環境再生・資源循環

第4回大規模災害発生時における災害廃棄物対策検討会 議事録

1.時:平成27年10月20日(火)

2.所:日経ホール&カンファレンスルーム(6階)

3.出席委員:酒井 伸一 委員長

浅利美鈴、石川龍一、碓永信幸、大迫政浩、大村啓、勝見武、貴田晶子、荒井和誠(小林委員代理)、
近藤守、安斎浩幸(坂本委員代理)、佐々木五郎、鈴木武、永田尚人、平山修久、牧紀男、森谷賢、
渡邊泰至(計18名)

4.委員以外の出席者

(事務局)

環境省

鎌形廃棄物・リサイクル対策部長、山本企画課長、和田廃棄物対策課長、大嶋係長、切川係長

5.

(1)廃掃法の基本方針に盛り込む事項(案)について


6.

(1)大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動指針について

(2)D.Waste-Netの発足について

(3)ワーキンググループの検討状況について

  ・技術・システム検討WG

  ・地域間協調WG

(4)平成27年9月関東・東北豪雨災害における災害廃棄物対策について


7.配布資料

  資料1 大規模災害発生時における災害廃棄物対策検討委員会 委員名簿

  資料2 廃掃法の基本方針に盛り込む事項(案)について

  資料3-1 大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動指針

  資料3-2 パブリックコメントの結果について

  資料4 D.Waste-Net(災害廃棄物処理支援ネットワーク)の発足について

  資料5 技術・システム検討WGの検討状況について

  資料6 地域間協調WGの検討状況について

  資料7 平成27年9月関東・東北豪雨災害における災害廃棄物対策について

  資料8 今後のスケジュールについて

  参考資料1 第3回大規模災害発生時における災害廃棄物対策検討会 議事録

  参考資料2 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 基本方針

  参考資料3 廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律案参考資料

  参考資料4 巨大地震における災害廃棄物に係る対策スキームについて―制度的な側面からの論点整理を

        踏まえた基本的考え方―(平成27年2月 巨大地震発生時における災害廃棄物検討委員会)

  参考資料5 巨大災害発生時における災害廃棄物対策のグランドデザインについて (平成26年3月環境

        省巨大地震発生時における災害廃棄物検討委員会)

  参考資料6 災害廃棄物対策指針(平成26年3月 環境省廃棄物・リサイクル対策部)

8.議  事

(切川係長)

 ただいまから「第4回大規模災害発生時における災害廃棄物対策検討会」を開催いたします。委員の皆様には御多忙のところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 議事に入る前に資料の確認をお願いいたします。お手元の次第に配布資料の一覧がありますので、御確認をお願いいたします。

 資料1が、本検討会の委員名簿です。

 資料2が、廃棄物処理法の基本方針に盛り込む事項(案)です。

 資料3-1が、大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動指針です。

 資料3-2が、パブリックコメントの結果についてです。

 資料4が、D.Waste-Net(災害廃棄物処理支援ネットワーク)の発足についてです。

 資料5が、技術・システム検討ワーキングの検討状況についてです。

 資料6が、地域間協調ワーキングの検討状況についてです。

 資料7が、平成27年9月関東・東北豪雨災害における災害廃棄物対策についてです。

 資料8が、今後のスケジュールについてです。

 続いて机上資料です。

 参考資料1が、第3回検討会の議事録です。

 参考資料2が、資料2に関係します廃棄物の処理及び清掃に関する法律の基本方針です。

 参考資料3が、廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律案の参考資料です。

 参考資料4が、巨大地震発生時における災害廃棄物に係る対策スキームについてです。

 参考資料5が、グランドデザインについてです。

 参考資料6が、災害廃棄物対策指針です。

 参考資料は委員の皆様のみに配付しており、会議終了後回収させていただきます。

 資料の過不足等はございませんでしょうか。資料の過不足等がございましたら、事務局にお申しつけください。

 ここからはカメラ撮りはご遠慮いただきます。一般の傍聴者におかれましても、写真撮影、ビデオ撮影はご遠慮いただき、携帯電話の電源もお切り願います。

 続きまして、本日の委員の出席状況に参ります。本日は、生亀委員、遠藤委員、大塚委員、島岡委員、田中委員、中林委員、吉岡委員はご欠席でございます。

 また、小林委員の代理としまして荒井様にお越しいただいております。

 それでは、これ以降の進行を酒井委員長にお願いしたいと思います。酒井先生、よろしくお願いいたします。

議事

(1)廃掃法の基本方針に盛り込む事項(案)について

(酒井委員長)

 それでは、早速、議事を始めさせていただきたいと思います。本日も盛りだくさんの内容を準備いただいておりますので、要点を押さえたご審議のほどよろしくお願いいたします。最初に、廃棄物処理法の基本方針に盛り込むべき事項(案)の審議を進めさせていただきます。事務局から説明をお願いいたします。

(和田廃棄物対策課長)

 それでは、お手元の資料2を御覧下さい。廃棄物処理法の基本方針に盛り込むべき事項(案)について、前回の検討会では骨子に対して幅広く御意見をいただきました。それを踏まえまして、盛り込むべき事項(案)を作成いたしましたので、説明させていただきます。

 最初のページは、基本方針のフレームワークです。現行廃棄物処理法の基本方針は今年度が見直しの目標年度になっております。現在、中環審の循環部会において内容の検討が進められています。その上で、前回申し上げましたが、今般の廃棄物処理法の改正により、非常災害時における廃棄物処理の関連で新しく第二条の第五号が追加されましたので、少なくともこの内容については、今から説明させていただく内容を、新たに盛り込むべき事項として記載しております。

 「2.基本方針に盛り込むべき事項(案)について」において、第五号に記載する内容として、「基本的考え方」、「各主体の役割」、「処理施設の整備と災害時の運用」、「技術開発や情報発信」といったキーワードが柱立てになっております。

 基本的には第五号の部分で非常災害への対応を新しく盛り込みます。その上で、現在も第一号で「基本的な方向」について記載されていますが、災害により生じた廃棄物の適正処理、再生利用、円滑かつ迅速な処理の確保といった内容を新たに第一号に追記したいと考えております。

 第三号は、キーワードで申し上げますと「施策の推進」という柱立てになりますが、地方公共団体の役割の中で、研修などを通じた職員の人材育成などについて追記してはどうかと考えているところです。

 第四号は、キーワードで申し上げますと「施設整備」ということになりますが、こちらは、先ほど第五号で申し上げました4つのうちの上から3つ目の内容に移す形にさせていただければと考えています。

 3.は今後のスケジュールです。本日、盛り込むべき事項(案)について忌憚のない御意見を伺った上で、来月の中環審の循環部会に案を提出する予定ですので、その中に環境省で反映した内容を盛り込んでいきたいと考えているところです。

 それでは、第五号の新しく号として立てる部分の内容について御説明いたします。1ページを御覧下さい。盛り込むべき事項ということで、前回、さまざまな御意見を幅広くいただきましたので、それを踏まえた内容で今回作成しております。

 まず1番目は「施策の基本的な考え方」ということで、「非常災害により生じた廃棄物(災害廃棄物)」と書いています。廃棄物処理法の中で今回改正に至った災害は「非常災害」というキーワードで法律上定義されております。基本方針においてもこの非常災害をターゲットにした災害廃棄物を対象としています。大規模災害に際しても対応が必要だということで、基本的に対象を非常災害とした上で更に盛り込んだ形にしています。

 第1段落におけるキーワードで重要なところを申し上げますと、適正な処理を確保しながらも円滑かつ迅速な処理といった観点、また、可能な限りの分別、再生利用等により減量を図った上で最終処分量を低減させるという内容があります。

 次の段落で、3行目に「平時から」、6行目に「大規模災害に際しては」と記載しています。前回の検討会で、「平時」、「非常災害」、「大規模災害」について、それぞれ内容が混乱しないように書き分けてはどうかという御意見がございましたので、「平時から」というところでは、各主体において事前の備えを確実に進めるといった観点、「非常災害時」には、災害廃棄物処理に係る知見・教訓を踏まえた対応を図るといった観点、また、特に大規模な災害の場合には、廃掃法ではなく災害対策基本法に基づく特例適用を想定した「大規模災害」、いわゆる政令指定を行った大規模災害ということになりますが、これについては各主体の役割分担を明確にすることはもとより、地域ブロックという新しいフレームワークのもとでより広域な連携を行っていくといった内容を、冒頭の基本的な考え方で盛り込んでおります。

 2番目は「各主体の役割」で、「(1)市町村の役割」については、一般廃棄物についての処理責任を有するといった観点から始まり、平時から非常災害時にも対応できる強靭な廃棄物処理施設の整備を図るとしています。前回の検討会では、国土強靭化についてレジリエントの観点でのというキーワードもいただきましたが、ここではもっぱら廃棄物処理施設というハードの施設に着目してレジリエントや、しなやかなという部分ではなく、もう少し明確な内容として強調するという意味で、強靭な廃棄物処理体制の整備を図ると書かせていただきました。

 また、市町村は、「国の策定するさまざまな計画」として、「施設整備計画」から始まり、「災害廃棄物対策指針」、「行動指針」等を踏まえながら、さらには都道府県が策定する「災害廃棄物処理計画」、「地域防災計画」等との整合性を念頭に置きながら、各市町村で地域の実情に応じて、非常災害に備えた災害廃棄物対策に関する施策を「一般廃棄物処理計画」にしっかり規定する、さらには非常災害発生時に備えた「災害廃棄物処理計画」を策定し、適宜見直しも行っていく、という内容を盛り込んでいます。

 また、「非常災害時には」というところですが、こちらは「災害廃棄物処理実行計画」を策定するとともに、被災地域に存在する処理施設、最終処分場などを最大限活用し、極力管内において災害廃棄物処理を行うという基本的な考えを述べた上で、大規模災害においては、さらに広域的な連携体制のもとで広域的な処理の受け入れなどで積極的に協力し合うといった内容を盛り込んでいます。

 2ページ目は、「(2)都道府県の役割」についてです。都道府県については、まずは市町村への技術的な援助や、災害時には委託を受けて一部事務を代行することも考えられるため、平時から、非常災害に備えた災害廃棄物施策に関する施策を「廃棄物処理計画」等に記載することはもちろんのこと、市町村などの関係機関との連携をしっかりと念頭に置きながら対応に備えておくこと、また、先ほども申し上げた国が策定するさまざまな計画、指針等との整合性もしっかり念頭に置きながら、各地域の実情に応じた「災害廃棄物処理計画」を策定し、また適宜見直しを行っていく、さらには、市町村の「災害廃棄物処理計画」の策定の支援を行うということが重要と考えて記載しています。

 「非常災害時」においては、災害廃棄物処理のための実行計画を速やかに策定した上で、「域内の処理全体の進捗状況の管理」といった観点、大規模災害時においては速やかに災害廃棄物処理実行計画を策定することはもちろんのこと、全体の進捗管理と、場合によっては市町村からの事務委託があることも十分念頭に置いた上で、被災市町村に対する支援を行っていくという内容になっています。

 (3)が「国の役割」です。国の役割は、司令塔機能というキーワードのもとで、全国または地域ブロック単位において、さまざまな関係者の連携・協力体制の整備を図ることを基本としています。特に地域ブロック単位での取組み、連携強化として、「大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動指針」を策定するとともに、環境省の地方環境事務所が中心になって地域ブロック単位での大規模災害への備えとしての「大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動計画」の策定を行うといった点を盛り込んでいます。

 また、地域ブロック間の連携を促進するといった観点や、非常災害時においては、「地方環境事務所が地域の要になり被災自治体の支援を行う」ということも盛り込んでいます。大規模災害においては、災害対策基本法に基づいて速やかに「処理指針」の策定を行うこと、これは新しく今般の法律改正の中で盛り込まれることになった内容ですが、このような内容に基づいて全体の進捗管理、いわゆる司令塔機能を国がしっかりと担うといった内容としております。

 また、災害対策基本法に規定する要件に該当する場合には、今般の法律改正の中で国による代行処理が新たに位置づけられていますので、そういう場合も念頭に置きながら、しっかり対応を行うことになろうかと思います。

 (4)は「事業者及び専門家の役割」です。前回の検討会で、専門家や研究機関の役割をしっかり分けて書き込んだほうが良いという御意見もございましたので、ここでは、①と②に分け、①では、「事業者及び技術専門家の役割」として少し包含的に書かせていただきました。

 事業者及び技術専門家は、平時から災害廃棄物処理に係る技術の集約、検証及び継承に努めながら、自治体における計画策定や国民への情報発信等における役割をしっかり果たしていただく。また、非常災害発生時においては、それぞれの役割に応じた対応をしっかり行っていただくことはもちろんですが、災害廃棄物の排出者側になるといった観点もございますので、排出する可能性のある事業者につきましては、例えば危険物、有害物等を含む廃棄物が出る可能性もありますので、その処理に当たっては主体的な処理に努めるものとするといった内容を盛り込んでいます。

 「②大学・研究機関等の専門家の役割」では、より科学的な観点の重要性を強調させていただいております。「大学・研究機関や民間コンサルタント等の専門家」という記載になっていますが、最新の科学的知見、技術的知見、過去の経験等をしっかりと集積して、十分活用できるようにしておくといった観点、また、具体的には、廃棄物量の推計に係る方法論、被災した市町村への支援のあり方等についての具体化の方法論等についても、役割をしっかり果たしていただくという内容を盛り込んでいます。

 3番目が「災害廃棄物の処理施設の整備と災害時の運用」についてです。地方公共団体においては、地域ブロック単位での施設の余力や、中期的な計画の観点をしっかり共有した上で、焼却施設や最終処分場、仮置場等の整備を行っていくといった点が重要であること、また、災害廃棄物の処理が可能な産廃処理施設、処理業者等との連携の情報把握に努めるといった観点や、地方公共団体が有する施設について、処理能力にあらかじめ余力を持たせておくといった先行投資的な視点、また、極力域内での処理を行うべく、自ら保有する施設を最大限活用するといった主体的な取組みの視点が重要であること、また、「地域間協調に向けて一定枠の処理容量を大規模災害時における備えとして共有する」といった新たな視点も重要であること等を盛り込んでおります。

 もちろん、大規模災害時における、地域ブロック単位を中心とした広域的な連携体制構築の重要性に着目して、国はこの広域連携体制を支援し、強靭な廃棄物処理体制としての施設整備を行っていくことや、そういう観点から地域間協調をしっかりと促進するという意味での財政支援のあり方を検討し、国家的な支援を行う必要があるといった内容を盛り込んでいます。また、非常災害時には、協力の得られる民間の処理施設も最大限活用するといった内容についても盛り込んでおります。

 4番目は、「技術開発と情報発信」というテーマです。国は、技術的・システム的課題を体系的に整理した上で、その知見を今後の対策に活用するといったことはもちろんですが、災害廃棄物の発生量の推計手法や処理困難物の処理技術、再生利用の促進等といったような必要な技術開発も行いながら、成果についてしっかりと発信、周知していくといった内容についても盛り込んでおります。また、大規模災害時には、処理方針をしっかり示しながら積極的な情報発信を行っていくことになっており、地方公共団体においては、特に平時から積極的な情報発信を行っていただき住民理解の促進に努めていただくことを、是非お願いしたいといった観点。

 さらには、より具体的になりますと、非常災害時においては、分別方法、仮置場の運用情報等の住民に近い情報が重要になりますので、その情報発信を積極的に行うとともに、住民理解の確保という点についても、その重要性を強調しているところです。

 私からは以上でございます。


○質疑応答

(酒井委員長)

 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明に対して、御質問あるいは御意見を伺いたいと思います。御意見のある方、いつもどおり名札を立てていただけますでしょうか。

 それでは、順番に回してまいりたいと思います。大迫委員からお願いいたします。


(大迫委員)

 1ページと2ページの市町村の役割と都道府県の役割に関して、この記載で特段問題があるようにも思えないのですが、個人的な意見としては、それぞれの役割の1段落目、平時の対応の終わりの部分が、計画を策定して、適宜見直すというような形になっており、計画を作ることがゴールのようにも読めます。例えば計画を策定して、その計画の実効性を高めるための事前の備えに関する取組みの進捗管理を行い、対応力の維持強化を図る等、そういった趣旨を入れていただくと、計画がより実効性のあるものとなり、さらに対応力が高まって行くのではないかと思いました。

 また、3ページから4ページにかけての技術開発と情報発信ですが、情報発信だけだと若干一方通行のような感じがしますので、例えば4ページの最後の段落で、積極的に情報発信と対話を行うというように「対話」という言葉を入れていただくと、「住民の理解」というところとスムーズに繋がるのではないかと思いました。以上です。


(酒井委員長)

 ありがとうございます。

 それでは、次、荒井様どうぞ。


(荒井様 小林委員代理)

 1ページ目、「市町村の役割」の下から5行目で、被災地域に存在する資機材、人材、廃棄物処理施設や最終処分場を最大限活用とありますが、市町村の最終処分場は、都市部ではほとんど広域的な最終処分に頼っています。例えば都市部で災害が起きても、処分場が被災していない地域は相当あると想定されるので、大規模災害時の行動指針にも、各地方自治体が平常時に搬入している最終処分場というような定義がされていると思います。できれば、最終処分場のところだけは、「各市町村が平時に搬入している最終処分場を活用」という形が良いのではないかと思います。

 2点目、「市町村の役割」の最後、1ページの下の2行目から「被災の程度に応じて資機材や人材の提供、広域的な処理の受入れ」とありますが、これは大規模災害時の広域処理の受け皿として、被災していない地域ということを意味されているのかなと思っています。2ページ目の(3)の「国の役割」の7行目、「複数の地域ブロックにまたがる広域的連携体制を構築する等」ということで、国も大規模災害の時に広域的な処理について連携をとろうという中で、都道府県の役割が、大規模災害時は、あくまで被災した時、自分たちがどうするかという記述なので、東京都も東日本大震災の時に産廃業者と連携しながら、都内の区市町村、一組さんと一緒になって支援した役割を担いましたので、大規模災害時の都道府県の役割でもそういった記述があれば良いのではないかと思います。

 3点目は質問です。3ページ目の3、「災害廃棄物対策としての処理施設の整備及び災害時の運用」、いわゆる施設整備のところで、下から5行目に、「強靭な廃棄物処理体制としての施設整備が図られ地域間協調が促進される財政支援のあり方」と書かれています。この財政支援は、国からの循環型交付金として市町村の施設設置に対して行われるかと思うのですが、東日本大震災時に、昔は補助金だったと思いますが、清掃工場等、国から交付金を出して整備されたところに、なかなか受入処理が実現できず混乱したというような経験があります。今後、交付金の要件に関しては、当該地域以外で大規模災害が起きた時に、広域処理の支援を行う施設だと、そういう位置づけの財政支援のあり方を検討されているのかということをお伺いしたいと思います。以上です。


(酒井委員長)

 ありがとうございます。

 それでは、引き続いて鈴木委員どうぞ。

(鈴木委員)

 最終処分場の関係で、ある程度の規模の災害までは事前の準備で行けると思うのですが、非常に大きな災害となった時には、事後対応でやっていかざるを得ないところが出てくると思います。その点について良くわからなかったので質問させていただきます。どのように認識し、考え、どのような位置づけで記載するかについてお答え下さい。以上です。


(酒井委員長)

 牧委員、お願いいたします。


(牧委員)

 防災の観点から2点です。「市町村の役割」のところですが、1点目は、先ほど大迫委員もおっしゃいましたが、通常時に何か訓練を行うのか、協議会をつくり、年に1回会って知識の交換をする等、通常時、平常時に何か行うことがないと、恐らくお互いに顔が見える関係ができず、いざという時にうまくいかないと思います。災害廃棄物処理訓練の実施、もしくは協議会で年に1回勉強会をする等、そういう枠組みを入れておくと良いと思いました。

 2点目は、これも先ほど御指摘があった、最後の非常災害時には被災の程度に応じて、というところです。このごろ防災は受援・支援というので、これは恐らくは支援をするということになると思うのですが、「被災の程度に応じて」ではなく、東北の廃棄物を東京が受け入れる、大阪が受け入れる、大阪のパッカー車を東北に出すということです。支援の枠組みだとすると、被災をしていないと出せないような文章に読めるので、そこをもう少しわかりやすくしていただきたいと思います。以上です。


(酒井委員長)

 ありがとうございます。

 森谷委員、お願いいたします。


(森谷委員)

 ここに書かれている順番に沿って何点か申し上げさせていただきます。

 1点目は、「市町村の役割」「都道府県の役割」に関して、「関係機関との連携体制の構築」と書かれています。後の部分では民間事業者のことも視野に入っていると思われますが、関係機関というと行政機関のようにも見えますので、「関係機関や関係団体との」というように「団体」という言葉を入れたほうが良いと思います。

 今の点とも関係しますが、2点目、(4)の「事業者及び専門家の役割」のところに「災害廃棄物処理に関連する事業者」という言葉があります。これまで議論してきた指針の中における関係者と民間部分についてはほぼ同義かと思いますので、合わせていただいたほうが良いと思います。

 3ページ目、ここに「非常災害時に危険物、有害物質等を含む廃棄物を排出する可能性がある事業者は、その所有する施設等から発生する災害廃棄物を」と書かれています。ごく少数の例かもしれませんが、実例としては、特に大きな事業者の場合、災害時に災害由来の廃棄物を自ら処理をしなさいとか、産廃事業者に処理を任せなさいということがあったそうです。ここに書いてあること自体は、「災害廃棄物を」と書いてあるから正しいのでしょうが、現実問題としてそういうこともあるということをぜひご承知願いたいと思います。

 昨日、全国産業廃棄物連合会の北海道・東北地域の協議会がありました。1道6県の産廃協会の会長が集まった場で、道県や市町村の災害廃棄物の処理計画づくりが今どうなっているかという意見交換がありました。全国でも2~3割しかつくられていないということなので、これから計画作成ということになると思うのですが、さまざまな方がお話されていたことから、市町村は、まず道県がどのような計画を作るかを見ているというように感じられました。そのため道県の役割が大変重要だと思いますが、今後この基本方針を改正した後に、都道府県がいつまでに災害廃棄物処理計画を立てるか、それに呼応して市町村がいつまでに計画立てるべきかについて、いわば大号令を環境省から発していただくことが必要と感じております。

 また、ここに書かれていないことで、以前私が申し上げたことですが、現場の処理の実効性や会計上の処理の透明性を高めるためにも、災害廃棄物のマニフェストについてもお考えいただきたいなと思っておりますので、改めて申し上げました。以上です。


(酒井委員長)

 どうもありがとうございました。

 基本方針案に関しまして、一通り御質問、御意見をいただきました。この段階で和田課長からコメントをお願いいたします。


(和田廃棄物対策課長)

 いずれも貴重な御意見でございます。ありがとうございます。今後、盛り込むべき内容を環境省で精査し、検討プロセスの中に盛り込んでいきたいと思っております。

 いくつか御質問、コメントもありましたので、回答させていただきます。財政支援のあり方について荒井様からコメントがありました。これは、今後の要件等を見直していくのかということかと思います。交付金のフレームワークを良い方向に見直していかなければならないというステージは、今に限らず、今後もあります。日々見直していくというプロセスの中で、見直しの方向性についての、基本的な姿勢を頂戴したということにさせていただいたほうが、我々も今後の見直しの方向性が明確になる、そういう位置づけかなと思います。


(切川係長)

 鈴木委員からいただきました、平時に備えている最終処分場だけで足りない場合どうするのかという点に関しては、広域的な、特に地域ブロック間の連携等で対応していくことになるかと思いますので、ブロック間連携を促進していくというところで読めればと考えております。


(和田廃棄物対策課長)

 皆さまからいただいた個別具体の御意見についてはいずれも十分踏まえさせていただきます。研修や訓練に関する箇所は書き込みが不十分であり、また支援・受援に関してはかなりしっかりと書き込んでいたところもございますので、その辺りは整合性をとったほうが良いと思います。引き続き内部で検討させていただきたいと思います。以上です。


(酒井委員長)

 どうもありがとうございます。今の回答に対しまして、追加で何か御意見はありますでしょうか。ないようです。前回、今回と基本方針に盛り込む事項につきまして御議論をいただき、さまざまな御意見を頂戴いたしました。議論として大枠の御意見は出尽くしたかと思います。また、大きな異論等も無かったと思います。ということで、本日までの御議論を踏まえた上で、環境省における基本方針の検討に当たっては、この提案を適切に反映していただくようにお願いしたいと思います。

 そうすることといたしまして、この議論の取りまとめとすることとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。


(異議なし)


 どうもありがとうございます。それでは、今後環境省におかれましては、そのように対応していただき、最終の取りまとめにしていただきたいと思います。


(和田廃棄物対策課長)

 ありがとうございます。ただいま委員長からお話しがありましたように、本日いただきました御意見、御指摘をしっかりと踏まえながら、基本方針の法令体系上の位置づけや定義等に照らした上で、環境省として必要な検討を行い、基本方針の改定案を策定するプロセスで適切に反映したいと考えております。

 その上で、11月17日に開催予定の中環審の循環部会において改定案を御審議いただく予定でございますので、その前段階で、本日いただきました御意見、また取りまとめをしっかりと踏まえて反映してまいりたいと思います。以上です。


報告

(1)大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動指針について


(酒井委員長)

 どうもありがとうございます。引き続き報告事項に入ってまいりたいと思います。

 最初に、「大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動指針」につきまして、事務局から説明をお願いいたします。


(和田廃棄物対策課長)

 それでは、資料3-1と3-2をお手元にご用意下さい。

 3-1が行動指針の最終版、3-2がパブリックコメントを実施いたしました結果について取りまとめたものになります。

 資料3-1の行動指針について、まとまりました内容を報告させていただきます。

 前回同様に、赤字が追加、青字が削除という形式になっております。前回の検討会で御意見をいただきました正確性の問題から修正している箇所については説明を割愛させていただきます。

5ページの②、災害廃棄物処理計画等のところで、計画に基づくマニュアル、手引きといったものも含むという点を冒頭に定義させていただきました。その上で、以降、用語としては「災害廃棄物処理計画等」という名称にさせていただければと思いますので、以下同様になっております。

 11ページに移りまして、「処理体制」のところを「連携体制」といたしました。また、ここだけではありませんが、必要性をしっかりとアピールしたいのであれば「ことが望ましい」を「必要がある」とすべしという御意見もいただきまして、「必要がある」と変えています。

 12ページでは、支援側と受援側の連携の観点を改めてキーワードとして書かせていただきました。また「内閣府防災担当部局が整備している」というのは少し限定列記し過ぎという御意見もありましたので、ここは「関係省庁・機関の既存の協議会」とさせていただきました。また「望ましい」を消しています。

 14ページに参りまして、「平時には自治体が廃棄物処理計画等を」という形で明示をさせていただいているのと、「仮置場への搬入率」は、場所の入れ換えを行っています。

 15ページは「等」を入れただけです。

 16ページは、輸送ネットワークについて、広範であるだけでなくて、「各種の」輸送ネットワークといった観点を追記いたしました。

 19ページが、先ほどの基本方針に盛り込むべき事項と連動していますが、地方環境事務所の役割として、「地方環境事務所が中心となって」と内容の整合性を取らせていただきました。

 20ページに参りまして、ここは「等」の関係と「望ましい」の関係です。

 21ページも、「各種の」は先ほどと同様です。また⑤では、正確を期すようにという御意見がございましたので、「建設業者団体」ではなくて、「建設事業者団体」に修正いたしました。

 22、23ページと同じ内容を修正させていただいております。

 26ページも同様です。

 27ページで、いただいた御意見を踏まえて少し修正がございました。これも正確性を期す観点で、産業廃棄物処理事業者の関係で、地方自治体からの委託を受けて協力するというフレームワークがございますので、これを明記した形にしています。また、「地方自治体からの委託を受けて」というところで、「建設事業者」という名称を正確にした上で、委託を受けて災害廃棄物処理への協力を行うということで、そこの間のところはすっきりさせていただきました。また、コンサルタントの関係も新たに追記すべしという御意見もございましたので、4つ目の○として、「知見を有するコンサルタント事業者は」ということで、「災害廃棄物処理実行計画の策定支援や災害廃棄物処理の進捗管理の支援を行う。」という形で追記をさせていただいております。

 28ページは、パブリックコメントでいただいた御意見の中から、特にトイレの関係はもう少し正確に記載していただきたいという指摘を踏まえ、⑤の1番目の「○」のチャプターの箇所について修正、追記いたしました。

 最後のページ、「貨物」と書かせていただきました箇所について、いわゆる貨物ターミナルということで、いただいた御意見を踏まえて明示的に「貨物駅」と書かせていただいています。

 また、先ほど盛り込むべき事項のところでも御議論がございましたが、各地方自治体が平時に搬入している最終処分場、これは先ほど御意見をいただいた内容とちょうど符合していますが、この内容についても書かせていただいたところです。

 以上の内容で、前回までいただいた御意見の反映と、パブリックコメントでいただいた結果から必要なものを反映、修正した内容になっています。この内容については、事務局で、前回委員長預かりになっておりましたので、委員長の御了解をいただいてございますので、その旨あわせてこの場で御報告をさせていただきたいと思います。以上でございます。


○質疑応答

(酒井委員長)

 どうもありがとうございます。ただいま環境省の和田課長の説明にもありましたように、この行動指針につきましては、委員会としてもこの内容で確定をしたいと思いますが、この段階で御意見等ございますか。

(鈴木委員)

 個別の修正ではないのですが、例えば防災の場合、先日の鬼怒川の洪水の事例ですと、避難勧告が出せなかったということで、責任を全うしていないのではないかという指摘がなされたりしています。この指針では言い切りを増やしたということですが、そのような書き方をした場合、例えばトイレ施設は、どのような規模の災害であっても全て準備すると言った時に、大規模な災害時には実際にはできなくなるわけで、本当にどこまでやるかという話があります。

 一言で言えば、ほぼすべての記載の前には「実行可能な範囲で」という言葉が本当は付いているのだが、日本の社会の中では、それが書いて無い以上、そのような意味ではない、といった解釈で議論がなされることが多いように思っています。そう言ってしまうと元も子もないので、さまざまなレベルで書き分けているとは思うのですが、防災だと特にそういうことが追及される場合が多いように思います。解釈論も含めて、その辺を良く考えていただきたいと思います。

(和田廃棄物対策課長)

 今いただきましたご示唆は、非常に重要な点と思っています。とかく、現場を良く踏まえていないとか、実情を良く踏まえていないということが起こりがちになってしまうかと思うのですが、後ほど御紹介しますように、今般の常総市を中心とする水害のタイミングでも、それは幾ら何でも荒唐無稽な対応ではないですかとか、やるべきではないですか等いろいろありまして、環境省としても、現場力をしっかり磨いていくことが必要であると思っております。行動指針の内容も重要ですが、環境省としては、例えば紋切型にならないとか、現場の実情を良く理解した上でというところについて、しっかりと細心の留意を払いながら現場力を磨いていきたいと考えております。

 非常に重要な御指摘ありがとうございます。ぜひ今後も引き続き磨いていきたいと思っているところです。

(酒井委員長)

 丁寧にやりとりいただきまして、ありがとうございます。鈴木委員の御指摘、行動指針の7ページにスキームの図を描いていただいていますが、そのちょうど真ん中の大規模災害発生時の行動指針、事前に備えるべきこと、事前に考えるときの指針を作っていただいているわけです。それを踏まえて、災害の発生時に処理指針ができ、そして実行計画ができていく、そこで現実を認識しながらさまざまな対応がとられていくということでは、決して実行可能な範囲でということを認識できないわけではないと思います。これはまさに柔軟にということでしょうし、より大規模な災害の場合は、その現実を踏まえてということになりますから、それでも行動指針が責任を問われるというような、そういう類いの性格の指針ではないと思っています。その点は、是非防災の方々とも共有しながら考えていきたいと思います。

 今、発言された点まで配慮しながら事前の指針をつくれというのはちょっと酷かなという思いがあったものですから、あえて発言させていただきました。重層的な仕組みを考えていただいている段階ですので、そこは是非ご理解いただきたいと思います。

 ということで、この委員会としての行動指針ということでまとめさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。


(異議なし)


(2)D.Waste-Netの発足について


(酒井委員長)

 それでは、次の報告事項に行かせていただきたいと思います。

 次は、災害廃棄物の処理支援ネットワークの発足につきまして、事務局から説明をお願いいたします。


(切川係長)

 それでは、資料4、D.Waste-Netの発足について、説明をさせていただきます。

 前回の検討会の中で、9月16日に発足するということで御報告させていただきました。予定どおり、9月16日に「D.Waste-Net」を発足させていただきました。

 現時点でのメンバーは、支援者グループが7団体、民間事業者団体グループが10団体、合計17の団体、この検討会の有識者の先生方11名に入っていただくという形にさせていただいております。

 当日任命証書をお渡しできなかった先生方には、後ほど任命証書をお渡しいたします。

 裏面は、参考までに、9月16日に行いました発足式のシンポジウムの概要を書かせていただいております。

 以上になります。


(酒井委員長)

 どうもありがとうございます。


(3)ワーキンググループの検討状況について

(酒井委員長)

 それでは、次の報告事項に入らせていただきたいと思います。

 本年度は、本検討会の下に4つのワーキンググループを設置しております。そのうち、技術・システム検討ワーキングと地域間協調ワーキングにつきまして、検討状況をそれぞれ報告いただける状況と聞いております。

 まず、技術・システム検討ワーキングに関しまして、勝見委員から報告をお願いいたします。


(勝見委員)

 資料5に基づきまして、技術・システム検討ワーキンググループの検討状況の御報告をさせていただきます。

 表紙に3つ項目を載せております。昨年度から引き続いて検討を行っており、昨年度は、東日本大震災の災害廃棄物処理がおおむね終了した直後だったということを受け、高度選別処理の核の部分であった可燃系や不燃系の混合物の処理がどうであったかということについて取りまとめました。今年度は、その成果を受けて、まず3つの項目の1番目、処理計画策定手順の提示ができないかということを試みていいます。2つ目は、昨年度あまりフォーカスしなかった土砂、津波堆積物の処理が東日本大震災では重要だったということで、その処理の現状分析、3番目が、大規模災害を想定して処理計画及び輸送計画まで少し具体的に考えられないかという議論をしています。それ以外にも検討事項はあるのですが、本日はこの3つの概要について報告させていただきたいと思います。

 ワーキングは、学識経験者の他に、オブザーバーとして、日建連のメンバーの方々、自治体、コンサルタント、廃棄物処理施設、環境、衛生管理といった分野の御専門の方々に参画をいただいております。

 2ページ目、少し字が小さいので見にくいかもしれませんが、災害廃棄物処理ではどのような処理が行われたかをできるだけ網羅しようということで作成いただいたもので、ご存じのように、東日本大震災では処理区によってさまざまな処理システムが導入されたということで、昨年度は、その特徴、違い、あるいは標準化、体系化ができないかということで議論いたしました。

 この図は、一番左が被災地域、その右に一次仮置場、二次仮置場、最終的に受入先と並んでおりまして、それぞれの場所でさまざまな廃棄物がどのような流れで処理されたかということを最大公約数的にまとめさせていただきました。

 真ん中の上に青の点線で囲っている箇所は、昨年度の検討項目、いわゆる混合物の処理のフローです。今年度は大きく4つの検討を行っており、赤い文字で検討1から検討4まで書いています。

 検討1は左上に書いていますが、全体の処理フローの提示をしていこうというものです。

 検討2は、昨年度の検討のすぐ下にありますが、津波堆積物の処理で、土の処理が重要だということの整理を行っています。

 検討3は、二次仮置場全体を大きく囲っていますが、検討2、あるいは昨年度の検討に基づき、将来大きな災害が起こった場合、東日本大震災での実績等からどの程度の規模感を考えておく必要があるのか、どういう処理施設が必要なのか、仮置場はといったところを、スペースやロジを考える上で参考となる資料、情報を出していきたいということで検討を進めております。

 検討4は、今日は特に御説明をしないのですが、2カ所に枠を囲っています。東日本大震災では、進捗管理あるいは廃棄物量の推計、計るという点で非常に多くの方々がご苦労をされて、しかも重要であったということで、計量をどこでどんなふうにやるのか、それをどうまとめていくのかということが重要だという議論を始めています。

 検討4は図では2つあるのですが、1つは、仮置場で集めたものをどこでどんなふうに計るのか。例えば東日本大震災では、地区によって同じものを違うふうに呼んでいたり、そもそも分け方も仮置きの仕方も違っていたりということもありましたので、こういった用語の定義、整理が重要で、現場がスムーズに動くための整理が必要だということで議論をさせていただいているということです。

 また、右は、でき上がったものをどう計っていくかということでございまして、処理前の物の計量も同様ですが、いろんなICTの技術がございますので、こういった技術を使った計量と進捗管理、あるいは見える化といったことも含めて、工程管理をどうしていくのかというようなことが議論できればと考えているところです。

 3ページ目、津波堆積物の処理フローの分析、整理、使用機材の整理です。東日本大震災の16の処理区における津波堆積物の処理事例の整理をしたということで、左のフローは、多くの処理区では、まず粗選別の前に一定の分析を実施して、ある程度の判定をして、また粗選別、高度選別をして、さらに受入基準を満たしているかどうかの判定をして、一部は受入基準を満たすための、利用のための改質を行ったということです。

 ページの真ん中に、薄緑色で幾つか受入先と書いています。復興資材、農地、セメント材料、埋立処分ということで、例えば岩手県ですと、分別土A種、B種というような分類が提案されて、復興資材活用の後押しがなされた。そうは言いつつも、一方で、分別しても活用されなかった資材も少しあったということです。

 また、少し細かい話になりますが、その下には埋立処分ということで、例えば熱しゃく減量5%で安定型あるいは管理型に搬出する、搬出しないということも行われたわけですが、この廃棄物の判定方法である熱しゃく減量5%というのを土に対して適用しているということで、土ですと、粘土が多ければ粘土鉱物の結晶水、あるいは災害廃棄物と一緒に混ざってしまったコンクリートくず、こういった物等も熱しゃく減量としてカウントされてしまうので、そういった点では化学的に問題が無いわけではない。そういったところの試験方法、指標の整理も必要だというところもあるかなということです。

 右上には、目的に応じた処理フローの整理ということで、作業工程として、粘性の低減、洗浄、不溶化、除塩と書いています。上の2つが、高度選別を行う前に高度選別をやりやすくする、粘っこい土を落としやすくするという考え方、下の不溶化、除塩は、選別した後さらに復興資材として受け入れられるための有害物質対応、あるいは塩分への対応といった処理が行われたということで、例を示しておりますが、特に混合系の廃棄物の処理とも関連して、土砂をどううまく分別するかということに多くの現場が苦労され、工夫をしておりました。

 一番下の表は、東日本大震災で活用された、粘性のある廃棄物との分別が難しい土砂に改質材を前もって入れることで、うまく選別を行った事例について整理していただいたものです。特に大事なのは改質材をうまく混ぜて選別をうまく行うということで、この改質材としてセメント系、石灰系、石膏系、高分子系、高炉スラグといったものを挙げさせていただいています。

 これからの議論にはなるのですが、材料によって特徴がございますし、横並びで書いていますが、良く効くもの、効かないもの、多量に添加しないと効果がないもの、あるいはそうすることによってお金が高くなってしまうもの、大量供給できる、できない、アルカリを呈する、そういったこともございます。これもでき上がりは分別土、土をつくるということになりますので、最終的にはそういった土をどのような用途に使っていくのか、そういう用途ではどのような土が求められているのかという観点も必要で、土に限ったことではございませんが、土は特にそういう色合いが強いと考えております。それが逆に災害廃棄物処理システムにフィードバックされてくることもありますので、このあたりの整理ができればと考えております。

 また、途中申し上げましたように、分別はされたものの活用が難しかったということもございます。資料にはありませんが、出す側と利用する側との連携も、技術的な観点もあわせて重要なポイントだろうと考えております。

 4ページ目、5ページ目は3番目の検討事項です。大規模災害を想定して処理計画、さらに輸送計画まで議論を進めたいということで、左の赤で囲っている文章のように、処理計画の目安となるツールを示せればということです。

 ここでは具体的に処理の施設、また当然保管ヤードも必要になってきますので、そういうものを具体的に配置したレイアウトをイメージとしてつくって、想定地震、リサイクルの程度や処理期間といった処理方針等の条件を設定し、その条件で仮置場はどれぐらいの面積が必要かということで具体的な仮定ができないかという、いわばシミュレーションを実施したということです。

 施設の例につきましては、左に処理フローを書いていますが、施設①、②、③をまずは考えている。それは、混合物の処理、木くずの処理、コンクリートがらの処理で、それぞれ移動式あるいは固定式というようなもの、右上に小さい図ですが、そういう「基本パーツ」を考えて、それを組み立てていくということです。最後のページ、5ページ目は、その「基本パーツ」の具体例を示したものです。これは選別処理の1つの単位みたいなものと考えていただいたら良いでしょうか。量が増えれば、これが並列に並んできますし、処理の段階によって違うパーツを組み合わせていくことになります。

 この図は混合物処理施設の例示で、求められる処理能力に対してどのような処理レイアウトが可能かという具体例を示しております。あくまでもレイアウトですが、東日本大震災でのさまざまな実績がございますので、そういったものから乖離し過ぎないということも配慮、確認をして具体の図描きを行いました。これを足し合わせる、あるいは一部掛け合わせることによって、災害廃棄物処理に必要な仮置場の敷地面積が数値上求められる。位置を決定すれば、今度はそれが時間軸で、どのように入ってきて、どのように出していくかという条件のもとで、廃棄物運搬の議論も進められるのではないかという観点でまとめている次第であります。

 以上でワーキングの検討状況の説明を終わらせていただきます。


○質疑応答


(酒井委員長)

 どうもありがとうございます。

 それでは、ただいまの説明に御質問あるいは御意見をいただきたいと思います。いかがでございましょうか。

 それでは、佐々木委員、お願いいたします。


(佐々木委員)

 ありがとうございます。資料の2ページで、いろいろな実績に基づいた処理方法が比較されています。先ほど経費の関係も少し言われたのですが、この検討の中の1つとして、経費というのはどのような考え方で織り込まれているのかについて教えていただければと思います。


(勝見委員)

 議論はいろいろしていますが、ここでは費用は示していません。ただし、御指摘のとおり、お金がかかるやり方、かからないやり方があり、ある処理をやらないとこの処理を際限なく実施しないといけないということもありますので、そういった点はどこかでうまくメッセージとして伝えられるようにしたいと思っています。

 また、自治体の方がこれを参考にして実際に仕事を出されるような使い方をしていただきたいという理解をしておりますが、その時に、総合評価や提案型ということになりますと、最初の技術提案からどんどん膨らまないといけない等、なかなか変更することが難しいところです。制度的な点も大きく踏まえて、最終的なまとめにしていかないといけないと考えております。


(酒井委員長)

 永田委員どうぞ。


(永田委員)

 御説明どうもありがとうございました。1点教えていただければと思います。4ページ目、仮置場の検討がなされるということですが、一次仮置場は市区町村に配置ということで、想定地震が首都南部の直下地震では廃棄物量にもよると思われますが、同じ区の中に何カ所設けられるのかが気になります。具体的な設置場所の選定はなかなか難しいところだと思うのですが、そのあたりについてどう設定されるのか、お教えいただければなと思っております。以上です。


(酒井委員長)

 引き続いて渡邊委員どうぞ。


(渡邊委員)

 ありがとうございました。私どもが処理した中で、3ページに不溶化剤という改質材があります。固化剤も使用いたしましたが実は長期安定性というのは非常に難しい問題があって、我々も手探りの中確認をしてやったということがあります。成果の中で幾つか手法はあるかはと思うので、そういったものもご紹介いただければと思っております。

 あと、4ページのところで、被災地・一次仮置場があって、分かれて混合物、木くず、コンがらとあるのですが、分かれてくれればそんな苦労はしないだろうなというのがあります。恐らく面積の大半は混合物で使われてしまうであろうかと思いますし、受入先の条件に合ったものをつくらなくてはいけないということがありますので、それでも違った意味で面積を使ってしまうといったようなところがありましたので、ご紹介させていただきました。


(切川係長)

 事務局から、永田委員の質問に関して回答させていただきたいと思います。

 二次仮置場の選定ですが、首都直下地震、特に都心部を対象として検討させていただいていますが、場所はここが良いのではないかと、環境省側から設定するわけにはいきませんので、2年前の検討委員会で御検討いただきました、首都直下地震が発生した場合に発生すると推計される災害廃棄物量、最大1億1,000万トンのうち、都心23区内の廃棄物量を処理することを大前提として、例えば、「基本パーツ」となります日量3,000トンや1万トンの選別ラインを置くとしたら、どれぐらいのセット数、面積が要るのかというところを検討させていただいています。

 例えば、処理年数を3年にすると、それに向けて、日量1万トンのラインを何ライン置かなくてはいけないとか、そういうことを整理しまして、その面積を確保するためにはどこを使えばいいだろうかというのは、東京都や23区においてこれから考えていただく、そういうことを考えて作業を進めております。

 本日はお示ししておりませんが、4ページ目の輸送計画の検討に関しては、一次仮置場や、搬出に当たっての二次仮置場のどこから出すのか、先ほどの行動指針の説明でお話ししました貨物駅等、ある程度具体的に想定しながら考えていくという形になろうかなと思っております。

 渡邊委員からありました受入先の条件によってはもっと広いストックヤードが必要となる点について、まさに御指摘のとおりですが、受け入れは1週間分、出すほうも1週間分という設定をしています。この点に関してはワーキングの中でも考えなければいけないという御意見がありました。それをやった場合にどれくらいになるかは、できるのですが、どんどん面積が広がる一方なので、まずはこれでやらせていただきたいと考えております。


(勝見委員)

 不溶化の長期安定性は、災害廃棄物の分別土、津波堆積土に限定されない通常の土壌の分野でも同じであり、長期安定性が問題になるということで、いろんな試験方法、検討方法も提案されております。使われているところでの今後のモニタリング調査をされるところもありますでしょうし、そういうことも含めて、今回既にいろいろされて、データなり技術、知見が蓄積されたということもあります。さらに今後この分野で、あるいは土壌の分野で知見が蓄積されることも期待されます。御意見をいただきまして、ありがとうございます。


(酒井委員長)

 どうもありがとうございます。今のやりとりでよろしいでしょうか。

 切川さん、先ほどの3,000トンの説明ですが、首都直下地震の1.1億トンベースでの基本単位が3,000トン/日ということでよろしいのですね。1万トン/日の検討の横で同時に並行されているようですが、このあたりは少し感度的な考え方を入れておいたほうが良いかなと思うのですが、如何でしょう。


(切川係長)

 処理能力750トンを1セットとして考えています。このセットでも合計で4ヘクタールの用地が必要となります。これが一番基本の数字になりますので、これをうまく組み合わせながら、5ページに書かせていただいたのは3,000トンのパターンの絵になりますし、これが3つ繋がっていくと1万トンとなります。今はこのように整理をして考えているところです。


(酒井委員長)

 3,000トンでも17ヘクタール、非常に広大な場所ですね。ですから、基本単位をどう考えるかといった点も非常に重要なポイントだと思いますので、引き続き検討をよろしくお願いしたいと思います。技術・システム検討ワーキングはこれでよろしいでしょうか。

 それでは、引き続きまして、地域間協調ワーキングの検討状況の御報告をいただきたいと思います。浅利委員から報告をお願いいたします。


(浅利委員)

 それでは、資料6でご説明をしたいと思います。

 地域間協調ワーキンググループということで、今までに3回議論をさせていただきました。メンバーとしましては、この本委員会からは私と中林先生にご参加いただいております。自治体は、今日代理出席の荒井さんと愛知県、また国環研、全都清、日本環境衛生センター等からご参加いただき、大変活発な議論をいただいております。

 現段階である程度煮詰まってきた検討内容に関しての報告ということで、1枚目に書かせていただいておりますが、中身に入っていきたいと思います。

 2ページ目に、本ワーキンググループで現在全体像として捉えている議題、本日報告する事項に関しては赤字で示させていただいております。

 まず、組織の役割に応じて関係者がどういう連携ができるかということで、民間、行政にかかわらず、また物理的にも、地域ブロック、オールジャパンということも考えて役割分担を明確にしていこう。特にその議論の中でも、被災をして支援をしてもらうという受援の立場もあれば、支援する立場もあるだろうということで、それぞれの関係性を明確にしていこうと考えております。

 2点目、重層的な協力関係の構築ということで、個別の協定等も存在すると思いますが、それが成立する条件、場合によっては地域の中で調整することで、協定をさらに上回るようなネットワークで対応するような条件もあるだろうということで、さまざまな場合に応じた協力ができるようにしていこうということ。

 また、先ほど議論の中でも出ておりましたが、特に地域ブロックでの役割をどうしていくかということでは、地域ブロック協議会をしっかり強化して、持続的に運営していくことを明確に議論しております。その中では、具体的な地域ブロックの運営方法であったり、設置要綱、持続的に運営するためにはどういう取組みをする必要があるか、できるかということも議論いたしました。

 ④では、地域ブロック間の連携の具体化ということで、地域ブロック協議会をベースに地域ブロック単位で、まずは被災したときどうするかに加えて、支援するときもどうやっていくかを考えていこうということで、少し最後にご紹介をしたいと思っております。

 ⑤は、先ほどもご紹介がありましたように、D.Waste-Netも立ち上がったということですが、具体的な運営のルール、今後の継続の方法、メンバーの捉え方等についてはまだまだ議論が必要と思います。まだこの議論は始められていないのですが、これも本ワーキングの検討事項と位置づけて議論をしていく予定でおりますので、さまざまな立場から御意見をいただければと思っております。

 今挙げたようなキーワードを、このページの下の図にお示ししております。大規模な場合は、環境省が基本的にはリーダーシップをとり、司令塔、調整役を行う。それを地域ブロック単位に落とし込む中では、地域ブロック協議会が主たる役割を果たす。その中で「国」と書いてありますのは地方事務所がその役割という想定になっておりまして、その次の段階として都道府県プラス政令都市もこの位置づけになろうかなと思いますが、都道府県と連携をとりながら市町村に動いていただく。こういう役割分担を明確にしてやっていく。かつ、地域ブロック間でも連携ができるようにする。そして、一番右に書いてありますとおり、各地域ブロックと、その地域におられるD.Waste-Netのメンバー、場合によっては地域横断的にD.Waste-Netでも支援する。このような体制を描いていこうではないかということを議論しております。

 次の3ページ目に、地域ブロックを動かす核となる地域ブロック協議会の役割の具体的な事項を整理しているところの現在の検討状況について整理をしております。上の少し小さ目の文字では、先ほど案が認められた行動指針より関連する部分の文言を抜粋していただいておりまして、①から⑥になっております。こちらは場合によっては確認いただければと思いますが、これに対して具体的にどういうことができるのかということで、この文言に書き込まれていないより具体的な内容についても踏み込んでおりますのが、下のオレンジ色のブロックになります。

 まず、「①~③地域ブロック協議会の役割について」というところで大きく3点挙げておりまして、まず、災害廃棄物処理計画等に記載されている内容について最新の情報を共有するとともに、地域ブロック協議会の中で策定や改訂に向けた勉強会等を実施する。これは毎年、もしくは定期的にきっちりやっていきましょうということです。

 また、地域ブロックの中では民間事業者とのネットワーク、関係性を常につないでおくことも大事だろうということで、民間事業者団体が抱えている課題もしくは先進的な事例、取り組んでおられる工夫等もプレゼンしていただくような、勉強を一緒にさせていただくような場にできないかということ。

 3つ目の○としましては、地域ブロック協議会には基本的には全都道府県と一部の政令指定都市、市町村に入っていただいていますが、全てをカバーできているわけではありませんので、参加できていない市町村に関しては都道府県が責任を持ってフォローしていくことで全地域をカバーできるようにしようではないかということを、地域ブロック協議会の役割というふうに考えております。

 その次、「②災害協定について」では、災害廃棄物について個別にいろんな協定がいろんな書きぶりで結ばれているかと思います。これはこれで非常に大事だろう。特に中小規模の場合、これに沿ってすぐに行動していただくのは非常に大事でしょうが、本当に大規模の場合、逆に個々に締結された災害協定が混乱、不公平の要因となる可能性もあるのではないかということで、大規模と判断された場合は、初動段階から、まずは県単位、それから地域ブロック、国でしっかり調整をして、どの協定に実行を任せていくかというようなことも含めて調整機能が非常に大事だろうということで、これも地域ブロックを通して検討していけるのではないかということを話しております。

 また、⑤は地域ブロック間の連携ということで、地域連携の中の主たる目的の1つかと思いますが、地域ブロック間の連携としては広域処理をする調整が重要で、環境本省が調整する場合、特に広域処理が必要となる量の考え方を整理しておく必要がある。事前、事後を含めてすぐに判断していけるようにする必要がある。これは東日本大震災等の教訓、経験も踏まえてやっていこうではないかということを重要な点としてまとめております。

 4ページ目に参りまして、引き続き地域ブロック協議会に関する内容になっております。

 こういう内容をどうやって持続的に運用していくかということで、こちらもオレンジの中身を見ていただければと思いますが、①の地域ブロック協議会をどこがどういうふうに運営するかというところでは、まず行動計画の策定を地域ブロック単位でやるまでを1つの期間として、地方環境事務所が中心となって地域ブロック協議会を運営する。

 その次の○にありますとおり、特に行動計画に関しては適宜見直しも必要である。見直しに向けては、都道府県が持ち回りで幹事役を担うことで、できるだけフレッシュな情報、運営側の人的にもフレッシュな状態を保ちながら、地方環境事務所と良い関係を保って協働して運営していくということを考えております。

 3ぽつ目、いろんな御意見が出まして、中には、非常に生きた運営ができた場合は、法人格を取得して、会費を取って運用するというような可能性も将来的にはあるのではないか、そんな御意見も出ております。

 「②発災時の対応について」ということで、特に大規模災害が起きた場合に関しては、具体的な人的、資機材の支援、廃棄物の受け入れ等の調整を担うのがこの地域ブロック協議会で、国との調整として非常に重要であろうということで、これは今後ワーキンググループの中でもより議論を深めていく予定です。

 また、地域ブロックの境界に当たる県については、地域ブロックだけに限定されることなく柔軟に対応するということで、現在既に地域ブロック協議会に別のブロックの県の関係者が出ているというようなことも聞いておりますので、それは是非積極的に支援をしていくということで良いのかなと思います。

 また、広域輸送ネットワークでは、特に広域処理に当たっての広域輸送ネットワークに当たっては、被災地側だけが担うのではなく、支援する側が果たせる役割も大きいのではないかということが事例も踏まえて議論されまして、これに関しては、支援側と受援側が役割分担をして柔軟に対応できるようにしようというようなことが議論されました。

 その下に図で今申し上げたようなことを整理してお示ししております。地域ブロック協議会は、赤字で書いてありますが、運営主体としては地方環境事務所、それを幹事の都道府県が持ち回りで支援をする。そこに、基本的には全ての都道府県、そして主要な市町村、政令指定都市、民間事業者に参加していただく。このような整理をイメージ的に行っているところです。

 最後5ページ目、こちらはまだ多方面からの議論が必要と思っておりますが、地域ブロック間の連携のあり方、特に広域処理を念頭に置いた時にどうしていくかということについての議論も始めております。

 運営ブロックで、広域処理をするといっても、いろんなパターンがあり得ますが、考え方の最低限の条件として出てきたのがこのような視点で、広域処理を行うにしても安全性の確保は必須であろうと思います。万が一広域輸送中に何か事故が起こったり、持っていった先で何か起こったりというと全てが止まってしまいますので、まず安全な処理システムを構築することが重要で、そのためには、初期からの分別や、安全性の確保に関してより議論できることがあるのではないかということを1点目として挙げております。 また、適正かつ円滑・迅速な災害廃棄物の処理。これは当然のことですがが、とはいえ絶対必須であろうとして掲げています。3ぽつ目は、可能な限り再生利用を行い、それにより最終処分量等も減らしていくこと。このあたりを最低限の前提条件と考えて、広域処理を実施する必要があるであろうと思います。

 その次の囲いは、その中でもどういう視点で広域処理量を考えていくかというところで、3つ、今現在では重要な視点として挙げておりまして、まずは、民間施設も含めて既存施設を最大限活用するという方針はあるだろうと思います。

 次の視点は、先ほどの前提条件とも被りますが、安全の確保ということで、有害危険物を確実に除去した後に可能な限り相手の受入基準に見合った分別を行って、その後、コスト、スピード、リサイクル率のバランスを取って判断していく必要があるであろうということです。発災の状況、場所等にもよると思うのですが、この3つを主に考えてバランスを取っていく必要があるだろうということを考えております。

 またスピードに関しては、搬出速度、つまり被災地から速やかに搬出する速度、もしくは最終的な処理に係る速度、それぞれ速度といっても中身が違うことがありますので、被災の場所によってはどちらを優先しないといけないというようなことを判断する必要もあるでしょうから、幾つかのパターンで検討することができるのかなと考えております。

 最後のぽつですが、先ほど技術のところでは大きく5つ程度の選別が示されておりましたが、場合によっては支援ブロックで選別を行う可能性もあるだろうということで、安全確保等々は必須ですが、被災地での選別のレベルは、災害の性格、発災の場所、廃棄物の性状もしくは支援側の状況等によって柔軟に対応できるように検討する必要があるのかなというようなことを議論しております。そのイメージを一番下の図にお示ししているところでございます。

 まだまだ議題は続いているところですが、現状の地域間協調ワーキンググループの検討ということで御報告したいと思います。


○質疑応答


(酒井委員長)

 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの地域間協調ワーキングの説明に関しまして、御質問、あるいは御意見ございましたら、伺いたいと思います。いかがでしょうか。牧委員からどうぞ。


(牧委員)

 地域ブロック協議会の構成メンバーですが、ここは環境省に関わるプレーヤーと、市町村が入っています。災害廃棄物処理という時にどこまでそれを考えるかは別ですが、例えば、発災直後は自衛隊が啓開してどこかに廃棄物の仮置きをしていたり、広域輸送ということであれば道路が空かないと駄目です。ですから、そういう関連する方々もオブザーバーで入ってもらうと実質的な議論ができるのかなということと、もう1点、先ほどの処理計画策定手順とも関係するのですが、あまり日本では見たことがありませんが、首都直下地震等における御遺体の話です。

 例えば、WTCの同時多発テロの際は、犯罪なので、廃棄物処理場を仕切っていたのは警察でした。例えば、焼損遺体はどうするのか、東日本大震災では、廃棄物の中に御遺体が入っていた事例があったのか、その場合はどのように対応したのでしょうか。どこまでが警察が手を出して、ここからは我々に任せてくださいというのは何かあるのでしょうか。もし警察が対応したのであるならば、警察にも協議会に入っていただく方が良いのではないか。


(酒井委員長)

 ありがとうございます。非常に重要な御指摘をいただきました。

 次、佐々木委員、お願いします。


(佐々木委員)

 まず2ページの絵で「連携」という言葉が出てきております。先ほど、廃掃法の基本方針に盛り込む事項のところも、都道府県、市町村、国の連携が出てきて、非常に重要なことだと思うのです。当然それは「責任」という言葉と「連携」という言葉がくっついているわけで、連携していれば責任がなくなるわけでもないし、基本方針には責任とか何とかというのは出ていませんが、具体化をする時に、都道府県と市は連携していますと言ってお互いに責任をとらないとか、最終的には処理責任は市町村にあるのだから、市町村がやれというようなこととか間々ありがちなので、その辺は議論していただければありがたいなと思います。

 また、第一に、ブロック間の連携という以前に、地域ブロック協議会をきちっと立ち上げたので、活性化をしていただきたいということです。市町村の職員が行って、これは参考になるよ、これは行ったほうが良いよというような協議会にしていただきたい。どこにでもあるような情報が会議の形で伝達されると、行ってもネットで調べられるような内容だから行かなくても良いのでは、とならないように、活性化していただきたいなと思います。

 また3ページのところ、十分議論されてこういうことを書かれたと思うのですが、災害協定ですが、これは全国の自治体で、都道府県、市町村を問わずいろいろ行っております。その中で、混乱が起きるようなものは当然困るわけですが、例えば東日本大震災の時に、政令市の派遣協定ということで、仙台市へ政令市の部隊がたくさん行ったというようなこともありました。あるいは鉄鋼業繋がりで釜石市に北九州の部隊が入ったであるとか、そのようなことで、一時環境省は、平時から例えば少し離れた地域で繋がりのあるところは連携あるいは協定を結ぶ、そういう検討をしたほうが良いのではないかというようなこともおっしゃられていたような記憶もあるのですが、ここで不公平ということになりますと、やっていないところはやっているところに対して、俺たちは来なくて不公平ではないかということに当然なるわけです。この辺の整理はきちっとしておいていただきたいなと思います。

 また5ページ、地域ブロック間連携で、地域ブロックは、例えば広域処理をする時に受け皿になり得るのか、なり得ないのか。僕はなり得ないと思っています。廃掃法の関係等々がありますので、都道府県なり市町村が、広域処理を地域ブロック協議会で決め得るのか、決め得ないのか、その辺は関係者が決めれば良いことなのかなと思うのですが、地域ブロックの権限というか、性格というか、その辺は少し明らかにしていただかないと、活性化の中でどんどんやっていったら、こんなこともやろう、あんなこともやろうということで、その辺がぎしぎししてしまう恐れもあるかなと思います。

 最後に要望を1点です。この地域ブロック協議会の中で、ぜひ国の災害補助の手続等について、きちっと市区町村に伝えて欲しいと思います。どういう時期に、どういう書類を作って欲しいであるとか。しょっちゅう経験することではないので、その辺はよろしくお願いしたいと思います。以上です。


(酒井委員長)

 どうもありがとうございます。

 それでは、次に荒井様どうぞ。


(荒井様 小林委員代理)

 2点あります。1点は、3ページ目のところで佐々木委員からもお話があったように、個別の協定が不公平の要因になる恐れがあるというところです。私も地域間協調ワーキングでも議論しましたが、例えば1都9県との震災時等の相互応援協定では、各々の都県同士で、被災した時にはどこの都県が対応するという形の協定があります。

 ただ、災害廃棄物処理の広域処理という観点から見たら、東京都が支援する場合は、処理可能な能力の面でポテンシャルが異なります。例えば、大規模災害については県単位で東京都が1万トン支援してほしい県と、100万トン支援してほしい県があった場合に、東京都内での処理可能量が100万トンを超える場合、1万トンの県を支援するだけでいいのかという話にもなってしまうかなというところで、そういう意味でこういう記述になっていると理解しています。

 2点目は、5ページ目の「災害廃棄物の広域処理の必要量の調整方針」の2つ目の○で、搬出速度は被災地から出るスピードをどれだけ出せるかということと、処理は受け皿での処理の能力ですが、その下に黒で「輸送の速度も重要な観点」と書いてありますが、広域輸送の速度も律速ポイントになるので、これは多分並列ではないかと思います。搬出できて、輸送できて、処理できるということで、搬出、広域輸送、処理速度が最短期となる方法論の検討かなと思っています。以上です。


(酒井委員長)

 ありがとうございます。

 では、次、大迫委員どうぞ。


(大迫委員)

 細かい点ではないのですが、この検討も2年目、3年目と続くと思いますので、今後に向けて少し頭に置いていただければなと思っている観点は、地域ブロック協議会と災害対応ということでもちろん最初は立ち上げるわけでありますが、地方環境事務所にとっては、環境省の出先として広域的にどのように課題を調整しながら解決していくかという最初の試金石になると思います。

 ただ、災害対策だけでこういう集まりみたいな場を維持していくのは、もしかしたら大変になってくる可能性もあります。既存の3R政策とかさまざまな課題も今は市町村、都道府県を超えた形で最適化しないといけないという時代にもなりつつあるので、既存の連携の取組みとの繋がりとか、あるいはそういったものも意識した形でこの地方ブロック協議会も育てていく観点も、将来的には必要ではないかというふうに思っていることが1点です。

 また、国があり、地域ブロックがあり、都道府県、市町村がある中で、既に市の間の連携という面では一部事務組合が存在していて、処理という面ではハード面で運営に当たっているところがあります。一部事務組合は今のところ、ハード面を含めて通常処理の運営がミッションなので、それを災害対応に広げることに関してなかなか大きなハードルがあるかもしれませんが、既に存在している共同的な団体、体制をどのように今後活かしていくかという視点も重要ではないかと思います。

 3つ目は、先ほど佐々木委員からも補助金の手続等についてありましたが、こういったものに関してきちっといろんなノウハウ等を伝達するという面では、人材ワーキングの議論もそういう形で、どのような検証をやっていくかというような議論もしているので、地域間協調ワーキングと人材ワーキングは密接に関係し合いながら、今出ているような課題に答えていくような形で議論を進められたらなとも思っています。以上です。


(酒井委員長)

 どうもありがとうございました。

 渡邊委員、お願いします。


(渡邊委員)

 5ページに広域処理実施の前提条件というのがあって、3つともごもっともだと思うのですが、「円滑・迅速な」というのが○の2つ目にあって、これに入っているのかとも思いますが、広域処理の条件ということで、緊急的な、という概念もあるのかなと思います。

 例えば冷凍水産物が流出したものを海洋投入処分したのですが、処分しきれないものについては、実は宮城県内で処理できなかったので、山形県にお願いしたということがありました。そういった緊急性といった概念もあるかなということを申し上げたいと思います。


(酒井委員長)

 どうもありがとうございます。

 それでは、今いただいた御質問、御意見に、まず浅利委員で可能な範囲で、あと環境省から追加がございましたら、お願いいたします。

(浅利委員)

 ありがとうございます。

 まず、大迫委員からいただいた地域ブロック協議会の役割の特に将来像というところでは、おっしゃっていただいたような幅広の廃棄物について扱っていこうということは議題にも出ておりましたので、まずは計画策定をかちっとやっていただいて、その後、まだ立ち上がったばかりですが、佐々木委員もおっしゃったような活性化あるものを目指していくということは念頭に置いていろいろ考えたいと思います。またお知恵をお願いしたいと思います。

 また、2ページ目の図の中でさまざまなコメントをいただきましたが、「連携」と一言できれいに書いてあるのですが、責任も明確にというところで、先ほどの基本方針も含めていま一度読み込んで、責任として発災時にやるべきこと等についても一定の整理ができるかなと考えております。都道府県に関しては調整の責任がメインになってくると思いますが、基本は、既存施設でできる限り市町村に頑張っていただくような絵をしっかり描きたいなと思っておりますし、加えて一部事務組合の業務もまだまだ意識がそこまで行っていないのではないかという御指摘がワーキングの中でも出ておりますので、そこも将来的には、人材育成ワーキングとも連携しながら考えていく必要があると考えているところでございます。

 3ページ目の災害協定が混乱、不公平の要因という部分、これは中林先生からも強く言っていただいておりますが、協定の種類であったり、分析した上で整理をしていく必要があるかなと考えております。ここは取扱注意で進めたいなと思っております。

 4ページ目の図も含めて、牧委員から、自衛隊、防災関連部局、警察というようなキーワードが出てまいりました。御遺体は、東日本でも全て警察立ち会いでというようなことも聞いておりますので、必要な視点と思います。

 地域ブロック協議会に一々オブザーバーとして出ていただくのは難しいかもしれませんが、防災とかそちらの専門家の方々を巻き込むことであったり、適宜テーマに応じてとか、地域ブロック協議会に出てきても、なかなか顔を突き合わせて本音で議論というところまで行かない部分もありますので、都道府県に落としてやっていただいているところもあると思います。そういうところでオブザーバーとして要所要所で来ていただくようなことも含めて提案していきたいなと思います。ありがとうございます。

 5ページ目は、御指摘を反映させていきたいと思います。緊急的な処理、それから広域輸送速度、このあたりは技術ワーキングとも連携しながらの検討かなと思います。

 以上が私からです。補足があればお願いします。


(切川係長)

 1点だけ、佐々木委員からありました、ブロック間連携の時に地域ブロック協議会が受け皿になり得ないのではないかという議論に関してです。確かに受け皿として、処理の主体として地域ブロック協議会があるとは考えておりません。事前の備えとして、ブロックの中でどれぐらい処理ができるのかという処理可能量とか、その中でどれぐらい仮置場にできる土地があるのかという情報等、あらかじめ自らの処理のために整理していた情報というのは支援の段階でも非常に有効な情報になります。まずその情報を一元的に持っているというところが非常に重要だと思っております。

 その上で、他のブロックからこれぐらいの量を初年度支援いただきたい、受け入れていただきたいという情報がありましたら、それがどこまでできそうなのかというのを最初の情報でざっと見積もってみて、その上で、地域ブロック協議会を通じてか、それとも個別にやるのか、そこはまだ具体的に議論する必要があると思うのですが、その上で受け入れることができるでしょうかという形で進めていくという形になるかなと思っております。

 最初から受け皿という整理よりは、そういう調整機能がうまく動いていければいいなと考えているのが現状です。いただいた御意見に関しても、ワーキングでまた議論していきたいと思っております。


(酒井委員長)

 どうもありがとうございました。

 災害の補助手続の訓練云々というような話もありましたが、その辺は可能ですよね。


(切川係長)

 はい。


(酒井委員長)

 そのあたりも含めて行っていただくということで、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、今日いただきました御意見、ワーキングで課題ごとに検討を進めていただければと思います。


(4)平成27年度9月関東・東北豪雨災害における災害廃棄物対策について


(酒井委員長)

 それでは、次の報告事項に入らせていただきたいと思います。

 この9月の関東・東北豪雨災害における災害廃棄物対策について、事務局から説明をお願いいたします。


(和田廃棄物対策課長)

 それでは、資料7「平成27年9月関東・東北豪雨災害による災害廃棄物対策について」という資料を御用意いただければと思います。

 前回も少し言及させていただきましたが、もっぱら9月10日が中心でありました、特に大きな被害のあった常総市の水害関係を中心に、水害が原因で発生した災害廃棄物の対応について、環境省として、関係自治体との連携、または関係団体との連携のもとでどのような取組みを行っているか、行ってきたかというポイントを御紹介させていただきたいと思います。

 1枚目、本日時点までのということになっておりますけれども、台風18号について、「特に茨城県(常総市等)」と書いておりますが、特に常総市が非常に大きな水害を受けたところです。栃木県では小山市、栃木市の両市が、それぞれ床上、床下の浸水がやや多かったようです。その他では、今挙げました市よりも桁としては小さかったようですが、いずれも非常に広い範囲での水害ということで、それぞれの文字が見にくいですが、関東から東北に渡って縦状に被害が広がっていた、非常に大きな災害となったところです。

 10月7日には激甚災害として閣議決定も行われた次第です。

 2ページからは、環境省としてどのような対応を行ったか等について御紹介をしたいと思います。

 まず「これまでの対応状況」です。実質発災は9月10日でしたが、当日、また翌日に関東と東北それぞれの地方環境事務所に環境省としての災害対策本部を設置いたしました。そのもとで必要な事務連絡の発出でありますとか、関係省庁との連絡を行ってきたわけですが、先ほども紹介がありましたように、災害廃棄物処理支援ネットワーク(D.Waste-Net)は本来9月16日の発足だったのですが、数日前倒しさせていただいて、ここにありますように、有識者、技術専門家等の派遣、さまざまな団体への要請等を行って、さまざまな御支援を受けたところでございます。

 あわせて、先ほども話題になりましたが、昨年の広島土砂災害と大きく違うのは、災害廃棄物の発生量は恐らくそこまで大きくならないかもしれないが、補助制度、分別方法、仮置場の設置の方法等について、被災を最も受けた常総市に必ずしもノウハウがあるわけではなかったということもあり、それらについて環境省、県もケアするのにかなりのパワーを要したところです。

 そのようなこともあって、特に常総市については、環境省、また関係の財団法人等から常駐者を派遣するというフレームワークを初めてとらせていただきました。それで現場での情報収集、助言等に加えて、今まさに進行形ですが、災害廃棄物処理実行計画を市が策定するわけですが、少なくともこれまで策定したこともないという自治体でありましたので、とても助言なしには難しいということで、しっかりと助言していくという対応を行っているところです。

 あわせて、補助金のフレームワークについても、かなりきめ細かく説明しており、今後も引き続き行っていきたいと考えています。今後はまた新たな補助金もありますし、技術的、制度的な支援についても書かせていただきました。

 およそこのような内容で支援を行わせていただいたところですが、今日のこの検討委員会の場で御紹介したかったのは3ページです。この夏、7月10日に法律が可決して、1週間後の7月17日に公布されました。法律としては非常に珍しいケースだったのですが、20日後施行というかなり短い施行期間しかとらず、8月6日に施行させていただいたところです。

 その結果、1つは、法律の条文適用の関係でいくと、赤く囲っているところですが、特例措置の関係で今般適用することに相なりましたのが、下の「茨城県常総市」というところに書いてある2番目の○のところで、産業廃棄物処理施設において事後届けで処理を開始できますということです。処理する廃棄物の性状が一廃と類似であるもので対応できる産廃処理施設において、従前のフレームワークであればあらかじめ届け出が必要なわけですが、事後届け出で処理を開始することができ、常総市でも非常災害と位置づけて、この15条の2の5の特例を発令したところです。

 あわせて、今後特に想定されるものとしては、仮設の選別施設も新たに設置する必要があるのではないかということで、9条の3の3の特例もございまして、こちらも手続の簡素化が適用される予定です。

 さらに常総市の関係ですと、ここには○として起こしていないのですが、法律の整備とあわせて政省令も改正しておりまして、特に政令の再委託ができるように今般なりましたので、常総市では既に再委託の条文適用も行っているところです。

 それとは別に、「D.Waste-Netを活用し」というところがございます。ここについても、法律の観点でいえば、基本理念ももちろんですが、上を御覧になっていただくと「関係者間の連携・協力の責務の明確化」とございまして、それを踏まえてのD.Waste-Netの発足でありますので、今般、ブルーの箱両方とも適用されることになったということで、かなりタイムリーな対応ではなかったかなと思っているところです。

 おめくりいただきまして、D.Waste-Netについてです。このフレームワークは、上の絵は今日もう既に何度も御議論の中に出てきましたので割愛しますが、御覧になっていただきたいのは活動実績のところです。9月10日から数日後の9月14日に、いずれもD.Waste-Netメンバーになっているところですが、国立環境研究所をはじめ日本環境衛生センター、3R財団等に現地調査に加わっていただいて、仮置場の調査、助言等を中心にインテンシブにアドバイス、サポートいただいた次第です。

 また、22日には、まさにD.Waste-Netメンバーということもございまして、酒井委員長に、常総市を中心に被災状況の現地調査にも行っていただきました。まさにこの委員会としてのプレゼンスを大きく発揮できたのではないかと思っているところです。

 また、日本環境衛生センターにつきましては、先ほど現地の常駐ということも申し上げましたが、環境省に加えて、日本環境衛生センターからも御支援いただきました。

 さらには、全国都市清掃会議の佐々木専務にいろいろお骨折りいただいたところです。横浜市、名古屋市チームということで、横の写真に「災害応援隊」と書いてありますが、そこにありますように、きめ細かな一般廃棄物の収集のところに対応していただいて、常総市長からも非常に感謝をいただきました。

 ここには日付はありませんが、9月30日には、前副大臣と前政務官が現地視察に入り、その際にさまざまな要望もございましたが、総じて環境省には非常に大きくサポートいただいたということをおっしゃっていただいて、その場では、特に横浜市と名古屋市のチームのことについて非常に大きく取り上げていただいて、市長、茨城県の副知事であります県の災害対策本部長から感謝をいただいたところです。

 最後に技術的な紹介をさせていただきます。今回の常総市の水害への対応関係で、これまでこの検討会やワーキングでノウハウを蓄えてきましたので、今回は、発災直後に災害廃棄物の発生量のもとになるような床上浸水や床下浸水、さらには全壊、半壊等をシミュレーションできないだろうかという課題にチャレンジしてみました。

9月14日の茨城県の発表では、床上浸水4,400棟、床下浸水6,600棟とありました。

少々見にくいのですが、表を御覧いただきますと、基本的には2.の1行目にあるように、光学衛星データを使って、最初に、発災直後に、水没エリア、いわゆる溢水エリアの外縁を特定し、その中にある建物について、それぞれ深さで何センチ浸水したことになるのかについて、2つのケースについて、床上浸水、床下浸水をシミュレーションしてみました。予測結果では、ケース2では一定の精度があるのではないかと思っております。

 その後、茨城県の第2次的な発表では、半壊と大規模半壊については現地の調査でわかってきた新しいデータが加わりましたので、これらと環境省のケース1、ケース2とを比べてみると、もちろん誤差は出てきますが、ケース1もケース2もオーダー的には違っていないということと、ケース1とケース2の間で少しケース2に寄っているという点もわかってきております。

 このぐらいの精度があるということで、我々は、これからまだ磨きがいがあると思っています。今日確定させていただいた災害廃棄物の行動指針を踏まえ、発災後速やかに発生量の推計を行うため、このデジタル画像解析は発災後1週間ぐらいで行いたいと思っており、一定の精度で使えるのではないかというところのノウハウも我々の知見として蓄えさせていただいたところです。

 以上、御報告でございます。


(酒井委員長)

 どうもありがとうございます。御質問ありますでしょうか。よろしいですか。

 それでは、今回の豪雨災害における災害廃棄物対策、また多くの教訓が整理できるものと考えております。事務局におかれましては、今後の情報整理を進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、最後に、全体を通じて何か御質問、御意見ありますでしょうか。

閉会

(酒井委員長)

 なければ、本日、その他ということで事務局から説明をお願いいたします。


(切川係長)

 今後のスケジュールについて、資料8を御覧ください。

 当初の予定では、次は3月に最終回を開催させていただく予定でおりましたが、1回追加させていただき、次回はワーキングの進捗状況について御報告させていただきたいと考えております。

 次回の検討会の日程ですが、ここにありますように、来年の1月21日13時30分から開催したいと考えております。後日改めて場所等の御連絡をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 また、本日の議事録については、原案を作成いたしまして、委員の皆様に御確認いただいた後、環境省ホームページに掲載する予定ですので、こちらもよろしくお願いいたします。


(酒井委員長)

 本日はさまざまな御意見を頂戴いたしまして、どうもありがとうございました。

 事務局におかれては、委員の方からの御意見を踏まえまして、今後の準備をよろしくお願いいたします。

 これで第4回の災害廃棄物対策検討会を終了したいと思います。本日はどうもありがとうございました。

(了)