環境再生・資源循環
平成25年度巨大地震発生時における災害廃棄物対策検討委員会第5回議事録
日時
平成26年2月28日(金) 16:00~18:34
場所
イイノホール&カンファレンスセンター
出席委員
- 委員
- 浅利 美鈴 宇山 竜二
大迫 政浩 大塚 直
勝見 武 貴田 晶子
近藤 守 酒井 伸一
佐々木五郎 笹出 陽康
杉本 明 鈴木 武
永田 尚人 濱田 雅巳
平山 修久 福本 富夫
森 浩志 吉井 真
(敬称略)
委員以外の出席者
- (事務局)
-
- 環境省
- 井上副大臣、梶原廃棄物・リサイクル対策部長、廣木企画課長
山本廃棄物対策課長、松田補佐、若林補佐、大庭補佐、切川係長 - パシフィックコンサルタンツ株式会社
- 鶴長、上田、鶴見、山口
議題
- 開会
- 議事
- (1)災害廃棄物等の発生量の推計について
- (2)災害廃棄物等の要処理量の試算と処理施設における処理可能量との比較検討について
- (3)災害時における廃棄物処理対策に関する調査結果について
- (4)本年度のとりまとめの骨子(素案)について
- (5)その他
- 閉会
配付資料
- 資料1
- 巨大地震発生時における災害廃棄物対策検討委員会 委員名簿
- 資料2
- 災害廃棄物等の発生量の推計
- 資料3
- 災害廃棄物等の要処理量の試算と処理施設における処理可能量との比較検討
- 資料4
- 災害時における廃棄物処理対策に関する調査結果
- 資料5
- 本年度のとりまとめの骨子(素案)
- 資料6
- 今後のスケジュールについて
- 参考資料1
- 巨大地震発生時における災害廃棄物対策検討委員会開催要綱
- 参考資料2
- 第4回巨大地震発生時における災害廃棄物対策検討委員会議事概要
議事
(松田補佐)
それでは、定刻になりましたので、ただいまから第5回巨大地震発生時における災害廃棄物対策検討議会を開催いたします。
委員の皆様には、ご多忙の時期にもかかわらずお集まりいただき、ありがとうございます。
それでは、まず、井上環境副大臣よりご挨拶をいただきます。
(井上副大臣)
酒井委員長を初め、委員の先生方には、本日もご多忙のところお集まりいただきまして、感謝を申し上げます。
また、これまでの4回の議論の中で、委員の皆様に熱心にご議論をいただいたおかげで、東日本大震災での知見や経験が集約をされ、大規模災害による廃棄物対策についての課題などが整理されてきましたことに重ねて感謝を申し上げます。
東日本大震災からもう3年が経過をし、膨大な量の災害廃棄物につきましては、地元自治体による懸命な処理や、あるいは広域処理の受入れなど、関係者の方々のご尽力によりまして、岩手県・宮城県では、おかげさまで今年度中に災害廃棄物の処理が、完了をする見込みとなりました。しかしながら、それまでの過程におきましては、多くの教訓が存在したと考えております。
私は、この東日本大震災の教訓から学び取り、いつ来るかわからない次なる災害に向けて、事前に対策を講じ、迅速に対応をするための体制を早急に整備していくことの重要性を強く感じております。本委員会は、政府一体となって推進している国土強靭化の一環としても、大規模災害に対する備えを万全にしていくために、極めて重要な役割を持っているものであります。
本委員会も、今日を入れまして残すところあと2回、本日の委員会の中で、具体的な大規模災害時における廃棄物の発生量や、一定の制約条件のもとで算定した処理可能量をお示しし、今後の取り組みについて、ご議論をいただきたいと考えております。
その上で、次回3月末の委員会におきまして、今年度の中間的なとりまとめを行っていただきたいと思います。中間とりまとめにおきましては、災害廃棄物の円滑な処理に向けた、実効性のある対策を盛り込むことをお願いいたしたいと思います。そのとりまとめを受けまして、次年度からは、地域ブロックごとに関係者が一堂に会することで、より具体的な対策について議論を深めてまいりたいと思います。委員の先生方には、引き続きご指導をいただきますように、どうぞよろしくお願い申し上げます。
(松田補佐)
それでは、引き続きまして、資料の確認をお願いしたいと思います。
まず、資料でございます。お手元にございますが、1枚目が座席表でございますが、そこをめくっていただきますと、議事次第、1枚ございます。そこの次第の中の配付資料を読み上げますので、資料のご確認をいただければと思います。
資料1が、まずこの検討委員会の委員名簿でございます。また、1枚めくっていただきまして、パワーポイントの資料ですが、資料2として、災害廃棄物等の発生量の推計。その次にいきまして、資料3、災害廃棄物等の要処理量の試算と処理施設における処理可能量との比較検討。これもパワーポイント資料でございます。
その次の資料、資料4ございますが、災害時における廃棄物処理対策に関する調査結果。これもパワーポイント資料でございます。また、資料5、これもパワーポイント資料ですが、本年度のとりまとめの骨子(素案)。その次に行きまして、資料6、今後のスケジュールについてということで、こちらはワードの1枚紙の資料ということでございます。また、参考資料二つ、開催要綱と、前回の委員会の議事概要をおつけしております。
また、机上において、委員の皆様限りで資料4のアンケートに関する調査の結果について、参考までに配付をさせていただいております。資料の過不足等ございませんでしょうか。もし資料の過不足等ございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。
また、本日の委員の出席状況ということでございますが、伊藤委員、吉岡委員はご欠席でございます。また、濱田委員からは、若干おくれるという連絡を受けているところでございます。
ここからはカメラ撮りはご遠慮くださいますようお願いいたします。よろしくお願いいたします。
また、井上環境副大臣におきましては、本来であればこの検討委員会に最後までおられる予定だったのですけれども、国会もございますので、途中で退出をさせていただきたいと思います。ので、よろしくお願いいたします。
また、一般の傍聴者の方におかれましても、写真撮影、ビデオ撮影はご遠慮いただき、携帯電話の電源もお切りいただければと思います。
それでは、以降の進行は酒井委員長にお願いしたいと思います。
酒井先生、よろしくお願いいたします。
(酒井委員長)
それでは、早速会議に入らせていただきたいと思います。
先ほど、井上副大臣のほうから、今回から次回のこの検討委員会に向けて、実効性のある対策をというご指示がございました。このあたりを頭に置いて議論を進めさせていただければと思います。
今回は、災害廃棄物等の発生量の推計、それから要処理量の試算とその処理施設における処理可能量との比較検討、さらには、災害時における廃棄物処理対策に関する調査結果、そして本年度の取りまとめの骨子という、大きくこの4点をご議論いただければというふうに思います。 時間が限られておりますので、資料2から4につきましては、前回の検討委員からの変更点を中心にご説明をよろしくお願いいたします。
それでは、まず、資料2の災害廃棄物等の発生量の推計について、事務局より説明をお願いいたします。それで続いて、作業グループのワーキンググループの委員長である勝見先生から、発生量と次の課題である要処理可能量も含めて、ワーキンググループでの議論を踏まえた発言をお願いしたいと思います。
それでは、まず、事務局のほうから資料の説明を始めてください。お願いいたします。
(切川係長)
それでは、資料2について説明させていただきます。
災害廃棄物発生量の推計についてです。
まず災害廃棄物の発生量の推計方法についてご説明をさせていただきます。
めくっていただきまして、3ページ目に目的を示しております。災害廃棄物の推計に関しましては、地域別に種類別の災害廃棄物量を推計するということを目的としております。
続いて、4ページ目。こ南海トラフ巨大地震で対象としている事象を示しております。地震においては、被害が大きい陸側ケースのみを対象としまして、津波ケースにおいては、ここに示す四つのケースを対象としております。
続きまして、5ページ目。こちらが首都直下地震の対象とする地震を示しております。こちらでは、内閣府が設定をしています首都中枢機能への影響が最も大きいとされている首都南部直下地震の一つのみを対象としております。
6ページ目に移ります。こちらでは被害区分を示しております。被害区分としましては、全壊に追加しまして、半壊、床上浸水、床下浸水の四つの区分について、定義をすることとしております。
続きまして、7ページ目。こちらでは被害要因を示しております。液状化、揺れ、津波そして火災の四つの要因において、建物の受ける被害を設定することとしております。下の表にありますように、液状化、揺れ、津波に関しましては、手法を用いましてこちらで被害想定を行っております。火災に関しましては内閣府の南海トラフの巨大地震での火災焼失棟数と、首都直下地震の火災焼失棟数。こちらで棟数を使っているというものになっております。
8ページ目に移ります。ここからは原単位についてです。原単位に関しましては、まず前提条件としまして、住家の被害、全壊棟数というものが、災害廃棄物の処理量と大きく相関で見られることから、重回帰分析を行うことによって算出するというふうにしております。その過程で、重回帰モデルの、特に統計的有意性があるということで、半壊の発生原単位に関しましては全壊の20%と設定しております。
続きまして、9ページ目に移ります。こちらは第4回の検討委員会でお示ししたとおりで、全壊に関しては117トン、1棟当たりという原単位としておりまして、半壊が23トン、床上浸水・床下浸水に関しましては、既往の成果をもとに1世帯当たり4.6トン、0.62トンと定義しております。この原単位の特徴としましては、赤い色に示しておりますとおり、推計対象地域における住家・非住宅建物及び公共施設系の災害廃棄物を含んだ全体の発生量を算出できるというところが、大きな特徴となっております。
続きまして、10ページ目に移ります。こちらでは、発生原単位の比較をしております。1ポツのところが、この算出しました117トンになります。2ポツ目が、内閣府による南海トラフ巨大地震の被害想定から算定をした発生原単位を示しております。こちらは下の表にありますように、災害廃棄物の発生量に対する被害棟数、こちらを割り算することによって出したもののうち、一番高いものが105トンとなっています。3ポツのところが、同じく内閣府による首都直下型地震の被害想定から算定した発生原単位です。こちらに関しては161トンとなっております。4ポツ目ですけれども、第4回の検討委員会では113トンとお知らせしておりました、阪神・淡路大震災の原単位ですが、前回のものでは半壊を全壊の50%と定義した上での推計の発生原単位となっておりまして、今回、新たに半壊は全壊の20%と定義をしておりますので、その定義に基づきまして再計算した結果の150トンという結果をお示ししております。
続きまして、11ページに移っていきます。ここでは、どの原単位を用いるかということを整理しております。南海トラフ巨大地震に関しましては、本検討で算定した発生原単位、1棟当たり117トンというものを使用します。これに関しては、災害廃棄物に津波による土砂が混入・付着していたことということが、大きな要因として内閣府よりも数字が大きいというふうに考えております。
その結果、赤字で示しておりますとおり、本検討で算定した発生原単位というものを用いるというふうにしております。首都直下地震に関しましては、本検討の117トン/棟は、東日本大震災の処理実績に基づくものでありまして、広域的な津波災害を伴う発生原単位です。一方で、津波被害を伴わない都市部における都市直下型地震の発生原単位に関しては、阪神・淡路大震災では1棟当たり150トン。首都直下地震では内閣府より算定した161トンと算定をされておりまして、大きく上回っている値となっております。
本検討で算定した発生原単位では、発生量の推計が過小となる恐れがあるため、首都直下地震の発生量の推計に関しましては、内閣府の首都直下地震の被害想定から算定いたしました発生原単位、161トン/棟を用いまして、それに対して半壊を20%設定した値を原単位として設定をすることとしております。
12ページに移ります。こちらでは、火災焼失に伴う災害廃棄物の発生量に関して示しております。これに関しては、大きく二つに分けられます。[1]として、揺れ等による被害想定にカウントされていない建物が火災焼失する場合、[2]揺れ等による被害想定にカウントされている建物が火災焼失する場合というものに分けられます。
[1]に関しましては、先ほど示したとおり内閣府の焼失棟数を用いることとします。さらに、木造と非木造では、火災焼失による減量分というものを考える必要があるということで、それぞれに対して減量率を設定することとしております。
13ページに移っていきます。ここではその減量率について示しております。木造に関しましては、既往の原単位。阪神・淡路大震災のときに作成しましたものから、木造の合計値の0.312トン/m2というものと、火災による焼失するこの0.20トン/m2。この差分を減量率として、34%減量すると定義をしております。
さらに、非木造に関しましては、火災焼失の原単位というものが存在しませんので、この木造の原単位を用いまして、非木造建物に存在する可燃物・プラスチック等が木造建物と同じ割合で減量をすると設定しまして、算出としております。その方法に関しましては、木造の建物の廃木材で、その他に関する減量率、それぞれ廃木材が99.5%、その他が17.4%というものを下の表にあります非木造のRCとS造それぞれに対して掛けることによって、その合計値がどれだけ減量をするかというところで、非木造に関しましては火災で焼失しない場合には0.944トン/m2に対して、先ほどの方針に基づいて算出した場合には0.794トン/m2になりますので、その差分の16%というものを減量率として定義しております。
続きまして、14ページに移っていきます。こちらでは種類別の割合の設定について示しております。前回までは、液状化・揺れ・津波において東日本大震災の実績と、用いた南海トラフ用の種類別の割合、そして首都直下の割合を阪神・淡路大震災の事例を用いて示しておりましたけれども、これに関して、首都直下地震に関しましては、既往の文献の発生原単位に、被害を受けました9都県。こちらの構造別の建物棟数を考慮して、種類別の割合を見直しております。その結果がこちらになります。
さらに、火災に関しましては、可燃物が減るということが先ほど示しておりますので、そのデータに基づきまして、木造・非木造それぞれに対して、このように種類別の割合を設定しております。
続きで15ページに移っていきます。こちらは津波堆積物の原単位になります。これは第4回で示したものと変更はしておりません。
続きまして、17ページに移っていきます。こちらでは、南海トラフ巨大地震と首都直下、それぞれの発生原単位の推計結果を示しております。
18ページに移ります。南海トラフ巨大地震に関しては、津波の四つのケースごとに発生量を推計しております。首都直下型地震に関しては1ケースのみを対象としております。火災に伴う災害廃棄物の発生量に関しましては、他の被害要因と異なりまして、発生時間帯や風速によって影響を受けるため、影響が最小になるケースAと、最大になるケースB、2種類を推計しております。
めくりまして19ページに移ります。こちらが南海トラフ巨大地震、首都直下地震それぞれの算定した結果となります。ここでは、対象とするケースとして、津波による1、2、3、4のケースと、A、Bの火災の影響というものを示しておりまして、最大となるものが、災害廃棄物では約3億2,000万トン、津波堆積物では約2,700万トンというもので、合計しますと東海地方が波源域として非常に高い津波が来るという設定をしたケース1の、中で火災が大きい1のBというものが最も大きく、3億4,900万トンといった結果になりました。参考までに、次の20ページに内閣府の結果を示しております。
めくっていただきまして、21ページに移ります。こちらでは、南海トラフのものに関して、今回のケース1から4までと、内閣府の数字を比較しております。災害廃棄物の発生量の総量が、火災の条件で同じであれば、津波の波源域の違いはほとんど見られなかったという結果となっております。この内閣府の2億5,000万との差分に関しましては、半壊と床上・床下浸水を追加で整理をしておりますので、その部分が追加になったという整理になっております。
22ページ目が、それを分布図で示したものになります。こちらでは、火災の分は含めていないものとなっております。
めくっていただきまして、23ページ目から26ページまで。こちらでは、災害廃棄物の発生量の種類別の割合を示しております。
27ページ目に移ります。こちらでは、首都直下地震の発生量の推計結果を整理しております。最初のケース、6,500万トン、最大で1億1,000万トンに対しまして、内閣府は9,800万トン、こちらに関しましても半壊の分というものが追加をされて、環境省のほうが大きいという結果になっております。
めくって28ページ目、今後の課題として、発生量の原単位の制度の向上を次年度以降も図っていくというふうに考えております。さらに、地域ブロックごとの検討の深化としまして、都道府県ごとの単位で情報を整理しつつ、具体的なシナリオを整理することを考えております。さらに火災の影響に関しましては、今回は建物棟数をそのまま使いましたので、建物被害の予測の方法を検討することとしております。さらに、追加的に考慮すべき項目としまして、既存のリサイクルシステムで処理をされました廃自動車や廃家電についても、仮置場を確保する必要がありますので、こちらの推計方法についても検討をしてまいりたいと考えております。
最後に29ページ目以降が発災後における進捗管理に関して示しておりまして、こちらでは新しく31ページ。最後のページに事例を紹介させていただいております。
以上で説明を終わらせていただきます。
(勝見委員)
作業部会を担当させていただきました京都大学の勝見です。
作業部会のメンバーは、資料6の裏のページにございますように、災害廃棄物を含む廃棄物処理に、ご専門の民間行政の方々並びに学識経験者というメンバーで特に東日本大震災のご経験を前線で持っておられる方、並びに首都直下型地震南海トラフ地震についての一定の検討をされている方々にご参画をいただいてきたということであります。
先ほど、事務局からご説明のありました、まず発生量につきましては、東日本大震災の実績も踏まえまして、しかし、火災焼失といった不確実性もあるというような課題もございまして、そういう課題も残しながら議論を進めてきたということがございます。今ある知見で、どこまでの答えが出せるのか、数字が出せるのかというふうなことで、理想もあるわけですけれども、限られた情報、それから過程といった中で、現状では安全側と言える数値が出されているのではないかというように考えております。
これは来年度以降、どういう処理をしていくのかということにつなげていくためのものでございまして地域ブロックでそれぞれ検討をしていく地域特色を踏まえた検討がさらに必要になってくるというようなものでございます。それから次の議題につきましても、今、あわせて発言をするようにということでございますが、作業部会でも処理能力の残量処理可能量というようなことで議論をさせていただきました。当初、産業廃棄物処理施設をどう取り扱うのかというような議論もございましたけれども、被災をされるというような想定も含めて、実績も含めて、地域によってどういうキャパシティがあるのかという議論をして、検討いただいているというようなことでございますし、それから、果たしてキャパシティがあっても受け入れていただけるのかどうかという観点もございます。これも、東日本大震災の実績に照らして、比較的安全側で幅も持たせて安全側でというような検討を事務局にお進めいただいたということでございます。
私からは以上でございます。
(酒井委員長)
どうもありがとうございます。
事務局のほうと、それから勝見先生のほうからご説明をいただきました。
それでは、この資料2につきまして、ご質問、ご意見をお伺いしたいと思います。
ご質問、ご意見のある方はどうぞ、いつもどおり、名札を立てていただきますようにお願いをいたします。
いかがでしょうか。静かですね。いいですか。
特段のご意見がなければ、済みません、1点だけ。最後、事務局の説明を少し飛ばされたのですけれども、災害廃棄物の発生量の進捗管理の部分です。最後の2枚。ここの部分、今ご説明をいただいたことと、それと実際に目の前にしたときに、この量をいかに早く正確に把握をしていくか、あるいはそれをどうリバイスするかといった点は、極めて重要かと思います。その点につながる点を説明しておいていただけませんか。
(切川係長)
それでは、資料2の30ページ目のスライドを説明させていただきます。
災害廃棄物処理を計画的に進めるためには、発災後、速やかにその時点で把握できる被害状況の情報を持ちまして発生量を推計し、その時点での当初の処理計画を作成するということが非常に重要になってきます、本日ご説明をさせていただきました部分は、計画時点のものです。その精度をいかに上げていくかということになってくるんですけれども、被害状況の把握の深度を受けて、より正確な被害状況の情報。こちらを取り入れて算出していくということをこちらでは示しております。
具体的には、発災前に関しては、災害情報に関しては内閣府のハザード情報を用いておりますし、被害情報に関しては想定した結果を用いています。発災後に関しましては、被害状況だと津波の浸水範囲だとか、浸水深といったものを衛星の写真などを用いたり、消防の被害報といった、実際の被害棟数を用いることによって、精度を上げていくということが重要ではないかと考えております。
その結果を踏まえまして、災害廃棄物の処理計画の見直しを適宜行い、順次精度を上げつつ災害廃棄物の処理の進捗管理を行っていくということが非常に重要だというふうに考えております。
具体的な事例というものが、31ページのほうに示させていただいております。こちらでは、ある市の進捗管理というものを示しておりまして、具体的にしめしています。この市では発災後4月に、独自に集計をされた倒壊棟数を使いまして、既存の最新の住宅統計調査等から求めた平均の延床面積等を使われ、被害想定を行っています。い発生原単位に関しては、その時点で最新であった阪神・淡路大震災の震災廃棄物対策指針に載っている原単位を使われています。津波堆積物に関しましては、国土地理院のホームページの浸水面積を使って、堆積厚を3センチとして比重をかけて算出されています。
その後、6月、7月の間では、統計データから算定しましたS造・RC造の割合や被災自治体における財務課の発表のデータを用いまして、より具体的な倒壊棟数へと数字を改めていっっておられます。
その後、8月以降はトラックスケールを随時設置し、堆積から換算した重量ではなく実際にはかられた重量を用いまして、実績と推計をうまく使い分けながら推計量を見直していっておられます。
以上でございます。
(酒井委員長)
どうもありがとうございます。
進捗管理の方法論についても、今、ご説明をいただきました。
では、全体について、特にご意見はよろしいでしょうか。
宇山委員、どうぞ。
(宇山委員)
27ページの原単位なんですけれども、別にこれはこれで一つの結論として異議を言うわけではないのですけれども、161トンに対して、木造で全焼して107トンで34%減、既存の知見を活用したということで。例えば中央防災会議で、たしか2001年だったと思うんですけれど、出ている原単位だと、木造は平米当たり0.6で、火災は0.23ぐらいだったと思うんですけれど。それだと、もう60何%ぐらい減量をしていると思います。
いろんな研究があると思いますので、どれを使うかというのもあると思うんですけれども、火災によってどれぐらい減るかというのは、結構その後どれぐらい燃やすのかとか、どれぐらい埋め立てるのかというところに関与してくると思うので、その来年度以降、さらに細かい検討をしていく中で、火災の原単位について、これがいいのかというのは、ちょっと検討をする必要があるのかなと思っております。
(山本廃棄物対策課長)
ご指摘ありがとうございます。
確かに、27ページを見ていただきますとわかりますように、今回、棒グラフが出ていますが、ケース5Aと5Bで、火災の影響というのが、特に首都直下の地震では非常に大きいので、そこをどういうふうに見込むかということで、発生量の予想ってすごく異なってきますので、今後、それぞれの地域の検討に落としていく際には、地域の状況をできるだけ掴んだものにしたいと。
それから、少し説明の補足をさせていただきますと、今回、作業をしている数字は、地域ブロックごとに数字はまとめておりますが、全て500メートルメッシュで、全てデータを積み上げておりますので、今回の特徴としましては、これから地域に落としていくというときに、500メートルメッシュデータで全てありますから、それぞれの市町村で、このようなシナリオの場合どれだけのものが出てくるのかというのが種類別に出てまいります。それをさらに地域の条件に当てはめて精査をすることによって、かなり具体の被害の様相というのが具体的に見えるようになる。
ここは平山先生にも大変なご努力をいただいて、こういった1棟当たりの原単位というものをつくり上げて、それにいろいろなデータをくっつけて、今整理をしておりますので、そういうベースができたということが大きいと思っております。これをそれぞれの地域で、それぞれの事情をしっかりとお聞きしながら、一方で精緻にすることによって、今ご指摘のあったような点は、しっかり考慮した中身にブラッシュアップをしていきたいというふうに思っております。
(酒井委員長)
よろしいでしょうか。
それでは、このあたりで今回のこの発生量の推計というところは、ほぼご了承いただいたということで、次に進ませていただきたいと思います。確かに今、宇山委員からご指摘にあった点、火災原単位に対してより精査をせよというところのご指摘は、ごもっともだと思います。そのためにも、今回は災害廃棄物を種類別に、可燃物・不燃物・コンクリートがら等々と、組成別に推定も行っていただいたということは。これは次に向けてのステップの第一歩かというふうに思っております。ぜひこのあたりも活用いただきながら、随意検討をいただければいいのではないかというふうに思っております。
それでは、発生量に関しましては、今回、おおむねご了承をいただいたというふうに思いますので、ここの中で書き込まれている課題、また今いただいたご意見を踏まえて、次年度以降、災害廃棄物の発生量の試算をさらに精緻に進めていただきますようにお願いをしたいと思います。 それでは、次の議事に入らせていただきます。
資料3の災害廃棄物等の要処理量の試算と処理施設における処理可能量との比較検討。これにつきまして、事務局のほうから説明をお願いいたします。
(若林補佐)
お手元の資料3に基づいて説明をさせていただきます。
災害廃棄物等の要処理量の試算と処理施設における処理可能量との比較検討ということで、下にブルーの囲みがありますけれども、二つのポツです。これは前回から変更があった部分についてだけ説明をさせていただきます。さらに、新しく試算をした、三つ目のポツですけれども、要処理量と処理可能量との比較検討の部分。これについて説明をさせていただきます。
資料ですけれども、初めのほうは前回で説明をさせていただいておりますので、まず、6ページに廃棄物処理施設の試算に関する設定を示してございます。図を見ていただいてもわかるように、これは一般廃棄物の処理施設を、首都直下の地震の被害の図に落とし込んでいるわけです。一廃の処理施設は位置情報がわかりますので、地図の上でプロットすると、その影響がわかると思います。
上の表を見ていただきますと、震度6弱については、全施設において1カ月間処理能力が35%低下するというふうに仮定しております。そのために、被災後1年間は処理能力が3%低下するということになります。
さらに、震度6強以上ですが地図上のオレンジ色から赤の部分に示されている施設が影響を受けます。これについては、全施設において4か月間処理能力が63%低下するというふうに想定をしております。このために、被災後1年間は処理能力が21%低下するということになります。さらに、産業廃棄物処理焼却施設については、一廃の施設のように、どこに存在しているかという情報が不十分のため、処理可能量が一律に低下すると設定をしております。
産業廃棄物処理施設の稼働実績を参考に、当該都道府県内の全ての処理施設における1年目の処理可能量が、50%低下すると設定をさせていただいております。
次は、一般廃棄物処理施設については、現在の稼働状況に対する負荷を考慮して、安全側になる低位シナリオ、それから高位シナリオ、その中間となる中位シナリオを設定しております。これは、前回の委員会で説明したとおりでございます。
一般廃棄物焼却(溶融)処理施設の表にシナリオ条件として稼働年数、処理能力、処理能力に対する余裕分の割合。これは施設ごとに、足切りをする数字を定めております。④番目の年間処理量の実績に対する分担率ですが、これは一般廃棄物処理施設、それから産業廃棄物処理施設、それぞれ東日本大震災での受入れの実績から定めています。、一廃の場合は1.7%から24.7%という実績を参考に、中位シナリオが最大で10%というふうに設定しています。産業廃棄物については、年間処理量に対する産業廃棄物の受入量の割合が、2%から153%ということです。D社の153%というのは、年間処理量に対するパーセンテージということですので、もともと処理能力が非常に大きいセメント工場の受入量が非常に多かったということになります。ここでは、中位シナリオで20%としております。
続きまして、10ページを見てください。これは廃棄物処理施設における処理可能量の試算結果、南海トラフの結果になります。左側の棒グラフは、災害廃棄物の処理可能量1年目ということで、これが被災をした施設の分の量を差し引いているものになります。右側の棒グラフは、2年目以降で処理できる可能量ということになります。棒グラフを見ていただくと規模感がわかると思いますけども、中部地方や関東地方は、非常に大きな処理可能量を持っています。一方、四国地方や、中部地方と比べてみますと、3倍ほど違うという結果となっています。
さらに1年目と2年目の被害による影響を比べると、中部地方の高位の数字は、右側の数字では265万トン、左側では201万トン、24%ぐらい減少しているということがわかります。
11ページです。首都直下地震。これについて、関東地方では被災後1年間は災害廃棄物処理可能量が33%から39%減少するという結果になっております。
続きまして12ページです。最終処分場の試算結果です。これも大きく地方によってばらつきがございます。例えば、関東地方のほうは高位で171万m3の処理能力があるにもかかわらず、四国地方については23%と、ばらつきがあります。
13ページです。参考に、既存施設の全容量を整理しております。
続きまして、災害廃棄物の要処理割合の設定を説明させていただきます。首都直下地震や南海トラフ大地震発生時に発生する災害廃棄物のうち、焼却処理を必要とする量と、埋立処分を必要とする量、この要処理割合を設定しております。南海トラフ地震の要焼却量の割合については、東日本大震災実績を参考にしております。首都直下の要処理割合については、種類別の災害廃棄物の割合が大きく異なっておりますので、資料2のほうで設定をした可燃物等の割合を参考にしております。要埋立処分割合につきましては、東日本大震災の実績を参考に設定しております。 一応、可燃分、不燃分それぞれ下に算出方法が書いてありますけれども、コンクリートがら、金属のほうは100%リサイクルするというふうに設定しております。
続いて16ページです。災害廃棄物及び津波堆積物の南海トラフ巨大地震の設定の、設定方針のところを見てください。東日本大震災の実績をもとに、上の表であらわした再生利用の程度に応じて、下の二つのケースを設定しております。ケースAについては、再生利用の度合いが高い設定です。ケースBについては、再生利用の度合いを安全側に見た場合です。
続いて、17ページになります。災害廃棄物及び津波堆積物の首都直下地震の設定でございます。首都直下地震については、災害廃棄物の使途別割合が東日本大震災と大きく異なるために、同じく資料2で設定した可燃物、不燃物、コンクリートがら等の種類の割合をもとにしております。そこで首都直下地震に適用した数字になりますけれども、ケースCとして、再生利用の度合いが高い場合、ケースDとして再生利用の度合いを安全側に見た場合ということで、8%、10%、要埋立割合は10%、20%という設定しております。
さらに火災焼失分の取り扱いについてですけれども、火災焼失した場合は、可燃物がほとんど焼失するということで、要焼却割合はゼロというふうに設定をしております。さらに再生利用についても困難になることが想定をされますので、再生利用の度合いも安全側に見た20%として、設定をしています。
続きまして19ページ。災害廃棄物の要焼却量と既存施設における処理可能量の比較でございます。災害廃棄物等の要処理量と既存施設における処理可能量を比較しております。要処理割合は再生利用の度合いが高いケースのAで、処理可能量としては中位シナリオを使っております。真ん中に赤の囲みで示した部分です。それぞれ要焼却量、焼却処理可能量、相当年数を表しております。相当年数というのは、一定の制約条件のもとに算出した年間処理可能量に対する要処理量を、年数に換算したものです。、本来は地域によって、それぞれ条件が異なりますが、今回は、一定条件のもとで割り算をしたというふうな年数であります。
それから、要埋立量についても相当年数を出しておりますそれぞれ比較検討の結果のところです。各ブロックの比較では、中部・近畿・四国地方に置いて。焼却・埋立処分割合とも10年を超える大きな相当年数となっております。全国統計の比較、これは下に赤字で書いている部分です。焼却では6年以上、埋立では8年から12年の年数がかかるという結果になっております。南海トラフの地震では、全国ベースで考えても、今回、設定をした条件によっては、既存施設の処理可能量では十分な対応をすることが困難というふうに考えられます。各ブロックにおいて、処理可能量の増強をする方策であるとか関東・東北地方まで含めた広域処理の対応方策の検討が必要となります。
ケースのBです。これは更に安全側に見たケースになり、厳しい数字が出ております。比較検討の結果を見ますと、それぞれ焼却処理、埋立処理とも10年を超え、全国統計で見ると、焼却処理で8年程度。埋立処理では16年から20年程度の相当年数を要するという結果になります。
続きまして、首都直下の場合です。首都直下の場合は、再生利用の度合いが高いケースCと、ケースDを上下の表にあらわしております。低位、中位、高位それぞれ見ておりますけれども、中位の数字を見ていただいたら、南海トラフと同じような表現になると思います。比較検討の結果です。関東ブロック内での中位シナリオによる比較では、焼却処理では3年から4年、埋立処分では8年から26年の相当年数を要するという結果になります。したがいまして、他ブロックとの連携方策の検討であるとか、災害廃棄物の迅速な処理が、首都直下の場合は中枢機能の早期回復が必要ですので、そういった考え方も必要かと考えております。焼却処理についても加速化を図る対応方策なんかの検討が必要というふうに考えられます。
続きまして、22ページ。これは、22ページと23ページ両方をあわせてみていただきたいと思います。棒グラフの様に示している図と右の表を見て下さい。これは、災害廃棄物の要処理量と、仮設焼却施設とか広域連携。これを複合的に考えて行くという4つの検討ケースを設定しています。
ケース1は、関東ブロック内の既存施設だけの処理です。ケース2は、それに加えてブロック内での仮設焼却施設の設置。ケース3では、さらに隣接する東北中部ブロックの広域連携による対応。ケース4では、全国規模の広域連携をする対応と。シナリオを設定すると、下の表に示すようにケース1では3年から、ケース4ではその3分の1の1年というふうに処理期間が短縮されていきます。埋立処分のほうでは、相当年数が25年から6年6カ月と、4分の1ぐらいに短縮されております。
ここで設定をしている仮設焼却施設は東日本大震災で設置をした仮設焼却施設と同程度の年間約150万トン、この規模で計算をしております。
それから24ページ。今後の課題ということです。処理可能量の制度の向上を今後考える。さらに地域ブロックごとの要使用量の割合を設定する。それから仮設焼却施設とか広域連携を行った場合の処理可能量の、地域ブロックごとの検討を今後していく必要があるだろうと考えております。また、追加的に考慮すべき事項として、前回指摘のあった破砕選別処理施設の処理可能量についても、参考として25ページ、26ページに取りまとめております。
以上、説明を終わらせていただきます。
(酒井委員長)
どうもありがとうございます。
それでは、この要処理量と処理可能量の比較検討のところの審議に入っていただきたいと思います。では、ご意見のある方はよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
相当おられますので、森委員のほうから回して参りましょうか。森委員、お願いいたします。マイクをお願いいたします。
(森委員)
何点かあるのですが、時間の関係から代表的なご意見だけにさせてもらいます。
24ページに、今後の課題の中で、一つは処理可能量の精度ということです。今後の課題だというふうに書いてありますが、前回も説明がありましたけれど、一般的に一廃の施設の可能量。つまりポテンシャルとしての調査をしてみたということですが。実は、今後の精度を上げるための大切なことというのは、実はなぜかというと、一つ例を申し上げますと、東京23区の一廃施設は19施設ありますが、直下型で大きくダメージを受けるだろうと想定をされます。
この19施設の平成24年度の焼却実績は273万トンです。能力換算を計算すると、280日で計算をするか365日で計算する場合と違いますけれど、処理能力を280日で計算をすれば、308万トンです。
この計算式でいうと、余裕率は11.4%になります。そして負担率が10%というふうな枠組み、つまり中位のシナリオに入りますので、中位シナリオに入った途端273万トンの10%、つまり27万トンを受け入れるという構造になるわけです。27万トンを新たに受けられるかということについては、これもやはりゼロとは言いませんけれど、実際に運用では、どこにやっぱり問題があって、個々のプラントがどうかということを、やっぱり精査しなければならないと思われます。
それともう一つは、大事なことは、この前もちょっと説明がないから時間がなくて言えなかったのですが。つまり自治体の一般廃棄物の処理施設というのは、やっぱりどうしても一定の余裕率が必要です。これがなぜかというのは、この前お話ししたとおりであります。
詳しく言いませんけれど、これはそうしないと安定稼働ができないからです。そうすると、その意味でのことをまず理解した上で、この一般的に余裕率は、これは一般論ですが、都心部といいますか市街地にある工場は、どっちかというと、規模が大きくて余裕率がないですね。いわゆる、郊外にある、あるいは都外にある施設は、どちらかといえば規模は小さいですけれど余裕率がある。既に30%から40%近くの余裕はあるが、ただ規模は小さいなど、これをしっかりと見ていくためには、やはり今現在、余裕率がどの程度あって、そして個々のプラントがどういう制約条件があって、現実的にはどこまで可能かということを見きわめるという精査が必要だろうというふうに思います。
こうした精査によらなければ、実効性のある、あるいは現実味の帯びたキャパというものが出てこないというような気がいたします。ちなみに、平成24年度で東日本の災害がれきを受けた23区の清掃工事を、273万トン年間処理しておりますけれど、処理をした実績は2.4万トンです。率からいっても0.9%の量で。ただし、0.9%の処理でしたが、11月ごろ、24年度はどうしてもやっぱり受け入れができない。つまり故障が起こって、やっぱり横に回さなければいけなかったということも起こりました。したがって、こういうこともやはり考慮をしないと、余裕の中に分担が必要だ、だけど現在の余裕とキャパがどこまであるかということを、少しバランスを見た上で、もう一回精査をするということが非常に重要だと思っています。
ちょっと話が長くなってしまいましたが、以上でございます。
(酒井委員長)
どうもありがとうございます。
それでは、次、勝見委員、どうぞ。
(勝見委員)
前回も申し上げました、作業部会をやっておりながら、今言うと反則だと言われるかもしれませんけれども。16ページの津波堆積物の要埋立処分割合が、宮城県で1%、仙台市で6%というものを、南海トラフ巨大地震の試算のほうに使われているというふうに思います。1%、5%ということですけれども、やはりこの1%というのは、分母をどうとるかということにもよりますけれども、少し危険側ではないかという意見が作業部会の中でもございましたし、それから仙台市の6%。これが16ページの一番下の、ケースBの5%安全側ということに近いと思うんですけれども、決して仙台市の津波堆積物の有効利用が安全側だとは、私は認識していない。むしろかなり業者の方々、あるいは実務の方々、積極的に頑張られて有効利用を進められたというふうに理解をしておりますので、この辺、全体から見ると、津波堆積物をどう精度を上げるかと。難しいところあると思いますけれども、今年度末にそれぞれデータも挙がってくるだろうと思いますので、そのあたりも含めて、それから東北の海底土砂と、それから南海トラフ地震で運ばれるであろう海底土砂と重金属等の存在状況は違うだろうということも踏まえて、検証をする必要があるだろうというふうに考えております。よろしくお願いします。
(酒井委員長)
どうもありがとうございます。どうも失礼しました、見えていなくて。
濱田委員、どうぞ。
(濱田委員)
一つは、先ほどの、ご意見のとおり、実績に対する分担率が適正かどうかという問題です。一廃処理施設で5%、10%、20%、産廃処理施設で10%、20%、40%という負担率が、実際の処理と施設能力の関係の整合がとれているのか確認する必要があると思います。
それと、トラブルで運転できない期間が設定されていますが、実際は震災被害だけではなく、ユーティリティの関係、例えば電気や、ガス、薬品などの供給が止まることが考えられます。特に南海地震では交通網もかなりのダメージを受けたときに、どのような影響があるかを整理する必要があると思います先ほどの焼却能力の低下の中にその影響が見込まれているのかどうか、、見込まれていないとすると、どの程度見込むのかが課題となると思います。
(酒井委員長)
どうもありがとうございます。
それでは、引き続いて宇山委員、どうぞ。
(宇山委員)
首都直下でいうと21ページなんですけれども。相当年数というところの考え方なんですけれども、焼却のほうは単純に相当年数というのを見て、これぐらいかかるので、ちょっと長いようだったら仮設をつくるとか、広域をお願いするという、それは非常にわかるんですけれども。埋立処分のほうの相当年数というのは、例えば低位で言うと、今埋立処分をしている量の10%だけプラスして埋立すると想定した場合にこれだけかかりますよという数字だと思うんですけれども。ちゃんと全て読めばわかるんですけれど、ぱっとこれを見た場合に、例えば10何年とか20何年、30何年かかりますよと。そうなると、これはあくまで処分場の容量を全く考えていない数字なのに、この数字を持って新しい処分場が必要とか、そういう何か、ちょっとミスリードをするような印象を受けました。
なので、この相当年数と※3と書いてありますけれども、あくまでこれは、容量のことは全く考えて想定していない数字だということははっきりさせておかないと、実際に困るところも出てくるのかなという印象を受けました。
(酒井委員長)
個々のご意見の確認は別にして、まず、今いただいたご意見、コメントに、事務局のほうからご発言いただきましょうか。お願いします。
(山本廃棄物対策課長)
施設ごとに、いろいろ実際の受入ということを考えた場合に、精査をしなければいけない点があるという点は、本当にそこはご指摘にとおりだと思っています。むしろ今回、ある程度安全側に設定を考えているということでありますけれども、例えば中位シナリオでもかなり厳しい数字という見方もあるというようなご指摘だったかと思います。
どうしても一定の過程を置いて、今回は、個々の施設の事情までは踏み込んでいないものですからそういう設定になっていますけれど、これから具体の検討になってくる場合には、それぞれやっぱり処理能力の余裕も違えば、老朽化の程度も違う。あるいは受け入れに関していろんな制約条件がほかにあったりとか、それぞれの事情がありますので、個別にブロックごとの検討を詰めていく際には、そのあたり重要な点ですので、しっかり見て行って、現実味のある形にしていかなければいけないというふうに思っております。
それから、勝見委員からご指摘のありました、津波堆積物の要処理割合が1%についてですけれども、ご存じのように、毎月の進捗状況を災害廃棄物と津波堆積物に分けて整理をしているんですが、結局そこで最終的に整理するのは、整理の考え方として、災害廃棄物として整理をするのか、津波堆積物として整理するのかというところにもよりますもので、今の統計の実績としてはこういった数字になっています。もうすぐ、処理も完了してきますので、改めてこういった数字の精査は必要だと考えております。
津波堆積物の割合をどう見るのかということについて、今回は、東日本の実績を踏まえてということですので、こういった形で置かせていただきましたが、埋立処分をどういうふうに考えておくのがより現実的かというのは、いただいたご意見も踏まえて、もう少し整理をさせていただきたいと思っております。
それから、処理可能量の精査のところで、濱田委員からありましたように、実際に施設がとまるというのは施設が壊れてしまうというよりはむしろいろんなユーティリティの供給ができなくなってとまってしまうというのはご指摘のとおりです。今回、一般廃棄物の処理施設でこれだけの期間停止をしたという実績は、どちらかというとまさにそのユーティリティの問題で動かなくなったということですから今回6ページに示しておりますような、被災率と停止期間の関係につきましては、そういった影響が入っています。ただご指摘があったように、今回、南海トラフみたいなことを考えると、様相が違ってくるとか、首都直下で同じこの割合でいいのかというのは、確かに議論がある点だと思いますので、もう少しシビアなシナリオになってくる可能性も当然あるというふうに考えられますので、これは、今回はこういった考え方で整理しましたが、さらにご指摘いただいたような点を、さらに地域での検討をする際には、シナリオというか、被災率の設定だとか停止期間、こういったことでいいのかどうかというところは検討が必要かと思います。
それから、宇山委員からありました、まさに埋立処分の相当年数のところ、こちらも相当年数という言葉にさせていただいたのは、処理期間みたいなことをいうと、それだけ期間がかかるのかみたいな誤解があるので、この数字とこの数字で割り込んだ、相当する年数としてはこうだというつもりで書いています。それは今、持っている容量、たくさんの容量を持っているところに思い切って処分をすることができれば、これはぐっと変わってくるという数字であるというのは確かであります。ですから、そのあたり、今の書きぶりでちょっとそこがまだ舌足らずで、ミスリードのおそれがあるというところは、ご意見をいただきながら、誤解のないように整理をしたいと思いますし、特に大きな処分場のポケットがある地域では、そこをかなり踏み込んで活用をさせていただくことによって、ここは劇的に変わり得るというところでありますので、そのあたりははっきりとわかるように整理をさせていただきたいと思います。
事務局からは以上です。
(酒井委員長)
今の山本課長のご説明を受けて、さらにご意見のある方はおられますか。よろしいでしょうか。 浅利先生、どうぞ。
(浅利委員)
今の質問とかとも少しかぶる部分があるんですが、8ページ、9ページで、特に今回シナリオ設定ということで、東日本大震災での実績を参考に、プラス期待と言いますか、そういうことも含めて、現実的な設定に留意ということで、ワーキンググループでも考えてきたと思います。
今回、9ページのところで、東日本大震災で受け入れた施設での分担率等の事例ということで出していただいているかと思いますが、見ていますと、特に高位シナリオまで達する事例というのは、やっぱりなかなか、見ている限りではないというような状況なのかなと思うんですが、実際にまだまだ、これはごく一部の例だと思いますので、最終回に向けて、いま一度ほかの施設の状況も含めて、どういう割合の分布になっているといいますか。またその背景まで、もし読み込めるようであれば、そのあたりの整理をすると、より一層このシナリオの実現性といいますか、実績に基づいているという部分が見えてくるかなと思いましたので。ここはちょっとワーキングの作業としても、少し留意して詰めたほうがいいのかなという印象を受けました。
もしもこの時点で、この事例を取り上げられた背景がクリアになれば、ちょっとお聞きしておきたいなと思います。
(酒井委員長)
9ページの実績はこの実績まででしょうか。もう少し出てくる可能性はありますかという、こういうご質問かと思いますが、お願いいたします。
(山本廃棄物対策課長)
実績自体はまだあるといえばあるんですけども、ちょっと注意して見なければいけないのは、今回、特に広域処理なんかは、むしろ放射性物質の汚染に関する不安もあって、必ずしも、純粋に廃棄物の処理という意味での高位シナリオ、中位シナリオという想定にぴたっと合うような数字ではないというような側面があります。
そういう中で、被災地ではそういう、余り風評のない世界では、結構、踏み込んで受け入れていただいている例もあるので、特に中位シナリオ、産廃なんかの20%というのが、余り変な数字じゃないよというようなことで示す事例として引っ張ってきておりますので、もう少し事例につきましては、ご指摘ありましたのでいろいろ洗ってみて、参考になるデータは整理をさせていただきたいというふうに思います。
(酒井委員長)
それでは、この二つ目の要処理量、処理可能量のこの関係の、最終回に向けての方針でございますが、ちょっと一つだけ聞かせてください。森委員にお尋ねしたいのですけれども、先ほどいただいたご意見、一定の余裕率云々ということ、あるいは24年度の実績等々から考えて、今回の資料を具体的に、ここをちょっとこう見直したほうがいいという部分はあるでしょうか。それがあれば具体的にご指摘をいただいて、検討をさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
(森委員)
本当に単純なことで申し上げれば、今お話があった9ページの、実際の例としてA市、B市、広域の焼却であれば、現にこの市の施設が、現在、余裕率が幾つあったのか。つまり、余裕が30あって、13%、11.2が出たのか。そこには、当然これは恐らく余裕が高いと思います。だから高いからこれを受けられたと思います。例えばさっき、23区のような都市部の施設は、余裕がぎりぎりになるようにみな運転しています。ぎりぎりというのは、10数%程度での余裕で運転していますので。それを273万トンの27万トンを受けてくれと言ったら、それは難しいよということになってくるので、現にはこの表では、現にはこの余裕がどのぐらいあってこれを受けたということが大事です。
最後に課題が書いてありますので、課題でもう一回精査をし精度を上げましょうということですので、これで僕は良いと思います。
(酒井委員長)
どうもありがとうございます。
ということで、今のこの9ページを中心とした施設の実績としての余裕率の、ちょっと一度、調査をいただいて、最終に盛り込めるかどうかを検討いただくという、そういう整理で事務局のほうはよろしいでしょうか、ここは。
(山本廃棄物対策課長)
それは整理をさせていただきたいと思います。念のため申し上げますと、8ページのところにシナリオ設定の考え方を書いていますが、今ご指摘のあった余裕分について、実績とその能力に対する余裕分という、施設の公称の数字との差額ということですが、シナリオ上は、中位シナリオであれば10%未満しか余裕がないものは、そもそもその施設の受入れをしないという整理にしていますので、一定このシナリオの中の考え方で、その余裕率の余裕のないものは除いています。
ただ、高位シナリオのところは制約なしと書いてありますので、少なくとも処理能力に余裕が全くないものは除いていますけれど、余裕があるものについて、さらにそこで2割乗せということですから、通常の処理能力を超えるような負荷をかけるというような、設定になっているということであります。実績のほうは、どういう余裕率の施設かというのは、調べて、ほかのデータとあわせて整理をさせていただきます。
(酒井委員長)
そういう整理で、ちょっと平時の余裕率の情報を整理していただくということで、ここは臨ませていただきたいと思います。
もう一点、浅利先生、まだ個別に意見ありますか。もういいですね、
もう一点いただいたご意見の中で、勝見先生のところの、堆積物の1ないし5%というところ、これが最終回に向けて、これでオーケーかということは、一度整理をいただくということをお願いできますか。無理なら無理と言ってください。
(山本廃棄物対策課長)
決めだけの問題なので、どういう数字を置くかというになります。これだと先生方の目から見て、やや安全側というよりは、少し心配があるということであれば、もう少し余裕を持った数字を決めた上で、後の計算をやったほうがいいということでありましょうから、どういう数字を決めるかというのは、少し考え方を整理させていただいて、少し安全側を、もう一度考えてみるということで、検討をしたいと思います。
(酒井委員長)
そこの設定に、勝見先生、具体的にちょっと加わってください。一緒に作業をしていただいて、どう設定するかということの作業に入っていただければと思います。お願いいたします。
というあたりで、今ちょっと具体的にいただいたご意見で、最終回に向けてどう整理していくかということで、こちらで気のついた点は整理をさせていただきました。
ほかに、今日の資料3を最終回に向けてまとめる上で、今の整理以外にご注意ございますか。 では、ないようでしたら、今の二つの方針で、次回に向けてこの修正作業を行っていただいて、最後、ご報告をいただければというふうにしたいと思いますが、そういうことでよろしいでしょうか。
ちょっと一つだけ。「相当年数」に関しては、いろんな誤解を避けるためこういう言葉をつくったということですが、何の相当年数かというのは、やっぱりこれは主語というのがいいのか、対象をはっきり明示した上での相当年数でないと、やっぱりちょっと意味がない様な気もします。このあたりを処理相当年数と言ってはいけないのであればいけないで、別の言葉をまた考えないといけないと思いますので、ここは考えてください。
もう相当年数という言葉だけがひとり歩きをしていくと、これはまだ逆に困ることになると思いますので、ここはまた一緒に考えさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
それでは、次に進めさせていただきます。資料4、災害時における廃棄物処理対策に関する調査結果、事務局のほうから説明をお願いいたします。
(大庭補佐)
では、資料4についてご説明します。アンケート調査による都道府県や市町村における災害廃棄物の各種状況の把握と特徴の課題の抽出を行っております。前回は暫定版としてお示ししておりましたが、1ページの下の表、⑤の集計方法の表にございます項目でクロス集計を行いまして、その傾向を確認しまして、今後の取り組むべき課題を整理しております。
2ページ目でございます。2ページ目でお示ししているのは、都道府県における協定締結に関するクロス集計の結果でございます。都道府県内の市町村との協定の締結状況は、全国平均で30%。また他の都道府県や都道府県外の市町村との協定の締結については、全国平均で30%という結果でございました。傾向につきましては、また後ほど最後のまとめのほうでお話ししたいと思います。
3ページ目でございます。3ページ目については、都道府県における簡易トイレ、仮設トイレについての保有割合のクロス集計の傾向でございます。全国平均で31%というところ、また簡易トイレにつきましては、全国平均で53%という結果でございました。
続きまして、4ページ目にお示ししますのは、市町村における協定締結に関するクロス集計の結果でございます。協定の締結割合は全国平均で21%という結果でございました。
続きまして、5ページ目。市町村における産業廃棄物協会、また産業廃棄物処理事業者との協定締結の傾向ということでございます。全国平均で9%、また全国規模が、人口規模が大きい市町村ほど大きかったという傾向でございました。
続きまして、6ページ目。市町村における仮置場、集積所の候補地リストの有無に関するクロス集計の結果でございます。こちらのほうは、全国平気で31%という結果でございました。
続きまして、7ページ目でございます。市町村における仮設トイレ、簡易トイレの保有割合における地域別の傾向でございます。仮設トイレにおきましては、全国平均で37%、簡易トイレでは50%という結果でございました。また、地域によってばらつきがあったということでございます。
8ページ目でございます。8ページ目は、市町村における協定や仮置場の候補地リストの有無に続きまして、太平洋沿岸市町村とまたそれ以外の市町村別で見た傾向を示しております。これは、結果としては、太平洋沿岸市町村のほうが準備が進んでいるという傾向が見られております。
続きまして、9ページ目でございます。これは、焼却施設における耐震性の上乗せ基準の採用、また立地上の浸水対策についての、地域別の傾向を見ております。耐震性についての上乗せ基準については、全国平均で11%程度の対応がとられていたということでございます。
10ページ目につきましては、焼却施設における自家発電保有状況、また災害時の対応計画の有無を地域別に見ております。自家発電については全国平均で9%、また災害時の対応計画を策定しているところは全国平均で32%という結果でございました。
今までの傾向をまとめているのは11ページ目でございます。まず、都道府県と市町村との災害廃棄物処理に係る協定締結状況につきましては、近畿地方は他府県内外ともに締結割合が高いと。関東地域や中部地方は、都県内での市町村との締結割合が高いという傾向でございました。
全国平均では、協定割合が3割程度にとどまっておりまして、必ずしも充実しているという状況ではないというふうに言えると思います。また地域によってもばらつきも見られております。市町村間の災害廃棄物処理に係る締結状況でございますが、これは全国平均で2割程度にとどまっていると。また人口規模が大きい市町村ほど割合が高いという傾向にございます。これは産業廃棄物協会、また産業廃棄物処理事業者との締結割合も同じ傾向が見られております。
また、仮置場集積場の候補地リストを有していない市町村が7割程度ございました。全国的な傾向としましては。災害廃棄物処理に係る準備が十分であるとは言えないという状況でございますけれども、災害廃棄物処理体制を定めている市町村におきましては、約半数の市町村が候補地リストを作成しているという状況は確認できております。
また、太平洋沿岸に位置する市町村につきましては、人口規模の大きい市町村の割合がその他の地域に比べて高いということもございまして、いずれの項目においても、それ以外の市町村に比べて準備が進んでいるということが確認できました。これに伴いまして、今後の課題でございます。災害時における廃棄物処理に対する先進的な取り組みや、優良事例の整理をしまして、都道府県及び市町村の優良な協定の締結や、仮置場の候補地リストの作成などの取り組みを推進していくこととしております。また、地域ごとに現状を把握した上で災害時における廃棄物処理対策を着実に進めるということにしております。
4につきましては以上でございます。
(酒井委員長)
どうもありがとうございました。非常に貴重な調査結果が得られていると思います。
それでは、ご質問がございましたらお願いいたします。
それでは、大迫委員、お願いいたします。
(大迫委員)
貴重な調査結果、ありがとうございます。
民間との協定、産業廃棄物の協会との協定に関してなんですけれども、今後また注視していくという意味では、都道府県レベルでは産廃協会との協定を結んでいるというところはかなり多いと思います。それは、県が産業廃棄物のいろいろな指導等をやっているというところが背景にあるかと思う。例えば、今回茨城県では、80万トンの災害廃棄物が出たわけですが、県と産廃協会との協定が機能して、その県が各市町村に、あなたのところはこの市町村を担当してくださいとか、そういう調整機能を果たしたということであります。そういう意味では、今後のこの巨大地震、広域災害ということになりますと、その市町村が産廃との協定を結んでいくということの、ネットワークの中での位置づけはあるかもしれません。県がいかに産廃協会との協定の中で市町村も巻き込んだ形で、うまく協定を結んでネットワークをつくっていくかと。そういった視点も大変重要かと思いますので今後の検討の中でご配慮をいただけたらいいかなと思っています。
それからまた、その協定の中身といいますか、協定の中身がどういった内容で、実際の災害に機能を果たすのかについても、より検討をしていくべきではないかというふうに思っています。
以上です。
(酒井委員長)
どうもありがとうございます。
ほかにございますか。今のコメントに対して何かございますか。
(山本廃棄物対策課長)
ありがとうございます。ご指摘の点はごもっともでありまして、特に民間業者との協定は、都道府県はほとんど協定を持っているということですけれども、市町村のところまで行き渡っていないということです。ただ必ずしも、それがないから全く機能しないということではないということもご指摘のとおりだと思いまして、実際には、通常接点が余りなかった民間の産廃業者の方が、市町村のサポートを円滑にできる体制というのが重要だと思います。そのときの、一つの目安としては、これまで協定という形では接点が小さいということがありますので、全体としては、今おっしゃられたような県がうまく役割を果たしながら、それぞれの市町村がうまく民間の業者の方の力をかりられるような仕組みをつくっていくということが大事かと思います。
その意味で、前回もご指摘があったのですけれど、協定があるのが正しいと。あるのがより望ましいということだけでは必ずしもないということなので、協定の中身が重要だということになると思います。ここは優良な事例なんかを取り上げながら、いい形での連携ができるような協定を推奨していくということを考えておりますが、これをそれぞれの地域ごとの検討の中でそういうようなネットワークがうまくできるような方向で施策としては進めていけたらというふうに思います。
(酒井委員長)
どうもありがとうございます。
それでは、次に進ませていただいてよろしいでしょうか。
今日の一番の本題になろうかと思いますが、本年度の取りまとめに向けた骨子素案の準備をしていただきました。今回の骨子の中には、前回にお示ししていただいた巨大地震の発生したときの課題、あるいは、今回の資料2、資料3を踏まえて記載をいただいております。まず巨大地震が発生したときの災害廃棄物処理に関する目指すべき方向について整理をいただき、そしてその後前回の件で、時系列的な対応が非常に大事だということですが、今回は対応時期を発災前から発生後、それも初動機能前半、機能後半というような、こういう分け方をしていただいて、その下についても記載をいただくと。そして今後の具体的な課題の検討に向けて、次年度以降の検討の進め方、このあたりまで踏み込んで箇条書きで整理をしていただいております。これらの内容を踏まえまして、今回この検討委員会における検討を、どのように今、最終的に取りまとめていくか、足りない点あるいはその内容も含めまして、皆様方から活発なご意見をいただきたいというふうに思っております。
それでは、資料5の説明を事務局のほうからよろしくお願いいたします。
(松田補佐)
それでは、事務局のほうから、資料5につきましてご説明いたします。本年度の取りまとめの骨子素案ということで、1枚目にその構成とそれぞれの位置づけについて、まず説明をしたいと思います。まず、最初の目次のところですが、巨大地震が発生したときの起こり得る事態と。この点については、ヒアリング結果や前回の資料また今回の資料2や3を踏まえて、項目ごとにポイントを記載していくと。また2番目にあります、巨大地震が発生したときの災害廃棄物の処理に関する目指すべき方向というのは、これまでの提出資料や議論などを踏まえまして、項目ごとに目指すべき方向のポイントを記載するということでございます。また、具体的な取り組みの基本的方向性については、前回ご議論をいただきました議論の整理を踏まえまして、ハード面、ソフト面の取り組みに分類をして、時系列自体を明確にした上でポイントを記載すると。また4ポツ目については、今後の具体的な課題の検討に向けて、次年度以降に行うべき、取り組みのポイントを記載しております。
それで、これまでの検討委員会の議論と取りまとめの骨子素案との関係ということでございますが、これまでの検討委員会における議論の整理に加えまして、また本日の資料の2、3。こういった試算結果を踏まえまして、巨大地震が発生したときの起こり得る事態も想定をして、目指すべき方向、具体的な取り組みの内容、次年度以降具体的な検討の進め方について、今回、たたき台として作成をした取りまとめの、本年度の取りまとめの骨子素案をもとに、盛り込むべき重要な事項、視点についてご議論をいただければというふうに思います。着目点に例については、以下に示すとおりでございます。
1枚めくっていただきまして、取りまとめの骨子の構成でございます。この資料につきましては、前回の会議資料でも報告の構成の素案というものをお示ししておるのですが、その点について、それぞれの様相について修正を一部加えております。修正を加えた点としては、2ポツの巨大地震が発生したときの災害廃棄物の処理に関する目指すべき方向について、前回八つの事項があったということでございますが、今回さらに五つの事項に絞り込んだ形でお示しをしております。また、3ポツの具体的な取り組みの基本的方向性についても、前回ご議論の中で再生利用先の確保の取り組みとか、住民理解に関してのご指摘もございましたのでその点について、ソフト面の取り組みのほうに追加をさせていただいております。このような形で、一部修正した構成素案に沿った上で、資料を今回つくっております。
次のページに行きまして、1ポツの巨大地震が発生したときに起こり得る事態ということで、1枚簡単にまとめたものをつけております。まず(1)の巨大地震が発生したときの起こり得るさまざまな事態による影響ということでございますが、これは前回の委員会で、ナショナルレジリエンス懇談会において指摘をされる、起こり得るさまざまな事態を踏まえまして、そこで災害廃棄物に対する影響ということで考えられるものを、11個示しております。
また、次に行きまして、(2)でございます、が被災地域での膨大な災害廃棄物の発生と、これについては、本日の資料2に示す内容のポイントというものを示してはどうかということで、考えております今回は首都直下地震と南海トラフ巨大地震の量というのが出ていますので、その点について、簡単に今の時点では記載をしているにとどまっております。また、次に(3)でございますが、これは資料3にお示ししたとおり、今の既存の処理施設では処理能力が不足するという点について、今の時点では触れさせていただいております。
次のページに行きまして、2ポツが、巨大地震が発生したときの災害廃棄物の処理に関する目指すべき方向ということで、基本的なスタンスを、ここで作成しております。まず最初に、1番目に膨大な災害廃棄物の円滑な処理の確保ということでございますが、円滑な処理という部分で、早期の復旧・復興を達成していく、また再生利用の推進ということで、これは再生利用を最大限図り、再生資材の活用方法を、活用先を確保していく。
また、処理体制の確保という点については、以下の項目について検討を行って、地域の実情を踏まえた処理体制を確保していくと。その上で、下に仮置場の確保、適切な収集運搬また既存施設での、最大限の活用による受入量の確保。また次に、地域ブロック内で処理目標期間を設定した上での、仮設処理施設や新たな処分場の確保を組み合わせたブロック内の処理の検討。
また次に、目標期間内での地域ブロック内の処理が困難な場合は、地域ブロックを超えた広域処理の段階的な検討を進めると。また最後は、災害廃棄物対策の国民の理解という点を記載しております。
次のページに行きまして、(2)でございます。これは井上副大臣からもご挨拶のときにお話がございましたが、東日本大震災の教訓を踏まえた発災前の周到な事前準備と、発災後の迅速な対応ということで記載をさせていただいています。まず、周到な事前の準備という点については、国都道府県、市町村、民間団体、研究機関等の全ての関係者の危機意識の共有、役割分担の明確化、一丸となった事前準備ということを記載しております。次に、ごみやし尿の速やかな処理、災害廃棄物の円滑な処理のための必要な車両、施設、資機材、人材などのリストアップを行って、充足できるような関係機関ごとの対策の強化、連携強化を進めていくと、記載をしていますまた次に、災害廃棄物対策本部の設置や、関係事業者間との連絡窓口の確保などの体制づくり、連携強化、こういった点を記載しております。
次に、被災状況の予測と現状評価ということでございますが、廃棄物処理システムの脆弱性を評価していくと。その上で優先順位を定めて、システムの強化に向けた的確な施策を実施するということを記載しております。また次に、発生状況や災害による地域の被災状況を事前に予測をして、地域の実情にあった処理体制を関係機関で議論をし、構築をしていく点も記載をしております。
次に、発災後の迅速な対応ということで、発災後から時間との競争であるということを意識して、時系列的に災害対策を取りまとめる。また、発災当初の3日間、この点については、人命救助、がれきの啓開作業などに最優先に取り組んで、人的・物的資源を配分していくということを記載しております。
次のページに行きまして、柔軟な災害廃棄物処理目標と強靭な廃棄物処理システムの確保という点でございますが、この点については、まず一つ目に、地域の実情、復興の進捗を踏まえ、柔軟な処理目標を設定していこうという点、また既存の施設の能力を最大限活用する。また次に、防災拠点としての処理施設を整備していこうという点でございます。また、処分先などを確保するための土地の確保、これが非常に重要なことですので、その点についても記載をしております。
また、次に行きまして、仮設処理施設について、焼却施設や分別破砕施設、こういったものの速やかな整備に取り組みをしていくと。また再生利用先の確保ということで、復旧・復興事業に起こり得る再生資材需要や、求められる資材品質を踏まえたものとすべきといったようなことが、記載をしております。
次のページに行きまして、4番目でございます。これは巨大地震ということで、広範囲な複合被害を念頭に入れたバックアップ機能の確保ということで、最初にインフラ機能停止に備えたバックアップ体制の確保、資源配分ということです。ライフライン機能、交通網の遮断によるこういったエネルギー、水、資機材の供給停止に備えたバックアップ機能を確保していく点、また道路網がマヒをしていくという中での、人命救助物資輸送インフラ復旧、し尿や廃棄物の運搬に配分すべく、国民に理解を深めていくという点を記載しています。
次に、行政機能のバックアップ機能の確保に関して、記載をしていることと、その次に資機材の供給体制の確保という点で、この点について供給事業者が被災した場合でもバックアップ体制を確保していく点。また全国的にそういった資機材、車両施設の確保が困難になった場合には、海外からの調達も含めて対応をする点も記載をしております。
次のページに行きまして、衛生状態悪化、環境汚染の最小化による国民の健康の維持ということでございますが、衛生状態の悪化、火災の発生、二次的な環境汚染について、できるだけ最小化ができるように迅速に対応していくという点。それと、次に水産系廃棄物などの衛生的被害の防止・軽減についての取り組み。また次に、被災地の衛生環境の悪化の防止のための処理体制の確保。その次に、危険物や有害物質の流失リスクに備えた取り組みなどの対策を、記載をしております。また輸送や処理過程での生活環境の保全というのも、確保をしていくという点を記載させていただいております。
その次のページに行きまして、具体的な取り組みの基本的方向性でございます。9ページでございますが、これについては、前回の委員会で議論の整理ということでお示しした整理に従って、ハード面の取り組みとソフト面の取り組みで、それぞれ取り組みを今までのご意見も踏まえまして整理をしております。
まずめくっていただきまして、10ページ目でございます。ハード面の取り組みということでございますが、これについての、まず資料のつくり方でございます。前回、委員会でのご意見がありまして、それぞれの具体的な取り組みについて、時系列ごとの、いつ行うべきことなのかという点を整理すべきではないかという点。それと実施主体は一体誰かということを、明確にすべきではないかという点がございました。その点も念頭に置いて、取り組みの対応時期について、初動期また応急対応期、前半分の3週間程度と、また後半から復旧・復興期、こういった3区分に整理をして、時系列については整理をさせていただいています。
まず、仮置場の確保と適切な運用ということでございますが、この点については三つ記載をしております。一つ目は、公有地や民有地の仮置場としての利用可能性を検討して、協議・情報共有の場を設けるということですが、これについては、主体として国や県、市町村、ここが絡んでくるということで、全て書いているということでございます。
そういったような形で、それぞれ個々の取り組みについて、誰が主体となるべきかという点について、こちらのほうで、事務局のほうで整理をさせていただいたものを記載しております。二つ目が工事の選定のリスト化、三つ目が周辺住民の合意形成の点でございます。
次に、仮置場における配置・搬入管理手法の検討ということで、仮置場の搬入ルートや仮置場の配置などの計画の話でございます。また二つ目が、設備増強の点の記載でございます。三つ目が、道路啓開活動を円滑に進めるための、災害廃棄物の撤去の措置についての事前の整理ということでございます。
その次のページに行きまして、ごみ焼却施設の強靭化ということでございます。これについては、まず防災機能を果たすべきという点でございますけれども、まず最初に、処理能力の拡張や発電・熱供給機能の付加などの設置を進めるという点を記載しております。また、財政的支援について、二つ目に記載をしております。次に施設の強靭性の確保ということでございますが、この点についても、耐震性、耐水性、耐浪性を有する改修、自家発電設備、燃料、資機材の保管設備などが最初に記載をしています。次に、非常時訓練の実施が書いておりまして、その次が財政的支援ということでございます。一番最後には、災害廃棄物受け入れの措置という点で、緊急受入の合意形成を記載させていただいています。
次のページに行きまして、し尿処理体制という点でございます。これについては、仮設トイレの配備、し尿処理体制の維持を徹底ということでございますが、最初に十分な数の仮設トイレ等の事前配備で、また次に避難所の衛生確保の徹底、その次に利用者への利用方法の周知の徹底を記載しています。その次に行きまして、民間事業者との協力と協力体制の構築という点で、バキューム車などの広域的な協力体制、また次にし尿処理施設を軸とした体制、広域的な体制ということを記載しております。
その次のページ、13ページに行きまして、防災用設備、必要な資機材の確保ということでございますが、サプライチェーンの確保についての記載という点でございます。資機材や燃料の調達方法について一つ目に記載をしておりまして、二つ目に全国的に資機材の確保が困難な場合の取り組みの検討を記載しています。その次に施設の継続的運転に必要な資材、燃料、薬品の確保について記載をしています。あとは供給事業者との支援体制の構築を記載しております。次に被災施設の復旧という点で、施設の補修を容易にしていくという点で、資機材の備蓄、後は汎用部品の積極的な使用ということを記載しております。
次のページに行きまして、膨大な災害廃棄物を受け入れる仮設処理施設の整備ということでございますが、まず最初に、調達手段の検討でございます。また二つ目が必要な仮設処理施設の能力を算出するなどの、仮設処理施設の整備方針の検討でございます。次に候補地となり得るリストの作成の検討。また次に速やかな整備が可能な仮設焼却・分別破砕施設の技術開発の点を記載しております。
次に行きまして、適切に役割分担のもとでの整備ということでございますが、これについては、仮設施設に求められる技術的な要件の整理と概略仕様の検討でございます。こういった点を記載させていただいております。
その次のページに行きまして、民間事業者の処理施設の活用ということでございます。これについては、あらかじめ制度的な対応も含めた上で、事前に取り組むべきだということで、一つ目が災害対策基本法の特例措置について、記載をしております。また二つ目が災害廃棄物の処理に関する緊急性・特殊性を踏まえた特例措置を講ずるという点を記載しています。また先ほどもご議論ございましたが、民間事業者の施設の活用を促すための協定締結、連絡窓口の統一化を記載させていただいています。
次に、民間事業者への処理の発注が有効という部分での、契約手続の円滑化という点でございます。まず一つ目がその点の契約手続の考え方を示していくという点と、二つ目が地方自治法の事務委託によるがれき処理の発注など、一括発注方法などの検討。次は生産や単価の統一化について記載をしております。最後は緊急随契を促すという点について記載をしております。
その次のページに行きまして、今度は最終処分場の確保という点でございます。この点での適切な役割分担、廃棄物担当部局と港湾部局との緊密な連携という点でございますが、一つ目が必要となる処分量、または容積の試算を行って整備方針を検討していくと。その点についての協議の場の開催という点が、総合調整というのが二つ目。また次に候補地リストの地域帯での作成が三つ目でございまして。また四つ目がステークホルダーとの調整。五つ目が部局間の連携ということでございます。次に処分場を整備するための精度的な改善・財政負担という点について、記載をしておりまして、排出基準・形質変更の制度面の取り扱いの改善、あとは早期廃止、跡地利用を可能とする工法等の技術開発という点を記載しております。次に海面処分場の選考整備や跡地利用のための財政措置の積極的な関与ということを記載しております。
次のページに行きまして、広域輸送体制でございます。この点について陸送・海運のこういったネットワークの構築ということで、民間事業者との体制づくりということでございますが、一つ目が民間事業者の協力関係を築いていく点。また二つ目が広域輸送事業者との輸送ネットワークの構築の検討の件。三つ目が協定締結などの総合調整。また海上輸送のための一貫輸送体制の構築。あとはまた被災や渋滞に伴う陸路が機能不全となったときの代替輸送ルートの検討を記載しております。次にソフト面の取り組みでございます。実行センターが処理計画の策定ということでございますけれども、まずは一体的な処理計画、アクションのプランの策定、あとは発災時の体制などの確認が一つ目。また二つ目が災害協定の締結と処理計画の策定。三つ目が運用面の取り組みの検討ということでございます。次に、BCPの検討ということでございます。BCPの策定、見直しの支援を行っていくと。また燃料の不足に備えて、車両重機等の燃料確保という点を記載しております。
その次のページに行きまして、人材確保、受け入れ体制という部分でございますが、訓練を行うことによる職員の対応能力の向上。またOBや海外からの人材の受け入れなどの取り組みの検討というのが二つ目にございます。その次に被災自治体に受け入れる体制の事前整備という点でございます。この点については、民間事業者を含む関係団体との協定締結、連絡窓口の統一化を一つ目に記載をしておりまして、また民間事業者を積極的に活用するための事前の協力関係を築くという点が二つ目に記載をしております。
その次のページに行きまして、広域的な連携体制の整備ということでございます。これについては、一つ目は関係者での協議会の設置、連携体制や取り組むべき事項の情報共有化を記載しています。二つ目でございますが、これは訓練の実施と実効性の高い協定の締結運用ということが書いていまして、一つ目は合同訓練の実施、あとは広域的な体制整備のための協定締結。三つ目は地域外の廃棄物を受け入れる際の障害についての調整ということを記載しております。
次に、正確な情報の迅速な把握、速やかな手続の実施、通信インフラ、機能不全にも対応できる情報窓口の一元化ということで、災害対策本部の設置や関係主体の連携・自主体制の整備、あとは連絡手段の確保、あとは支援ニーズなどの情報の収集・共有化。こういった点を記載しております。
次のページに行きまして、再生利用先の確保という点でございます。この点についても、前回にもご議論がありましたので追加をしておりまして、まず再生資材の積極利用の方針の明確化。あとは需給マッチングの連携体制の構築。あとは資材品質の応じた分別・処理体制の整備。また保管場所の確保や財政支援。あとは環境規制面の取り扱いの改善と。こういった点を記載しております。
次のページに行きまして、衛生状態悪化や環境汚染の最小化という点でございます。これは避難ごみ、仮設トイレの発生する、これは収集運搬体制の検討ということでございます。これについては、一つ目が民間との協定も含めた対応の検討。二つ目は速やかな廃棄物の収集運搬の再開が記載をしています。次に環境汚染の防止対策の検討ということで、水産廃棄物の後の緊急時の焼却滅菌体制や海洋投棄処分方策の検討を記載しています。二つ目が危険物・有害物の取り扱いについての労働安全衛生面での明確化、また危険物・有害物についての所在場所の把握などの対策の実施。あとは、仮置場や集積場の環境汚染防止対策や評価方法の検討ということを記載しております。最後に火災で発生した廃棄物の処理方策の検討という点について記載をしております。
その次のページに行きまして、住民理解の醸成という点でございます。これは東日本大震災等の災害廃棄物の取り組みの伝承、あとは参加型・体験型の防災・減災の普及をしていくという点や、国民の理解を醸成するための取り組みの推進などについて記載をしております。
その次のページ4ポツ目が、今後の具体的な課題の検討ということで、今後全国的に関連団体との連携強化、広域処理体制の検討を進めていくということで、地域ブロック単位で、地方公共団体・民間事業者が参加する協議会を設置して、対策の具体化を行ってはどうかということで、全国単位としては、この検討委員会の場というものをまた引き続き活用させていただいた上で、まずは発災時の迅速な措置、平時の教育、訓練の中核としての巨大災害廃棄物対策チームを構築していってはどうかという点です。次に複合的な被害のシナリオを念頭に置いた、災害廃棄物対策における埋立地の確保、再生資材の利用先の確保の検討があるのではないか。あとは災害廃棄物の調整機能、資機材などの備蓄機能の強化の検討。あとは、ブロックごとに議論を踏まえた全体調整。このほか仮設トイレ、バキューム車、処理施設の運営に必要医薬品などの資機材の量、あと、保有量、供給可能量の整理や仮設炉の設置可能量を含めた調達策の検討というのがあるのではないかということでございます。
次に、地域単位ということでございますが、これは、行動計画の具体的な内容を検討していくという点。またはブロック内での協力体制の検討。あとは相互の連携・協働して、取り組むべき事項の調整。断的な検討の課題の検討。あとは、事前の体制整備の検討をしていくというのがあるのではないかということでございます。
その次のページに行きまして、地域単位での災害廃棄物処理体制構築に向けた具体的な検討ということでございますが、協議会の設置によって、以下のここに示す取り組みを段階的に行うということで、巨大地震発生時の災害廃棄物対策に関する行動指針や地域の行動計画の策定を行ってはどうかということでございます。最後は、最初に発生量の推計の話でございます。次に既存施設の破砕選別、焼却、埋立処理可能量や民間団体の協力可能量の把握。また次に地方公共団体・民間団体との事前協議。また地域ブロック内での必要となる仮置場面積の試算、また仮設処理施設の処理能力の試算、また最終処分場が新たに必要になるような場合の処分容量の試算、それらの用地確保の検討というのがあるだろうと。また必要な資機材についての確保状況の把握や必要量の把握。あとは危険物・有害物の保管場所・状況の把握、あとは関係者の災害廃棄物対策の共有化、地域住民の意識の醸成、あとは民間事業者等との協定を締結というのがあるのではないかという点でございます。
次のページに行きまして、3番目ということで、制度的な対応に関する検討ということでございます。これらの災害廃棄物の発生量は、既存の施設の状況も踏まえて、災害廃棄物の処理を円滑に進めるため、制度面から見て必要な措置をあらかじめ幅広い検討をしていくと。その上で検討状況に応じて必要な措置を具体化されたものから、法令面の見直しを適宜行うということでどうかということでございます。
まず一つ目が、災害廃棄物の処理方針・処理計画、関係者の役割分担、責務の検討。二つ目が行政機能が喪失・低下した場合の代行に関する規定や、行政機関の役割分担の整理があるのではないかと。次に災害対策基本法に基づく廃棄物処理基準、委託基準の特例措置の検討。次に民間事業者の活用を促すために必要な廃棄物処理施設の手続の特例措置の検討。あと、仮設処理施設を設置する際の手続に関する特例措置。その他環境法令の取り扱いの明確化。あとは海面処分場の活用促進のための環境規制面の取り扱いの改善や、再生資材の活用促進のための環境規制面の取り扱いの改善。あとは費用負担に関する検討があるのではないかということでございます。 次に、4番目に、人材育成・体制の強化の検討でございますが、研修体制を構築していく点、また東日本大震災発生時の取り組みのアーカイブスの作成。また地域ブロックごとのシンポジウムの開催。次に合同訓練の実施。あとは民間事業者の人材活用を促進するための協定等の締結というのがあるのではないかということで、記載をしております。
今のところたたき台ということでございますが、私のほうからの資料の説明は、以上のとおりでございます。
(酒井委員長)
どうもありがとうございます。取りまとめの骨子案をご説明いただきました。
それでは、ご意見を伺いたいのですが、今日のこの検討委員会、ご案内は16時から18時まででございます。あと18時まで10分ということで、ちょっと押しておりますので、申しわけございませんが、30分程度の延長をお許しいただければということで、お願い申し上げます。その時間を目安で、今からこの骨子案へのご意見を頂戴したいということで、ご容赦いただければ幸いです。 それでは、資料5に対するご意見をいただきたいと思います。多分、ほぼ全員からご意見があるのではないかと思いますが、どうぞまた名札のほうをお願いいたします。どうぞ遠慮せずに立てていただいて結構ですので。それでは、こちらのほうから、吉井委員のほうから順番に回していきたいと思います。
吉井委員、お願いいたします。
(吉井委員)
済みません、いつも唯一の港湾管理者として登場しておりますけれど。
今日は別の観点からお願いがあるんですけれども。実は、先日、事前に見ておったんですけども、なかなか役割分担まで出てきますと、なかなか従来の延長線上の話でしかなくなるので、できましたら巨大地震ということでありましたら、やはり少し、従来の延長線上ではなくて、少し国がきちんと出てくるということを、どこかで明確にできないかなと思っております。
前書きになるかもわからないのですけれども、できましたら環境省さんには前面に出て取り組んでいただくということを、これは一委員としてお願いをしておきます。
それのもとで、同じように、例えば海面埋立の部分が少し出てくるんですけれども、16ページの7です。ちょっとお願いなんですけれども、頭に膨大な災害廃棄物を受け入れる最終処分場を新たにという項目がありますけれども、こういうところで、国、県、市町村は適切な役割分担のもとで取り組むべきと書かれますと、これは従来と変わらないんですね。特にここで議論をしなくてもいいんじゃないかとつい思ってしまいますので、少しこの役割分担の書き方などは、もう少しご議論をいただいたらありがたいと思っています。
以上です。
(酒井委員長)
ありがとうございます。 では、引き続いて、森委員、お願いいたします。
(森委員)
先ほど、一般廃棄物自治体のごみ処理施設について少しお話をしましたので、11ページに、ごみ焼却施設の強靭化が入っています。自治体のごみ処理施設においては、当然この災害廃棄物を受け入れるとともに、ここに書いてあるように、電気・水・エネルギーを供給し備える、防災拠点としての機能をより充実させる、非常にこれは重要ですし、場合によっては地域の都市計画の位置づけられるようなレベルみたいなものがあれば、大変有効だと思います。
ただ、この中で、(2)で下に書いてある防災機能を果たすべきということですが、これは恐らく既存じゃなくて、新設あるいは更新というレベルになるかと思います。一つここで意識をしなければいけないのが、最近自治体では、余力ではないのですが、できるだけ余裕を減らして、効率よく運転しようというふうに取組む自治体が多くなっています。
ここで、先ほど余力の話をしましたが、実際に災害の廃棄物を受け入れるための能力を拡張するということは、ふだんは余裕をさらに増しておくという状況になるわけであります。
では、それをどのレベルまでにするのが、いいかということになるわけですが、実際には、注意しなければいけないのが、簡単に申し上げれば、能力を増やす。つまり余力を大きくしていくということは、結果的には発電効率というものが落ちます。それから、当然ランニングが増すとことになります。ランニングコストが上がるというふうになるわけですね。つまりふだん災害廃棄物が入らないのに入ることを想定して運転しているのですから、当然、発電効率は落ちていくことになる訳です。
したがって、この辺について、必要な余力と受け入れるための余力というのは、どういうふうに計算していって、どういうふうにバランスととったらいいのかということを、その考え方とあるいは基準みたいなものを示さないと、自治体のほうが、一生懸命に余力を減らして、皆さんが努力をしている状況にあります。当然災害廃棄物を受け入れるわけですから、余力が必要でございます。ただ必要だというと、ふだんのランニングがふえてきますので、その辺はしっかりと基準などの考え方をお示しして、誘導していただくというのが非常に重要かなと思います。いずれにしても、受け皿としての自治体の施設というのは非常に有効ですし、今後も期待をしなければいけない点であります。
もう一点は、設備の話をしたので、若干1点だけ触れますが、一般廃棄物の施設が災害廃棄物を受け入れようとすると、当然、その車両の問題、あるいは構造上の問題というものが出てくるわけであって、清掃車両が入るような構造になっているわけですから、当然そこにダンプ車が来たらあけられるかという問題なども発生します。あるいは、附帯する道路にトラックが入れるか、ダンプが入るかということがあります。当然それぞれの制約が種々出てくるかと存じます。ですので、その辺を今後の精度を高めるための調査を行うと
と同時に、もっと具体的なことを言えば、ストックしてある薬品が10日間しかないわけですから、もっとスペックにより長くないと、災害時には安定的な延長した運転ができない。また、災害のときに困るよというのに、いろいろありますが、ピットの大きさだってあるわけです。こう言っていたら切りがないんですけれど、精度を高めた調査をしながらも必要ならば、いずれ改善をするというような措置も講ずることも必要なのかもしれません。
いずれにしても精度を高めた今後の調査と、先ほど申し上げました余力と、災害廃棄物を受け入れるためのキャパシティというのがどういうふうにバランスをとっていくのかということは、当然考え方をお示ししながら、誘導していくということが大切かと思います。
以上でございます。
(酒井委員長)
どうもありがとうございます。
では、引き続いて、福本委員、どうぞ。
(福本委員)
10ページの仮置場の役割についてでございます。仮置場の役割、いわゆる分別をどこでどの程度までするのかということでございますが、解体現場で丁寧にきめ細やかな分別をしていくのか、あるいは仮置場で大型の機械を使って分別をやっていくのか。このあたりについては、いろんなお考えがあるかと思いますけれども、広域処理ということを前提に考えますと、市町村がばらばらの基準でやっておれば、なかなかスムーズに円滑に処理が進まないと思いますので、ある程度のルールといいますか、そういったものもご検討をいただいたほうがいいのではないかということでございます。
以上です。
(酒井委員長)
どうもありがとうございます。
平山委員、どうぞ。
(平山委員)
5点ございます。細かいところから行きますけれども、18ページのBCPですが、これは国と県だけなのですけれども、実際には市町村であるとか民間事業者も必要だと思いますので、その点を考慮いただければと思います。2点目ですけれども、26ページ、人材育成のところになりますが、今後の具体的な取り組みですのでこれでいいのかもしれませんが、実際には東日本大震災以外も、やはり今後のアーカイブといいますか、取り組みについては集積をしていくことが必要だと思いますので、東日本大震災等みたいな形で入れていただければ、ということです。3点目は同じところですけれども、訓練、あるいは合同訓練とありますけれども、いきなり訓練というのも何ですので、やはり演習であるとか、そういったような図上演習、机上演習という、そういった言葉も入れていただいたほうがいいのではないかと思います。4点目ですけれども、8ページに関連することなのですが、こちらのほうでは、実際に国民の健康の維持ということですけれども、実際にどういう処理であるとか、対策は書かれていますが、やはり環境モニタリングといいますか、例えば仮設焼却炉でありますとか、そういったところでも開始する前から環境がどう変わっていっているのか、あるいは、災害廃棄物の処理することによって、どういうふうに環境が変わっていっているのか、そういう観点から言いますと、やはり、環境モニタリング体制の構築、そういったことが非常に大きなことだと思いますので、そういったものも少し明確になるように検討いただければなと。
これで最後ですけれども、実際には実施時期といったもの、対応時期といったものを整理していただいているのですが、今後、国として実現していくということを考えたときに、例えば、南海トラフですと2035年前後に発生するということが言われていますので、ここに書かれていることをいつまでに実現するのか、あるいは達成するのかという達成時期みたいな考え方が要るのか要らないのか、そういったことに関して少しご検討をいただければなと思います。
以上です。
(酒井委員長)
どうもありがとうございました。
では、濱田委員、どうぞ。
(濱田委員)
すべての市町村ではありませんが、災害対策の計画を持っており、その中で、災害廃棄物の処理計画をつくっているところがあります。そうした中で、最終的にこの検討会で取りまとめられる行動計画や行動指針と市町村の計画の関係を整理する必要があると思います実際に行動を起こそうとすると、かなり大きな問題になります。
一方で、検討会の中でもお話があったとおり、まだ計画策定していない市町村もありますことから、その整合性をどう図るかの議論が必要だと思います。
以上です。
(酒井委員長)
ありがとうございます。
では、次に、永田委員、お願いします。
(永田委員)
先ほど、平山先生のほうから民間のBCPのお話があったわけなんですけども、民間企業の立場から言いますと、非常に事業を効率化するということで、事業内容をかなり絞ってきているわけですが、一方で、震災がいつ起きるという、一つの時間軸の問題が多分あろうかと思うんです。
例えば、港湾の話。東日本大震災での油輸送の問題では、あれはかなり西日本の製油所から送るということがあったのですが、受け入れ地のほうの港湾が非常にダメージを受けており、入っていかないという問題がありました。そうしますと、事前にどこに輸送しようというか、要するに、どの地域の精油所から持ってきて、それをためる油槽所があるのですけど、事業の効率化の中でそういう油槽所をいかに重要な港湾について確保していくかということを考えておく必要があるだろうと。それをもって、油を配送するような、そういうルートについても、事前にそういう計画を立てておくという。多分、それをやらないと、車両、重機等の燃料を確保すると書いてございますけども、具体的な検討を行っておかないと、これは非常に難しいのではないかと考えられます。特に、西日本には精油所などが太平洋側や瀬戸内側にございますので、そのあたりは、南海トラフの地震に関しますと、事前に検討しておかないといけない。それは、国のBCPもそうなんですけど、これは事業内容を含めて民間企業としても考えておかないといけない、そういう論点なのかなと思っております。
あと、もう1点。首都直下が来ますと、どうしても、木密あたりに行きますと、大型車がはいれないというところがございます、廃棄物の処理に関しまして、2トン車、4トン車という非常に限られた車両が大量に必要になってくると。そういう車両が全国的にどれだけあるかということをやはり事前に押さえておくべき問題ではないかと考えてございます。当然、そこにはどれくらいの処理日数で、何台必要かという、多分そのあたりの検討が必要になってくると思われます。
その際、重要なのは、19ページに人材の確保等々を書いてございますけども、車両や重機があったとしても、それを動かすオペレーターがこれから多分高齢化になっていって、だんだん減ってまいります。車両があったとしても、それを動かす人がいない。それが集められないということは大きな問題になりますので、その辺の育成と確保というものが非常に重要になってくるのではないかと思っております。
以上です。
(酒井委員長)
どうもありがとうございます。
鈴木委員、お願いします。
(鈴木委員)
大規模な地震を想定して計画を立てておくというのは非常に大事なことだと思います。ですが、実際に起きる地震は、計画どおりの地震が起きるわけではないと思います。したがって、大事になるのは、実際に起こった被害を迅速に正確に把握して、的確に対応していくと、こういうことになります。そうすると、例えば、発生量の予測とかをやるわけですが、想定が小さくなってしまうと後で対応が困難になるので、どうしても過大な見積もりをすることになります。ある程度はやむを得ないのですが、追加的な対応ができるようなものは、過少になっても追加対策が柔軟にとれるというものがあれば、やっている人は怖がらずに適切な推定というのをやれるようになるので、そういった可能性はないかを検討していただきたいと思います。
(酒井委員長)
どうもありがとうございます。
杉本委員、お願いします。
(杉本委員)
私からは、4ページの下のほうに出ています、地域ブロックを超えた処理の検討というところで一つお願いをしておきたいと思うんですけども、前々から感じておったのですが、資料2あたりを見ても、中部、近畿、四国あたりで7,000万トンとか8,000万トンというような膨大な災害廃棄物の発生が見込まれるというようなことなんですけども、これに人口の分布みたいなことを重ね合わせて考えますと、やはり四国が突出して被害がひどいのではないかという感じが、四国の住民としてはします。そのことがまさに、資料3に出てきている処理可能量などに出てきているのではないかなと思っていまして、先ほどちょっと出ていましたが、相当の処理の年数ですが、百何十年というような数字が出ると、四国の住民としては非常に悲しくなってしまうんですけども、その中で、この素案のまとめの中では、地域単位、ブロック単位での検討を進めていくということですけども、加えて、24ページにありますような全国単位での検討の中で、今申し上げました地域ブロックを超えた処理の検討、この辺も重点的に検討いただかないと、やはり四国の住民としては非常に安心できないなという感じを受けますので、そこをお願いしたいと思います。
(酒井委員長)
ありがとうございます。
では、佐々木委員、お願いします。
(佐々木委員)
ありがとうございます。
とにかく、これだけのものを詳細につくっていただいたことについては敬意を表したいと思います。その中で、どなたかが申していたのですが、役割分担のところに関してでありますが、国、都道府県、市町村と複数書いてあるところが多々あるんですが、その辺の主語の明確化というんですか、誰がどう役割分担を果たすのかというようなことをもう少し書いていただけるところがあるのではないかなと思いますので、その辺はご検討をいただければと。特に、県と市の役割というところについては、両方書いてあると、両方が同じものをやるのはばかばかしい話ですし、それから、15ページにあります、東日本でもありました事務委託のことがあるんですが、委託をしているからといって、現実に市町村のほうは県に任せてあるからみたいなことになったり、県は、いや、この部分しか受けていないよみたいなことになるので、その辺のきちっとした整理をしておいたらいかがかなと思います。
それから、国が直轄であると言って、福島の場合は例外ということで考えていいのかと。
それから、もう一つ、最後になりますが、震災発生直後にいろいろ市町村を回りましたら、いわゆる国の支援というのは、お金はいつもらえるのだろうかということは非常に大きい声で、特に、3月末でしたので、市の金庫はからですよみたいな冗談を言っていた首長さんもおられて、国の迅速な財政的支援、手続も含めてマニュアル化をして、できるだけ早く幾らぐらいのものが出るかと。仙台市さんも、4月にお金をいただいて、非常に計画を立てやすかったというようなことを申しておったと思いますので、ぜひご検討をいただければと思います。
以上です。
(酒井委員長)
どうもありがとうございます。
勝見委員、お願いします。
(勝見委員)
今回、再生利用先の確保という観点を入れていただきまして、ありがとうございます。
それに関係いたしますけれども、6ページに、目指すべき方向として、柔軟な災害廃棄物処理目標と処理システムの確保と書かれていますが、資源循環という観点がどこかに入らないものかというぐあいに思っています。環境省の廃棄物のご担当の部署で進められている検討ということでございますけれども、6ページの一番下の再生利用先の確保の観点は、他の部署との連携で進められるべきということからしますと、やはり、取り組むべき方向の大きな題目の中に資源循環というものがあったほうが大きな枠組みで動きやすいのではないかというぐあいに感じております。
以上です。
(酒井委員長)
ありがとうございます。
では、貴田委員、どうぞ。
(貴田委員)
2点ほど。
今、再利用のお話が出ましたが、再利用の推進というのは、やはり、やらねばならないことだとは思うんですけれど、それを利用するにあたっては、法律といいますか、若干緩めるというふうな形のことが書かれているんですけど、これに関しては若干違和感を感じておりまして、むしろ、使えるものをつくる、あるいは、使える形にするというほうがいいのではないかというふうな気がしております。それが一つ。
それから、6ページのところで柔軟な処理目標の設定ということがありますけれども、この意味合いについては、例えば、リサイクルをしようと思っても、それだけのリサイクルをどんどんしていけるという量がないのであれば、やはり、処理そのものはゆっくりであっても、いいリサイクルをしたほうがいいのではないかと。そういう意味で、柔軟なというのは、例えば、処理期間を長くしてリサイクルをするということも入っているのかなというふうな気がしておりますけれど、もしそうならば、それは非常に望むべきことだと思います。
それから、もう1点、海面埋立のことが書かれてあるんですけども、先ほどご意見があったかと思いますが、二つ目のところで、国が大規模な仮に処分場の先行整備ということであれば、これはすぐにできるというわけではないのでしょうが、ある意味、地元といいますか、県なり市町村が処理すべきという観点から言えば、あそこにあるのだったらいいのではないかみたいな形にもなりかねないので、これはどう考えたらいいのかなというふうに思っています。要するに、基本はどこがやるのだろうか。最終的には国がそこは担保してくれるということであればいいのでしょうけれども、何となく期待ばかりが先行しそうな気がしております。文章的な書き方かもしれませんけれど、その配慮をお願いしたいと思います。
以上です。
(酒井委員長)
ありがとうございます。
大塚委員、どうぞ。
(大塚委員)
小さい点で3点ですけども、16ページ、今、貴田委員がご指摘になったところのすぐ上のところですが、海面処分場での廃止基準の変更のようなことが後ろのほうにも書いてあるんですが、確かに、災害廃棄物が大量に出るので、何か検討をしなければいけないということはわかるんですけども、跡地利用関連に関しての財政措置のほうはよくわかるのですが、廃止基準まで緩和しなければいけないのかなということは、私はやや疑問もございます。ここに書いてしまうと、本当に環境省は絶対にやらなければいけなくなると思うのですが、ちょっとそこはお伺いしたいところです。
それから、再生資材の活用促進のための環境規制面の取り扱いの改善ということも、今、貴田委員がおっしゃったようにございますが、これは、具体的には、施設のほうの環境規制の緩和のことなのかと思うんですけども、できたものについても何か、リサイクルされたものについてもお考えなのでしょうか。ちょっとそこはお伺いしたいと思います。
それから、もう1点ですけども、11ページあたりのところに該当しますが、今回、放射性物質によって汚染された廃棄物のことは対象外になっているんですが、ですから、余り申し上げるつもりはないのですけども、東日本大震災の直後においては、普通の焼却施設であっても、ダイオキシン対策をとっているところに関しては、セシウムなんかについてもとれるということだったわけですが、なかなか近くの人には信用してもらえずに、随分環境省の方はご苦労をされて、非常に多大なご苦労の末、最終的にはうまくいったんだと思うんですけども、そういうこともありますので、あらかじめ基準を明確に出しておくというのは非常に重要かと思いますので、後先が逆になってしまうと不信感を招く可能性もあるものですから、ちょっとその点はぜひご注意なさって、最初から確定した基準を、放射性物質汚染対策特措法だけではなくて、つくっておいていただいたほうがいいのかなというふうに思っております。
以上です。
(酒井委員長)
どうもありがとうございます。
大迫委員、どうぞ。
(大迫委員)
数点あるのですが、一つは、連携体制というところなんですけども、国、県、市町村、民間事業者、そういう各主体間の連携とか、あるいは、空間的な広域連携というものもあるのですが、やはり、国、県、市町村それぞれの部局間といいますか、環境廃棄物の部局だけじゃなくて、他の防災、あるいは、土木等、関連する部局間の連携体制を日ごろからきちっとつくっておくということの必要性はどこかに書き込んでおく必要があるかなというふうに思っています。
それから、もう一つ、連携という意味の中で、今回の東日本大震災の中で、学術が比較的貢献を果たしたという面は大きかったのではないかというふうに思っていまして、そういう意味では、広域的にいろいろと起こった場合に、地方を技術的な形で支援するところの力が、もしかしたら弱くなっているかもしれないです。すなわち、例えば、地方の公的な環境研究機関というものはどんどん県の中で存在価値を失って、縮小されているということの中で、やはり、もう一回、地域における環境研究の機関だとか、あるいは、大学とか、そういったところも強化する中で、地域ごとにきちっとした対応する力、ネットワークづくりが必要ではないかというところがございます。
それから、あと、今回、東日本の最初の初動のところで、若干私自身も疑問に思ったところがあったのは、とにかく、地元の事業者を使うとか、雇用は地元雇用をとにかく重視するというようなところが、協力をしたいという思いの強かった首都圏のいろんな事業者の方々も含めて、何かそこで躊躇してしまったというところがあったのではないかというふうに思います。もちろん、地元の雇用ということも重要ですし、地元の事業者を使うということも大変重要なんですが、いろんな零細であったり、能力的な部分が十分でなかったりというようなところもあるし、資金力が十分ではないので、なかなか動きが難しいとか、そういったところもあると思うんですね。地域のいろんな事業者とか、人の力が育てば、それはそれで大丈夫だと思うんですけども、地元の雇用や地元の事業者をどのように尊重しながらも、体制を緊急時につくっていくか。そのあり方も、東日本の部分を検証しながら、再度考えてもいいかなというふうに思います。
最後に、この資料の一番最後にあたる人材育成・体制のところに幾つか挙げていただいている今後の取り組みの部分なんですけども、行政の中での人事管理といいますか、緊急時に対して対応する組織力というものが、専門性をとにかく育てることなのか、あるいは、ゼネラリストを育てるのかとか、それが組み合わさったような形が、多分一番対応ができる能力を持った状況だと思うんですが、それを日ごろからどのような人事管理の中で人を育てていくかとか、教育・研修だけではなくて、人事管理のあり方まで踏み込まないと、そろそろ、組織力というものに関して、今のままやっていくという中では、緊急時に対応ができないのではないかというような危機感も感じているので、そういった面でも検討を今後してはどうかというふうに思っています。
以上です。
(酒井委員長)
どうもありがとうございます。
宇山委員、お願いします。
(宇山委員)
最後の26ページの制度的な対応に関する検討のところなんですけれども、上から三つ目、四つ目、五つ目あたりなんですが、やはり、東京都としても、これまで、東日本大震災、あと、大島等も含めて、処理のお手伝いをさせていただいている中で、区市町村が処理する場合もありますし、都が処理する場合もありますし、あとは、民間事業者さんにお願いすることもありますけれども、災害対策基本法に基づく特例措置ですとか、施設の設置に関する手続の簡素化といったものが非常に重要かなと思っておりまして、先ほど、ほかの委員の方も申していましたが、ここら辺をどういったスケジュール感でやるのかということをちょっとお伺いしたい。
もう1点、佐々木委員もお話ししていましたけれども、小さい自治体はやはりお金を工面するのはなかなか難しいと思うので、年度末にお金を払いますというのは、処理を進める上ではなかなか厳しいところがあるのかなと思うので、そういった意味で、今までの議論の中でも、前金ですとか概算払いですとか、そういった意見があったと思うんですけれども、そういったものというのは、一番最後の費用負担に関する検討というところに入っているという理解でいいのかということをちょっとお伺いさせていただきたいと思います。
(酒井委員長)
ありがとうございます。
浅利委員、お願いします。
(浅利委員)
最後の今後の具体的な課題の検討に向けてというところに一番リンクするのかなと思うのですが、この24ページから26ページのところで、基本的には東日本大震災とか過去の災害を参考にというところにはなってくるかと思いますし、また、最後の(4)では、東日本大震災発生時のアーカイブスの作成ということがあるんですけれども、もう少し、一度体系的に、東日本大震災からの経験であったり課題というものを整理して、知見を体系化しておくタイミングなのかなというふうに思っております。ちょうど3年で、処理が終わりますと、私たち学会でも、2年目のところでマニュアルという形で一旦知見をまとめましたけれども、その後、津波堆積物の実際の活用であったり、また、有害廃棄物への対応というところ、それから、津波堆積物まじりの土砂の中間分別といいますか、前処理、そういったところで、いろんな技術・システムが施行されて、さまざまな検討がされておりますけれども、それぞれの特質を整理する、そういう作業も要るのかなというふうに思っております。
加えて、特に注意するところということで、生活環境の保全、衛生環境の保全ということで、腐敗物への対応ですとか、あと、仮置場での環境対策、そういうことも出ておりますけれども、これらの知見も、初期の非常に混乱する中で、皆さんは試行錯誤して、東日本でもそれぞれの取り組みがありましたが、これも一定しっかりまとめて、課題を抽出しておく必要があるのではないかと思っておりますので、これをぜひ今後の具体的な課題の中に、ひとつ起こせそうであれば、入れていただけたらありがたいなというふうに思います。
(酒井委員長)
どうもありがとうございます。
どうぞ。
(鈴木委員)
一つ言い忘れました。
海面処分場の話がさっき出ましたが、16ページの一番下で、大規模な海面処分場先行整備という形で書いてあるのですが、大規模な海面処分場の先行整備というのは、やはりコスト面からかなり厳しいと思います。そのために、先行整備よりは、地震後に緊急整備をするということを想定した準備をしておくということを考えることが大事ではないかと思いますので、よろしくお願いします。
(酒井委員長)
どうぞ。
(吉井委員)
済みません。ちょっと違う意見で、申しわけございません。
私どもはフェニックス事業をご紹介したと思うんですけども、大阪湾には、システムとしてはかなりいいものがありまして、スキームは若干苦しいところ来る人があるんですが、先行整備というよりも、余裕ポケットを持つほうが、極めて震災対応が早いと。どうしても、個人的には、東北のやつは、実は、初日から人の派遣リストを出して動いたんですけども、私が見ていても、神戸港の場合は国のほうがしっかりやっていただいたので、速やかに、1年半もかからずに全部復旧が終わっているんですけども、やっぱり広域ということもあって、なかなか時間がかかるのですが、事前準備というものがないと厳しいと思っております。
もう一つは、国がということでお願いしているのは、実は、巨大地震に関して、自治体単独ではなかなか限界が出てくると。せっかくこういう委員会ができましたら、最初に言いましたように、環境省さんには大変申しわけないんですけど、全面に出てきちっとフォローしていただくということをまとめていただけたら大変ありがたいと思っています。
以上です。
(酒井委員長)
図らずも委員間の議論をしていただき、どうもありがとうございました。
ほぼ一通りの委員の方から、最後の取りまとめの骨子に向けてのご意見を頂戴いたしました。非常に多くのご意見でございますので、これは事務局のほうから個別に答えていただくというのは、ちょっと今日は省略をさせていただきたいと思います。ただ、質問的な、考え方を確認したいというご発言もございましたので、少しピックアップいただいて、整理をいただいたらどうかと思いますが、いかがでしょうか。
(山本廃棄物対策課長)
本当にたくさんの貴重なご意見をありがとうございました。酒井委員長におまとめいただきましたように、全体としては、個別にいただいたご意見を次のまとめに対してどんなふうに活かしていくかという形で整理して、次回というか、恐らく事前にもご確認いただくということにもなると思います。こういった形で整理をしたというようなことでご確認をいただくようなことを考えたいと思います。
そういう中で、一部ご質問のような点もあったかと思いますが、全体として見ますと、今回の検討に関しましては、今年度の補正予算の中で検討経費を認めていただいておりまして、今年度から来年度にかけて大きな検討予算をいただいております。そういう中で、全体として、地域におけるさまざまな検討具体化というものを、かなり今年度から来年度にかけて重点的にやっていきたいというふうに思っております。来年度で全てができるわけでもありませんから、それは、環境省が重要な課題として継続していくということですが、一つの大きな節目としては、今年度、一定のこの委員会の中で整理をいただいたことを、来年度、地域に落として具体化を図っていくと。そういう中で、ご指摘のあったさまざまな基準だとか巨大災害を踏まえた特例的なものだとか、現行制度のある程度整理でできるようなところについては、来年度にかけて、スピード感の中でしっかりとやっていくというようなことが考えとしてはあろうかと思います。そういう中で、再生利用だとか海面埋立もそうですけど、規制の部分で、ある程度巨大災害を想定して少し考えなきゃいけない部分というのと、環境規制ですから、環境規制としてしっかり守るべきところは守らなきゃいけないという関係で、ご懸念もあったかと思いますが、そこは将来的にもいろいろ議論が必要なところですので、今の段階でどういったところまで考えているかということは実はまだ整理できておらないわけですが、東日本でも、我々が想定しなかったというようなレベルの災害だったわけですが、それよりも、場合によってはもっとひどいことが起きるかもしれないという中で、従来の制度だとか、そういったものを守るべきものはしっかり押さえながら、きちんと改めて巨大災害を念頭に整理しなきゃいけないところは整理しなきゃいけないというふうに考えております。ここらあたりは長期的なことでゆったり構えているということではなくて、来年度にかけてしっかりと整理をしていきたいと思っております。
それから、大塚先生からありましたように、放射能の問題も、今はちょうどまだまだ福島第一原発の問題の終息ができない、我々も汚染廃棄物の処理を一生懸命やっていますけど、なかなかまだ軌道に乗っていないという状況ですが、全体の中では、環境規制の中でこれをどうしていくのかというのは、環境省全体の大きな課題ですから、その中の媒体の大きな一つとしては廃棄物がありますので、東日本の対応をしっかりやりながら、第一原発の事故の汚染に対応していくという中でそういうものを整理していって、本当はそういうことがないことを期待するのですけども、平時のルールとして、早くそういうものは確立していかなければいけないなと思います。
あとは、本当にいろんな視点で貴重なご意見をいただきましたし、環境省としてもっと国として前に出てというのは、恐らくそのとおりだと思いますので、そのあたりはどこまで整理ができるかということはありますけれども、次回の資料の中では、できるだけそのあたりがクリアになるように、中でもしっかり検討させて、調整させていただきたいと思います。
なかなか十分なお答えになりませんが、以上でございます。
(酒井委員長)
どうもありがとうございます。
特に、大塚委員、貴田委員から、基準緩和とか、あるいは、規制云々というところの部分に対して、一定のお答えをいただけたと思います。ゆっくり考えるということになるだろうと思いますけれども、また今後どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、この骨子の取りまとめに向けてでございますが、今日は欠席された委員もおられますので、その方々には、期限を切って、ご意見があればということをぜひ1回やっておいてください。
それと、最後の今後の具体的な課題の検討に向けての立て方は、今日のご意見を聞いておりますと、連携、地域、制度、そして、人材育成という4本立てなんですが、どうしてもここに技術的課題、システム的課題というところが入ってくるのがどうもありそうな気がしております。そのあたりは、また具体的に次年度以降に取り組んでいただく課題とも密接に関係してくると思いますので、最後の4番の具体的な課題の検討に向けては、もう一つ、今の技術的課題、システム的課題というものを入れ込んでいただけませんか。それを含めてまとめていただくと、次年度以降にむけた課題のめり張りがついてくるのではないかというふうに思います。これはあえてお願いしたいというふうに思います。
何よりも、役割を今回はどんどん出していただいたのですが、国、都道府県、市町村が前面で整理いただいて結構なんですけれども、やはり国力を挙げてということにならざるを得ない話もあると思いますので、もっと強く民間の方々の力をという部分も今の技術的課題のあたりにどんどん入ってきていいのではないかという趣旨も含めて、ぜひお願いいたします。
それでは、今日いただいた議事は以上でございますが、全体を通じて何かご意見がございましたら、ここで伺いたいと思いますが、何かございますでしょうか。
よろしければ、今後のスケジュールということで、本日、その他を事務局のほうから説明をお願いいたします。
(松田補佐)
今後のスケジュールということでございますが、資料6をちょっと見ながらと思いますけども、次回の委員会の日程は3月28日、このイイノホールの会場で4時からと予定しております。また後日改めて開催案内などを送付させていただきたいと思います。
また、本日の議事録については、原案を作成しまして、委員の皆様にご確認いただいて、その上でホームページに掲載する予定ですので、よろしくお願いいたします。
(酒井委員長)
それでは、予定は以上のとおりでございます。次回もどうぞよろしくお願いしたいと思います。 それでは、本日はさまざまなご意見を頂戴いたしまして、どうもありがとうございました。いただきましたご意見を踏まえて、最終回に向けて準備を進めていただければと思います。
それでは、これで第5回の巨大地震発生時における災害廃棄物対策検討委員会を終了したいと思います。長時間のご議論をどうもありがとうございました。