環境再生・資源循環

第1回 令和3年度災害廃棄物対策推進検討会 議事録

日時

令和3年12月13日(月) 10:00~12:05

場所

Web開催

出席委員

委員

浅利 美鈴    大熊 洋二    大迫 政浩

勝見 武     酒井 伸一    島岡 隆行

中林 一樹    牧  紀男    目黒 公郎

安富 信     吉岡 敏明

           (敬称略)
 

欠席委員

委員

大塚 直                    (敬称略)
 

委員以外の出席者

(事務局)
 環境省

室石環境再生・資源循環局長、土居環境再生・資源循環局次長、筒井廃棄物適正処理推進課長、

須田災害廃棄物対策室災害廃棄物対策官、小野災害廃棄物対策室室長補佐、

本田災害廃棄物対策室主査、小川災害廃棄物対策室係員、

奥山環境再生・資源循環局総務課長、大川環境再生・資源循環局総務課課長補佐
 

議題

1 開会

2 検討会の目的及び開催要項等について

3 議事 

(1)近年の自然災害における災害廃棄物対策について

(2)令和3年度の環境省本省及び地方環境事務所の取組

(3)災害廃棄物対策推進検討会等におけるこれまでの検討経過及び今後の課題

(4)ワーキンググループの設置について

   ・技術・システム検討ワーキンググループ

   ・地域間協調ワーキンググループ

4 その他

5 閉会
 

配付資料

資料1 令和3年度災害廃棄物対策推進検討会 委員名簿

資料2 令和3年度災害廃棄物対策推進検討会 開催要綱(案)

資料3 近年の自然災害における災害廃棄物対策について

資料4 令和3年度の環境省本省及び地方環境事務所の取組

資料5-1 災害廃棄物対策に関するこれまでの取組

資料5-2 災害廃棄物対策推進検討会のこれまでの取組と成果

資料6 ワーキンググループの設置について
 

議事

(小川災害廃棄物対策室係員)

 定刻になりましたので、ただいまから第1回令和3年度災害廃棄物対策推進検討会を開催いたします。

 委員の皆様におかれましては、ご多忙のところご参加いただき、誠にありがとうございます。

 事務局を務めます環境省災害廃棄物対策室の小川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 初めに、環境再生・資源循環局長の室石からご挨拶をさせていただきます。

 

(室石環境再生・資源循環局長)

 再生・循環局長の室石でございます。

 本日は、ご多用のところ、お集まりいただきまして、大変ありがとうございます。令和3年度災害廃棄物対策推進検討会を開催するに当たりまして、一言、ご挨拶を申し上げます。

 本日、コロナ対応ということでウェブ形式で開催しておりますが、本検討会は平成25年に発足以降、9年目を迎えております。昨年度は、令和2年7月豪雨で九州地方を中心に、河川の氾濫が相次ぎ、甚大な被害が生じております。今年も、例年ほどではないにしても、7月、8月と豪雨、全国的に非常に広い範囲で災害が生じております。頻発する水害をはじめ、これまでの災害対応をしっかりと振り返って、災害廃棄物対策を一層強化、推進していくことが求められております。

 昨年度は南海トラフ地震を対象とした全国の災害廃棄物処理シナリオの検討を行ったほか、発災時の支援体制の強化の検討の一環として、災害廃棄物処理支援員制度の策定を行いました。本日は、これまでの本検討会における検討事項及び課題をおさらいするとともに、今年度のワーキンググループにおける検討事項などについてご説明をさせていただきますので、今後の対策について専門的かつ広範囲に忌憚のないご意見をいただければと思います。どうかよろしくお願いいたします。

 

(小川災害廃棄物対策室係員)

 それでは、まずはウェブ会議形式の進め方について説明させていただきます。

 事前にウェブ会議での留意点についての資料を送付させていただきましたが、マイクについては、発言をしない間はミュートにしていただきますようお願いいたします。

 カメラについては、皆様にオンにしていただいて進めたいと思いますが、通信環境によっては、つながりにくくなることがございます。音や動画が途切れる場合は、チャット機能やお伝えしている電話番号でご連絡ください。その場合、皆様のカメラをオフにしていただくようアナウンスいたします。

 質疑応答の時間でご発言いただく際は、挙手機能を使用いたします。参加者一覧の名前の脇に、手のひらのマークがございまして、こちらを押すと座長と事務局に挙手したことが分かる形となっております。座長から発言者をご指名いただきましたら、ご発言いただきたいと思います。その際、ミュートの解除にお気をつけいただければと思います。

 その他、トラブルがありましたら、チャット機能でコメントいただくか、送付しております「ウェブ会議での留意点について」に記載した電話番号にご連絡ください。

 説明は以上となります。

 続いて、本検討会の委員のご紹介でございますが、資料1、ただいま画面に映っております資料1の委員名簿をご参照ください。令和3年度は、引き続き令和2年度と同様に、委員にご就任いただいております。よろしくお願いいたします。

 続いて、本日の出欠状況ですが、大塚委員は所用により欠席でございます。

 本検討会の事務局につきましては、環境省環境再生・資源循環局災害廃棄物対策室が行っております。よろしくお願いいたします。

 では、初めに、本検討会の開催要綱(案)について、事務局から説明をいたします。

 

(須田災害廃棄物対策室災害廃棄物対策官)

 環境省災害廃棄物対策室の須田です。

 資料2に基づきまして、本推進検討会の開催要項についてご説明いたします。

 ご承知のとおり、近年、自然災害が頻発化・激甚化しておりまして、全国各地で豪雨や地震等による、膨大な災害廃棄物が発生しております。こうした災害廃棄物に対応するため、環境省では平成25年に大規模災害発生時における災害廃棄物対策検討会を立ち上げ、また28年度には、その検討会を災害廃棄物対策推進検討会という形へ模様替えをして、開催してまいりました。その中で、災害廃棄物処理システムの強靱化に関する検討を行っていただいております。

 令和2年度には、先ほど局長の挨拶でも紹介がありましたけれども、全国各地で発生した自然災害を中心に、災害廃棄物処理に関する実績の蓄積・検証、また、災害時の廃棄物処理を見据えた地域間協調のあり方の検討、南海トラフ地震に係る海上輸送等の広域処理シナリオの検討、また、災害時の一般廃棄物処理に関する初動対応の手引の充実などを行っていただいております。

 今年は、こういった成果に基づきまして、2.に上げている検討事項について検討したいと考えております。一つ目が災害廃棄物処理システムの技術に関する事項、二つ目が災害時の廃棄物処理を見据えた地域間協調の在り方に関する事項、また、その他検討会が必要と認める事項でございます。

 検討会の構成につきましては、3.になりますけれども、災害廃棄物処理、防災等の分野について知見を有する学識経験者の中から、環境再生・資源循環局長が委嘱する者をもって構成いたします。検討会には座長を置きまして、座長に会議の議事運営をお願いいたします。座長は委員の互選によって定めます。また、座長が検討会に出席できない場合、座長があらかじめ指名する委員がその職務を代行することとしたいと思います。検討会では、必要に応じて委員の方以外から意見を聴取することができることとし、また、ワーキンググループを置くことができるということにいたします。

 それから、飛びまして5.のスケジュールですが、別紙をご覧いただきまして、本日が12月13日、第1回となっております。第2回は年明けの1月19日を予定してございます。第3回は3月頃ということで、調整させていただきたいと考えております。

 また、その他、この検討会は原則公開といたします。一方で、ワーキンググループについては非公開ということで進めさせていただきたいと考えております。

 説明は以上でございます。

 

(小川災害廃棄物対策室係員)

 開催要項(案)について、ご質問、ご意見はございますか。特にないようであれば、この開催要項についてご承認いただけますでしょうか。

 

(異議なし)

 

(小川災害廃棄物対策室係員)

 ありがとうございます。それでは、本開催要項に基づき本会議を運営することといたしたいと思います。

 本検討会は原則公開としており、環境省ユーチューブで同時配信をしております。また、本日の議事録は、原案を作成し、委員の皆様にご確認をいただいた後、環境省ホームページに掲載する予定ですので、よろしくお願いいたします。

 それでは、初めに、ただいまご承認いただきました開催要項に基づき本検討会の座長を決めたいと思います。委員の方から、ご推薦はございますでしょうか。

 吉岡先生、どなたかご推薦はございますでしょうか。

 

(吉岡委員)

これまでもこの会を進めていただきました酒井先生に、引き続いて、座長をお願いしたいと思います。

 

(小川災害廃棄物対策室係員)

ただいま吉岡委員より、酒井委員を座長にご推薦いただきましたが、いかがでしょうか。

 

(異議なし)

 

(小川災害廃棄物対策室係員)

 ありがとうございます。酒井委員に座長をお願いしたいと思います。

 それでは、以降の進行は酒井座長にお願いしたいと思います。酒井座長、よろしくお願いいたします。

 早速になりますが、一言、ご挨拶をお願いいたします。

 

(酒井座長)

 ただいま推薦いただきました酒井でございます。引き続き、いい議論ができますよう、委員の皆様、よろしくお願いしたいと思います。

 一言ご挨拶ということでございますが、2021年度の第1回の検討会ということですので、まず本年度、大きな災害は少なかったというご紹介はありましたが、熱海の災害をはじめ、多くの被害を受けられた方がおられます。この場を借りて深くお見舞いを申し上げたいと思います。重ねて、昨日になるかと思いますが、米国のほうで巨大竜巻での大きな被害が発生をしています。こちらに関しても、深い哀悼の意とお見舞いを申し上げたいと思っています。

 さて、そういう案件とも関連いたしますが、災害廃棄物を考える立場としては、地震、津波、火山といった大規模を想定した甚大な被害につながる災害という観点とともに、最近頻発している中小規模であったとしても水害に伴う災害廃棄物、この両側面を考えていかねばならない、そういう時代、状況になっているという認識を強く持ち始めております。そういった意味で、2020年度以前に比較して災害の発生件数が少なかった年ということで、こういう機会に十分な検討、ある意味ではありがたい時間余裕をいただいたということで検討できればと思っています。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 それでは、先ほどご承認いただいた開催要項に基づきまして、座長の代理を指名させていただきたいと思います。大迫委員を指名したいと思いますが、お願いできるでしょうか。また、ご意見はございますでしょうか。

 

(異議なし)

 

(酒井座長)

 どうもありがとうございます。大迫委員も、ご了解いただけますか。

 

(大迫委員)

 はい、承りました。よろしくお願いいたします。

 

(酒井座長)

 ありがとうございます。それでは、座長代理ということでお願いします。

 早速、議事に入らせていただきたいと思います。まず初めに、近年の自然災害における災害廃棄物対策について、事務局から説明をお願いいたします。資料3かと思います。よろしくお願いします。

 

(小野災害廃棄物対策室室長補佐)

 酒井座長、ありがとうございます。それでは、近年の自然災害における災害廃棄物対策について、環境省から説明させていただきます。

 まず、目次になりますが、三つに分けて説明させていただきます。一つ目が近年の災害における災害廃棄物の発生量について、二つ目が今年、特に被害が大きかった令和3年7月豪雨と令和3年8月豪雨を中心に、概況及び被害状況を報告させていただきます。その後、環境省の取組内容について説明させていただきます。

 まず、近年の災害における災害廃棄物の発生量を説明させていただきます。

 一覧にまとめさせていただいています。東日本大震災や阪神・淡路大震災などの非常に大きな災害から、近年におきましては大雨、豪雨による水害が、中心に多く起こっております。令和元年の房総半島の台風ですとか、昨年の令和2年7月豪雨、令和3年、今年は7月と8月に豪雨の被害が発生しております。

 損壊家屋数を真ん中に記載しています。主に、消防庁と内閣府防災の被害報告の統計データを採用させていただいています。災害廃棄物量につきましても、各災害において発生した量を記載させていただいています。昨年の令和2年7月豪雨の53.4万トンに対して、本年は1.3万トンと7.6万トンという規模で、昨年に比べると、比較的に小さい災害になっています。

 では、早速ですが、令和3年7月豪雨と令和3年8月豪雨、あとは台風の被害もありましたので、そちらの概況及び被害状況を報告させていただきます。

 まず、災害をもたらした気象の概況というところになります。7月豪雨と8月豪雨、それぞれについて説明させていただきます。

 まず、令和3年7月1日からの大雨ですが、こちらは6月末から梅雨前線が北上しまして、西日本から東日本と広範囲にわたって、前線が長く滞在するという形になりました。東海地方から関東地方南部を中心に、記録的な大雨となりまして、数日間にわたって断続的な雨が降り続いています。静岡県の複数の地点では、72時間の降水量の観測史上1位を更新するという記録的な大雨となりました。その結果、静岡県熱海市では土石流が発生し、多くの被害が出ております。

 令和3年8月前線による大雨につきましても、8月11日から19日にかけて、日本付近に停滞した前線による大雨が発生しています。こちらも、西日本から東日本の広い範囲の大雨となりまして、総降水量が多いところでは1,200mmを超えるという記録的な大雨となっております。

 続きまして、令和3年7月と8月の、まずは7月の被害状況となります。熱海市の土砂災害が大きなものとしてありましたので、全壊、半壊が多く発生しています。7月豪雨では、その後も長く雨が続きましたので、先ほどの7月3日以降も雨が降り続きまして、島根県や広島県でも被害が発生しています。半壊家屋が多く出ているという状況になっております。

 ごみ処理施設とし尿施設の被害状況をまとめておりますが、鳥取県と島根県で、し尿処理施設と不燃物処分場で被害が起こっております。落雷による動力制御盤の故障ですとか、最終処分場への進入道路の路肩崩壊といった被害が起きております。

 次に、令和3年8月14日の被害状況となります。こちらのほうでは、福岡県の久留米市や佐賀県の武雄市、大町町などで大きな被害が出ておりまして、全壊、半壊の家屋数が多くなっている状況です。また、床下浸水についても、1,000棟を超える被害が起きています。

 令和3年8月につきましては、ごみ処理施設ですとか、し尿施設においての被害の報告はありませんでした。

 ここからは、写真を交えながら、被災の状況、また仮置場等の運営状況を説明させていただければと思います。

 まずは、令和3年7月の静岡県熱海市の状況になります。左側の写真が、伊豆山地区での被害状況です。土石流が民家を襲いまして、皆様も報道でいろいろ見ていらっしゃるかなと思いますが、このような状況になっております。これらの土砂や瓦礫類につきましては、一度、右上の熱海港の芝生公園広場のほうに運び込まれまして、こちらのほうで分類されまして、土砂と瓦礫に分けられたものを、それぞれ次の仮置場のほうに運んでいるという状況になります。下のほうにつきましては、発災当初、特に土砂を運び出すのに、大黒崎の清掃工場跡地を使っていたということになります。

 続きまして、静岡県沼津市の被災状況になります。こちらのほうも、雨によって右上のように橋が損壊したり、左下のように水位が上がって、町中に水が出てきてしまっている状況を示しております。

 次に、鹿児島県さつま町の被害になります。こちらのほうは、左にありますように農業ハウスの損壊ですとか、右にありますように、農地に河川からの土砂、土石が流入しているといった被害が報告されています。環境省としても、ドローンを使いながら、こういった被害状況を確認しております。

 続きまして、ここからは令和3年8月豪雨の被害となります。岐阜県と長野県の仮置場の状況です。被災後、まだ雨が降り続く中で確認しておりまして、各仮置場におきましては、このように小型家電ですとか金属類、または木材等、区分けしながら管理して、対応していただいております。

 続きまして、令和3年8月ですけれども、8月豪雨ですが、広島県の安芸高田市の状況です。こちらも、仮置場のほうで、自治体を中心に管理していただいています。こちらの写真につきましては、後ほどもお話しさせていただきますが、D.Waste-Netの所属である持続コンサルタント協会の方に協力いただき、地方環境事務所と協働しながら、こういった仮置場の管理状況を確認しております。

 続いて、福岡県久留米市の状況です。右上にありますように、住宅地に広範囲にわたって、水害が発生した状況になります。左下にありますように、二次仮置場で、重機やコンテナを用いながら分別、処理を行っていただいている状況になります。

 続きまして、佐賀県武雄市、こちらも同様に、河川の氾濫によって住宅地で大きな被害が発生しています。こちらも速やかに仮置場を設置していただき、家電ですとか、その他諸々についても、分別しながら、適切に仮置場の運営をしていただいております。

 あとは、佐賀県の神埼市の土砂災害の映像になります。農地に土砂が流入していることが分かるかなと思います。

 写真での説明は最後となりますけれども、台風第9号による被害というところで、青森県内でも、このように災害廃棄物が発生しています。仮置場も造っていますし、廃棄物の搬出支援活動も行われています。

 以上、今年につきましても、全国各地で水害が多く発生しております。

 では、これらの被害に対して、環境省でどのような取組をしてきたかを説明させていただきます。

 まず、全体でまとめていますけれども、現地支援と財政措置を行っているのと、あとはD.Waste-Net、災害廃棄物処理支援ネットワークの方々ですとか、関係機関として国土交通省、JVOAD、ボランティア団体などと連携しながら、市町村の支援を実施してまいりました。

 まず、現地支援につきまして、令和3年7月豪雨につきましては、地方環境事務所職員に主に現地入りしていただきながら、派遣人数、延べで117名の支援を行っています。派遣先につきましては、7県18市町となっております。また、人材バンクについても、今年から実際に運用して現地入りして支援を行っています。館山市から、8月31日に熱海市に入っていただいております。

 令和3年8月豪雨につきましても、地方環境事務所職員の方々に37名、現地入りしていただいて、支援を行っています。人材バンクにつきましては、坂町から北広島町への支援を行っております。また、補助金に関するウェブ説明会も実施していますし、D.Waste-Netの現地支援を行っています。

 財政措置につきましては、廃棄物、がれきの収集・運搬・処分を行う市町村に対して、的確に財政支援を実施していきます。また、宅地内に堆積した廃棄物及び土砂を迅速に処理するために、撤去するために、国土交通省と連携しながら撤去を支援していきます。

 それでは、具体的な対応状況について説明させていただきます。

 令和3年7月豪雨につきましては、熱海市をメインに説明させていただきます。

 国土交通省と連携しながら、廃棄物と土砂の一括撤去スキームを採用しております。土砂が大半を占めておりますけれども、がれき混じり土砂をまずは仮置場へ集めて、その中で脱水ですとか分別を行いながら、保管しております。分別できたものから随時搬出しており、他の仮置場へ搬入して、今後処理を進めていくことになります。

 土砂や流木につきましては、国土交通省の堆積土砂排除事業ですとか、災害復旧事業によって、補助を行っていくところです。環境省につきましても、がれきの処理に対する補助を行っていく予定としております。

 こちらのほうは、熱海市の現地に入りまして、共同で打合せ、合同会議を行っているところになります。2回ほど環境省も出席しておりまして、熱海市ですとか静岡県の県土木課の方々、あとは熱海市の環境部局ですとか、町の支援係と連携しながら、話を進めていくところになります。

 先ほどのがれき混じり土砂について、災害廃棄物の仮置場である笹尻仮置場ですね。こちらのほうに分別した災害廃棄物を搬入して処分していこうとしています。右下が、その笹尻仮置場の状況となっております。

 熱海市への人材バンクによる災害廃棄物処理支援員の活動実績となります。伊豆山地区の土石流の発生状況について、左下の写真のように確認しておりまして、その後に仮置場、先ほどの笹尻仮置場のところで、どういう分別状況であるかも見させていただいて、今後の家屋解体・撤去の助言との打合せを右下のほうの写真になりますが行っております。こちらのほうは、8月31日に派遣して、対応していただいています。

 次に、令和3年8月豪雨の対応状況となります。こちらはD.Waste-Netの支援を行っておりまして、現地の安芸高田市と北広島町の2か所に支援に入っていただいています。仮置場の状況を確認していただいている状況になります。また、写真情報共有ツールを試験運用して、どう使っていくかも検討を進めているところになります。

 あとは、専門家による支援というところで、2日間、2名体制での現地入りを行っています。また、福岡県、佐賀県に対しては、電話による技術支援を実施しております。

 続きまして、北広島町への人材バンクの活用となります。こちらのほうも、令和3年8月豪雨の中で、広島県の坂町から職員を派遣していただいています。合計6回にわたる継続的な支援を実施していただいています。中身としましては、財務会計の事務ですとか被災住民への対応、また費用償還の受付事務など、こちらの助言をしていただいています。被災者に寄り添った制度設計ですとか、迅速な災害廃棄物処理の重要性について、ご説明を丁寧にしていただいているというところになります。

 以上、ここからは参考資料となりますけれども、環境省による支援というところで、少し重複するところもありますので、熱海市を中心に説明をさせていただければと思います。地図を交えながらの説明となります。

 まず、令和3年7月の豪雨に対する対応状況ですけれども、延べ117名で、赤い丸をつけているところに対して、職員を派遣して支援を行ってまいりました。

 熱海市と、あとは、最初は沼津市とか伊勢原市、平塚市などの市に対して、職員を派遣して、仮置場の状況等を確認して助言を行うといった対応を行っております。

 次に、熱海市における土砂災害の対応状況になりますけれども、赤線を引いているところが土石流の被害地域となります。こちらの土砂やがれき類は、一度、下のほうにあります熱海市浄水管理センター、こちらのほうで一度保管しまして、ここで分別した後、がれき類など、または金属類などの災害廃棄物については、左のほうの熱海市環境センターの仮置場のほうに持っていっています。こちらが笹尻仮置場になります。土砂につきましては、右上の大黒崎清掃工場跡地、もしくは左下の小嵐中学校の跡地のほうに持っていっています。

 人材バンクについては、先ほども説明させていただきましたように、館山市からの支援を行っています。

 次に7月豪雨です。中国地方におきましても、出雲市や雲南市等の市町村に対して、支援を行っています。こちらも仮置場の状況を確認しながら、適切な助言を自治体に行っています。

 九州地方におきましても、4市町に対して現地確認と助言を行っています。

 続きまして、令和3年8月豪雨の状況です。こちらも、赤い丸で示しているところに職員派遣を行いまして支援を行っています。こちらはD.Waste-Netの人材派遣を行っているところで、仮置場の状況確認を地方環境事務所と合わせて行っています。あとは、人材バンクの派遣を行っているところになります。

 最後になりますが、九州地方におきましても、佐賀県と福岡県を中心に大きな被害がありましたので、そちらの仮置場の状況を確認し、適切な助言を行ってきています。

 資料3につきましては、説明は以上となります。

 

(酒井座長)

 どうも説明ありがとうございました。近年の自然災害における災害廃棄物対策ということでのご紹介ですが、本年の豪雨災害ということです。

 それでは、どうぞ、ご質問、ご意見がございましたら、挙手ボタンで意思表示をお願いできれば幸いです。

 それでは、大熊委員から、お願いいたします。

 

(大熊委員)

 ありがとうございます。それでは、幾つか質問させていただきます。

 今回の被災地におきまして、災害を受けた自治体において、既に災害廃棄物の処理計画が策定されていたかどうかと、策定されていた場合に何か課題があったのか。その辺のところをお聞きしたいと思います。

 もう一つは、今回、初めて人材バンクから派遣されたということでございますけれども、そのときに、どのように派遣する人を決めて、実際に派遣をしたのか。いわゆる被災自治体の需要に合ったペアリングというのですか、そういった判断をされていると思うのですが、どのようにされていたのかということと、実際に派遣した結果、非常に有効だったと思うのでが、その辺の検証結果をお聞きしたいと思います。

 私からは、以上でございます。

 

(酒井座長)

 どうも、大熊委員、ありがとうございます。

 それでは、一通り質問、ご意見をお聞きした上で、事務局からのご回答という流れでいきたいと思います。

 では、大迫委員、お願いいたします。

 

(大迫委員)

 ご説明ありがとうございました。大熊委員とも若干重なりますけれども、事実関係は理解したのですが、今回の被災地域も、比較的災害が多い地域であったと思います。そういう意味で、これまでのいろいろな経験値などが、被災地の担当の方々にも蓄積されて、対応が柔軟にいっているとか、あるいは人材バンクが機能したかどうか、実際の効果といいますか、評価に関しまして、地方事務所の現地に行かれた方々とか、そういったところの感想なり評価なり、もし整理されていれば、お聞かせいただければと思います。

 以上です。

 

(酒井座長)

 どうもありがとうございます。

 では、引き続いて、吉岡委員、お願いします。

 

(吉岡委員)

 ありがとうございます。私も今の部分と重なるのですが、平成30年の広島等で起こった7月豪雨、このときの経験値が今回、どう活かされてきているのかという点の確認と、それから32ページの、熱海における災害廃棄物の処理のフローで、熱海港芝生広場にがれき混じり土砂が入ってきて、そこからある程度分別されていたと思うのですが、同じようにがれき混じりの土砂が出ていったという図になっているのですが、この芝生広場をどうマネジメントされたのか。ただ単にがれき混じり土砂が入ってきて、そのまま出ていっているイメージになっているのですが、恐らく、そこはある程度分別されているので、ちょっと異なるものだと思うのですが、その辺について、もし、分かる範囲でご説明いただければと思います。

 以上です。

 

(酒井座長)

 どうも、吉岡委員、ありがとうございます。

 では、引き続いて、中林委員、お願いいたします。

 

(中林委員)

 中林です。

 お尋ねしたいことは、一般ボランティアの件です。水害の後、土砂、がれき、その他、極めて被災者にとっては重労働が待っていて、一般ボランティアが入るということが、いろいろなごみの片づけ、その他のパワーになっているのですが、令和2年度7月豪雨、人吉のときはコロナ禍で、たしか県が県外からのボランティアは来ないでくださいと。県内でボランティアをお願いしたので、熊本から人吉等へ一般ボランティアが入られて、被災者のごみ出しも含めた支援をしたということですが、令和3年度の先ほどご報告があった災害では、一般ボランティアがどれぐらい入ったのか、あるいは県外からはやはり入れないで、内部だけでやろうとしたのか。それによって、初動期の被災者側から見たときのごみ出しに遅れが発生したのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。

 

(酒井座長)

 どうも、中林先生、ありがとうございます。

 では、引き続いて、牧委員、お願いいたします。

 

(牧委員)

 すみません。今回の対応で、公費での建物解体というのが行われたのかどうかということと、それが行われた場合、何か課題があったのかということについて、教えていただければと思います。

 以上です。

 

(酒井座長)

 ありがとうございます。

 島岡委員、お願いします。

 

(島岡委員)

 島岡でございます。

 私は8月豪雨で久留米、武雄市、大町町を回りましたが、幸か不幸か、非常にやっぱり皆様、経験値は積まれていて、迅速に仮置場を設置されていることは当然のこと、また、受入れ等々の管理、それから、住民への情報周知も徹底したかと思います。地元消防団の方々も多く集まられていて、現場の割には、たくさん人がおられたなという印象を持っております。

 お聞きしたかったのは、仮置場での分別の種類が、私が視察した、調査した地域によって少し違っていたなと思っておりますので、分別の種類を徹底することは、データベースの蓄積等において重要ではなかろうかなと感想を持って現場を去りました。

 以上でございます。

 

(酒井座長)

 どうもありがとうございます。

 あと、安富委員、どうぞ。

 

(安富委員)

 安富です。

 以前から、災害対策本部内での災害廃棄物関係者の発言とか、そういうのがうまくいったのかというのは、前からよく課題に挙げているのですが、各地の方が見て、そういうのはどうだったのかというのと、首長への助言や説明がうまくいっているのかという、これは課題だと思いますので、その辺もよろしくお願いします。

 以上です。

 

(酒井座長)

 どうもありがとうございます。委員から、多くの質問をいただきました。

 それでは、どうぞ、災害廃棄物対策室のほうから、お答えいただける範囲で、まずお願いいたします。環境省、事務局、どうぞ。

 

(小野災害廃棄物対策室室長補佐)

 まず、大熊委員の処理計画の件ですが、基本的には被災地でも、ほぼほぼ処理計画は策定していただいていたという認識です。特に静岡県は100%でしたし、九州の自治体も、過去にやはり被害が多かったということもあって、処理計画は策定済みであったのかなと考えております。

 課題につきましては、仮置場をどれだけ早く造るかというところと、選別をしっかりしてもらうといったところでは、慣れている自治体もあれば、初めて被災されたところでは、そこをどうやって造っていくかというのは、計画通り、なかなかいかなかったところもあったりするのかなと感じております。

 

(本田災害廃棄物対策室主査)

 災害廃棄物対策室の本田でございます。

 人材バンクについて、私からお答えさせていただきます。

 大熊委員から、今回の人材バンクの派遣について、どのように決めたということでございますが、熱海への支援につきましては、各地方事務所との連携が欠かせないこともありまして、今回は事務所の方から推薦がありまして、令和元年の台風で被害を受けました千葉県館山市の方に、熱海に支援いただくということで、人選させていただきました。

 広島県におかれましては、広島県に人材バンクの登録リストを渡しておりまして、今回、コロナの関係がありまして、どうしても県内支援でお願いしたいということで、県から、リストの中から人材を選んでいただきまして、そこで派遣が決まりました。

 次に、大熊委員と大迫委員からいただきました人材バンクの今回の派遣に関しまして、有効だったのか、機能した点はあるのかということでございますが、実は、私は熱海市の支援に一緒に行ったのですが、支援した側と支援を受けた側で事前にメール等で情報共有やいろいろな資料はお投げしたのですが、やはり現地に行って実際に現場を見てやると、また対応の仕方がぐっと違ってくるということで、現地支援が非常に良かったというご意見をいただいております。

 広島県のほうも、主に災害報告書の作成に携わらせていただいたのですが、やはり支援が入ったことで、災害報告書の完成度がぐっと上がったということで、有効だったと聞いております。

 以上でございます。

 

(小野災害廃棄物対策室室長補佐)

 続きまして、災害が多い地域での経験等の話があったかと思います。こちらのほうは、やはり九州もそうですし、広島豪雨のほうの、平成30年の豪雨の経験も活かして、対応できていたのかなというところが大きいです。そこまで長期にわたって、仮置場ができたといったところはないのかなというところになります。

 あと、熱海市の処理フローにつきまして、今、表示しておりますけれども、がれき混じり土砂の分別後の搬入について、下水処理場、浄水管理センターで、基本的には重機を使ってふるい分けを行っております。大きながれき類については、こちらのほうで除去はできているのですが、やはり細かいものについては、まだ含まれていますので、ここでの記載は「がれき混じり土砂」といった記載にさせていただいています。

 あとは、コロナ禍でのボランティアについてです。こちらのほうも、基本的には県内での支援を中心に、各自治体のほうではお願いしていたところですが、県外からもある程度は入って支援していただいていたのかなといったところがあります。

 ごみ出しの遅れにつきましても、今回は仮置場の設置が結構早く終わっているところもありました。そのため、随時、仮置場を閉めた後にも、相談があった場合には、しっかり対応していただきますけれども、基本的には、ごみ出しの遅れはなかったのかなと感じております。

 あとは、公費の建物解体についてです。本格的には、まだ始まっていないと感じております。特に熱海市につきましても、年度内に実際の公費解体を始めるところになりますので、今後、始まって課題があれば、見えてくるのかなといったところになります。

 あと、災害対策本部内とか、首長への説明といったところですが、一つ事例として、熱海市につきましては、地方環境事務所と本省の職員も派遣して、副市長のほうに説明を行っています。できるだけ早い段階で入って、今後の処理について、人員をできるだけ割いてくださいといったお願いを実施しています。

 最後に仮置場の分別状況についてですが、負担や処理のバランスも含めて、どこまでできるかは、また自治体の力によるのかなといったところはあります。

 回答としては、以上です。

 

(酒井座長)

 どうもありがとうございます。ほぼ委員のご指摘、網羅いただけているかと思います。

 島岡委員から、仮置場で分別の種類が違うのではないかというご指摘がございましたけれども、この点に関しては、何か把握されていることはございますか。

 

(須田災害廃棄物対策室災害廃棄物対策官)

 環境省、須田です。

 特に個別の仮置場について、今回、どのような分類でやっていたかは、我々のほうでは、つまびらかに把握しておりません。ご指摘を踏まえて、統一すべきなのかということを、それは先ほど申し上げたように、どれだけ分別する、それに関する負担ですとか、分別ができれば、その先の処理がうまくいくということがありますので、その辺のバランスも踏まえて考えていくべきかと思っております。ありがとうございます。

 

(酒井座長)

 どうもありがとうございます。今のご発言どおりかと思いますので、まず実態、どのようなことになっているかということを蓄積いただきたいと思います。

 質問いただいた委員の方々、今のような事務局からの発言でよろしいでしょうか。

 それでは、次の議題とも関連しますので、また、そこで触れていただければと思います。指摘のあったところ、分別の種類、それぞれの実態はどうかというところと、吉岡委員から熱海の分別のマネジメント、特に浄水処理センター、ここは一体どのようなシステムフローで分別、選別をやっていたのかといったところは、次回以降、また追加で情報提供いただければと思います。

 それから、もう一つ、冒頭での災害の状況ですが、物損関係を中心に紹介をいただいていますが、人的な被害情報もやはり重要な基礎情報かと思いますので、その辺りも合わせて提供いただけたらと思います。特に行方不明者の存在というのは、その後の作業進捗に大きく関わりますので、時系列的に示していただく。特に今回の熱海での対応は、そこに左右されている要因が非常に強いかと思いますので、基礎情報で提示いただくようにお願いいたします。

 それでは、次の議題に移らせていただきます。資料4と5の関係で、令和3年度の環境省本省及び地方環境事務所の取組、あるいはこの検討会でこれまで検討してきた内容、今後の課題につきまして、資料4から5まで、まとめて説明をお願いできればと思います。よろしくお願いします。

 

(小野災害廃棄物対策室室長補佐)

 では、引き続きまして環境省の小野が、まず資料4の説明をさせていただきます。

 資料4では、令和3年度の環境省本省及び地方環境事務所の取組についてまとめております。

 三つのレベルに分けて説明させていただきます。初めに全国レベル、二つ目で地域ブロックレベル、三つ目で自治体レベルの取組について説明していきます。

 まず、全国レベルになります。左のほうに記載しているのが取り組むべき事項となっておりまして、昨年の推進検討会でご指摘いただいた内容を踏まえて、記載しております。それに対する取組状況を右に記載しております。

 まず、一つ目になりますが、継続的な災害廃棄物対策の検討の中で、同時多発的に起こる自然災害に対して、どういったところの実績から蓄積・検証して、大規模災害に対する体制を強化していくかといったところになりますが、今年度も技術・システム検討ワーキングと地域間協調ワーキングを開催しまして検討を進めていきたいと考えております。

 二つ目の関係省庁ですとか、ボランティア団体等との連携強化ですとか、災害廃棄物処理に向けた体制の構築といったところですが、今年度につきましては、総務省とまず年度初めに、意見交換を実施しております。また、災害発生時につきましては、国土交通省、防衛省とも適宜、情報交換も実施していますし、内閣府主催で、ボランティア団体のJVOADとか社会福祉協議会との情報交換会も実施しております。

 三つ目の人材バンクにつきましては、三つ書かせていただいていますが、一つ目は支援員が最新の動向を常に把握できる定期的な研修を行うといったところ、二つ目につきましては、その研修状況、こちらをリスト化して、管理できる体制にできないかと。あとは、三つ目に図上演習等を含めて研修のあり方を検討するといったところですが、研修は毎年実施しておりまして、今年は最新の動向を取り入れた研修を実施しています。その際に、支援員の方々の登録リストもありますので、そちらに研修の受講状況を、合わせてまとめていっているところです。図上演習についても、オンライン形式での実施といったところになります。

 続きまして、四つ目になりますけれども、人材バンクの登録状況になります。こちらのほうも、自治体に毎年一度、支援員の登録を促しており、更新を行っているというところです。

 五つ目につきましても、派遣された際に、支援員の方々が円滑に活動できるよう、支援実績の周知等も行っていくといったところですが、こちらのほうも各種講演の中で、人材バンクが今、どういう状況になっているか、どういった活用をしていますといった説明を実施して、周知を行っているというところです。

 六つ目、D.Waste-Netとの意見交換を行いながら、実際に災害が発生した際の支援を、スムーズに行っていくといったところをどうやっていくかというところになりますけれども、こちらのほうもD.Waste-Netとの意見交換会を1月に実施予定です。

 続きまして、二つ目、三つ目につきましては、後ほど技術システム検討ワーキングと地域間協調ワーキングで、どういうことを行っていくかといった説明があります。

 四つ目の国際貢献、こちらのほうは、昨年、インドネシアを中心に検討が進められていまして、今後はアジア太平洋地域での国際貢献ができないかといったところになります。本年度につきましては、プレゼンテーションですとかアジア太平洋地域における、そこを中心に閲覧できるようにウェブサイト上でのアーカイブ化、資料のアーカイブ化を行っていきたいと考えております。

 こちらのほうは予算となりますが、令和3年度予算と補正予算で合計約6億円といった予算を計上して、これらモデル事業ですとかD.Waste-Netとの関係構築などを行ってまいろうと考えております。

 人材バンクの登録状況についての説明になります。令和2年度は239名から、令和3年度につきましては260名に若干増加しています。

 あとは、人材バンク向けの教育、こちらのほうもオンラインを中心に実施を行っております。あとは支援員向けのマニュアルの作成などを行っていますし、メールマガジンによる定期的な情報の配信を行っています。

 次に、地域ブロックレベルの取組となります。こちらも三つありまして、一つ目が人材バンクの職員派遣ですとか、ブロック協議会での人的支援について、総務省の対口支援の現地入りと重なるというか、連携を取ってやっていくというところです。今回につきましては人材バンク、先ほども説明がありましたように、熱海市と北広島町と話をしながら、現地への派遣を行っています。

 二つ目の地域ブロック協議会につきましても、D.Waste-Netメンバーと各都道府県との連携をどう強化していくかといったところになりますが、こちらのほうは、継続して検討を進めていきたいと考えております。

 三つ目につきましては、最近の災害対応を踏まえて行動計画の見直しを行っているというところと、地方環境事務所間の連携について、どう進めていくかといったところになりますが、各ブロック協議会において、行動計画の点検・見直しは継続して実施しております。また、地方環境事務所間につきましては、本省も入って、月に1回の定期的なミーティングを行っておりまして、その中で意見交換を実施して、各ブロックでどういった取組をしているかの情報共有を行っております。

 地域ブロック協議会の開催状況になりますが、各種ワーキング、セミナーですとか研修を行っております。各地域、2回から4回実施しておりまして、ブロック行動計画を中心に、どういった取組を今後していくかは、引き続き検討していくところになります。

 モデル事業についても各ブロックで行っていまして、2ページでまとめております。災害廃棄物の処理計画の策定についてのモデル事業を上の表にまとめております。また、下のほうは処理計画の改定についての計画を行っています。右下に棒グラフにまとめていますが、濃い緑色が計画の策定になります。薄い緑色が計画の改定になりますが、大分、処理計画の策定も進んできていますので、今後は改定のモデル事業を増やして、より実効性を高めていくことが必要になってくると考えております。

 あとは、図上演習の中で、人材育成ですとか住民啓発等の活動も進めております。令和3年度も同様に実施しているところで、表にまとめさせていただいております。

 最後に、自治体レベルの取組というところで、三つ挙げさせていただいています。モデル事業、図上演習等で、どう自治体を支援していくのかと、どう実効性を向上していくかといったところが課題として挙げられていまして、本年度もモデル事業を中心に、処理計画の策定の支援を行っています。また、図上演習やモデル事業で、過去の課題についてのフィードバックを行って、実効性の向上を図っていくといったところを進めてまいります。

 二つ目の人材バンクの支援員につきましても、D.Waste-Net、人材バンクによる支援を引き続き実施していこうと。先ほどの説明のように、各自治体への支援を行っていこうとしているところです。

 三つ目、最後になりますが、廃棄物部局と社会福祉協議会との連携体制をどう構築していくかといったところで、一部の自治体ですとか、地方環境事務所の中では、社会福祉協議会の方々と協議ですとか、モデル事業への参加をして、関係づくりを行っています。

 最後に、処理計画の策定状況になります。都道府県につきましては、令和2年度末で100%になりまして、市町村につきましても、当初目標の60%を超える64%まで策定ができています。

 資料4については、以上となります。

 

(須田災害廃棄物対策室災害廃棄物対策官)

 では、資料5につきまして、須田からご説明させていただきます。資料5-1と5-2とございますけれども、資料5-2はこれまでの検討会の経緯ですとか成果をまとめている資料でございます。主な取組については、資料5-1でまとめてございますので、資料5-1を中心にご説明をしたいと考えてございます。また、資料4と多少重複するところもありますがご容赦ください。

 

 こちらについても全国レベル、地域レベル、それから自治体レベルということで、順次、ご説明させていただきます。

 まず、全国レベルにおける取組でございます。全国レベルは、法制度の整備ですとか、それから指針、マニュアルの改訂、関係者との連携構築、そういった取組を進めてまいりました。

 まず、法律、制度上の整備でございますけれども、国では、今後、発生が想定されます南海トラフ地震であるとか、首都直下地震などを想定して、様々な制度の整備を進めてまいりました。災害対策基本法、国土強靭化基本法、大規模な災害からの復興に関する法律、南海トラフに関する特別措置法、それから首都直下地震に関する特別措置法、そういったものを整備しまして、体制を整えてまいりましたが、その中で平成26年には、国土強靭化基本計画が閣議決定をされまして、この中で災害廃棄物対策は国土強靭化という面からも、一つの施策として位置づけられております。

 こうしたことを踏まえて、環境省では、災害廃棄物処理整備計画の改定を行いまして、災害廃棄物処理施設が災害廃棄物を円滑に処理するための拠点だということを再認識して、整備計画に災害対策の強化を明記するなどの対応を取ってきております。

 また、自治体において、災害廃棄物処理計画を策定いただくための参考としていただくように、災害廃棄物対策指針の策定なども行ってまいりました。

 

 具体的な制度については、大規模災害発生時における災害廃棄物対策検討会、この検討会の前身の検討会になりますけれども、その検討会を設置いたしまして、その成果を踏まえて、平成27年に廃棄物処理法と災害対策基本法の改正を行っております。

 また、現場での連携、あるいは協力体制の整備ということで、地域ブロック協議会を設置したり、災害廃棄物処理支援ネットワーク、D.Waste-Netを発足させたりしております。

 

 こちらは平成27年の廃棄物処理法及び災害廃棄物基本法改正の概要となります。

 このときの廃掃法の改正では、まず、平時の備えを強化するために、災害廃棄物の処理に関する基本理念の明確化ですとか、関係者の連携・協力の責務の明確化、それから、国が定める基本方針ですとか、都道府県が定める基本計画の規定内容の拡充など、そういった整備を行っております。

 また、災害時における廃棄物処理施設の新設または活用については、例えば、一般廃棄物処理施設の設置の手続きを簡素化するであるとか、産業廃棄物処理施設において、同様の性状の一般廃棄物を処理するときには、届出は事後でよいといった特例を設けるといった改正を行っております。

 このときの災害時対策基本法の一部改正においては、大規模な災害が発生した際には、環境大臣が災害廃棄物の処理に関する基本的な方指針を定めることとしたほか、環境大臣が代行で廃棄物の処理を行えると、そういった制度も整備したところでございます。

 

 こちらが、災害が起きた際にどういった措置が取れるかを、先ほどの改正を踏まえてイメージ的に整理をしたものになります。災害の規模に応じて、様々な措置が設けられているということが見てとれるかと思います。

 

 次は災害廃棄物対策指針の策定でございます。

 これは先ほども申し上げましたが、都道府県及び市町村が災害廃棄物処理計画を作成していただくときに参考にしていただくということを目的に、平成26年3月に策定しました。

 それまでは、震災廃棄物対策指針と水害廃棄物対策指針があったのですが、それを統合いたしまして、また、東日本大震災などの課題を踏まえて、必要な項目の追加を行っています。

 この指針は、例えば、被災地方公共団体だけはなくて、支援地方公共団体も対象にしている、あるいは、民間事業者との連携について記載をしている、それから、広域的な協力体制の整備の観点を盛り込んでいる、また災害への備えですとか、教育訓練に力点を置いて構成している、そういった特徴がございます。

 

 この指針は平成26年に策定されたのですが、その後、平成27年に先ほどの法改正などもございまして、そういった改正に基づく改定ということで、平成30年3月に指針の改訂を行ってございます。法改正の中身を折り込むことであるとか、その間に発足しました地域ブロック協議会、D.Waste-Netの役割などを明記するなどの変更を行っております。

 また、その間に発生した実際の災害対応を踏まえて、平時、災害応急対応期、復旧・復興期、それぞれのステージ、タイミングで必要とされる事項の具体化を行っています。

 また、そういった対応を取るために、平時にどういった対策を取ったらいいのかといったところの記載の充実も図ったところでございます。

 

 この指針のほかにも、各種手引きやマニュアルなども作成してございます。後ほど紹介するものもございますので、このページの個々の手引やガイドライン等については、説明を割愛させていただきます。

 

 指針、マニュアルの一つとして、災害時の一般廃棄物処理に関する初動対応の手引きを作成いたしました。最初は令和2年2月に作成をいたしまして、昨年3月に改訂をしてございます。

 これは、災害時の初動対応に特に注目いたしまして、そのときにどういった対応を取ったらいいのか、そのときの対応がうまくいくためには、平時からどういった準備をしておけばいいのか、そういったものを取りまとめたものでございます。

 様式集なども準備して、簡易に定型文書みたいなものが作れるような工夫もしてございます。

 

 令和3年3月には、モデル事業の成果と、令和元年台風の初動対応の振り返りなどを踏まえて、改訂を行っていただきました。例えば、災害毎に特徴を書き分けるですとか、それまでに作成された参考資料の記載を充実させるですとか、それから、使いやすさ、見やすさの改善ということで、どの参考資料に飛んだらいいのか、そういったところが見やすくなるような、そういった改善も行っていただいております。

 

 関係団体との連携でございますけれども、平成27年からは災害廃棄物対策推進シンポジウムを毎年開催してございます。ここに示すように、各年でタイトル、テーマを決めまして、それに合わせて様々な方に講演などをいただいているところでございます。今年度は年明けに開催すべく、現在準備をしております。

 

 それから、関係団体との連携ということで、専門家の方、あるいは関係団体の方との連携を図って現地に支援に入っていただく枠組みとして、D.Waste-Netというものを構築してございます。先ほどから、ご紹介を何度かしておりますけれども、平成27年にこのスキームを立ち上げまして、自治体からの要請に応じて現場に入っていただいて、災害廃棄物対応の支援を行っていただくというものになってございます。

 

 ここに参加いただいている組織の名称等を書かせていただいておりますけれども、平成27年に発足して以降、様々な災害の現場に入っていただいて、大変ご活躍をいただいているところでございます。

 

 

 それから、先ほど、委員からもご指摘がありましたが、被災した現場では、ボランティアの方が非常に大きな助けになってございます。そういった方との連携を強化すべく、平時に、あるいは発災時において、どういった連携のあり方があり得るのか、そういったことについて情報交換を行ったり、そういった連携のあり方などについて整備を行っております。今年の夏の豪雨の際にも、内閣府防災ですとか厚生労働省、あるいは社会福祉協議会、JVOADなどとも意見交換を行いながら、対応してきたところでございます。

 

 それから、人材バンク制度でございます。被災された自治体の方には、災害廃棄物処理の経験ですとか、ノウハウが大変蓄積されておりますので、そういった方に次の現場で困られている自治体の方を支援していただこうというものでして、自治体から推薦のあった方を災害廃棄物処理支援員として登録しまして、被災地からの要請によって、その方を派遣するというスキームでございます。先ほどご紹介がありましたとおり、今年の登録者は260名となっておりまして、昨年度、この制度は発足しましたけれども、今年度、本格的に運用が始まりまして、今年初の支援の実績が出てきてございます。

 

 また、関係省庁との連携も様々深めてございます。まずは防衛省・自衛隊との連携でございますけれども、災害廃棄物の撤去の現場では、様々な関係者が入って、役割分担しながら撤去、処理を進めてまいりました。

 そういった経験を踏まえて、環境省と防衛省で「災害廃棄物撤去に係る連携対応マニュアル」を策定いたしまして、関係者の役割分担ですとか、連携のあり方などについて整理しております。

 

 それから、国土交通省との連携につきましては、「廃棄物・土砂一括撤去スキーム」ということで、これは水害のように、土砂とがれきが一緒くたになって堆積してしまったときには、土砂については国土交通省の財政支援のスキームがある、がれきについては環境省の支援のスキームがある、それを別々に適用していると、大変自治体の負担になりますので、現場では、もう一体的に運用して撤去していただいて、その先の財政支援については、按分して実施すると、そういった連携のスキームを構築してございます。

 また、農水省とも連携を図ってございます。農家が被災された場合には、被災されたところから集積所まで、例えばビニールハウスであるとか、稲わらとかの撤去、これは農水省の支援でやっていただく。集積所に集まったものについては、そこからの先の処分は環境省の支援で行う、こういった連携なども図っているところでございます。

 

 それから、国際的な分野でも、支援を行ってございます。

 我が国は比較的災害が多いので、そういったノウハウや知見を活用して、アジア・太平洋地域に貢献できないかということでして、2018年にはアジア・太平洋地域における災害廃棄物管理ガイドラインを作成いたしました。また、その後、ガイドラインを補足する資料なども整備を進めてきております。

 これらの資料を、次にお示ししてございます国際セミナーとか、フォーラムにおいて周知を行ったり、あとは3RINCsと共同しながら、いろいろな活動を進めているところでございます。3RINCsとの連携については、浅利委員に大変お世話になってございます。

 それから、災害廃棄物対策に関する実態調査ということで、こちらはアジア・太平洋地域にどのような災害廃棄物対策に関するニーズがあるかの調査を行いまして、それを踏まえて、これまでインドネシアにおける法令整備に関する支援などを行ってきてございます。

 

 ここから、地域ブロックにおける取組となります。

 地域ブロックでは地域ブロック協議会を全国8か所に設立しまして、災害廃棄物対策行動計画の策定ですとか、それから、共同訓練などを開催、実施しております。

 八つのブロック協議会が立ち上がってございますけれども、そこには環境省の地方事務所、それから、関係省庁の地方支分局、また、都道府県、市町村に入っていただく。また、関係の廃棄物処理事業者であるとか、専門家の方などにご参画いただいてございます。

 

 こちら、災害廃棄物対策行動計画、地域ブロックの計画の策定状況でございますけれども、これまでに全てのブロックで策定を完了してございまして、ブロックによっては、何度か既に改訂を行われているところもございます。

 それから、先ほどもご紹介がありましたけれども、地域ブロックにおいてはモデル事業などを実施しているところでございます。

 最後、自治体レベルにおける取組でございますが、自治体においては、災害廃棄物処理計画をまず策定いただこうと取組を進めてございまして、全体の基本計画において、2025年、都道府県においては100%、市町村では60%という目標を掲げて、策定の推進を進めてまいりました。令和2年度末において、この目標を今のところ達成したところでございます。

 資料5-1、5-2については以上です。

 酒井座長、大塚委員からのご意見は、今ご紹介してよろしいでしょうか。

 

(酒井座長)

 そうですね。この段階でご紹介いただいて、ご回答もお願いします。

 

(須田災害廃棄物対策室災害廃棄物対策官)

 今日、ご欠席の大塚委員から資料5-1の7ページについてご質問をいただいてございます。

 災害廃棄物対策指針の中で、災害予防に力点を置くということで、上の目的の3行目の赤字になっているところですけれども、こういった記載があるのですが、例えば、熱海の土砂災害などは人災の面が強くて、残土が人命を奪った例となってしまいましたが、このような防災も災害予防に含まれるのでしょうかというご質問をいただきました。

 実は「災害予防」という言葉、改訂後の災害廃棄物対策指針では、「平時の備え」ということになっておりまして、この当時は災害予防という言葉を使っていたのですが、平時の備えを進めましょうということで、意図された記載であるという理解をしてございます。

 大塚先生がおっしゃるような本来の防災みたいな取組というのは、非常に重要だと思うのですが、災害廃棄物対策指針という視点からすれば、防災をいかに進めるかというところは、少し範疇の外になってしまうかなと考えてございます。

 以上です。

 

(酒井座長)

 どうも、須田対策官、ご説明、ありがとうございました。

 では、その前の資料4の説明も含めまして、ご質問、ご意見、承りたいと思います。どうぞ手を挙げていただければ幸いでございます。お願いします。

 それでは、大迫委員、お願いいたします。

 

(大迫委員)

 ありがとうございます。

 2点あるのですが、1点目は、これまでの東日本大震災以降、10年以上経過した中での様々な取組をご説明いただいて、我々もD.Waste-Netの構成機関ですけれども、そのプッシュ型支援も含めて、支援する側も、また、自ら被災したところもかなり経験値による対応力が上がってきているという実感をしておりまして、我々もあまり過去の技術的な事項を中心にした支援の程度が軽減してきている気がしています。災害対応力の向上につながっている要因をここで一度整理しておくべきではないかと思っています。

 大きくは形式知と暗黙知があると個人的には理解しているのですが、様々な法律、制度、それからマニュアル、ガイドライン、いろいろルール化されて、それから計画作りもなされて、人材バンクも含めた様々な仕掛けができあがった。こういうことは大変重要で、貢献していると思うのですが、一方で、実際に被災した自治体の人材の能力でありますとか、あるいは民間との連携、あるいは自治体間の連携、そういう連携のネットワークみたいなものが、自立的に機能するための信頼関係だとか、それに関わっている人材の資質向上だとか、そういう見えないところの暗黙知が、やはり災害対応力を高めてきているのではないかという気もしておりまして、まだまだ災害が毎年頻発しておりますが、うまくいったところ、あるいは、まだ試行錯誤してうまくいっていないところ、何が結果に要因として関係してきているのかというところも、この10年の中の経験を踏まえながら、検証してもいいかなというのが1点目でございます。

 それから、2点目は、この検討会は災害廃棄物対策の推進のための検討会ということで、どこまでの範疇を含むかというところですが、途中で災害廃棄物の処理を迅速に、円滑に行うための廃棄物処理施設というご説明がございましたが、施設の強靭性に関して、環境省として、どのような検討を行ってきているか、あるいは、今後そういったところをどうフォローアップしていくかというところがあるかと思っていまして、以前に台風19号、あれは平成30年度でしたか。東日本台風の際に、福島のほうで、郡山の施設が大変長期間にわたってストップしてしまったという例がございました。あのような施設の強靭化に関して、BCPも含めて全国でどのように対応力、強靭性を高めていくのかという検討はどうしていくのかということ。また、あまり取り上げられていないのですが、処分場も今まで経験したことのない豪雨ですと、設計的な基準に対して、それを上回るような豪雨等も経験しているのではないかと思うのですが、そういう経験の中で、きちっと機能しているのかどうか、あるいは機能させるために、どういう工夫をしているのか、そういったところも、ある程度、実態を把握した中で、今後の強靭性の確保につなげていくべきじゃないかという問題意識を持っております。

 以上、2点、お願いいたします。

 

(酒井座長)

 どうもありがとうございます。

 それでは、引き続いて勝見委員、お願いいたします。

 

(勝見委員)

 ありがとうございます。

 私が申し上げたいと思っていたこと、先ほど大迫先生が非常にうまく高尚におっしゃっていただきましたので、重ねてしまうことになるのですが、経験知や暗黙知というようなことがございましたが、ぜひ現場の情報といいますか、現場の特に末端で担当されている事業者、市町村の方々、ここ数年、いろいろな災害が起こり、いろいろな場面での遂行能力、それから関係者間の連携、あるいは、これを困難にしてきた制約があったかと思います。そういう情報をぜひ吸い上げていただいて、何らかの形で共有して、皆様がご苦労されていることが、次につながるようにということで、継承されるように残していただきたいなと思います。

 この10年の検討会、あるいは環境省の非常に力強い取組をご説明いただきました。災害対応、特に初期対応の大きな方針でありますとか、それから、必要な制度整備、それから、前面に立たれる被災支援の具体的な仕組みの実効性を上げてこられているということでございますけれども、それをさらに強めるという意味でも、現場で何が起こっているかを、ぜひ意欲的に含めていただけるように、特に、一つ目の議題で島岡委員がおっしゃいました仮置場での分別の種類が、仮置場毎に異なっているというご指摘もございました。これにも関連して、災害の種類や地域性、それから、地域の資源に基づいて、処理の仕方、分け方にも当然特徴があったようだ勉強もしております。そういうことは、担当者レベルでは認識いただけていると理解はしておりますけれども、ぜひうまく継承されるような取組ということで、ご配慮いただけますとありがたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

(酒井座長)

 どうも勝見委員、ありがとうございました。

 それでは、続いて大熊委員、どうぞ。

 

(大熊委員)

 ありがとうございます。

 私のほうからは1点、希望といいますか、意見させていただきたいと思います。

 この間、環境省本省ですとか、あるいは地方事務所の職員の方が、大規模災害のときに、別の地域の被災地にいろいろな人がたくさん派遣されていると思います。本省では、担当課以外の局内のいろいろな職員が、これは経験ということもあって、非常にいいことだと思うのですが、現場に派遣されるわけですが、我々としては、地方事務所におけます災害廃棄物専門官の方が、非常に現地の被災状況を的確に把握しまして、支援の必要性、あるいは、どのような規模でとか、あるいは、被災自治体との円滑な調整といったところで、専門官の方が入ると、非常に支援活動も円滑にいくわけです。ただ、地方事務所の専門官もたくさんおられるわけではないので、我々の要望としては、地方事務所の災害廃棄物の専門官、これは知見も経験もたくさん有していると思いますので、できれば人数的にも含めて、より充実を図っていただけたらと思っております。

 以上でございます。

 

(酒井座長)

 大熊委員、ありがとうございます。

 それでは、引き続いて、中林委員、お願いします。

 

(中林委員)

 ありがとうございます。

 資料5-1について、三つほど提案とお願いとご質問というような形で、お話しさせていただきたいと思います。

 資料5-1の6ページの図を見ると、まさに南トラですとか、首都直下地震というのは、改めていかに巨大な災害なのかと思いました。被害も大規模ですが、もちろん被害に比例して廃棄物もたくさん出てくる。この東日本の5倍、10倍という廃棄物の処理をどうしていくのかということで、先ほど、リデュースというか、予防という話がありましたが、これは我々が直接やる分野ではないのですが、被害が減れば、それだけ廃棄物が減るという意味で、3Rの1番目のリデュースが、他力本願ですけれども、少しずつ進んできているかなと思っています。

 我々の課題としては、リユース、リサイクルをどうするか。リユースもなかなか難しくて、かつては戦前とか終戦直後には日本の昔からの木造の建て方をしていると、壊れた家の柱、梁はリユースでまた再建に使っていたんですよね。しかし、現在の建物の被害は、ほとんどリユースする部分がなくて、全てが処理される。その処理は、リサイクル処理になると思うのですが、これだけの量をどうリサイクルするか、これまでも検討を進めてきたと思っているのですが、もう一つの新しいリユースというのか、あるいは、私はリソースかなと思っているのですが、とくにコンクリート廃棄物が大量に発生することも含めて、コンクリートの廃棄物を、いわゆる従来からのリサイクルではない形で、ある種、資源として、埋立とかゼロメートル地帯を改良するための嵩上げの資材としては昔から使ってきたのですが、決して土壌汚染させることなく活用することか前提です。加えて、私たちがグループで議論しているのが、そういうブロックを使って、海の中にマウンド礁、魚礁ですけど、そういうものを造っていくことで、海のカーボンニュートラルとか、沿岸漁業の資源の増殖、そのようなことも考えられるのではないかと、議論しているのですが、そういう「新しい処理」というと、悪いものを処理するイメージですが、新しい資源として廃棄物だと言われているものを「資源」として利活用するための技術開発も進めていただくことも新しい取組みとしてあるのではない。いずれ来る巨大な地震災害、その時の防災な廃棄物の処理が非常に迅速化する可能性もあると。そういうことを考えておりますので、そうした検討も始めていただくことが可能であれば、お願いしたいなと思っているのが1点です。

 それから、9ページから私どもでワーキンググループでやってきた災害時の一般廃棄物に関する初動対応の手引きについて、10ページ、11ページまで丁寧にレビューしていただいて、ありがとうございました。

 これが今年度の3月にリリースして、4月以降、これの活用を各自治体にお願いしているのですが、やはり今年も、水害でかなりの自治体が被災された。ぜひ、そういう自治体を中心に、この初動対応マニュアルに従った準備は多分していなかったのではないかと思われるのですが、被災の体験を次に伝えるという意味で、アフターアクションレポート等を作られるのではないかと思うので、そのときに、このマニュアルを後引きなりますが見ていただいて、「ああ、こういうことを事前にやっておいたらよかったんだよね」というチェックをしていただきたい。廃棄物対応の初動マニュアルを我々は整理したのですが、これを現場で本当に使えるものなのかどうかという辺りの保証が、保証というよりも、うまく使えない部分があるとしたら、このマニュアル自体、手引き自体も改善しなきゃいけないので、そうした面での事後評価を、ぜひ、今年被災して廃棄物処理対応された自治体で検証していただけると、ありがたいなと思っています。それがお願いです。

 それから3番目の質問ですが、各省庁、廃棄物処理の連携が進んできているということで、18ページに農林省との連携が書かれています。この中に含まれているかもしれないのですが、「等」というところに、千曲川の水害では、リンゴ畑に大量の土砂が流れ込んで、その土砂をかき分けるというか、除くのは極めて大変な作業になってしまったり、胆振東部のときも多くの土砂が農地に入り込んだりして、その農地に入り込んだ土砂等について、農地を回復するという意味で、農水省が関わっているのではないかと思うのですが、その連携がどうなっているのかをお伺いしたく思います。水害の場合に、必ず低地に農地がありますから、農地に大量の土砂が入り込む、その処理は、宅地内は国交省と対応されているのですが、農地の対応について教えていただきたいなと思います。これが3番目の質問です。

 以上です。

 

(酒井座長)

 どうも中林先生、ありがとうございました。

 それでは、引き続いて、安富委員、お願いします。

 

(安富委員)

 先ほど大迫委員からもお話があった、私も全くそのとおりで、私はこの委員会で、ちょうど10年だから半分かな。5年、参加していまして、先週の地域間協調ワーキンググループで思ったのですが、計画やマニュアルの策定が進んでいくのは、非常にいいことだと思うのですが、検証があまりされていないと。先ほど質問しましたが、私が毎回言っています災害本部での災害廃棄物処理の知識の向上、地位の向上とか、首長の助言とか、先ほどは熱海でいい形の助言は行われていたので安心したのですが、先週、千葉の館山の方と話していたら、どうやったら地位が向上できるのですかと聞かれたので、環境省の方が頑張ってどんどん入ったり、それから、地方事務所の方が助言されるのがいいのではないかと言いましたけれども、その辺のことがどれぐらい進んでいるかが一番心配なので、そういう検証が一つ必要かなと思っています。

 細かい点で質問。去年、仮置場の搬入路のことの予算関係で質問させていただいたのですが、その後どうなっているも聞きたいと思います。

 それから、あと2点で、住民の意識がすごく上がり始めているかなと。2018年の西日本豪雨の被災地である倉敷の真備町に行ってきましたら、防災研修の中で、これからやってほしいことということで、1番目は避難の情報ということだったのですが、2番目に災害廃棄物のごみ処理が挙がっていて、かなり住民の方の意識が上がっているなと。言葉は悪いですけど、チャンスだなと思いますので、住民の連携というのも大事かなと。

 三つ目は、私の専門で、マスコミとの連携で一つ言いますと、マスコミを利用して広報してくださいと前から言っています。ちょっとずつ理解が進んできて、8月に高知県でそういう講演会をやってくれたので、残念ながらZoomでしたけど、9月には近畿事務所でヒアリングをやりましたら、和歌山県のかつらぎ町で、11月28日に災害ごみ搬出訓練がなされて、若林氏から、ぜひマスコミにアピールしてくれと言われて、あまり力になれなかったのですが、こういう全国で初めてという、住民の方が一緒に入った訓練をもっとマスコミにPRして、実際、和歌山放送とかで放映されたらしいので、そういうところは、住民へのアピールというか、広報という意味では、非常に大事だなと思います。

 以上、3点です。

 

(酒井座長)

 どうもありがとうございました。

 それでは、ご意見たくさんいただいておりますので、事務局に回したいと思いますが、私からも、今意見が出ていないところで、一、二点追加させていただきたいと思います。

 既に大迫委員、勝見委員から、いわゆる暗黙知、地域災害で異なるにしても、グッドプラクティスをうまく伝えることの必要性のご指摘がございました。今、安富委員からは、過去の政策を含めた検証というキーワードも出てまいりましたが、一つお願いというか質問したいのは、モデル事業についてです。整理情報を提供いただいているのですが、モデル事業は環境省本省が有しておられる極めて有効な政策の一つだと拝見しています。そういった意味で、どういう内容で過去実施して、どう成果が得られ、その成果がどのように公開され、社会と共有されているのか、そういったところに踏み込んだ整理を、この検討会にご提供いただけないかというのが1点目です。おそらく処理計画との関係でいけば、今後のモデル事業の内容自身の更新も行われる時期になってくるかと思いますので、そういった意味で、モデル事業を、再度、しっかりと棚卸しすることの意義ということで、ほかの委員のご指摘と関連して、1点申し上げたいと思います。

 それから、もう一つは、本年度も盛んに、同時多発の災害がおこっています。特に8月豪雨ですが、顕著に起こり始めていると言えます。そうなった場合の対処法ですが、一番難しいのは、地域間協調を判断するタイミング、あるいは判断して動く内容、これがますます難しくなってくるのかなと痛感していまして、ここの考え方を少し整理していく必要があると思っています。特にこの8月は、この辺りのところをどう判断されたか、もしこの後話していただけるなら、していただければと思います。結局は、まずは各地域の対応能力を基本的に底上げしていくことが基本だろうと思うのですが、なかなか難しい状況も生まれつつあるかなという認識です。

 目黒先生からも手が挙がっているそうで、目黒先生にお聞きしたいと思います。目黒先生、ご発言いただけますでしょうか。

 

(目黒委員)

 二つ、三つ、お話をさせていただきたいと思います。まず一つ目は、先ほど、中林先生から、リデュースは範疇じゃないというお話がありましたが、私が、がれき処理だけではなく、東日本大震災の後の復旧工事がどのように実施されたのかを、激甚被災地の11市町村を対象に、入札等の記録を全部調べてみたところ、次のようなことがわかりました。当初私は、現場で工事する人たちの質と量が圧倒的に不足して、それが首都直下地震や南海トラフ地震の際には大きな問題になるという認識だったのですが、それ以外の問題も判明しました。それは工事を実際に行う人材の不足に加え、復旧工事の発注業務等を行う行政の人材不足の問題です。

 被災自治体の人材不足は、被災地外の行政や民間のからの支援者によって補われるのですが、支援者による補強で、被災自治体の人材不足が緩和されると、復旧工事の入札数は増やせるのですが、今度は地元でこれを受ける企業の力が足りなくなって、落札できないという状況が多数生まれてしまいます。

 このような状況を踏まえた上で、私が指摘したい点は次のポイントです。東日本大震災で甚大な被害を受けていた地域、具体的には、岩手県、宮城県、福島県の3県の土木関係の工事額は、全国の工事総額に対して、震災前は6%でした。これが復旧工事のピーク時に全体の16%くらいになっています。この1割の増加分は、大きな被災をしていない全国の土木工事の94%を占める地域の工事関係者のサポートによって達成されていると言えます。これが、首都直下地震や南海トラフ地震の際には、平時の全国の土木工事に占める激甚被災地の割合が非常に大きくなるので、東日本大震災の場合とは状況が大きく変わるということです。例えば、南海トラフ地震の際には、激甚被災地の工事額の割合が全国の4割を超える状況なので、被災していない6割以下の工事関係者で、激甚被災地での復旧工事による増分をサポートしなくてはなりません。すなわち、この状況は、実際に工事をする人材と工事の発注を準備する行政側の職員の両方が、東日本大震災時と比較して、はるかに大幅に不足することを示しています。リデュースが範疇じゃないということは伺いましたが、実際問題としては、いろいろな方法で発災直後に発生するがれきの量を大幅に減らさないと対応できないということなので、がれきの発生量をどの程度減らすと、対応がどう変わるのかを示していくことが重要だと思います。それをしないと、がれき処理の問題の重要性や大変さを広く理解していただくことができないと思います。これが1点です。

 二つ目は、現場における経験や教訓の共有に関してです。これが重要であることは説明の必要がないと思いますが、これを実施する際に、次のような点に注意して欲しいということです。それは、経験や教訓をデータベース化し、関係者がいつでもアクセスできる環境を整備すること。そして、さらに現場で持ち上がった新しい教訓が、簡単にそのデータベースにフィードバックできること。また既に中林先生がおっしゃったように、ガイドラインがあるのであれば、そのガイドラインの効果を検証する意味で、ガイドライン制定の前と後で教訓がどのように変わったのか、つまりガイドラインの整備でどれぐらいの改善があったのかとか、現在のガイドラインの不備を知る上で、現状のガイドラインに従っていたとしても、依然として解決できなかった問題としては何があったのか、などの情報を集めたり共有したりすることが大切だということ。

 三つ目は、がれきの処理を効率化するには、当然のことながら従来の処理法に機械やロボットを導入して効率化する必要があると思いますが、それに加えて、効率的な処理を可能とする新しいがれきの利用法を考えることも重要だと思います。その意味で、私は中林先生が今日ご紹介された事例は検討に値すると感じます。ご提示された方法の実施可能性、それを採択した場合に、現状がどのように改善されるのかを検討すべきだと思います。

 以上です。どうもありがとうございました。

 

(酒井座長)

 どうも、目黒先生、貴重なご意見、どうもありがとうございます。

 それでは、一度、事務局にマイクをお渡ししますので、どうぞ。

 

(須田災害廃棄物対策室災害廃棄物対策官)

 では、順次お答えをさせていただきたいと思います。

 今までの様々な知見であるとか、そういったものをきちんと吸い上げていく、何が今までの対応の向上につながったか、そういったことの分析ですとかは、非常に重要だと思ってございます。

 ただ、どうやっていくかは、非常に悩ましいところがあると思っておりまして、勝見先生からも、事業者の知見なども共有してはどうかというご提案いただきましたけれども、その辺り、少し先生方とまたご相談をさせていただければと思います。

 また、地方事務所の専門官の人数については、我々も増やしたいところはありますけど、いろいろな関係がございまして、勝手に増やせるものでもございませんので、そういった努力をしつつ、進めてまいりたいと思ってございます。

 それから、中林先生と目黒先生からも、新しい技術についての検討を進めてはどうかというご提案がございました。そういったことも排除せずに、進めていきたいと思っておりますが、災害廃棄物対策室で、どこまでできるかということも含めて、少し検討させていただきたいと思います。

 それから、マニュアルの改訂、あるいはフィードバックを踏まえた見直し、そういったことは、今後も不断の努力として続けていくべきと思ってございます。ご指摘のとおりかと思いますので、そういったことを、今後も引き続き実施していきたいと思います。

 それから、安富先生からご指摘がありました搬入路の件は、昨年のたしか3回目の検討会で、事前に仮置場を整備する際に、搬入路の整備などに補助金はつくのかというご質問だったと思いますけれども、その場でお答えさせていただいたとおり、それは現時点では補助の対象とはなってございませんで、その状況は依然としてそのままでございます。

 それから、マスコミとの連携も引き続き機会があれば、進めていきたいと、深めていきたいと考えております。

 また、酒井先生からご指摘がありましたモデル事業の整理については、今、随時進めてございまして、どこかのタイミングで検討会にもご報告ができればと考えております。

 それから、同時多発の際の対処法、これは恐らく今後の豪雨災害みたいなものでは、そういったことをかなり想定しなければいけないということも出てくるかと思います。少し検討してみたいと思います。今年の7月、8月については、比較的規模が小さかったこともあって、現地に支援に入らなければいけない状況にはならなかったということでして、どのようなタイミングで地域間の連携を図るかということは、今年は幸いにしてあまり問題にならなかったというところでございます。

 それから、目黒先生からのご発言は全体の規模感をもっとうまく示すべきではないかというご指摘かと思います。そこもおっしゃるとおりかと思いますので、そういった工夫も今後していければと思います。

 

(筒井廃棄物適正処理推進課長)

 適正処理推進課長の筒井でございます。

 大迫先生から、非常に重要なご指摘をいただきました。施設の強靭化につきましては、現在投影中の資料(令和4年度環境省重点施策集「一般廃棄物処理施設の整備」)に交付金の事業の話を書いていますけれども、災害時の耐水対策とか、強靭化の観点からの交付金による支援などを行ってきているところでございます。このことについて、引き続きしっかり予算を確保しながら、進めていきたいと思っておりますとともに、また、水害、特に浸水対策が必要となる浸水想定の見直しなども進んできておりますし、個別のそれぞれの施設における浸水対策というか、設計などのあり方についても早急に検討して、できれば来年度ぐらいに、一定の取りまとめをしたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

 

(酒井座長)

 それでは、よろしいでしょうか。資料4、5への意見。

 

(須田災害廃棄物対策室災害廃棄物対策官)

 農水省との連携について、もう1点、補足説明をさせていただきます。

 

(小野災害廃棄物対策室室長補佐)

 こちらの図に示していますように、農林水産省で基本的には集積所までの回収ですとか運搬については補助されています。ただ、依頼者の方々で、場所にもよりますけれども、生活環境保全上支障のあるようなものについては、環境省が一体的に処理できないかといったところで、補助できるスキームになっておりますので、そういったところも加味しながら、個別で対応していくといったことになっております。

 

(酒井座長)

 どうもありがとうございます。

 筒井課長から施設、あるいは処分施設の強靭化についてご発言いただきました。ぜひ一定の時期で、対策事例等の整理いただける段階が出てまいりましたら、ぜひ一回、この場でもご紹介いただければと思います。この点は重要な点だと思います。

 その技術の一つですが、今日、中林先生からご指摘のあったコンクリートの資源利用の技術、特に災害後の復興フェーズでの活用、目黒先生からのご発言もあったとおり、大切なところかと思います。時間は若干押しておりますが、技術・システムワーキングの中で取り上げる可能性があるかどうかも含めて、牧先生からご見解をいただければと思います。

 それと、もう1点だけ。目黒先生からの一つ目のご指摘、リデュース部分に対して、範疇外というところは分かるが、基本的に発生量を減らすことをシナリオベースで考えていくことも大事ではないかという、こういうご指摘の部分です。規模感というところは、環境省からお答えいただいたとおりですが、リデュースの可能性について、まずは机上でも議論していくことが必要かなと思います。これはワーキンググループの中で取り上げることができるかどうかも含めて、次の議題にさせていただければと思います。

 運営が悪くて時間が押してきております。今日、委員の方々から、相当建設的な意見を多くいただいておりますので、十分にここまで時間を取らせていただきました。

 あと、ワーキングの報告をいただいて、12時のお約束なのですが、10分ほどの延長をご容赦いただければと思います。どうしてもという方は退室していただければと思いますが、お許しいただければ幸いです。

 それでは、ワーキンググループの設置について、それぞれのワーキングの座長からご発言いただければと思います。

 

(牧委員)

 では、牧から説明させていただきます。

 次のページをお願いします。

 昨年度まで南海トラフ地震のときに、どれだけ災害廃棄物が出て、どういう形で処理をするのかを検討してまいりました。先ほど目黒先生からご指摘がございました、どれだけリユース、もしくは資源化して使えるのかも検討してございますが、がれき、コンクリートがら、津波堆積物について、あまり今まで検討してございませんので、今後、考えられればと思います。

 それで、今年度の検討事項ですが、一つは、前回、災害廃棄物量の見直しを行ったところ、耐震化の進捗に伴って大分減っておりました。そのとき使ったデータも、実は古いデータですので、再度見直しをするということと、二つ目は、先ほどの目黒先生それから中林先生のリユースということと関係があるのですが、津波浸水区域内は全部ガシャッと混ぜて持っていきますが、地震の揺れのところは、分別解体して、角材が出てきたり、いろいろ分別できるので、そういったことも踏まえた形で津波のがれきの発生量を検討した上で、次にそれをどういう形で処理していくのかを検討していこうというのが検討事項1です。

 それから検討事項2は、昨年度、全国で広域処理すれば、3年で処理ができる、東日本大震災の12倍という大変な量ですが、ただし、中部、四国がなかなか難しいので、それをどうやって処理するのかということで、海上輸送だけを考えたのですが、今年度は陸上輸送も含めて広域処理のあり方を検討しようということ。それから、再処理というか再利用ですが、かなりセメント工場での利用があるわけですが、不燃物のセメント工場での利用について、もう少し調査していきたいというのが、今年度の計画でございます。

 以上です。

 

(酒井座長)

 どうもありがとうございます。

 それでは、浅利委員、お願いいたします。

 

(浅利委員)

 おはようございます。時間も迫っていますので、さっさと行きたいと思います。

 今年度の地域間協調ワーキンググループということで、先日、第1回を開催させていただきました。これまでいろいろな切り口から議論してきたのですが、特に今年度に関してはそれらも引き継ぎながら、二つの項目の検討を開始しております。

 一つが処理計画の実効性向上のための検討ということで、先ほどご紹介がありましたとおり、大分計画策定は進んできて、一部見直しが始まっていると。それを捉えて、より実効性がある、職員の入れ替わりも多い中で、いかに生きた計画にしていったり、アップデートしていくかに視点を置いて検討したいと思っております。

 それと、もう一つが、職員の人材育成関連ということで、計画とも相まって、いかにいつ来るか分からない災害に、例えば、平時と支援体系であったり、それから計画見直し等々を含めて、対応能力を向上するかというところの検討も進めているところでございます。

 ありがとうございました。

 

(酒井座長)

 それでは、二つのワーキングの説明をいただきました。どうぞご質問があればお願いいたします。

 

(なし)

 

(酒井座長)

 それでは、特に質問がないようでしたら、先ほどの目黒先生からの一つ目のリデュースシナリオ、ここは両ワーキング、どうでしょうか。それぞれ技術のところ、あるいはソフト的なところで、どのようなシナリオを考えられるかは、少なくとも可能のような気がするのですが。

 

(牧委員)

 今年度できるかどうかですが、基本的には、まず、検討項目1で角材というか、リユースできる資材がどのぐらいあるのかは検討いたしますのと、それから、検討2のところで、今まで可燃物しかセメント工場に盛り込んでいなかった、不燃物を入れて、燃料じゃなくて、これは灰を使うということになると思うのですが、そういうリユースじゃなくてリサイクルのほうの検討はするということになりますが、来年度、もう少し広い意味でのということで、検討ができるかどうか考えたいと思います。

 以上です。

 

(中林委員)

 酒井先生、中林から一言だけよろしいでしょうか。

 

(酒井座長)

 どうぞ。

 

(中林委員)

 牧先生のワーキンググループ、来年、再来年、もうちょっと続くのだろうと思うのですが、昨年のワーキングは一つの評価指標として、処理時間がどれぐらいで済むかということをやったんですよね。迅速化は、処理をどれだけ早くできるかというのが一つの評価軸だと思うのですが、これからの時代で見ると、SDGsがあるからとかということではなく、もう一つの指標としては、今のようなリユースとかリサイクルとか、あるいはリソースとして、あまり細かい処理をしないで安全に活用できるはずです。あと、経済的にどれぐらい処理費用が低減できるのかということで、処理時間と処理費用。さらに今の地球環境で言えば、処理方法を変えることで、どれくらいカーボンニュートラル効果があるのか。その三つぐらいの指標で、この処理問題を国民に訴えると、かなりのアピール力を経済界に対しても持つのかなと考えていますので、ぜひ長期的にご検討いただければと思いますが。

 

(牧委員)

 そうですね。東日本大震災も津波堆積物はほぼ全量ですし、災害廃棄物も8割ですね、すみません、数字を間違ったのですが。でも、それは実は案外知られていなくて、災害が環境に影響を与えて、これを処理することが、さらに環境に影響を与えるというのは、二重で与えないことは、非常に重要なことだと思います。そこら辺も含めて検討したいと思います。

 

(酒井座長)

 よろしくお願いします。

 リユース、リサイクルのところは、今の技術・システムだと思うのですが、浅利先生、リデュースシナリオは、これは確かにここで、直接的な範疇ではないにしても、これは目黒先生がおっしゃるとおりだと思います。そういった意味でどうですか。もし、地域間協調という話ではないということであれば、また検討して考えていく方向は考えていきますが。

 

(浅利委員)

 ありがとうございます。

 「地域間協調」というテーマの中でという可否は、また別としても、特に人材育成という中では、平時からの空き家対策的な話であったり、いわゆる減災的な視点も含めた形で、しっかり定量的にも見ていくことは、中林先生がおっしゃったコストのことも含めて重要なのかなと感じました。

 それと、初動からの分別の大切さを住民の方に理解していただく上でも、その辺りも一つポイントかなと感じましたので、視点として、どこに盛り込めるか検討していきたいと思います。

 

(酒井座長)

 大事なキーワードを出していただいていると思いますので、減災、あるいは空き家対策ですが、その辺りのところをどう、検討のフレームということで、また次にご提案いただけるところを、少し模索いただけないかということで、お願いをしておきたいと思います。ありがとうございました。

 目黒先生、最後お願いいたします。

 

(目黒委員)

 10秒間で。先ほど、私が申し上げたスタディとして、(a)事前対策でがれきの発生量をどれくらい減らせるか、その量に対して、処理の効率化をはかる手段として、(b)様々な機械化や(c)中林先生のご提示のような新しい利用法を採用すると、それらの比率(a,b,c)を変化させながら、がれきの処理時間や処理費用、環境負荷の低減量、将来の海洋資源の増加量など、様々な視点からの検討が可能だということ。そして、これらの検討をここでやっていただけるといいのではないでかという趣旨です。ご理解いただければ幸いです。

 

(酒井座長)

 どうもありがとうございます。

 どうぞ、事務局。

 

(小川災害廃棄物対策室係員)

 ありがとうございます。

 では、次回の検討会につきましてお知らせいたします。次回は、1月19日10時からを予定しております。後日、改めて詳細な会議URL等のご連絡をさせていただきます。

 また、本日の議事録は原案を作成し、委員の皆様にご確認をいただいた後、環境省ホームページに掲載する予定ですので、よろしくお願いいたします。

 以上です。

 

(酒井座長)

 どうもありがとうございます。

 それでは、あと、全体を通じて、どうしてもというご意見はございますか。

 

(なし)

 

(酒井座長)

 それでは、本日はどうも様々なご意見をいただきありがとうございました。事務局、委員の皆様から頂戴した意見を踏まえて検討を進めてください。

 それでは、第1回の検討会はこれで終了したいと思います。

 長時間、熱心なご議論、どうもありがとうございました。失礼いたします。