環境再生・資源循環

第2回 令和6年度災害廃棄物対策推進検討会 議事録

日時

令和7年2月27日(木) 13:00~15:37
 

場所

対面・オンライン併催
 

出席委員

委員 浅利 美鈴   大迫 政浩
   大塚 直    勝見 武
   金澤 貞幸   酒井 伸一
   島岡 隆行   中林 一樹(欠席)
   牧 紀男    目黒 公郎
   安富 信    吉岡 敏明
              (敬称略)
          

委員以外の出席者

(発表者)
   一般社団法人持続可能社会推進コンサルタント協会 藤塚専務
   公益社団法人全国都市清掃会議 河井事務局長
   石川県生活環境部資源循環推進課 道下次長

(事務局)
 環境省
   松﨑災害廃棄物対策室室長 
   髙栁災害廃棄物対策室対策官
   岸災害廃棄物対策室主査


議題

1 開会
2 議事
(1)第1回令和6年度災害廃棄物対策推進検討会における委員御意見に対する回答
(2)近年の災害廃棄物対策について
   1)これまでの大規模災害における取組のポイント及び課題への対応
   2)平成27年法改正における災害廃棄物処理に関する施行状況
   3)今後の巨大地震や集中豪雨等に向けて更なる対応が必要な事項
(3)関係者ヒアリング
   1)被災地の復旧・復興に向けて(公益社団法人 全国都市清掃会議)
   2)災害廃棄物処理現場における課題等について
     (一般社団法人持続可能社会推進コンサルタント協会)
   3)令和6年能登半島地震における災害廃棄物処理について(石川県)

3 その他
4 閉会


配付資料

資料1-1第1回令和6年度災害廃棄物対策推進検討会における委員御意見に対する回答
資料1-2第1回令和6年度災害廃棄物対策推進検討会における委員御意見に対する回答
資料2これまでの大規模災害における取組のポイント及び課題への対応
資料3平成27年法改正における災害廃棄物処理に関する施行状況
資料4今後の巨大地震や集中豪雨等に向けて更なる対応が必要な事項
資料5被災地の復旧・復興に向けて(公益社団法人 全国都市清掃会議)
資料6災害廃棄物処理現場における課題等について(一般社団法人持続可能社会推進コンサルタント協会)
資料7令和6年能登半島地震における災害廃棄物処理について(石川県)


【参考資料】
参考資料1令和6年度災害廃棄物対策推進検討会 委員名簿
参考資料2令和6年度災害廃棄物対策推進検討会 開催要綱
参考資料3これまでの大規模災害における災害廃棄物対策
参考資料4平成27年法改正における災害廃棄物処理に関する施行状況
参考資料5平成27年法改正における災害廃棄物処理に関する法律の概要と内容
参考資料6巨大地震に関する検討状況等
参考資料7災害廃棄物対策推進検討会 今後の検討スケジュール


議事

(岸災害廃棄物対策室主査)
 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第2回令和6年度災害廃棄物対策推進検討会を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、ご多忙のところご参加いただき、誠にありがとうございます。
 事務局を務めます環境省災害廃棄物対策室の岸でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、まずは会議の進め方について説明させていただきます。
 本会議は対面会場とウェブ会議のハイブリッド会議でございます。ウェブ会議の進め方は、第1回推進検討会と同じですが、改めて説明させていただきます。
 ウェブ会議でご参加の方におかれましては、発言をしない間はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。カメラについては皆様にオンにしていただいて進めたいと思いますが、通信環境によってはつながりにくくなることがございます。音や動画が途切れる場合は、チャット機能やお伝えしている電話番号でご連絡ください。その場合、皆様のカメラをオフにしていただくようアナウンスいたします。
 資料については、対面会場参加者についても、ウェブ会議上に投影されたものをご確認いただけるようになっております。対面会場参加者については、お手元に資料もお配りしております。
 質疑応答については、対面会場参加者、ウェブ会議参加者の順で、座長から発言者をご指名いただきます。質疑応答の時間でご発言いただく際は、対面会場参加者は挙手をお願いいたします。ウェブ会議参加者は挙手機能を使用いたします。一覧の名前の脇に手のひらのマークがございまして、こちらを押すと座長と事務局に挙手したことが分かる形となっております。座長から発言者をご指名いただきましたら、ミュートの解除の上、ご発言をお願いします。
 その他トラブルがありましたら、チャット機能でコメントをいただくか送付しております電話番号にご連絡をいただきたくお願いいたします。
 説明は以上となります。
 続いて、本日の委員の出欠状況ですが、酒井委員、浅利委員、勝見委員、島岡委員、安富委員、吉岡委員は会議室にて出席されています。金澤委員、大迫委員、大塚委員、牧委員、目黒委員はウェブにて出席されています。また、牧委員は所用により途中退席されるということでご連絡を受けております。中林委員は所用によりご欠席でございます。
 本検討会の事務局につきましては、環境省環境再生資源循環局災害廃棄物対策室が行っております。よろしくお願いいたします。
 それでは、以降の進行は酒井座長にお願いしたいと思います。
 酒井座長、よろしくお願いいたします。
 
(酒井座長)
 それでは、第2回の災害廃棄物検討会を進めさせていただきます。本格的な制度対応の検討の初回になりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、本日の議事について、事務局から説明をお願いいたします。
 
(高栁災害廃棄物対策室対策官)
 はい。ありがとうございます。事務局の高栁でございます。よろしくお願いいたします。
 皆様、議事次第をご覧ください。本日は3点の議事とさせていただきます。
 まず、一つ目に2月6日に開催させていただきました第1回推進検討会における委員の皆様方からのご意見に対するご回答をさせていただきます。次に、こちらは少し順番のほうを変えさせていただきますが、まずは、議事(3)に記載の関係者ヒアリングをさせていただきまして、その中で支援の立場というところから全都清でありましたり、持続コンからのお話をさせていただいて、3)という形で、石川県の方々から能登半島地震でまさに今、対応中といったところもございますので、その中での活動であったり、対応のご説明、そして、今後の巨大地震や集中豪雨等に向けたご発表をいただければと考えております。
 そして、次に、議事(2)という形で、近年の災害廃棄物対策について、こちらに記載の議題1)、2)、3)の3点について、我々事務局のほうからご説明をさせていただく形で進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
(酒井座長)
 ありがとうございました。議事に入りたいと思います。
 まず、第1回の推進検討会における委員の方々からのご意見に対する回答を準備いただいております。
 資料1の説明をお願いいたします。
 
(岸災害廃棄物対策室主査)
 事務局、岸よりご説明させていただきます。
 資料1-11、1-2をご覧ください。
 資料1-1について、委員の方から頂いたご意見を一覧にして記載をしております。白色の箇所が既に当日回答済の箇所になりまして、水色の箇所を中心に本日ご回答さしあげます。
 まず、5番になりますが、中林委員から頂いておりました。能登半島では住宅が大きく母屋に加えて、蔵や、附属建物が多かったので、非住家や附属建物をどのように推計に反映させていくかというところ、こちらの回答ができておりませんでした。
 右側が回答欄になりますが、発生量推計式においては、固定資産の価格等の概要調書から入手できる市町村ごとの1棟当たりの延べ床面積を係数の一つとしておりますので、一定程度地域特性は反映されているというところではありますが、今回の能登半島地震を含む各災害における実績データと、推計式による推計値の比較検証は、前回ご報告のとおり、引き続き検証を行っていきたいと考えております。その精度については精査を引き続き継続してまいりたいと思います。
 続いて、3ページになります。
 19番、20番になりますが、公費解体を進めてきたところでございましたが、修繕についても併せてやはり進めていくべきではないかとご意見をいただいておりました。
 これについて、当日、石川県で公費解体と並行して、修繕に関する取組もしておりますというご報告をさせていただきましたが、今回、石川県さんにヒアリングでご出席いただいておりますので、詳細については後ほどの議題ですが、石川県からご説明いただく予定でございます。
 続いて、4ページになります。
 28番、30番になりますが、過去の災害において、公費解体を行うに当たって、今回、滅失登記というところも一つ話題にあがりましたが、阪神淡路大震災からどのように扱われてきたのかを時系列で整理いたしました。また、今回、非住家の割合が多かったこともあり、半壊以上の住家、非住家の被害に対する公費解体棟数の割合の整理についても依頼いただいておりました。こちらは後ほど説明させていただきます。
 先に、31番、災害対策基本法の改正案についての紹介のご依頼をいただいておりました。こちら大きく二点についてご説明いたします。
 資料1-2をご覧ください。
 1ページ目については、先ほどご紹介した修繕の取組についてです。こちらは石川県さんで相談窓口の設置等されていますが、後ほど、石川県さんからご説明いただきますので割愛させていただきます。
 2ページ目からご説明させていただきますのが、これまでの災害における公費解体の状況というところで、3つのテーマをこの後、ご説明させていただきます。
 一つ目が滅失登記についてです。まず、緑色の枠の前提というところになりますが、建物が倒壊等により滅失したときというのは、原則として、建物所有者からの申請に基づいて建物の滅失の登記がなされます。
 ただ、どうしても発災時というのは、被災者にその申請をお願いするというのはなかなか難しいということになりますので、法務省では被災者支援の一環として、法務局の登記官の職権による滅失登記、職権滅失登記と呼ばれますが、これを実施してきたというところでございます。この該当する建物の対象が、①から③になりますが、自然災害等により倒壊・流出した建物ですとか、あとは、公費解体の対象になった建物等が対象となっております。
 その下、阪神淡路大震災からこの滅失登記の取組が法務省でなされていまして、阪神・淡路大震災では、発災8か月後以降から、職権滅失登記を実施しております。以降、東日本大震災や、熊本地震など、比較的大きな災害では活用されているところです。
 つづいて、令和6年能登半島地震についてご説明いたします。相続等により共有者が多く存在する場合に、解体申請の手続が困難であるというようなご指摘をいただいたところでございます。そのため二つ対応しておりまして、一つ目は建物性が失われた倒壊家屋等についてです。そもそも建物の所有権等が消滅しているということを明確化させていただいた上で、公費解体撤去の申請時に共有者全員の同意は不要ということを、事務連絡や、マニュアルで周知をさせていただいており、これによって申請書類の合理化・簡素化が進んだと理解しております。
 また、建物性が失われるというのは自治体の判断で可能ではありますが、一方で、客観的な指標も欲しいというところがありまして、土地家屋調査士さんなどの活用というのも挙げられますが、その一つの手段として、二つ目の赤字になりますが、公費解体実施前にその建物の職権滅失登記をすることによって、自治体の方が登記簿を見て、ここの建物は既に滅失登記がなされているので、建物性が失われていて、共有者の同意が不要だということを確認していただけるようにしたというところで、これまでの災害では、公費解体の後に職権滅失登記をしていましたが、今回の災害では、公費解体の実施前に職権滅失登記をしたというところが一つ特徴となります。
 二つ目、3ページに移りまして、建物被害棟数に対する解体棟数の割合のご説明をさせていただきます。
 一覧のとおりでありますが、阪神・淡路大震災、熊本地震、平成30年7月豪雨、令和6年能登半島地震の四つで比較をいたしました。
 比較した結果、上の四角になりますが、半壊以上の建物被害棟数に対する解体率は、熊本地震と能登半島地震では64%と同程度でした。両災害ともに、阪神・淡路大震災の50%と比べると、解体率が高い傾向にあるというところです。
 注意点としては、能登半島地震はまだ対応中でございますので、当然被害棟数、公費解体棟数が実績ではないということや、被害報の構成上、阪神・淡路大震災と熊本地震というのは非住家の被害棟数に半壊未満の被害棟数が含まれておりますので、少しその点は注意が必要です。
 二つ目に、建物の被害状況の特徴として、能登半島地震では住家よりも非住家の被害が大きかったというところも見て取れます。
 続いて、4ページ目になります。
 前回、公費解体の実施期間と復興計画についてというところです。前回の検討会で、公費解体と町の復興というのはセットで考えられるべきだというところで、公費解体の実施の期間と復興計画にどのような関係があるかというところを表に整理しております。
 こちらの上の四角から行きますと、阪神淡路大震災では発災後2週間で申請受付を開始しているというところと、また、市発注方式だけではなく、市と所有者と業者の三者契約方式、現在の自費解体方式と似ていますが、所有者が解体工事を行う方式が導入されて、事業の促進が進んだというところの記載がございました。
 公費解体の状況については以上とさせていただきまして、5ページ目に移りますが、災害対策基本法等の一部を改正する法律案の概要について、ご紹介させていただきます。
 こちらは2月14日に法律案の閣議決定がされているものになりますが、今回の能登半島地震の教訓を踏まえ、内閣府のほうで災対法等の改正が予定されております。
 具体的には、改正内容の①、②、③になりまして、一つ目が、国による災害対応の強化ということで、自治体への支援体制の強化というところです。
 二つ目、被災者支援の充実ということで、福祉の支援だとか、広域避難の円滑化。あとは、我々に特に関係するところでいきますと、被災者援護団体の登録制度を創設して、円滑な支援をしていただくということが記載されています。また、4)で防災DXや備蓄の推進というのもあります。
 また、三つ目、インフラ復旧・復興の迅速化ということで、水道復旧の迅速化や、宅地の耐震化、液状化対策の推進、こういったことも取組を進めていこうというところです。
 以上となります。
 
(酒井座長)
 どうもありがとうございます。
 それでは、ただいまのご説明にご質問、あるいは重ねてのご意見等がございましたら、お願いいたします。会場の方は名札で発言の意思表示を、ウェブの方は挙手ボタンでの意思表示をよろしくお願いいたします。
 前回、非常に多くのご意見を頂戴し、今後の検討の参考になる情報ということで、滅失登記の経緯等に関して、他の事例との関係を説明いただきました。また、解体率等、あるいは公費解体の期間と復興計画の関係といった客観情報の整理をいただきました。今後の議論の中で、それぞれ参考にしていただければということで、ある種のいい整理になっていると思いますので、どうぞよろしくご発言ください。
 よろしいでしょうか。それでは、今日の二つ目の議事に行きたいと思います。先ほどご説明があったとおり、まず、ヒアリング3件を進めさせていただきます。その上で、議論という流れで参りたいと思います。
 本日は、全都清、持続コン、石川県の3者からご発表いただきます。それぞれ15分程度のご説明を頂戴しますが、3件続けてご説明いただき、その上で、まとめて質疑の時間を確保したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、公益社団法人全国都市清掃会議、河井専務からよろしくお願いいたします。
 
(全国都市清掃会議)
 ただいま、ご紹介いただきました全国都市清掃会議で事務局長をしています河井と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 資料5になりますので、これをご覧になっていただければと思います。
 1枚おめくりいただきまして、まず、当法人の概要を簡単にご説明いたします。当法人は、全国の自治体と企業で、市区町村の廃棄物行政の問題解決をするためにできた組織でございまして、設立は昭和22年、戦後間もないときに廃棄物をどうやって処理していこうかというふうな形で設立してございます。
 今年で78年目を迎えるわけですが、1月現在では会員数が531団体になっています。その内訳はこの表にもありますように市区町村が389自治体、広域連合が142組合になります。大まかに、市町村の割合でいきますと、大体全国の半分ぐらいが加入していただいています。ただし、それを人口で戻しますと、全国の大体8割5分の方が参加しているイメージをしていただければと思います。賛助会員が63社ほど参加しています。
 それと、活動内容は廃棄物の問題等々に関する国への要望とか、提言とか要望行動、また、技術指導支援とか、研究事例の発表や、あとは廃棄物処理の実務者の研修等々を行っている団体でございます。
 1枚その下のところが、「災害廃棄物処理支援ネットワーク(Waste-Net)」これは環境省様が立ち上げていただいているものなんですが、設立がありました平成27年9月から当法人も参画しておりまして、廃棄物処理をしているところでございます。
 当法人の役割といたしましては、国や被災地からの支援要請に応じまして、特に初期の生活ごみ、避難所ごみや災害ごみの片づけなどを中心に行っているのと同時に、また各会員さんの自治体が持っています焼却施設でのごみの処理等々を行っているものでございます。
 1枚おめくりいただきまして、これが当時、平成27年にこれができて、翌年の熊本震災が起こりまして、もう皆さんご存じのように、焼却工場も一時期使えなくなってしまったような状況になっております。
 それに対しまして、資料の下を見ていただき、地震があった1週間後から会員都市にお声かけをかけさせていただきながら、この熊本県の七つの自治体に約30の自治体が入って、収集業務を行ったというような流れになっておりまして、延べ台数が約2,850台というふうな形になっております。
 また1枚おめくりいただきまして、焼却もしていまして、当時は工場も被災していましたので、熊本市を初め、ごみが処理できないので、これは近隣の福岡市や長崎市、久留米市、北九州市などにご協力をお願いして、ごみの焼却をしていただいたというような流れになっております。
 1枚おめくりいただきまして、それ以降に30年の実は豪雨災害、これは西日本で起こりました災害に対しましても9週間の支援をしてございます。
 その翌年の令和元年には、実は大きな台風15号で関東の南の千葉で起こっていまして、また1枚おめくりいただきますと、これに対してもいろんな自治体からの支援をいただきながら、1か月もたたないうちに、今度は19号が上陸いたしまして、これは特に長野県が被災を受けたり、広範囲にわたって被害を受けているような状況がありまして、それに対しても収集運搬の支援をしていった形です。
 令和2年におきましては豪雨災害で、これは九州で起こりました支援になります。
 また、令和4年につきましては、台風15号の災害で、静岡市が水に浸かった事例に対しましては、近隣の横浜市、川崎市、長崎市、熊本市で2週間にわたり片づけ作業をしました。
 令和5年については豪雨災害という形で、秋田市で起こっております。
 そのような形で、令和6年度の能登半島地震という形で、例年、毎年多くの災害がここ数年ずっと立て続けに発生しておりまして、それに対しては、Waste-Netの一員としましていろいろ対応させていただいているところでございます。
 昨年に起こりました能登半島地震におきましては1月1日に起こりましたので、すぐ環境省から私のほうにも電話が入りました。状況を確認しながら進めていきましょうというお話をしたというのをいまだに覚えてございます。
 そのような中、環境省からもご連絡をいただきながら、実は1月5日に現地で事前視察というのを環境省と石川県と一緒に現地視察をする話になりまして、実際に支援を行っていただけそうなこの5市、横浜市、川崎市、名古屋市、大阪市、熊本市から1名ずつ派遣を全都清からしまして、国や県と一緒になって現地調査をしていったというような流れになってございます。
 その支援でかなり道路状況が悪いというのも分かっていましたので、いきなり多くの人員、機械を送っても、なかなかすぐに対応ができないのではないかというふうな考えがありました。
 その次の表が、これは実は1月6日から収集支援をしていますが、8か月間、8月30日までという形で、実は39の自治体に行っていただきまして、1,700台の収集運搬を延べでしてございます。
 1枚おめくりいただいて、これは作業状況ですので、ざっと見ていただければ結構です。当然、初期と言いながらも、1枚目の右下のがれきを片づけている絵とか、上の1番のところは、何もないところに置かれてしまっているのを皆さんで片づけているというふうな町の絵面です。
 次のページが、これはもう本当に開始早々の③番の中能登町のところなどは、名古屋市が1月6日から駆けつけて、すぐに収集を開始していますので、これは皆さんが出されたものを順次、回収しているというような形であります。
 そのような点で、次に移りますが、実は能登半島地震における廃棄物処理の支援で、課題といっていいのか、対応といっていいのかわかりませんが、一番今回困ったのが、毎年あれだけ支援があるので、支援に行くに当たっては、実は支援の拠点をどこかに設けて、そこから入っていくんですが、今回は能登半島の先のほうが被災していますので、支援拠点をどこにするかというふうに、行く自治体もどこをやればいいのかというふうな形でいろいろ聞かれたところ、実はいち早く環境省さんが手を打ってくれておりまして、国立能登青少年交流の家というところの宿泊施設を確保していてくれたので、実はここで支援を速やかにできるような形になっていたというような形になります。
 ポツの二つ目に書いてありますのが、これは同じですが、やはり道路が崩落していたり、また、先端まで行って実はエリア全体が廃棄物処理施設に搬入できなくなっていますので、そこから実は金沢市のほうまで廃棄物を持ってこなければいけない状況で、非常に収集運搬の効率が悪く、一度に車を入れることはできませんでした。毎月1月はどこの自治体、2月はどこの自治体、3月はどこの自治体と、自治体にお願いしながら、そういうバランスをもって入っていって、先ほどの8か月にわたる支援になっている状況になります。
 それと、やはりこれは能登半島に限った話ではないですが、災害が起こると、どうしても生活ごみ、避難ごみの収集場所の情報が不足していまして、支援は入りますが、どこをやっていいんですかというのがなかなか決まっていかないというのがあるんですね。
 ただ、これにつきましても実は支援へ行った者同士が現場を見ながら、どこから始めようかというのと、あとは矢印があるように地元住民との支援の調整というのは、実は地元の自治体の方もなかなか手がいっぱいで、なかなか作業できなくて、私が聞いた話では、当時、社会福祉協議会の人といろいろやり取りをしながら、ここを取ってくれないか、あそこを取ってくれないかというふうな調整をしてきたという流れでやってございます。
 最後のところを見ていただいて、そのような今回の大規模災害に向けた対策の方向性の提案と言っていいのか、考え方と言っていいのかわかりませんが、廃棄物処理を担う自治体の職員が年々というか、減少しているというのが正直なところあります。皆さんご存じのように、いろいろな業務が委託化されていったりすると、廃棄物処理の流れなどが分からなくなっている自治体もあるのではないかなと思ってしまいます。一方で、災害が起こると、責任は被災した自治体が処理を負うことになりますので、ぜひ自治体の職員に災害時の対応ができるような職員の教育とか、そういうのが必要ではないかなと私は考えてございます。
 二つ目は、実は災害時の初期対応支援制度の確立です。これは今回の能登半島はまさにそうでしたが、やはり小さいというか、廃棄物処理を一人でやっているような自治体については、なかなか手が回っていかないので、実はそこで自治体を支援する組織づくりや機能がしっかり機能すれば、速やかに片づけ、また、被災ごみの処理ができるのではないかなという思いでつくりました。例えばパッケージみたいな形で、支援に行く者が全体を見通して、例えば収集とか、処理とか、どこをどういうふうに回ったほうがいいのかというのを、きちんとそういうことが分かる人がチームに入っていったらいいのではないかなというふうに思いました。
 それで、三つ目の受援体制の計画というのは、これは支援に行くほうからすると受援がなかなかうまくいってないので、なかなか支援が滞ってしまうという事例もあります。
 災害時に廃棄物処理を速やかに実施するためには、やはり自治体における受援体制の計画が非常に重要だなというふうに思っていまして、これをできる仕組みづくりとか、やはり計画的につくっていくべきというふうな形で今回、この3点について提案をさせていただきました。
 簡単ですけれど私からの報告は終了いたします。ご清聴どうもありがとうございました。
 
(酒井座長)
 河井事務局長、どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、持続可能社会推進コンサルタント協会の藤塚専務からご説明をよろしくお願いします。
 
(持続可能社会推進コンサルタント協会)
 酒井先生、ありがとうございます。
 では、私のほうから、コンサルタントの立場としてのD.Waste-Netの派遣について、特に今回の能登半島関係についてご説明と、幾つか提案させていただきたいと思います。
 恐らく大半の派遣に関しては全都清と同じような認識であると考えておりますので、全体の資料を読んでいただければと思いますので、かなり割愛してお話ししたいと思います。
 この辺りは突発的に起こって、どこに行ったらいいのか、どこで起きるのか分からないというのがあって、時間がないというのは、これは同じことでありまして、特に近年の災害は激甚で、同時にいろんなものが起こるというようなことがありました。
 例えば能登半島でしたら、一部市、町ではなくて、ほぼ全域にわたって起こったので、多方面に同時に、多くの技術者を一気に派遣する必要があったということがあると思います。それと、チーム派遣が基本ですので、一応こちらとしてはベテランとルーキーを併せて派遣したいというふうに考えていますが、現実的にはそうはいかないということになります。
 あと、現地の条件が不明なのが多いということと、やはり道路の啓開を待つまで現地に行けないというようなことは、全都清と同じではないかと思います。
 それと、行ったチームだけ、あるいは環境省派遣のチームだけでは解決できない問題が相当あると考えております。
 あと、特に能登半島ですが、現地のニーズがもう時間の経過とともにすごく多様化してきたというのがあると思います。最初は当然、固形廃棄物だけのつもりでいきますが、実は1月10日ぐらいからトイレ、すぐ浄化槽というような同時多発的、時間差を置いたり、置かなかったりして、ニーズが非常に多様化してきたということがあります。それで、最初派遣したチームと、あとの派遣チームでは全く違う仕事をしているということがあって、最初の情報が役に立たないということがあります。
 とにかく人手不足です。今、特にコンサル業界は人の取り合いをしています。ベテランの技術者、今日も事務局でコンサルの人が来られていますけど、どちらかといえば、会社への帰属意識というよりも、自分は技術者だという意識が強くて、実はどんどん転職されます。優秀な技術者ほど引っ張られますというのがあって、人手不足があります。
 それと、先ほど言いましたようにペアで継続的に派遣が好ましいですが、長期間派遣するのはかなり難しいです。場合によって、1日しか行けないと。優秀な技術者であればあるほど、長期間の派遣はできません。
 例えばこれが令和元年の10月の台風。これは長野県、新幹線の車庫が水に浸かったときの千曲川の氾濫ときです。最初はこの2名ずつを1週間刻みで派遣することができました。これは理想的な派遣です。
 ただ、これは福岡、大分、熊本になりますと、継続1週間の派遣というのはかなり難しいということで、なるべく1日のオーバーラップを置いて派遣するようにしていますけど、それも難しくて、これが能登半島です。200人ぐらい派遣していますけど、もうほとんど一気通貫で派遣できた人もいますけど、なかなか難しいというのが現状です。
 後ほど課題のところでお話ししようと思いますけど、能登半島の時期はちょうど年度末だったわけですね。お役所からの受注業務でみんな手いっぱいです。
 私は、実は環境省に事務レベルをお願いしましたが、環境省の業務をやっている人と、あるいは環境省の自治体への委託業務をやっている技術者と同じ人が行くんですよと。だから、環境省の業務の工期を延長してくださいと。環境省から自治体に委託している業務、もう全て工期延長してくださいと。これは廃棄物だけではなくて、例えば地球環境も同じ人間がやっていますので、全てストップしてくださいと。これは私が言ったわけではなくて、コンサルタントからの切実な声でした。ストップしてもらったら派遣できますよという話をしてもやはり駄目だったということもあります。それで、とにかく年度末だったということで、なかなか継続が難しかったというのがあります。
 何度も言いますけど、技術者は不足しています。コンサルタントをリクルートしても、新入社員は集まってきません。最近の社員はあまりきついことを言うと、なかなか継続勤務が難しくなってきます。もっと問題は労働基準法がきっちり守られています。例えば公務員は、労働基準法は一部除外ですので、そんなに働かせても問題ないことはないけど非常に働かせやすい。ただ、民間は三六協定というのがきっちりしていまして、働かせることはできない。特に土日祝日、会社によっては、一般社員は派遣できません。管理職、あるいは取締役しか派遣できませんというところが実際あります。そういうところを例えば時限立法、特別立法で何とかしてもらわないと、ますます今後、派遣は困難になると思います。これは特に環境省、D.Waste-Netだけの問題ではなくて、政府全体の問題ではないかと考えております。
 特に初動対応、応急対応、こういうのがD.Waste-Netの中であるわけですけど、やはり重要なのは、コンサルタントに与えられた使命は初動・応急対応と復旧・復興対応になろうかと考えております。
 特にこの中でコンサルタントに期待されるのは、ちょうどこの真ん中あたり、被害状況の確認とか仮置場の確保とか、廃棄物の分別、適正処理、そういうのが行われているかどうか、行われるように助言指導するというのが大きな流れでありまして、これに対して派遣をしてきたというのが今までの現状ではないかと思います。
 その後、引き続き派遣が終わってから会員企業だけではないですが、会員企業を含むコンサルタントが個別支援として、コンサル業務そのものとか、あるいはマネジメント関係業務の契約を受けて継続して、これをD.Waste-Netの派遣の延長で活躍することはあるというのが今までの流れになっていると思います。この辺りが初動の体制です。この辺りは従来まで議論されてきていることですので、スキップしたいと思います。
 今日の主な議題です。まず、派遣技術者、ロジスティクスについてですけど、当然、派遣技術者には自己完結型の活動が望まれます。当然、現地の移動手段も確保しないといけない。もう一つ、慣れない道での運転が必要だということ。それと特に最近、動画を撮りながら走ったりしますし、あるいは降りられないところだったら、車内から写真を撮ったりしますので、交通事故に遭うリスクも多くなってきています。
 今回、たまたまよかったのは、金沢まで新幹線が通っていたというのがあって、東京からのアクセスが非常に便利だったというのはよかったと思います。
 先ほど全都清が、向こうのベースをどこにするかというのを悩まれたというのがありますけど、例えばコンサルタントにとってみたら、拠点が金沢であって、片道3時間、4時間かかっても実際派遣されていましたし、熊本の球磨川の水害のときも、付近に宿舎はなくて、片道ホテルから2時間、現場にかけていったというのもありますので、特に現地までの拠点までの交通が大きな問題になると思います。
 それと現場の環境下での活動、気候、気象が激減する場合があると。特に今回、雪が降ったということで、仮置場で困ったのは仮置場の調査をするときに、1週間前に行ったときには平地でよく分かったけど、次の週に行ったら、雪が降っていて、何も分からなかったと。どういうふうな計画を立てたらいいのか分からなかったという報告もありました。その中で、気候が変わった場合にどうするかというのは、特に雪、豪雨の場合が今後の課題ではないかというふうに考えております。
 それと、例えば急に現場で豪雨があって避難できないときに、では、どうやってまたベースまで戻ってくるのかと。現場でどこに避難したらいいのかということが今後課題ではないかと考えております。
 それと今回、降雪、低温下での運転でしたから、雪道運転に精通した技術者が要ると。それと最近の若い人は運転免許を持っていない人が多いです。派遣をするときも運転免許限定にしますと、派遣される人がすごく限られるので、そういう場合はペアで出さざるを得ないというのもあろうかと考えております。
 それと今回、実は1月、2月に四国から派遣する予定だったんですが、雪道は運転できませんとはっきり言われまして、派遣時期をちょっと後ろ倒しにして派遣したのもあります。
 あと、宿泊施設、今回、能登青少年交流の家を用意していただきましたが、畳の部屋の大部屋で寝るということで、インフルエンザ等の感染対策も十分やっていただいていたなというような感じがしております。
 先ほど言いましたように、人員の確保はやはり非常に問題になってきております。全都清でもなかなか難しいということで、それ以上に民間は難しいのかなというのがあり、なかなか人がそもそも入社してこないというのがあって、その中から選抜して選ぶ必要があるということがあります。
 あと、もう一つ今回新たな課題が出てきて、固形廃棄物に加えて、生活排水対策、浄化槽対策、そのほかに、いわゆる技術者だから、ものを相手にしていればいいのではなく、住民との対話、コミュニケーションがかなり出てきました。あと、各種手続に関する書類の処理業務もかなり出てきました。
 例えば技術者不足と重複しますが、生活排水対策、浄化槽対策が出てきた時点で、私どものメンバーで、いわゆる水コンコンサルタントもいます。そういうところに、ぜひ出動してくださいというお話をしたら、何を言っているんですかと。国交省の下水道部、あるいは上下水道コンサルタント協会から相当せっつかれて派遣していると。もし、派遣したいのであれば環境省と国交省で人数の調整をして、派遣してくれというようなことを言われました。既に生活排水対策、浄化槽対策の人は出払っていると。浄化槽の技術者と上下水道の技術者は同じですので、そういうところで調整が必要だと考えております。
 それと、全国の自治体で、やはり廃棄物を担当されている人がいない自治体が多い。今回、たまたま環境課や、廃棄物担当課がありましたけど、実際廃棄物を担当している人がいない自治体が多いので、そういうところの自治体を今後、どう支援していくかというのが非常に重要だと考えております。大体、大部分の市町村は住民課で廃棄物担当というのを置いているかどうかというようなところです。
 最後になりますけど、これだけはぜひ言っておきたいことがあります。今回、浄化槽で着目がありましたけど、例えば南海トラフが起こった場合、浄化槽の被害は、地震の起こり方にもよりますが、特に浄化槽が多いとされている静岡県、愛知県、三重県、高知県、徳島県、宮崎県、これは浄化槽の設置基数が全然違います。特に水洗化率が低い和歌山県、徳島県は浄化槽が圧倒的に多いです。特にリアス式海岸ですので、そういうところで起こった場合にどうするかという問題があります。
 したがいまして、今後起こる災害は広域で、かつ激甚な災害が起こる可能性が非常に高いということもありますので、例えば都道府県や、あるいは地方ですね。関東地方とか、東北地方とか中部地方、そういう地方をまたいで、あるいは都道府県、市区町村をまたいで大きな被害が生じるような災害が起きる場合が非常にリスクは高くなっていると思います。
 その場合に、マネジメント支援機能をいかに行っていくかということで、その総合調整をどう行うか。あるいは、その機能を確保していくかということが非常に大事だと考えております。
 以上で私の話題提供を終わらせていただきたいと思います。
 
(酒井座長)
 藤塚様、どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、石川県の道下様から説明をお願いしたいと思います。今日はオンラインで接続していただいております。災害対応の業務でお忙しいところ今日はお付き合いいただきまして、どうもありがとうございます。それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
 
(石川県)
 皆様、こんにちは。石川県生活環境部次長の道下でございます。オンラインで失礼させていただきます。
 まずは、全国の自治体を初め、企業、団体、環境省など、そして多くの皆様方のご支援、ご協力に感謝申し上げます。誠にありがとうございます。
 昨年の元日に能登半島地震が発生し、大きな傷が癒えない中、追い打ちをかけるように9月には観測史上1位を記録する奥能登豪雨が発生し、災害史上異例の複合災害となりました。
 まずは、映像を見ていただくのが分かりやすいと思いますので、ビデオを見ていただきたいと思います。
(動画再生)
 石川県の北部に位置するのが能登半島でございます。平成23年に世界農業遺産「能登の里山里海」として初めて認定された地でございます。自然豊かな景観がありますし、自然と人が共生する人々の暮らし、地域が一つになる祭りや伝統文化がある地でございます。
 1月1日、能登の姿は一変しました。令和6年能登半島地震の発生です。最大震度7、地震の規模はM7.6。
 被災状況でございます。このように1階部分が潰れた家が各地で見られております。また、内浦側では津波の被害、そして、外浦、日本海側では4mを超える海底隆起が発生しました。輪島朝市の火災、そして、能登南部の内灘町では、液状化の被害に見舞われました。
 道路、水道、電気、通信といったインフラが各地で寸断され、文化財も伝統工芸にも被害が生じました。
 ここからが9月21日の水害の状況です。2日後に撮った映像でございます。これは輪島市町野町で河川が氾濫した状況でございます。至るところで山腹崩壊が起き、麓の住家が土砂に流されております。
 こちらは輪島市の門前の状況で、河川が氾濫し、川沿いの家が流木と土砂に流されております。こちらは手前に流木が見えるほか、白い建物が見えますが、これが地震の仮設住宅でございます。ここでは床上浸水が起きております。
 それから、輪島市街の状況ですが、茶色くなっているのが水害のところでございます。ここでも仮設住宅が被害を受けております。
 復旧支援の状況です。発災後、直ちに国と県による災害対策本部が設置されました。救助活動が進められております。物資輸送、自衛隊が徒歩により、孤立集落で物資を運んでいる状況でございます。避難生活の状況でございます。
 ボランティアは延べ、これまで18万人を超える方々にご協力いただきました。ありがとうございます。
 復旧工事の状況で、仮設住宅は一部現在も建設が進められております。
 様々な応援、義援金などをいただきました。改めて皆様方からの温かいご支援に感謝いたします。
(動画終了)
それでは、ちょっと画面を切り替えます。お待ちください。
 今回の地震があった能登半島は、三方を海に囲まれ、平地が少ない半島という地理的な制約がある地でございます。拠点都市、金沢から離れた過疎・高齢化が極めて高い、制約のある地で発生した地震でございます。金沢からは130km離れております。過疎・高齢化ですが、全国の高齢化率が28.6%に対し、奥能登2市2町では、40%後半から50%を超えてきております。
 被害状況についてはご覧のとおりでございます。
 奥能登への幹線道路が、先ほども皆様方から話がございましたが、全て被災したということです。2市2町には1週間たった1月8日時点でも3,300人が孤立した状況にございます。
 一般廃棄物の処理施設の被災状況でございます。左からごみ焼却施設でございます。4か所が被災し、復旧には最大81日間となっております。
 真ん中のし尿処理施設は、能登地域の7か所が被災し、復旧には地震で最大6か月かかっております。この災害に遭った輪島の施設では、豪雨で再び被災し、復旧にはさらに3か月かかったという状況でございます。
 右の最終処分場については4施設が被災し、うち1か所は搬入道路の土砂崩れにより、現在も使用できない状況にあります。
 このほか、民間の産廃施設も被災しております。
 下のほうを見ていただきますと、生活ごみやし尿の処理ができなくなったため、県外自治体や隣県はもとより、全国の団体に収集運搬にご協力いただきました。県南部や隣県の施設で処理するということになりました。ご協力いただきました皆様に感謝申し上げます。
 多くの人材も石川県及び自治体に入っていただいております。特に環境省には直接県や被災自治体に常駐いただいたり、関係団体等との調整を通じ、多くの支援をいただきました。
 また、全国の自治体から直接ご支援をいただいております。誠にありがとうございます。
 災害廃棄物の処理体制でございます。地震から1か月経過した2月上旬に基本方針を策定しております。
 令和7年度末の処理完了を目標として、可能な限り分別や選別、再生利用等を行い、最終処分量の低減を図る。損壊家屋等の解体・撤去は、現場における分別解体を原則とする。市町の施設での処理を原則とし、困難な場合は、県内処理施設を活用し、期限内での処理完了に向け、県外での広域処理を行うことなどを努めております。
 2月末には実行計画を策定しております。
 県では、災害時応援協定を県構造物解体協会と、県産業資源循環協会とそれぞれ締結をしておりました。これに基づき、市町では解体協会に解体と運搬を委託し、22,000棟を解体することとしました。この22,000棟という数字は、防災科研の地震被害推定値に環境省の解体率を掛けて算出したものでございます。
 令和7年、今年の10月までの解体完了とし、解体班数は600班としております。現場で分別し、仮置場まで構造物解体協会が運搬する。
 また、産業資源循環協会には仮置場の設置、運営処理を市町が委託しております。陸上輸送はもとより、海上輸送を活用し、コンクリートがらについては、被災地での再生利用をする方針としております。
 こういう中、昨年8月、公費解体がなかなか進まなかったこと、解体申請棟数の見込みベースを超え、22,000棟を超えてきたことから8月には公費解体加速化プランを作成しております。このときの解体見込棟数は1万棟増の32,000棟と推計しております。
 計画的にこの解体を進めるため、解体完了から逆算して、月ごとの解体計画を設定し、市町ごとに進捗状況を見える化し、公表することとしました。ピーク時には1,120班体制で、1か月に2,400棟を解体する計画としております。
 このためには、まず申請受付から解体工事等の円滑化を図る必要がある。工事管理や現地調査を行うコンサルタントの増員のほか、環境省等の支援を受けまして、手続の簡素化を進めています。
 解体業者の大幅拡充でございますが、これは解体協会にご協力いただいて、全国の解体業者のご協力をいただいています。1,120班を超える解体班を確保いただきました。
 また、写真のようなコンテナハウスを宿泊場所として確保しております。2市2町で必要な3,400人分を確保していただいたところでございます。
 また、自費解体の活用の円滑化でございますが、奥能登2市2町では、産廃業者がほとんど被災したということもあり、自費解体の申請はほとんどございませんでした。このため、環境省と連携しまして、自費解体ガイドを作成し、手引きやお役立ち情報を公表して、自費解体の促進を図ることとしました。
 そういう中、先ほどのビデオにございましたとおり、9月21日に奥能登豪雨が発生します。奥能登全域で公費解体を中断し、写真のように重機が土砂で埋まる状況となりました。9月の解体棟数が計画の336棟を下回ったため、解体班数を1,200班体制とすることとしました。
 こういった中、先月1月、解体棟数がさらに解体見込棟数を上回ってきたということで、公費解体加速化プランの改定を行っております。市町が申請棟数の推移や奥能登豪雨の影響も含め、解体見込棟数を見直しております。
 その結果、県全体の解体見込棟数は、39,000棟、そして、災害廃棄物の推計量は410万tとしております。
 公費解体加速化プランの改定に伴いまして、月ごとの解体計画を見直しております。解体完了から逆算して、これまでの実績から4月以降をピークとして、1,200班体制で、1か月当たり、3,100棟を解体することとしております。
 410万tの災害廃棄物が出ますが、このうち昨年の12月末までに、113万tの処理が完了しております。来年の3月までの処理完了から逆算して、これまでに最大月に22万tであった処理量をピーク時には27万tまで引き上げる必要があるということになりました。運搬体制の強化や広域処理先の拡充が今現在の足元の課題となっております。
 仮置場の運用・管理でございます。仮置場は順次追加していきましたが、利用できる土地が少ないため、これ以上大幅な仮置場の確保は見込めないということであります。仮置場の効率的な運用管理が必要になっている状況でございます。
 それから、搬入・排出時間の調整による仮置場の効率的なオペレーションやデジタル技術を活用した一層の効率化を図る必要があるといった状況でございます。
 運搬体制でございます。金沢市内に積替え場所を設置しております。また、海上輸送については、3隻体制で現在進めておりますが、さらに追加調整をいただいているところでございます。鉄道貨物についても、新たに東京都さんが整備されますコンテナも活用する方向でおります。
 そして、陸上輸送についてです。連結トレーラーといった大量に輸送できる車両を活用し、効率的な運搬を図るとともに、ひと月当たり、これまで22,000台の台数を活用していましたが、4月のピークに向けては、29,000台が必要になってくるといった状況にございます。
 これまで公費解体はオレンジの30自治体にご協力をいただいておりますし、民間施設については18業者の御協力をいただいています。さらにごみが増えることから、こういう広域処理施設の拡充をさらに進める必要があると認識しています。
 公費解体、そして廃棄物処理を円滑に進めるために、毎週、工程管理会議を開催し、ボトルネックの解消や進捗管理、そして情報の共有を図っているところでございます。
 ここからは、公費解体に加えて古民家再生といったところでご紹介をさせていただきます。
 公費解体がこれまで半分近く進んできた一方で、一旦公費解体を申請された方でも、先祖代々の家が被災し、これを補修するか、解体するか悩んでいる方がおられる方や、急いで解体した後、後悔する方もいる状況です。現在、市町に対して、解体の留保の申出があれば、所有者の意思を尊重して柔軟な対応をお願いしております。
 半壊の住宅を修繕したい方や、住んでいない住宅を賃貸に活用したい方に向け、県内の民間団体では、調査、相談に無料で応じるワンストップ窓口を設置いただいております。そして、窓口の拡大も行われている状況にあります。
 下の図は、古材の関係ですが、自費解体するケースで、まだ使える柱などの木材を回収し、古材として活用する場合もあり、この窓口では、こうした相談も受け付けている状況であります。県では、こういった取組を公費解体と併せて推進しております。
 以上、ここまでが本県の取組について説明させていただきました。
 課題と対応策でございます。現在も公費解体や災害廃棄物処理への対応中であり、今は、まだ十分な振り返り、検証が行える状況ではありませんが、これまでの取組を踏まえ、今後の大規模災害への備えとして、幾つか提案をさせていただければと思います。
 一つ目は人材確保でございます。環境省さんの職員の方を初め、全国の自治体職員皆様の県庁や被災地への支援、本当にありがとうございました。
 地震の規模に応じて、あらかじめ必要な人員を整理しておくこと、人的支援の受入れ体制、先ほど全都清さんの話がありましたが、受援体制をしっかり検討していく必要があると考えております。
 二つ目でございます。申請に必要な添付書類が明確ではなく、市町ごとに様式を作成したことから、体制構築に時間がかかったという状況であります。大変スキルのある人材バンクの方々にご協力いただき、各市町に入っていただきました。ありがとうございます。
 一方で、それぞれの市町で申請様式をつくることになり、後で調整が必要となったということでございます。そういうことから、あらかじめ国による統一した申請様式等の整理をいただけるといいと思います。
 また、今回、環境省さんより多くの通知を発出していただきました。今後に備えて改めて整理いただき、いずれの災害でも対応、使用可能なマニュアルを整備していただきたいと考えております。
 三つ目でございます。公費解体と災害廃棄物の委託先の確保でございます。今回の規模で、まずは県内の両協会でも対応できると考えておりますが、両協会では、大変マネジメントに苦労している状態であります。
 今回の規模を超えるさらなる大規模災害が発生した場合には、できれば国が中心となった支援体制もあらかじめ検討にしていただくと助かると考えております。
 続きまして、四つ目でございます。管理システムの構築でございます。仮置場の運営から災害廃棄物処理に至る管理システムでございますが、デジタル技術を活用したシステム構築に時間を要してしまったといったところにあります。
 産業資源循環協会では、電子マニフェストを活用した電子化などに6か月間の期間を要してしまいました。処理状況の確認のため、当初は紙マニフェストを使用したといった状況にございます。
 発災後、速やかに利用可能な、一貫して管理できるシステムについて国において検討いただければ、次の大規模災害の備えとして様々な自治体で活用できるかと考えております。
 最後になります。ブロックの境を超えた広域処理でございます。地方環境事務所ごとに支援の順位付けを検討いただくことは大変有効と考えておりますが、その一方で、ブロックの境にある自治体では、近隣の他のブロックの自治体が近いというケースもございます。
 本来、大量輸送できる船が奥能登から直線距離で70kmと近いところに関東ブロックに入ります新潟県のセメント工場があったということで、大量の木くずの処理をお願いしております。
 大規模災害時には、ブロックの境を超えた柔軟な対応、運用が必要と考えております。
 以上、現時点での提案をさせていただきました。
 改めて皆様方からの温かいご支援に感謝いたします。まだまだ能登半島地震による公費解体や災害廃棄物処理が続きます。様々な課題が出てくると思います。今後ども引き続き継続してご支援賜りますよう、お願い申し上げまして、私の説明を終わります。ありがとうございます。
 
(酒井座長)
 道下次長、どうもご説明をありがとうございました。
 この後、質疑に入ります。石川県へのご質問もあるかも分かりませんので、今しばらくお付き合いいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
 それでは、今ヒアリングをさせていただいた3機関の方々への質問、ご意見をお願いしたいと思います。名札もしくは挙手ボタンでの意思表示をどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、会場から行かせていただきます。浅利委員からお願いいたします。
 
(浅利委員)
 まずは、3者とも本当にありがとうございます。まず、全都清の河井様にご質問です。
 一つは事実確認で簡単な質問かもしれませんが、現在大体人口で85%ぐらい会員さんがカバーされているということですが、会員以外の方に関しては基本的に派遣しないというようなルールをお持ちなのか。暗黙かもしれませんけどあるのか確認が1点です。
 あと、もう一つ、人手不足に関してはコンサル協会も同じですが、環境省の人材バンクで、数年前から取り組んでおりまして、今回もその中での派遣もあった、かなり増えてきたということなんですが、その辺りで、もう少し工夫が必要なことはないか、ご要望やご提案があったらお伺いしたいのが2点目です。
 そこはもしかすると、全国の地方事務所でも災害廃棄物の対策のブロック協議会を持っていると思いますが、そういったところとの連携みたいなものも含めて、できることがないかなという意味合いでの質問です。
 一部、それに関連したところをもしコンサル協会からも見解があればお伺いしたいと思いました。
 石川県は本当にまだまだ大変な中でありがとうございます。大分先の話になるかもしれませんが、事前にも災害廃棄物処理指針という計画をお持ちだったと思います。その中で役に立ったこと、もしくはもう少し配慮しておけばよかったというような、またノウハウも後々でも結構ですので、フィードバックいただけましたらありがたいです。
 以上です。
 
(酒井座長)
 ありがとうございます。それでは、オンラインの大迫委員、お願いいたします。
 
(大迫委員)
 ありがとうございます。いろいろと状況を理解できました。
 一つだけ石川県に質問があります。石川県でかなり市町村にも技術支援なり、人的支援なり、あるいは産業界との調整も含めて、役割を大変ご苦労されて、果たされておられるというふうに思っております。その上でになりますが、通常これまでの過去の災害ですと、この規模だと県の代行処理のようなことも行われてきた実績、事例が多いわけです。
 今回、市町村がかなり脆弱な状況の中での被害だったので、そういうところの判断もあったのではないかと思いますが、結果的に代行のほうは使えなかったというのは、例えば二次仮置場のスペースが確保できないので、その二次処理という形での県の関与というところがなかなか難しかったとか、あるいは体制的になかなか代行を担っていくということに関して、難しい部分があったりとか、ご判断の中での理由みたいなところがあれば教えていただければと思います。
 以上です。
 
(酒井座長)
 大迫委員、ありがとうございます。
 それでは、続いて吉岡委員お願いいたします。
 
(吉岡委員)
 どうもありがとうございます。
 これはどちらにお聞きすればいいのか難しいところではありますが、従来からこの検討会で、いわゆる支援体制をどうするのか、あるいは支援の在り方をどうするのかというのと同時に、受援でも、その体制を整えるであるとか、そういったことが重要事項として方針の中に盛り込まれてきました。
 今回、支援する側としての、ある程度被災経験をお持ちの方が行かれた場合の支援というところや、それを受ける受援側との間のコミュニケーションのところについては、いわゆる従来の指針どおりで十分であったのか、あるいは新たにコミュニケーションというところの何かしら方向性みたいなものが必要であったのか。その辺について少しお聞きしたいと思います。
 これは、まず全都清にお聞きした上で、石川県にもお聞きしたほうがいいのかなと思います。お願いいたします。
 
(酒井座長)
 続いて、勝見委員お願いいたします。
 
(勝見委員)
 ご説明いただきまして、どうもありがとうございました。現場の大変なご苦労を部分的ではございますが、理解をさせていただいたということかと思います。
 質問は、藤塚様のご説明で、最初の5枚目ぐらいの技術者派遣の現状についてというところで、派遣チーム単独で解決できる問題以外にも、派遣チーム自体の能力では十分対応できない場合もあるということでご説明いただきました。その後で、それに関する具体的な事例、事項を2、3ご説明いただいたという理解はしております。
 それ以外にもし大きなところで、あるいは総括的にこのコメントについて、ぜひこういうところが難しかったと、欠けているということがございましたら藤塚様、あるいは河井様のところも関係するのかもしれないなと思いますので、コメントをいただけるとありがたいなと思いました。よろしくお願いいたします。
 
(酒井座長)
 島岡委員、お願いいたします。
 
(島岡委員)
 全都清の河井様に対して、質問です。いつも多くの自治体が支援されていますが、この支援は、能登半島地震の場合は正月に発災、全都清におかれましても限られた人員の中で、支援調整をどうされているのか。電話作戦なのか、それとも、日頃から何か決めごとがあるのか。どのようにして支援自治体を絞り込んでいかれるのかよろしかったら教えていただければと思います。
 
(酒井座長)
 安富委員、お願いいたします。
 
(安富委員)
 お三方、ありがとうございました。
 細かい質問と、そして最後にちょっとコメントです。全都清の説明の中でちょっと気になったところで、一つ環境省が宿泊場所をいち早く確保したということで、奥能登青少年何とか。羽昨市ですか、かなり手前ですね。宿泊場所の確保は、とても今回、どんなボランティアもそうだし、すごく大事だったので、どうやってうまいことやったのかなというのが、個人的にありました。
 情報不足というところで、社会福祉協議会から情報があったというのは、これはボランティアセンターの関係ですか。社会福祉協議会がボランティアセンターを運営されるというところから、そこからごみの情報が出て、上がってきたのかという点です。
 
(全国都市清掃会議)
 実際は行っても、誰に聞いても分からない。支援は行きますが、誰に聞いても分からないので、そこでたまたまいた人が社会福祉協議会の人だったので、市の人では対応できなかったんですね。社会福祉協議会の人が、あそこを取ってくれないか、ここを取ってくれないかと言われて、そこでやり始めました。
 
(安富委員)
 ということは、市の人はなかなかそこまで手が回らなかったということがあって、社会福祉協議会の人は割とそれを御存じだったという。
 それでも、今後ちょっと生かせるかなと。ボランティアセンターとか、そういう形でタイアップすればいいかなと思いますが。
 それと、藤塚様の最後で、やはり僕が一番大事だなと思ったのは、広報戦略と書かれていましたが、全国自治体の関係者にまだまだよく分かっていないというところの広報戦略は、やっぱり環境省のほうも全面的にバックアップされてやって、もっと進めていくべきだと思います。
 それから、最後に石川県の話を聞きながら、前回からずっと公費解体とそれから修繕等の話がありますが、これは、私はもともとマスコミの出身なので、今回一番納得いかないのが、公費解体が進まないことが、イコール復旧が進まないというふうな論調のマスコミがテレビにしても、新聞にしても多いです。これをまず間違いだということをしっかりと教育していただかなければいけない。これはもちろん環境省もそうだし、石川県もそう。
 阪神・淡路のときに、おおむね3月ぐらいまでに、かなり解体が進んでいました。今のこの資料を見ていると、8か月ぐらいまでに職権滅失登記ができたというから、それまでは意外と自費解体が進んでいて、公費解体がそんなに進んでいないかと僕は思うんですよ。でも、その割には、イメージとしてはかなり早く神戸の被災地の片づけが済んだというイメージが僕の中ではあります。
 これは酒井委員の専門だと思いますが、一つは、例えば能登の場合は、がさっと潰れて、もう公費解体どころではなくて、本当は早く片づけなければいけないようなものと、それから、特に能登町辺りに大きなお屋敷みたいなのがあって、見た目はしっかりしていますが実は住めないと。半壊とか全壊認定になるというところの対応というのは随分違うと思います。
 イメージとして、例えば輪島の真ん中の朝市のところの潰れたのが何か月も残っているというのは、確かに復旧は進まないよなと思いますが、能登町とか、珠洲とかに行くと、そうではないところもたくさんあって、皆さんもすごく悩んでいるんですよね。さっきの古民家の活用の石川県のお話もありましたけど、よく考えたら、これは潰さないと。これは中越のときにもそういう話がたくさんありましたが。
 だから、そこのところって公費解体、イコール復旧だというイメージをまずあまり進めないほうがいいのと、やはり石川県さんも今このご説明の中で、修繕というのももちろん進めておられるので、こういう相談窓口というのはなかなか難しいですが、こういうのを進めていかないと、潰さなくてもいいものを潰したりしてしまうということがたくさんあります。そうすると、当然ごみがたくさん出てくるということで、この辺はこれからの大きな課題ではないかなと思います。
 以上です。
 
(酒井座長)
 ありがとうございます。
 あとお二方手が挙がっていますので、ひと通り質問、ご意見をお聞きして、その後、それぞれからご回答をいただく、そういう流れでまいりたいと思います。
 それでは、大塚委員、お願いいたします。
 
(大塚委員)
 公費解体に関して、所有者の同意などの関係で、実際にどの程度苦労されたかという話を、石川県に具体的に教えていただけたら大変ありがたいです。
 それから、途中で法務省と環境省から事務連絡が出ていたと思いますが、それが振り返って事務手続が円滑化することの役に立ったと環境省の方ではご説明いただいていますが、実際にどうだったかというのを教えていただけるとありがたいと思いました。
 以上です。
 
(酒井座長)
 それでは、もうお一方。金澤委員、お願いいたします。
 
(金澤委員)
 石川県は、まだまだ災害対応、災害廃棄物処理対応が大変な中、本日ご出席をされ、ご報告をいただきました。本当にありがとうございます。その中で、石川県に1点お伺いしたいことがございます。
 先ほど資料の6ページになりますが、災害廃棄物の処理体制ということで、先ほど大迫委員からも少しお話がございました。ここでは、被災された市町が県の構造物造体協会や、県の産業資源循環協会、また、支援に回った市町村というところと直接、解体運搬委託、もしくは仮置場の設置運営処理委託等の委託を被災された市町村が行っているというような状況です。
 ここで、例えば石川県が処理委託を受けて、石川県としてやるという手もあったかと思いますが、どうしてこういった手法を選択されたのか。もし教えていただければありがたいというふうに考えております。
 以上です。
 
(酒井座長)
 どうもありがとうございました。大変多くのご質問をいただきました。
 それでは、発表順に全都清の河井事務局長、コンサル協の藤塚専務、そして、石川県の道下次長、この順でお答えいただければと思います。よろしくお願いします。
 
(全国都市清掃会議)
 ご質問をありがとうございました。
 浅利委員からお話いただきましたこの全都清の人口カバー率、この85%というのが大きな都市が大部分入っていただいていますので、大体入っていない中を除くと15%の方は違いますよというような表現の仕方でした。
 では、その方に支援を求められるのかというと、多分、求められると思いますが、もともとうちに入っていないのはやはり小さな市町村が多いので、収集をしている、していないというと、やはり民間委託にはしていると思いますが、直営部隊は当然持っていませんから、そこで参加してくれるかどうかはまだ不明で分かりませんが多分、お願いをしていければ、それになるのかなと思います。
 一方で、会員の方がいろんな工夫をしながらお声をかけると参加してくれます。それと、現地とのつなぎ合わせを私どもでやっていますので、そうすると、大体今回の能登半島でも、間に合っているというかなんとかなっているというような状況でございます。
 そのような中で、先ほど島岡委員からいただいた、支援の仕方をどうしているのかというと、会員自治体に対して、2年ぐらい前に実はアンケートをしています。災害が起こったときに、自治体として支援できますか、できませんかという話から、実は焼却工場でもし来たときに、受けることができますか、できませんかと聞いています。
 そこで聞いて、大丈夫ですよというふうなところに丸をつけてくれて、それを集約していますので、そこをベースに、まずは近隣の市町村に私どものほうで当たって、実はこういうことなので、収集車は出せますかとか、焼却工場の受入れは可能ですかというふうに聞くと、回答が返ってきます。
 ただ、電話をしたやり取りの中でも、基本的には行くけど、いつから行けばいいんですかと、そちらのほうの話になります。そうすると、日程調整のほう実は時間がかかってきますので、いついつだったら行けるのかとこちらも聞きながら、では、ここだったら平気で、こっちだったら大丈夫だという話をしますので、現地にいる方と、いつだったら、この台数だったら確保できますよという話をしていって、送り出すというふうな流れになってございます。
 我々もメールのほうが皆さん楽ではないかと言いますが、メールでやって、返ってきて、本当に行ってくれるのか心配なんです。
 例えば実際にもう現場は困っているので、例えば20台欲しいと言われたときに、20台何とかしようと思うわけですよ、こちらは。それで、一生懸命して、いつから行けますか、いつからと、では、いつから平気ですねと念押しまでして、では、ここから行けますからという話をしないと、メールで来たから、20台オーケーですとぱっとやって、実際に20台行けなかったら現地が困りますので。
 実はそれが一番心配で、現場をなかなか困らせるわけにはいきませんので、そういうような形でやって、現場との調整をしながら送っているというような状況でございます。
 それと、先ほど自治体職員が少なくなっている中で、どういうふうにしていけばいいのかと、何かありますかというと、私もこれはしようがないと思うんですね。今の世の中から言うと、行政職員もだんだん少なくなっていく中で、その中で、実は廃棄物に携わる人も当然少なくなってくるのはもうしようがない。ただ、廃棄物に携わっている方のキーパーソンみたいなのをつくれないかなと思います。
 委託をされようが、何をしようが、ごみを知っていれば、実は災害があったときに、こういうふうにしましょうというふうに、その都市に一人や二人いてもらえれば、困ったときに、実はこうしましょう、ああしましょうというふうに捌きができる人がいれば、支援に行ったときもスムーズに行くのかなというふうに思っています。そういうことが何かできれば、キーパーソンさえその自治体にいてくれれば、うまく回っていくのかなと思います。
 それと、先ほど吉岡委員からの支援と受援のコミュニケーションは、初めは絶対できません。我々も何回も支援をいろいろして、初めは必ず初期の段階でトラブルというのが出てきます。それでやっているうちに、だんだん出てきて、当然仲よくなっていくんですが、そこを、先ほどここでお話をさせていただいたのは、組織づくりが大切と。誰かが中に入ってあげてうまくつないであげると、初めからうまいコミュニケーションができる中でいけるのではないかというのは、この方向性の2番のところで示しています。
 初めは多分向こうは、この忙しいのに何をしに来たんだという一方で、行くほうからすれば、一生懸命来たのに、何で指示してくれないんだという、多分そこはどうしても曖昧になる。
 ただ、やっていくことで、コミュニティができますので、やっぱりこれを何とかしないといけないとお互い思ってくれて、そこに誰が取っかかりの人がいて、お話し合いができるような人がいてくれれば、うまくスムーズにすっと行くのかなというふうな形でございます。
 大体、皆さんからいただいたお話はこのようなところだと思います。
 
(酒井座長)
 どうもありがとうございました。
 続いて、藤塚様、お願いします。
 
(持続可能社会推進コンサルタント協会)
 浅利委員の人手不足の件について、まさに全都清と同じで、人材バンクと絡めますと多分、現役というよりもOBの人。ただ、その場合問題は、例えば健康状態だとか、ロジスティックを誰が手配すのか等の問題はあると思います。
 OBを活用するのは一つの手だと思っていますし、私どもが人を集めるときは、やはり最後は電話になります。全員の携帯電話番号を登録して、いつから行けるのか、1日だけ行ける人がいる場合も結構多いんですけど、それはちょっと待ってくれと。連続しないで1日だったら、行き帰り1日で、3日のうち1日働けないのは駄目なのでということでやっています。それはやむを得ない手段で、結局はやっぱり電話で一個一個潰していくしかないと考えております。
 あと、それともう一つ人手不足の点でいいますと、私どもの会員は41社ありまして、大手が3分の1から4分の1、あと、小さいところが廃棄物専門でやっているところも含めまして、半分以上ですけど、大体地方に小さいコンサルタントというのは多いので、そういうところを拠点にして、今後、その地方で災害が起こったときには、そこに本社があるコンサルタントを核にしてやっていくのかなというふうなことを考えております。
 それと、勝見委員からご質問がありました派遣チーム単独で解決できる問題以外にも、派遣チーム自体の能力では十分対応できない場合もあるというのはどういうことかと。具体的な事例で言いますと、例えば物理的な事例。例えば廃棄物がいっぱい出て、どのぐらいの発生量があるか見に行きたいというのは、道路がふさがっている場合、あるいは迂回路がない場合は、物理的にできないことがあります。もう一つは、実は物理的には可能でも、その行った派遣チームのスキル、専門性等、要求される専門性が急に変わることがあります。
 例えば当然固形廃棄物で行きますけど、急に水をやれと言われても、できないことはないけどそういう場合は、すぐ本社に電話して相談するとか、次のチームは水専門チームに変えるとか、ニーズがやっぱりころころ変わりますから、そういう場合には、なかなか対応できない場合があります。そのニーズが変わるのはやむを得ないと考えております。
 
(酒井座長)
 どうもありがとうございました。
 それでは、道下様、多く質問をいただいておりますので、可能な範囲でご回答いただければと思います。
 
(石川県)
 まず、浅利委員からいただきました廃棄物処理計画、あらかじめ作成した計画がきちんと機能していたのかというご質問であったかと思います。
 石川県では既に災害廃棄物処理指針という名前の処理計画を策定しておりました。しかしながら、まずは地震の規模ですけど、今回の能登半島地震はM7.6、私どもが前につくっていたのが、マグニチュードは最大でも7.0というような地震の規模でした。今回、本当に地震の規模が大きかったので、想定外ということがまずあるかと思います。
 それから、過疎・高齢化もかなり進んでいるということで、そういうところはあまり考慮されていないといったような状況でございます。
 今現在、石川県の防災担当部局では、地域防災計画の想定地震の見直しを行っております。これによって、地震の最大規模は今のところ、検討中ですけど、マグニチュード8.1ぐらいを考えておりますので、当然我々の計画も今後見直していく必要があろうかと思っています。
 それから、二つ目。権限代行のお話が大迫委員と金澤委員でいただいたと思います。もちろん市町から県が権限代行を受けるということは想定されることですけど、今回の地震は、まず能登では、二次仮置場をつくるところがあまりないことで、市町のものをいろいろ集めて1か所というような状況ではなかったというところがあります。
 そして、さらに県の協定があって、それぞれの協会と市町と契約ができるという体制があったので、それをバックアップすることにより、権限代行を受けたのと同様な支援体制を敷いておるというところでございます。
 それから、相続の話があったかと思います。同意がなかなか取れなかったのは、なぜかということで、これはやはり相続ですね。石川県の能登とかの古い家で、代々相続登記をしていなかった家がかなり多かった。それで、子孫の方が全国に散らばっている。なかなか所有者の同意を整理して、役所に提出することができなかったというようなところであります。
 そういうところから、環境省様のご協力をいただきまして、宣誓書方式活用というところもご助言をいただいたということであります。
 そして、滅失登記が進めれば、もともと価値がない建物ですから、その所有権が生じないというようなことで、これも併せて並行して推進していくということであります。
 ご質問になかった滅失登記の通知を出した以降の滅失登記の件数でございます。合計が一番多い市町で264件、全体で合計しますと300件ぐらいの滅失登記の処理が行われているといった状況にございます。
 それから、吉岡委員からコミュニケーションはどうしているのかということでお話がございました。もちろんこれは個々の具体的な行き場というのは市町ごとということで、市町で采配するということになりますが、なかなかそこは課題があるかと考えております。
 受援体制、受援計画といったところの中で考えていく必要もあるのかなと感じているところでございます。
 以上で私の説明を終わります。
 
(酒井座長)
 ほぼ、委員のご質問にお答えいただけたのではないかと思います。ご回答いただいた内容で、委員の方々はよろしいでしょうか。相当立ち入って聞かせていただきまして、どうもありがとうございました。
 それでは、二つ目の議題、ヒアリングはこの辺りにさせていただきまして、次の議事に進ませていただきたいと思います。これまでの大規模災害における取組のポイント及び課題への対応、平成27年法改正における災害廃棄物処理に関する施行状況、今後の巨大地震や集中豪雨等に向けて、さらなる対応が必要な事項につきまして、事務局で今回資料を準備いただきました。それらの説明をまずお願いして、その後、質疑に参りたいと思います。
 それでは、それぞれの説明をどうぞよろしくお願いいたします。
 
(岸災害廃棄物対策室主査)
 まず、資料2から事務局、岸よりご説明をさせていただきます。
 めくっていただきまして、2ページ目、目次になります。
 まず、これまでの大規模災害における災害廃棄物の発生量及び処理期間ということで、特定非常災害に指定された大規模災害に関して一覧でまとめた後、東日本大震災以降の各災害について、取組のポイントと課題への対応についてご報告したいと思います。
 こちらをまとめるに当たっては、これまでの検討会における対応状況の報告、また、自治体の記録紙等を参考にしながら、取りまとめました。
 また2.(6)になりますが、令和6年能登半島地震に関しては、今後のさらなる災害対応力向上に向けた平時の対策の方向性という形で、事務局案として提示をさせていただきます。
 では、続いて4ページになります。
 これまでも見ていただいている一覧表になりますが、前回ご指摘いただきましたので、非住家被害について追記をしております。冒頭申し上げるのを忘れましたが、災害廃棄物量については、これは多かった順で並んでおります。
 もう一つ変更点としては、上から3行目に令和6年能登半島地震を追加しております。被害の大きかった石川県、富山県、新潟県の3県を合計しまして、422万tという推計が出ております。
 続いて、6ページ以降、東日本大震災以降の特定非常災害に関する取組のポイントと課題、そして、その対応状況についてご報告させていただきます。
 6ページ以降、赤字に関しては、制度的な措置や、マニュアル等の作成によって対応してきた内容、運用的措置を記載しておりますので、そちらを中心にご説明させていただきます。
 まず、最初の赤字、東日本大震災については市町村から県への事務委託ということで、これは初めて災害廃棄物では事務委託が適用された例になりますが、岩手県で12市町村、宮城県で13市町村で事務委託が行われました。
 下の行、特例措置ということで、大量の廃棄物を処理していかなければならない一方で、被災した状況で混乱もある中、通常の一般処理体制ではなかなか対応が困難ということになりますので、特に産廃処理施設の活用や、再委託を認める特例を設置して、被災自治体の事務負担の軽減をしてきたというところでございます。
 これらの災害中の対応を踏まえて、8ページ以降になりますが、課題とその対応状況です。
 先ほどのヒアリングの中でも意見がありましたが、事前の計画が大事というところで、これまで震災対策指針や水害対策指針と複数指針がありましたが、それを統合し、内容を充実化して、災害廃棄物処理計画の内容を充実化いただく、策定を促進していただくという観点から災害廃棄物対策指針の策定が平成26年3月に行われております。これに加えて、指針をしっかり運用していただくというところで、モデル事業の推進を継続してやってきました。
 また、これだけではなかなか巨大災害への対応が難しいというところもございまして、2行目以降になりますが、巨大災害の対応を考慮した災害廃棄物対策について、グランドデザインをまとめていただきました。
 この中で、南海トラフ地震、また、首都直下地震等の廃棄物発生量を推計いただくとともに、対策のあるべき方向性というのを出していただいた上で、二つ目になりますが、対策スキームについて策定いただきました。こちらの中で、方向性を基本的な考え方に具体化していき、また、その中では制度的な措置をどのようにしていくのがいいかという方向性を示していただきました。
 そうした内容を受けて、その下になりますが、廃棄物処理法の改正、また災害対策基本法の改正を平成27年に行っております。
 こちらの内容については、次の議題で詳細を説明させていただきます。
 また、大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動指針ということで、これらの法改正を受けた対応を記載しました。特に地域ブロックにおける行動計画の策定指針をこの中で記載したり、法の中で規定されました環境大臣が策定する処理指針のひな形をこちらで提示をしております。
 続いて、9ページになります。
 やはり発災時は、支援を受けながら、皆さん対応していくということになります。真ん中のところになりますが、ここでいろいろご協力いただいた方を参考にして、災害廃棄物処理支援ネットワークという形で民間事業者や、有識者の方々に入っていただいて、このネットワークを発足したというところでございます。
 続いて、10ページに移っていきます。
 一つ目の赤字ですが、熊本地震では、幹線道路等にごみがあふれてしまったため、防衛省・自衛隊による撤去を初めて行った災害になります。
 また、公費解体進めていく上で、費用償還、自費解体スキームとして、所有者の方が解体事業者と契約をされて、後ほど費用の償還を市町村にしていただくスキームの導入をしたのがこの災害からになります。
 続いて、11ページになります。
 そうした対応を行った上での課題として、先ほど申し上げた生活ごみと片付けごみの混在化というところで、熊本市では、ごみステーションを活用されて、災害ごみ、片付けごみ等の収集をしてきましたが、それが街中にあふれてしまったため、こうした課題に対して対応していくための災害廃棄物対策指針の改定を行いました。また、その他の課題についても、災害廃棄物対策指針や、技術資料の改訂に基づいて対応しております。
 続いて、12ページになります。
 廃棄物処理法の第9条3の3の活用というところです。こちらの内容は、市町村以外の者が一般廃棄物処理施設を設置する場合に、届出で足りるとする規定ですが、こちらは事前に条例の制定が必要で、熊本地震では条例の設定をしていなかった自治体が多く、活用が難しかった状況がございました。それを受けて、条例を制定している自治体の事例集をつくりまして、事例を周知することで、活用のさらなる促進を図ったというところでございます。
 続いて、13ページでございます。
 平成30年7月豪雨になりますが、土砂災害が多く発生し、宅地等から出る土砂混じりがれき、こちらの撤去が課題になりました。環境省では、がれきの撤去が所管、国交省で土砂の撤去が所管というところもありまして、省庁をまたがるところを一括撤去スキームという形で、申請事務等の簡素化を進めることで、被災市町の処理促進を進めております。
 続いて、14ページになります。
 14ページの一番下の行ですが、今申し上げた土砂撤去一括スキームをしっかり進めていくという観点から国交省でがれき撤去の事例ガイドが策定されたり、環境省と防衛省で災害廃棄物の撤去等に関わる連携対応マニュアルを策定しまして、撤去に当たっては、ボランティアや、NPOの存在もかなり重要になるので、こうした関係者との役割分担等を規定しました。
 また、東日本大震災以降、被災経験自治体の知見を活用するということで、被災経験のない自治体からすると、経験のある自治体の職員に来ていただくというのはかなり心強いというところがございます。これを制度化しようというところで人材バンクが令和2年度にできました。
 15ページになります。
 一番上、災害時の一般廃棄物処理に関する初動対応の手引きということで、発災直後というのが一番混乱もしていて、まずは生活ごみ、し尿の収集、あわせて片付けごみが出てきて、多数の業務をさばいていかなければならないというところで、初動対応を強化していくべきとの観点から、こうした手引きを策定しております。
 また、産廃処理施設の柔軟な運用というところで、廃棄物処理法の規則の改正をしておりまして、産廃処理施設において、処理する産廃と同様の性状を有する災害廃棄物を事後届出によって処理できる制度をつくりまして、対応を促進していくということを行っております。
 続いて16ページになります。
 令和元年台風19号になります。こちらに関しては、ちょうど水田の稲を刈り取った後の災害だったということで、稲わらがかなり大量に発生しました。その稲わらを集積所まで運んでくるところは農水省の所管ですが、集積所以降の処理に関して、我々、環境省として支援をする、これは農水省と連携して対応することで、被災自治体の支援をしていくということを制度化しております。
 続いて、17ページになります。
 やはりこうしたいろいろな取組を通して、特に対策が必要というところが、一番上の処理計画の策定の促進です。それに加えて、やはり実効性を向上していく、中身の充実化をしていく、もしくはその見直しを定期的に図っていくということが必要というところです。右側の上から5個目になりますが、例えば小規模自治体や、処理計画未策定の自治体に関してはリーフレットという形で、少し簡単な形で処理計画を策定いただくとか、あとは災害廃棄物処理計画の策定点検ガイドラインを制定しまして、処理計画の見直しを促進していただくという取組をしております。
 続いて、令和2年7月豪雨です。19ページになります。
 取組のポイントとしては、一番上、現地支援チームで様々な関係者がいます。これはビジネスチャットツールを活用するとか、この辺りの災害からドローンや衛星情報の活用、あとは地図情報システムで情報を共有するなど、デジタルツールの活用が進んできております。
 続いて、20ページです。
 一番上になりますが、頻発して水害が起こると、やはり支援も重ねて行っていただくことになりますが、人材バンク支援員の方々に、現地に行って対応いただくときに、どんなことがニーズとしてあるのか、支援に役立つ資料の提供など、そういった点からマニュアルを策定しております。
 続いて21ページになりますが、令和6年能登半島地震になります。
 令和6年能登半島地震については、取組については前回ご説明済ですので割愛をさせていただきまして、23ページに移らせていただきます。
 これまでいろいろな災害の対応状況をご説明してきまして、いろいろ対応は進んできたところではありますが、やはり新たに課題が発生したところもあると考えております。
 例えば一番上の現地支援や受援体制の早期構築。先ほどヒアリングの中でも出てきましたが、例えば赤字1点目の事務委託というのは、どういった基準で行うべきなのか、都道府県の役割は何かという点や、被災自治体の人的・技術的支援のパッケージ化、どのような条件で派遣をすべきなのか、どういったニーズがあるのか等、整理が必要と考えております。
 また、そうした支援を行うに当たっては、やはりかなり多くの関係者が関わることになりますので、全体の調整、コーディネートの役割をする機能が必要と考えております。
 また、2点目、災害廃棄物処理計画の策定促進というところでありますが、これまでも災害廃棄物処理計画の策定には、いろいろな支援をしてきたところではありますが、やはりさらに踏み込んで取組を加速化させていくという意味では、処理計画や災害時の支援協定について、制度化などの対応が必要なのではないかと考えております。
 続いて、24ページになります。
 災害廃棄物発生量の推計について、この検討会でも多く議論していただいているところでございますが、デジタル技術や、様々なものを活用しながら、さらなる推計方法の改善が必要と考えております。
 続いて25ページになります。
 被災家屋等からの片付けごみの適正、円滑・迅速な撤去、仮置場等への搬入について、こちらもご指摘を持続コンからいただきましたが、搬入、搬出の管理手法の標準化や、処理困難物が処理の停滞を招かないよう、事前の対策をどう考えていくのかという点がございます。
 また、その下、広域処理体制の充実になります。こちらも全都清からお話がありましたが、調整の円滑化等を考えていくと、どのようにやっていったらいいのかというところは事務手続等の合理化や、調整機能をどう設けるのかというところが課題となっているかと考えております。
 続いて、26ページでございます。
 公費解体のさらなる円滑化、迅速化というところで課題があると考えております。一つ目が、例えば緊急的な家屋の解体の調査など、速やかに実施するための体制や、仕組みがあるべきではないか。特に発災初期で混乱している中というところもありますので、そうしたものの必要性の検討が必要です。また公費解体に関するデジタル技術の活用についても必要と考えております。加えて、前回もご指摘いただいたアスベスト等への対応等、環境調査・環境対策の対応も必要と考えております。
 以上でございます。
 
(高栁災害廃棄物対策室対策官)
 それでは、私、事務局の高柳より、資料3についてご説明をさせていただきます。
 1ページおめくりいただきまして、2ページ目でございます。
 平成27年に改定させていただきました廃掃法について、現行の制度の点検と法改正事項の自治体における活用状況、そして、課題について調査を実施いたしました。
 大きく二つの調査に分けて実施しております。災害廃棄物処理計画や災害協定の締結など、平時の備えを強化するための規定に関するものが調査①、そして、先ほど少しお話のあった一般廃棄物処理施設の設置等に係る特例など、そのような特例措置に関するものが調査②となっております。
 これら調査結果の詳細に関しましては、参考資料4にグラフ等々をつけながら整理させていただいております。また、参考資料5の17ページ以降に条文も整理させていただいております。
 今回、その部分について詳細のご説明はしませんが、基本的にはこの資料3をメインにご説明をさせていただこうと考えております。
 4ページ目になります。まず、調査①の結果になります。
 災害廃棄物処理計画の策定率に関しまして、市区町村においては85%、都道府県においては100%でございますが、計画の改定を行っている都道府県は5割にとどまっている状態でございまして、処理計画が未策定、未改定の理由としては、人員や専門知識の不足が共通して挙げられておりました。
 そのため、全ての自治体で災害廃棄物を適正かつ円滑・迅速に処理するために、処理計画をしっかりと策定、そして改定いただきまして、実効性のある処理計画とするには、地方環境事務所によるモデル事業の実施や、策定点検ガイドラインのさらなる周知ということによって、より一層支援をする必要があるというふうに考えているところでございます。
 次のページ、5ページ目でございます。
 こちらは災害協定についてです。こちらは都道府県においては9割、市区町村においては6割程度の締結率となっておりますが、災害協定を締結している自治体においては、支援協定リスト等が未策定や、協定の内容や候補先の不足などが課題として挙げられておりました。
 そのため、協定締結のための手引きや、ひな形の策定、そして、何かしらの事例の紹介といったことも有意義になるのではないかと考えているところでございます。
 次に6ページでございます。
 こちらは教育訓練についてです。都道府県は9割程度が定期的に実施なされていますが、市区町村の実施率がまだまだ2割と低い状態でございまして、訓練実施のノウハウがないといったところが課題として挙げられておりました。
 そのため、標準的な研修カリキュラムの作成や、地方環境事務所、そして、都道府県が開催する、このような研修訓練に市区町村の職員の参加というのを促していくということも必要ではないかと考えているところでございます。
 次に、調査②のほうに移らせていただきます。
 まず、特例について少し概要のほうをご説明させていただきますが、参考資料5の8ページをご覧ください。
 災害時の特例規定については四つございまして、第9条の3の2に関しましては、災害時に市町村が一般廃棄物処理施設を設置する場合の特例でございます。
 通常ですと届出を受理してから30日間、そして、最終処分場だと60日間を経過した後でなければ、当該届出に係る一般廃棄物処理施設を設置してはならないという形でございますが、あらかじめ都道府県知事から同意を得ていた場合であれば、この30日、60日間の法定期間を待たずに設置可能となる。そのような特例でございます。
 そして、9条の3の3については、これは災害時に委託業者が一般廃棄物処理施設を設置する場合の特例についての規定でございます。
 通常、民間事業者等による設置の場合は、都道府県知事に生活環境影響調査の結果を添付した申請書を提出しまして、一定期間の縦覧や、意見書の提出期間が設けられた後に設置の許可がなされるといったものでございます。平時は許可であることに対して、災害時は届出により、一般廃棄物処理施設を設置することができるといったものでございます。
 ただし、この特例を活用するためには、事前に条例で必要事項を定めることが必要でございまして、先ほど話があったように、この条例といったところが肝になってくるといったところでございます。
 次に参考資料5、11ページでございます。15条の2の5の第2項に関しての特例でございます。
 こちらは設置許可を得ている既存の産廃施設において、同一性上の災害廃棄物を処理する場合の特例となっております。平時においては、15条の2の5の第1項の規定により、事前の届出が必要ですが、この第2項の特例により、事後の届出で足りるようなものとなっております。
 さらに、参考資料5の14ページは施行令第4条第3号に関してです。これは収集、運搬処分等の再委託について定めたものでございまして、通常、一般廃棄物の収集、運搬処分は、再委託は禁止でございますが、非常災害時においては一般廃棄物収集、運搬処分を一定の条件の下で再委託することが可能となっています。
 それでは、すみません。資料3に戻らせていただきまして、8ページでございます。
 こちらは一般廃棄物処理施設の設置に係る特例の9条の3の2及び3の3でございます。こちらは、いずれも特例を活用するために必要な協議や、条例の制定を行っている自治体はあまり多くはございませんでした。
 その理由としては、既存の施設の能力で賄えるためという理由のほかに、特例規定そのものに関する知識、認識不足といったところや、条例の制定内容が分からないといったようなものが挙げられておりました。また、大規模災害が発生していないためというような理由もございましたので、このようなところをやはり認識の共有、向上が必要と考えております。引き続き周知はもちろん行わせていただきたいと考えておりますし、特例規定の活用事例の提示というのも引き続き行っていきたいと考えております。
 次に、9ページ目でございます。
 こちらは15条の2の5第2項について、こちら課題はないというような意見が7割ほどございました。
 その一方で、15条の許可を必要としない施設においても、特例規定を活用したかったとご意見等々がございます。なかなか難しいといったところもございますし、国主体で公的機関が処理委託先の候補の選定や市町村間の調整というものを行う必要があるというご意見もありました。
 こちらについても、特例規定の周知徹底や、活用できなかったとご意見もいただいておりましたので、その部分に関しましては、事実関係を改めて確認をした上で、必要な措置を検討していきたいと考えております。
 そして、最後に10ページ目でございます。
 こちらは施行令第4条第3号についてです。こちらも特例規定の認識不足や、委託について課題があるのではといったような自治体が多くございました。
 このため、再委託に関する課題についての事実関係、そして、事例の収集というところを改めてさせていただいて、その上で生活環境の保全や、公衆衛生上の支障の防止というのを前提としつつ、課題等を検証しながら必要な措置を検討していきたいというふうに考えているところでございます。
 まず、こちらについて、資料3についてのご説明は以上となります。
 このまま引き続き、資料4に移らせていただきます。
 今後の巨大地震や集中豪雨等に向けてさらなる対応が必要な事項といったところでございます。
 1ページめくっていただきまして、今回、目次として、1,2,3というような、このような形でご説明させていただこうと思います。
 まず、概要についてです。資料4ページ目でございます。
 まず、南海トラフ地震の概要でございます。こちらは南海トラフ地震でございますが、静岡県から宮崎県にかけての災害の分布でございまして、合計で約400万棟の被害棟数が住家、空き住家の区分なしでございまして、実際に東日本では、先ほどの資料にもございましたとおり、約130万棟程度といった形でございましたので、やはり大きい災害ということが改めて分かる形となっております。
 また、こちらは今回説明を省かせていただきますが、参考資料6の2ページに計画も載っておりますので、またお時間等がございましたら、拝見いただければと思います。
 それでは、このまま説明のほうを進めさせていただきます。次に、5ページ目の首都直下地震の概要でございます。
 こちらは名前のとおりですが、埼玉、千葉、東京、神奈川といった首都を中心に起こる地震災害でございまして、最大約61万棟の被害があるといった形となっております。
 次に、6ページ目でございます。
 日本海溝・千島海溝の周辺海溝型地震でございます。こちらは、まず、千島海溝モデルでございますが、えりも岬から東の千島海溝沿い、そして、日本海溝モデルに関しましては、岩手県から北海道のえりも岬沖合までといったところで、それぞれの範囲が定められているものでございます。被害棟数に関しましては、それぞれ8.4万、22万棟といったところで今のところ推計をさせていただいてございます。
 さらに7ページ目でございます。
 こちらは豪雨災害のことについても概要をまとめさせていただきました。こちらは気象庁の観測データ等々を取らせていただいて、まとめさせていただいたものですが、日当たりの降水量が200ミリ以上の大雨を観測した日数というのは、過去から今現在に関しましてどんどん増加傾向にあるといったところでございます。
 実際に気象庁が実施した将来予測においても、やはり二酸化炭素と温室効果ガスの排出が高いレベルで続いていった場合のシミュレーションでは、ほぼ全ての地域、季節において、日降水量が200ミリ以上の大雨や、あとは1時間当たり50ミリ以上の短時間の強い雨の頻度ということで、滝のような雨をイメージしていただければと思いますが、このような頻度が増加するといったことで、今後、さらなる大雨リスクの増加が懸念されるといったところでございます。
 こちらは地震と大雨について少しお話のほうをさせていただきました。
 その上で、今まで推進検討会等でもお話しさせていただいておりました部分に関しまして、8、9ページといったところでございますが、巨大地震に関する検討状況といったところでございます。
 参考資料6の5ページ目以降に、今まで推進検討会で検討してきた内容をまとめさせていただいております。
 ここでは、一例として、災害廃棄物の推計量についてのご説明とさせていただきます。政府全体での検討状況といったところですと、これらの災害は、東日本大震災、こちらは廃棄物の発生量は3,100万tでございますが、それを大きく上回る量の災害廃棄物が発生するといったところでございまして、やはり平時の備えというものをより一層やらないといけないというところが見えてまいります。
 そして、10ページ目以降のご説明に移らせていただきます。
 今後も巨大地震、そして、今お話しさせていただいたような豪雨等に向けて、さらなる対応が必要な事項について、我々、事務局の案を整理させていただいております。
 また、1)、2)という形で岸のほうからご説明させていただいた内容も踏まえながら、この整理をさせていただいています。
 また、これらの事項については、巨大地震や、集中豪雨発生時の備えであるとともに、やはり東日本大震災以降に発生した大きな規模の自然災害においても、もちろん効果を発揮するといったところで、そのような立てつけで考えているものとなっております。
 まず、取組について三本柱で考えさせていただいております。
 まず、一つ目が国における取組でございます。そして、それを受けた形での地方自治体における取組です。そして、地方自治体、国の取組を支援する専門機能の確立といった、このような三本柱で今考えさせていただいております。
 それでは、11ページ目から詳細を説明させていただきます。
 まず、災害の被害推計、そして、関係者連携等といったところでございます。これまでの推進検討会でも行っております巨大地震の際の災害廃棄物処理シナリオや、水害時の初動の迅速な片付けごみの対応、火山灰の影響や処理困難物に対する検討、知見の充実といったところは、もちろん引き続き必要と考えております。また、公費解体、解体工事の環境調査、環境対策などの対応、そして、関係部局との連携といったところも必要と考えております。
 次に、12ページ目でございます。
 こちらは災害廃棄物処理計画でございます。やはり平時における地方自治体の災害廃棄物処理計画の策定改定は、災害が大きくなればなるほど、極めて重要といったところが明らかでございます。市町村に関しましては、策定率を100%にしていきたいといったところがございますし、都道府県に関しましても、実効性向上という観点から計画の改定を促進していきたいと考えております。
 そして、この実効性の向上という観点から、処理計画や、災害協定の制度化といったところも今後、検討が必要と考えているところでございます。
 13ページに移らせていただきます。
 さらに災害協定の活用といったところ、こちらは災害協定の締結に関しましては、これまでの災害においても効果的でありまして、災害協定の締結の一層の促進や、協定内容の充実を図る必要があるといったところでございます。この協定の事前の検討事項の整理や、発動条件・手続等の整理といったところをしっかりと我々のほうでもやっていきたいと考えております。
 そして、事務手続の円滑化・合理化といったところでございますが、やはり災害が大規模な場合は、災害廃棄物処理に関わる各種事務手続などが大量に発生するというところを考え、適正処理を前提とした上で、事務手続等の円滑化・合理化を図ることができるのではないかと考えているところでございます。
 その一例といたしまして、公費解体の申請書類・手続等の円滑化といったところがございます。このような内容も含めて、巨大地震等における公費解体事務の取扱いについても、考えることが必要なのではないかと考えています。
 次のページに移らせていただきまして、14ページ目、支援体制でございます。
 こちらは今までお話いただいたとおり人員や、人材の不足が大きな課題でございまして、これまでの災害においても、同様であることを考えますと、特にこの巨大地震や集中豪雨の際には、自治体のみならず、国においても、当該課題がより顕著になると考えております。
 このため、被災自治体の廃棄物担当への研修・訓練・連携の充実というのはもちろんのこと、例えば先ほどお話があったように、人的・技術的支援を、被災自治体への支援を行うためのパッケージ化や、被災自治体が行う公費解体・災害廃棄物処理に対する事業管理、人的・技術支援、広域調整を行う専門機能・体制の確立・整備といったところもあるのではないかと考えております。
 そして、デジタル技術の活用という観点では、非常に大量の災害廃棄物が発生するということから、共通システムや、ツールみたいなものも我々のほうでできることがないのかを考え、デジタル技術、DXの活用も検討したいと考えております。
 15ページ、地方自治体における取組でございます。こちらは国の取組を受けて実際に行っていただきたいと考えている内容がございます。少々内容が類似する部分もありますが、例えば災害廃棄物処理計画に関しますと、地方自治法に基づく、市町村から都道府県への事務委託を想定した対応の整理といったところで、災害の規模や、被害の状況に応じて、事務委託の可能性というものももちろんございます。その辺りをしっかりとできればと考えておりますし、現地支援、受援体制という部分に関しましては、やはり巨大地震、集中豪雨等の場合は受援が必要になってくるということもございますので、受援体制の構築が必要になると考えております。
 そして、16ページ目です。
 災害協定の活用といったところでございますが、こちらは協定の内容の充実や、民間事業者や関連団体との連携の強化、デジタル技術の活用に関しましては、我々のほうで構築させていただくシステムを運用していただければと考えているところでございます。
 そして、最後に地方自治体、国の取組を逆に支援していただくような専門機能の確立も考えております。現地支援者の支援という形では、宿泊施設等の確保みたいなものも併せてこちらで考えさせていただいております。また、被災自治体職員の支援では、人員、人材不足が大きな課題になることから、各種調整支援を横断的に行う専門機能が必要なのではないかと考えております。
 先ほど少しお話しさせていただきましたパッケージ化のようなお話や、災害廃棄物の各フェーズ、工程に合わせた人的・技術的支援のマッチング機能みたいなものもあればいいと考えております。
 最後になりますが、18ページ目、19ページ目になります。
 口頭でいろいろと述べさせていただきましたが、イメージと考えているものがございまして載せさせていただきました。
 現状では、このような形で、申請受付、工事前調整、解体工事、災害廃棄物の処理といった形で、公費解体、かつ災害廃棄物の処理が行われているところでございます。各自治体でそれぞれのキーパーソンの方々と委託をしているところで、その中で調整等々が含まれてきます。
 そのような事務的なところを、ここに横断的な専門調整・支援機能というものを入れることによって、より円滑にいけるのではないかというふうに考えているといったところでございます。
 また、19ページ目に関しましては、例えばD.Waste-Netさん、そして、人材バンクさんのことを考えていった際に、今、環境省が派遣の調整や、派遣の要請などをさせていただきながら、支援のニーズの把握や、マッチング、派遣といったような形を被災自治体の方々と、各フェーズで調整させていただいていますが、やはりそこに、間にこのような形で入らせていただくようにすると、この派遣の調整等にかかっていた多くの時間が大分減るという形で、早期の復旧、復興のほうにつながっていくと考えているところでございます。
 以上となります。ありがとうございます。
 
(酒井座長)
 どうもありがとうございます。資料2、3、4で過去の振り返りから今後のさらなる対応について事務局案を提示いただきました。これらへのご意見をお聞きしたいと思います。
 それでは、挙手ボタンと名札で、意見のある方は意思表示をいただけませんか。全体の数を把握してから進みたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
 それでは、浅利委員からどうぞ。
 
(浅利委員)
 まずは膨大な情報整理、過去からの振り返り本当に頭の整理になりました。ありがとうございます。今後に関してもとてもいい議論の整理をいただいている、かつ具体的な話になりそうですので何か身の引き締まる思いをして見せていただきました。
 1点細かな点になるかもしれないですが、参考資料4ですね。これはアンケート調査結果を参考資料として付けていただいている部分で、スライド番号でいくと5スライド目が一番分かりやすいかなと。
 災害廃棄物処理計画の策定に関して大分、都道府県が全てで市町村が一部もう少し、それで一部事務組合さんが相当ほとんど着手できていないというか、検討にも至っていないというのが気になりまして、実際には多分、あそこに入っている市区町村は持っている可能性あると思いますが、何をしたらいいか分からないみたいなのも結構多いので、何かしら考えておく必要があるのではと思います。つくり込む必要はないかもしれませんが、一応この状態は出したほうがいいのではと思いましたのが一つです。
 あと、今後のところで、これは私も生煮えな情報で申し訳ないですが、令和8年に防災庁ができるということで、今、委員会が設置されて、内閣府でアドバイザー会議とかが始まっているようです。私たちの学会の中でも災害関係の横の連携会がありまして、そこでも議論が始まりつつありまして、我々もインプットしていきたいなと思っています。また、環境省とも情報交換しながらいけたらなというふうに思いました。
 以上です。
 
(酒井座長)
 島岡委員、お願いいたします。
 
(島岡委員)
 ご説明ありがとうございました。
 資料4の11ページ、災害の被害推計等というところの枠の中の3点目です。令和6年能登半島地震等を踏まえた現推計式の精度検証、推計式の改善のところで、現在の推計式の構築というのか作成に関与した者として推計式は被害の規模、つまり全壊、半壊棟数に、原単位、床単位面積当たりから発生する廃棄物発生量を掛けることによって求めることになっています。
 推計量の精度は、式の精度というよりも、今申し上げました推計式の被害の程度と原単位の精度が重要です。私が理解しています推計式の目的は、先ほど、石川県の推計量が示されていましたが、発災後約1か月ですね。熊本だったら4月発災で5月、今回の石川県だと1月に発災し、2月に災害廃棄物処理の基本方針を出されるときに発生量が50万tなのか100万tなのか、それとも300万tなのかと言った規模感を知るのにこの式を活用し、できるだけ精度が上がればいいなということで推計式の改定をさせていただいたところです。
 今、申し上げましたように正しく災害棟数、被災規模が把握できているかどうか。それから、原単位は過去の災害の値を使っておりますので、発災直後に精度高く発生量を推計することはなかなか難しいところがあります。結局、精度を上げようとすると、今回で言うと能登半島地震では防災科研のデータを使われましたが、一カ月以内に被害規模を精度高く把握する。
 それから、原単位については、できれば被災地の現状に応じたもの、能登半島には立派な瓦をふいた家屋がたくさんありました。そこの地域に合った原単位を使っていくことによって推計量の精度が上がりますので、推計式というよりも推計量の精度検証ではないのかなと思っています。
 それから、推計式の改善とありますけども、現在の推計式では扱っている災害の種類や被害の程度は地震と水害、そして床下・床上浸水の程度でございます。水害に伴う地滑りにより、破壊された家屋ですとか、液状化で倒壊した家屋ですとか、このような地震、水害に付随した災害による家屋の被害棟数等は対象としていませんので、推計式の改善、ある意味では精緻化は必要かなと思います。推計式で求まる推計量の精度検証を推計式の精緻化とでも言っていただけると心休まります。
 以上です。
 
(酒井座長)
 吉岡委員、お願いいたします。
 
(吉岡委員)
 三本柱に関しては、国と地方自治体と支援する専門機能の確立が中心になっていますが、各ブロックに協議会というのがあって、各ブロック協議会の役割、あるいは期待すべきことについてもう少し何かあればお聞きしたいなと思いました。
 私からは以上です。
 
(酒井座長)
 それでは、オンラインのほうから大迫委員、お願いいたします。
 
(大迫委員)
 ありがとうございます。
 これまでの経験を通じた課題整理と、それから今後の方向性に向けてのポイントは大変体系的にと言いますか、網羅的かつロジカルにもきちんと整理していただいたと思っています。この点に関しては私も特にこれ以上つけ加える部分は今のところないです。
 最後のほうでご説明いただいた横断的な専門調整・支援機能ということに関しては、これまでは、ある部分を環境省自らが行っておられたというふうに思っています。割と近くで環境省の方々の仕事とかも見てみても、かなり通常の仕事といいますか、そういったことに対しても大きな支障が出ているということもありますので、ぜひこのような機能が必要かなというふうに考えております。
 その際に、新たなご提案の体制が、巨大災害も含めて、大きな災害の中で動く、機能していくためには、やはり平時からどのような備えをやっていくべきか。また平時として機能、役割も、きちんと整理していただくということも今後、必要になるかなというふうに思いました。
 以上でございます。
 
(酒井座長)
 金澤委員、お願いいたします。
 
(金澤委員)
 ありがとうございます。私から災害廃棄物処理計画について少しお話をさせていただけたらというふうに考えております。
 先ほど資料にもございました市町村の災害廃棄物処理計画の策定率100%の早期達成、また都道府県の災害廃棄物処理計画の実効性向上の観点から計画改定というお話がありました。ぜひ、そちらのほうを検討される際にお願いをしたいと考えておりますのが、いわゆる受援体制の構築、そういったテーマをぜひ、こういった議論に入れていただきたいというふうに考えております。
 全国都市清掃会議として、これまでも各災害時にご支援をしてまいりました。東日本大震災や熊本地震、西日本豪雨災害等で各全国の自治体がご支援をさせていただきましたが、支援に人員、機材を導入しても、そういった自治体、受援側の自治体が平時の生活ごみや、し尿の具体的な回収、収集情報、どこに集積場所があるのか、どういう回収ルートで集積をしているのか、どれぐらいの量が出ているのか、正直申し上げて把握をしていないというような自治体が結構多くございます。また、仮置場の選定、もしくは選定がなされないにしても想定ということで仮置場を考えているという自治体も少なく、そういった意味からは人員と機材がせっかく支援に回っても有効活用できないということが、これまでの災害にも多々ございました。
 そういった意味からも、平時における処理計画の策定時から受援を受けるという前提の中でいろいろと資料を整える、また支援をしていただける市町村、もしくは人員、機材、収集車両、収集人員等々、そういったものをどうやって有効活用していくのか、ぜひ、処理計画の策定及び改定の際にご検討をいただけたらというふうに考えております。
 私からは以上です。
 
(酒井座長)
 それでは、大塚委員からも手が挙がっておりますのでお願いしたいと思います。今日のヒアリングでも公費解体に関わる権利関係等の話題が多く挙がっています。今後の巨大地震における公費解体事務の扱い方、これは公費に限らずということになると思いますが、考え方の十分な整理が必要かと考えております。この件に関しては所有権や同意などに関する専門的な見地からの慎重な検討が必要ではないかと認識しております。
 この点を含めて、大塚委員からご意見等いただければ幸いです。よろしくお願いします。
 
(大塚委員)
 座長が今、ご指摘なさいましたように所有権は憲法で認められた国民の権利でございますので、たとえ大規模な災害時であっても非常に慎重な検討、配慮が必要にはなってくると思います。
 前回の事務局からのご説明にもございましたように、今回、能登半島地震への対応で法務省と環境省が連携して事務連絡を発出されまして、公費解体の事務手続がかなり円滑化されたと評価しております。
 その上で、巨大災害時であっても建物性を持っている損壊家屋等につきましては、その所有権等が尊重されるべきということになりますし、建物性が失われている倒壊家屋等に関しましても、その木材自体については、なお所有権はあると思いますので、例えば二次災害等の恐れがある場合などについて、この所有権の取扱いについて既存の制度との整合性の確保などの観点から相当慎重な検討が必要だと考えております。
 以上でございます。
 
(酒井座長)
 委員より、本日の事務局からの説明に対するご質問、ご指摘、ご意見をいただきました。事務局からお話できる範囲でご発言いただければと思います。
 最後の大塚委員からの解体の権利関係の取扱いに関しまして、今の委員のご発言を踏まえると、今後、この巨大災害における解体の際の所有権、あるいは同意等の取扱いに関しては相当慎重に検討していくのがよいと考えています。この点に関しては、大塚委員と事務局で一度十分に相談いただいて、どのような方針で検討していくのかについて、次回の検討会で考え方をご披露いただけないでしょうか。それを受けて、委員の方々にどのように考えていけばいいかということのご意見を頂戴したいと思います。最後の大塚委員のご意見に関しては1回検討会をまたがしていただきたいという方針にさせてもらいます。
 それでは、事務局、お願いします。
 
(松﨑災害廃棄物対策室室長)
 ありがとうございます。順次、ご回答させていただきます。
 今、酒井座長からご指摘いただいた点については大塚委員と相談しながら対応していきたいと思います。
 私からもう一点、大迫委員から横断的な専門機能の件がございました。今回のヒアリングでも、大規模な災害になればなるほど、いろいろな方々が関わってきて、廃棄物処理も含めて相当専門性も高い中で、まさに適正かつ円滑迅速に取り組んでいくのか、そのための機能をどのようにしっかりと立ち上げて、確立するかということと受け止めております。
 また、大迫委員から平時の備えについてお話しをいただきました。災害発生時にスムーズに動くためには、平時の災害廃棄物処理計画の策定と、訓練や、研修が大事です。この専門機能を有効に機能させていくためにも、平時の様々な対策と連動しながら、シームレスに対応していく必要もあるかとお伺いして感じました。本日は、様々なご指摘を委員の皆様、ヒアリングの皆様からいただきましたので、大規模災害、巨大災害に遭った際に現地が実際にワークするようにするために、この機能にどのような要素を具備していくのかといったことや、そのための要件等いろいろ整理すべきことがあるかと思います。
 総括的な私からの回答ですが、様々なご意見いただきましたものを踏まえて、頭の整理をした上で検討していきたいと思います。
 ありがとうございます。
 
(高栁災害廃棄物対策室対策官)
 それでは、引き続き高栁の方からご回答させていただきます。
 まず、浅利委員から頂きました参考資料4の5ページの部分で一部事務組合さんのお話でございます。我々といたしましても、やはり市区町村さんがつくっているからというところはあるのかなというところは何となくは思ってはおります。
 一方で、実際に本当にそれが正しいのかとか、どうしてつくっていないのかというところはちゃんとした事実確認が必要と考えております。そこは改めてどういう形でフォローしていくかというところは考えさせていただきたいなと考えております。
 また、防災庁のお話頂きました。ぜひとも、情報交換させていただければと考えております。
 先ほど、お話の中にアドバイザー会議のお話がございましたが、まさしくそれが動いているというのも我々も知っているところでございます。今、直近ですと第2回まで開催されていて、その中の第2回資料にも災害廃棄物が入っているという状態でございます。
 このアドバイザー会議自体は、取りまとめ自体が2025年夏ごろまでに行うという形でやっているもので、どういう要点で防災庁をつくっていくかといったところをしっかりとこれで固めていくというような形で開かれているものと承知しております。また、関係省庁とももちろん我々連携しながら進めていきたいと思います。情報交換しながら、またご相談させていただければ考えております。
 次に、島岡委員からいただきました推計式のところでございます。おっしゃるとおりだと正直思っているところでございまして、規模感を知るために必要といったところでございます。
 例年、過去災害を基にこの推計式、推計の結果、推計量の精度の分析というのをさせていただいておりましたので、これについては引き続き原単位という観点で、精度のほうを分析させていただこうと考えております。
 あと、推計式の精緻化みたいなところ、そこは正しい文言を使わせていただきながら掲載させていただければと考えているところでございます。
 次に、吉岡委員から頂きました地域ブロック協議会のお話でございますが、ご指摘いただいたとおりでございまして、地域ブロック協議会自体はもう御存じのとおりで、各地域ブロックごとに広域連携をしていくことや、地域ブロック内の自治体の皆様の災害対策の力をどんどんつけていくという形で、この協議会の方を開かせていただいて、その中で様々な取組をさせていただいています。
 先ほど、私のほうからお話させていただきました支援機能みたいなものが入ってきたときに、仮にどこまでが地方環境事務所のやることなのかとか、その辺りのしっかりとしたデマケというのは考えないといけないとはもちろん思っているところでございます。その部分についてご議論を重ねていく中で、しっかりと検討していきたいなというのは思っているところでございます。
 
(吉岡委員)
 先ほどの平時の取組というところから、ぜひレクチャーだけではなくて、訓練みたいなところというのは、恐らく地域ブロック協議会の活用が相当有効なのではないかと考えております。
 コミュニケーションという場も含め、各ブロックの役割に、もう少し期待をかけてもいいのかなと、そういう意味での質問でございました。
 
(高栁災害廃棄物対策室対策官)
 ありがとうございます。
 金澤委員から頂きました受援体制の構築に関して、処理計画の検討の中でしっかりと入れたほうがいいというようなところでございましたし、また基礎情報をちゃんとそろえておくことといったご指摘を頂いたと理解させていただきました。
 受援体制の構築に関しましては、やはり大規模災害になればなるほどというのもございますし、今現在も、やはり受援体制があってこその災害対応というのはもちろんございますので、この部分に関しまして、処理計画の実効性の向上という観点でも入れさせていただくような形で検討を進めていきたいと考えております。
 また基礎情報に関しましてですが、資料4の16ページの災害協定の活用に少し書かせてはいただいております。
 現在、対災害協定という形で書かせていただいていましたが、確かに自治体という観点でも、支援、受援という観点でも、ここはすごく必要だというところを改めて、理解させていただいたところでございます。ここの部分、しっかりと検討させていただきながら反映のほうをさせていただきたいと考えております。
 以上でございます。
 
(酒井座長)
 ありがとうございます。指摘いただいたご意見には、ほぼ回答いただけたと思います。若干時間が超過しておりますが、ご指摘はございますか。
 追加の質問はないようですが、先ほど大迫委員からの専門的調整機能の点について松﨑室長とやり取りをいただきました。いいやり取りをいただいていますが、この支援の専門的機能とは何か、本当に何を求めていかねばならないかということは、冷静に整理して、そして冷静に提案していくことが必要かと思います。ぜひ、その点は次回辺りによろしく準備をお願いをしたいというふうに考えております。
 今回の資料4も相当頑張ってつくっていただいたことは、よく分かっておりますが、支援体制というところがあちこち散見されますので、これを全体でどう統合して、どう提案に結び付けるかというところは、引き続き十分検討いただければ幸いでございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、今日の議論はここまでにしたいと思いますがよろしいでしょうか。
 議事の3番目、その他を用意いただいております。事務局から説明をお願いいたします。
 
(岸災害廃棄物対策室主査)
 次回の検討会につきましては3月中旬の開催を予定しております。次回も対面会議とウェブ会議のハイブリッド会議で、対面会議の詳細の場所は後日ご連絡させていただきます。
 また、本日の議事録は原案を作成し、委員の皆様にご確認いただいた後、環境省ホームページに掲載する予定ですのでよろしくお願いいたします。
 
(酒井座長)
 それでは、全体を通じて何かご質問はございますか。
 本日も様々なご意見いただきまして、どうもありがとうございました。今回の資料は大部にわたっておりまして、また参考資料を十分にご説明いただけてないところもあるかと思います。ご覧いただいてコメントのある方は、3月4日までに事務局へご連絡をお願いいたします。
 それでは、これで第2回検討会を終了させていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。