環境再生・資源循環

第3回PCB廃棄物早期処理推進ワーキンググループ議事要旨

日時

平成27年12月2日(水) 10:00~12:00

場所

TKP市ヶ谷カンファレンスセンター ホール4A

出席委員

(委員)(五十音順)

有門委員、上野委員、大塚委員、親里委員、鬼沢委員、近藤委員、酒井委員、高橋委員、梶川代理人(田畑委員)、田和委員、中井委員、中杉委員、野崎委員、眞柄委員、松田委員、宮金委員、森田委員

(オブザーバー等)

中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)

中間貯蔵・環境安全事業株式会社の事業所が立地する関係自治体

(室蘭市、江東区、愛知県、大阪府、福岡県)

経済産業省 産業技術環境局環境指導室

経済産業省 商務流通保安グループ電力安全課

産業廃棄物処理事業振興財団

議事

  • PCB廃棄物処理基本計画の達成に必要な追加的方策について

議事概要等

  • 会議は公開で行われた。
  • 事務局より、PCB廃棄物の期限内処理の早期達成に向けた追加的方策について(案)について説明があり、委員より意見があった。

主な意見等

(1)PCB廃棄物処理基本計画の達成に必要な追加的方策について

(近藤委員) 安定器は電気事業法で除かれるものになるのか、入るものになるのかを明確にしていただき、電気事業法の工作物に入っていて報告がないのか、それともどういう形で管理されているのかを教えていただきたい。

(大塚委員) 安定器について漏えい事故があったということであるが、これをもう少し詳しく教えていただきたい。

(森田委員) 自動車とか鉄道、船舶とか移動体のところは誰がどのようにして調査をすることになっているのか、教えていただきたい。

(経済産業省電力安全課) 安定器については、平成16年の経済産業省告示67号に掲げている12の電気工作物が報告対象となるPCB関係の工作物であり、ここに安定器というものはない。

安定器については電気事業法での電気工作物ではなく、家庭の一般的な電気使用機器と同じ扱いで、電事法の対象からは除かれるという整理で運用している。

 電気事業法施行令で除かれているのは移動体で、具体的には、鉄道車両や船舶あるいは航空機の関係については、それぞれの関連法令の中で必要な規制がされているという整理で運用してきているので、個別の法律を運用している関係省などに確認が必要になるかと思う。

(環境省) 平成27年10月の安定器の漏えい事故について、今年の8月27日に静岡県の富士宮東高校で調理室の蛍光灯の安定器から液漏れがあったため、これを調べたところ、実際にはPCBが使われている安定器であり、さらに学内全体で調査をしたところ、52台のPCBが含まれる安定器があることが明らかになり、それを撤去したという事案である。

 移動体について、電気事業法の枠の外ということでそれぞれの法律があるが、把握している限りでは使用中のPCBのものについて何らかの、仕組みがあるとは把握していない。ただ、廃棄物になれば、PCB廃棄物になるのでPCB特措法に基づく届出が義務づけられる。

(中杉委員) 輸送機器に関して、化審法でPCBは原則使用禁止になっているが、特定の用途として新幹線のトランスには使えるようになっており、化審法で許可をしているので把握はされていると思う。

(中井委員) 今後この取りまとめ資料に基づき、制度作り、法改正等をしていく際に、この取りまとめに書かれているいろいろな配慮事項が読み取れるようにしていただきたい。

 例えば、JESCOさんの処理見通しと事業者側の委託見通しについて、相互調整を行うというところは、実務的にはいろいろと課題もあって大変な作業になるのではないかと思う。そういった難しさがある一方で、善良な事業者には配慮しながら使用停止期限を設定する、としており、これらをどのように条文等に規定していくのか、難しい点があると思うので、お願いしたい。

 併せて、微量PCBの問題について、取り組むべき課電洗浄にかかわる宿題対応等についてはしっかり対応してまいりたい。

 一方で、容器洗浄の認定手続き等の緩和や、早期処理につながるいろいろな工夫も今後ありうると思うので、その辺についてもまた御相談させていただく、御指導をいただくという形で進めていければと思っている。

(田和委員) JESCOが長期的処理の見通しを明らかにして事業者と調整することが適当とされたことについてですが、事業者の処理計画を確度の高いものにするためには、事業者の処理委託の見通しに対して、JESCOの処理計画の提示が必要になるので、そこを十分お願いするとともに、処理料金の値上げについての配慮もお願いしたい。

 低濃度PCB廃棄物について、課電洗浄方式の範囲の拡大や抜油後の筐体の方策の検討は、低濃度PCB処理を円滑に行うために早期の実現が重要だと思うので、引き続きの検討をお願いしたい。

(高橋委員) 低濃度PCBの処理体制の整備については、課電洗浄の対象範囲の拡大や抜油後の容器の合理的な処理方策が継続検討中であるため、微量PCB汚染機器を保有する事業者は処理の目途を付けられないといった側面がある。微量PCBの処理促進のためには、まずこれらの方策を処理に実現させるなど、処理体制の充実、多様化を早期に進めるとともに、その処理料金の低減を図っていただくようお願いする。

 また、PCB廃棄物処理の必要性の普及啓発等については高濃度PCBと低濃度、特に微量PCBではリスクや事情が異なることから同じPCBと見られることがないようにPCBに詳しくない人でもわかりやすく丁寧に説明いただきたい。

今回の取りまとめ資料では、低濃度PCB使用製品との記述になっているが、低濃度PCBのうち微量PCBについてはPCBを意図して使用したものではないことから、法律に記載する場合には適切な表現にしていただきたい。

(鬼沢委員) 今後5年かけて掘り起こしをしていたのでは間に合わないと思う。実効性を高めるため、いつまでに完全に掘り起こしをしていくというような具体的な期日に係る目標が入ったほうが良いのではないか。

(親里委員) 日本電機工業会PCB処理検討委員会において、今後取り組める追加的方策について検討を進めている。従来の電話相談窓口やウェブサイトを通じた情報提供については、改善を進めながら今後も継続していき、高濃度PCB使用製品の掘り起こし調査について、判別方法の支援等を製造事業者として協力し、調査の効率化に貢献していく。また、「PCB廃棄物早期処理関係者連絡会」への参加についても、対応を検討している。

 更なる取組として、顧客に対する積極的な情報発信を行い、PCB使用製品の該当性や早期処理の必要性についての周知も有効であると考えている。なお、機器種別によっては代理店、盤メーカー、電材卸商、工事業者等、流通ルートが多岐にわたるため、機器設置事業者を把握できているケースが限られており、各中間業者に情報伝達のお願いをしなければならないことを御了解いただきたい。

 PCB特措法に基づく届出情報の一元的データ管理システムの構築が検討される場合には、高濃度及び低濃度のPCB廃棄物の判別に必要な情報提供の協力がどのように可能か検討してまいりたい。

(大塚委員) 未だに使用中の安定器が破裂や漏えいの事故を起こしており、廃棄物の期限内処理のためだけでなく、電気器具の保安の観点からも、早く使用廃止をするということが必要であり、電気事業法の電気工作物としての規制の網の中に入れることが必要ではないかと思う。

 使用中のPCB使用製品について、電気工作物に該当するものは、電気事業法に基づいて経済産業省で責任を持って一定の期限内に廃止させて、JESCOの処理完了期限内の処理の橋渡しをするという理解でよいか明確にしてほしい。

 電気事業法の規制対象外の高濃度のPCB使用製品として、安定器や自動車、鉄道、船舶、航空機などのトランス・コンデンサがあり、現在、都道府県市の掘り起こし調査対象にこれらは入っていないので、期限内の処理完了に向けて、国交大臣等と連携したような実態把握が必要。

 行政代執行に関する支援として、産業界、特に高濃度のPCB使用製品の製造事業者についても、何らかの費用負担を考えていただくことが必要だと思う。現在のPCB特措法においても、製造事業者の責務については規定があるので、そのような観点からも御検討をお願いする。

(眞柄委員) 本日のJESCOからの安定器と汚染物の処理見込みの説明では、北海道営業所の円卓会議は了解を得られないだろう。少なくとも、いつの段階で見直して、平成35年度中に必ず終了するというロードマップが必要である。

 平成12年の閣議了解と平成27年の環境省からの通知が出されているが、北海道庁においてもこの通知に対するフォローアップの調査を北海道内の市町村にしていなかった。少なくとも平成27年のフォローアップや平成12年のものについてのフォローアップが必ずしも十分なされていないと認識している。

 高濃度については、掘り起こし調査がされるということだが、安定器の再調査をやっていただきたい。最近の報道によると、蛍光灯と白熱灯の製造について温暖化ガス省エネの観点から国の方針として定められたので、国民の認識とタイアップするような調査をして、国内で使用されている民生用の蛍光灯、安定器についての掘り起こしを丁寧にしていただきたい。

 北海道事業所の監視円卓会議の委員の経営している施設から蛍光灯の安定器が見つかり、昭和47年以前に設置されたものであった。広報を含めて、安定器については、平成35年度中に終了するように的確な数値を把握し、計画的な処理が行えるようほかの高濃度PCB廃棄物等と同じような体制をとっていただきたい。

(中杉委員) 東京の環境安全委員会では、JESCOに少なくとも毎年、将来を見通した計画を立てるように言っており、掘り起こし調査等により処理対象量の確度が高くなることに対して、毎年将来の見通しを立てるようにしないと心配であるので、確度を高くしたものをつくってもらう必要がある。

 計画的な処理をしていることに対する配慮は仕方がないが、JESCOとうまく連携をとる必要があることに注意をしていただきたい。どうしても期限ぎりぎりに処理計画を持っていくことが方向性としてあると思うが、そうなると期限の最後に一気に集まってきてJESCOがどうしようもないという話になりかねないので、お互い連携して情報交換をしてやっていただく。場合によっては事業者の方が計画して処理したいといっても受けられないことも十分あり得ることを了解していただいてお話をしていただく必要がある。

 低濃度PCBの課題については、高濃度に比べて前段階のところであり、まず実態を把握するために、どうしたらいいのかというところから始めているので、これからの見直しが必要であり、今日のような会議をもう少し進捗した段階で何回もやらなければならないのではないかと思う。

(上野委員) 特に高濃度の追加的方策については、電気事業法の電気工作物に該当しないPCB使用製品についての記載が少し曖昧ではないかと思う。PCB特措法で対応できるが、例えば安定器や船舶、車両や使用中のものは、今は把握できないが、廃棄物になった時点では対象になってくるので、その対応をもう少し詳しく書き込む必要があるのではないかと思う。

 特に新幹線の車載トランスは、既に廃棄物として実際にJESCOで対処しているが、この書きぶりではその辺りが見えてこない。

 低濃度で同じ書きぶりがあるが、特に低濃度は調査対象外となっているのでもう少し書きぶりを掘り下げたほうが、これからの進捗状況をさらに検討する上で調査の対象になるので、もう少し詳しく書いたほうがよい。

 掘り起こし調査について、アンケート調査の回収率が50%ほどしか現時点では見込めないので、報告徴収や立入検査を行うことを可能にする旨が書いてあるが、回答することが対象事業者にとって有利になるような検討も必要ではないかと思う。

(松田委員) JESCOの長期処理の見通しの説明は、若干まだきめが粗いというのが率直な感想である。処理期限あるいは使用期限をどう置くかを、このワーキンググループあるいは親委員会で決めない限りは、きめ細かな進捗の管理ができないのではないかと思う。また、処理期日から遡って現在に至るまでをバックキャストするためには、この期限をきちんと決める必要があります。もう少し定量性を持った書きぶりにしていただきたくか、その期限を決めていただきたい。

 また、低濃度PCBは高濃度PCBに比べれば毒性の観点からはハンドリングしやすいが、いろいろな処理方法があり、あるいは汚染物もいろいろな形態があるので、処理の技術的な問題や困難性に関しては、JESCOの高濃度PCB処理のノウハウを共有化することが大事だと思う。民間の処理業者さんのそれぞれの処理困難性をもう少し洗い出しをして、掘り起こしから使用製品の廃棄まで絡めてやるほうがよいと思う。処理の固有の問題を抱える方々、あるいは収集、管理、掘り起こし、廃棄物化という観点で、それぞれの分野のエキスパート、あるいは直接携わっている方々を交えた新しい検討委員会を立ち上げないと、今のままでは何も進まないのではないかなと危惧している。

(梶川代理人) 電気事業法に基づく電気工作物の届出のリストの精度が低いということは、既に課題として取り上げられており、前回も発言したが、例えば電気保安協会さん、電気管理技術者協会さんなどの情報を届出のリストに反映させるということが現実的にできるのか、できないのか。もしできるのであれば、地方版の関係者連絡会などの場を活用してそういう取組について協議したいと思っているので、その点について教えてほしい。

(宮金委員) 本編の資料の高濃度のフローチャートの各フェーズの中におけるそれぞれの追加的方策とワーキンググループの各委員さんからの御指摘等も含めて書いているが、印象としてはまだざくっとした書き方になっている。今後法改正やその他の制度を改正していく中で明確にしていかなければいけない項目も当然出てくるので、そこを明記する際には各委員さんからの御発言の趣旨をとらえて、実効性のある書きぶりにしていただき、自治体が事業者に対する指導をする際にマイナスに働いてしまう書ぶりにならないようにしていただきたい。

 掘り起こし調査について、国がつくっている掘り起こしマニュアルの範囲では、全部のPCB廃棄物を見つけ出すには手薄という印象をいまだに拭い切れておらず、他の自治体などはこれに基づいて掘り起こし調査をやっているところが大多数だと思うので、このマニュアルに従って掘り起こしをしたが、処理期限を過ぎて新たにまた発見されたということにならないように、マニュアルの見直し等も今一度御検討いただきたい。

 電事法上の届出のデータの精度の向上もずっと言われており、環境省と経済産業省でもいろいろリンクしてデータを都道府県市にも提供していくことで考えているようだが、ここは一番スピード感を持ってやっていただかなければならないところだと思っている。把握が最初のフェーズに来ているので、ここのデータがいい加減であると次に進めない。北九州市では低濃度の掘り起こし調査を始めており、電事法のデータを活用しているが、市内約5000事業所にアンケート調査票をデータに基づいて送ったところ、現在700~800戻ってきている。ここには連絡先も何も書いていないのでフォローアップできないので、このあたりはもう一度考え直していただきたい。

 処理施設の健全性を確保するための方策が今回新たに記載されているが、最後にPCB処理事業所の立地自治体として一言意見を発言させていただければ、期限内処理は非常に大事なミッションであることは間違いないが、その前段の安全性の確保ありきの確実な処理であり、北九州市は今地元では非常にゆゆしき状況にあるので、今後はこれをゆめゆめ忘れずに安全性第一を考えた上での早期処理ということで、環境省がリーダーシップを発揮していただいてやっていただきたい。

(野崎委員) 東京都ではこの秋に自家用電気工作物設置者約6万件のPCB廃棄物と使用中のPCBについての調査を行い、速報値で6万件中約3分の1が居所不明で返ってきた。有効対象が約4万件ということになりますが、そのうち今のところ約44%の回答があり、残りの56%について、電話により促して何とか今年度末、3月末までに確定していきたいと考えている。
 また来年度以降のフォロー調査につきましては、まだ都として予算は決定していないが、予算要求をしている。予算がつけばさらなる電話による調査、立入確認というところまで持っていって、何とか3年以内ぐらいにきちんとした形での数字をつかんでいきたい。ただ、今回の調査の中にPCBに関するチラシも一緒に混ぜたところ、そちらの反響も多く、PCBというものを初めて知ったという方もかなりおり、微量PCBの分析や高濃度はどう処理するという御説明をしている。
 微量PCBの分析と処理については中小企業等における国等の補助がないので、都としては独自に補助制度をつくって5年間活用しており、来年度以降もできれば延長ということで考えている。この度、東京電力さん、保安協会さん、関係団体、関係会社に御協力をいただきながら、早期処理に向けたチラシを配布してもらったり、東電さんからメールで関係団体に送っていただいたり、また講習会で私どもが説明したりという地道な活動をやったところ、都の微量PCBの分析補助制度の申請件数が一気に上がった。PRしていけば、確実に現状が把握できてくるので、さらにPRに努めていくべきと考えている。
 要望として、本日までの会議の中で、早期処理に向けた課題、方向性、特にそれぞれの機関が何をやればいいかということがかなり明確になってきた。先ほど複数の委員の先生からお話があったが、これからはそれぞれの機関が具体的にいつまでに何をやるかということが重要である。都内の高濃度PCBの電気機器の8~9割方は処理が進んでおり、これから残るのは安定器とか微量PCB、さらに言えば残りの高濃度の電気機器ということになるので、対象が毎年変わってくる状況の中で、それぞれの機関がロードマップをつくって何をやっていくかというのを具体的にすり合わせながら、今後は進めていく必要があると感じている。

(田和委員) 各社は数十年にわたってPCBの保管管理をしているのは結構負担になっており、負の遺産は1日も早く処理したいと考えている。私どもが身勝手に処理計画をつくっても絵に描いた餅になるので、JESCOさんも積極的に情報を出していただき、ちゃんとした計画になるようにお互いに協力調整してつくっていきたいと考えている。

(近藤委員) PCB処理に当たって安全性というものが非常に重要。ベンゼンの事故は豊田市でも以前あった事象であり、そういったものの横展開を各事業所で検討していただいていると思うが、同じような事故が他の処理施設でも起こるということは、安全監視委員会で横展開をしていると言われている豊田市においても非常に問題のある事故だと思う。各処理施設で出てしまったトラブル、小さな事故から重要な事故まできちんと共有化を図って、二度とそういうものが起きないようにしていただきたい。

(環境省) 移動体のPCB機器に関する把握について、使用中のもの、特に移動体のものは、把握している限りにおいては、トレースできるような仕組みになっていないが、現時点ではPCB特措法で廃棄物になったものは届出ということになっている。

 今回の報告書においては、もともとPCB特措法で使用中の部分、特に都道府県市で把握できていないところも含めて、把握できるようなことにしていくべきではないかということが、追加的方策として書いているので、今後そこに取り組んでいくということになると考えている。

(酒井主査) 移動体に関しては、今の御回答のとおり、今の追加的な方策案に加筆をしていくような方向になるのではないかと思うので、上野委員、大塚委員から御指摘のあったところの御意見を踏まえて、よろしくお願いしたい。加えて、電気工作物に向けて電気保安協会の情報リストアップの活用等に関して経済産業省のほうに質問があった。また、大塚委員からは安定器を電気工作物の対象とすること等についての意見もいただいた。このあたりに関して、回答いただきたい。

(磯部電気保安室長) 電事法の届出データの精度が低いことへの対応については、電気保安法人あるいは電気管理技術者による点検の際にPCB機器の確認などを行うことが必要かと思う。もう一つは、使用中の機器の一定期限内での処理をさせるべきとの意見をいただいた。この2つの問題については、この場で明確な方向性は示すことはできないが、御意見を重く受け止めて内部でしっかり検討し、できるだけ早期の処理ができるような制度などを整備していきたいと思う。きちんと制度化するのか、それとも協力ベースでやるのか、内部で検討させていただく。

(酒井主査) では、方向性としては意見として、お聞きいただければと思う。

 それでは、この段階で全体的に、電力安全課、環境指導室、それから環境省という順番でコメントをいただきたい。

(磯部電気保安室長) いただいた御意見は重く受け止めて、早期の処理が達成できるように電事法関連の制度、あるいは関連した規定類の見直しの検討を行っているところ。今後とも環境省との連携を密にして、早期に適正な処理ができるような制度を整備できるように取り組んでいく。

(権藤越境移動管理官) 当省としては、今後、今回の報告書に示された方向性に従い、環境省とも十分連携しつつ高濃度PCB廃棄物の計画的処理完了期限内の処理促進のための必要な方策について検討を進めていく。

 また、高濃度と低濃度の違いなどPCBに関する正確な知識の啓蒙、PCB廃棄物処理の必要性や処理支援策に関する事業者などへの普及啓発にも環境省、製造事業者、JESCO、自治体様等とも連携して、しっかり取り組んでいく。

 低濃度PCB廃棄物については、報告書案において処理体制の充実、多様化と処理料金の低減といった方向性を示していただいたので、引き続き、課電自然循環洗浄法の対象範囲の拡大や絶縁油の抜油後の筐体の合理的な処理方策について官民連携して検討を進めていく。

(角倉課長) 本日までにいただいた御意見については、環境省としても重く受け止め、しっかりとPCB廃棄物の早期処理推進に向けて、取り組んでいく。

本日、特に御意見、御議論いただいたいろいろな追加的な方策について、これをどう実効性のあるものにしていくかということが一番大事であるという御指摘を数多くいただいた。

 今後制度化を検討するに当たっては、今回の追加的方策案への御意見を、いかに制度の中にしっかりと盛り込んでいくか、その際にしっかり実効性のあるものとなるような方向で検討すべきだという御意見をいただいた。

 また、実際にこの取組が順調にいくようにするためには、各関係者間のいろいろな調整連携作業が必要であり、特にJESCOの処理計画と事業者の処理計画のすり合わせが重要となるので、制度化の検討に当たってはそういう部分についてもしっかりと配慮すべきであるという御意見をいただいた。

 さらに実効性という観点からは進捗管理が非常に重要。例えば、使用中の製品については一定の期限を設けての使用の廃止などが書いてあり、掘り起こし調査についても、具体的にいつまでにということは実際ここには書いていないので書くべきではないか。さらに、処理の計画、各事業者の皆様方、JESCOの処理計画とのすり合わせをどのようにして、どう実効性のあるものにしていくのか。JESCOの処理の見通しのロードマップをしっかり示していくべきであるなどの御意見もいただいたところである。

 いずれにしても、進捗管理をしっかりしないと実効性のある取組にはならないという御指摘であり、この進捗管理はどういった仕組みでどのようにすることがいいのか、しっかりと考えていかなければならない課題だと受け止めている。

 実効性の確保や今後どうするのかということについては、そういった御意見だったかと思いますが、特に本日大きな御議論となったものは、使用中のPCB使用機器について電気工作物として電気事業法の対象になっていないものについて、その1つが安定器であり、もうひとつが船舶、航空機等の移動体に使われているPCB使用機器である。電気工作物については、現在、電気事業法の体系でしっかりとした取組をするということで、経済産業省さんに大変力強いお言葉をいただいている。残りの安定器、移動体など、電気事業法の対象になっていない部分の取組の検討内容がまだ弱いのではないかという御指摘をいただいた。この点は、重く受け止め、さらにどういった対応が考えられるのかをしっかりと考えていく。

 さらにもう一つ各論で大きな御意見として、低濃度については高濃度と違うというところでまだ検討課題が多く、今後引き続き考えていくべきだということである。ただ、低濃度の部分についてもしっかりやらなければならないということで、数々の課題について今後引き続きしっかり検討すべきであるという御意見をいただいたので、ここの部分についても重く受け止め、今回の議論を踏まえて低濃度についてもさらに今後どのようにやっていくのかということについては、継続的に先生方の御意見も踏まえながらしっかり検討していく。

(酒井主査) 特に1点だけ、PCB処理対象が電気工作物の対象外となっているものに安定器、移動体という結構大きなPCB処理対象物がありそうだという整理になっている。これをどう今の電気事業法、PCB特措法等の中で対処していくかという話になっていくと思うので、安定器をそもそも電気工作物として考えられないのかといったあたりの御意見も十分尊重いただき、御検討のほうを進めていただきたい。