環境再生・資源循環

第4回高濃度PCB廃棄物の行政代執行に対する支援に係る検討会 議事要旨

日時

平成28年11月7日(月) 14:00~14:40

場所

TKPガーデンシティPREMIUM秋葉原 ホール3B

議題

(1)高濃度ポリ塩化ビフェニル廃棄物に係る行政代執行に対する支援について(依頼)

(2)その他

出席委員

(委員)(五十音順)

赤渕委員、上野委員、内橋委員、大塚委員、河合代理人(高橋委員代理)、小磯代理人(野田委員代理)、鈴木委員、田中(敦)委員、高橋代理人(田中(昌)委員代理)、新美委員、塗委員、福井委員、山田(咲)委員

(オブザーバー)

中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)

産業廃棄物処理事業振興財団

議事概要等

  • 会議は公開で行われた。
  • 事務局より、高濃度PCB廃棄物に係る行政代執行に対する支援のあり方について説明があり、委員等より意見があった。

主な意見等

○ 資料2の別添の5番目の文章の中で、「造成目標額の上乗せが必要となった場合の取扱については、改めて関係者と協議する」の「関係者」というのはどういった方を想定しているのか。都道府県市も含めて関係者というふうに考えているのか。

行政代執行を行った後に、支援の決定が受けられるというような形になるのかと思うが、代執行後に支援を受けられなかったということがないような体制はとっているのか。代執行の前段階で支援について何らかの内示のようなものがもらえるのか。
 運用状況に関する報告のところで、「関係事業者等」となっているが、「等」というのはどういった者を想定しているのか。

→(環境省) 「関係者」には自治体も含まれるものと考えている。この造成目標額に関しては、掘り起こし等を含めてこの数字が絶対動かないということは難しく、もし上乗せが必要となったような場合には、今回この議論に関わっていただいた関係者を含め広く関係者と議論して検討する必要があると考えている。
 実際代執行をした後に、支援できないということがないように、どこまで行政措置をしていれば、どのくらい支援ができるのかということを事前に出来る限り明確にし、代執行に至るまでの経緯を確認するための資料を提出してもらい、それで支援決定するという形の運用にしたいと考えている。具体的には今後検討していく。
 運用状況の報告のところで「関係事業者等」としているのは、自治体の方々なども含めある程度広く世の中に公表していくことになるのではという意味で等を付けている。

○ 資料2別添において、代執行に必要な見込額が12億円とあるが、参考資料3を見ると、既に把握されている分が8億円程度、今後新たに発生する分が5億円±αであり、この8と5を足すと13億円になるのではないか。
 資料3において、自治体にどの程度の支援の割合があるのか。例えば実際かかった収集運搬、処理費用の何%ぐらいを支援してもらえるのか。

→(環境省) 12億円のところについて、確かに5と8を足すと13になるが、計算の端数の関係で12億円となっている。

 処理費用の支援について、まず費用の半々を官民で分担して、その官に係る費用のさらに半々を国と自治体で分けるということを考えている。このあたりは、国のほうも予算要求中というところなので確定的なことは申し上げられないが、全体の費用が12億円と見込んでいるので、出来れば3億円を3年間かけて積み上げるということを環境省としては考えている。そのため実際の運用としては、4分の3の額を基金から自治体に補助をする。残りの4分の1については自治体のほうの負担という形で分担することを考えている。

○ 資料2の5において、「改めて関係者と協議するものとする。また、事業終了後、基金に残金が生じた場合には、その出えん割合に応じて関係事業者に残額を返納するものとする」となっているが、これは、企業としては返還するということになると、出えんが仮払いという感じになる可能性があり税務的に論点がある。1回払って使った分だけを寄附金にという扱いになる可能性があり、そこはちょっと税務当局と調整していただきたい。
 企業としては基本的には1回払ったらもう寄付として扱って、極論として返ってこなくてもよい。おそらく特別枠を使って通常の寄附金控除の倍の枠を使って一気に損金に落としていくという手続きになるが、残額を戻すということになると、使った分で残った分は返すことになるので、残額が確定するまで処理が延びるという形になる可能性がある。

 そのため、ここの部分を「改めて関係者と協議する」くらいにとどめておいて、協議で合意すれば、残金を関係事業者に返金することにしたり、ほかの基金に拠出するとか、公益財団法人のほうに拠出するという形を考えてもよいのではないか。企業が寄附金で一気に落とせないと、全体のスキームが狂うと思うので御検討いただきたい。

○ 代執行の支援の前に額が確定している必要は特にないと思う。

また、改善命令を出すまで1年以内というのは別添などに出てこないので、どこかに明記した方がよいと思う。

○ 今回のスキームで一番問題になるのは、保管事業者等へ徹底的に追求したというところ。これは当然徹底的に追求するということを自治体に求める必要がある。

その中に、以下の3点を入れていただくようお願いする。
・法人が代執行の対象となった場合、都道府県市は法人の役員についても同時に個人に対して改善命令をかける。
・個人については、財産調査で主な銀行の預金調査。今は銀行も開示してもらえるので、銀行の本店に行ってやるのが有効ではないか。

・個人の不動産について、自宅等の調査あるいは必要に応じて差し押さえというような手続き。

○ 今の御指摘の点は実務上非常に重要。是非どこかにきちんと押さえておいていただくとありがたい。

○ 今回の支援で都道府県市に拠出されたお金について、現状、産業廃棄物の場合では、支援金については、行為者に対して費用請求をして返ってきた分については、その割合に応じて返金するという形をとっている。

そういった中で、最終的に残額が確定するのは相当後になるかと思う。そこら辺の制度設計はどうなのか。もし払ったら全額いただけると一番ありがたいなと考えているがいかがか。

→(環境省) 今回の基金についても、基本的には保管事業者の責任の追求というのが一番重要であるので、求償して回収できた分については、同じ割合でお返ししていただくということが基本的には考えられる。
 一方で、不法投棄とは期間が違うので、そこの部分の運用をどういう形にするかということに関しては、これから御検討させていただきたい。

○ 残金が出た場合の処理は、税務上慎重に扱わないといけない問題もあるので、国税当局とも相談しながらきちんと詰めたほうが良い。
 事務局において、これまでの議論踏まえた上で、引き続き関係事業者との調整を進めていただきたい。それと同時に、行政代執行に関する支援の具体化についても、作業を進めていただくようお願いをする。

本日の議論をもって、この検討会の議論はひと区切りということにさせていただきたいと思う。今後は本検討会の議論に基づく関係者の取組の推移を注目してまいりたい。