環境再生・資源循環

第3回 令和2年度災害廃棄物対策推進検討会 議事録

日時

令和3年3月25日(火) 13:30~15:35

場所

Web開催

出席委員

委員

浅利 美鈴    大熊 洋二    大迫 政浩

勝見 武     酒井 伸一    島岡 隆行

中林 一樹    牧  紀男    安富 信

吉岡 敏明   

           (敬称略)

欠席委員

委員

大塚 直    目黒 公郎

           (敬称略)

委員以外の出席者

(オブザーバー)

井上 敬明  熊本県人吉市市民部環境課長

石坂 広徳  一般社団法人熊本県産業資源循環協会

(事務局)
 環境省本省

森山環境再生・資源循環局長

名倉廃棄物適正処理推進課長、水原災害廃棄物対策室補佐

山内災害廃棄物対策室補佐、本田災害廃棄物対策室主査

議題

1 開会

2 議事 

(1)令和2年7月豪雨及び福島県沖地震における災害廃棄物対応

(2)災害廃棄物処理計画の策定状況及び災害廃棄物対策に係る今後の検討

(3)ワーキンググループでの検討状況

   ・技術・システム検討ワーキンググループにおける検討

   ・地域間協調ワーキンググループにおける検討

   ・初動対応検討ワーキンググループにおける検討

3 その他  

4 閉会

配付資料

資料1-1 近年の自然災害における災害廃棄物対策について

資料1-2 令和2年7月豪雨における災害廃棄物の処理について

資料1-3 令和2年7月豪雨災害における取り組みと課題

資料2   災害廃棄物処理計画の策定状況及び策定促進に係る検討

資料3   災害廃棄物対策に係る今後の検討

資料4   技術・システム検討ワーキンググループの検討

資料5   地域間協調ワーキンググループの検討

資料6   初動対応検討ワーキンググループの検討

議事

(水原災害廃棄物対策室補佐)
 定刻になりましたので、ただいまから第3回令和2年度災害廃棄物対策推進検討会を開催いたします。
委員の皆様には、年度末のご多忙のところ、お集まりいただき、ありがとうございます。
 事務局を務めます、環境省災害廃棄物対策室の水原でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
初めに、環境省環境再生・資源循環局長の森山からご挨拶をさせていただきます。

(森山環境再生・資源循環局長)
 森山でございます。本日は、ご多用のところ、この会議に参加いただきまして誠にありがとうございます。
この災害廃棄物対策推進検討会でございますが、昨年の10月に第1回、今年の1月に第2回、それから本日、第3回でございます。よろしくお願いいたします。
今年度は、昨年の7月になりますが、九州で豪雨がございまして、河川の氾濫が相次ぎました。また、年末や年始にかけましては、北陸地方を中心に大雪があり、また、2月13日には福島県沖を震源とする地震も発生し、さらに、今月20日には宮城県沖を震源とする地震も発生したところでございます。
福島県沖を震源する地震につきましては、対応状況は後ほど報告させていただきますが、幸いにも広域的な支援が必要な状況には至りませんでした。2月13日の地震は土曜日の夜の12時前だとか、3月20日の地震は土曜日の夕方6時など、いつ起こるか分からないので、引き続き緊張感を持って対応策を考えるところでございます。
 前回の検討会では、令和2年7月豪雨での対応状況につきまして、支援側からの対応状況についてヒアリングさせていただきましたが、今回は被災側の対応状況について、人吉市、熊本県産業資源循環協会の方にお時間をいただきましてお話いただくことにしてございます。
 また、今年度の災害廃棄物に関する対応を総括するとともに、ワーキンググループにおける検討状況につきまして説明させていただきます。
他の省庁からも、お陰様で環境省の災害廃棄物への対応、毎年スキルアップしていると、そういった評価もいただいておりますけれども、この1年間の災害に対する対応もしっかりこういう場を通じまして、専門的かつ広範な観点からご意見いただきながら、更なる対応能力の向上に努めていきたいと思ってございます。
 本日、時間は限られておりますけれども、忌憚のないご意見をいただくことをお願い申し上げまして、挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました。

(水原災害廃棄物対策室補佐)
 それでは、まず、WEB会議形式での進め方についてご説明させていただきます。WEB会議の進め方については、第1回、第2回と同様ですが、改めて説明をさせていただきます。
 マイクについては、発言をしない間はミュートにしていただきますようお願いいたします。
 カメラについては、皆様、オンにして進めたいと考えておりますが、通信環境によってはつながりにくくなることもございますので、音や動画が途切れる場合は、チャット機能や、お伝えしています電話番号にご連絡いただければと思います。その場合、皆様のカメラをオフにしていただくようアナウンスいたします。
 質疑応答の時間でご発言いただく際は、挙手機能を使用いたします。参加者一覧の名前の脇に手のひらのマークがございまして、こちらを押すと座長と事務局に挙手したことが分かる形になっております。座長から発言者をご指名いただきましたら、ご発言いただきたいと思います。その際はミュートの解除にお気をつけいただければと思います。
 その他、トラブルがありましたらチャット機能でコメントをいただくか、お知らせしていた電話番号のご連絡いただければと思います。
 本検討会は原則公開としておりまして、環境省YouTubeで同時配信しております。また、本日の議事録は、原案を作成し、委員の皆様にご確認をいただいた後、環境省ホームページに掲載する予定ですので、よろしくお願いします。
説明は以上になります。
続きまして、本日の委員の出欠状況ですが、大塚委員、目黒委員は所用によりご欠席でございます。また、勝見委員は15時前に所用により途中退席される予定になっております。
また、本日は、先ほどありましたとおり、令和2年7月豪雨で被災された熊本県人吉市市民部環境課の井上敬明課長にもご出席いただいておりまして、人吉市における災害廃棄物対応についてご説明いただく予定となっております。
また、令和2年7月豪雨において人吉市における災害廃棄物の仮置場において現場所長をお勤めになりました、一般社団法人熊本県産業資源循環協会の石坂広徳様にもご出席いただいております。7月豪雨における支援、対応状況についてご説明いただく予定となっております。
 それでは、以降の進行は酒井座長にお願いしたいと思います。酒井座長、よろしくお願いします。

(酒井座長)
 水原補佐、承りました。
 今日の検討会、先ほど、森山局長からご説明がございましたとおり、令和2年7月豪雨で被害を受けた側、受援側のヒアリングということで用意をいただいております。それを含めまして、前半で3件、後半でワーキンググループ関連の3件を議事として進めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速ですが、資料1-1につきまして、事務局から7月豪雨及び福島県沖地震における災害廃棄物対応について説明をお願いいたします。

(水原災害廃棄物対策室補佐)
 それでは、ご説明をさせていただきます。
 近年の大規模災害における災害廃棄物の発生量・処理期間というところで、前回もお示ししているところですが、令和2年7月豪雨については、現時点で災害廃棄物の推計量としては約54万トンになっております。
 令和2年7月豪雨における災害廃棄物の進捗状況について、こちらも一覧でまとめさせていただいております。進捗率についてはばらつきがありますが、家屋解体等の進捗状況によって数字が小さく見えるところもありますが、順調に進捗をしていると理解をしております。
 こちらが損壊家屋の解体状況です。一番大きいところで言いますと、熊本県になりますが、順次これも進捗していく、まだ途中段階と思っております。
 次に福島県沖を震源とする地震における災害廃棄物の対応状況についてご説明いたします。概要としてはこちらに示しているとおりでございます。2月13日の23時7分に発生しております。最大震度6強を観測したほか、北海道から四国地方にかけて幅広く揺れが観測をされています。
 住家の被害状況について、最新の内閣府防災の情報になりますが、全壊棟数は福島県で21棟、一部損壊は合計3,000棟になっております。震度の割には全壊・半壊家屋の総数は比較的少ないものの、損壊した瓦やブロック塀が大量に発生している状況にございます。関東地方についても人的被害は発生しているものの、住家被害は確認をされておりません。
 こちらが、し尿処理施設の被害状況になります。いずれも数日で復旧しています。
 こちらは廃棄物の処理施設の被害状況です。一番長いところでも3月3日に復旧済となっております。
 続きまして、仮置場の設置状況ですが、宮城県下ではここに記載している7市町で仮置場を開設している状況です。既に閉鎖をしているところもあります。
 こちらが瓦やブロック塀が仮置場に置かれている状況ですが、仮置場が不足するといった状況ではないと考えております。  こちらは福島県になりますが、こちらも被災市町村で仮置場を設置している状況になります。既に受入れを終了しているところもあります。
 仮置場への搬入状況ですが、こちらも家具等が仮置場に持ち込まれていたり、瓦等が持ち込まれている状況です。
 環境省の取組としては、地震が起きた翌日から発生状況や被害状況について県に確認したり、災害廃棄物処理に関して事務連絡、補助金関係や家屋関係の補助制度に関連した事務連絡を発出しています。東北地方環境事務所が現地に被害状況の調査を行っております。
 その他、東北地方環境事務所を中心に分別の指導や、あるいは補助金に対する問合せに対応している状況です。
 説明は以上になります。

(酒井座長)
 どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明にご質問、ご意見がございましたらお願いいたします。ご意見がある場合、挙手ボタンを押していただけたら幸いです。
 それでは、中林委員、お願いいたします。

(中林委員)
 中林です。
 質問したいのですが、今回、建物の被害はあまり多くなかったというお話ですが、新地町等々、沿岸域が震度6強と非常に強く揺れているのです。しかし、ほとんどの住宅は3.11の津波後に新しく建て替えられた建物で、かなり耐震程度が高いものが多かったのではないかなと私は憶測をしていたのですが、そういう理解でいいのかというのが1点と、クリーンセンターも東日本大震災の後に再建された施設がどうだったのか、震災前から存在した施設が今回また被災したという話なのかというのが1点です。3.11との関係で、津波被災地の復興を踏まえて、揺れによる被害についてお分かりでしたら教えてください。

(酒井座長)
 どうもありがとうございます。
吉岡委員からもお聞きしたいと思います。後でまとめて、水原補佐、お答えください。

(吉岡委員)
 ありがとうございます。中林先生と重複する部分のご質問になるのですが、やはり大きく揺れた地域は3.11と同じということもありますが、今回、津波ではなかったということで、揺れによる災害廃棄物の発生ということだと思います。これは別の所管になると思うのですが、建て替えられた建物から、例えば、建物自体からの災害廃棄物が今後発生しないような視点からの建築基準のようなものについて、今後どう考えるのかということは気になるところです。要するに、発生させないための制度的なやり方を考えられないかという点と、施設についても、故障しないようにするため、震度6強程度の揺れに耐えうる修繕、設計がどうなっていたのかを確認したいと思います。
 以上です。

(酒井座長)
 どうもありがとうございます。それでは、水原補佐に答えていただきたいと思います。10ページに施設6件の被害状況リストがありますけれども、ここへ掲載している基準が、これまでの災害とほぼ同じ基準で挙げられているのか。今回の地震のスケールの割には施設被害が6件と多く見えるものですから、ここへの掲載の基準は同じかということの確認を含めて、お答えいただければ幸いです。お願いします。

(水原災害廃棄物対策室補佐)
 最初に、被害の状況、掲載している基準ですが、環境省の指定災害が起きた後に施設の被害状況について都道府県を通じて調査して報告いただいております。実際に停止している施設を掲載しており、特に今回の災害で掲載している基準を変えているといったことはありません。
 また、一般的な建物も新しい耐震基準に対応した家屋であれば被害を受けにくいと思いますが、今回の災害に対して詳細な分析、現在の家屋が例えば何年耐震基準を満たしているといった分析はしておりませんし、施設のほうも10年前以降、どういった改良をしているかは把握できていない状況です。
 以上になります。

(中林委員)
 今後もう少し調べておいたほうがいいかなと思います。

(水原災害廃棄物対策室補佐)
 承知しました。

(酒井座長)
 施設については、いつ、どういう耐震化が図られたかというところの関係性と、中林先生がご指摘のところは大事だと思いますので、ぜひ進めてください。
 それではよろしいでしょうか。資料1-1の関係、ほかにございませんか。
 それでは、次に進ませていただきます。
次に、人吉市市民部環境課の井上課長から昨年7月の豪雨における災害廃棄物対応についてご説明をいただきたいと思います。資料1-2の説明になろうかと思います。よろしくお願いします。

(井上人吉市市民部環境課長)
 人吉市環境課長の井上と申します。よろしくお願いします。
 資料1-2という資料に基づきまして説明をさせていただきます。
 まず、令和2年7月豪雨における被害状況でございますけれども、本市は非常に人口が少ない約3万2,000人の市なのですが、災害廃棄物の発生量が約16万トンとありますけれども、災害がない場合には約1万トンです。今回の豪雨で短期間に約16倍の災害廃棄物が発生したということになります。
これは被害の状況です。このような大規模な災害が発生したということで、当初、非常に混乱しました。球磨川という1級河川が氾流しましたが、ここまで川が増水というのは初めてで、非常に混乱しました。次のページをお願いします。
これが被害の状況について。次のページをお願いします。
災害廃棄物処理の対応ということで、組織体制について5点ほど述べさせていただいております。初動期におきましては、環境課の職員が通常7名です。市民部からの応援2名を加えた合計9名で当初は災害廃棄物対応を行いましたが、職員が足らないということで、初動期に適切な対応ができなかった点が反省点です。市民等からごみ関係の問合せが非常に多くありましたけれども、電話3台あったのですが、電話は鳴りっ放しで、満足にお答えすることができませんでした。災害廃棄物の仮置場が決まっていなかったことが一番の問題点になります。適切に対応できる職員数と、仮置場の設置がポイントになろうかと思います。現在の状況でございますが、増員を行いまして技術職を含めて17名体制で災害廃棄物の処理に当たっている状況です。次のページをお願いします。
当時の状況を4点ほど示しております。普段は市のホームページを活用していますが、発災直後はライフラインが機能しておらず電話もつながりませんでした。唯一使えるのが防災行政無線だけだったのですが、それすら被災している地域があったということで、満足な情報が市民に伝わらなかったということもあります。スピーカーが破損している地域もありましたが、そういった地域には市の広報車を使って告知をしております。ちらしの一例を載せておりますけれども、このようなチラシを配布しております。
電話がつながるようになったのは発災から3日後ですけれども、当時、私は環境課ではなくて別の部署で災害対策本部に勤務しておりましたけれども、3日後、常に電話は鳴り、市の電話は全てパンク状態になったことを記憶しております。
防災行政無線を使った周知につきましては、発災直後から活用しておりましたけれども、インターネットが使えるようになってからは、ホームページを用いて様々な情報をお知らせしており、今日に至っています。次のページをお願いします。
これは、一応参考までにということで、避難所の状況です。大きなスポーツ施設を仮設の避難所としまして、段ボールベッドを活用しております。やはりコロナ禍ということもありまして、避難所は密集するので、検温等には非常に気を遣いました。次のページをお願いします。
仮置場の状況になりますが、発災後の7月6日、災害廃棄物処理計画に掲載していない市の工業団地を急遽、仮置場にしました。全部で4.5ヘクタールある工業団地ですが、そのうちの0.8ヘクタールを活用して仮置場を設置した状況です。
7月7日に本格的に、仮置場の運営委託事業者が入ってからは、約半分、約2.5ヘクタールまで敷地を拡張しました。
一番問題だったのは、処理計画に記載されていた仮置場が二つあったのですが、そのうちの一つが浸水して、もう一つは1ヘクタールしかなくて、今回の災害が予想を超える規模だったため、この二つの候補地では対応できなかったということで、住民への説明に非常に苦慮した経緯がございます。
他自治体では仮置場を数か所設置したというお話を聞きましたけれども、本市の場合はこの1か所だけです。したがいまして、仮置場に並ぶことが特に多くなりまして、一番ピークで6時間ぐらい並んでいたと思います。一番多いときで一日1,600台。今は150台、160台ですので、約10分の1になっております。
ファストレーンを設置しましたけれども、ファストレーンは、いわゆる品目を分けてあると素早く搬入でき、分別していない場合は若干時間を要するということで、ファストレーンの設置をした後は、目に見えて渋滞が減っていきました。次のページをお願いします。
仮置場の状況ですけれども、7月7日から、少量ではありますけれども、搬入・搬出のバランスを取るために発火性のある畳等を搬出した経緯がございます。14日から本格的に木材系の搬出も進みまして、現在に至っています。下のほうに9月1日の仮置場の状況ですね。約2か月後の状況を比較したものを載せておりますけれども、2か月後にはほとんどもう搬出を終えていると。まだ現在も続いてございますけれども、非常にスピーディーな搬入・搬出を続けられています。
今回非常にありがたかったことが、ボランティアの存在です。どうしても行政が対応できない部分がありますので、隙間を埋めるためにボランティアが様々な工夫をして、機動的に対応いただいたことに感謝を申し上げる次第です。次のページをお願いします。
片付けごみの処理がある程度完了したら、今度は解体ごみの搬入が進んでいきます。現在も公費解体をやっておりますが、公費解体の受付は抽選を行いました。受付は混雑すると聞いたものですから、受付の順番を決めるための抽選を行う等の工夫を行いました。9月5日、台風が来るということがあって半日で中断した経緯がありますけれども、早く解体したい方、解体を急がない方に区分けしまして、希望を取って抽選した経緯がございます。
自費解体も並行して行われましたけれども、こちらに関しては全て完了しております。全部で289件、公費解体を含めて約1,400件になりますが、自費解体はもう終了しまして、現在、公費解体を3月31日まで、今月末まで延長して受付を続けております。 左下に色付けしている仮置場への搬入許可証を作っておりまして、当初、許可証を出さずに仮置場で受入れていましたが、いわゆる便乗ごみを防ぐために、被災証明書を添付していただき、特別搬入許可証をお出しして、その許可証を持っている車両だけ仮置場に搬入できるという体制を取っております。黄色は片付けごみで、中央のピンク色が自費解体です。一番左側の緑色が公費解体ということで、種別によって区分しています。次のページをお願いします。
今回の環境省の支援について6点ほど書かせていただいております。
私ども初めての経験だったので、まず何からしていいか分からないというパニック状態に陥りましたけれども、職員も少なく、そのようなときに環境省に支援いただいたというのは非常にありがたかった、助言いただいたことはありがたかったと思います。
一番今回痛感したことは、環境課には通常は事務職員しかおりません。やはり仮置場の整備や公費解体になりますと、技術職が必要になりますが、当初はそういった職員はいませんでしたので、どうしても解体フェーズには入るのに若干後れを取りました。そのような中、特に首長に対して技術職員の必要性を環境省から進言いただき、すぐに技術職員を増員いただいたことは、環境省のお力添えがあったおかげかなと思っています。
何よりも一番ありがたかったのが、廃棄物の完了までの大まかなスケジュールですね。フェーズ毎に実施事項が変わってきますが、他自治体の例を見せていただきありがたかったと思っております。
以上で説明を終わらせていただきます。

(酒井座長)
井上課長、どうもありがとうございました。
それでは、ただいまのご説明にご質問がございましたらお願いいたします。
それでは、牧委員からお願いいたします。

(牧委員)
 自費解体の場合はそれほど多くなかったのが、公費解体になると1,000件を超える申込みがあったとのことであるが、公費解体を始めたことによって廃棄物量が予測したよりも増えたことはあったのでしょうか。

(井上人吉市市民部環境課長)
16万トンのうちの14万トンぐらいは片付けごみではなく解体ごみを見込んでおりますけれども、初めは少なく、それほど解体ごみは出ないかなと思いました。結局、倍ぐらいになり、予想を超えて現在に至っている状況です。

(牧委員)
 ありがとうございます。

(酒井座長)
 それでは、引き続いて、島岡委員、どうぞ。

(島岡委員)
 牧委員と同じ質問で重複してしまいましたけれども、被災市民は自費解体にするか、公費解体にするか、何を基準に判断されたのか教えていただければと思います。

(井上人吉市市民部環境課長)
 自費解体は、ある程度、ご自分で費用を負担する必要がありますので、事業所関係の方が多かったように記憶しております。なりわいを再開するに当たって、公費解体はどうしても順番待ちになりますので、順番を待たずに早く自費でやって、後ほど償還してもらって次のステップに進みたいという方が大体選ばれました。

(島岡委員)
 ありがとうございました。

(酒井座長)
 それでは、引き続きまして、中林委員、どうぞ。

(中林委員)
 仮置場の件でお伺いします。仮置場が1か所で予定していた場所とは異なったというのは、予定していた場所が水没したということでしょうかというのが1点で、もう一つは、球磨川は右岸、左岸共に氾濫したと思うのですが、片側にのみ仮置き場があるということが、仮置場がない側の被災者に特に支障はなかったのかなという点です。右岸、左岸にそれぞれあったほうがよいというイメージがあったので、お話をいただければありがたいと思います。

(井上人吉市市民部環境課長)
 処理計画に2か所の仮置場候補地が掲載されていましたが、1か所はお見込みのとおり浸水に遭いまして、仮置場としては適切ではないだろうということで断念した経緯があります。
 もう一つは広さの問題です。1.0ヘクタールだと搬入口も非常に狭いということがありまして、計画に載せていた2つの候補地だと対応できないのではないかということで県内の工業団地の未利用の整備地を選定したという経緯がございます。
 右岸と左岸で仮置場を1か所ずつというご意見について、何か所か設置できると混雑を避けることもできたかなと思うのですが、設置した仮置場は中心区域から約7キロ離れた場所です。右岸、左岸、どちらかというと、ちょっと山間部になります。今のところは1か所で対応できている状況です。

(中林委員)
 ありがとうございます。

(酒井座長)
 大迫委員から手が挙がっていますので、どうぞ、お願いします。

(大迫委員)
 ファストレーンの設置は大変良いアイデアだなと思ったわけですけれども、そのファストレーン方式を被災住民の方々に広報することによって、渋滞解消だけではなくて分別を促すことにつながったという感覚はありますでしょうか。

(井上人吉市市民部環境課長)
 おっしゃるとおり、やはり分別に非常に時間を要しますので、2回目以降に排出する方には、分別した方が早いということをアナウンスすることで、非常に効果的な取組だったと思っております。

(大迫委員)
 ありがとうございました。

(酒井座長)
 それでは、以上でよろしいですか。次の議題に進ませていただきます。
 井上課長、どうもありがとうございました。

(井上人吉市市民部環境課長)
 ありがとうございました。

(酒井座長)
 それでは、引き続きまして、一般社団法人熊本県産業支援循環協会の石坂広徳様より、昨年7月の災害廃棄物対応についてご説明をいただきます。
 石坂様、どうぞよろしくお願いいたします。

(石坂熊本県産業資源循環協会)
 産業資源循環協会、石坂グループという会社の本部長をしております石坂と申します。本日はよろしくお願いします。
 私からは、井上課長に続きまして、仮置場の運営、また取り組んできたこと、見えてき課題、学んだ教訓という形で進めさせていただきたいと思っております。
 7月3日、4日の水害で日曜日、6日の月曜日に午前中、南部支部という支部にて緊急会議を行いました。その中で、協力要請があった場合の注意点や仮置場の運営の話があり、仮置場の幹事会社決めるという形を取りました。当時、人吉市の仮置場は地元業者に決定しておりました。人吉市の仮置場に午後から見に行く予定でしたが、その直前に人吉市の職員だけで仮置場を開設しているとお聞きして、見に行ったのを今でも覚えております。
 そのときの課題としましては、まず、ヤードが狭かったものですから、その立て直しをお願いしたいということで、4日ないし5日はそこにごみを入れないように、近くの産業廃棄物処分場を一時的に利用できないか等、いろいろな検討したのですが、結果的には、今の仮置場を使ってやったのですが、その分、午後からの搬入のみに4日間はさせていただきました。
 また、第一の課題であった国道の渋滞緩和ということで、こちらのほうは後ほど話しますけれども、仮置場の半分をモータープールとして使わせていただきました。
 先ほどと重複しますが、ヤードづくりをどうしていくか、草むらの高さが1メートルぐらい4ヘクタールの土地を覆っていましたのでその対応をどうするか、また、人を呼ぶには高速道路しか通れなかったので、緊急的車両でないと通れないこともありまして、その分の発券をしてもらったり、敷鉄板を使用したわけですが、マグネットが付いた重機でないと荷下ろしができないなど、そういったものに対して工面したということを書いております。
 2ページ目をお願いします。見えてきた課題に対する取組としまして、人吉市の課長と重複しますが、7月6日に向かわせていただいたところ、場所が狭かったり、看板が小さかったり、誘導員が少なかったことで、いつ事故が起きてもおかしくない状況であったと認識しております。次の朝から、早朝から入らないとこれは難しいということで考えました。
また、当時は受付が1か所で、その1か所で紙による災害ごみ受入票をチェックされておられまして、荷下ろし場の説明、証拠としまして車両ナンバーが入った写真等を撮影されておりました。受付には一台当たり40秒から約1分の時間を要していたと思います。
また、場内では中央の道路のみが待機場所となっており、当時、80台ぐらいが待機していたと思っております。まだ初日であり7月6日は約500台弱だったかと思いますが、入れることができました。7月7日の早朝から現地入りしたのですが、自衛隊が草を踏み倒しまして、私どもが敷鉄板をヤードに敷設したり、待機場であるモーターレーンに敷設していく形を取りましたが、大雨が3日か4日程度続きましたので、非常に作業しにくかったことを覚えております。
添付①ということで資料に付けておりますが、添付①が3日間の動きを絵でまとめております。1メートルの草むらだったところを重機で踏み倒して、鉄板を敷いて、なるべく横広いヤードを造っていって荷受けをしていくということで考えております。 課題としましては、1か所の受付を2か所にし、また、対面式になりますが、4.5ヘクタールのうちの2ヘクタールを待機場として使う。なるべく分別して入れれば、次の手を打っていけるということでモーターレーンをファストレーンとし、分別を中心にしたやり方に変えていきました。そして、鉄板はなるべく横広く敷くことによって、一度に何十台もの車両を荷下ろしできるかに焦点を置きまして、水害でしたので畳であったり、可燃系の家具であったり、布団であったり、そういった可燃物系の場所をより多く、広く取りました。また、家電品につきましても、洗濯機や冷蔵庫等の上に積むことができないものもここで多く場所を確保しました。
それから、受付を2か所に増やし、途中からですが、紙で使用していた受入票の使用をやめて、また、写真撮影もなくしたことで業務の効率化を図り、一番多いときでは1,600台程度の車を入れることができました。次、お願いします。
分別搬入の促進ということで、どうしましても数品目の混載で来る車両が当時多かったものですから、少人数で分別しながら荷下ろしすると、かなり荷下ろしに時間を要しました。また誘導員の言うことを聞かないで、勝手にダンプされたり、廃棄物が混ざったり、そういったこともありました。また天候がとにかく悪くて、場内に置いていたガラスや金属片で足を怪我された他自治体の応援の方もいらっしゃいました。
これに対しましては、重複しますけど、7月8日に渋滞緩和策として、その当時、早朝から来ていた方々に対しまして、分別を徹底することが一番大事であると、いわゆる待機に時間をかけるよりは、分別して持ってきたら回転率が上がって、また次の品物を入れることができるとお願いしました。と同時に、持ってこられた車両の良い例、悪い例の写真を撮りまして、真ん中にありますトラックのちらしをコンサル会社と作成して、それを市で広報してもらい、「分ければ早い、混ぜれば遅い」ということで市民に意識付けることをしました。分別搬入ができたことによって、各処分場への出荷もスムーズに行うことができまして、廃棄物の滞留を最低限に抑えることができたと思っております。次、お願いします。
課題③、管理運営体制としまして、災害協定は締結されていたものの具体的な決め事はほぼないに等しい感じだったと思います。1週間後に幹事会社が地元業者から私どもの会社に代わり、組織体制をつくり直しました。
産資協の地元の方たちはどうしても自社の対応に追われて、人、重機を出すのは非常に厳しかったと思い出します。
また、周辺でのホテル、アパート等を借りることができませんでしたので、熊本市内から約1時間20分かけて通うような形を取りました。
証拠に対しましても、先ほど言いましたように、写真だったりとか、作業日報、または計量伝票、事務方の人間がすぐ対応できなかった点も課題としてありました。
重機オペレーターの派遣に協力してもらう会社は結構いたのですが、私は1年7か月ぐらい倉敷の真備町に行って応援していたので、一人に対して重機1台ということで、数多い会社から出てこられて、コミュニケーションを取ってチームワークを作るのに正直時間を要しました。そういった経験も踏まえて、重機1台を出していただけるところで、作業員を3名程度出していただける等の条件で絞って重機を出していただきました。いち早くコミュニケーションを取れる組織をつくることが結果として大きな事故や怪我がなくなるということで、初動におきましては、特に、今もそうですが、大きな事故や怪我なく進められていることは非常に良かったと思っております。
また、再々委託の禁止を当時、初めから分かっている業者は少なく、一般廃棄物の災害においては再委託までしかできないことをかなり言っていたのを覚えております。
あと、委託業務における物的証拠の必要性です。先ほど言いました写真や日報、そういった部分も大事という話もさせていただき、とにかく初めの二、三週間は人間を寄せて運営していくことが山場ではあったと覚えております。次、お願いします。
搬入と搬出ということで、開設から3週間で2万台を突破しました。平均では1時間150台ということで、初動の1か月間で約1万トン、3か月間で2万5,000トンの搬入があり、9月30日には2万4,200トンという数量を出し切って、何とかやることができました。
課題に対する対応策としては、下記に書いております。家電品を早く出すことができました。また、2番目になりますが、7月27日から畳等の可燃物を広域処理したのですが、台風シーズンが来るということもありましたので、滞留させるよりはなくしてしまうということでやりました。
あと、破砕機を早めに導入したことによって他県の行政処理施設で処理することが可能になったことも大きかったと思います。次、お願いします。
近隣への配慮につきましては、当時、二、三回程度はクレームをいただいたのですが、朝礼、終礼後に清掃を始めてからは一つもクレームがなくなりました。
また、9月の初旬には、先ほども言いました台風9号、10号が直撃する予定でしたけれども、防球ネット等を張って、全く被害はございませんでした。
あと、消臭関係や防虫ですね。薬剤散布も早めに行い、近隣に勝手仮置場がありましたものですから、その処理も学校の二学期が始まる前に終えたということで書かせてもらっております。次、お願いします。
学んだ教訓と今後の課題ということで、①災害協定が絵に描いた餅にならないための事前の仕組みづくりということで、初めの二、三週間が山場で、すり合わせをどこまで事前に行うかが大事だと思っております。
また、年間を通じて、各自治体と産資協のメンバーで定期的な話合いをして顔が見える関係を作っていくことも大事だと思いますし、特に水害に関しては、水害後にもう1か月半、2か月すれば台風が来ますので、二次災害を防ぐためにも非常に大事という、大量の廃棄物をいかに出荷するかが大事とに思っております。
また、去年の2月に環境省が作った手引きを一つのバイブルといいますか、皆が見て分かるような形を取るためにも、それを参考により具体的な例を挙げながらイメージづくりをすることが大事だと思っております。
あと、幹事会社におきましては、早急な組織をつくる、先ほど重機一台に対して作業員三人とか、マネジメント能力が必要だと思っております。
災害ごみの集荷方法や、処理計画で2か所挙げられた仮置場の候補地と異なる場所に設置されたわけですけれども、4.5ヘクタールもあって結果的には良かったと思います。そういったところで、何とか被害の大きささも少なく進めたのではないかなと思っています。
それから、最後に、各自治体のごみ出しカレンダー等に、水害の場合又は地震の場合ということで、具体的な例を挙げておくことも非常に有効的なことだと思います。熊本は45市町村ありますけれども、その中でも菊池市では具体的な例も含めて載せています。次、お願いします。
おわりにということで、災害廃棄物は分別するのが全ての鍵だと思っております。分別ができれば片付けごみから解体ごみへ移行ができると思いますし、初動の対応につきましては、いかに前もってどれだけの方たちが関与して、話をしておくかが大事だと思います。それができていないがために、自治体職員が被災者に罵倒されている姿を何度も私も見まして、これは人的な二次被害も避けて通れないなと思って、災害が起きてからよりも起きる前が大事かと思っております。
また、下に書いていますけれども、今こそ対岸の火事ではなく、明日は我が身と思い、経験した人が経験していない方へバトンタッチをしていくことが一番大事だと思いますし、また、今後も伝えるということよりも伝わるということにこだわって最善の努力を尽くしていきたいと思います。
添付した資料の分につきましては、詳細のものを書いておりますので、後ほど見ていただければと思います。
長くなりましたけれども、以上です。

(酒井座長)
 石坂様、どうもありがとうございました。
 それでは、質問のある方、手を挙げていただけますでしょうか。
 それでは、大熊委員、お願いいたします。

(大熊委員)
 どうもありがとうございました。発災後、産資協が速やかに現場に入られて、主体的に課題を解決すべく、リーダーシップを取って迅速に対応されているわけですが、これは、熊本地震後において産資協の内部で、幹事会社というお話がありましたけれども、具体的なリーダーシップを取る会社が産資協の中で地域別に決められていて、その人たちが中心になって人材を集めるにしろ、重機を集めるにしろ、そういうことがあって迅速にできたと思うのですが、産資協の中での訓練を日常的にやられているのか。ここまで迅速に対応できた肝は何だったとお思いになっていますでしょうか。その点についてご意見をいただければと思っています。

(酒井座長)
 どうもありがとうございます。一通りご質問を聞いてからまとめてご回答ください。
 続きまして、勝見委員、どうぞ。

(勝見委員)
 勝見です。ありがとうございます。大変参考になる情報、かつ、初動の対応ということでありがとうございました。大変だったことと思います。
 現場が遠くて、しかし、その現場で宿泊場所を確保できなかったと、そういう状況の中で熊本市から1時間かけて早朝、あるいは多分、深夜もだと思いますね、そういうご苦労されたということで、3.11でも岩手で沿岸に行くのに2時間近くかけて、2時間以上かけて内陸の市から通わざるを得なかったと、いつ事故が起こってもおかしくなかったと対応された方がおっしゃっていたこともございました。そういうことについて、何か協会として対応をしないといけない、あるいは、もうこれはもう少し大きな仕組みで人を送り込むことを考えないといけないのか、そういったところの問題の重要性、いやいや、頑張れば何とかなるレベルだよということなのかどうなのかも含めて、環境省に回答いただいたほうがいいのかもしれないですけれども、少しコメントがあればいただきたいなと思いました。ありがとうございます。

(酒井座長)
 ありがとうございます。引き続いて、浅利委員、どうぞ。

(浅利委員)
 ありがとうございます。石坂さん、初動時お世話になりました。
 最後の伝えるより伝わることにこだわりというのは、本当に重要なことだなと思ったのですが、もう少し具体的にどういうことをイメージされているのかを教えていただきたいと思いました。事前からの準備の大切さ等をお伝えいただきましたけれども、誰に対してどういうことを伝わるようにされたいと実感を持っておられるのか、もう少しお聞かせいただけたらありがたいです。よろしくお願いします。

(酒井座長)
 どうもありがとうございます。それじゃあ、石坂様、どうぞ。お答えいただけるところをお願いいたします。

(石坂熊本県産業資源循環協会)
 一番初めの質問ですが、具体的に何かを訓練をやっているかというと、正直言ってやっておりません。ただ、やはり熊本地震が大きな経験となったのは事実で、あの経験を基に、災害時には、協会皆で力を合わせるということはありました。熊本地震のときもそうだったのですが、支部毎に、例えば、熊本地震のときは、御船町は天草支部が応援する、益城町は荒玉支部が応援する、そういった形で支部同士が応援する体制があったのは事実だと思います。
 あと、個人的に真備町の経験からいくと、真備町と匹敵もしくは球磨川のほうがひどいと当初は言われていましたものですから、分別は正直不可能と思っていました。ただ、車を入れる、車を入れるからこそ分けてもらえれば助かる。待つのが仕事ではないということで、これは、人吉市民の頑張りだったと思います。単品の車両を3台入れたら混載の車両を1台入れる、また、単品の車両を3台入れたら混載を入れるという差をつけておりましたので、初めは文句も多少言われましたけども、内容が分かってくると、早く帰って早く荷物を持って来られるものですから、復旧復興が進んで、最後のほうには、もう今日はこれで20回目だけどありがとうねということで、感謝される言葉まで作業員にかけていただいたと、何人もの作業員からお聞きしました。
 2番目の支部毎で人を送る仕組みは、さきほどと重複しますが、お互いに何をやってほしいかをどう伝えるかということが重要になってきます。これは浅利先生の伝えることと、伝わることの違いということで、急に社長ができて、現場のトップができて、そして重機乗りの人達だったり、地元の人達だったり、自治体の方が急に組織を組むのですが、はっきり言って何をどのようにやってよいかをいかに伝えるかが、とにかく手こずったのはそこで、私は、一つの例でいきますと、大体仮置場のモーターレーンで210メートルぐらいありました鉄板を、6メートルの鉄板を35枚縦に貼りましたものですから、車が1台で約6メートルの余裕を見て6メートルですので、大体30台ぐらい1レーンに並びます。それが7レーンありましたので、3レーンで大体100台、せめて30台から40台ぐらいは一遍に入れて荷下ろししたいという話を朝礼で何度もしたことを覚えております。そのような形でより具体的に現場を見ながら伝えていって、うちの社員も何人もいましたものですから、何をやっていただきたいか分かっていただくことに、当初3週間は徹したということを覚えております。
 回答になっているかどうか分かりませんが、以上です。

(酒井座長)
 ご質問いただいた委員の方々、よろしいでしょうか。
 それでは、どうも石坂様、貴重なご報告をありがとうございました。

(石坂熊本県産業資源循環協会)
 ありがとうございました。

(酒井座長)
 それでは、次に進ませていただきます。災害廃棄物処理計画の策定状況及び災害廃棄物対策の今後の検討ということで、事務局から資料2、3の説明をいただきます。よろしくお願いします。

(水原災害廃棄物対策室補佐)
 資料2に基づいて説明します。災害廃棄物処理計画の策定状況です。今年度末の策定見込みも含めて策定状況を自治体にアンケートを取っている状況です。
 昨年度末の状況です。最終的には、市町村で51%という状況だったのですが、今年度末の見込みを含めると66%という状況にございます。これに向けて、どういった取組をしてきたかということですが、地域ブロック協議会で協議会を開催したり、セミナーや演習、様々な交流会等を実施して、いろいろな情報を共有していく、グッドプラクティスを共有していく、そういった取組をしております。
 続きまして、地域ブロックで、地方環境事務所レベルでモデル事業を実施して市町村の処理計画の策定を支援している状況です。
 これは一例として中部ブロックのモデル事業の概要を載せております。これまで単独の市町村に対してモデル事業をやって支援をするという形でしたが、最近では、多くの自治体に集まってもらって、既存のワークシートを使って一緒に勉強しながら演習しながら計画を策定する、そういった取組もしながら、多くの自治体に災害廃棄物処理計画をつくってもらうと、そういったような取組をした結果、今年度末見込みではありますが、66%まで上がってきているのではないかと思っております。今後も計画の策定、あるいは計画の策定の先に、実効性の向上に向けた支援ができればなと思っております。
 続きまして、資料3で災害廃棄物対策に係る今後の検討ということで、資料をまとめております。今年度の災害を受けて、機能した点をまず書いております。機能した点としては、現地に職員を派遣してしっかり連携体制を取ったことです。7月豪雨も管理職職員を現地に派遣して、県や関係省庁と調整を行っていますし、支援自治体、D.Waste-Net等と連携して支援しました。
こういったことができるように、環境省職員に対して、しっかり事前の研修や、災害後にも勉強会を開催する等の取組をしております。
 二つ目の自衛隊との連携ということで、人吉市等で自衛隊が家電や畳等の大型の廃棄物を回収して、その後民間事業者が回収するといった連携を行っております。こういったものをしっかりマニュアル化しようということで、令和2年8月にマニュアルを策定しております。
 続きまして、災害廃棄物を家屋外に搬出することが困難な住民への対応ということで、ボランティアが少なくてそういったことができない方に対して、地元の民間団体に市町村が委託をして、家屋からの搬出を行っていただくといった取組をしています。こういった事例も、しっかり地域ブロック協議会等を通じて、周知していく必要があると思っています。
 二つ目の、土砂と廃棄物の一括撤去の円滑化ですが、宅地内に堆積した土砂と廃棄物を一括で処理できるスキームを国交省と構築しているところですが、今回も円滑にそういった取組ができたのではないかと思います。こういったものもしっかり今後も周知していく必要があると思います。
 農水省との連携についても、農業用ハウス等を円滑に処理できるように、地元の都道府県の農政部局とも緊密に現地でも情報交換してもらって、こういったスキームができるように今後も支援していきたいと思っております。
 これ以降は、これまでの課題への対応と今後の対応方針ということでまとめております。真ん中が1年前のこの検討会での対応方針を並べております。それに対して、一番右のほうで、今年度の対応や今後の対応方針ということでまとめております量が多くなりますので、かいつまんでご説明させていただこうかと思いますが、基本的に、これまであった事例は、今後も活用できるようにしっかり周知をしていくということが基本だと思っております。例えば、自力で仮置場まで搬出できない住民への対応というところも、今後もしっかり周知していくというようなことを書いております。
 こちらのページでは、例えば、その分別管理の徹底周知に関しては、平成31年4月にボランティア団体との連携について事務連絡を出しておりますので、こういったものを災害が起きたときには、繰り返し、繰り返し周知していく必要があると思っております。
 下のほうに、火災対策の注意喚起というところがあります。こちらについても、普段から災害があれば、注意喚起しておりますが、初動対応ワーキングで検討している初動対応の手引きの改定の中でも危険物を含む廃棄物の取扱いについて追加したりしておりますので、そういった形で改めて周知していきたいと思っております。
 続きまして、広域処理も含む処理先の確保ということで、一番上のほうになりますが、産業廃棄物処理事業者も含めた処理先の確保ということで、これまで災害があれば、特例省令を制定して、特定の品目について、手続の簡素化を行う特例制度、こういったものを設けていたのですが、昨年7月に省令を改正しまして、産業廃棄物処理施設の設置者が災害廃棄物を処理する場合は、届出を出すことによって、その施設で処理する産業廃棄物と同様の性状を有する災害廃棄物を処理することができることを恒久的な制度としております。そういったことで、産業廃棄物処理事業者も含めた処理先の確保につながるのではないのかと思っております。
 次のページにいきまして、こちらは、廃棄物処理施設の被災関係でして、昨年度の対応方針というところで、浸水等に対して、いろいろ着目してご意見をいただいたところです。今年度の対応では、廃棄物処理施設の基幹的設備改良マニュアル、こういったものがありますので、こういった中でハザードマップの浸水水位に基づいて、必要な耐水対策を実施するように促しております。今後の説明会等で、被災リスクを把握した上で広域処理体制の検討を促していくといったことも必要かと思っております。
 7月豪雨においては、浸水により、し尿処理施設が稼働停止しましたが、処理が滞ったし尿については、広域処理にかかるかかりまし経費を支援しておりますので、今後も事業者にはそういった支援をしていくこととしております。
 また、定期点検による廃棄物処理施設への稼働停止への対応というところですが、昨年の5月に梅雨を前に事務連絡を発出して、こういった検討も必要なのではないかということで、促しているところでございます。
 防災拠点化というところについても、循環型社会形成推進交付金において、災害に強い施設、地域のエネルギーセンター等、防災拠点となる廃棄物処理施設の整備を推進していくということを考えております。
 被災自治体の支援体制の確保というところで、先ほども少し説明しましたが、自治体を支援するために地方環境事務所や本省から管理職職員を派遣しているところですが、こういった現地に派遣される職員の能力を向上させるために、しっかり研修をしていく。本年度も研修や勉強会を開催したところですので、今後もしっかりやっていきたいと思っております。
 続きまして、被災自治体の受援体制の構築というところに関してですが、一番右下のほうに書いてありますが、内閣府で受援計画作成の手引きを昨年の4月に作成していますが、そういった中で、既に内閣府と調整して、廃棄物関係の記載も充実させているという形になっております。
 続きまして、D.Waste-Netの強化というところになります。D.Waste-Netと環境省で意見交換をする場を設けておりますし、必要に応じて、メンバー間の意見交換の場を設けることも検討する必要があると思います。災害時に環境省の職員だけではなく、D.Waste-Netメンバーとも情報交換が円滑にできるよう、環境省が現在使っているビジネスチャットツールをD.Waste-Netメンバーも使えるように体制を整えたところですので、今後そういったものも使っていきたいと思っております。
 その次、国際貢献というところですが、こちらも引き続きインドネシアに対する技術的助言や、今後のガイドラインの普及等、そういったこともやっていければと思っております。
 関係機関のところは、省略させていただきまして、災害廃棄物処理計画の策定・見直しというところですが、先ほども少しありましたが、これまでも災害対応のグッドプラクティスについて、地方環境事務所を通じて、地域ブロック協議会の場等、いろいろな場で周知をしていくことで、より生に近い声を現場に届けて計画の策定を促していくことが必要かと思います。  あと、先ほどもあった計画策定のモデル事業等で支援してきましたので、モデル事業を通じて得られた課題の解決手法、こういったものを共有していくことによって計画策定を促していきたいと思っております。
 今後の展開としては、図上演習や、先ほども中部地方環境事務所の事例がありましたが、図上演習も含めていろいろな形で自治体職員の能力の向上を図るとともに、既に作っている災害廃棄物処理計画の課題を抽出して、実効性の向上、つまり計画の改定も含めて実効性の向上につなげていけるようにしていきたいと考えております。
 続きまして、2.10 情報収集に関してですが、二つ目に書いてありますが、今年度、ビジネスチャットツールの活用や、あるいは、自治体に対して仮置場の状況や管理体制を調査しているのですが、そういった調査票のフォーマットを作って、今後活用していくことによって、大量のいろいろな種類の情報を円滑に収集できるようにしていきたいと思っております。
 あと、メディアに対する情報発信については、今年度の災害については、本庁のほうでもメディアに対してレポートしたり、あるいは現場でもD.Waste-Netの専門家、浅利先生に現場で情報発信していただいていたりしていますので、今後も、情報発信についてはこういった事例も含めて今後検討していきたいと思っております。
 停電への対応については、飛ばしまして、あとは、人材バンクについてですが、今年度から整備を進めている人材バンクについて、いろいろ課題がありまして、現場で対口支援等、いろいろな支援と錯綜しないように交通整理をしていく必要があると思っておりますので、そういったことは今後しっかり取り組んでいきたいと思っております。
 研修の充実は、しっかりやっていくというのと、前回ご指摘いただいた人材バンクで、例えば、地震や津波の被害を経験している登録者が少ないということについては、人材バンク制度を周知する際に併せて登録していただくように促していきたいと思っております。
 最後に、その他大規模災害に備えた検討課題として、前回目黒委員からもご指摘がありましたが、諸外国から支援してもらう仕組みづくりの検討があります。今年度、技術・システムワーキングで、処理可能量や必要な船舶数といったものを整理していますが、今後不足しているリソースについて、海外からの支援の可能性も含めて検討していきたいと思っております。
 あとは、災害の規模と処理期間の考え方というところで、技術・システムワーキングで南海トラフ地震を想定したシミュレーションを実施しておりますので、今後の課題として、リサイクル率の向上や、広域運搬手段の確保、そういったものを計画した上で、適正な処理期間を設定していきましょうということになっております。そういった検討課題が挙げられていますので、まずは、その南海トラフ地震を対象に処理期間の設定をまず考えていきたいと思っております。
 あとは、昨年度もご指摘いただいていた火山災害の見通しと対応方針ですが、火山災害対策については、内閣府のほうで検討を進められているところですが、まだ、関係者の役割分担については、引き続き関係省庁間で検討が進められているところですので、そういった場において、しっかり情報収集していきたいと思っております。
 駆け足ですが、以上になります。

(酒井座長)
 どうもありがとうございました。
 それでは、処理計画と、それから、今の対策の今後ということにつきまして、ご意見をお聞きしたいと思います。早速手が挙がっておりますので、お願いいたします。
 安富委員、どうぞ。

(安富委員)
 どうもありがとうございます。仮置場の件ですが、実はこの間、2月に東和テクノロジーと一緒に鳥取県と島根県の3地区にヒアリングに行ったのですが、そのときに仮置場のことが一番印象に残りました。かなり一生懸命事前に仮置場を選定しておられて、それはすごくいいなと思ったのですけども、その中で、一つ出たことが、3地区で仮置場をそれぞれ数か所ずつぐらい選定しているのですけども、そこで出た問題が、せっかく仮置場を選定しても、そこに入る進入路が非常に悪くて、そこの進入路を整備する予算がついてないということが、それぞれの市町村の担当者から出まして、中国地方の環境省の方が、いや、それはつかないんですよということがあったのですけども、せっかく仮置場を選定しても、進入路が通れないとか、そういう状況だったら絵に描いた餅になるのではないかなと思いますので、その辺の予算のこと、この間もちょっと聞いたのですけど分からなかったので、もう一回聞きます。
 それから、同じくそこで、鳥取県の担当者と話していて、鳥取県は実は2000年に西部地震、それから2016年中部地震と、大きな地震を2回経験しておりまして、以前から言っている災害対策本部での地位というのは、鳥取県の県の担当者に言わすと、非常にしっかりとやっていると。西部地震のときは、仮置場ができたのが3日目だったが、中部地震ではその教訓を活かして、初日から設置したということなので、そういう災害対策本部というのは、経験しているところの強さというのがやっぱりあるので、さっきおっしゃっていましたけど、そういうことを伝えていけばいいかなと思います。
 ちょっと長いですが、先ほど、福島の新地町の話が出ていたのですが、実は、私16、17とその新地町にたまたま行っていまして、話を聞いたら、やっぱり駅前にかなり大きな仮置場がありまして、地元の知っている方にお話を聞くと、3.11のときよりも揺れは激しかったそうです。6強でかなりきつくて、新しい家を建てたところでも結構家財が壊れたりしたということなので、先ほど建築基準というような話もありましたけど、それでもやっぱりかなりのキラーパルスなので、出たのではないかと。家財道具、特に電化製品、冷蔵庫とかかなり出ていました。これは報告です。
以上です。

(酒井座長)
 どうもありがとうございます。
 引き続いて、大熊委員、お願いいたします。

(大熊委員)
 ありがとうございます。教えていただきたいと思います。
 10ページの情報共有アプリについて、手配中ということですけが、どのようなものでどういう風に活用しようとしているのか。ビジネスチャットツールは既に今回使われたということですが、これも具体的にどういうもので、どういう風に活用されて良かったのか、具体的な内容について教えていただければと思います。
 以上です。

(酒井座長)
 どうもありがとうございます。
 では、引き続いて、中林委員、どうぞ。

(中林委員)
 スライドの2ページの防衛省・自衛隊との連携について、確かにそうだなと思ったのですが、その結論というか、最後のほうに地方レベルにおいても平素から顔の見える関係をという方向が示されているのですが、本省レベルではないというのは分かるのですが、地方環境事務所レベルなのか都道府県レベルなのか、あるいは基礎自治体レベルなのか。「地方レベル」というのはちょっと大きいので、少し補足していただければと思います。

(酒井座長)
 どうもありがとうございます。それでは、水原補佐、どうぞ。3名の委員から指摘がございましたが、いかがでしょうか。

(水原災害廃棄物対策室補佐)
 一つ目の仮置場の進入路の関係になりますが、やはりこれは事前に進入路を作るということになるのでしょうか。

(安富委員)
 事前に進入路を整備したいと。したいけれども、そのお金がないと。そこで困っているということを、それぞれ三つとも出てきました。島根、鳥取3地区で。そうすると環境省の中国地方の担当の方は、いや、それは出ないんですと、最初に言ってくださいと言うのですが、そこで私は、今度の検討委員会の中で提起しておきますということで、これは環境省だけじゃなくて、財務省、予算の分捕りなのでしょうけども、その辺り想定していても、実際入れなかったら意味がないと思うので、そういうところが多いんだそうですよ。結構山奥に想定していたりすると、そこに侵入できないということだそうです。

(水原災害廃棄物対策室補佐)
 分かりました。事前に何か進入路を整備するとか、新たな価値を作るような事業に災害廃棄物の補助金となると、災害が起きたときに災害廃棄物の処理に応じた費用に対して出すことになりますので、事前に何かを作るというところについては、現状では難しいのではないかなと思っております。
 2点目の大熊委員のビジネスチャットツールとアプリの関係ですが、ビジネスチャットツールについては、簡単に言えば、よく使われるLINEのビジネス版になるわけですが、現場の状況を逐一ビジネスチャットツールに入れていただいて、被害があれば、写真等を撮って、例えば、県庁とかに戻ってパソコンを開けてメールを送るとか、そういった状況だったのが、いち早く情報共有できる状況になるということになります。こういったものをD.Waste-Netでご支援いただける団体の方にも、アカウントをお渡しして、現場に行かれたときに投稿していただくことはもちろん、いろいろな情報について、早く共有できる状況になると思っております。
 アプリについては、まだ具体的ではないのですが、どういったところにどういった災害廃棄物があるのか、マッピング等をもうちょっと効率的にできないかといったことを、現在いろいろな新たなツールが出てきておりますので、どういったものを活用できるのかを検討していくことになっております。
 中林先生から自衛隊の関係がありましたが、どういったところと顔の見える関係をということになるかと思うんですが、環境省側としては、当然、地方環境事務所ということになります。自衛隊側というと、実際に災害に関して支援をされる現場といいますと、師団とか旅団とか、そういったところになりますので、そういったところを都道府県内に1個あるかないかぐらいだったと記憶しておりますが、そういったところと、まずは訪問して情報交換して、災害廃棄物に関する理解を得るとか、今後の連携について相談をするとか、そういった取組をしているということになります。
 以上になります。

(中林委員)
 最後の件は、県ぐらいが市町村を束ねて自衛隊と顔の見える関係をきちんと作っておくということでよいのでしょうか。

(水原災害廃棄物対策室補佐)
 自衛隊の師団、旅団とかそういったレベルですね。はい。

(中林委員)
 そうすると、被災側となる地方公共団体側としては、県がそういう窓口をきちんと作っておくということが大事だ、という受け取りかたでよろしいのでしょうか。

(水原災害廃棄物対策室補佐)
 そうですね。自衛隊も都道府県ともしっかり連携する必要はあると思っております。

(中林委員)
 分かりました。市町村は1,700あるので、その市町村一つ一つがというわけにはいかないということで、やっぱり県が窓口となるのがいいかなと、お話を伺いながら感じました。
 はい、以上です。

(酒井座長)
 先ほど冒頭で、安富委員から進入路、アクセスへの予算の関係での指摘があったわけですが、今の説明、事前には難しいというご説明までだったのですが、自治体にしても、地方環境事務所にしても、やはり問題意識を持っておられるということであれば、この課題に対してどうすればよいかということは、次回以降の検討課題ということで置かせていただくということにさせていただきたいと思いますが、委員の方々、よろしいでしょうか。ぜひ、事務局も問題は意識をしてください。

(森山環境再生・資源循環局長)
 先ほど仮置場の関係で、これはとても重要な案件でございます。ただ、仮置場は事前に用意したけども使えないというのは全く意味がないわけでございまして、ただ、仮置場をすごい山の中に想定していて、でも道路がないから使えませんというのは、これはまた逆ですよね。災害のときのためだけに使うので、だから道路を造ってくれというのは、なかなか難しいと思います。
だから、基本は災害のときでも使えるような場所を選んでもらうと。そういう指導を現場がしながら、特に水害とか地震とかですので、雨が降ったら道路があっても壊れるとか、地震があったら橋が落ちるという可能性があるところは駄目なので、そういった脆弱がないところで道路があるところに仮置場を作ってもらう。ということが基本ですので、そういったことを計画をつくるときには、指導するのが基本と思いますので、そういったことも踏まえながら、また関係するところとも連携しながら対応をしていくのかなと思ってございます。

(酒井座長)
 はい、どうも森山局長、ありがとうございました。進入路単体で考えるのではなくて、選定の問題と総合的に捉えてもらいたいという趣旨のご発言だったかと思います。
 今の案件で安富委員、追加でご意見ですか。

(安富委員)
 そんなに広い山奥じゃなくて、割と海に近いところとか、そういうところでも、意外と進入路というのはまずいと。それと、ここは難しいところですけど、災害のほうには事前復興という考え方がありまして、先ほど水原補佐がおっしゃいましたけど、起きてから出る予算なのでというのは、やっぱり考えてもらわないといけないと思います。事前復興的な考えとすると、そのほうがかえって安くつくので、皆様も一生懸命仮置場を探しておられて、そこでちょっとした入り口が悪いというぐらいの整備なんです。ぜひ、検討できればと思います。お願いします。

(酒井座長)
 どうもありがとうございます。ここは局長も議論に参加いただいて、いい遣り取りをしていただいたかと思います。仮置場のアクセス、そこでもちろん事前復興の考え方も極めて重要ですし、併せて仮置場、アクセスということだけの機能かということ、そこにもう少し総合的な機能でもってしっかりと予算の必要性を訴えていく、という方向もやはり必要だろうと思います。
 いずれにしましても、今回資料3、昨年の最終の検討会で、整理いただいた対応案の振り返りということも含めながら、さらに、今年の検討会で出てきた事項も含めて整理いただいております。ただ、これだけの表をずっと目を皿のように読んでいくのもなかなか大変だとは思うのですが、この対策はほぼ網羅性は図られているのではないかと思います。課題としての一覧性と言いますか、抜けている課題、もちろんそういう課題があれば、今後追加していくということになるかと思うのですが、もう少し、類型化をしながら、つまり若干濃淡をつけながら、検討、そして蓄積を図っていく。そして、見直すところは見直すという、そういう方針で今後進めていただいたらどうかと思っております。
 何を言いたいかと言いますと、規模に関係なくどういう場面でも必要な話、例えば、施設整備や研修等はそういう位置づけになりましょうし、また、小規模の水害、主に市町村中心で、自治体中心で対応いただく話、それと、それが少し広域で大規模でやらねばならない去年の7月豪雨であるとか、その前の年の豪雨であるとか、そういった大規模での対応、それと、あと巨大災害ですね。南海トラフ、あるいは首都圏であり、それと例えば火山爆発とか、こういう風に少し場合分けをしながら今回の対応策を少し分類、そしてほぼ整備できていること、まだ深掘りしないといけないところという、そういう対応策のめり張りをつけた検討を今後させていただければと思っております。今の方針で、事務局のほうは何か異論ございますか。

(水原災害廃棄物対策室補佐)
 ご意見承りましたので検討していきたいと思います。

(酒井座長)
 どうもありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 では、時間が押しておりまして、申し訳ありません。この後、ワーキンググループのほうから、3件ご報告をいただき、そして質疑ということにさせていただきます。
 3時半のお約束が若干伸びることをご了承いただければと思います。ワーキンググループの座長の先生方、5分ぐらいで、短縮版でご説明いただければ幸いです。お願いいたします。

(牧委員)
 技術・システム検討ワーキンググループでは3回検討を行いました。検討した項目は、南海トラフ地震でどれだけの量が発生するのかということで、昨年度、四国ブロックで実際の被害、それから出てくる時間ですね。要するに、初め、片づけごみが出るという、そういったものを踏まえた上での検討を日本全国に拡大したということでございます。次のスライドをお願いします。
 それで、基本的な考え方は昨年と同様ということで、こちらをご覧いただければと思います。その次もお願いします。
 これが、各地域でどれだけの量が出るのかということについての検討結果でございます。次、お願いします。
 それで、これが実際に使える、要するに処理できる量ということで、先ほどご説明いたしました出た量をどれだけで処理ができるのかということになります。次、お願いします。
 これは、去年の復習でございますが、どうやって計算をしているのかといいますと、ポイントは3年ということでございまして、3年で処理をするために、そこの右下の図を見ていただくと分かると思いますけども、そこに全量を抑え込んでいくということになりますし、もう一つの前提は、いわゆる災害廃棄物の処理は、その前段の避難所の生活ごみ・避難所ごみ、それから片付けごみが終わってから取り組むということになります。次、お願いします。
 検討の結果ですが、生活ごみ、避難所ごみが若干滞るというところが近畿、それから四国ということになりました。次、お願いします。
 これをいかにして処理するのかということでございますが、基本的な考え方は、広域処理ということで、他地域にお願いする、持っていくということと、それから仮設焼却炉を置くということ。他の地域へお願いするときの基本的な考え方は、近いところにお願いをするということでございます。
 セメント工場の利用ですけども、基本的には、今まで燃えるごみを処理していたのですが、不燃物も処理するということで検討いたしました。次、お願いします。
 それで、結果でございますが、広域をやれば3年で処理することは、計算上は可能だということになりました。次、お願いします。
 次に、広域処理をしていくだけの船があるのかということが次の検討でございまして、どのぐらい船がいるのかという検討を行いました。まず、今回は船だけで考えてございます。次、お願いします。
 処理期間3年の場合、必要船舶数が186隻から236隻、積込・積降のためには、数日間岸壁を占有してしまうということで、なかなか現実的には難しいということでございます。それで、3年は無理なので、5年か7年にすると、船の量は減るということが分かりました。次、お願いします。
 最後の手前のスライドですが、実際、船だけでも問題でして、それから当然のことながら公費解体もどれだけのスピードでいけるのかということがなかなか難しいと。出てくる廃棄物の量を見ていただくと、関東だけで東日本大震災よりも多いということですので、これをどうしていくのかというのが課題です。最後、次、お願いします。
 まとめですが、3年でできるのですが、やはりリソースが足りない、ですから、そのリソースをどうやって考えていくのかということが非常に重要な課題ということになります。
 以上でございます。

(酒井座長)
 はい、どうもありがとうございました。
 次、浅利委員、地域間協調、お願いいたします。

(浅利委員)
 はい、ありがとうございます。それでは、検討内容を報告させていただきます。
 メンバー、それから今回3回させていただきました。次、お願いいたします。
 検討事項のまとめのスライドがこちらと、もう一枚あったかと思いますが、まず、1点目がこれまで特に最近の災害も含めて支援方法の検証をしたという点と、関係者間で情報共有をどういう風にされてきたか、そのあり方の検討が事項1になります。  それから、検討事項2では、南海トラフ地震を対象として、先ほどの牧先生のほうは、ものの流れ的な話が多かったと思いますけれども、こちらは人的支援を中心とした検討をさせていただきました。次、お願いいたします。
 それから、検討事項3ということで、国際支援に係る検討ということで、今日は詳細をご紹介いたしませんが、特に3.11、10年目となるちょうどその日に国際シンポジウム等をさせていただきました。環境省の関係者の方々にも大変お世話になりましたし、そのほかの多くの関係者にもお世話になりましたが、前回の委員会の中で、国際支援じゃなくて、これからは、連携だろうというお話もございましたが、それにつながるような機会になったのではないかなと思っております。次、お願いいたします。
 検討事項1の支援方法の検証になります。次、お願いいたします。
 ヒアリング対象としては、各地方環境事務所や支援自治体、それから、支援された自治体の方々で、かなり詳細、発災からの流れを振り返りながら、有効だった支援内容やうまくいったこと、うまくいかなかったこと等を挙げていただきました。そこの下半分からがヒアリング結果になっておりまして、まず、情報共有方法というところ、今日も何回か冒頭の事例でもございましたが、毎日打合せをしたこと、ミーティングを習慣化したということが支援する側も、それから支援される側も非常に良かったというところがございました。次、お願いいたします。

 それから、全部紹介すると大変なのですけれども、一番上にあります首長や意思決定権者としっかり情報共有するということが、まずその体制構築の第一歩になるというところの確認ができたり、今日も公費解体の話もございましたが、相談会のあり方も丁寧にしたという事例の紹介、こういうところがそれぞれニーズもシーズもうまくマッチングした支援内容だったというところでございます。次、お願いいたします。
 あと、困ったことや事前準備が必要であることも、かなり具体的な事例とともに出てきましたので、今後の計画のめり張りにも使っていけるんじゃないかなと思います。次、お願いいたします。
 この辺も具体的な内容なので、またご覧いただければと思います。次、お願いいたします。
 先ほど情報共有の方法がございました。そこの整理が進んでおります。次、お願いいたします。
 それから、情報共有のあり方のまとめというところでも、情報共有の項目やその方法、それからコロナ禍ということもあったり、いろいろな条件から現地での支援にも限界があるだろうということで、遠隔支援が可能である事項の整理も進めてまいりましたので、この辺りは今後の災害にすぐに活かせる部分もあるのではないかと思います。次、お願いいたします。
 こちらもちょっと飛ばしたいと思います。次、お願いいたします。
 この一連の支援のあり方、情報共有のあり方の今年度のまとめというところでは、成果として、支援のあり方、有効と考えられる支援方法等が出てきましたので、今後この成果をしっかりフィードバックしていきたいと思っております。
 まずは、地域ブロック協議会等での情報共有を図ったり、人材バンク登録者200人以上おられますので、そういうところにも活用していくということ。それから、環境省でもしっかり、いま一度揉んでいただいて、環境省の動きにもうまく取り込んでいただきたいと思っております。
 また、課題も見えてきた部分がございまして、やはり処理計画ですね。事前の処理計画、6割ぐらいの自治体で策定ということで大分進んできたのですが、それが本当に支援する側、される側、また処理自体にちゃんと効果的に動いているのか、どういう改善があるのかというところを、いま一度検討する必要性が出てきたかなと思っておりますので、これは、次年度しっかり考えていく必要がある、そして、実際に取り組んでいく必要があるのかなと考えております。次、お願いいたします。
 次からが、南海トラフ地震を対象とした支援の検討いうことです。次、お願いいたします。
 どのような考え方かというところで、これは前回もある程度ご紹介した部分かと思います。次、お願いいたします。
 こちらもちょっと行きます。次、お願いします。
 こちらが、具体的な支援割当ての考え方の整理ということで、特に人的支援や車両の支援に関して書いたものでございまして、南海トラフ地震の被害や、不足する人員、車両等を考えますと、東北から特に四国を中心に支援を行う。あとは、余力があれば他地域にも入っていく。関東からは、主に中部、関西エリアを支援する。四国には、東北に加えて、九州、中国、四国の被災していない自治体、被害の小さかった自治体等から支援を受けるという流れがベースかなというお話をしているところです。次、お願いいたします。
 それから、より詳細に都道府県別に割当順序を考えてみたというのがこちらの図になっておりまして、特に右下が割当ての優先度が高いということで、この中でいくと高知県、それから和歌山県、宮崎県等々で支援が必要、優先度が高いと考えられたところです。点線が東日本大震災以上の被災レベルが考えられるところですので、かなりの規模を考えて今後備えていく必要があるのかなと思います。非常に、心して真剣に危機感を持って立ち向かわなければいけないことが改めて見えてくると思います。次、お願いいたします。
 あと、国や地方自治体が中心にはなるのですが、民間の関係団体とも様々な調整事項があるという整理も進みましたし、実際熊本でも進展があった部分も多かったかなと思いますので、しっかり目配りをしながら、この辺りも強化を図っていく必要があるかと思います。  次、お願いいたします。  南海トラフ地震といってもいろいろな発生の仕方があるので、それも念頭にというところですし、あと、それ以外にも過去には、酒井先生のほうからもいろんな災害形態への配慮ということもおっしゃっていただいていましたので、その辺りも目配りをしながら体制を常に危機感を持って対応していく必要があるのかなと思いました。
 以上になります。ちょっと駆け足でしたが。

(酒井座長)
 どうもありがとうございました。要領よくありがとうございます。
 それでは、引き続いて、初動対応検討ワーキング、中林先生、お願いいたします。

(中林委員)
 中林です。初動対応検討ワーキンググループです。次、お願いします。
 こういう体制でやってきましたが、令和2年度は、大きく四つ、1番目は、既に昨年まとめてあります初動対応のマニュアルについて、被災した自治体と、被災していない自治体の二つで検証的なモデル演習をやっていただいたことです。そこで得られた知見、あるいは指摘事項を含めて、2番目ですが、既にあるマニュアルに反映し、バージョンアップしていくという取組です。更に、3番目にそれを手引きの内容として充実させていくことを検討し、そして4番目として市町村に初動対応マニュアルの活用を普及するための動画作成に取り組んできた、というのが今年度です。ワーキングは3回開きました。次、お願いします。  モデル演習ですが、被災した自治体として、房総半島台風で被災した館山市、それから被災はしていない自治体として京都府の長岡京市で、それぞれ初動対応マニュアルを使っての研修を進めました。館山の場合には、被災したのですが、更にいろいろな課題が指摘され、それらが、こういうマニュアルの活用でうまくいくのかを検討しました。長岡京市のほうは、被災していないけれども初動対応をどう準備し、講じていくのかということの検証ということです。先ほど、人吉での初動の報告においても、やはり初動対応というのが災害廃棄物処理の鍵だということでしたし、仮置場での分別も鍵だということでしたが、モデル演習でもその辺りを含めた検討をしてもらったと思っています。次、お願いします。
 そういう検討と同時に、手引きを縦、横の関係で各省庁との連携等々を含めて議論もしてきました。そういう中で、ここにありますような取組が、今年の成果として修正しておこうとまとめたことです。例えば、現状で記載がない広域支援や、あるいはその他情報ツール、特にタイムラインとして初動対応をどういうときにどこまでやるのか、そうしたことをきちんともう一度整合を図りながら整理していきました。特に、時間との調整が初動対応では最も重要になってきますので、そういうタイムラインとの整合にもう一度力を入れること。特に、人的応援の受入に関して、内閣府の受援計画の手引きがあるのですが、それとの整合をきちんと図るというような取組を明示しました。
 それから、最近、水害が多いこともありまして、その水害での業務を念頭に置いて検討してきたのですが、特に水害時の災害廃棄物という概念からややもすると外れていた避難所ごみ、あるいは避難所のし尿処理という課題についても強調しました。そのことについて、水害対応でも大事な課題だということで、きちんと追記することを含めて検討してきました。
 なお、し尿に関連するものとしては、下水道BCPでも対応がすでに記載されていることもあって、再度確認しながら省庁間の連携を取っていただければと思っています。次、お願いします。
 そうした初動対応マニュアルと、それから初動対応の手引きについて取りまとめ、バージョンアップしてきたのですが、これを普及させる、啓発することによって、処理計画は作ったけども、初動対応がどう展開すべきか分からない状況での初動対応マニュアルの策定促進、また、処理計画はまだ作っていない自治体に対しては、明日被災するかもしれない中で初動対応に失敗すると本当に大変なのだということを、チェックリストで自らの現状をチェックする中で気づき、処理計画の策定を促していきたいと考えてきました。そうした最初の入り口として動画を作りました。5分バージョンの簡易版と、それから20分バージョンの実務編を作ってございます。
 最終的な手引きの充実ということですが、手引きの本体と、様式集を作っているのですが、そのポイントになる事項についてきちんと整理すると同時に、その項目について詳しくはどこを見ればよいのかという、参照先の事例の明示を全部付足しました。マニュアルを読み府はじめて、途中で手が止まらないように、分からなくなったらそちらへ行って確認しながら進めていけるような立体的な編集を心がけてバージョンアップしてきました。次、お願いします。
 それらを普及するための動画を作成してきたのですが、簡易バージョンとそれから実務編のバージョンという、5分と20分ものです。今日は時間もありませんが、資料にURLをつけてございます。今年度中に手引きと動画を同時に公開していきたいと思っておりますので、ぜひ、委員の皆さまにはURLから入っていただいて、動画も見ていただければと思っております。
 今日の人吉の水害時の報告を踏まえて、改めて、まだまだバージョンアップしなければいけないことがあるとも感じました。
最近の災害として、今年度は人吉が一番大きな災害でしたが、同時に今日は話に出ませんでしたが、コロナ対応下での災害対応でした。来年度もまだコロナ禍であることも思うのですが、こういう感染症が蔓延している中での廃棄物処理のあり方についても、もう少し初動対応の段階でどういう課題が出るのかを整理しておかないといけないとも思いました。そうしたことも今後の検討課題と思っております。
 以上です。

(酒井座長)
 どうも、中林先生、ありがとうございました。ぜひ、動画を拝見したいところですが、時間がないので、今日はお許しください。

(酒井座長)
 それでは、三つのワーキンググループに対してのご希望、ご注意等がございましたら、挙手いただけますでしょうか。
 南海トラフ、本当に膨大な量になるわけですけれども、柔軟にこの検討の内容を深めていただいているかと思います。これは、恐らく終わりのない検討かと思いますので、引き続きよろしくお願いをしたいと思います。
 特によろしいでしょうか。それでは、どうもありがとうございます。今日の議論、全体を通じて、何かございましたら、この段階で承るということで。それもよろしいでしょうか。
 はい、それでは、その他を含めて、環境省事務局のほうに進行をお返しますので、あと、締めの部分も含めてどうぞ進めてください。お願いいたします。

(水原災害廃棄物対策室補佐)
 はい。本日の議事録は原案を作成しまして、委員の皆様にご確認いただいた後、環境省ホームページに掲載する予定ですので、よろしくお願いいたします。
 本日は、様々なご意見をいただきまして、誠にありがとうございました。委員の皆様からいただいたご意見もしっかり受け止めて今後検討していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、災害廃棄物対策推進検討会を終了いたします。本年度も熱心なご議論をいただき、ありがとうございました。