環境再生・資源循環

第1回 令和5年度災害廃棄物対策推進検討会 議事録

日時

令和6年4月5日(金) 10:00~12:11
 

場所

オンライン開催
 

出席委員

委員 浅利 美鈴   金澤 貞幸
   大迫 政浩   大塚 直(欠席)
   勝見 武    酒井 伸一
   島岡 隆行   中林 一樹
   牧 紀男    目黒 公郎
   安富 信    吉岡 敏明
              (敬称略)
          

委員以外の出席者

(事務局)
 環境省
   松﨑災害廃棄物対策室長 鳥居災害廃棄物対策室対策官
   小野災害廃棄物対策室室長補佐 伊藤災害廃棄物対策室室長補佐
 

議題

1 開会
2 検討会の目的及び開催要綱等について
3 令和5年度の災害廃棄物対策推進検討会の予定
4 議事
(1)近年の自然災害における対応について
(2)令和5年度の環境省の取組
(3)令和5年度のワーキンググループの経過報告
 ・技術・システム検討ワーキンググループ
 ・地域間協調ワーキンググループ
5 その他
6 閉会
 

配付資料

資料1 令和5年度災害廃棄物対策推進検討会 委員名簿
資料2 令和5年度災害廃棄物対策推進検討会 開催要綱(案)
資料3 令和4年度災害廃棄物対策推進検討会における主なご意見及び対応
資料4 令和5年度の災害廃棄物対策推進検討会の予定
資料5-1 令和5年度の自然災害における災害廃棄物対策について
資料5-2 令和6年能登半島地震への対応について
資料6 令和5年度の環境省の取組
資料7-1 技術・システム検討ワーキンググループ(経過報告)
資料7-2 地域間協調ワーキンググループ(経過報告)
 

議事

(小野災害廃棄物対策室室長補佐)
お待たせしました。定刻となりましたので、ただいまから第1回令和5年度災害廃棄物対策推進検討会を開催させていただきます。委員の皆様におかれましては、ご多忙のところ、ご参加いただきまして、誠にありがとうございます。事務局を務めます、環境省災害廃棄物対策室の小野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。初めに、環境再生・資源循環局災害廃棄物対策室長の松﨑室長からご挨拶をさせていただきます。

(松﨑災害廃棄物対策室長)
おはようございます。環境省の災害廃棄物対策室長の松﨑と申します。本日は、お忙しいところをご参加いただきまして、誠にありがとうございます。第1回令和5年度災害廃棄物対策推進検討会を開催させていただくにあたりまして、一言ご挨拶申し上げます。
まず初めに、今年1月1日に発生しました令和6年能登半島地震への対応のため、当初、1月15日に予定しておりました本検討会を延期させていただき、本日の開催となりました。延期せざるを得なかったことに対しまして、委員の皆様、関係者の皆様にお詫び申し上げます。能登半島地震では、石川県内で、現時点で約240万tの災害廃棄物の発生が見込まれております。環境省では、発災直後より被災地に職員を派遣し、総力を挙げて災害廃棄物に関する対応支援を行っているところでございます。また、全国の自治体や関係団体の皆様のご協力もいただいておりまして、この場をお借りして、改めて感謝を申し上げます。
現在、能登半島地震における災害廃棄物対策、まさに支援を実施しているところでございます。本日の検討会では、現時点での状況をご報告させていただきますが、将来の大規模災害に備え、今回の災害対応に関する検証を皆様に対してご説明させていただき、ご議論させていただく場を、時期を見て設けたいと考えております。また、昨年6月から7月にかけての大雨、そして昨年9月の台風により、東北から九州まで広範囲に被害が生じました。このような毎年発生する頻発する水害についても、これまでの災害対応をしっかり振り返り、検証し、今後の災害廃棄物対策の向上に向け、一層進めていくことが求められております。この点につきましても、本日、ご意見、ご議論いただければと思います。
この検討会は、平成25年に発足して以降、南海トラフ地震、首都直下型地震での災害廃棄物処理に関する検討や、自治体向けのガイドラインの作成など、広範囲なテーマでご議論をいただいてきました。令和5年度は、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震を対象とした災害廃棄物の広域処理に関する検討、そして、令和4年度の災害対応の検証を通じた実効性の向上に関する検討などを実施することとし、本日ご報告させていただきます。本日は、能登半島地震を含めまして、今申し上げました災害廃棄物対応を振り返るとともに、環境省での取組、そして技術・システム検討及び地域間協調の各ワーキンググループにおける検討状況などについてご議論いただく予定でございます。専門的かつ広範な視点から、忌憚のないご意見、ご助言をいただけますと幸いです。本日は、よろしくお願いいたします。

(小野災害廃棄物対策室室長補佐)
それでは、まずは、ウェブ会議形式での進め方についてご説明させていただきます。事前にウェブ会議での留意点についての資料を送付させていただきましたが、マイクについては、発言をしない間はミュートにしていただきますようお願いいたします。カメラについては、皆様にオンにしていただいて進めたいと思いますが、通信環境によってはつながりにくくなることがございます。音や動画が途切れる場合は、チャット機能や、お伝えしている電話番号でご連絡ください。その場合、皆様のカメラをオフにしていただくことをアナウンスすることがございますので、ご対応のほどよろしくお願いいたします。
質疑応答の時間でご発言いただく際には、挙手機能をご使用ください。参加者一覧の名前の脇に手のひらのマークがございまして、そちらを押すと座長と事務局に挙手したことが分かる形となっております。座長から発言者をご指名いただきましたら、ご発言いただきたいと思います。その際、ミュートの解除にお気をつけいただければと思います。その他トラブルがありましたら、チャット機能でコメントいただくか、送付しております「ウェブ会議での留意点について」に記載しています番号にご連絡ください。説明は以上となります。
続きまして、本検討会の委員のご紹介でございますが、資料1の委員名簿をご覧ください。令和5年度は、基本的には、令和4年度の委員に引き続いてご就任いただいておりますが、全国都市清掃会議の大熊委員に代わりまして、専務理事の金澤委員にご就任をいただいております。よろしくお願いいたします。また、浅利委員、大迫委員、島岡委員及び目黒委員につきましては、ご所属、また役職が変更となっておりますが、引き続き、委員にご就任いただいております。
続きまして、本日の委員の出欠状況ですけれども、大塚委員がご欠席です。また、勝見委員が少し遅れて参加と伺っております。
本検討会の事務局につきましては、環境省環境再生・資源循環局災害廃棄物対策室が行っております。どうぞよろしくお願いいたします。初めに、本検討会の開催要綱(案)について事務局から説明をさせていただきます。

(鳥居災害廃棄物対策室対策官)
それでは、事務局より開催要項についてご説明させていただきます。まず、本検討会の目的でが、近年、自然災害が頻発化、激甚化しているということで、環境省としましては、南海トラフ地震や首都直下地震等、東日本大震災以上の規模の自然災害に備え、平成25年度以降、大規模災害発生時における災害廃棄物対策検討会、28年度からは今の名称になりまして、災害廃棄物対策推進検討会を開催し、災害廃棄物処理システムの強靱化に関する検討を進めてきております。
令和4年度につきましては、全国各地で発生した自然災害を中心に、災害廃棄物処理に関する実績の蓄積・検証、南海トラフ地震における全国的な災害廃棄物処理シナリオの総括、災害廃棄物の発生量削減に向けた活動内容の整理、ガイドライン作成等を行い、今後取り組むべき課題を取りまとめております。
本検討会は、これらの成果に基づきまして、災害廃棄物対策に関する知見と課題の整理を行うとともに、大規模災害に備えた災害廃棄物対策の具体化を進めること等を目的としております。その検討事項でございますが、本検討会の検討事項につきましては、①災害廃棄物処理システムや技術に関する事項、②災害時の廃棄物処理を見据えた地域間協調のあり方に関する事項、その他検討会が必要と認める事項としてございます。「3.検討会の構成」でございます。検討会につきましては、廃棄物処理、防災等の分野について知見を有する学識経験者から、環境省再生・資源循環局長が委嘱する者をもって構成するとしております。検討会には座長を置き、座長が会議の議事運営にあたるとしてございます。(3)になりますが、座長は委員の互選により定めることとしております。座長が検討会に出席できない場合は、座長があらかじめ指名する委員が、その職務を代行いたします。(4)検討会では、必要に応じ、委員以外の知見を有する者から意見を聴取することとしてございます。(5)検討会には、必要に応じ、学識経験者、自治体、関係団体、関係者等から成るワーキンググループを置くこととしてございます。4.の事務でございますが、こちらについては先ほどもご説明しましたように、災害廃棄物対策室が行うこととしてございます。5.のスケジュールについては、別紙のとおりとしております。6.その他でございますが、検討会については、原則公開としております。ただし、ワーキンググループを設置した場合は、そのワーキンググループは非公開としております。この要綱に定めるもののほか、検討会の運営に関し必要な事項は座長が定めることとしております。説明は以上となります。

(小野災害廃棄物対策室室長補佐)
開催要項(案)について、ご質問、ご意見がございますでしょうか。特にないようであれば、この開催要綱についてご承認いただけますでしょうか。よろしいでしょうか。

(異議なし)

(小野災害廃棄物対策室室長補佐)
ありがとうございます。それでは、本開催要綱に基づきまして本会議を運営することとしたいと思います。本検討会は原則公開としており、環境省YouTubeで同時配信しております。また、本日の議事録は、原案を作成し、委員の皆様にご確認をいただいた後、環境省ホームページに掲載する予定ですので、よろしくお願いいたします。
初めに、ただいまご承認いただきました開催要綱に基づきまして、本検討会の座長を決めたいと思います。委員の方からご推薦はございますでしょうか。

(大迫委員)
大迫です。

(小野災害廃棄物対策室室長補佐)
大迫先生、お願いいたします。

(大迫委員)
災害廃棄物対策分野では大変深い見識を持っておられる酒井先生に、引き続き座長をお願いしてはと思いますが、いかがでしょうか。

(小野災害廃棄物対策室室長補佐)
ありがとうございます。ただいま大迫委員より、酒井委員を座長にご推薦いただきましたが、いかがでしょうか。

(異議なし)

(小野災害廃棄物対策室室長補佐)
ありがとうございます。それでは、酒井先生に座長をお願いしたいと思います。それでは、以降の進行は酒井座長にお願いしたいと思います。酒井座長、よろしくお願いいたします。早速ではありますけれども、一言ご挨拶をお願いいたします。

(酒井座長)
酒井でございます。座長のご指名、どうもありがとうございます。しっかりと務めてまいりたいと思います。冒頭で松﨑室長からご紹介ございましたが、令和6年の能登半島地震、こちらでお亡くなりになられた方にお悔やみ申し上げるとともに、大きな被害に遭われた方も多くおられます。心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
本日の審議ですが、この能登の災害廃棄物対応の状況を速報的に取りまとめて、報告する準備をしていただきました。その報告に対しての審議、並びに今後の災害等に対しての対応を中心にご審議いただければと思います。忌憚のないご意見、よろしくお願いを申し上げます。
それでは、まず、開催要項に基づきまして、座長の代理の指名を行いたいと思います。大迫委員を指名したいと思いますが、ご意見はどうでしょうか。

(異議なし)

(酒井座長)
ありがとうございます。異議なしと判断させていただきまして、大迫委員、座長代理よろしくお願いを申し上げます。

(大迫委員)
はい、承知いたしました。

(酒井座長)
それでは、今日の議事ですが、まず初めに、令和5年度の災害廃棄物対策推進検討会の予定につきまして、事務局から説明をお願いいたします。あわせて、令和4年度の推進検討会で出された意見への対応状況もご説明をいただけると聞いております。よろしくお願いいたします。

(鳥居災害廃棄物対策室対策官)
それでは、まず、資料3に基づきまして、令和4年度の災害廃棄物対策推進検討会における主なご意見と対応をまとめております。少し期間が空いてしまったということで、振り返りということで簡単にまとめさせていただいております。
令和4年度の災害廃棄物対策推進検討会の第1回では、その年の自然災害の対応などや環境省の取組などをご説明させていただいておりまして、災害で発生しました教訓などについて、きちんとまとめるべきではないかといったご意見をいただいており、それらについてはガイドライン等に反映させていただいております。また、今年度の地域間協調ワーキングの中で、令和4年台風第15号の被災自治体の対応についての検証などを行っている状況でございます。また、初動対応の手引きや過去に作ったものの活用状況などにつきましても、今年度、地域間協調ワーキングの中で検討していく予定としてございます。
次のページをお願いします。また、災害廃棄物の発生量推計の検討会を行ってございまして、そちらで発生量の推計などをご議論いただいております。新しい推計式を作りましたけれども、引き続き、推計精度の向上などを目指していくべきといったご意見などをいただいており、今年度の技術・システム検討ワーキンググループで、新推計式の精度の確認など、フォローアップを進めていきたいと考えています。また、技術・システムワーキンググループや地域間協調ワーキンググループにつきましては、コンクリートブロックの活用や空き家対策、リーフレットや初動対応の手引きの活用状況などご意見いただいております。これらにつきましても、コンクリートがらや空き家対策は、技術・システムワーキンググループで検討していくこととしてございます。
次のページに行きまして、第2回の推進検討会でございますけれども、こちらでもコンクリートがらの再利用や火山灰の影響、そういったものなどについてご意見をいただいておりまして、こちらについても技術・システム検討ワーキンググループで議論していく予定としてございます。また、ブロック単位での動きや地方環境事務所の動きが大事であるといったご意見もございまして、各地方環境事務所の活動状況などにつきましては、この後、環境省の取組でご説明させていただく予定としてございます。また、デジタルツールの活用などにつきましても、令和5年度の災害でも活用しておりますので、そういったご紹介もさせていただければと考えてございます。簡単ではございますが、令和4年度の主なご意見については以上となります。
続きまして、資料4でございますが、令和5年度の災害廃棄物対策推進検討会の予定について、簡単にご説明させていただきます。こちら2回を予定しておりまして、本日、第1回はオンラインで開催させていただいております。第2回につきましては、5月以降、対面での開催をさせていただければと考えております。検討内容につきましては、まず、4.(1)ということで、近年の自然災害における対応ということで、一番大きなものとしましては令和6年能登半島地震でございますけれども、昨年の梅雨前線による大雨や台風対応などについてもご説明させていただきます。それを踏まえまして、4.(2)でございますけれども、環境省のそのほかも含めた災害廃棄物対策に関する振り返りをさせていただきます。そちらにつきましては、4.(3)、ワーキンググループの中で地域間協調ワーキンググループや技術・システムワーキンググループでも具体的な検討などをさせていただいている状況をご説明させていただければと思います。また、大規模地震に備えた技術検討ということで、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の検討などにつきまして、こちらについても技術・システムワーキンググループで検討させていただいている状況をご説明させていただきたいと思っております。また、今年度、災害廃棄物対策に関する指標の設定ということで、循環基本計画の見直しなども行われておりますので、こちらの検討などについてもご説明させていただきたいと考えております。ご説明は以上となります。

(酒井座長)
どうもありがとうございます。これまでの検討会の意見の振り返り、それと今年度の予定を説明いただきました、ただいまの説明にご質問のある方おられましたら、挙手ボタンをお願いします。よろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。それでは、次の議事に入ってまいりたいと思います。
まずは、今年の自然災害における対応について、事務局から説明をお願いします。また、続けて、その災害に対する環境省の取組に関しての説明も、併せてお願いいたします。質疑に関しては、この環境省の取組と合わせて質疑時間を設けるようにしたいと思っております。それでは、資料5から、順次、説明をよろしくお願いします。

(小野災害廃棄物対策室室長補佐)
それでは、資料5-1と5-2を説明させていただきます。資料5-1につきましては、令和5年度に発災した4つの災害を取り上げさせていただいています。資料5-2につきましては、能登半島の地震、令和6年1月1日の地震についての説明をさせていただきます。
まず、こちら4つの地震になりますが、一つ目が石川県能登地方を震源とする地震で、令和5年5月に発災した震度6強の地震を観測しています。二つ目が、梅雨前線・台風第2号の大雨ということで、広域水害①とさせていただいています。約1万棟の被害が発生しています。三つ目に、梅雨前線による大雨、こちらも広域水害②とさせていただいていますけれども、6月下旬から7月中旬にかけて、九州地方から秋田県まで広域にわたっての浸水被害が発生しています。こちらは約1万5,000棟の被害となっています。四つ目が、台風第13号による大雨で、9月に発生した台風災害となっております。それぞれの災害についての対応状況をご説明させていただきます。こちら四つの災害についての被害状況をまとめております。能登地震につきましては、全壊と半壊が約350棟程度あったというところになります。広域水害①、②につきましても、1万棟から1万6,000棟の被害が発生しています。床上浸水、床下浸水を中心に発生しています。台風13号につきましても、4,000棟近くの被害がありました。
それでは、能登地震、一つ目の能登地震のほうです、こちらのほうについて概要を説明させていただきます。マグニチュード6.5と5.9という、2度大きな地震があったといったところで、能登地方、奥能登地方を中心に被害が発生しています。特に珠洲市が大きな被害を受けていまして、こちらは写真を載せていただいていますけども、民家の塀が崩壊していたり、屋根の崩壊等の被害が発生しております。この災害廃棄物に関する対応というところで、環境省の職員を派遣しながら対応を行っております。処理計画に基づきまして仮置場の候補地を選定していましたので、そちらを開設しながら分別等を行って、対応を行っています。環境省等の取組で先ほども述べましたように、地方環境事務所の職員を派遣しているとともに、人材バンクについても派遣を行って対応しています。下のほうは、その打合せ風景ですとか、仮置場の状況の写真となります。人材バンクにつきましては、長野県長野市様から珠洲市のほうに入っていただいて、災害報告書の作成等の支援をさせていただいています。
続きまして、広域水害①の災害について説明させていただきます。九州から関東地方にかけて、大きな範囲で被害が発生しているものとなります。6月上旬に発生した災害です。
被害状況は、こちらのようになっていまして、愛知県ですとか、茨城県等で特に大きな被害がありました。こちらのほうも、集積場が発生していますけれども、順次収集しながら解消していきました。施設等の被害はございませんでした。
仮置場につきましても、各地で設置いただきまして、環境省の職員を派遣して、現地確認等を行っています。戸別収集等で対応しているところもありました。こちらは職員の派遣状況と人材バンク等の状況ですので、ご確認ください。人材バンクについては、取手市に常総市に入っていただいたことに加え、栃木市からも入っていただきました。
続いて、広域水害②となります。6月下旬から7月にかけて雨が続きまして、各地で災害が起きたものです。スライドを四つほど掲載していますけども、全壊、半壊、床上、床下浸水と大きな被害がありました。特に秋田市で床上、床下が総計7,000を超える程度の被害となってなりました。施設の被害は、水没して停止してしまった施設が何か所かありました。基本的に既に仮復旧していますけど、美祢市については、令和6年度末に復旧見込みとなっております。こちらは、集積場の状況です。こちらも空き地等で集積所ができているところです。仮置場につきましても各地で設置しておりまして、仮置場の開設等について職員を派遣して、助言等を行いました。こちらは秋田市のほう、特に仮置場等もいろいろ設置されていますので、こちらも説明をさせていただきます。秋田市は特に被害が大きい状況でしたので、職員を派遣しつつ、現地を確認しています。7か所の仮置場を設置していますが、24日から戸別収集等を行いました。また、陸上自衛隊ですとか、民間事業者とも連携しながら、まち中の仮置場のごみを収集して、処理先ですとか、旧空港跡地等に持っていく対応を取っています。人材バンク等も派遣をさせていただいて、対応しています。秋田県の対応というところで、この災害も特に大きな災害でしたので、職員を派遣しつつ、全都清の助言もいただきながら対応しました。人材バンクにつきましては、美祢市に広島県坂町から支援に入っていただきまして、災害報告書の作成支援を行いました。秋田市にも支援に入っていただきました。
続いて、四つ目の台風第13号による大雨になります。こちらのほうにつきましては、台風が太平洋側を通過して、関東から東北地方で被害があった災害となります。福島県から静岡県まで被害がありました。こちらも現地を確認しながら、災害廃棄物の排出状況等の確認を進めました。仮置場も順次設置いただいております。地方環境事務所の職員とD.Waste-Netの派遣等を行って対応しております。資料5-1につきましては、以上となります。
続きまして、資料5-2のほうで、能登半島地震における対応についてご説明させていただきます。こちらは、令和6年1月1日に発災しまして、マグニチュード7.6という非常に大きな揺れが観測されています。特に輪島市と志賀町で最大震度7が観測されております。被害状況になります。新潟県から石川県において非常に大きな被害が出ておりまして、特に石川県については、全壊8,000棟、半壊1万5,000棟を超える被害となっております。こちらは石川県で、発生量推計の数値が出されております。奥能登は3万棟以上の推計値を出していまして、全壊、半壊の推計値となります。発生量は151万トンで、年間のごみ排出量の59年分と非常に多くの災害廃棄物が出る見込みです。石川県全体ですと、244万トンの災害廃棄物の見込みで、年間ごみ排出量と比較しますと、7年相当の災害廃棄物量の見込みになっております。
続きまして、災害廃棄物のスケジュールということで、石川県が出している基本方針の資料となります。まず、基本方針を2月9日に出されていて、その後、実行計画は1か月後程度に出されています。仮置場の設置運営につきましては、1月から開設している市町がございまして、まだ継続して設置運営しているところが多くあります。公費解体につきましても受付が開始されていますので、今後、実際の解体工事もどんどん進捗していくことになります。あわせて広域処理につきましても、調整しながら運搬、処分等を行っております。全体の計画としては、令和7年度の3月末に終了予定で進めていくとしているところです。災害廃棄物は、量が非常に多いこともありまして、広域処理も検討を進めています。海上輸送が28万トン、陸上輸送が10万トンと86万トン、県内、県外を含めますと96万トンで、奥能登地方を中心に外に持っていく計画を進めているところです。また、県内では、再生利用についても検討を進めているところです。これまでの災害廃棄物の発生量について一覧にまとめています。今回244万トンですので、熊本地震に匹敵する災害の規模になっております。処理期間は、2年3か月での予定をしているというところになります。
続きまして、環境省の主な取組を記載しています。1月1日に災害対策本部を設置しておりまして、2日から本省の職員も現地に派遣、中部事務所からも入っています。その後、4日から、ほかの事務所からも順次現地に派遣しており、5日から、特に常駐支援という形で6市町に対して派遣しております。D.Waste-Netの所属団体からも、順次、現地に応援に入っていただき、対応を進めているところです。最後のところに、29日、公費解体・撤去マニュアルを策定して、現地支援を進めているところです。環境省の支援体制ですが、石川県、現地リエゾン2~4名程度入っています。まず、対策本部です。県庁に常駐で10~20名程度入っています。また、6市町の常駐につきましても、2~3名程度、現地に入って支援を継続的に行っています。D.Waste-Netや人材バンクも活用しながら現地に入って支援を進めています。本省でも、ほかの部局から支援に入っていて、体制を強化して対応してきました。人材バンクによる支援ですが、支援員76名、補佐職員51名ということで、かなり多くの方々に入っていただきました。この場をもって、感謝を申し上げます。引き続き人材バンクのほうを調整しながら、現地支援を継続していこうとしています。また、応援職員の短期派遣ということで、特に公費解体等が始まることもありましたので、申請や契約事務等の応援職員を、全国からの派遣を進めています。初めに、中央からスタートしていますが、人数がかなり必要ということもありましたので、全国に事務連絡を発出して応援を呼びかけて、事務所と連携しながら調整して、現地へ派遣しています。多くの自治体に入っていただいています。
災害廃棄物対策の基本方針というところで、生活ごみの処理等、避難所も多く開設されていますので、そちらのごみですとか、し尿の回収等を、まず初めに対応を進めています。災害廃棄物の撤去につきましても、その後、片付けごみですとか、家屋解体のごみの仮置場への搬出等を支援してきました。その後の資料につきましては、随時、環境省のホームページでも公開させていただいている資料となりますが、説明させていただきます。まず、ごみ焼却施設は、4施設、被災して停止していましたが、今は全ての施設で復旧済みとなっております。し尿処理施設は、7施設で被災しましたが、5施設で復旧しています。石川県の状況です。新潟県でも1施設で被災し、停止しています。右側の図で示しているのは、広域処理を行っていたというところです。ごみ焼却施設については復旧していますので、いまは生活ごみ等の処理はできていますが、し尿処理は、まだ復旧できていないので、広域処理を引き続き行っています。生活ごみの収集運搬につきまして整理しています。避難所ごみと生活ごみそれぞれについて、どういう状況かを整理して公表しています。右側に、どういうところに持っていっているかというところで、近くの浄化センターにできるだけ持っていく対応をしています。
また、仮置場の設置状況について、3県で整理しています。富山県については、もう受付終了となっているところもありますし、新潟県も半数近くは受付終了という状況です。石川県につきましては、まだ継続して仮置場を設置して、片付けごみの受入れを行っています。今後、公費解体等も始まってきますので、さらに設置するのか、今の仮置場を継続して受入れを実施するのか、検討が必要になっております。
最後に、公費解体と撤去のスケジュールです。財政支援、人的支援、また技術支援という形で整理していますが、財政支援につきましては、1月26日に97.5%の財政支援が決定しておりまして、その後、さらなる負担軽減についても決定しているといます。人的支援につきましては、先ほども申し上げたとおりで、環境省職員や人材バンクの派遣、また、ほか自治体からも応援職員の派遣を行っております。技術支援につきましても、公費解体・撤去マニュアルを策定しておりまして、随時、現地の情報を基に改定を進めています。現在、第3版まで改訂を進めておりますの。今後、特に公費解体等が大きなテーマとなってきますので、順次対応していきたいと考えております。公費解体に関する状況としましては、受付を開始しまして、件数が少しずつ増えてきており、解体も着手していますので、この件数が徐々に増えてくるかと思われます。資料5-2につきましては、以上となります。

(鳥居災害廃棄物対策室対策官)
それでは、引き続きまして、資料6、令和5年度の環境省の取組について、ご説明させていただきます。まず、資料の構成になりますが、環境省の災害廃棄物対策に関する取組と災害廃棄物対策に関する指標の設定という構成でご説明させていただきます。
まず、環境省の災害廃棄物対策に関する取組でございますけれども、次のページに行きまして、こちらは令和4年度に取りまとめていただきました、災害廃棄物対策に関して今後取り組むべき事項とその進め方の方を、参考までに再掲させていただいております。災害時の対応と、次のページになりますが、平時の対応について取りまとめてございます。
次のページは、災害廃棄物対策に関する災害の規模と適用する措置の考え方で、過去にもお示ししたものですが、平時から南海トラフ等の大規模災害まで、切れ目なく対応できるようにということで進めております。
次のページが、まず全国レベルの取組でございます。全国レベルの取組の発災時の対応ですが、取り組むべき事項に対して、取組状況を整理させていただいてございます。取り組むべき事項ということで、現地に入る環境省職員、都道府県職員、ブロック協議会、人材バンク、D.Waste-Net、ボランティア団体等との連携や、広域的な連携調整が、取り組むべき事項で挙げられております。環境省では、実際の取組状況として、昨年度の水害で、取手市や秋田市等へ人材バンクの支援や東北ブロック協議会、D.Waste-Net等の収集車両、技術専門家の派遣などを行ってございます。また、昨年起こりました能登半島地震や大雨などでは、県の調整によりまして、県内の自治体からの支援なども行われております。また、今回の能登半島地震でも、人材バンク、D.Waste-Net、ボランティア団体との連携、全国の自治体からの応援職員の調整などをしながら、災害廃棄物の処理を進めているところでございます。
次のページになります。人材バンクの活用についてですが、先ほど小野からご説明しましたとおり、昨年起きました能登半島地震になりますが、石川県の珠洲市や茨城県取手市、山口県美祢市、秋田県秋田市等、初動対応のマネジメントや仮置場管理、補助金申請手続等、それぞれのニーズに応じて人材バンクの支援員の派遣を行っております。能登半島地震につきましても、被災自治体のニーズに応じた人材バンクの支援員を派遣してございます。D.Waste-Netとの連携につきましても、昨年の秋田市、茂原市等へのD.Waste-Netの団体の派遣を行っておりまして、今回、能登半島地震でもD.Waste-Netメンバーに現地支援をお願いしているところでございます。
次のページにですが、こちらが平時の取組でございます。関係者間での技術的な情報共有としてデジタルツールの活用でございますけれども、今回起きております各災害でも、環境省の職員や人材バンク、D.Waste-Netのメンバーなどの間で情報収集ツールや、地理的な情報ツールなどを活用して情報の共有を行ってございます。次のところになりますが、デジタルツールの活用も踏まえた、災害廃棄物の発生量の動的推計などでございます。昨年の秋田市の災害におきましては、ドローンを活用した災害廃棄物の搬入状況の調査などを行ってございます。能登半島地震につきましては、石川県のほうで、防災科研の被害推定データを用いて発生量推計などを行っておりまして、またドローンの活用も行うという状況でございます。災害時の迅速かつ適切な対応を実現するため、平時からの自治体レベル、地域ブロックレベル、全国レベルに対する強化でございますが、大規模災害に向けた取組を周知するためのシンポジウムを開催予定ということで、現在、能登半島地震のため延期しておりますが、後のページでご説明させていただければと思います。
続きまして、自治体の対策強化ということで、災害廃棄物処理計画の実効性向上が必要ということですが、後のページでご説明しますが、各種ガイドラインの公開であるとか、地域間協調ワーキング等での検討などを進めているところでございます。また、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震の対策地域内の自治体に対しては、処理計画の策定事業費の補助も行ってございます。また、次のページになりますが、災害廃棄物の新しい推計式も技術資料に反映しておりまして、こちらにつきまして技術・システムワーキングで検証を行っているところでございます。
次のページになりますが、人材バンクのさらなる活用ということですが、人材バンクの登録数は、令和5年度末時点で290名となってございます。人材バンクの方々に向けて研修なども実施しております。D.Waste-Netメンバーとの平時からの意見交換の場ですが、D.Waste-Netメンバーとの意見交換など、継続的に実施している状況でございます。
次のページになりますが、日本海溝・千島海溝などの大規模災害、水害などへの対応について、過去の災害の課題分析や優良事例の横展開を進めております。火山噴火への対応などでございますが、こちらは技術・システムワーキンググループで検討を進めているところでございます。
次のページになりますが、災害廃棄物のリデュース、再生利用の促進に向けて、平時からの取組を進めるべきではないかということですが、こちらについても技術・システムワーキンググループで、空き家対策による抑制効果やコンクリートがらの再生得利用など、知見収集を進めてございます。デジタルツールの活用につきましては、先ほどもご説明しましたが、そのほか情報収集ツールに関する研修会などを行っているところでございます。アジア太平洋地域におけるこれまでの関係も利用し、国際的な貢献についても検討していくべきではないかということでございますが、こちらにつきましても、令和5年度もアジア太平洋地域での災害廃棄物対策に関する支援を進めております。また、このほかウクライナの破壊廃棄物の処理に関しましても、研修への協力などを行っているところでございます。個別のご説明につきましては、次のページからになりますが、まず、災害廃棄物処理におけるドローンの活用でございます。昨年の秋田市の水害における仮置場におきまして、災害廃棄物の処理用の搬入口を含め、全体像が把握できるようにドローンで撮影を行っております。
今後の災害対応に向けまして、さらに災害廃棄物の体積の計算、高度な活用ができるよう検討していきたいと考えてございます。
次のページからは、人材バンクの状況でございます。令和5年度、当初の支援員の登録数は、都道府県、市町村ともに令和4年度より減少していましたが、能登半島地震が発災した後に環境省から働きかけを行いまして、令和5年度末時点では290名まで増加しています。引き続き、被災自治体のニーズに応じた支援を行えるよう、質、量の確保が重要となってございます。
次のページになりますが、支援員の能力の向上ということでは、基礎研修と実務研修を実施しております。去年の秋田の災害では、実際に令和4年度の実務研修を受講した方も支援員として派遣いただいております。こちら基礎研修は行っておりますが、令和5年度の実務研修は、今回の能登半島地震の発生がございましたので、現在、日程調整中となってございます。
次のページでございます。支援員の登録増加に向けた検討ということで、支援員につきましては、災害経験、あるいは災害支援経験があることが登録条件となっておりまして、災害の発生状況や人事異動などによって人数が変動する状況がございます。能登半島地震では、近年の災害で被災や支援を経験しまして、自治体のほうに環境省から協力を依頼した結果として、登録増加につながっています。今後の登録増加に向けてということで、右下のほうでまとめておりますが、人材バンクの募集につきましては、4月だけでなく、年度途中にも登録できるように機会を増やすであるとか、令和5年度の災害では、支援員だけでなく、災害対応を行ったことのない職員につきましては、補佐職員として同行する形の取組をしておりまして、補佐職員として一度同行した方が、その後、支援員として登録いただいて、支援員として現地に派遣されるような取組も行っております。こうした取組によりまして経験者を増やして、支援員の登録増加につなげていくことも考えております。また、支援員や、支援員として登録されていない方も含めてヒアリングを行いまして、さらに、対応向上を検討していきたいと考えております。
次のページになりますが、災害廃棄物対策推進シンポジウムでございます。こちらは、もともと1月24日に予定しておりましたが、能登半島地震の対応のため延期としておりまして、現在、実施時期やプログラムの調整を行っているところでございます。
次のページでございます。各種災害廃棄物対策に関するホームページの掲載ということで、これまで、推進検討会でもご議論いただきましたガイドライン等をホームページに公表して、周知を進めております。
次のページからは国際支援ということで、海外の災害廃棄物対策を支援するということで、令和5年度も業務を行っております。令和5年度は、災害廃棄物の主流化ということで必要なアクション等を議論しておりまして、また、ガイドラインや資料、ツールへの導入ということで、災害廃棄物対策に関する海外向けの動画の作成などを行っております。
次のページになりますが、具体的には、ネパールや太平洋など支援ニーズがある国の抽出、検討や、気候変動適応策との連携などを検討してございます。
また、次のページになりますが、アジア・太平洋地域、具体的にはインドネシア、フィリピン、タイなどを対象に、政策立案支援などを行っております。
次のページからが、地域ブロックレベルの取組でございます。
次のページになりますが、取り組むべき事項ということで、ブロックレベルの連携も必要ということで、ブロック協議会など各環境事務所を中心に行っております。また、研修、セミナーや、仮置場候補地の選定に向けた調査など、地方環境事務所を中心に行っているところでございます。
次のページになりますが、ブロック協議会での行動計画の点検や連携強化ということでございますが、各ブロック協議会で検討を進めておりまして、令和5年度の災害では、秋田県秋田市や能登半島地震など、ブロック行動計画によりまして、ほかの自治体からの支援を行っているという状況でございます。
次のページは、行動計画の策定状況ということで、地域ブロックで行動計画を策定しております。さらに、次のページになりますが、活動計画ということで、令和5年度は各ブロックで協議会やワーキング、セミナー、研修などが行われております。
次のページからは、各ブロックでの活動状況を簡単にまとめたものでございます。こちらの中身につきましては、詳細は割愛させていただきます。
続きまして、37ページですが、自治体レベルの取組でございます。次のページになりますが、令和5年度の災害におきまして比較的大きな被害を受けたところにつきましては、いずれも処理計画を策定済みでした。処理計画策定済みのところにつきましては、仮置場の開設が速やかに行われましたが、一方で、民間事業者等の活用など、触れられていないケースでは、民間事業者による収集までに時間を要するといったケースもございました。
次のページになりますが、災害廃棄物処理計画の策定状況でございます。こちらにつきまして、令和4年度末で8市区町村の策定率が80%まで上昇してきております。目標値につきましては、後ほどご説明させていただければと思います。
次のページになりますが、人口別で見ますと、人口50万人以上の市区町村は全て策定済みですが、3万人未満の市区町村は、全国平均を下回る状況でございます。
次のページになりますが、ブロック別に見ますと、四国は既に100%ですが、ほかの地域は、全国平均を下回る状況がございます。
さらに次のページが、都道府県別の策定率でございます。こちらにつきましては、日本海溝、千島海溝周辺海溝型地震の対象エリアなどで、全国平均の80%を下回っている状況です。
次のページですが、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震の対策推進地域の財政力の低い自治体などを対象として、計画策定に必要な費用の補助金を昨年度から実施しております。
続きまして、2.のほうになりますが、災害廃棄物対策に関する指標の設定についてです。国土強靭化基本計画や、第四次循環型社会形成推進基本計画におきまして、指標を設定しております。指標としましては、災害廃棄物処理計画の策定率、仮置場整備率、教育・訓練実施率ということで、それぞれ目標が掲げられており、処理計画につきましては、先ほどもご説明したとおり、都道府県は100%、市町村で80%となっております。仮置場整備率は80%、教育・訓練実施率は都道府県98%、市町村27%という状況となっております。
次のページですが、第四次循環型社会形成推進基本計画のほう5年が経過しまして、現在、見直しなどが行われているところでございます。災害廃棄物分野につきましても、処理計画の策定率が8割まで進んでいる状況を踏まえ、今後の実効性に資する新たな指標、数値目標が必要ではないかと考えております。災害廃棄物処理計画の策定率は、既に市町村も80%まで達しておりますので、今後、2030年度に向けて100%を目指していくべきではないかと考えております。また、教育・訓練実施率は、市町村はまだ3割に満たない状況ですが、都道府県は98%ですので、今後2030年度につきましては、都道府県は100%までに見直していくことが必要ではないかと考えております。
続きまして、実効性向上に向けた新たな指標ということで、平時から仮置場候補地の選定であったり、民間事業者との協定の締結が重要となってございます。これまで処理計画の中で、主に地震を検討されているケースが多かったですが、毎年水害が頻発している状況を踏まえると、水害についても処理計画の対象に加えていただく必要があると考えております。従いまして、仮置場候補地の選定率と民間事業者の協定の締結率、処理計画の中の水害の想定率という三つの指標を新たに追加してはどうかと考えております。仮置場候補地の選定は、令和4年度末実績は64%ですが、2030年度は100%を目指すべきではないかと考えております。民間事業者の協定締結率は、令和4年度末で62%ですが、2030年度に向けては80%、処理計画の中での水害の想定率は、2020年度で31%だったところ、2030年度は60%を目指すべきではないかと考えております。
次のページからは、各指標に関するそれぞれの支援策です。処理計画につきましては、まだ策定できない自治体に理由なども確認しておりまして、職員や時間を確保できないであるとか、専門的な知識がないといったことございますので、先ほどご説明した補助金などによりまして、日本海溝・千島海溝のエリアに対しましては支援を行っています。そのほか、これまで策定しました処理計画の策定・点検ガイドラインなどの活用を周知していくことを考えております。
次のページになりますが、教育・訓練につきましても、まだ特に市町村ではやっていないケースがございますので、オンラインやオンデマンド、e-ラーニング等も含め、受講しやすい形で進めていければと考えております。
続きまして、仮置場候補地の選定率ですが、仮置場候補地の選定ができない理由が、空き地の洗い出しができていても、災害時にほかの用途で利用される可能性があるとか、職員や時間を確保できないとか、そういった理由を把握しておりますので、引き続き、策定・点検ガイドラインなどで、仮置場候補地のチェックリストであるとか、仮置場候補地選定によるグッドプラクティスなどを周知していきたいと考えています。また、ほかの用途との競合などですが、防災部局との連携であるとか、あと国有地の活用に向けた調整など、地方環境事務所を中心にやっていければと考えております。
次のページになりますが、民間事業者との協定締結率につきまして、民間事業者との協定締結によりまして早く進んだ事例など、グッドプラクティス集にまとめておりまして、こういった周知を進めていければと考えております。
続きまして、水害の想定率でございますけれども、水害に関しまして、新しい推計式では水害の場合など、災害種別の推計方法をお示ししております。また、策定・点検ガイドラインで、水害に関しても推計して、検討することをお示ししますので、こういった内容を周知していきたいと考えております。最後になりますが、行政評価への対応ということで、令和4年度もご報告させていただきましたが、総務省から勧告が出されておりフォローアップの対応をしておりますので、ご参考までにつけております。駆け足になりましたが、ご説明としては以上となります。

(酒井座長)
どうもありがとうございます。最近の災害の発生状況等、ほか環境省の対応状況ということで説明いただきました。全体通してご質問、そしてご意見をお聞きしたいと思いますので、挙手ボタンで発言をお願いいたします。いかがでしょうか。それでは、大迫委員からお願いいたします。よろしくお願いします。

(大迫委員)
ありがとうございます。能登半島地震対応に関して大変ご苦労されていると思いますが、しっかりと全体をリードしていただいていると思っております。
二つありますが、一つは、能登半島地震の対応です。これから公費解体が本格的に進んでいくフェーズに入ってくると思います。そのときのアスベスト対策についてお聞きしたいと思います。
2020年に大気汚染防止法の改正があって、アスベスト対策が強化されておりまして、それに伴う災害時のマニュアルも改定されております。そういった技術的な要請というか、新たな要件がありますので、新たな要件に対応していく必要があると思います。その中で、特に資格を有する調査者により事前調査を行うことの必要性が出てきていますので、しっかりやっていただきたいと思っています。環境省では、アスベスト対策を所管する環境管理課と連携してやっておられると理解しておりますが、自治体や解体事業者、それから資格を持つ調査者、そういった方々にとっても、以前の大きな災害であった熊本地震のときはまだ法律改正前なので、それ以降、初めての大きな地震にもなりますので、関係者にしっかり理解していただきながら進めていただく必要があると思います。そういったところの環境省としての技術支援や対応等についてどのようにお考えになっているかをお聞かせいただければと思います。それが1点目です。
二つ目は、資料6で、大変多くの取組を行っていただいていて、対応力向上につながっていると思います。人材バンクなどは、かなり機能していると思うのですが、令和5年度の様々な災害、能登半島地震も含めて、災害対応力向上のための取組がどのような形で機能してきたのか、良かったところ、あるいは課題として残ったところ、そういったものは今後検証するとは思いますが、今の時点でその点についてお聞かせいただければと思います。以上です。

(酒井座長)
どうもありがとうございます。それでは、一通りご意見をお聞きして、その上でまとめて環境省にマイクを渡したいと思います。続いて、金澤委員、お願いします。

(金澤委員)
ありがとうございます。私からは、令和6年の能登半島地震の対応につきまして、少しお話をさせていただきたいと思います。補足させていただくという意味で、全国都市清掃会議といたしまして、全国の自治体とともに、この令和6年能登半島における災害時の対応を行っております。
まず、発災すぐに、松﨑災害対策室長から電話がございまして、支援の要請があり、1月4日には、横浜、川崎、名古屋、大阪、熊本と調査員を派遣いたしまして、環境省の本省の職員、中部環境事務所、石川県の職員とともに被災現地の状況確認、そして支援の協議を行い、1月6日から、廃棄物の収集運搬の支援のために、収集車両及び人員を派遣しております。
そして、これまでの間、37自治体から職員と収集車両を派遣いたしまして、収集車両で申し上げれば、延べ1,300台を超える収集車両、及び人員で申し上げますと、延べ5,000人を超える職員が現地に入っております。今回、37の市区町村、自治体からの支援ということで、能登半島沖地震に対しまして支援を行っているところでございます。各自治体の皆様方、本当にありがとうございます。この場をおかりして、お礼を申し上げます。
また、支援に行った自治体の皆様方からは、自分たちの自治体でいざ災害が起きたときに、どういった受援体制を取れるだろうか、支援をお願いできるだろうかということを持ち帰って議論する、そういった場にしたいという声が上がっております。これからもまだまだ長い期間がかかると思います。しっかりと支援してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

(酒井座長)
金澤委員、どうもありがとうございます。ご苦労さまです。
では、引き続きまして、吉岡委員どうぞ。

(吉岡委員)
吉岡でございます。ご説明ありがとうございます。能登半島の地震の件でご質問させていただきたいと思います。
一つは、今回、海上輸送を幾つかやられていたということですが、エリアによっては港が使えない中での判断です。港を見ないといけない状況があったと思います。地震の地殻的な要素でもって港が使えなくなるところは難しいことは分かっているのですが、例えば、着岸するところが着岸できないほどのダメージを受けていた場合、そのエリアにおける海上輸送についてどういう判断を今回されたのかをお聞きしたいというのが1点です。それと、公費解体等を進める前の段階で、まず建物の判定が行われると思うのですが、その建物判定と公費解体の時間的な猶予がどういう状況になっているのかをお聞きしたいのが1点です。
それと、もう一つ、最後ですが、今後この後の資料でも出てくるかとは思うのですが、災害発生量の推計のところです。いまも発生量の見直しや精査があると思うのですが、どのレベルでの発生量を推計するための数式をきちんと確立していくのかがポイントかと思います。まず、初期のところで、最大限出てもこのくらいというところに合わせるのか、あるいは、最低限このくらいは出るというところなのか。予算との関係もあるので、その辺をどのラインに、どの時点でそろえるのかという方向性がないと、どう発生量を推計するのかがぶれてしまわないかが心配というか、そこが大事かなと思っております。その辺についてもし何かあれば、次のほうのワーキングのほうでも構いませんが、その状況をご説明いただければありがたいと思います。私からは以上でございます。

(酒井座長)
吉岡先生、ありがとうございます。それでは、引き続きまして、島岡委員、お願いします。

(島岡委員)
どうもご説明ありがとうございました。私も能登半島地について、二つ三つご質問をさせていただきます。
まず、資料5-1です。広域水害①、②で出てきました、集積所とございましたけども、これは計画的なものだったのか。勝手仮置場に近いものであったのかを教えていただければと思います。
それから、二つ目は、資料5-2の6ページだったかと思いますが、現状の処理とか、再生利用、処分の状況をご説明、ご報告いただきました。処理・処分と言っておられますが、捉えようによっては、例えば木材がバイオマス燃料として利用されることもありますので、最終的には、処理が再生利用に当たるもの、また、処分といっても埋立用材という捉え方、阪神・淡路でもそういう捉え方をしていましたが、もう少し処理と再生利用処分、最終的にはきちんと定義づけをされて、定量的なデータとしてお示しされたほうがいいと思いました。
それから、あと、同じく資料5-2のところで、15ページでしたか、仮置場の設置状況をお示しいただきました。富山県、新潟県の仮置場の設置数をお示しされていましたが、被害状況、全体の244万トンが石川県だけだったように思いますので、富山、新潟の被害状況、数量的にどの程度の推定をされているのかです。特に、新潟は液状化が多くて、家屋の被害が思ったより大きいということも報道されておりましたので、分かる範囲内で、新潟県、富山県の被害状況、石川県に比べてどうだったのかをご説明いただければと思います。私からは以上です。よろしくお願いいたします。

(酒井座長)
それでは、引き続きまして、勝見委員、お願いします。

(勝見委員)
今日は遅れて参りまして、申し訳ございませんでした。
1点お伺いしたいことがあります。能登半島の地震の資料5-2の6ページ、私、遅れて参りましたので、ご説明を聞いてなくて質問をさせていただいて、大変申し訳ないんですが、こちらのほうで、冒頭には、可能な限り分別、選別し、再生利用と書いていただいています。その方針で進めていただくという理解をいたしました。
一方で、右側の表、あるいは左の真ん中の図では、金属くず、コンクリートがらは再生利用すると記載されています。可燃物、木くず、不燃物は処理とカテゴリー分けされています。今回、不燃物が見込みで73万トンと非常に多い。これは家屋解体等に関わってくると思いますが、これが多分再生利用できるものは処理して、再生利用していくと思いますが、その見通しをお聞かせいただきたいと思います。ぜひその取組は、技術的な面も含めて、記録を残していただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

(酒井座長)
勝見先生、ありがとうございます。では、中林先生、いかがでしょうか。

(中林委員)
能登半島の今のスライドの一つ前ですかね、被害状況の数字についてです。実は、ずっと不思議に思っていて、県にも問い合わせるのですが、ちゃんとした反応がない状況です。
スライド4の被害発生量の基になっている建物の被害量ですが、この上の4市町は、すごく建物の全壊、半壊数が多いです。特に珠洲市は、世帯数が5,300しかないのです、現状の住民基本台帳で。その倍ぐらいの建物が全壊、半壊しているということで、普通、被害想定もそうですが、過去の被害実態でも住家被害の数ですから、世帯数よりも必ず低くなっているのですが、全壊、半壊が世帯の2倍になっている数字が何かということです。
もしこれがいわゆる住家のり災証明の発行とは別に、例えば応急危険度判定で赤紙を貼った建物を全部、付属家屋も含めて全壊や半壊にしたような扱いになっているとすると従来の消防庁の被害報告とは異なっている、住家以外の附属家とかが全部入っている数字になるかと思います。輪島も、世帯数で言うと9,500世帯ぐらいで、ほぼほぼ全て全壊、半壊になります。穴水、能登を含むこの4つの市町について、全壊、半壊の数が本当に従来の消防庁の住家被害としての正しい数なのか、という疑問です。つまり、これを基に廃棄物発生量を推計したときに、廃棄物の発生量の推計結果が過剰になっているのではないかと感じています。これはぜひ確認していただきたいと思いますし、環境省ではどう捉えているかということも合わせてうかがいたいです。
それから、もう1点、先ほどお話ありましたが、コンクリート等が非常にたくさん発生しているということですが、市街地でビルが壊れているということは、それほどたくさんあるわけではなく、ほとんどの建物が木造ですから、瓦その他が多いので、燃えないものがたくさん出るのは間違いないのですが、コンクリートがこれだけ出るというのは、建物ではなくて、土木施設、港湾、その他、道路などからのコンクリートも入れて推計されているのか、それは別枠なのか。被災地の状況としては、道路を含めて、基盤施設からのコンクリート廃棄物が大量に発生しているのではないかと思うのですが、その内容についても、確認させていただきたいと思っています。
先ほど世帯数より建物棟数が多いと言いましたが、世帯より多いということは、り災証明の全半壊数よりもたくさんの棟数が出されているということになりますし、公費解体は世帯の住家に対する公費解体だと思うのですが、附属屋や住家以外の産業施設等その他を含めて全てを公費解体する扱いになっているのかどうか。そのことも、この全壊、半壊の数字がオーバーし過ぎているのではないかと心配しているところです。公費解体したら、がれきの大部分が処理されるかと思いきや、そうでもないのかなみたいなことであったり、いろいろ私が十分理解できてないところがありますので、ぜひとも教えていただきたいということです。
それから、もう1点、ご説明いただいた中で、全国、ブロック、あるいは自治体等のいわゆるプッシュ型の支援をずっとやってきたということをご報告いただき、それはすばらしい展開だと思う一方、奥能登の4市町を中心に処理計画等、石川県の処理計画はどういう状況だったのかを教えていただきたいです。加えて、処理計画があるということと、こういう壊滅的な被災をして、もう全て受援に頼らざるを得ない状況の中で、処理計画と同時に、災害廃棄物を処理するための受援計画のことです。やはり南トラ等を考えると、考えておかなきゃいけないかなと。プッシュ型の支援だけで回し切れないところがどうしても出てくるので、処理計画に受援計画をきちんと位置づけた対応も、今後の課題としては検討しておかなければいけないのではないかなと感じています。これについても、お話を伺えればと思います。
最後は、今年度の災害ということで、地震と水害があるのですが、水害の仮置場の写真で、ここは一回浸水した場所を使っているのかな、水が引いた後です。ここは浸水してないなという、高台型のやつがあるのですが。もし水害時の仮置場で、浸水地を使った、あるいは浸水しないところに震災のみならず水害でも使える仮置場を設定していたのか。その辺の少しディテールについて、どういう仮置場が水害のときに使われたのかをぜひ教えていただきたいです。多くの市街地が浸水想定区域になっている都市が多いので、水害時の仮置場を水が来ないところに確保するということになると、郊外の随分高台とかへ持っていかなくてはいけない自治体が多くなると思います。水が引いた後は使えるということで考えるのかどうか。それによって、地震時と水害時、水害時には浸水があるなしによる区分、そのようなことが仮置場整備率を実効性あるものにしていく上でも考えておかないといけない、検討しておかないといけない課題かなと思いました。以上です。

(目黒委員)
目黒ですが、質問をしてもいいですか。

(酒井座長)
はい、どうぞ。

(目黒委員)
何点かあるのですが、最初の一つは、先ほどの中林先生のご質問にも関係します。世帯数よりも多くの建物被害があったということですが、私は、勝手に空き家等の影響が大きいのかなと思っていました。全国的に、地方に行けば行くほどこの問題が大きいので、それを今回きちんと整理すべきではないかなと思います。つまり公費解体にしろ、がれきの算出量にしろ、実際に使われているものと使われてないものに分けて、分類した上での対応が問われると思いますので、それをぜひご検討いただきたいということです。
他は半島特有の問題と過疎化が進んでいる問題に関してです。従来はどちらかというと、廃棄物全体の総量を重要視し、その量が大きいと対応が難しいという議論を、この委員会ではしてきたと思います。もちろん総量は依然として重要ですが、それ以外の点でも、被災地域特有の課題に依存する問題にも注意を払うべきだと思います。具体的には、全国レベルで見れば、量的には問題ないが、実際の対応を考えると、過疎化等で被災地で確保できる労働力が足りないとか、外部からの支援をしようとしても道路施設等の被害で、それが難しいなどの制約があって対応が難しくなるような問題です。これらの問題は、南海トラフの地震が起こった際の紀伊半島とか、東海地震や東南海地震時の伊豆半島の問題としても考えておくべきです。今回の能登半島の教訓を踏まえると、個別の検討を丁寧にしておいたほうがいいエリアや項目などがありそうなので、それらを事前に抽出して検討しておくべきだと考えます。
最後は、地方の比較的人口の少ないほぼすべての市町村に共通する問題だと思いますが、ある一定レベル以上の被害が起こったときの災害対応を考えると、幾ら支援で多くの方が被災地に入ったとしても、外部からの大勢の支援者をマネジメントするだけの力がないので、市町村に対応を任せるのは、もう完全に無理だということです。
このような課題を改善しようとするのが、GADMなどの仕組みだとは思いますが、これにも課題があります。支援市町村の対応のとりまとめとして県が入ったわけですが、現状では市町村の災害対応を十分理解していない県職員も少なくないので、そのような職員が担当になると、スムーズな災害対応ができません。また、この制度は2008年の中国の四川地震の際に中国政府がとった「対口支援」を参考にしているのですが、実際は似て非なるものになっています。中国政府による「対口支援」は、被災地をいくつかのブロックに分け、それぞれの地域に対する復旧・復興までの災害対応を外部の力のある特定の都市に任せるものです。こうすることによって、支援する側は、災害対応の全体像を学ぶことができる。また特定の地域の支援に集中するので、対象被災地の復旧・復興には責任が発生する。それがいい意味での競争関係を生み、復旧・復興の速度やクオリティにいい影響を及ぼすというものです。しかし、今回は外部の自治体に対して、特定の被災地の災害対応全体の支援を求めるものではなく、複数の被災地の支援や、個別の災害対応業務の支援を求めたので、責任も発生しませんし、支援自治体が災害対応の全体像を学ぶこともできません。
以上のような問題がいろいろと指摘されているのですが、私自身は日本の自治体による災害対応における本質的な解決策は、災害対策基本法を改定することだと思います。現行法では、「市町村に災害対応の責任をまず持ちなさい」と言っているわけですが、これが現在の実際の状況に全く即してないということです。現在約500の市町村では、防災や危機管理の部署に専任の職員が1人もいない状況です。そのような部局職員の数や任期を考えると、専門性の醸成や経験の蓄積が難しい市町村ではなく、都道府県が主体になるべきだと思います。都道府県であれば、職員の任期中に数回の災害対応を経験できます。市町村の災害対応業務を事前に学ぶこと、市町村との人事交流などを介して職員数を増やした上で、都道府県が主体になるべきだということです。現在でも災害救助法は都道府県が責任を持っています。
このような少し大きなフレームワークでの議論をどこかですべきだと思います。今から実施していかないと、将来的に全く回らなくなるような課題を指摘したり、検討したりすべきだと感じます。
以上です。

(酒井座長)
どうも、目黒先生、貴重なご指摘どうもありがとうございます。安富委員、どうぞ。

(安富委員)
ありがとうございます。いろいろご説明いただきまして。実は、能登半島地震ですけど、2回ほど現場に行きました。2月の初めと3月の初めに。印象的には、解体がほとんど進んでいない。だから、これから本格的に公費解体が進んで、かなりがれきが出ると思うので、これからが正念場になると思います。
特に、ボランティアがほとんど行けてなかった状況で、ようやく最近、ボランティアが行けました。うちもボランティアを出して、この間、2回ほど活動をしました。まだ解体が進んでないところが多いので、取りあえず、壊れていない家の手伝いをすることが多いんですよね。これから、学生たち、若い人たちは、4月の連休とか5月の大型連休でたくさん行くと思いますので、いつも言っていますように、ボランティアセンターでの指導とか、そういう周知徹底をされるのがいいのではないかと思います。
もう一つは、去年の水害についてです。去年消防庁の仕事で、和歌山県の海南市に取材に行って、市長にお話を伺いました。さきほど中林先生がおっしゃった話と関連があるのですが、もともと仮置場を想定したところが浸水してしまったので、置けなくなったことがあったそうです。市長が、別の土地の所有者に直談判して、それで確保したという話がありました。それをもって、やっぱりこういうときは首長の理解が非常に大切だと思いました。海南市の市長は、特に奥能登の4市町にも職員を派遣したりして、もともとの市町間の関係性があって、そういうのも利用するのが大事だということをおっしゃっていたので、一つお話ししたいと思います。以上です。

(酒井座長)
どうもありがとうございます。それでは、事務局に回す前に、資料5-2の13ページです。施設の対応状況の報告をしていただいているのですが、対応で復旧した云々という表になっていまして、どういう被害の内容があって、それがどの程度重篤な被害だったのか。全部説明してくれとは言いませんから、象徴的な事例の説明をしてくれませんか。
それから、もう一つは、16、17頁の公費解体の件です。本格的な解体はこれからというご説明でした。解体実施件数ということで一定数上がってきているのですが、緊急解体で実施された手続というか、その判断は、どういう経緯だったのかを追加で説明いただければ幸いです。
それでは、多くの意見が出ましたので、事務局、ご回答大変かと思いますけれども、順次説明していただけますか。

(松﨑災害廃棄物対策室長)
環境省、松﨑です。いろいろな観点から貴重なご意見、ご質問、ありがとうございました。これから回答させていただきます。私が回答する部分と、別の者が回答する部分ございますが、ご了承いただければと思います。
まず、大迫委員の件ですが、アスベスト対策の件、ありがとうございます。ご指摘のとおり、環境省の担当部署とも連携して対応しておりまして、石川県とも連携対応しております。環境省の取組としては、大きく4点あります。
まず、専門家を派遣して、被災建物の露出状況等の調査、指導を行うとともに、これも石川県と連携してですが、先月、アスベストの大気濃度調査、バックグラウンド、解体が始まる前のデータとしてモニタリングを実施しております。
また、3点目は、厚労省と連携して、建設関係団体等に対して、解体工事での飛散・ばく露防止対策をするとしております。
4点目は、被災自治体に対しまして、マニュアルを活用した取組、住民の方、ボランティアの方々への注意喚起ということで、チラシを作成・周知するなど行っております。これから公費解体件数増えていきますので、引き続き、関係機関と連携して対応していきたいと考えております。
人材バンクの件ですが、良かった点と課題を今後しっかり検証していきたいと思います。今回、これまでの災害と異なる取組としては、人材バンクの運用を始めて、初めての大規模な地震災害ということで、できるだけ多くの方に参画いただいて、ご協力いただけています。局面によって必要な知見は変わっていきますので、それに合わせて、できるだけニーズに合った形で支援させていただいております。
一方で、課題としては、今回かなり多くの方々にご協力いただいたのですが、先ほど、人材バンクの人数増えていると申し上げましたが、過去災害を受けた自治体にお声がけしながらやって、ぎりぎり対応しているという状況です。これを踏まえますと、この人材バンクの登録者数は、そのままにしておくと、当然少しずつ減っていきますので、これをいかに増やし、あとは質を担保するために、普段の研修等の取組が大変重要になってくると思っております。
次に、金澤委員、ありがとうございます。本当に多くの自治体から収集運搬の派遣をいただいております。大変感謝申し上げます。おっしゃるとおり、自分が被災したときにどう円滑に応援を受け入れるかとは、収集運搬だけではなくて、いろいろな点で課題となります。スムーズな受援は、今後の課題の一つかと考えておりますので、こちらについてもしっかり対応してまいります。
吉岡先生のほうからご質問をいただきました。今回2月末に公表した県の実行計画においては、海上輸送については、二つの港、一番奥能登の珠洲市と能登町の港を活用するということで計画を立てております。やはり奥能登の一番奥になると、特に道路のアクセスの観点でより厳しい状況だということで、これは県のほうで、港湾管理者とも現地調査した上で、この二つを選定しております。実行計画にも書いておりますが、今後、利用する港については、状況に応じてまた検討していくということとなっておりますので、当面この二つの港を活用するとなりますが、そのほかの港についても、状況に応じてという形になります。環境省としても、港湾管理者、国交省とも連携して、技術的な助言等をしてまいります。
建物の判定と公費解体の時間的猶予ですが、建物の判定を、り災証明の判定ということで、これは1回判定が行われた後、2次判定、3次判定と被災者の申請に応じて行われる状況も現在進行形で進んでおります。それを踏まえて、公費解体に関しましては、通常は全壊のみが対象ですけども、今回は半壊以上を対象としております。公費解体の受付は、すぐに終えることはないと思いますので、全壊よりも半壊のほうが被災者の方が考える時間、それぞれ人によって違いますので、それを踏まえて公費解体の受付の期間を柔軟に対応するが大事かと思っております。
発生量推計に関して、今回、限られた時間の中で推計ということで出されています。環境省でも技術的助言を行っておりますが、最低という観点や、最大という観点ということではなくて、限られたデータで、どの程度発生する可能性があるかをフラットに中立的に出したものと、我々承知しております。当然この後、実態等を踏まえて変わっていくものですが、その検討に当たりましても技術的助言を引き続き行ってまいります。
島岡委員からのご指摘の集積所に関しては、後ほど、別の者からお答えいたします。
処理に関して、再生利用と再生利用ではなかったものにつきましては、これまでも例えば熊本地震や東日本大震災でも再生利用が何%だったかということも実績として整理しております。今回に関しましても、可能な限り、この点についてデータとしてフォローアップ、整理していきたいと考えております。
富山、新潟の件に関しても、後ほどご説明いたします。
勝見委員からのご質問に関しまして、再生利用ですけども、県の実行計画で処理と書いている124万トンの中でも、再生利用できるものは再生利用していくということで、県の実行計画でも明記されております。この点は非常に重要ですので、124万トンの中でも利用できるものは利用していくということで、県としてそのような認識を持っておりますので、環境省としても、その観点から技術的助言等々を行ってまいります。
中林委員からのご指摘、ご質問、ありがとうございます。今回、発生量推計は県で公表された件ですが、県が推計しているものは、住家以外の非住家も含めた棟数の推計となっております。今回、推計で活用したもので、4ページ目にありますが、この発表時点で多くの市町が全壊、半壊数の内訳がまだ示されてない、もしくは、まだ実績が伸びている状況でしたので、防災科研が提供しているデータを活用しております。この推計データの中で、住家、非住家、両方を対象としています。
一方で、住家と非住家に関して、現在、石川県が被害報で出しているもので申しますと、例えば、珠洲市で言いますと、全壊、半壊、合わせて4,700棟ですが、それ以外に非住家の被害も公表されていまして、これは半壊以上のものを公表しておりますが、非住家に関しては約4,300棟、非住家の半壊以上の被害が出ている状況でございます。この点に関しましては、今回、防災科研のデータも活用しつつ推計されたということですが、この検証は非常に重要だと思っておりますので、被害報が確定した後に、定量的、定性的に検証しまして、今後の発生量推計に活かしていきたいと考えております。
コンがらに関してのご指摘、内訳のデータが今回の発生量推計で出ていますが、今回、県で公表された実行計画の内訳に関しましては、まだ発災2か月しか経っていない状況であることも踏まえ、平成28年に発生した熊本地震の災害廃棄物の発生量の割合をそのまま活用しています。当然、熊本地震の被害と能登半島地震の被害は、木造、非木造の内訳等々も起こり方も違いますが、今回の実行計画では、その熊本地震の内訳を用いたということです。この点に関しましても、最終的に処理が完了した時点で、その内訳に関しても整理した上で、今後の推計に活かしていきたいと思っております。
あと、中林先生からございましたが、石川県内での自治体がどれだけ計画を事前に策定していたかに関しましては、石川県内の市町村は、全て、災害廃棄物処理計画を事前に策定されておりました。受援を前提とした計画という点、中林委員のご指摘、大変重要だと考えております。金澤委員のご指摘とも通じるところがあると思いますが、支援をいかに円滑に受け入れていただくかに関して、秋田の水害でも同じようなことで苦労したこともございますが、今回の災害を検証した上で、受援の円滑化に関して環境省が出している指針や技術資料のアップデートなども含めて、検討、対応していきたいと考えております。
仮置場の件ですが、例えば秋田の去年の水害では、7か所の仮置場が設置されましたが、浸水区域、実際に浸水したエリアで、水が引いた後に仮置場を設置したところもありますし、計画に定められていたものを速やかに設置したもの、様々でございます。委員ご指摘のとおり、地震のときと水害のときとで、仮置場の設置に関しても変わってくると思いますので、この点も踏まえて、今回、指標を新たに設定しようとしておりますが、災害の種類に応じて、どう仮置場の候補地をあらかじめ設定しておくかという点についても、実効的な対応ができるように環境省としても技術的な支援を行ってまいりたいと考えております。
目黒委員のからのご指摘につきまして、空き家に関しては、委員がおっしゃるとおり、全国平均では、住宅土地統計で言いますと14%程度ですが、奥能登の市町では、2割を超えるところもございます。当然住んでいらっしゃる方々が公費解体をまず申請されますが、住宅として使われてないところは申請できないので、環境省としても、この点は発災直後から念頭に置いて、空き家に関して、所有者が不明な場合の管理どうするか、公費解体の申請どうするかについて、民法に基づく制度がございまして、それを活用して、裁判所に申し立てる対応等、その制度の運用についても今回マニュアルで盛り込んでいるところでございます。できることは今回やらせていただきつつ、その相続等々に関するお悩み事も出てきていると聞いておりますので、司法書士会とも連携した相談窓口の設置なども行っております。この点に関しては、今後、申請ベースの対応だけではなくて、積極的に、そのまま放置されているものをどう解体していくのかも重要ですので、市町と連携して、検討、支援を行ってまいりたいと思います。
今回特有である半島の対応ですが、道路が被災したことも踏まえまして、非常に細いという状況であるとか、あとはボランティアの方々の人数がほかと比べて少ないと、いろいろな特徴が出てきておりますので、先生がおっしゃるとおり、総量だけではない、混乱性にどう対処していくのかを、今まさにオンゴーイングで県や市町と連携しながら対応しております。今回、まだ経過途中ですが、しっかりと検証した上で、次の災害に活かしてまいりたいと考えております。
あと、市町村の対応が可能かという点に関しましては、災害対策基本法は9年前の廃棄物処理法の改正の中で改正を行っておりまして、例えば南海トラフや首都直下のような巨大災害に対して、国として、どうそれに主体的に関与していくかという観点から改正を行っております。その一方で、市町村の対応に関しまして、まさに公費解体も含めてですが、住民サービスに大変密着している、そういうサービスと連動しながらということも非常に重要であるというのが災害廃棄物対策の特徴ですので、市町村の処理責任、主体は変わらず重要ではありますが、それを災害の程度に応じて県や国がどう切れ目ない形で、災害の規模に応じて対応していくかということが重要かと思いますので、その点も、これからの災害規模に応じてしっかり対応していきたいと考えております。
安富委員から御指摘いただきました点、ありがとうございます。ボランティアの件に関しましては、基本的にボランティアセンター、市、もしくは県のレベルでいろいろと指導・助言を行っております。環境省では、一番接点として出てくるのが、被災家屋からの片付けでございますが、これに関しましては、被災市町、そしてボランティアセンターとも連携して、ごみ出しとそれの運搬、これが連動して行われるように、先ほど金澤委員からのお話ありましたが、全国都市清掃会議ほかの応援いただく収集運搬の自治体とも連携しながら円滑に進める形で行っておりますが、今後とも、片付けごみが出てきますので、引き続き、この連携はしっかりとやっていきたいと思います。あと、今回スライドでも書かせていただきましたけども、収集運搬支援だけではなく、人員が非常に不足している状況で、環境省として人材バンクによる技術的支援のほかに、全国の自治体に呼びかけまして、事務職員の支援もこれまで以上に積極的に行っております。加えて、総務省で中長期派遣制度がございまして、一つの自治体が、1週間、2週間ではなくて、半年、1年という長い期間ご支援いただくという制度もございますので、これも積極的に活用しまして、安定的な災害廃棄物体制が被災市町で継続して行われるよう、そういう制度も活用して人的支援を行っていきたいと考えております。
酒井座長からご指摘いただきました点の2点目の緊急解体に関してです。緊急解体に関しても所有者の同意は必要で、被災市町、そこはしっかりと取った上で緊急解体を行っています。特に初期に行われたものは、所有者の申請を待たずに、市町の方でこれは緊急に解体すべきだと判断したものは、所有者の同意を得た上で行っております。一方で、今回、例えば輪島市では、最初は緊急性の高いものに限定した公費解体の受付を行われております。こういう場合では、その申請の情報をもとにして、その中で緊急性を仕分けて判断した上で、輪島市のほうで、もちろん所有者の同意も得た上で行っています。ということで、市町によって対応はまちまちですが、同意を得て行うという点は共通して対応しており、しっかり確認して対応を行っているという状況でございます。今、私が申し上げた点以外で、別の者から簡潔にお答えさせていただきます。

(鳥居災害廃棄物対策室対策官)
島岡先生からいただきました、新潟、富山の状況につきましてご説明させていただきます。
富山県につきましては、県のほうで4万4,000トンの災害廃棄物の発生量を見込んでおりまして、こちらにつきまして令和7年度末の処理完了を目指すことが公表されてございます。新潟県につきましても、環境省の職員を現地に派遣しまして、助言などさせていただいておりますけれども、これまでのところ県では、災害廃棄物の発生量などの公表はされていない状況でございます。以上です。

(小野災害廃棄物対策室室長補佐)
大迫先生からいただいた災害登録の向上のところになりますが、人的派遣で持続コンや人材バンクを派遣しています。こちらのほうで発生量推計等で市町をフォローしているのと、公費解体につきましても、今まさに入ってきていますが、自治体で経験を有する方を現地に派遣していまして、いろいろ質疑対応しながら、市役所の方々をフォローしています。
また、島岡委員からいただきました、未管理集積所の件です。こちらは場所によっては、いわゆる勝手仮置場のような状態になっているところもございました。こちらのほうも、持続コンにいろいろご協力いただきながら、どこにあるのか等の情報収集しながら、市町の方々に情報提供して、収集体制をフォローしております。
最後、酒井先生からいただいています施設の被害の状況ですが、特に奥能登クリーンセンターは被害が大きくて、エキスパンションが外れていたり、外壁が外れていたり、基礎がずれているところもありましたので、今はまだ基礎がずれている状態ですが、それを長期的に修理していくというところです。し尿処理施設につきましても、津波の被害がありましたので、ポンプ類が被害を受けています。以上となります。

(酒井座長)
どうもありがとうございました。ほぼ網羅して、回答いただけたと思っております。特に今回、指標の見直しに関する方針も示していただいていますが、それに対するご意見、特にございませんでしたが、途中で仮置場の候補地選定に関わるところで、中林先生からのご指摘ございました。その点を含めて、市町村の数値目標100%がいいかどうかも含めて、指標に関しては、また継続的に検討を進めていただければと思います。
それから、目黒先生からご指摘があった、総量に加えて、地域特有の状況を想定した中で考えるべき、南海トラフ地震を頭においた紀伊半島、首都圏直下や東海地震を頭においた伊豆半島といったご指摘は非常に大切かと思います。この後、各ワーキンググループのご報告いただきますが、その中での検討の可能性も含めて、この後、お話しいただければと思います。
あと10分余りということで、時間が押しておりますけれども、各ワーキンググループの報告に入っていただければと思います。よろしくお願いします。

(牧委員)
それでは、技術・システム検討ワーキンググループ、ほぼ時間がございませんので、大変急いで。次のページをお願いします。
昨年度は、南海トラフ地震の対応も含めた分析、それから火山灰、それから日本海溝・千島海溝の災害廃棄物量推計を行いました。今年度は、昨年度に継続しまして、日本海溝・千島海溝地震の災害廃棄物の推計プラス、対応をどうするのかということと、それから火山灰、それから先ほどから議論になってございます、今回の能登半島地震では、新しい災害廃棄物の推計量を使ったわけですけども、そういったことが実際の数字としてどうなっているのかといったこと。
それから、これも先ほど議論になったところでございますが、事前にその空き家を撤去しておいたらどのぐらい減るのか、中林先生からコンクリートがらのお話がございました。これをどうするのかといったことについて検討いたしました。次、お願いします。
次が、日本海溝・千島海溝の検討結果でございます。次、お願いします。結果といたしましては、まずはブロック、北海道は大変大きいので、ブロックに分けて検討することが必要だということで、ブロックごとの発生量、それから可燃・不燃の対応ということで、そこの丸四つ目ぐらいに書いてございますけれども、可燃については、仮設焼却炉を設置することで対応可能と。あと今後、不燃物の広域処理についてどうするのかという検討をしていくということでございます。次、お願いします。これが火山灰の検討です。火山灰について、ヒアリングを詳細に進めたということでございます。まずは、廃棄物処理施設の対応が行われているのかといったこと。それから、収集運搬、どうしているのかヒアリングを行いました。次、お願いします。
これがまとめでございますが、ご覧をいただいたらと思います。鹿児島市について様々な対応が行われている事例の収集を行いました。次、お願いします。
それから、これが災害廃棄物の新推計式のフローということで、先ほども申し上げましたように、今回の能登半島地震の約240万トンは、この新推計式を使ったものでございます。次、お願いします。この新推計式が実際の発生量とどういう関係を持っているのかということで、先ほど吉岡委員のご質問にもあったと思いますが、今の方針としては、基本的に精緻な発生量の推計ということが最大の目的かと思ってございますけども、水害時の場合の、例えば八代市を見ていただきますと、解体廃棄物量が実績値の24%しか、実質合っていないというようなこともございます。
先ほどご報告でちょっと飛ばしましたけども、日本海溝・千島海溝の廃棄物ですけども、昨年度行いました旧推計式と新推計式で比較すると、数字が1.5倍ほど増えてございまして、これがどういうことなのかといったことも推計をしてございます。この新推計式、これまでの東日本大震災以降の様々な事例を基に精査して作ったものですが、これも今後精査をしていく必要があります。それから、初めの環境省の取組で、デジタルツインのお話もございましたが、ドローンの活用についての検討も行いました。次、お願いします。
それから、空き家対策ということで、事前に空き家を解体しておくことによって、特に今回の能登を踏まえて、実際どういうことなのかということを検証していく必要があると思います。空き家、それからコンクリートがらの再生利用の知見の整理を行いました。次、お願いします。
空き家を壊しておけばということですが、日本海、それから千島、それから南海トラフ地震について、廃棄物の発生量抑制の効果があるということ。それから、コンクリートの再利用、これはいろいろなヒアリング結果でございますが、赤に書いてございますように、技術面だけではなくて、社会的要請、住民感情に対する対応が必要ですとか、品質評価の分析がボトルネックになることが明らかになりました。次、お願いします。
次で最後だと思います。ワーキンググループの委員に東日本大震災の対応を行われた方もおられまして、コンクリートがらは、復旧事業の開始後は問題なく処理ができたということですとか、コンがらと津波堆積物をうまく混ぜ合わす必要があって、そのコンクリートがらだけを先に処理すると、なかなか問題があるといったお話がございました。あと2枚は実施状況ですので、省略させていただきます。以上です。

(酒井座長)
どうもありがとうございました。それでは、続いて、地域間協調ワーキンググループ、お願いします。

(浅利委員)
ありがとうございます。それでは、地域間協調ワーキンググループからも、できるだけ頑張って手短に行きたいと思います。次、お願いいたします。こちらは、令和4年度の検討事項と、それを受けた令和5年度の検討事項の表ですので、次に行っていただければと思います。
まず、今年度は、令和4年の静岡や愛知にありました、台風での災害廃棄物処理の対応について主に検討いたしました。特に初動対応で課題となる、組織体制、協力・支援体制という視点と、あと先ほどたくさん議論がありましたけれども、仮置場の設置・管理運営、片付けごみ対応、大きくこの二つの視点から、初動時に改善できる点がないかを議論してきました。検討ポイントは、次の結果を見ながらがいいかなと思います。次、お願いいたします。
災害が続いていますので、思い出していただくことも含めて、令和4年度の9月23日、こちら静岡や愛知に大きな被害をもたらしました。24時間の雨量が400ミリを超える、観測史上1位と言われる状況でした。次、お願いいたします。
次のスライドが、被害の状況と仮置場等の設置状況のまとめです。特に写真を見ていただきますと思い出していただけるのかなということで、ご参考にと思います。次、お願いいたします。それと環境省並びに関係機関、自治体を含めた現地の支援状況です。これはまた後で、ヒアリング等でも関係してきますので、必要に応じて見ていただければと思います。次、お願いいたします。これは字が小さいので、イメージだけ見ていただければと思います。左のほうが災害対応プロセスフローで、一番上の青いところが体制を構築するという視点、緑が仮置場等の設置になっていまして、上のほうから時系列で、どう対応してきたかを整理したフローになっています。右のほうは、そのフローの中でどのような課題が出てきて、どう対応したかを整理したものになっていまして、こちらは上が体制、青い部分が体制で、下のグレーや緑で表現されている部分が仮置場の設置等となっております。ここで、右のほうで赤い太めのセルがあると思いますが、この辺りが非常に重要で、全体の律速であったり、いろいろなことを含めた社会課題との関係性において重要であろうというテーマだと考えました。これは6つの大きな特定テーマということで、さらに深掘りする検討を行いました。今回はその中の3つの特定テーマに関しての検証結果をご紹介いたします。次、お願いいたします。
こちらは、特に仮置場の設置や片付けごみの回収方法でございます。上のほうに臨時ごみ集積所とか、大規模仮置場と書いてございますとおり、この災害においては、いろいろな方法で回収を行われました。それがうまく組み合わさった部分もあれば、少し混乱を生じたこともあったということで、その検証を行ったというのが今回の内容です。次、お願いいたします。この検討の進め方です。こちらはワーキンググループの進め方といってもいいかもしれませんが、11月に第1回の地域間協調ワーキンググループを開催し、それを受けまして、実際にどうだったかを被災自治体へヒアリングし、それから検証会ということで、先ほどの特定テーマのうちの、まず前半は3つのテーマ、そして第2回の検証会は、ワーキンググループを挟みまして、残り3つのテーマに関して検証しました。具体的にどう検証したかを次の後のスライドでご紹介いたします。
まだワーキンググループは全て終わっておらず、そのタイミングでの検討会であることを、念のためお伝えしておきます。次、お願いいたします。こちらのほうが検証会の開催ということで、第1回、第2回とございました。出席者に関しましては、被災自治体の関係者に加えて、支援に入られた全都清、それから環境省のメンバー、事務局メンバーになっておりますので、被災自治体の方と客観的にお話しできる方々と一緒にやらせていただきました。次、お願いいたします。
3つの特定テーマのうち、ここで紹介するのは3つでございまして、そのうちの一つ目です。片付けごみの戸別回収に関して、いい判断だったかを振り返って、検証していただきました。この左の上にございますとおり、過去の水害で仮置場を設置せずに戸別回収だけで対応した経験もありまして、今回も回収方法の検討段階では、基本的に戸別回収ありきで検討したと。ただ、右にございますとおり、やはりいろいろと課題も起こってしまったという形です。それに対して、今振り返って、判断はどうだったかということで、なかなか難しいのですが、振り返りは重要だということで振り返っていただき、これはやむなしだったかなという結論を持たれたということです。ただ、課題もございまして、当然、仮置場の設置が早いほうがいいとか、その他のいろいろな要素が出てきておりますので、こういったものをより具体的に今後につなげようという話になったということです。次、お願いいたします。
それから、特定テーマの2ということで、戸別回収以外にも、臨時ごみ集積所を開設して対応したということです。この理由としては、戸別回収だけでは限界があったので、急遽こういうものを設置したということですが、ここでも集積所を設置したことによる課題や、この必要性がどうだったかということ。加えまして、平時にどういうことができるかということで、平時にも、戸別回収以外に臨時回収する場合には、こういうところでやりますよということはしっかり周知しておくというのが大事だということが、改めて確認されたということです。
それから、特定テーマ3ということで、災害廃棄物発生量の推計、それから判断への影響ということも検討いただきました。初動時において、この被害を想定するのは非常に難しいということを改めて確認されましたが、これは今日のお話の最後に、今後についてのご提案をさせていただきたいと思っております。次、お願いいたします。こちらは、そのようなことを含めまして検証結果の概要ということで、今のような視点に加えて、災害廃棄物処理計画と照らしたときの課題を整理したものとなっております。また、内容に関しては、先ほどの内容の延長ではありますけれども、被災自治体のみならず、例えば人材バンクの活用や、これまで我々が作ってきたマニュアルの活用といった視点も含めて、対応策をより具体的に示しておりますので、今後に活かしていけたらと思っております。次、お願いいたします。
ここは報告事項ということで、次、お願いいたします。これまでマニュアル等いろいろとそろえてきましたが、どこかで眠っていないか、しっかりと活用されているかをきっちり調べていこうということで、調査していただいております。まだワーキンググループが残っておりますので、そこで結果の検証等を行った上で、後日、また皆様にも共有できると思います。次、お願いいたします。こちらはワーキンググループの開催状況です。次、お願いいたします。メンバーです。次が、先ほど少し申し上げました、追加の検討事項のご提案といいますか、論点となっています。先ほどの特定テーマ3のところでも発生量に触れましたが、初動時は難しいねということで終わっていたのですが、やはりそれでは終わらせられないなということで、今回、能登でも痛感しているところかと思いますので、改めて検討しようではないかということを始めたところでございます。次、お願いいたします。
目的としては、やはり初動時にも、いろいろな意味で被災者の方に必要な発生量の情報であったり、それを受け入れるための回収の方法の検討等々もあろうかということで、いま一度、初動時に出てくる片付けごみを中心としたデータの整理と、それへの対策を取っていけないかを考えております。参考に、先ほど牧先生からも、発生量の検討を進めていただいているということで、その中にも片付けごみが入っているのですが、この一番下の表にありますとおり、発生量と実績が合ってこない部分もありますので、きめ細やかに見ていくと同時に、実際に初動時に、これを活かす体制づくりもできないかと考えております。
最後のスライドは、参考資料となっております。いろいろとデータがありそうですので、いろいろ棚卸をして、検討して、今後にしっかり貢献できるように、地域間協調ワーキンググループとしてもやっていけたらなと思っております。駆け足になりましたが、私からは以上となります。

(酒井座長)
二つのワーキンググループ、時間を短く報告いただいて、どうもありがとうございます。
それでは、時間を超過しておりますけれども、質疑に入りたいと思います。ご意見のある方、お願いいたします。
では、中林先生、お願いします。

(中林委員)
ありがとうございます。牧先生のご報告の中で、スライド11のところに、今後どう展開するかということでの知見の整理があるのですが、その他というところで、コンクリートがらがたくさんいろいろな形で出る。建物からだけではなく、土木構築物からもたくさん出る。それらをどうしていくかということで、その他の4つ目の丸で、「内陸部での利用」と書いてあるのですが、南トラにしても、海の近くでたくさんコンクリートが発生しますので、「沿岸部でもどう利用」するかということで。実は、能登には、私の関係しているグループから提案したのですが、県に対しての提案です。藻場の再生ですとか、能登の場合は、特に隆起して、ワカメの藻場、アワビやサザエの磯場が陸地化していて、新しい藻場と磯場を作っていかないと沿岸漁業は成り立たないと。隆起したことを含めて、海底の魚礁をどう再生して沿岸漁業を再生するか、そういうことも含めて、沿岸部でそのまま資源として利用するという発想が大事になってくるかなという提案です。コンクリート殻の廃棄物を動かさない、リサイクルもしなくて、鉄の入ったままのコンクリートブロックをテトラのように活用していくことを、ぜひ検討していただけるといいかなと思います。海水のCO2問題も含めて、鉄も一緒に沈めることは重要で環境に良いことだという専門家のお話もありましたので、ぜひ沿岸部で動かさないでどう活用できるかを含めて検討していただきたいと思いました。以上です。

(酒井座長)
どうもありがとうございます。
牧先生、先ほど申し上げた、目黒先生からの紀伊半島や伊豆半島、こういう大規模災害の際の丁寧な検討の可能性も合わせてご発言いただければ幸いです。よろしくお願いします。

(牧委員)
首都直下や阪神、それから今回の能登では、公物の出方が恐らく大分違います。これは環境省の対応するものではない、外側みたいなこともありますが、総合的な廃棄物の処理という観点から、そういったことも重要だと思いますし、空き家の問題も含めて、出る量についての地域性と、それから出し方ということで、今回は海を使っており、これまであまり事例がございませんので、そこも含めて、今後検討していきたいと思います。
それから、2つ目の中林先生の海の利用ですが、現在、法律上は難しいようですけども、今のところコンがらがそれほど処理として問題になってないということもあるようなので、そこも含めてさらに検討させていただければと思います。
以上です。

(酒井座長)
はい、どうもありがとうございます。それでは、あと地域間協調ワーキンググループのほうは、片付けごみの検討を始めていただいているようで、ぜひ力を入れて、よろしくお願いします。
初動での被害棟数の把握、これは正確な被害量を把握することは難しいという結論を書いておられますけれども、これを難しい中でどういう時系列でどの程度の推計をしていくのかという問題かと思います。現実に水害の初動対応、もう待ったなしで、すぐ問題になりますので、この辺りの対応も正確性というよりは、いかに柔軟な対応につなげられるかということでの量の把握という観点で進めていくのか、すぐに対応しなければならない話として役に立ってくるのではないかと思います。よろしくお願いします。
それでは、ワーキンググループ、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。それでは、時間が超過しておりますが、その他について、事務局から説明をお願いします。

(小野災害廃棄物対策室室長補佐)
ありがとうございます。次回の検討会ですが、6月頃の開催を予定しています。後日、改めて詳細な日時や場所等を連絡させていただきます。また、本日の議事録は、原案を作成しまして、委員の皆様にご確認いただいた後、環境省のホームページに掲載する予定ですので、よろしくお願いいたします。

(酒井座長)
ありがとうございます。それでは、最後に、全体を通して何かご意見ある委員の方おられたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。今日も盛りだくさんで、時間が不足気味でしたが、また次回の議論していただける機会を楽しみにしております。よろしくお願いします。
それでは、これで第1回の検討会を終了したいと思います。丁寧なご審議、どうもありがとうございました。