処理計画等の策定・充実及び実効性向上を図るべきではないかといった形で内容を整理させていただいております。背景、そして課題提起をして、どのような内容を図るべきかという構成を全てさせていただいているものとなっております。
制度的なところに飛んでいるものだけご説明させていただきますが、こちらは19頁の下から三つ目の「国は、市町村における平時の」といったところ、こちらが3-7に入れさせていただいている内容となっております。
そして、20頁目に関しまして、(2)が協定の締結・充実及び実効性向上といったところでございますが、同じように冒頭は背景があって、課題があって、こういうことを図るべきではないかと、取組の内容を書かせていただいております。この中の一番下のポツ、「国は、災害支援協定の締結の推進を図る観点から」の部分についても3-7で整理させていただいております。
続きまして、21頁目、こちらは3-2で、発災後の初動期における災害廃棄物処理体制の早期確立といったところでございます。
こちらはまた内容は重複しますので、飛ばせていただきたいと思います。
さらに24頁目まで、行かせていただきますが、こちら3-3、損壊家屋等の解体工事実施体制の早期確立についてでございます。
こちらは(1)の一番下のポツでございます。「国は、関係省庁等と連携し、巨大地震等に備え」も3-7で改めて整理させていただいている内容となってまいります。
さらに、26頁目でございますが、こちらは大量に発生する災害廃棄物の処理体制の早期確立といったところでございまして、この中の(2)の2)、こちらは災害時特例の拡充検討の内容でございますが、四つのポツについては、3-7で改めて整理させていただいている内容となってまいります。
少し飛ばせていただきますが、29頁目が3-5で支援・受援体制と横断的支援機能の早期確立の内容でございます。
31頁(4)の中で専門支援機能の確立の1ポツ目に関しまして、「国は、特に大規模災害時において被災自治体」を、こちらも3-7に入れさせていただいている状態となってまいります。この支援機能に関しましては、参考資料4の43頁、44頁で、以前、推進検討会でもご説明させていただいておりましたイメージ案を少し更新させていただきながら、より分かりやすいような形にイメージ案を作成させていただいておりますので、ご参照いただければと思います。
資料2に戻りまして、33頁に関しましては、知見やデータの充実について、こちらでも改めて書かせていただきました。35頁目でございますが、3-7で制度的対応について、メインとして小委員会に諮らせていただければと考えているものとなってまいります。
また、制度的対応の部分で、2段落目にございますように、なお書きで記載させていただきました。まさに平成27年に改正させていただきました災害対策基本法と廃棄物処理法に関しまして、それぞれどのような規定をしているものかも改めて書かせていただきながら、災害廃棄物処理もほかの災害対応と連動して実施される形と今はなってまいりましたが、より一層強化するために、令和7年の通常国会で災害対策基本法の改正案が提出されることもございました。それも踏まえて、今後、災害対策基本法との連携も考慮しつつ、法改正等と制度的な対応についてしっかりと検討する必要があるというところを記載させていただいている内容となってまいります。
前回からの更新部分等々を踏まえまして、以上、ご説明を終了させていただきます。ありがとうございます。
(酒井座長)
どうもありがとうございます。
それでは、ただいまの資料1と、それから資料2につきまして、ご意見、ご質問をお聞きしたいと思います。
会場は、いつもどおり名札を立てていただく、オンラインは挙手ボタンを押していただくということで、発言のご意思をよろしくお願いいたします。
それでは、今日は途中で中座、16時までのご参加と聞いております浅利委員、冒頭でご意見があればお願いしたいということで、ご指名したいと思います。
(浅利委員)
ありがとうございます。
まずは、コメントを全て受け止めて、うまくまとめていただいていると思っていますので、感謝申し上げたいと思います。
災害廃棄物を検討するプレイヤーという意味でも、日本各地の対応に加えて海外のガイドラインづくりの支援をしてきた関係で先日ちょうど会議もあったのですが、日本のこうした動きをうまくまとめて海外にも発信をして、場合によっては海外との連携、もしくは国として受援に関する議論をするような海外とのネットワークもできてきたかなと思っております。
ぜひ、今回の取りまとめを含めて、海外に向けた発信、連携というところも視野に入れて展開できればなと思ってお聞きしました。
コメントと感謝の気持ちということで発言させていただきます。
(酒井座長)
どうもありがとうございます。
それでは、続けてご意見をお聞きしていきたいと思います。
今日は会場で牧先生に出席していただいておりますので、牧先生、お願いします。
(牧委員)
いろいろ申し上げたことを適切に入れていただきましてありがとうございます。
資料2の25頁の「復旧・復興施策との連携」に関しても、参考資料よりも、明確に損壊家屋等の修繕対策との連携について書かれていて分かりやすくなったと思います。前回の推進検討会で申し上げました31頁の、発注から施工管理業務等までの業務代行を含めて整理していただいてありがとうございます。
1点、質問があります。災害対策基本法の枠組みとおっしゃっているのは環境大臣代行、その次が県の支援ということで理解しています。教訓のところを見ていますと、平成28年熊本地震の際は熊本県が7市町村から事務委託を受けている一方で、令和6年能登半島地震では石川県は被災市町から事務委託を受けていないものの、それと同等の体制で支援したということですが、国と県がどういう形で災害廃棄物対応に関わっていくのかということが、どこに書いてあると理解したらいいでしょうか。
(酒井座長)
大事な点、聞いていただいていますので、後で事務局よりご回答ください。
手が挙がっている方から一通りご意見をお聞きしたいと思います。
それでは、オンラインから大迫委員、お願いします。
(大迫委員)
ありがとうございます。
まず、細かい点になるかもしれませんが、2点質問があります。
一つ目は、資料2の22頁目の生活ごみ・し尿処理への対応についてです。浄化槽の防災強化及び被災浄化槽の早期復旧に資するマニュアルの改訂と記載されていました。
我々の研究所でもいろいろと一部検討している関連もありますが、下水道区域内の避難所が合併処理浄化槽を持つことによって、災害時に下水道が使用できないときでも、自立的に機能させていく考え方というのは、これまで議論されてきたと思います。この考え方を反映させた形で防災強化を図り、マニュアルの改訂も行うという意味合いとして捉えていいのか確認が1点目です。
二つ目は、31頁の横断的調整支援を担う専門支援機能に関して、今回反映いただいた役割の中で「被災自治体の補助者・代行者」と記載されています。補助者についは、寄り添って補助していくという役割は分かりますが、代行者という言葉の意味合いを教えていただきたいです。これは自治体から委託を受けた形で行うような意味合いで捉えるのか、もう少し明確な関係性をこの代行者の意味に含めているのかというところをお聞きしたいと思います。
令和6年能登半島地震では、D.Waeste-Netとしてコンサルタント業界も当初から支援されている。途中からマネジメントコンサルタントという位置づけで、環境省から委託も出されて、事業全体の進捗管理も行われたと聞いています。そのような横断的な機能は、コンサルタント業界は平時の災害廃棄物処理計画にも関わっていかれる方々なので、コンサルタント業界を育てるという意味からしても、前回までのヒアリングでもいろいろとご苦労のお話がありましたが、マネジメントコンサルタントの位置づけも含めて、この横断的な機能の中での、体制の構築方法についても、今後、ぜひ議論を深めていただきたいという意図も含めて発言させていただきました。
以上です。
(酒井座長)
ありがとうございます。
では、続いて、中林委員、お願いします。
(中林委員)
中林です。私も二つほどお願いいたします。
一つ目は、牧委員からもお話がありました資料2の文章の主語が国、都道府県、市町村ということですが、資料2の文章全体を通して、主語が「国は」とは書いてありますが、項目によっては「地方自治体は」や「市町村は」というような主語も多くあるのではないでしょうか。各自治体、都道府県が処理計画をつくるわけですから、その人たちはどこを見て、どこをどこまでやらなきゃいけないのかというのが、もう少し明快に示してあげられるといいのではないかと思います。主語をより明確に整理していただけると、使い勝手がすごくよくなるというのが一つ目です。
二つ目は、対口支援の体制構築に当たっての基本的な考え方についてです。平成28年熊本地震ではうまくいったという話ですが、対口支援というのは、自治体が支援や応援協定を結んで対応する支援ではなくて、基本的には他省庁でも都道府県が管内の市町村と一緒に応援に行くこと、あるいは、政令市は政令市単独で応援に行くことです。現在、20政令市と47都道府県がありますが、それらの組合せで、どこが誰を応援するのか、それを継続的にどのように展開するのかが対口支援の根本的な考え方だと思います。主語の「国は」、「市町村は」や「都道府県は」を明快にしていただくと同時に、災害廃棄物処理の対口支援について、今後体制づくりを誰が考えるのか等、どのように考えていくのか。自治体としては、どのように対口支援を受け止めて、処理計画等に書き込んでおいたらいいのかという辺りを、もう少し整理いただけると、自治体がリアリティをもって支援・受援を平時から考えられると思いました。
以上です。
(酒井座長)
ありがとうございます。
続いて、金澤委員から手が挙がっております。金澤委員、お願いします。
(金澤委員)
ありがとうございます。
私からは資料2の9頁、東日本大震災以降の災害に対する対応についての中で、平成28年熊本地震における取組と課題への対応の最下段には「熊本県内の7市町村は県への事務委託を行い、県が災害廃棄物の処理を推進した」とあります。また、逆に13頁の令和6年能登半島地震における取組と課題では、「市町から県への事務委託は行われなかった」、「石川県においては事務委託を受けた場合と同等の体制をとりながら、被災市町を支援する体制が取られた」と記載されており、そのように評価を行っていると理解しています。
それを受けて19頁の3-1ですが、自治体における災害廃棄物処理計画等及び災害支援協定の充実の(1)災害廃棄物処理計画等の策定・充実及び実効性向上の1行目に、「一般廃棄物の処理責任を有する市町村は」と記載がある以降、「また、都道府県においては、被災市町への支援の観点のみならず、市町村からの事務委託の可能性や災害廃棄物の広域処理の調整等を想定し、災害廃棄物処理計画を策定・改正することが求められる」と記載されています。
国、環境省としては、どちらを推進していきたいと考えているのでしょうか。または、都道府県が主体性を持って一歩も二歩も前に出て災害対応を行うことを記載しているのでしょうか。さもなければ、どちらの可能性もあるとして整理しているのか。環境省としてのスタンスを明確にしていくべきではないかと感じております。前回もお話をさせていただきましたが、市町村には規模の大きさや財源、人員等の違いもございますし、災害対応に当たる余力がない市町村もあります。そういった背景もございますので、都道府県の役割を、もう少し明確に打ち出していくべきではないかというご意見を申し上げたいと思います。
以上です。
(酒井座長)
ありがとうございます。
それでは、質問、ご意見をいただきましたので、この後、環境省のご担当からご回答をお願いしたいのですが、追加で2点だけ私からも質問があります。
一つ目、31頁に被災自治体の横断的調整支援を担う専門支援機能の確立という方向性を出していただきました。前回、牧委員から他省のこの関連の状況もご紹介をいただいているところですので、この方向に関しては、十分な検討をしていかなければない内容だと思います。この5年、10年の災害廃棄物対策の経験から、一体どの程度の支援機関が、どの程度の受援機関に対して出向いたのか基礎的な情報を数字ベースで、基礎的な数値に基づき訴えてくべきではないかというふうに考えています。そのような基礎情報という意味では、相当数蓄積されてきていると思いますので、その作業はどの程度可能であるかの見通しをお話しいただきたいと思います。そこには、災害対策基本法の改正で考えられているボランティア機能の強化のところで、ボランティアとの接点も非常に重要になってくるということで、そのような裏づけ的な数値の準備状況もお話をいただきたいと思います。
二つ目、仮置場ができて、そこに排出される様々な廃棄物、あるいは資源物の中に、どうしても丁寧な取扱いが必要な適正処理困難物や有害物質に関係する排出物があります。それらへの対応に関する方向性は、資料2の中ではどこに記載されているのかご紹介をお願いしたいというのが私からの質問でございます。
それでは、現時点の質問に、まず一通りお願いできますでしょうか。
(松﨑災害廃棄物対策室室長)
環境省でございます。
改めてそれぞれの委員から貴重なご意見いただきまして、ありがとうございます。ご質問も含めまして感謝申し上げます。
まず、私から全体に関わる部分を中心に回答させていただき、その後、髙栁から回答させていただきます。
まず、県の役割に関して複数の委員の方々からご質問いただきました。
金澤委員からは、資料2で関連する記載内容をより具体的にレビューしていただきました。ありがとうございます。
金澤委員から19頁の環境省の推進方針について最後にコメントいただきました。19頁を例に申し上げますと、上から二つ目のポツで、自治体で災害廃棄物処理計画の内容を充実させる必要があると記載しています。そのために環境省として、自治体が実際に災害廃棄物処理計画を策定するための指針・ガイドラインとなる「災害廃棄物対策指針」をこれまで策定、改定してきました。
この中で、19頁の「※」に整理している、内容を充実すべき事項に関して、この指針を見て自治体が処理計画を策定、改定されますので、指針をより充実した内容に改定したいと考えております。金澤委員にご発言いただいた事務委託についてもこの※に記載しています。この事務委託については、特に都道府県の災害廃棄物処理計画において、事務委託に関する記載を充実化いただくために、今回の取りまとめを踏まえて、都道府県が処理計画を改定する際に事務委託に関する記載をしっかりと追記頂くよう実践に移していきたいと思っています。
その際に、この事務委託の法的な位置づけがどうかについては、地方自治法に基づく規定でして、地方自治法に基づいて市町村は都道府県に事務委託することができるという規定になっております。この規定は災害廃棄物処理に特化したものでなく、地方自治法に基づく規定として以前からあったものです。地方自治法に基づいて事務委託できる規定なので、地方自治の観点から申し上げると強制まではできないと思っています。
しかし、この指針を改定するに当たって、どのような場合に事務委託を行う局面として必要になるのかについて、要件をあまり細かくは書けないにしても、どういう場合に事務委託が必要となるのか、事務委託することが望ましい局面や、事務委託することでより円滑にかつ迅速に災害廃棄物を処理できるといった条件等、より円滑、迅速に廃棄物を処理することができるように指針に記載していきたいと考えております。
そのときにポイントになるのが、県が事務委託を受ける場合に、例えば、市町村が市町村の職員の体制も含めて発生する災害廃棄物量に対する脆弱性、つまり、災害廃棄物発生量の規模が通常の市町村の処理システムでは対応できないというのが一つポイントになると思うので、その辺をできるだけ分かりやすく指針に書き込んでいきたいと考えております。
具体的な検討に関しましては、髙栁が途中申し上げましたが、今年度の災害廃棄物検討会は今回で終了ですが、来年度以降も資料2の内容を具体化させるために我々も深掘りしていきたいと考えています。その中で、私が今申し上げた内容に関して、事務局として具体的な記載内容を検討して、委員の皆様にご意見いただきながら具体化させ、最終的には指針の改定という形で結実させていきたいと考えております。まず、県の役割について私から申し上げました。
酒井座長からいただきました、31頁目の専門支援機能の確立に関してこれまでの経験を踏まえてどのような種類の支援の方々がどれぐらいの規模で具体的に支援を行ったかについての点でございます。これは、細かくは説明していませんでしたが、第2回推進検討会の資料3において、東日本大震災以降の特定非常災害について具体的な支援の人数等を整理させていただきました。どの程度の災害規模が発生すると、これだけの種類の人材がこれだけ多く必要になっていたことを専門支援機能の必要性を説明するために改めて整理させていただき、これを被災自治体がこれだけの災害対応をさばくのは、現実的には非常に厳しいことがこれまでの検証で我々が得られた教訓だと考えています。それを束ねる立場として専門分野の知見・知識・経験を持ったコーディネート、マネジメントが必要だということも明確にしていきながら、具体的・定量的な数字に基づいて、専門支援機能の果たすべき機能や担うべき内容等をより具体化させていきたいと考えております。
参考資料4のポンチ絵で専門支援機能のイメージ図を入れていますが、これは全体像になりますので、もう少しブレークダウンした形で、酒井座長からご指摘いただいた点も踏まえて具体化、深掘りし、来年度の検討会の中でより具体的なご議論、ご意見いただければと考えております。
以上、私から総括的なところを申し上げました。
次に、ほかにいただいた意見に対して髙栁から回答させていただきます。
(髙栁災害廃棄物対策室対策官)
髙栁です。よろしくお願いいたします。
最初に浅利委員から頂きました海外向けのガイドライン、情報発信に関しまして、まさにご指摘のとおりといったところもございますので、引き続き、連携させていただきながら進めていきたいと考えてございます。
続きまして、牧委員から頂きました国や県の災害廃棄物対応への関わり方に関しまして、こちらは頁数でいいますと、資料2の29頁最後のポツにございます。事務の受託について29頁から30頁の冒頭にかけて記載させていただいています。松﨑からもお話しさせていただいた内容も含んでいますが、国や都道府県が各市町村の規模に応じてどのような形で事務を受託するのか等、その辺りを記載させていただいております。また、どのように内容を具体化していくのかについては、来年度の推進検討会や、またはワーキングでもご議論させていただきながら、この内容をしっかりと詰めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、大迫委員から頂きました31頁目の被災自治体の代行者について、最終的にはマネコンとの位置づけも踏まえて体制をどのようにするのかといったところは、引き続きご議論させていただきたいと考えている点の一つでございます。
「補助者」と「代行者」を使い分けの考え方に関して、あえてここで補助者と代行者という使い分けをさせていただいた理由ですが、被災自治体の支援として設計や工事発注方法の検討、工程・コストの管理等、様々なマネジメントをしないといけない中で、その一部をやるのか、もしくは全部を行うのかで使い分けしています。どちらかですが、一部をマネジメントする意味では「補助者」として、全て行うマネジメントは、あくまで代行するという「代行者」として使い分けをさせていただいているところでございます。31頁目に書かせていただいている内容をどのように深めていくのかについては改めてご議論させていただきたいと考えております。
続きまして、中林委員から頂きました対口支援の体制構築に当たっての基本的な考え方ついて、誰が何を行うのかを明確にとご意見いただきました。ご指摘のとおりと思うところもございまして、今回の取組の方向性の中では、誰がキーパーソンになるのかと言ったら言い過ぎかもしれませんが、関係するのが国なのか、県なのか、市町村なのかを明確にしつつ記載させてはいただいてはおります。ただ一方で、ご指摘いただいたように、もっとより詳細の部分、国は何をやるのか、県は何をやるのか、市は何をやるのかにつきましては、この資料の中では、詰め切れていないところもあるかと理解しております。実際にこの資料2が自治体等のマニュアル作成に落ちたり、また指針の改定に繋がったり、様々なアウトプットになると思いますが、そのような部分も踏まえて、引き続きこの内容も検討、ご議論を継続させていただきながら、一番効果的な方法を見つけていきたいなと考えております。
酒井委員から頂きました仮置場に来る適正処理困難物への対応に関しては、資料2の23頁の(4)の三つ目のポツに記載させていただいております。これまでもワーキングでもご議論させていただきながら、事例を整理しておりますので、その事例をより一層増やしていくことと、さらにこのような事例をしっかりと横展開していきたいとい考えております。
その上で3ポツ目でございますが、「国は」の主語で、「関係事業者・団体等との連携による、平時及び災害時における処理困難な廃棄物に関する処理先の確保に関する取組を推進する」と記載があります。これは、これまでの事例紹介や、モデル事業でも実際に実践して、より事例を増やしていくこともできるというふうに考えております。そこもしっかりと効果的な方法を模索しながら、またご相談させていただきながら進めていきたいと考えております。
(松﨑災害廃棄物対策室室長)
松﨑から補足させていただきます。
大迫委員から22頁の生活ごみ・し尿のところで浄化槽についてご質問いただきました。
22頁に記載しております浄化槽の防災強化、被災浄化槽の早期復旧に関しては、仰っていただいたとおり、浄化槽は特に災害時に自立性の高い生活処理システムとして、これまでの災害でも機能が発揮されているということが確認されています。大迫委員が仰っていた、下水道区域であっても浄化槽を設置するというのは、例えば、災害時に避難所で多くの人が集まるようなときに、そのエリアで下水道が被災したとしても、最低限の生活排水ができるという優位性もございます。このポツのところではポイントだけ記載しておりますが、ここの「防災強化」の中には、仰っていただいた自立機能をより発揮させるような使い道の具体化も含まれていると我々は認識しています。これらを具体化していく中で、委員のご指摘内容も含めて、より実効性の高い浄化槽の活用ができるように深掘りしていきたいと考えております。
また、大迫委員からいただいた補助者・代行者については、髙栁が説明申し上げたとおりですが、委託というキーワードが出てきました。専門支援機能を制度的に位置づける場合、本来行うべき様々な業務を他者に委託することを法的に位置づけるということはよく行われることであります。その際に、サポーターとして補助として入るのか、業務としてその自治体に代わってたくさんある業務の一つを委託する形にするのかなど、法的にどのように位置づけていけるかについて、今後、専門支援機能の深掘りをしていくときに仕分けをしていきたいと考えております。
中林委員から、県と市町村の役割に関して、「国は」の主語が多いとご意見ありました。今回は今後行うべき事項を軸にして3-1から3-6で整理していますが、この報告書を県の立場、市町村の立場から見たときに、自分たちはどのようなことをすべきなのか、県や市町村の方に示すときには、主体別にアクションリストとして整理したほうが分かりやすいと考えております。
2回目の検討会の前にそのような整理を事務局で検討していた際に、誰がやるべきかというよりも、まずはやるべきことをカテゴライズして整理しようという方向性になりました。中身のコンテンツは皆様のおかげでラインナップできましたので、これから理解いただきながら進めていくときには主体別も整理の仕方として改めて示すということによって、より実感をもって県や市町村の方が受け止めていただけると考えております。
以上でございます。
(酒井座長)
どうもありがとうございます。
松﨑課長、髙栁対策官からご発言いただいて、委員からの質問にうまく回答いただけたのではないか、と聞かせてもらいました。
今のやり取りをお聞きいただいて、追加のご意見がございましたらお受けしていきたいと思います。1回目にご発言のない方を含めていかがでしょうか。
最後にご説明いただいた専門支援機能の誰が具体的にどのように担っていくかに関しての議論は、国の対応ということでも考えていく、また今後の指針という流れも整備されていく重層的な形で、今後検討いただく話になると理解をしています。そのようなところは、スピード感をもって検討いただければと思いました。
さて、いかがでしょうか。
牧委員、お願いします。
(牧委員)
2点ほど教えていただきたいのですが、将来的に考えると、バキュームカーの数が、続々と減っていくことが懸念されないのでしょうか。2004年の新潟県中越地震のときに、新潟県は下水道の普及率が高く、小千谷市の災害対応で何が一番大変か聞いたところ、バキュームカーの不足と言われたことがありました。浄化槽を使っているところはバキュームカーを使いますが、今後浄化槽の設置も減る中で、バキュームカーが減っていく懸念についての想定はどのようになっているのかというのが1点目です。先ほどのご回答の仮設浄化槽、仮設住宅には地上置きの仮設浄化槽が置いてあるので、とても実用的でよいと思いました。
先ほどの代行規定が地方自治法によるとおっしゃっていましたが、り災証明の発行に関して、いまは災害対策基本法に記載されていますが、以前は地方自治法に記載されていたと認識しています。地方自治法に記載されているものを廃棄物処理法に記載することは難しいのかというのが2点目です。
(松﨑災害廃棄物対策室室長)
ありがとうございます。
バキュームカーの件ですが、広く見るとパッカー車も同じと我々としては受け止めています。人口が減少していく局面にも入っていますので、廃棄物やし尿の量は減っていくことになると思います。ただ、それでも1,741の市区町村で一般廃棄物、し尿を含めた処理は絶対に絶やすことができないという意味では、一定量の台数は全国として保持しておかないといけないと思います。
ただ、令和6年能登半島地震でもそうでしたが、廃棄物処理施設やし尿処理施設が災害によって破損して稼働停止したときにより多くのバキュームカーとパッカー車の台数が必要になります。そのような意味では、今回の能登半島地震では焼却施設が4施設、し尿処理施設が7施設、地震によって稼働停止しましたが、その状況を踏まえて、パッカー車やバキュームカーの応援支援を発災直後に一番迅速にやらなければならず、廃棄物処理事業団体の方にご協力いただきました。
パッカー車に関しては、直営で持っている全国の自治体は少なくなっていますが、政令指定都市や大きな都市は直営で持っているので、ここは全都清に協力を早々にお願いして、実際に動員を迅速にやっていただきました。
規模が大きくなると、特に初動から1か月ぐらいは相当数が必要になります。被災の規模に応じて、多少空振りでも、いかに被災自治体からの支援要請を踏まえすぐに支援に入ってもらうか。発災前は支援側と受援側のどちらになるか分からない状況の中で、既存にある全国の車両をいかに機動的に集めることができるか、そこがポイントだと考えております。
その上で、もう一つ重要なのが、ロジスティクスだと考えております。多くの車両が入ったとしても、避難所の数が一気に増えた際に、いかに集まった車両を効果的に差配できるのかも大変重要だと認識しております。今回の浄化槽に関して、第1回の検討会でも紹介しましたが、マップ化をして、避難所がどこにあるか、仮設トイレがそれぞれにいくつあるかがデータ化して見える化することで、そこの差配がしやすくなると考えております。デジタル技術や、ツールを共通にするというところが重要になると思っていますので、今のような申し上げた点を、令和6年能登半島地震でうまくいった点と課題を次に生かしていきたいと考えております。
地方自治法でいうと事務委託という言い方で代行ではないですが、それは地方自治法に基づくもので災害対策基本法においても、特に応急措置に関して市町村が対処できない場合は都道府県が市町村に代わって行うことができるという規定があります。市町村が対応できなくなったら要請することができ、都道府県は要請を受けたら、対処できるように努めなければならないという規定があります。
災害廃棄物に関しては、片づけごみ、解体廃棄物とあり、し尿・生活ごみの対応も必要になりますが、廃棄物処理法の枠内の中で整理していくべきことと、災害対策基本法の中で応急措置について様々な特例や代行があります。それぞれの法律の特性をよく理解した上で、様々な制度的な対応をしていく中で、それぞれに適した形で法的措置が必要になると思います。
ただし、災害対策基本法は災害関係全体を貫く法律であり、所管している省庁とよく相談しながらやっていきたいと思いますが、何でも廃棄物処理法という意識になり過ぎないように対応していきたいと思います。
総論的なコメントになりますが、以上です。
(酒井座長)
ありがとうございます。
前半のバキュームカーに関しては、数が減少しているのかというトレンドの質問もございましたので、一回、基礎情報を整理してご提供いただければと思います。後半もり災証明が地方自治法から災害対策法に移行されたという印象であったということですので、そのような事実関係も含めて整理いただくようにお願いしたいと思います。
(松﨑災害廃棄物対策室室長)
ありがとうございます。
(酒井座長)
それでは、あと、あまり時間もございませんが、大塚委員が会場に来ていただいていますので、24頁の権利関係のところなど慎重な言い回しで記載していただいていますが、このような記載でよろしいでしょうか。所有権に関する慎重な配慮・検討が別途必要であるという辺の書き方でよろしいですか。
(大塚委員)
これから検討させていただくということになりそうなものですので、この書き方で大変ありがたいと思います。
松﨑室長が答えられたこととの関係で、18頁の4行目の表現で少し分かりにくいと感じたものがあります。「平時の備えから平時の廃棄物処理体制では対応できない規模の災害には」という記載だと、様々な災害が入りそうなので、ここは改めてご検討いただいたほうがいいかと思いました。東日本大震災、またはそれ以上だと災害対策基本法で、そこまで行かない災害だと廃棄物処理法になると理解しています。
(松﨑災害廃棄物対策室室長)
そうです。
(牧委員)
この「平時の廃棄物処理体制では対応できない」は、とても範囲が広いですね。この言い方だと、読んでいる人には理解できないかもしれません。
(松﨑災害廃棄物対策室室長)
大塚委員のおっしゃるとおり、日本語の係り結びも含めて改善していきたいと思います。ありがとうございます。
(大塚委員)
全体としては、とてもよくまとめていただいたと思います。ありがとうございました。
(酒井座長)
大塚先生におっしゃっていただいたように、参考資料4の6頁に記載されている平成27年の廃掃法と災対法の改正のときに整理した概念ですが、阪神・淡路大震災より右の東日本大震災を含めて、大規模な災害のところを強く意識をして、当時改正作業が行われました。ただし、その後、起こっている災害は、これより被害は下回るが、100万トンから1,000万トン程度の結構な量の災害廃棄物発生量があって、その範囲の開きがあって、かつ地域によって深刻度がまた変わっているような災害をどのように考えるのかの話だと思います。そのあたりを文章的なところについて大塚委員の指摘ですが、本質的なところだと思いますので、今後どのように対処していくのかについて、より真剣に考える必要があるのではないでしょうか。今後も、毎年、あるいは同時多発で対処しないといけないような災害も起こり得ることを想定しながら、どう考えるか。この図自体も簡単に書いているようですが、結構考えるべきことが多いということで、背景として再認識していきたい、ということで発言させていただきました。
(松﨑災害廃棄物対策室室長)
ありがとうございます。
ご指摘の頁の図で、自治体の判断から政令指定の点々までグラフが上がるところは、模式的には描いていますが、まさに100万トンオーダーの部分だと思います。今回のご指摘でキーワードとして出てきたのが、都道府県の役割、特に脆弱な市町村に対して都道府県がどのような役割を担うのか。平時の備えから都道府県に災害廃棄物処理計画改定を通じてご認識いただくことで、広域行政体である都道府県の役割は非常に大きいですので、特に規模が大きくて複数の都道府県で起こる災害のときには、そこは大事だと思っています。今日の議論のポイントの一つでしたので、ここは今後深掘りさせていただきます。
本日のご質問にはなかったのですが、平成27年の改正で廃棄物処理法に基づく特例措置が複数設けられて活用できていました。ただ、活用のレベルをもう少し上げることができるのではないかと、既存の措置に関しても考えております。今回、自治体に調査を行い、自治体から生の声をいただきましたが、現行定めている特例措置では不足しているところがあるとご指摘いただきました。例えば、産廃処理施設で災害廃棄物を受け入れる設置の事務手続や、再委託に関して、適正処理がないがしろにされないという大前提の上で、特例措置を適切に設けることで、よりスピーディに対応できると、改善の余地は大変あると考えております。
もう一つ、今日の質問にはなかったですが、災害廃棄物処理計画策定のパートで、災害時協定を制度的対応の中に入れています。民間事業者の方々、産廃処理業者や解体業者も含めた方々の活力をしっかり活用するときには、これも平時の備えにきちんと結びつけたいと思っています。そのキーとなるのが実は災害時協定だと思っています。この災害協定を結んでいないところは結んでいただき、結んでいるところもまだ足りないプレイヤーがいらっしゃるのでそれをきちんと盛り込む等、協定の内容もより実践的なものにする必要があります。制度的対応の中に災害時協定を入れている目的は、何らかの形で協定を改善して、協定を結ぶことが標準的なことだということをしっかり制度的対応の中で何らかの形で位置づけていきたいなと考えております。
酒井座長がおっしゃっている点を踏まえて深掘りしていき、参考資料4の6頁に記載されている図のカーブが上がっていくところでより具体的な絵が最終的に描けたらいいと考えております。
コメントは以上です。
(酒井座長)
どうもありがとうございます。
それでは、徐々に時間が押してきておりますので、委員にご意見をいただく最後のチャンスになろうかと思います。
今日、ご発言のない勝見委員、あるいは安富委員、よろしいでしょうか。
安富委員、どうぞ。
(安富委員)
今回のお話とは直接関係のないと思いますが、最後なのでお礼を言いたいと思います。
自治体の首長にお話を聞く機会がたまたま消防庁の仕事で、令和6年能登半島地震の翌年にインタビューに行くことが多かった。水害の被災地にも行きますが、前からよく言っているように、首長の災害廃棄物に対する理解度というのが、かなり差があって、その差によって結局初動対応の差に出ているなと思っています。
一つは、和歌山の海南市で一昨年に水害でかなりごみが出ましたが、首長が災害廃棄物対策、ごみ対策に非常に積極的に応えられている。当市は災害ごみとの戦いだと、この水害はそういう戦いだという表現をされています。そういう場合と、地震と水害の違いもありますが、令和6年能登半島地震の輪島市や、志賀町の首長の話を聞くと、ごみ対策に対する考え方が、理解度が低い、意識が低いように感じてしまう。
前々から私は言っていますが、災害対策本部会議内で検討する災害対応は、直後対応として非常に重要ですが、そこでどの程度災害廃棄物の問題が上がっているのかが、前からずっと気になっています。地域間協調間ワーキンググループの中でも各自治体の職員に聞くと、災害対策本部会議内でなかなか発言をするきっかけがない、だから首長に理解していただけないような事例が多い。その辺をどのように改善していくのかずっと考えていまして、今回の取組にどの程度の意味があるのか分からないですが、そういうところが大事だと思ったため発言しました。
以上です。
(酒井座長)
ありがとうございます。
今の話、どなたか回答可能ですか。お願いします。
(松﨑災害廃棄物対策室室長)
安富委員、ありがとうございます。
ご指摘いただいた点は、我々も数多くの災害でご支援させていただいている中で感じていることで、首長のレベルと、あとは管理職の方と実務をされる方、大きく分けると三つの階層で地方自治体がマネジメントされています。
これに関しては、資料2の30頁目(3)の下から二つ目ですが、自治体の方針決定や進捗管理など、幹部職員や実務を担う廃棄物担当職員のレベルに応じた育成・研修のカリキュラムと記載しています。安富委員がおっしゃった点でいうと、ここでいう幹部職員の対象が首長と管理職の方になります。防災対策で他省庁でトップセミナーをやられている事例も承知していますが、首長も替わられるため、首長でも災害経験をされている方とされていない方がいらっしゃいます。ここをどのようにやっていくかは、工夫も含めて考えていきたいと想います。防災面で危機意識を持っている首長の方がほとんどだと思いますが、その中に災害廃棄物というのが実は重要なファクターだということをご認識いただくような工夫を、我々としてもやっていきたいと考えております。
これも相手のある話ですが、自治体の集まりとして市長会などの枠組みもあり、その中で災害対策の取組をそれぞれやっていらっしゃると思います。市長会などとも連携しながらやっていくことも取組の一つとしてあるかなと思いますので、今いただきましたご指摘をヒントにして、階層という意味でトップの方にどのようにアプローチしていくかも考えたいと思います。
ありがとうございました。
(安富委員)
どうもありがとうございました。
(酒井座長)
一時、トップ、あるいは幹部職員向けのBCPのセミナー等をやった時期があったかと思います。
(松﨑災害廃棄物対策室室長)
おっしゃるとおりです。
言い忘れたのですが、19頁目の下から二つ目の処理計画の実効性向上のところで、これはトップの方というよりも、自治体全体で見たときに、災害廃棄物処理計画は、地域防災計画や業務継続計画・BCP、自治体全体の上位計画とのリンケージも非常に重要になります。これがなぜ重要かというと、災害が発生したときに、廃棄物部署は、平時の職員数はそんなに多くないですが、支援自治体の職員が幾ら入っても、被災自治体の災害廃棄物の部署に必要なプロパー職員の人員を配置することが大変重要だと思っています。災害が起こったときに、それぞれの部局の職員配置をドラスチックにどう変えていくかを定めているのが自治体の地域防災計画と認識していますので、災害廃棄物処理が一定以上の業務量があることを含めて考えると、下から二つ目のポツは大事かなというふうに思いますので、その点も意識しながらやっていきたいと考えております。
(酒井座長)
どうもありがとうございます。
それでは、今日も貴重なご意見を多くいただきました。事務局におかれましては、いただきましたご質問、ご意見、今後の取組の方向性に反映していただけることを期待しております。
今後の段取りについて事務局から説明をお願いします。
(髙栁災害廃棄物対策室対策官)
事務局の髙栁です。よろしくお願いいたします。
今年度の推進検討会の成果としましては、本日、委員の皆様方から頂きましたご意見を反映させていただいた上で、取組の方向性として取りまとめさせていただければと思います。来年度も取組の方向性の具体の内容については、引き続きご審議させていただければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
また、制度的対応を主に審議いただく廃棄物処理制度小委員会は、4月の上旬に開催予定でございます。その際には、これまで推進検討会で実施してまいりましたヒアリング内容を小委員会でご説明させていただくとともに、取組の方向性についても説明を行わせていただきまして、ご意見等をいただく予定でございます。
なお、本小委員会においては、今年の夏頃までを目途に中間取りまとめを行う予定でございます。よろしくお願いいたします。
(酒井座長)
ありがとうございます。
ただいま紹介のあった当面の方針で進められるということでございますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
最後に、議事の3、その他について、事務局から説明をお願いいたします。
(岸災害廃棄物対策室主査)
ありがとうございます。
まずは環境省環境再生・資源循環局次長よりご挨拶させていただきます。
角倉次長、お願いいたします。
(角倉環境再生・資源循環局次長)
環境省環境再生・資源環境局で次長を務めております角倉と申します。
本日の検討会も長時間にわたり活発なご議論をいただき、また、2月から本日まで4回にわたり短期間にもかかわらず、非常に精力的にご議論いただき、改めまして感謝申し上げたいと思います。
本検討会において、これまでの災害廃棄物対策の進捗と課題を整理いただき、今後の巨大地震や集中豪雨等に備えたさらなる取組の方向性がまとまってまいりました。改めてご議論、ご審議いただきました委員の皆様並びにヒアリングにご協力いただきました皆様に感謝申し上げたいと存じます。
ご議論いただきました方向性につきましては、今回取りまとめていただきましたことを踏まえまして、来年度の本検討会においても、さらに具体のご議論をさせていただきたいと考えておりますので、引き続きご審議いただきますよう、よろしくお願いいたします。
また、本検討会において取りまとめられた制度的対応の部分を中心に、その取組の方向性を廃棄物処理制度小委員会にお諮りをし、さらにご審議いただく予定としております。
本年度の検討会は今回で最後となりますが、来年度も災害廃棄物対策の推進に向けて取組を進めてまいりたいと考えておりますので、引き続きお力添えいただきますよう、よろしくお願いいたします。災害はいつやってくるか分からない緊張感を持って、私ども、引き続きしっかり取り組んでまいりたいと考えております。引き続きどうぞよろしくお願いします。
ありがとうございました。
(岸災害廃棄物対策室主査)
ありがとうございます。
事務的なご連絡になりますが、本日の議事録は原案を作成しまして、委員の皆様にご確認いただいた後、環境省ホームページに掲載する予定ですので、ご確認、よろしくお願いいたします。
以上です。
(酒井座長)
それでは、最後の最後でございますが、全体を通して何かご質疑、ご質問はございませんでしょうか。
それでは、どうも本日も熱心にご議論いただいてありがとうございました。検討会としてのまず一定の取りまとめというところまで到達できたことをうれしく思います。
先ほど、角倉次長からお話があったとおり、具体的な施策の方向というのは今後の重要課題でございますので、引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。
第4回の検討会はこれで終了したいと思います。どうもありがとうございました。