環境再生・資源循環
第3回 令和6年度災害廃棄物対策推進検討会 議事録
日時
令和7年3月14日(金) 10:00~12:43
場所
対面・オンライン併催
出席委員
- 委員 浅利 美鈴 大迫 政浩
大塚 直 勝見 武
金澤 貞幸 酒井 伸一
島岡 隆行 中林 一樹
目黒 公郎 牧 紀男 (欠席)
安富 信 吉岡 敏明
(敬称略)
委員以外の出席者
- (事務局)
- 環境省
松﨑災害廃棄物対策室室長
髙橋廃棄物適正処理推進課課長補佐
髙栁災害廃棄物対策室対策官
岸災害廃棄物対策室主査
議題
1 開会
2 議事
(1)第2回令和6年度災害廃棄物対策推進検討会における委員御意見に対する回答
(2)関係者ヒアリング
1)岡山県倉敷市
2)熊本県熊本市
3)一般社団法人日本補償コンサルタント復興支援協会
4)一般社団法人石川県産業資源循環協会
5)一般社団法人石川県構造物解体協会
6)東日本大震災で災害廃棄物処理業務に携わった事業者へのヒアリング結果
(3)今後の災害廃棄物対策の方向性に関する主な事項
3 その他
4 閉会
配付資料
資料1 第2回令和6年度災害廃棄物対策推進検討会における委員御意見に対する回答
資料2 倉敷市の事例について(岡山県倉敷市)
資料3 熊本市の事例について(熊本県熊本市)
資料4 日本補償コンサルタント復興支援協会の取り組み(一般社団法人日本補償コンサルタント復興支援協会)
資料5 令和6年能登半島地震及び令和6年9月奥能登豪雨に関する復旧・復興への取組全般の概要について(一般社団法人石川県産業資源循環協会)
資料6 令和6年度能登半島地震および奥能登豪雨に関する復旧・復興への現状と取組について(一般社団法人石川県構造物解体協会)
資料7 東日本大震災で災害廃棄物処理業務に携わった事業者へのヒアリング
資料8 今後の巨大地震や集中豪雨等の発生に備えた更なる取組の方向性(骨子)
【参考資料】
参考資料1 令和6年度災害廃棄物対策推進検討会 委員名簿
参考資料2 令和6年度災害廃棄物対策推進検討会 開催要綱
参考資料3 災害廃棄物対策推進検討会今後の検討スケジュール
議事
(岸災害廃棄物対策室主査)
それでは、定刻になりましたので、ただいまから第3回令和6年度災害廃棄物対策推進検討会を開催いたします。委員の皆様におかれましては、ご多忙のところご参加いただき、誠にありがとうございます。
事務局を務めます環境省災害廃棄物対策室の岸でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、まずは会議の進め方について説明いたします。
本会議は、対面会場とウェブ会議のハイブリッド会議でございます。ウェブ会議の進め方は前回推進検討会と同様ですが、改めて説明いたします。ウェブ会議でご参加の方におかれましては、発言をしない間はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。カメラについては、皆様にオンにしていただいて進めたいと思いますが、通信環境によってはつながりにくくなることがございます。音や動画が途切れる場合はチャット機能やお伝えしている電話番号でご連絡ください。その場合、皆様のカメラをオフにしていただくようアナウンスいたします。
資料については、対面会場参加者・ウェブ会議参加者ともに、ウェブ会議上に投影されたものをご確認いただけるようになっております。対面会場参加者については、お手元に資料もお配りしております。
質疑応答については、対面会場参加者・ウェブ会議参加者の順で座長から発言者をご指名いただきます。ウェブ会議参加者におかれましては、発言される際は、挙手ボタンを使用してお知らせください。座長から発言者の指名を受けてからミュートの解除の上、発言をお願いいたします。
続いて、本日の委員の出欠状況ですが、酒井座長、勝見委員、島岡委員、中林委員、安富委員、吉岡委員は会議室にて出席されています。浅利委員、金澤委員、大迫委員、大塚委員、目黒委員は、ウェブにて出席されています。また、牧委員は、所用によりご欠席でございます。本検討会の事務局につきましては、環境省環境再生・資源循環局災害廃棄物対策室が行っております。よろしくお願いいたします。
それでは、以降の進行は酒井座長にお願いしたいと思います。酒井座長、よろしくお願いいたします。
(酒井座長)
どうも承りました。
第3回の災害廃棄物対策推進検討会でございます。
本日は、前回に引き続いて、関係者ヒアリングと、今後の対策方向性に関する主な事項に関するご議論をいただきます。よろしくお願い申し上げます。
それでは、早速ですが、本日の議事につきまして、事務局から概要の説明をお願いいたします。
(髙栁災害廃棄物対策室対策官)
ありがとうございます。事務局の髙栁です。よろしくお願いいたします。
議事次第をご覧いただければと思います。
今回、議事は三つに分けさせていただいております。
まず一つ目に、2月27日に開催させていただきました第2回推進検討会における委員の皆様方のご意見に対する回答について、ご説明させていただきます。
そして、二つ目の議事といたしまして、関係者ヒアリングを考えております。1)、2)は、支援及び受援を経験なされた岡山県倉敷市、熊本県熊本市にヒアリング、3)、4)、5)に関しましては、まさに今、能登半島地震で対応中の皆様方にご意見をいただければと考えております。
そして、6)でございますが、東日本大震災で災害廃棄物処理業務に携わった事業者へのヒアリングを我々事務局でさせていただきました。そのヒアリング結果について、ご説明させていただきます。
そして、最後に議事(3)に関しましては、今後の災害廃棄物対策の方向性に関する主な事項でございます。こちらでは、方向性について今後取りまとめる上で骨子を事務局で作成させていただいております。こちらについて、本日、議論させていただければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
私からは以上となります。
(酒井座長)
ありがとうございます。
本日の議事内容はただいまの説明のとおりでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、早速議事に入らせていただきますが、前回の委員からのご意見につきまして、その対応状況について事務局から説明をお願いいたします。
(岸災害廃棄物対策室主査)
事務局、岸からご説明させていただきます。
資料1をご覧ください。
こちら、委員からのご意見に対する回答になります。見方としては、前回の検討会で回答済みの項目については白色で示しております。めくっていただきますと、本日回答する部分について水色で示しております。時間の関係で詳細は割愛させていただきますが、基本的に未回答だった部分に関しましては、先ほど議事の(3)で申し上げました今後の対策の方向性に関する主な事項の議論の中に入れさせていただいておりますので、後ほどご説明をさせていただきたいと思います。
特に1点、ご説明したい事項として4頁でございます。
4頁、18番になりますが、前回の検討会では、酒井座長より、公費解体の権利関係の取扱いに関して、巨大災害時においては、公費解体における所有権あるいは同意の取扱いに関して慎重に検討していくべきとご意見をいただいておりました。また、大塚委員と事務局でよく相談をして、今後の検討について披露するようにとご指示いただいておりました。
大塚委員とご相談させていただいた結果、右側の回答欄になりますが、所有権は憲法で認められた国民の権利であり、大規模な災害で合っても慎重な配慮が必要であることから、別途、本件に関する専門的知見を有する有識者において検討を進め、その結果を本検討会にフィードバックさせていただくとする形でご回答さしあげます。
こちらの検討については、来年度以降の検討を予定しております。
以上でございます。
(酒井座長)
ありがとうございます。
第2回の検討会の意見、その対応状況、説明をいただきました。
それでは、何かご質問、ご意見はございますでしょうか。
今後、ご意見のある方、意見の意思表示として名札を立てていただく会場の方々、オンラインの方は挙手ボタンをよろしくお願いします。いかがでしょうか。
大塚委員、十分に事務局と打ち合わせいただいた結果として、先ほど岸さんから要点をご紹介いただきましたが、このような方針で改めてよろしいでしょうか。
大塚委員は遅れて参加されるとのことですので、改めて確認できればと思います。
それでは、ほかになければ次に進ませていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(酒井座長)
それでは、先ほどご紹介があったとおり、本日の議事(2)は関係者ヒアリング5件、事務局からの紹介1件でございますので、進めさせていただきます。
本日、関係者ヒアリング、岡山県倉敷市の大瀧様、それから熊本県熊本市の右山様、それから、日本補償コンサルタント復興支援協会の栗田様、石川県産業資源循環協会の髙山様、石川県構造物解体協会の上山様よりご説明をお願いしたいと思います。
今回は、この平成30年の7月豪雨、それから平成28年の熊本地震における自治体の対応状況についてのヒアリングになります。そして、能登半島地震の関係にもご報告をいただくことになりますので、今回、オブザーバーとして石川県にもウェブで参加をしていただいております。
それでは、それぞれから10分程度ということでヒアリングを進めさせていただきまして、質疑に関しては、最後にまとめて時間を設けるようにしておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、倉敷市の大瀧様から早速ご説明をお願いできればと思います。よろしくお願い申し上げます。
(倉敷市)
ただいまご紹介をいただきました倉敷市環境リサイクル局リサイクル推進部の大瀧と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
私は、平成30年7月豪雨災害における災害等廃棄物処理事業の担当者として、その経験とその後の人材バンク等の支援を通じ、ステークホルダーといろいろな関係者の方々の役割の大切さというものをとても実感いたしました。その中でも調整機能として支援できるような役割があるということを特に重要と感じております。
本日はその調整機能というキーワードを基に、私は自治体の職員ですので、自治体内部の体制を中心として事例を紹介させていただきたいと思います。
それでは、まず平成30年7月豪雨災害では、倉敷市内で約6,000棟の家屋が浸水被害により甚大な被害を受けました。そのうち、災害ごみの発生量は約34万3,000トンにのぼりました。
倉敷市の災害の特色といたしましては、何といっても片付けごみの排出スピードの速さがとても問題視されました。この左の写真にありますように、多くの片付けごみが道路上に積み置かれるような状況がございました。
主な取組といたしましては、特徴的なものは赤で記載しております。二次仮置場を設置しましたが、これにつきましては岡山県に事務委託を行いました。また、片付けごみ等の一次仮置場につきまして、倉敷市と隣接する総社市と共同管理を行いました。また、災害廃棄物の処理につきましては、岡山市に焼却処理の委託契約を締結いたしまして、事務の効率化等を努めてまいりました。
次に、昨年1月1日に発生しました能登半島地震におきまして、私も人材バンクの支援員として、七尾市、輪島市、珠洲市に延べ20日間の支援を現地で行ってまいりました。
主な支援内容といたしましては、石川県に毎回寄らせていただいたのですが、石川県への支援では主に公費解体関係の単価設計に関する助言や、自治体の方からの問合せに対する実務上の助言、また、財務関係について助言をさせていただいております。
また、被災自治体の現地支援におきましては、様式の作成や、契約書の作成、そういった資料等を一緒に実物をつくっていきながら、写真のように事業者と打合せに参加させていただいていますが、こういった打合せがスムーズに進むように支援を行ってまいりました。
また、珠洲市の現地支援に先立ちまして、事前に契約書や、様式を珠洲市用に作成いたしまして、事前にメールで提供するとともにウェブによるリモート支援など遠隔型の支援連携についてもお試しということで実践しました。
さらに現時点では、今年度1年間は中長期派遣職員を、珠洲市に派遣をしておりまして、現在でもこういった形で公費解体の業務に従事をしております。
課題につきまして、これまで様々な災害で支援を行ってまいりましたが、やはりどの災害でも共通して感じる事柄がありまして、そういった事柄について四つほどまとめました。
まず、一つ目といたしましては、支援側と受援側の役割が少し不明瞭なところがあると毎回感じることがあります。
私なりにあるべき支援のイメージについて、こちらに図示してみたのですが、この指示と保護のバランスが大切といつも実感しております。
こちらの支援がほぼ一辺倒になってしまうと、受援側の被災した自治体側の主体性が薄れてしまうと感じています。また、支援一辺倒になってしまいますと、情報や、指示にあふれてしまいまして、実現性が少し低下してしまうことをしばしば感じることが課題と感じております。
続きまして、二つ目、三つ目としまして、被災市区町村内部の意思決定の方法と、キーパーソンの存在が挙げられると思っております。
私がキーパーソンになると感じているのは、被災した自治体の内部に中心となって作業される方で、いわゆる声を出せる職員と感じています。キーパーソンが声を出すことによって、被災地内部の上司への意思決定や、支援される実務部隊への上下の動きが意思決定という形として表れてくると感じております。キーパーソンが存在するのはすごく大事であると毎回感じるところであります。
そして、続きまして、四つ目としましては、知識・経験の不足と、経験不足への思い込みと記載しています。
災害対応の業務内容について仕分をしてみますと、まず日頃から経験したことがない業務が発生するということがあるかと思います。もう一つは、普段経験はしていますが、災害対応の規模が量的に膨大ですので、経験したことがないような、そういった錯覚に陥るような業務が多々あったと思います。また、普段経験している業務を粛々とこなしていくような業務の、この三つに災害対応の業務は分けられると感じています。
こういった形で冷静に分析をしてみますと、意外に経験したことがあるような業務も多いということを普段から感じております。また普段経験している業務から大規模災害対応であっても通常業務の応用のような冷静なイメージを持って対応していくイメージの心がけがとても大事になると感じております。
最後に、対策の方向性について、これも私なりの考え方ですが、少しまとめてみましたので紹介をさせていただきます。
私も市町村の自治体職員ではありますが、市区町村の立場からの支援がやはり被災地の混乱期においては重宝されます。この重宝される理由は何かと考えますと、入札や契約財務といった通常の業務の知識に関し、私たちは普段行っておりますので、そこが災害対応においても実務に直結していることを常日頃から感じております。そのため、平時から行政実務の基礎知識を身につけていくことが、これから平時の備えにつながっていくと日頃から感じております。
また、よく人が足りないということはどの災害でも言われますが、市区町村間で職員の共同活用の制度も実際に導入されていることを実感しております。少し例に挙げてみましたが、この2段目に記載してあるものにつきましては、地方自治法に基づく職員派遣、いわゆる中長期派遣になります。こちらは人を派遣する人的支援になりますが、これは派遣元の職員の身分を保有するような、今、珠洲市では倉敷市の身分を所有しながらも同時に派遣先の職員の身分を合わせて有することによって支援を行っている人的支援になります。
また、この3段目に書いているものにつきましては、事務支援と書いてありますが、派遣元と派遣先の自治体が地法上の委託契約を結んで処理するような支援もあります。これは権力の行使等はなじみませんが、いわゆる災害廃棄物の処理委託のような、倉敷市が行いました岡山市への焼却の処理委託や、事務処理等の単純作業の委託については有効と感じております。
比較的柔軟に活用されるものに、この連携協定があります。またそのほかにも地方自治法に基づいた事務委託も現実的な手法とされているかと思います。これらの制度を上手に活用して自治体が所有する資源を融通し合って有効に活用していくことで、人的支援や事務支援を行うことができるように平時から整理しておくことが必要と感じております。
最後に、このような支援が、これは4頁になります。この赤矢印が調整機能になると思いますが、支援で調整してあげることによって、このキーパーソンが機能性をどんどん増していって、それが事務処理のスピード化につながっていくと感じるところがございます。
私からの説明は以上となります。どうもご清聴ありがとうございました。
(酒井座長)
どうも大瀧様、ポイントを意識したご説明どうもありがとうございます。
それでは、次に進ませていただきます。
熊本市の右山様、よろしくお願いいたします。
(熊本市)
熊本市の右山でございます。
本日は、このようなヒアリングの機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、熊本地震の際の受援側の支援、それと災害時にこれまでやってきた支援側の観点から熊本市の事例ということで簡単にご説明させていただきます。
まず、熊本地震についてですが、こちらは平成28年4月14日と16日に続けて2回、震度7の地震が発生しました。その後の被害として死者が87名、住居被害は全壊が5,764件、大規模半壊が8,970件、罹災証明の交付受付数としましては13万件を超える件数を受け付けております。
災害廃棄物としまして、150万トンを超える災害廃棄物が発生し、これを処理するのにかなりの困難を来したということがございました。
また当初、このような片付けごみや災害廃棄物の業務につきましては、廃棄物部門の主管課である今の廃棄物計画課において、当初行っていました。膨大な災害廃棄物の発生量が予想されたことと、当時、半壊以上の被災家屋等の公費解体が国庫補助の対象となったことなどを考慮いたしまして、1か月後の5月13日に同じ部内に震災廃棄物対策課という専門の課を設置しまして対応していました。
当時の受援状況ですが、熊本地震の際は、各種団体から多くの支援をいただきました。
特に環境省には、被災直後から災害廃棄物処理の手法やスケジュール、関連資料作成方法など、主に災害廃棄物処理のマネジメントの支援、アドバイスをいただきました。
また、全国都市清掃会議には、全国の自治体に対して収集支援の要請をしていただきました。その結果、4月21日から福岡市を皮切りに収集支援が開始されまして、遠くは川崎市や千葉市など、全国の36団体から支援を受けました。車両台数としては延べ2,443台、派遣人数としては7,045人の方を派遣いただきました。そのおかげで、約2か月で一般廃棄物、災害廃棄物の収集を終了することができました。
次に、熊本地震以降の災害廃棄物処理支援活動になります。災害が発生しますと、環境省、また、全国都市清掃会議、ほかにも被災地の市長、首長から直接市長に依頼があり、様々なルートで本市への支援要請があります。
こちらが実際に熊本地震の以降の災害廃棄物処理支援活動の内容ですが、九州や四国など比較的近隣などであれば、片付けごみなどの収集支援、その他としては国庫補助申請に係る助言や、公費解体の制度設計など、被災自治体の状況やニーズによって様々な支援を行いました。
また、令和2年の7月豪雨、人吉市に対する支援につきましては、同じ熊本県内ということもありまして、片付けごみの収集運搬から各業者との契約事務、公費解体の制度設計、受付支援など、多岐にわたる支援を行ってまいりました。
次に、令和6年能登半島地震における本市の対応ですが、1月1日の発災後、まず1月4日の被災地状況確認の先遣隊を皮切りに、人材バンクからの依頼で穴水町の公費解体のマネジメント支援、その後、全国都市清掃会議からの依頼で能登町などの避難所ごみの収集支援を行いました。また、対口支援として入っていた珠洲市には公費解体の受付業務、その後、8月には輪島市の朝市通りの公費解体が進んでいなかったので、環境省から直接、本市の局長に連絡が入りまして、公費解体及び仮置場の運営支援などについて支援を行いました。
能登半島地震につきましては、約9か月間、100名の職員を派遣して支援を行ってまいりました。
能登半島地震の支援を行ったときの課題や感じたことについて、こちらに書いております。
本市では、熊本地震以降、毎年のように災害支援を行ってまいりましたが、今回の能登半島地震では、災害の規模や範囲、派遣期間など、これまでの支援活動では経験したことがないもので、本市としても日頃から災害時の備えや支援体制の整備が重要であるということを改めて認識する支援となりました。
そのような中、今回の能登半島地震の支援で感じたことですが、1番に被災自治体、受援体制への課題や、自治体の職員のノウハウを課題に挙げております。
こちらにも記載しておりますが、発災当初につきましては、被災自治体の担当職員がいないことや、我々が被災自治体に入った後、マネジメントとして実際に入りますが、職員のマンパワーやノウハウがないばかりに、我々で公費解体の受付体制の構築から、その手法、要綱作成など、全て支援職員で実施したことがありました。それを受けて、やはり被災自治体の受援体制の構築や、職員のノウハウが課題ということで、まず1番目の課題として挙げております。
次に、2番目として、支援関係者間の情報共有や統制を挙げております。これについては、実際に支援関係者の情報共有がなされていないばかりに、支援内容の重複が起きたり、効率的な効果的な支援ができなかったり、そのようなことを本市の支援した職員がコメントを残しております。できればこのような支援関係者間の情報共有や統制がきちんとできてれば、より効率的な効果的な支援ができたのではないかと感じたところであります。
最後に、能登半島の支援、また、熊本地震以降の熊本市の支援等の経験を踏まえて、こちらに今後の大規模災害に向けた対策の方向性に関する提案を、三つ挙げさせていただいております。
まず、一つ目としましては、カウンターパート方式の導入ということで、特に今後、予想される大規模災害におきましては、支援も長期にわたり、また大規模になりますので、総務省の応急職員派遣制度による対口支援をイメージした一体的、一元的な片付けごみの処理や仮置場管理などを総合支援できる体制が必要と考えております。
続きまして、2番目として、災害廃棄物処理のトータルコーディネーターの育成についてです。熊本地震から8年以上経ちますが、災害廃棄物処理を経験した当時の職員のほとんどが他部局に異動や、管理職になるなど、今回能登半島地震に多くの職員を長期間派遣するに当たって、人選に苦労したことがありました。
そこで今回、本市では、支援団体としても人材育成が必要であると考えまして、今回の能登半島地震の派遣から、これまで被災支援経験がある職員と一緒に全く経験がない職員をセットで被災地に派遣いたしました。少しずつではありますが、支援経験のある職員を増やしていく人材育成についても力を入れているところになります。
今後、大規模災害が発生した場合に持続可能な支援を行っていくためには、県や政令指定都市などの幹部職員を対象に、災害廃棄物処理全般に関する方針を決定したり、進捗管理ができたり、調整役を担えるような職員の育成や、そのような体制構築が必要ではないかと考えております。
また、最後ですが、情報連携基盤等の開発・活用ということで、やはり災害が起きたときに迅速かつ効果的な支援を行うためには、平時から全国の廃棄物処理施設の稼働状況や受入体制などの情報共有や災害廃棄物処理の契約事務などの標準化の共有を図ることができる情報基盤などの活用ができればと考えております。
説明は以上になりますが、本市としましては、これまでの被災した経験と支援してきた経験、これを今後も引き続き、このような大規模災害に向けた対策の一助となりますように協力してまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
以上です。
(酒井座長)
どうも右山様、熊本市のご経験とその後の支援の状況をご報告どうもありがとうございました。
それでは、次に進ませていただきたいと思います。
補償コンサルタント復興支援協会のご説明でございます。栗田様、よろしくお願いいたします。
(日本補償コンサルタント復興支援協会)
本日は貴重なお時間を頂戴しまして、発表させていただくことを大変感謝申し上げます。
それでは、当復興支援協会の組織、復興支援協会の業務内容と今後の大規模災害に向けての課題と対策について発表させていただきたいと思います。
当協会の会員は、補償コンサルタント業を行っている会社で、主に公共事業の用地取得に伴う権利調査や、建物等の調査、補償金の算定業務を行っています。かつ補償説明ということで、所有者との対応もございますので、そういったきめ細かな手当ができます。
当協会は全国10地区からなり、それぞれに代表理事を設定しております。現在は全国503会員ございまして、各地区の会員数を表記させていただいております。地区に代表理事を置いて、その下に各都道府県にも代表会員を設定させていただいてございますので、いざ災害等あれば、担当県の代表会員が窓口的になって調節等をさせていただくことになります。
こちらが熊本地震以降、当協会で公費解体等を支援させていただいている各自治体でございます。北海道から熊本まで20の道府県、80市町村に対して支援をさせていただいてございます。市町村の右側に表記をさせていただいております数字は、申請件数を表記していますので、被災自治体が公表します被災棟数とは少し数字が違っておりますが、このような形で整理をさせていただいてございます。
こちらが被災した自治体から、当協会が支援するまでの簡単なフローでございます。相談がありましたら、各都道府県の代表会員が担当会員を調整しながら体制に入っていくという形になります。
こちらが公費解体の実施フローを表記させていただいております。凡例を右上に書かせていただきましたが、フローの太線枠ついては環境省の技術資料のフローを記載させていただいております。細線の部分は当協会が各自治体へ支援させていただく主な項目で、枠の下に記載してあるのがそれぞれの業務になります。主に申請受付の支援、事務支援、現場調査、解体工事費の算定のような流れになってございます。最終的に解体工事が終わった段階で現場の立会いで完了確認して、最終的な完了確認の報告書を提出という形になります。
前頁へ一度戻っていただけますか。
凡例、右に書かせていただきましたが、記号で書かせていただいております○申が申請者、○自が自治体、○支が支援協会、○解が解体業者として、それぞれの役割分担を記号で表示させています。
こちらが今年度、能登半島地震での現地の対応状況です。左上の写真が受付の補助、自治体職員が担当する受付で追加説明を願いされた場合に補助的に説明させていただいています。右側の写真が実際の受け付けされた書類の詳細審査の手続を行っているところでございます。
こちらが現地での立会い等の作業風景でございます。
立会いは当初の調査や、ここでは通称三者立会いと言っていますが、申請者と解体業者と復興支援協会の三者で立ち会う状況でございます。
ここからが今後の大規模災害に向けての課題で、今回の災害等でも課題になった点についてご説明させていただきます。
今回の能登半島地震の被災地では、宿泊施設が少ないところでございます。
特に当方の補償コン会社につきましては、担当するのが左側に書きました被害建物調査、解体前の三者立会い、解体後の三者立会いになるため、その都度現地での作業になります。内業と外業を右側に書かせていただきましたが、仮算定、再算定を会社内業で行い、内業と外業が常駐でやるわけではないため、どうしても宿泊施設の確保が難しい。金沢市や富山県高岡市から時間をかけての移動になることでございます。
2番目、こちらは解体費の単価の設定で、環境省から設定されている解体工事費や運搬費の単価の歩掛等があります。アスベスト調査、土蔵の解体、残置物の撤去費も、国で基準となる歩掛をつくっていただくことによって、大規模災害時においては被災自治体にはかなり作業が軽減されるものと思います。
3番目、こちらは解体工事の優先順位を明確にして、自治体で優先順位を決めていただいて作業に入るのが重要と考えています。重機の進入路の確保で幹線道路から順次解体していくなど、あるいは地域復興計画のために面的解体を進めるなど例として記載しています。また、恣意的な意見は排除して解体の順序を決めていくことが有効と考えています。
4番目、派遣職員の数とスキルということで、申請窓口は他の市町村から派遣された職員が対応されていることが多いようですが、やはり時間が経つにつれて帰還されてしまう。職員が足りないことが現場の職員から発言がございましたので、補充要員の確保は大切だと思います。また、短期間での交代だと、公費解体申請の窓口経験がない職員がおられるので、なかなか整った書類が受け取れていないという状況があります。この辺も改善されると手続がスムーズに進むと思います。
5番目、罹災(被災)証明と現地の不整合の解消です。公費解体の申請では、罹災(被災)証明が建物ごとにあることを求められるのですが、現地に行くと申請書の数と現地の建物の数が合わないことで、書類の作り直しが生じます。罹災(被災)証明を建物ごとに作成することをきちんと取決めがあるとよいのではないかと思いました。
6番目、被災して道路が不通になっているところ、通れないところについての情報の共有です。自治体から各事業者へプッシュ的に共有にしていただけると効率的に対応できるのではないかと思いました。
7番目、進捗管理ですが、自治体には情報をたくさんお求めになるというところもありますが、非常時、緊急時であるので、最小限の情報での情報管理でお願いできると実務をする面からすると効率的になるのかなと思っております。
最後に、復興支援協会としての独自の取組でございます。
令和6年度までに、公費解体に係る現場調査や、罹災証明書を発行するための被害認定調査の際に活用する災害支援システムを開発しております。今後、会員研修等によってシステムの周知等をしていきたいと思っているところでございます。
以上で、私からの報告は終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
(酒井座長)
栗田さん、どうもありがとうございました。
続きまして、石川県産業資源循環協会の髙山様からお願いいたします。
(石川県産業資源循環協会)
石川県産業資源循環協会の髙山でございます。本日はよろしくお願いいたします。
目的、事業内容とありますが、各47都道府県にこの協会が、産業廃棄物の処理協会があります。
今の会員が2月時点で310社になります。能登半島地震の前年までは240社でしたので、70社近く増えております。
次は、石川県産資協は石川県と災害協定を組んでおりました。また、石川県内の19市町のうち15の市町と災害協定を組んでおりました。
ただ、今回の能登半島地震に関して、石川県との平成17年に締結しました災害協定を基に各市町等から直接委託を受けて契約をさせていただきます。契約の中には、各市町との委託、協会として委託を受けますので、再委託までというルールがございます。先ほど言った310社に70社増えたのは、再々委託はできませんので、今回の能登半島地震でご協力いただいた事業者が増えたと感じておりますし、今も頑張っていただいております。
今回の能登半島地震で、奥能登地方はクローズアップされていますが、石川県全体が揺れました。大小の被害の大きさはありますが、全体に被害を受けてそれを一手に当協会が支援することになりましたので、今回、災害対策室という部屋を設けて、そこで集中的にこの地震対応に当たっています。
次、現場は、横にいます対策室長の綿谷氏、今現在、珠洲市、輪島市等、奥能登地方で一番大変な場所で仮置場運営を管理していただいています大多和氏、能登半島という三方を海に囲まれた特殊な場所での震災で、陸送に関して、運搬に関して尽力いただいている入井氏と、今回そういう現場、現在やっているメンバーで来ております。よろしくお願いします。
次の現場のことは、綿谷室長からお願いします。
(石川県産業資源循環協会)
よろしくお願いいたします。
能登半島地震における災害廃棄物処理対応の流れとして、フェーズを大きく分けて三つございます。
最初に、フェーズ1で、公衆衛生面から迅速な処理が必要な廃棄物処理ということになりまして、こちら処理対象物は生活ごみ、生ごみ、可燃ごみ、し尿や汚物などを固化したものになります。発災翌日2日より、石川県との協議を開始して3日から仮置場の設置、選定等を開始させていただきました。実際この公衆衛生面でし尿も含めての回収が最初すぐにやるところで言うと、6日より当協会としては避難所周りの生活ごみ、汚物の固形化したものをダンプ車等を利用して回収させていただきました。
ある程度体制が整ってからはパッカー車などを運用しながら、まず奥能登焼却施設が被災しておりましたので、回収したものを金沢市や、白山市で焼却処理をすることを実行させていただきました。
フェーズ2で、片付けごみ処理になります。こちら1月13日から七尾市で一最初に片付けごみの仮置場を設置させていただいております。こちら片付けごみの仮置場で搬入車が一般市民の方々になりますので、仮置場内での事故などを防止しないといけないところでいうと、安全管理に細心の注意をはらって運用をしていたというところがございます。
フェーズ3になりますと、今現状やっております公費解体の廃棄物の受入れになります。こちら廃棄物の量自体が大きく変わってきますので、それに合わせた重機の運用や、それに伴って排出も含めてですが、インプット、アウトプットのバランスを取りながら仮置場の運営管理をさせていただいております。
こちらは石川県実行計画の全体工程表に則りまして、当協会としては運営管理を行っております。
こちらは災害廃棄物の処理体制で、こちらも石川県実行計画からですが、当協会の場所が黒点線で囲まれております。実際に公費解体に関しましては、石川県構造物解体協会と連携をしながら実際に進めている状況でございます。
スケジュール管理ですが、こちらも石川県公費解体加速化プランに基づいてスケジュール管理されております。実際に今、最大で約22万トンの廃棄物処理を行っていますが、3月に関しましては、もう少し数字も伸びてきて、実際に月間最大で約20万トンの予測が立っております。そういった形で災害廃棄物を適正に処理を進めていきたいというところで、当協会も計画を立てて運用させていただいております。
こちらは加速化プラン同様に発表されているものですが、三方海に囲まれておりますので、海上運搬にも力を入れながら運用はさせていただいております。日本海側はどうしても海が荒れます。しけの状態で、太平洋側で走れる便の約40%でしか搬出の作業ができません。そういった中でいうと、やはり陸送の搬出が一番有効な災害廃棄物の搬出手段となります。そういった部分も含めて、今は車両を全国から約4,000台の車両を登録をいただいております。毎日1,500台前後の車両が動いている状況でございます。
災害廃棄物の処理体制の拡充でも、災害廃棄物の処理は、どうしても北陸地域だけではなく、遠方も含めての処分場を利用させていただきながら、多くの自治体の焼却施設、または民間の処理施設をしっかりと利用させていただきながら処理している状況です。先ほど申し上げましたが、運送がネックで、どうしても距離が伸びると運送時間が必要になります。そういったところでいうと、2024年の運送連続運転の時間制限が、今現状でもネックとなっております。そういったところは厚生労働省、労基からも指摘も受けている中での運用となりますので、そこら辺は何か少し考えるべき点になるのではないかと感じております。
こちらは、実際に災害対策会議の処理スキーム説明会で、各事業者を集めて運用しているような風景でございます。
災害廃棄物の仮置場の写真となります。
こちらは、運搬の状況写真でございます。
こちらは、県外遠方に運ぶために、今はメインをフルトレーラーという30立米のアームロールの連結タイプのフルトレーラー、もしくはセミトレーラーという70立米等も含めて大型の車両を用意しまして運用を行って、効率的な運搬のために大型の車両を使っているところでございます。
こちら海上輸送の風景でございますが、今は4港、飯田港、宇出津新港、穴水港、七尾港、こちら4港を利用しながら海の運搬に力を入れております。今後、冬の時期が終わりますので、少し船の運用が加速するかなと感じております。
こちら災害廃棄物を積替え場所の写真でございます。
次が、JRコンテナの積込み風景写真となります。
こちらは、9月21日に発生した能登豪雨における輪島市の仮置場の状況写真でございます。
見ていただけるとおり、重機の水没や8立米のアームロールコンテナが水没しているような状況でございました。
当協会としましては、今回廃棄物の処理管理システムとしまして、基本的に災害廃棄物の仮置場ごとの災害廃棄物受入量、搬出量、保管量、業務日報、現場写真状況等の管理全般をDXの推進も含めてクラウド型の業務管理プラットフォームのkintoneを活用し、システムを構築させていただきました。
このkintoneのシステムを災害廃棄物用にカスタマイズし、それをJWNETの電子マニフェストと連携させまして、既存アプリを利用することで、実際に誰しもが手にすることができる、携帯にもアプリ導入もできるような透明性を持たせながら、事務処理も効率化が図れている状況でございます。
こちらはkintoneの中身をかいつまんで出しておりますが、赤色の中に受入れや搬出の写真を載せてあります。
システムの中で仮置場、毎日レコードを積み上げております。仮置場の受入れですが、こちらの際は公費解体の現場ごとの受入れの情報までを管理させてもらっております。
これは排出、業務日報、日々の定点による状況写真も上げさせてもらっております。
海上運搬の詳細情報、予定表までを管理させてもらっております。
最後になりますが、基本的に仮置場の安定的な管理運営とて、当初計画の推計、解体棟数、災害廃棄物の発生推計量が奥能登豪雨の影響もありまして、今現時点では1.7倍まで増加している状況です。
一方で、目標の解体完了期日、処理完了期日は当初計画のままとなっております。そのため、仮置場としましても、しっかりとインプット、アウトプットのバランスが取れるよう運用するために、今は解体協会、または各市町の工程管理会議、そして石川県と連携をしながら、安定的な仮置場運営を務めている状況でございます。
もう一つが、どうしても災害廃棄物処理に関しまして、各種フォーマットの統一をお願いしたいです。公費解体等でもお話が出ておりますが、災害廃棄物処理に関しまして、申請書類等がどうしてもエビデンス処理も含めてばらばらなことを言われてしまいます。そういった部分を災害という部分で一くくりして、ある程度各種フォーマットが統一されて事前にあると、災害廃棄物の処理がスムーズに運用開始できると考えております。
最後に、災害時に活躍する当業界を支援する仕組みの構築で、これは当協会の上部団体でございます全国産業資源循環連合会からこういった内容でお伝えすることでお願い事を書かせてもらっております。
以上となります。ありがとうございました。
(酒井座長)
石川県の産業資源循環協会、どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、石川県の構造物解体協会からお願いしたいと思います。上山様、どうぞお願いします。
(石川県構造物解体協会)
このたび、貴重なお時間をいただきましてありがとうございます。石川県構造物解体協会の上山と申します。よろしくお願いいたします。
今回、令和6年度に起きました能登半島地震と豪雨による今現状の状況と災害について今後の対策ということで、こちらの目次に沿ってお話をさせていただこうと思います。
石川県構造物解体協会についてですが、平成10年に設立されてから現在に至るまで、設立時が協会員9社だったものが現在25社で、賛助会員が47社になります。当協会の運営をさせていただいております。目的や事業内容については、こちらに記載されているとおりでございます。
能登半島地震による概要になりますが、昨年度、令和6年1月1日の4時10分、マグニチュード7.6の地震が起きました。これが各被災地の当時の写真となりますが、今回の能登半島地震の立地が先ほどの産資協さんのお話にもあったとおり、三つの海に囲まれているところで、能登半島に行くルートが、国道159号もしくは国道249号、大きく分けて二つのメイン道路になっている中で、メイン道路が震災の影響が受けたことで、対応着手が非常に大変だったところです。その状況の中で、9月21日に発生した豪雨災害に関しても、当然道路が通行止めになり、10月1日の時点で17路線、27か所が通行止め、もしくは緊急車両でないと通行できない状況が続きました。その中で、解体工事を実施するために現場にまずそもそも行けないような状況が実際に起きてしまった状況でした。
現在の状況ですが、当初、震災発生時に見込んでいた解体棟数22,499棟から、解体をしていくうちに見込棟数が1.7倍近くの39,235棟に変わっていきました。令和7年度の10月に公費解体を収束させる目標の中で、当然目標に向けた動きを解体業者としては行わなければいけないので、解体するのに必要な班数がどの程度必要なのかを算出し、目標に向けて解体を進めているとことでございます。現在の進捗といたしましては解体見込み棟数の48.3%になる18,944棟の解体が完了しております。
各市町の公費解体の現状を先ほどの39,235棟に対して、現在どの程度の進捗かを表しています。珠洲市で61.7%の進捗、続いて輪島市で45.6%、能登町で44%、穴水で64.7%、半ば折り返しの状況でございます。
こうなったときに、公費解体に向けたスケジュールから逆算して必要な班数を用意する必要があります。地震が発生した後の豪雨災害、年末年始に関しては積雪による影響を換算して一旦は減班させていますが、積雪時期以降のピークに向けて班数を増加させるなどして、現状のペースを目標から逸脱しないように管理運営をしています。
公費解体の円滑な段取りとして、先ほどの補償コンサルタントと産資協のお話でもありましたが、関係者が段取りをしていただいた結果、解体業者としては動きやすくなる状況になります。
実際に被災者が申請を上げて解体着手及び解体工事終了後の支払いに関するまでの一連の簡単なスキームになります。その中でやっていく上での課題10個を挙げさせていただいております。それぞれの舞台においては、いろんな課題に向けて今動いているところですが、あくまで解体としては、この6番の着手から、7番の工事終了までという流れを今意識してやっております。あくまで建物を壊し、基礎を壊して、その分別を現場で行って、仮置場まで持っていくことが一つの公費解体の流れと伺っております。産資協との連携が取れないと、きちんとした実施ができないため、円滑に進めるために産資協の協力を得て、現状運営させていただいております。
今後の大規模災害に向けた対策ですが、石川県においては、構造物解体協会の会員はほとんどが産業資源循環協会の会員にもなっております。スキームの共有や連携問題ないと思いますが、石川県以外だとそれがどのようになっているか、把握してないところがありますので、石川県のような連携が必要と考えております。
続いて、災害直後、今回は立地的に厳しい状況だったと思いますが、宿泊施設の確保に関しては非常に大変な状況でした。旅館、ホテル、民間施設等との災害協定の締結は、今後被災する自治体に向けて対策検討はあったほうがいいと思っております。
続いて、各市町における仮置場の候補地で、事前に解体業者が入る前に産資協が仮置場の場所を確保していただいていましたが、今後被災することを考えたときに、各市においてある程度、仮置場候補地を事前選定しておく必要もあると思っています。
補償コンによる三者立会いの円滑化・効率化、先ほどの補償コンでお話があったとおりです。
現状、起きている課題の一つとして、公費解体の申請した後に被災者が当然、今住んでいるところにそのまま住みたいから公費解体申請はしたが、解体の日程を後ろにずらしてほしいと、被災者の都合による延期が多くなっている現状があります。解体が少し滞る原因の一つにもなっておりますので、各市町で主導権を握っていただいて、申請者は行政の指示に従って行動するなど何かしらの対策は必要と考えております。
以上になります。お時間いただきましてありがとうございました。
(酒井座長)
上山様、どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、東日本大震災で関わっていただいた事業者へのヒアリングを、環境省からご報告いただきます。
(髙栁災害廃棄物対策室対策官)
よろしくお願いいたします。事務局、髙栁です。
それでは、資料7についてご説明させていただきます。
資料7、1頁めくっていただきまして、今回のヒアリングの背景と目的、調査の方法をまとめさせていただいております。
今回は、東日本大震災で災害廃棄物処理業務に携わっていただきましたゼネコンの方々に事務局の方でヒアリングをさせていただきましたので、報告させていただきます。
ヒアリングの要点といたしましては、まず一つ目に関しましては東日本大震災における災害廃棄物処理の取組の実績についてです。二つ目に関しましては災害廃棄物処理のマネジメントに関する課題や対応策がどのようなことがあったのかといった点になります。三つ目に関しましては、今後の巨大地震や、集中豪雨等に向けてどのような対策が必要なのかご提案をいただいております。
まず、一つ目、取組の実績でございます。これは後ほど、少し関連して詳しくお話しさせていただくところもございますので、少しだけ解説が被ってしまいますが、よろしくお願いいたします。まず、主な活動・業務つきまして、災害廃棄物処理業務がございます。これは収集運搬から始まり、仮設焼却炉の設置まで、幅広い分野で活躍をいただいております。さらに、可燃物等の広域の搬出で、県外への搬出調整も行われていました。
そして、マネジメント内容でございますが、こちら赤色で示させていただいている一つ目でございます。自治体や施工業者、そして専門家との情報共有会議を開催されまして、リアルタイムで実際の進捗管理や、課題の抽出をされていました。その中で意思決定を迅速に円滑に行われていました。
さらに、災害廃棄物の運搬や処理状況を一元管理するシステムを開発なされまして、処理の進捗の可視化も行われていました。そして、その他のところにもまとめさせていただいておりますが、災害廃棄物処理量の管理のためにトラックスケールを設置なされていたといったところもございました。
4頁目に移らせていただきます。
災害廃棄物処理のマネジメントに関する課題や対応策についてになります。
こちら関係者間連携でございますが、やはり密な情報共有や、調整が必要でありましたが、県庁が内陸部に、被災地が沿岸部に位置していたため物理的な距離があるといったところから、この連携体制の確立に難航したところもございました。対策といたしましては、一元管理するために、先ほど少しお話しさせていただいたような災害廃棄物処理の統合的なマネジメントに特化したシステムを開発・活用し、リアルタイムで情報共有されておりました。さらに、災害廃棄物の処理業務に関しましては、ゼネコンが管理部分に関して得意とするところで、ゼネコン全体のマネジメント、意思決定と全体調整の面から有効だったのではないかとのご意見もいただいております。
進捗管理でございますが、こちら現場の進捗状況や問題点の迅速な把握・共有について、当初はアナログ方式で行っていたこともあり、限界があったといった課題がございました。先ほど述べさせていただいたようなシステムを使って効率化、省力化を実現されておりました。
人員、資機材といったところでございますが、こちらも発注工事が進んでいく中で、先行する工事に地元企業が順次従事されていくところもございますので、後発での工事や業務に参画する業者が少なかった課題もございました。それに関しましては、地元企業の未経験者の雇用や、教育指導を通して推進されておりました。
最後の災害廃棄物に関しましては、最終処分場の受入規模に制限があったことから、積極的な再資源化による最終処分量の減量化もございます。また、搬入・搬出の重量を日々見える化され、出来高の管理も行われていました。
5頁目になります。これらを踏まえて、今後の巨大地震や集中豪雨等に向けた必要な事項に関する提案でございます。まず、平時の備えといたしましては、やはり官民連携が必要といったご意見や、平時から災害廃棄物処理に関わる地元企業とゼネコンの役割分担を協議して協定等を決めることが良いとのご意見を頂いております。
そして発災時の体制ですが、資機材や人材には限りがあることから、窓口の一元化や優先度の整理を担う行政機関が必要とお話がございました。
さらに大規模災害の場合は、単に仮置場で処理するだけでは足りないことから、仮置場からの運搬や、中間処理施設からの搬出、そして再利用先の確保までを発災時にこれら業務全般を1社で実施するのは難しいといったところもご意見がございました。そのため、このような入り口から出口までを一気通貫で管理できるような組織、もしくは体制が必要ではないかとご意見もいただいております。
最後、その他の部分に移らせていただきます。実際に地元企業は初動期に仮置場の立上げや、緊急解体は、地域の実情に精通したところが行う方が利点があるとのご意見を頂いております。一方で、大規模な中間処理や、広域搬出等々のマネジメントはハードルが高いのではないかとのご意見頂いております。このため、どちらが対応するべきなのか、業務の分岐点を設けるなどの対応検討が必要であるとのご意見を頂きました。
以上となります。ありがとうございます。
(酒井座長)
ありがとうございます。
それでは、ただいまの東日本大震災関係の環境省の間接ヒアリング説明を含めて、6件のヒアリングをいただきました。ご質問、ご意見のある方、発言の意思表示をよろしくお願いいたします。それでは、会場の吉岡委員からお願いします。
(吉岡委員)
ご説明ありがとうございます。
倉敷市がお示しになられました5頁の災害対応について、日頃経験していない内容、規模が大きく経験したことがない量、日頃から経験しているも内容と、三つの切り口で解析さられたのは、平時からの対応で見たときに非常に参考になるお話でございました。
災害対応で作られてきた各自治体の実施計画書がどのように整理されているのか、三つの切り口で再度その計画書を見られた場合、どのような点で修正が必要なのか。あるいは、バージョンアップの必要性があるのかどうか、ご意見をお聞かせいただきたいと思います。
(酒井座長)
ありがとうございます。一通りお聞きしたいと思います。
安富委員、お願いします。
(安富委員)
倉敷市と熊本市には両方ともボランティアで何度か行ったので、幾つかお聞きしたいと思います。
倉敷市の場合は、1頁目の被害の特色と書かれているところで、片付けごみの搬出のスピードの速さと、ボランティアの多さ、延べ76,000人が挙げられています。これは、能登半島地震の場合と違って、非常にボランティアの動きが速く、たくさんの人が入った結果、片付けごみの排出スピードが速まったと考えています。
ただ、そのときに思ったことは、ボランティアが仮置場に持っていくこと等は、その当時の知識としてあまり理解されていなかった。その結果、その下にある写真のように、搬出したのはいいですが、道路脇に片付けごみが積まれてしまった。
過去の検討委員会の中で、ボランティアセンターと連携して、ボランティアセンターにボランティアが集まったときの説明会で、仮置場のことや、分別のこと等の話をすることを進言しましたが、倉敷市の場合、これがうまくいかなかったかなというのがコメントであります。
2年前の熊本地震では、情報提供の格差があったと感じています。特に熊本市、益城町、西原村が、激震地でしたが、西原村には、割と広めの仮置場がありました。分別もしっかりされていましたが、ただボランティアが少ないというジレンマがありました。ただ、西原村では私を含めたボランティアは、仮置場に片付けごみを車で運ぶという役割で非常にうまく運用できていたと思います。熊本市は、その辺りはどのようにボランティアを運用していたのかお聞きしたい。要するに結論を申しますと、究極の民であるボランティアをもう少し活用するということを、いま一度、考えていただきたいなと思ったためです。
質問がもう一つありまして、日本補償コンサルタントの資料の13頁で、罹災証明書と現地との不整合の解消がありましたよね。公費解体する場合に罹災証明書というのが必須ですが、その罹災証明書と公費解体との間に齟齬があったというようなことがあります。これはどのような形で齟齬が出たのか説明していただきたいと思います。
また、能登半島地震に関しては、ボランティアの出だしが非常に遅れました。私も能登の現場にも何回も行きまして、能登町に泊まっていたら、朝7時に防災行政無線でよく聞いたのが、災害廃棄物に関して、どこで集めておりますので、それで分別をしっかりするように協力を促していました。これは非常にいいシステムだなと思いましたが、奥能登地方全体でやっているのかどうか、輪島市、珠洲市ではどうなのかご存じだったら教えていただきたいと思います。
最後にコメントを一つ。特に熊本市が、ご自身の経験を生かして対口支援に行かれている。対口支援は大事なことだと思って、特にごみ問題の対口支援は、非常にすばらしい取組だと思います。特に公費解体はほとんどの自治体で経験したことないですし、最初のごみのどうするのか等、やはり経験した被災地の協力は、とても大事なことだと思いました。
以上です。
(酒井座長)
どうもありがとうございます。
委員全員から手が挙がっておりますので、質問の点、要点を押さえてお願いできればと思います。中林委員、お願いします。
(中林委員)
倉敷市と熊本市は、それぞれ水害あるいは地震の被災経験がまずあって、受援を受けた立場があります。本日ご報告いただいているのは、能登半島地震で支援に行ったところからのお話が多かったように思いますが、最初に受援を受けたときの初動の対応、あるいは災害廃棄物処理全体に対して、どんな課題を自ら体験されたのか。そのことを支援に行った場合に、支援先の受援を受けている輪島市等の能登地方の自治体が、どのような課題に悩んでいたのか。それは、倉敷市と熊本市が初動で悩んだことと、能登地方の自治体が初めて被災をして悩んだことと共通するものがあったのか整理していただけると、今後の災害廃棄物の在り方に対して、非常に重要な知見が得られると思いました。
受援計画が必要だということはよく言われますが、受援計画の必要性が本当に分かったのは、被災経験を受けた自治体しか分からないはずです。多くの自治体が支援する経験はたくさんできていますが、受援の経験というのは被災した自治体でしかないので、ぜひそこをお聞かせいただきたいなと感じたのが、まず1点です。
その上で、熊本市も、倉敷市も、初めに被害の概要で、災害廃棄物150万トンと出ますが、1週間目に初動対応を始めるときに、恐らく推計値を出していたはずです。初動時に推計した値と、最終的に実態として処理した災害廃棄物量との乖離がどの程度あったのかということも、ぜひ被災した立場から明らかにしていただいて、推計についての検証を、ぜひやらせていただくことが、今後に向けては大事と感じたところです。
3点目ですが、被災当時に災害廃棄物処理計画があったのかは、常に話題になりますが、災害廃棄物処理計画は、膨大な計画で、震災対策で言えば、各自治体が持っている地域防災計画に等しいものです。それを初動1週間、どのように対応をしたのかという意味で、数年前に初動対応マニュアルを作らせていただきました。この初動対応マニュアルが、どのように役に立ったのか、役に立たなかったのか、支援に行かれた上でお分かりになったら、倉敷市と熊本市の1週間の初動対応で、何が一番課題になったのかという辺りを含めて、ぜひまとめて教えていただきたいと思いました。
特に受援側にキーパーソンが大事だという話は、受援計画をつくる上では非常に大事な課題だと思います。倉敷市あるいは熊本市の場合に、そのようなキーパーソンになり得た方は、どのような立場のどのような方がなり得たのかということを具体的に教えていただくことが、次への橋渡しとして大事なことになっていくのかなと思いました。
4点目ですが、補償コンサルタンツの話題の中に、12頁のスライドのところに、派遣職員数の問題で、月日とともに派遣職員が帰っていって、次が来ないという話がありましたが、実は支援する側のタイムラインというか、タイムスケジュールと、受援を受ける側のタイムスケジュールが合っていないということをおっしゃっていると思います。
ですから、受援側では、この廃棄物処理に対して、どのようなタイムスケジュールで応援に来てほしいのか。そのときには、どのようなことをやっていただきたいのか。そのような観点で整理をさせていただけると、ただ単に、人が応援と支援がずれているではなく、それをマッチングさせるために、どのようなタイムスケジュールで、どのような支援が必要なのかということを示していけるのではないかなというふうに感じたところです。
もう一つ、構造解体協会のお話の中で、三者立会いというのがありましたが、これがどの程度、災害廃棄物を処理していく上で、時間を狂わせているのか。先ほど「申請はしたんですが、解体は待ってください」という被災者の方が結構おられると伺いましたが、能登地方の場合には、特に、被災地を離れた方がたくさんおられて、加賀地方へ二次避難して仮設住宅に入られると、片道バスで2時間半程度かかって、費用も片道4,000円程度かかっている。1回来るのに8,000円、1日では手続きが済まないとすると、被災者にとっては非常に三者立会いをしたくてもできないというようなこともあるのかなというふうに思いながら聞いていました。
この三者立会いの必要性と、スケジューリングの困難さは、今後どうしたらいいのかを、特に大都市での災害の場合、どのようにやっていったらいいのか。もし何か知見があれば教えていただきたいです。
最後に、東日本大震災のお話を伺っていると、津波被災地の災害廃棄物対応をどうしたかという話だと、すんなりと受け取れますが、津波被災地以外はどうなっているのかなということを分けて整理していただく必要がある。なぜかというと、東日本大震災の全壊122,000棟のほとんどが津波被災地ですよね。津波が来なかったところは半壊29万棟程度です。何が違うかというと、津波の場合は、その場所に物がない。全部津波が集めて、どこかに、もうぐちゃぐちゃで行っていますから、所有者の立会いや、これは私の所有物件ですというものがもうなくなっている。
それは、輪島市でいうと火災で燃えて、所有者の意向に関係なく解体しようというのと同じように、津波の場合も解体作業に、所有者の意向にかかわらず対応できるということだと思います。その辺りを、津波の場合と首都直下の場合に想定される火災で大きく燃える場合、それ以外の倒壊による災害廃棄物の場合の大きく言うと二つに分けられると思います。所有権が滅消してしまうような被災状況と、所有権が残った状況での対応の仕方、この二つを少し分けて考えるという意味では、東日本大震災で、津波とそれ以外をどのようなふうに対応の差異があったのかという辺りが、実体例としては、大事な教訓になると思いながら伺っていました。
長くなりましたが、以上です。
(酒井座長)
大切な点を多く挙げていただいていますので、心苦しいのですが、時間が押しておりますので、質問も少しご配慮いただければ幸いでございます。
島岡委員、お願いします。
(島岡委員)
それでは、2点お願いいたします。
1点目は、熊本市からの事例報告についてです。
報告をありがとうございました。最後の頁に提案いただいています、②のトータルコーディネーターの育成ということですが、具体的な取組をなされていたら教えていただきたいなと思います。
私が知っている地方自治体では、災害廃棄物にかかわらず廃棄物行政は、経験を積まないとやれないということで、人事異動を少なくされていると聞いております。この育成の取組、何か考えておられたら、また具体的にやられておられたら教えていただきたいと思います。また、現場支援のときに経験者を同行させるということでしたが、過去の経験者の方の継続教育をやっておられるのかどうかについても、取組をされていたら教えていただきたいと思います。
2点目は、中林委員も少し触れられました災害廃棄物発生量の推計についてです。前回の委員会でもお話しさせていただきましたが、災害廃棄物発生量は被害の状況と原単位1棟当たり、または1㎡床当たりの廃棄物の発生量より求めます。構造解体組合の方が来られています。私は、能登半島地震の現場に三度入りましたが、災害廃棄物の重量を測っておられる様子を見かけなかったです。もし、解体現場で廃棄物の搬出重量の計量が行われておれば、正確な原単位、1棟当たり、または1㎡床当たり、さらには組成も分かってくると思います。どこかで重量を把握さられていると思いますが、何か原単位を把握するための取組をやっておられたら、重量の管理をどうされているのかを教えていただければと思います。
以上です。
(酒井座長)
勝見委員、お願いします。
(勝見委員)
まず、最後のご説明で、東日本大震災、これはゼネコンだと思いますが、ヒアリングをいただいたということでございます。ゼネコンが東日本大震災で災害廃棄物処理の対応をされましたが、その後は事例が限定されていたということで、ゼネコンはどのようなときに出番があるのかということを考えてみたことがありました。本日のご説明はあくまでもヒアリングの結果ということですが、地元企業とゼネコンの対応の分岐点の辺りを含めて、環境省を中心に、どのような可能性があるのかを考えていただきたいと思いました。
それと同時に、東日本大震災のときは、たくさんのご苦労をされて、そのときのノウハウを蓄積されたと思いますが、もう大分時間もたっていて、もしかしたら継承できていない、あるいは状況も変わっているので、前はできたが今実行するのが難しいようなことがあるかないかというところも、確認をいただいてはどうかと思いました。
それから、同じ資料でご説明があったのは、トラックスケールを設置したというのが、その他の中に入っています。能登半島地震での石川産資協も、様々な取組をされているというご説明でしたが、kintoneのデータは、体積だけを見せていただいているということで、体積と重量、様々な考え方があろうかと思います。この体積管理を行っていく中で少し技術的なことですが、業界の中で何か基準になるよう行っておられるような取組があるのかを教えていただきたいと思います。
車両の運行状況の話や、平時の解体と災害時の解体とで技術的に大きな差異があるのか。災害時にこういう改善をすれば、もう少しクオリティの高いものができる等のことがあれば、教えていただきたいと思いましたが、時間も限られていますので、個別のことは、別途お教えいただければと思います。
(酒井座長)
ご配慮、ありがとうございます。
浅利委員、オンラインからお願いします。
(浅利委員)
ありがとうございます。倉敷市、熊本市の皆様に、過去の事例として今回は災害廃棄物の要点をついたご紹介をご紹介いただきましたが、復興の観点で、今となっては、もっとこういうところを配慮したらよかったことや、逆に、こういうところがよかったことがありましたら、教えていただけますとありがたいです。
以上です。
(酒井座長)
ありがとうございます。
大迫委員、お願いします。
(大迫委員)
ありがとうございます。
倉敷市と熊本市のヒアリングに関しては、同じようなトータルコーディネーターや、キーパーソンやという人の重要性が出てきましたが、先ほど島岡委員からもありましたが、国で何かシステマティックに人材基盤づくりのような、このトータルコーディネーター、キーパーソンみたいなところにつながっていくような取組をぜひやってほしいとの要望、提案があればお願いしたいと思います。
特に、災害経験のない自治体がどのようにやっていくのかなどは、やはり国がカバーすべきと思っていますので、その点、何かコメントがあればよろしくお願いします。
産資協のヒアリングに関してですが、広域調整、広域処理は、様々な課題がありますが、能登半島地震では国や県が調整いただいたと思います。業界ベースで広域調整に何か貢献できるところがあるのかどうかということをお聞きできればと思います。
それから、解体協のヒアリングに関して、最後のスライドで、解体側と処理側との連携を課題と挙げていただきましたが、具体的に何か、どのようなところが課題だったのか、事例的に一つでもあれば教えていただければと思います。
以上です。
(酒井座長)
ありがとうございます。
目黒先生、お願いします。
(目黒委員)
トラブルシューティング的な問題解決に向けた議論も非常に重要だと思いますが、このような機会ですので、今から私がお話しするようなことが可能かどうかを、皆さんで考えていただきたい、という趣旨のお話です。
災害がれきの処理に限定されるわけではないですが、首都直下地震や南海トラフ巨大地震などの大きな災害が起こったときには、被災地の支援に必要な人たちが大人数になるし、期間も長くなると予想されます。その際に、支援を受ける側の人たちにとっては、経験者が来てくれたほうがいいですが、支援する側からすれば、状況は少し違います。直後は経験者でないと対応が困難なので、経験のある人を送るでしょうが、その後は、自分たちが将来災害を受けるかもしれないときのために、若手や未経験者が経験を積む、教育を受ける場として、経験のない人たちを送ることになるでしょう。一方で、多人数の職員の長期間にわたる被災地への派遣が、支援自治体の行政サービスの質と量の低下につながることは避けたいので、これに対処する術を考えておく必要があります。それがないと、大規模で長期的な職員支援はできません。
これを実現するための方法として、次のようなアイデアはどうかというのが、私からの問です。それは、市町村職員のOB・OGの方で比較的元気な方々で、被災現場に行って支援活動をするのは難しいが、役所の内勤はまだ問題なくできる方々に、支援行政の仕事を分担してもらうような全国規模の仕組みを考えてはどうかというものです。このような仕組みづくりが可能かどうかを議論することが、大規模で長期的な職員支援を実現する上では本質的に重要だと思います。
以上です。
(酒井座長)
ありがとうございます。今の目黒委員のご指摘について、熊本市、それから倉敷市から、様々なOB・OGの活用が可能かという辺りは、少し触れていただきたいと思います。全て網羅ということは簡単ではないと思いますが、ヒアリングでお話しいただいた方々から、追加の発言をいただければと思います。
最初に倉敷市の大瀧様、よろしくお願いします。
(倉敷市)
倉敷市の大瀧です。
ボランティア、ボランティアセンターとの連携についてご意見がありました。倉敷市も、やはり平成30年時点では、経験がなかったこともありまして、ボランティアとの意思疎通に時間がかかってしまいました。
そのような経験を次に生かしていくために、令和2年度から、SDGs、未来都市に倉敷市も選定されまして、そのモデル事業の中で、官民連携事業を行っています。この視点として、処理・処分等だけではなくて片付けに視点を置いて、社協(社会福祉協議会)や、NPO法人との連携を強めているところです。ボランティアは市内だけではなくて、市外からも大量に来ますので、やはり平時の啓発では限界があったので、そのつなぎとなる社協やNPOとの平時の連携が大切かなとすごく感じております。
受援の関係で、キーパーソンの話をしましたが、あくまで行政目線でいくと、やはり被災自治体の中に、覚悟を持ったキーパーソンを最低でも一人は配置できるかどうかが、その後の災害廃棄物処理の進捗に大きく影響してくると感じています。その理由としては、キーパーソンの職員は、意思の決定という権限と責任を伴います。何度か支援に行っていますが、スポットで来ている支援職員の方では、この権限と責任の壁で一線を越えることができないことを、非常に感じております。 被災自治体の中でキーパーソンを配置していただきながらも、そこの調整役としてスポット参戦ということは、すごく支援として有効かと思います。
また、処理計画、初動マニュアルの話がありましたが、倉敷市も、災害廃棄物処理計画は平成28年に策定をしました。令和2年度の改定時点で、併せて災害廃棄物処理初動マニュアルも作成しました。これらを作ることによって、やはりタイムラインがイメージできて、初動の業務量がイメージできますので、よりキーパーソンの配置の大切さに気づき、併せてBCPを策定いたしました。どれだけ優先的でない業務を止めて、優先業務に人を回せるかという視点を実感できたのが、この初動マニュアルがきっかけと思っておりますので、そのような意味ですごく有効かなと思っております。
私も、平成30年には主担当と決まった時点で、そこから自覚が芽生えて、熊本市にも直接電話をして、支援のお願いもさせていただいて関係性をつくることができました。そのような意識が、我が事意識というか、担当者の意識に変わるような、そのような取組や仕組みが、平時からできればいいと考えております。
復興について、災害廃棄物処理事業を経験しまして、委員からのご意見・回答にもありますように、公費解体イコール復興ではないというのは、すごく感じております。これは建設業協会とも意見交換をしていますが、取り壊す必要のない建物を残すことの大切さも大事に感じます。
復興という視点を取り入れて考えていったときに文化というものが出てくると思いますが、被災した地域においても、コミュニティや、文化財、そこに根づく文化があります。それをいかに取り戻していくか、また古いものを残しながら新たなものを作っていくか、そのような視点を持って解体、リフォームの活用も含めて取り組んでいく必要があると感じております。
OB・OGの活用についてですが、自治体の実態としましては、役職定年制度が設けられまして、実際65歳までは正規職員として働いております。やはり70歳程度までは就業されるのが実態となっております。その中で経験のある職員をどちらに割り当てるかというところも含めて、議論のステージに乗せることは、今後、可能と感じているところでございます。
私からは以上です。
(酒井座長)
どうもありがとうございます。
熊本市の右山様、お願いします。
(熊本市)
熊本市の右山と申します。
まず、熊本地震のときにどうだったかと言われますと、大規模な災害経験が、もちろんなかった中で、先の見通しというのがほとんど立たなかったということがあります。それは、災害廃棄物処理に限ってだけではないと思います。様々な災害対応で、ほとんどの先行きが見えないという中で、全体像がわかることが一番大事だということが実感したところです。
そこで、我々が支援の際にやっているのが、初動期のときに、この後どうなるのか、どのようなことをしていかなければいけないのかを、まずトータルに教えることです。もしくは、もう、そのようなことをできるような事態でなければ、我々が、代わりにやっていく支援が、ひとつ大きなところかなと思っています。それが、先ほど我々が一つ提案で出しました、トータルマネジメントができる人材の育成というところにもつながっています。
これは、我々は被災経験があることでやっていけるというのがありますが、災害経験がない自治体は、災害対応がほとんどできないと思っています。ただ、被災自治体ができないからといって、我々だけがずっとやるというわけにもいかないので、やはり全国の政令指定都市、規模の大きい、特に体力のある政令指定都市や、都道府県といったところの職員が、そういった人材として育成しながら、支援をやっていくというのが、大きなポイントになると思っています。
受援に関しては、経験をしないと受援の大切さも分からないところがありますが、意識を改善する方法としては、訓練しかないと思います。訓練というのも、図上訓練や、机上の訓練ではなくて、本当に起きたときを想定した、リアルな訓練が必要になってくると思います。それは、我々自治体だけではなくて、関係者みんなを含めた災害廃棄物の処理の訓練が必要になってくると思います。
職員としてOB・OGの活用というのがありましたが、実際、今回の熊本市から能登半島地震の支援に行ったときには、災害廃棄物だけではないですが、災害経験のあるOBや、災害対応経験のあるOBを呼んで、支援に送った事例もあります。先ほどの話だと、災害派遣に行かなくて、人がいない場合には、支援側の平時の業務をやってもらうような考えもあると思ったところです。
支援とは受援する側の自治体の規模等にもよると考えています。能登半島地震に関しては、実際の規模、平時からどれだけの人数で業務を行っているかも大きな問題になると思っています。我々が支援した穴水市は、平時から限られた人数で、廃棄物処理対応をやっているわけですから、こんな大きな災害が来て、平時以上のことをその人たちがやることは難しい。そういったところに規模の大きな自治体が入って支援をしていくことが大きなテーマになってくるように思っています。そういった点で、私たちとしては、先ほどの三つのような提案をさせていただいたところであります。
以上となります。よろしくお願いします。
(酒井座長)
どうもありがとうございます。
続きまして、補償コンサルの栗田様からお願いします。
(日本補償コンサルタント復興支援協会)
復興協会の栗田です。
罹災(被災)証明と現地の整合についてですが、罹災(被災)証明書が一つの建物として出されて、現地で三者立会い(申請者と解体業の方と、補償コンで立ち会う)をすると、実際は母屋と附属屋の2棟が建っているケースがあります。自治体が解体工事の指示書を発行するに当たって、建物ごとに発行する必要があるので、その不整合は、遡って罹災(被災)証明書を新たに出し直す手続を取らないと、次の作業に進まないといった手戻りの作業があります。当初から罹災(被災)証明書は建物ごとということが規定されていれば、受付時に厳密に手続が進められ、時間のロスも少なくなるのではないかと思いました。
以上でございます。
(酒井座長)
どうもありがとうございます。
今の罹災証明との関係ですが、災害復興支援システムを開発されたということ、そこで罹災情報との接合は図られているのでしょうか。例えば、マッピング上、地図情報上の位置との関係等、その後のシステムにとっては極めて大事だと思いますが、この開発されたシステムの簡単な紹介をお願いします。
(日本補償コンサルタント復興支援協会)
私どもが作ったシステムは、現場作業の情報を幹事会社、あるいは本部が、リアルタイムで情報が共有できるものです。罹災の現地調査は、新たな試みで現地調査の情報を整理できるものを作ったところでございます。
(酒井座長)
分かりました。どうもありがとうございます。
この後、石川県産資協、そして解体協会に回していきますが、本日、大塚先生が12時までのご出席ですので、この段階で、ここまでのやり取りを聞いていただいてのコメント、あるいは、資料8で、今後の取組の方向性の議論をいただきますが、それを事前にご覧いただいて、特に注意すべきポイントがございましたら、この段階で発言をいただければと思います。
大塚先生、お願いします。
(大塚委員)
それぞれ非常にためになるお話を伺っておりまして、特に申し上げることはございません。
ただ、公費解体をする上で様々な手続がございますので、同意のところについては、今までの所有者に対する手続をより簡素化する必要があると考えています。
以上です。
(酒井座長)
ありがとうございます。今のご発言、後の議論で十分参考にさせていただきます。
それでは、元に戻らせていただきます。産資協の髙山様、お願いします。
(石川県産業資源循環協会)
ご質問で、能登町では仮置場に関する情報の放送等があったということをお聞きしました。ほかの市町でも、防災スピーカーも含めて、仮置場の時間や、開設期間をチラシ等も活用しながら各市町それぞれが工夫して、住民にお知らせをしていたのは、私も知っております。
今回、石川県の輪島市だけが、他の自治体が片付けごみを住民に仮置場まで持ってきてもらったことに対して、地元業者がトラックを使って回収したことは違うというふうに思っています。
(中林委員)
輪島市の旧市内では仮置場を設置せずに個別回収をしたと思いますが。門前などは仮置場を設置していましたが。
(石川県産業資源循環協会)
仮置場は設置してありますが、各家を回っている形です。
あと、初動の推計量はどう増えたかに関して、実際は1.7倍近くこの段階で、当初の計画から上がっているのは事実です。去年の2月、8月に2回目の加速化プラン、今年の1月終わりに、もう一回、加速化プランが出ました。
最近変わったのは、古民家再生ということで、能登地方は大きい住家が多いので、足踏みではないですがもう少し解体することを検討してはどうですかというのが、最近の定例会議では話も出ています。そのような会議も、国、県を通してやられているとは聞いております。
ただ、処理完了の目標が来年の3月、今年の10月が解体の完了となっていますので、そこは今後どう変化していくか、まだ今の段階ではつかめないかなとは思っています。
処理計画、初動対応マニュアルに関しては、環境省が作ったものを当時いただきました。
ただし、能登半島地震では発生から1週間という短い時間だと、里山海道が相当崩れて、通行できなかった。警察や自衛隊の緊急車両しか里山海道は通れなかったので、千里浜を超えたところで全員降ろされていたので、そこから迂回して珠洲市まで片道6時間かかった等の問題がありました。
1日に発災して、13日には七尾市で、最初の片付けの仮置場が設置できたということはよかったですが、3日から順番に、下から各市町の担当の方と仮置場の場所の確認で回らせていただきました。1週間では、とても奥能登地方までいけない。
片付けごみのフェーズでは、車が入れる3,000㎡以上で舗装がコンクリートやアスファルトでなかったら、運用できないというふうに考えました。舗装がコンクリートではなかったら鉄板を全部敷かないといけない。今回は珠洲市、輪島市だけでも1万枚以上の鉄板をリースしています。おそらく石川県の仮置場を設置している場所の総枚数で言うと鉄板2万枚超えていると思います。鉄板も、トレーラーしか運べないような大きさなため、道路状況も悪く、トレーラーは走れない、機械がないと下ろせないし機械も通れる幅がなかったことが現状です。自衛隊の車もパンクが多かったと聞いていましたので、本当に、能登半島地震は今までにない被災現場だなと痛感しております。
重量管理について、処理場でもトラックスケールを置けるところはトラックスケールを置いています。ただ、最後のエビデンスとして、処理場、私どもの仮置場に持ってきた廃棄物は、木くずなら木くず、コンクリートはコンクリート、特に可燃物に関しては現場のトラックスケールに必ず乗ってもらい、その伝票がエビデンスになります。お金に係ることになりますから、最終的に現地でトラックスケールを置けないところは、その処分量の透明性を出すために、JWNETの電子マニュフェストを使いまして管理しています。先ほど言ったkintoneに表れてきますので、それもタイムリーで数量管理が分かります。トラックの台数も、入ってくる搬入量は、4トンダンプ、2トンダンプというのは、トラックスケールがないので、あらかた目視で3m3、1.5m3と決めまして、搬出したときに、1週間で調整を行って、kintoneで1週間ごとにまた調整をかけるということになります。最後の処分場でのトラックスケールに乗って測った数量が正として、それを報告するということをしております。
(石川県産業資源循環協会)
基本的に、やはり体積管理というところは、非常に各個人の目方の見え方で変わります。公費解体の物件ごとに、公費解体の受渡し伝票帳票を使用させてもらいました。受ける際に、この物件、Aという物件の、管理型の混合物を入れます。何m3持ってきますというところまでの紙を、公費解体をされている側に記名いただいたものを、こちら仮置場として受け入れる。そこによっての積み上げで、体積を積み上げていきながら、数量管理というところをやらせていただいていますが、1週間ですごい量のずれが生じます。大体、0.5m3であろうが、1m3と書かれたり、2m3だろうが5m3と書かれる人もおられます。
そのため、そういったところの差を1週間でリセットをかけています。そういったときに、ドローン等を利用して、保管量の体積を把握することもありますし、実際、距離を測って、高さを測ってというような体積を出しているところもございます。そういったところで、リセットをかけながら、実数の保管量を、1週間ごとにリセットをかけているという状況です。
基本的に、やはりトラックスケールというものを設置するというのは、本来、災害廃棄物であれば、マテリアルバランスも含めて、1物件に対して、絶対に必要なことではございます。今後も含めると、やはり、あるべき姿だと思います。ただ、それをトラックスケールに入れるということは、その計量行為を行うということなので、1日の受入台数700~800台を計量すると、1万㎡の仮置場でも限界でございます。実際、6万㎡を珠洲市の仮置場でも、最大1,500台程度です。レーンを増やして受け入れるというところでございますので、やはりトラックスケールを設置して計量行為を行うと、その分、時間のロスが発生しますので、受け入れる台数が減少してしまうというデメリットがございますが、やはり数値の管理は必要だと思っています。
(酒井座長)
どうもありがとうございました。貴重な現場のご見解が出ていると思います。
それでは、解体協の上山様、お願いします。
(石川県構造物解体協会)
先ほど質問がありました三者立会いに関するお話ですが、こちらは、三者立会いについては、解体業者のほうがアポイントを取るのではなくて、補償コンサルさんのほうでアポを取っていただいて、その情報が流れていきます。その日時に合わせて、我々解体業者が足を現地に運んで、三者立会いを行うという形になっておりますので、今現状の推移からすると、三者立会いのアポの段取りというのは、目標どおりにはいっておるので、問題はないのかなと思っていますが、私が、先ほど申し上げた課題の中に出てきたのは、三者立会いが終わった後、各市町のほうが、公費解体をしていいですよと指示書という形で発行していただいた後、解体業者が、いざ、じゃあ着工に対する打合せを入れようと思ったときに、ちょっと待ってほしいと。あとは仮設住宅への移動がまだできていないということや、今、現状、まだこの家には住んでいたいと。もしくは取下げを考えていると。もしくは、補修を考えているというような形で、被災者の方のお気持ちが、時間がたつにつれて変更、気持ちに変化が現れる。そういったことも絡んでくるところがありまして、手が止まることも少なからずあると。
ただ、これに関して、解体業者として何かできることがあるかと言われますと、お施主さん、被災者の方に寄り添った対応というものが必要となってくるので、これに対して何か我々ができることというのは、正直ないというふうにはちょっと思っておりますので、何かそういった公費解体という形の、あくまで公費解体を進めるためのスキームの中に、ここに対する市町での取組や、そういったものが、もし今後できるのであれば、何か皆さんのお知恵をお借りできたらいいのかなというふうに考えている次第でございます。
あと、処分場との連携に関してなんですが、今回、解体協会を通じて北陸ブロックもしくは全工連、紹介いただいて、各県のほうから、様々な皆様のお力添えをいただいているという中で、まずは、その解体の技術レベルや、運転の技術レベルや、分別のレベルや、産資協さんが、簡単なマニフェストという形でご用意していただいたので、非常にやりやすくなっております。やりやすいですが、それでも分別のレベルというのは、技術によって差が出てきてしまうというところが、引き続き、課題にはなってきますが、技術レベルというものは、どんどん向上が必要なので、各県の協会などを通じて、こういった技術レベルの向上というものは何かしら必要なんじゃないかなというふうに考えております。
以上です。
(酒井座長)
どうもありがとうございました。
それでは、東日本大震災の件がありますが、これに関しては、仲介していただいたヒアリングの紹介ということですので、次の資料8の議論で併せて進めさせていただきます。
本日、お話を聞けた5名の方々、貴重な時間、またお忙しいところありがとうございました。今後の検討の中で十分に参考にさせていただくことで、取り扱わせていただきたいと思います。
また、全てお話ししきれていないところがあって、お伝えしたいことがあるという場合には、事務局、環境省にお伝えいただければ、またその後仲介いただけると思いますので、そのような扱いでよろしくお願いいたします。改めて御礼申し上げます。どうもありがとうございました。
この後の資料8、今後の災害廃棄物対策の方向性に関する主な事項ということで用意いただいています。今後の制度改正を含めたところでのポイントで、ここも大切です。すみません、予定の時間より30分ほど遅れておりまして、12時半の終了の予定ですが、若干遅れることがあり得るということで、ご容赦いただければ幸いです。予定のある方、その段階で中座いただければと思います。それでは、資料8の説明をよろしくお願いいたします。
(岸災害廃棄物対策室主査)
それでは、事務局、岸より説明させていただきます。
資料8をご覧ください。
一番上のタイトルに記載させていただきました、今後の巨大地震や集中豪雨等の発生に備えた更なる取組の方向性について、今回は骨子を出させていただきまして、次回、報告書として、この方向性を取りまとめすることを考えております。
第1章から第3章という形で記載をしております。
第1章、はじめにのところで、この取組の方向性のコンセプトについて、平成27年廃棄物処理法及び災対基本法改正等により措置された制度などの施行状況等に関する点検、令和6年能登半島地震をはじめとするこれまでの災害における災害廃棄物対応の検証等を踏まえ、今後の巨大地震や集中豪雨等に備えたさらなる取組の方向性について取りまとめすると記載しております。
第2章に関して、今までの第1回、第2回検討会で議論いただいた内容になりますので、本日は説明を割愛させていただきます。
第3章になります。今後の巨大地震や集中豪雨等の発生に備えた更なる対策の方向性と取組事項について、本日はこちらを中心にご説明させていただきます。
こちらの内容について、四つ文章を記載しております。
基本のコンセプトとして、平成27年の法改正のときに、平時の備えから大規模災害発生時の対応まで、切れ目なく災害対策を実施・強化することとしておりました。このコンセプトは、基盤として引き続き堅持した上で、東日本大震災またはそれ以上の規模の巨大地震や集中豪雨発生時に備えたさらなる対策の方向性を3-1から3-6まで、六つの柱として整理しております。
今回は取組の方向性になりますので、実際の取組内容の具体化については、来年度以降の検討会、またはワーキング等を設置して検討を深めたいと考えております。
3点目に行きますが、これら取組の事項に関し、先ほど巨大災害発生時と申し上げましたが、平時から市町村等で取り組んでいただくことで、非常災害全般の備えとしても切れ目なく効果を発揮すると考えております。
そして、最後に4点目ですが、3-1から3-6の取組事項のうち、制度的対応に関するもの、法定化の検討も含まれますが、そういったものを一部抽出して記載をしております。こちらの制度的対応事項に関しては、廃棄物処理制度小委員会、別途設置されておりますので、そちらでさらなる具体化の検討をしていきたいと考えております。
簡単にこの3-1から3-7のトピックをご説明しますと、3-1から3-4が個別のトピックとなっております。3-1が自治体における災害廃棄物処理計画等及び災害支援協定の充実、3-2が発災後の初動期における災害廃棄物処理体制の早期確立、3-3が損壊家屋等の公費解体実施体制の早期確立、3-4が大量に発生する災害廃棄物の処理体制の早期確立で広域処理等を含めたところを記載しております。横断的な取組の内容として、3-5、3-6と記載しておりまして、現地支援・受援体制の早期構築の取組、災害廃棄物処理に関する知見・データ等の充実としております。3-7で制度的対応をまとめております。
中身の説明に入っていきますが、2頁をご覧ください。
3-1ですが、二つ、災害廃棄物処理計画と災害支援協定で、災害廃棄物処理計画の策定を今までも都道府県、市町村にしていただいておりますが、内容の充実化及び適宜計画改定もしながら実効性向上を図っていく取組に今後注力していくべきと考えております。
2点目になりますが、そうした内容の充実を行うということに当たっては、国としても、どういった内容を規定すべきなのか。例えば米印になりますが、仮置場候補地の事前選定や、受援体制の具体化や、ここに記載のあるものをより具体化していくために、国側からの支援も必要と考えております。
また、5点目になりますが、市町村の災害廃棄物処理計画の制度化というところで、計画策定率の向上及び実効性向上を高める施策を制度的にも措置をしていく必要があると考えております。
(2)災害支援協定になりますが、こちらも支援協定が発災時に有効なことは、先ほどヒアリング等でもいただいております。この支援協定の内容を充実化していく、または平時から関係者との連携を強化していくことが都道府県、市町村で行われるべきと考えております。それに向けては、当然、国としても発動条件の整理や、内容の整理、標準化の取組を行う必要があると考えております。
5点目になりますが、地方自治体による災害支援協定の締結に関する制度化を検討してまいりたいと考えております。
続いて、3頁になります。
3-2の発災後の初動期における体制の確立で、ここは初動期全般、四つのテーマに分けて記載をしております。
一つ目が廃棄物処理施設の強靱化対策の推進です。
まず、1)で、廃棄物処理施設の強靱化として、耐震化・水害防止対策を実施していくこと、2)で施設が被災する場合がございますので、その場合にも早期復旧・代替対策を推進していく必要があります。まずは1点目にあるように廃棄物処理施設の各種基礎情報を整理して、状況を平時から知っておくこと、また、それを知る観点で3点目にありますように、基礎情報がばらばらで統一されていないと実際使えませんので、ひな形等を国として作成していく。
また、4点目になりますが、特に初動期は、被災自治体も混乱していますので、例えば施設の被災状況の円滑な把握や、復旧・代替措置検討のために支援できる体制の構築についての検討をしていきたいと考えております。
続いて、4頁になります。
(2)生活ごみ・し尿処理への対応で、こちらも1点目の平時からの情報収集と、発災後に収集運搬のオペレーションをするに当たって、情報収集や運営体制の整備が必要と考えております。
(3)になります。被災家屋の片付けごみ処理、仮置場の確保・運営への対応になりますが、2点目の仮置場候補地の選定をいかにして促進していくか。また、4点目の仮置場への搬入・搬出管理手法がばらばらですと、結局マテリアルバランス等も管理できないところになりますので、標準化していく必要があると考えております。
(4)になりますが、処理困難な廃棄物等への対応で、今年度、ワーキング等でも実施しております処理困難な廃棄物の市町村ごとの優良取組事例の収集・整理・横展開等を行っていきたいと考えております。
続いて、5頁になります。3-3の損壊家屋等の公費解体実施体制の早期確立です。
(1)公費解体事務の更なる円滑化になります。2点目の公費解体に関する手続の標準化、申請様式の統一化により、自治体の負担軽減や、その後の申請手続、工事前調整などにも申請様式等が統一化されていることで、スムーズに申請が進むと考えております。
4点目、被災者等の負担軽減の観点からも、自治体の保有情報については、それをうまく使用しながら申請書類や手続等をできないかというところです。また、5点目の家屋被害調査や罹災証明と申請手続との連携の推進、6点目の公費解体事務の円滑化の検討です。様々な事務が公費解体は発生しますので、先ほど大塚委員から発言があった関係者の同意等も含めて対応していく必要があると考えております。
(2)解体工事の適正かつ迅速・円滑な実施になります。2点目の公費解体申請から工事前調整、解体工事まで一連データを関係者で共有・進捗管理をしていくシステムやツールが必要ではないかと考えております。また、4点目の解体工事等における環境対策、アスベスト対策等についても、関係省庁とも連携しながら対応していく必要があると考えております。
また、(3)復旧・復興施策との連携で、公費解体計画と復興計画の連携の在り方や、公費解体だけではなく、修繕の観点も併せて連携していく必要があるのではないか。また、平時における空き家対策の検討も記載しております。
6頁になります。3-4、大量に発生する災害廃棄物の処理体制の早期確立です。
(1)で災害廃棄物が大量に発生した場合、必ず広域処理が必要となります。基礎情報の整理として、既存の廃棄物処理体制の把握や、都道府県内の災害廃棄物処理可能量の推計、集約の必要があると考えております。それにあわせて、当然、輸送手段がなければ運べませんので、その辺りの整理も必要になります。
また、再生利用を進める上で、4点目の再生利用に関する事例・知見の集積、整理も引き続き継続していきたいと考えております。
また、(2)適正処理を前提とした廃棄物処理の災害時特例等の活用、拡充になりますが、第2回検討会にて、平成27年の法改正で設置した災害時特例の活用状況等を整理しました。この中で、1)の既存の災害時の特例の活用を促進することに当たっては、事前の条例制定が必要な9条3の2や、9条3の3については、事例の周知をしっかり行いながら、事前の準備が必要なことを認識していただいた上で対応していただく必要があります。2)の災害時特例の拡充検討でございますが、産業廃棄物処理施設が一般廃棄物である災害廃棄物を処理する際の活用困難な事例の整理、特例の拡充や、また、委託基準、再委託に関するところも見直しの余地があると考えております。
また、4点目になります。本日、産資協からもお話をいただきましたが、産廃処理施設等の最大限の活用の観点から、こうした災害廃棄物の受入容量の事前確保や活用に関する制度化・支援措置の検討も必要と考えております。
7頁の(3)になります。
事前調整による発災時の円滑・迅速な広域処理の推進で、広域処理の推進に当たっては、都道府県もしっかり絡んでいかないと、円滑に進まないというところでございます。都道府県の役割・事前準備についての具体化・明確化が必要と考えております。
また、前回石川県からもご発言がありましたが、6点目の大規模災害時の地域ブロック間の広域調整もどのようにしていくかについて、検討が必要と考えております。
8頁目になります。
3-5の被災自治体等の災害廃棄物処理の支援・受援体制と横断的支援機能の早期確立でございます。まず、1点目に災害廃棄物全般に関して、様々な基礎情報データの収集や、発災後の様々なデータ処理をデジタル技術を活用しながらできる部分があるのではないかと考えております。
(2)の被災自治体の支援・受援体制の確立・充実で、都道府県の役割は何なのか、または2点目にある国の役割の具体化・明確化がさらに必要なのではないかというところ。3点目の被災自治体の早期支援立上げと段階的な自立化に向けた円滑な調整の人的・技術的支援をパッケージ化して、支援・受援の双方が相違なく対応できるような形にしていく必要があると考えております。
あと、赤字にしていませんが、そうした取組を進めるに当たっては、5点目、6点目に記載があるような、教育・研修として、職員の災害廃棄物対応力の向上というのを図っていく必要がありますので、こうした取組も必要です。
また、7点目になりますが、被災家屋からのごみ出し等について、民間ボランティアとの連携をしていかなくてはいけない場面が多々出てきますので、こういったところの連携強化についての検討が必要となっております。
また、9頁になります。
(3)の現地支援者への環境整備等の支援で、本日も出ました宿泊施設についてを入れ込むとともに、支援活動の実績等について、広く自治体や関係者に周知しながら対応することで、支援者も受援者にとっても効率的な支援につながるのではないかと考えております。
(4)の被災自治体の横断的調整支援を担う専門支援機能の確立でございます。特に大規模災害時においては、被災自治体が行う災害廃棄物処理や、公費解体は、事業監理、人的・技術的支援、広域調整など、横断的に様々な業務が発生します。そのため、専門支援機能をつくって、しっかり支援体制を整備していく必要があるのではないか、これは平時の備えと発災時対応の両方を含みながら、そうした支援を行っていくべきではないかと考えております。もう少し具体的に話しますと、その下に必要性、主な役割、具備要件を記載させていただきました。
必要性については、災害廃棄物処理のフェーズでは、各種手続・調整、工程が多いことや、被災自体の職員にとっては初めての業務になりますので、ノウハウを持った支援機能を設ける必要があると考えております。
また、主な役割として考えられるものとしては、現地被害調査チームで、初動時の支援部分や、災害廃棄物処理全般に対して技術的支援・人的支援のマッチング調整を行うようなマネジメント、平時における自治体の研修・訓練等に関する技術的支援を考えております。
また、具備要件になりますが、こうした多岐にわたる様々な工程を管理、マネジメントしていかなければいけないということになります。そのために必要な知識は、廃棄物処理に関する知見だけではなく、例えば建築や土木や、法務、財務、電気、DXといった様々な知見が求められます。また、多様な関係者、関係機関との調整が必要であり、広域的な連携に関する知見能力も必要と考えております。
続いて、10頁の災害廃棄物処理に関する知見・データ等の充実でございます。
(1)の巨大地震・集中豪雨等に関する災害廃棄物処理に係る知見等の充実で、これまでも行っていただいておりましたが、例えば南海トラフ地震の処理シナリオなどの具体化に加え、推計式の精度の向上や、災害廃棄物に関わる水害も含めた知見の充実化というのを図っていく必要があると考えております。また、そうした取組を踏まえて、(2)で知見等は指針・マニュアル等に随時反映をしながら、市町村、都道府県に活用いただけるようにしていく必要があると考えております。
最後に、11頁でございます。今までご説明してきた中で、特に制度的対応が必要と思われる5点を記載しております。
(1)が災害廃棄物処理計画の制度化や、災害支援協定の制度化になります。
(2)の適正処理を前提とした災害廃棄物処理に係る特例制度の活用促進・拡充で、民間の廃棄物処理施設を最大限活用する観点から、災害支援協定等に基づいて、自治体から委託を受けた民間事業者等が災害廃棄物処理を行う場合において、各種災害時の特例の適用ができるとすることで、そういった形で災害支援協定の活用を促進しながら、災害時特例も活用していただいて、処理を適正に進めていただくことも考えております。
(3)の廃棄物最終処分場での災害廃棄物の受入容量確保に係る特例制度ですが、この最終処分場の最大限活用の観点から、受入容量の事前確保や、活用に関する制度措置、支援措置が必要ではないかと考えております。
(4)の専門支援機能の確立では、この専門支援機能について様々な関係者が関わるところですので、何かしら制度化的な検討が必要ではないかと考えております。
(5)の公費解体事務の円滑化方策の検討では、先ほど大塚委員からご発言がございました、所有権を意識しながら慎重に検討していく必要がございます。この辺りの事務円滑化を、公費解体事務の見直しの必要があると考えております。
以上でございます。
(酒井座長)
どうもありがとうございます。多くの論点、大きなボリュームの説明を要領よくいただきました。ちょうど約束の時間が来ておりますが、委員のご意見まではしっかりと聞いておきたいと思いますので、この段階でご意見のある方、まず意思表示をよろしくお願いいたします。
最初にですが、3-5で説明をいただいた情報ツールの充実というところと、それから専門支援機能の確立というところで、本日、ご欠席の牧委員のほうから、事前に意見を提出いただいておりますので、最初に、ここは事務局から、まず、ご紹介ください。そことの重なりを含めて、委員からのご意見をいただければ幸いでございます。お願いします。
(髙栁災害廃棄物対策室対策官)
事務局、髙栁です。よろしくお願いいたします。
牧委員よりコメントのほうをいただいておりますので、ご紹介させていただきます。
まず、システムの部分でございます。施設の被災や、初期の対応、災害廃棄物対応などの、それぞれ含めた初期対応から、災害廃棄物処理全般を管理するような環境省の災害対応管理システムというものがあるといいのではないかとご意見をいただいております。
実際に輪島市でも、今回、罹災証明データを地図データに落とし込むようなこともやられているとのことでした。内閣府防災でも、SOBO-WEBのような新たなシステムをつくっております。それらのシステムがうまく連動するような形でつくっていくべきだというようなところを、ご意見をいただいております。
そして、二つ目、支援の部分でございますが、実際に自治体の発注業務負担を軽減する観点から、例えば国交省といったところでございますと、CMR、つまりコンストラクション・マネジャーという形を導入されております。
こちらはコンストラクション・マネジメント方式を活用とも言いますが、具体的には、発注者は補助者や、もしくは代行者として、平時に、設計から発注等々を一緒にやっていく、マネジメントをするといった業務の体系の一つとなっております。東日本大震災のときは、UR都市機構さんのほうで、設計から発注まで、そして契約から施工までをマネジメント業務をなされていたといったところでございます。また、農水省では別のときにですが、漁港漁場漁村総合研究所で同様な対応をなされていたところでございます。環境省においても、このような組織を設けたほうがよいのではないかといったようなご意見もいただいているところでございます。
事務局からは以上となります。
(酒井座長)
ありがとうございます。
それでは、勝見委員から、ご意見をよろしくお願いいたします。
(勝見委員)
環境省での災害廃棄物対策の委員会ということで、災害廃棄物処理の観点でまとめていただいていますが、ここ数年の災害よりも、より大きな想定される大災害への対応を考えていくということになりますと、災害廃棄物処理以外の様々な復旧・復興との関係、そういったものとの調和ということが、それぞれ意識されているのがもう少し分かるといいのかなと思いました。
以上でございます。
(酒井座長)
ありがとうございます。
中林委員、お願いします。
(中林委員)
何点かありますが、3-1に、マニュアルの話が少し出てきていますが、3-2の4頁で、本日お話もありましたが、やはり初動対応マニュアルがあって、自治体が被災後1週間、あるいは2週間、どのような体制づくりをするかという辺りを、事前にちゃんと処理計画をつくって終わりではなくて、それを運用するマニュアルとして、初動対応マニュアルの策定が重要だと強く示しておいたほうがいいと思いました。さらに、処理計画だけでは訓練できないですが、初動対応マニュアルがあればそれに基づいた訓練をすることができると思います。被災予定地域については、そうした訓練もやっておいていただくという方向性が大事かなと改めて思いました。
それから、復興の視点というような話が本日幾つか出てきましたが、被災自治体の横断的な調整、3-5の9頁のスライドに該当するのかと思います。まさに復興計画で、どのような復興をするのかを早く示していただくことが、被災者がどのように公費解体して、住宅の再建をどこでどうしたらいいのかを意思決定する上でも重要だと思います。能登半島地震の場合は、そこが全然分からない状態で、申請はしたものの、さてどうしようというところが、迷いが出ているのではないかと思いますので、この復興の視点、復興分野との連携ということが、がれき処理の場合にも大事かなと改めて思いました。
その2点、お願いします。
(酒井座長)
ありがとうございます。
では、あと、オンラインで大迫委員、そして金澤委員にお回しします。
大迫委員、おねがいします。
(大迫委員)
ありがとうございます。これまでの課題を全体的に、大変、体系的にまとめていただいて、この方向性で進めていくということには賛同いたします。
あと、1点少し申し上げると、3-1の(1)辺りに書き込めたらなと思っているのは、やはりプレーヤーとしては、一般の市民の方々が協力していただくということが大事になります。処理計画の実効性を高めるためにも、市町村レベル、県レベル、そういったところでは、より一般市民、住民の方に、この考え方を、より積極的に啓発していただくというようなところの意味合いが入ってくると、さらにいいかなと思いました。
以上です。
(酒井座長)
ありがとうございます。
金澤委員、お願いします。
(金澤委員)
ありがとうございます。私からは二つ、コメントをさせていただきます。
一つは、災害廃棄物処理計画についてですが、都道府県におきましても、市町村におきましても、処理計画の策定は進んできていると聞いております。
今後、処理計画を更新、改定、見直しをする際に、ぜひ、処理計画として、受援体制の構築を必須項目としていただければ、事前に必ず受援について検討すると考えております。環境省から、そういったお話を啓発していただければと思っております。
二つ目といたしましては、廃棄物の処理は市町村に処理責任があるということは、廃掃法でしっかりと明記されているところでございますが、市町村ということで、一つのくくりにするのはどうかと、私のほうは考えております。例えば、横浜市、川崎市のように、ある意味、都道府県以上のレベルの規模、財源といった都市と、いわゆる地方の市町村を一くくりに市町村としていいのかという疑問がございます。
そういった意味からも都道府県の役割というのは非常に重要でありまして、そういった市町村は、都道府県に大きな期待を寄せていると思います。今回の能登半島地震についてもそのようなところがあったのではないかと思っております。都道府県、市町村の役割、特に都道府県の役割の中でも、市町村の規模によって考えていく必要があると考えております。
私からは以上です。
(酒井座長)
どうもありがとうございます。
それでは、最後に環境省にマイクを回しますので、個別に回答というよりは、今後の作業の方針の意思表示をいただければと思います。
その前に私から、1点、2点、申しあげます先ほど勝見委員から、より大規模災害を念頭に置いた復旧・復興との関係、調和が図れるような取組の方向性を提示してはいかがというご意見がございました。これは、おっしゃるとおりだと思っていまして、その観点で災害対策基本法との関係性を再度レビューいただいて、その中の廃掃法の位置づけをどうするのか、あるいは基本法に、どのような期待をするかという点については、この資料8のどこかでうまく触れていただくようにお願いをしたいというのが一つ目です。
それから、廃掃法の改正点、相当、明示的に起こしていただいていますので、多くはこの方向かと思います。これで足りるかという点については引き続き検討するとして、改正ということを念頭に置いていくのであれば、どのような根拠で、どのように進めるかを、少し明確に整理をしたほうがいいのではないかということで、改正点の明確化を重ねて要請しておきたいと思います。
いずれにしても、ここまでの整理、相当魂を込めてやっていただいていますので、この方向で最後、いい形でまとまるようにお願いしたいと思います。
では、環境省、お願いします。
(松﨑災害廃棄物対策室室長)
環境省でございます。
時間もありますので、総括的な回答とさせていただきます。
まず、この資料の8につきましては、これまでの検討会でのご議論、そして、皆様からの貴重なヒアリングで、重要なご意見をいただき、それをまとめたものでございます。ここまで整理できたのは、皆様のおかげでございます。改めて感謝を申し上げたいと思います。
その上で、牧委員、勝見委員、中林委員、大迫委員、金澤委員、そして酒井座長から、重要なご指摘をいただきました。この点につきましては、次回の検討会で、この骨子をより充実させたものを、またご提示させていただきます。事務局の作業の中で、今ご指摘いただいた点も踏まえて検討を反映し、次回ご説明させていただきます。
本日は、ヒアリングの内容も非常に充実して、皆さんの活発なご意見、我々も本当にありがたいと感じております。次回検討会、また、それ以降にもしっかりつなげていきたいと思います。ありがとうございます。
(酒井座長)
では、資料8の関係に関しては、本日は、ここまでということにさせていただきたいと思います。次回、これに基づいた提案があるということでよろしくお願いいたします。
それでは、その他の議事ということで、議事の3、その他、事務局からよろしくお願いします。
(岸災害廃棄物対策室主査)
事務局、岸よりご発言させていただきます。
次回の検討会につきましては、3月25日火曜日、15時から17時半で開催を予定しております。次回も対面会議とウェブ会議のハイブリッド会議で、対面会議は本日と同じ会議室での開催となります。また、本日の議事録は、原案を作成し、委員の皆様にご確認いただいた後、環境省ホームページに掲載する予定ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
(酒井座長)
どうもありがとうございます。
それでは、最後に全体を通じて何かご意見がございましたら、ご発言をお受けしたいと思いますが、よろしいですか。
それでは、本日はどうもありがとうございました。15分の超過になりましたが、非常に充実したご意見を頂戴しました。言い足りなかったということが万一ございましたら、3月20日までに、事務局まで書面でご連絡をお願いしたいと思います。
先ほどご案内があったとおり、3月25日、今年度の最終回でございますので、そこに向けて検討をいただくことで、取り扱わせていただきたいと思います。
それでは、これで第3回の検討会を終了いたします。どうも、本日も熱心な審議、ありがとうございました。