環境再生・資源循環
第36回PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会議事録
日時
令和7年1月14日(火) 14:00~17:00
場所
公益財団法人産業廃棄物処理振興財団 会議室+WEB方式(YouTube配信)
開会
(前田主査) それでは定刻となりましたので、ただいまから「第36回PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会」を開会いたします。初めに環境省環境再生・資源循環局 廃棄物規制課長の松田から御挨拶いたします。
(松田課長) 皆様こんにちは。環境省の廃棄物規制課長の松田です。本日はこの検討委員会にお忙しい中、御参画いただきまして、誠にありがとうございます。
昨年12月13日に開催した中央環境審議会循環型社会部会におきまして、今後、廃棄物処理制度小委員会を設置して、廃棄物処理法等の法制度について審議いただくことが承認されました。PCBについてもこの検討会で御審議いただいているPCB特措法の点検結果等についても報告して、今後制度的な議論を進めていただきたいと考えております。
本日の委員会では前回に引き続きまして、高濃度PCB廃棄物と低濃度PC廃棄物、それぞれのPCB特措法に係る今後の対応について御審議いただきまして、本日と次回の2回で取りまとめていただければと思っております。こういった結果を踏まえてさらに審議会で制度的な議論をしていただいて、その上で来年の国会で審議をしていただけるような形で、我々もできれば準備を進めていきたいと思っております。
環境省は引き続き経済産業省さんをはじめとする関係省庁とも連携するとともに、立地自治体の御理解・御協力をいただきながらJESCO、自治体、産業界の皆様と一丸となってPCB廃棄物の適正処理が進むように全力を尽くしていきたいと思います。JESCO事業が終了するというところはもう間違いのないことですので、JESCO事業が終わった後にそれでも少しずつ出てくるPCB廃棄物についてもしっかり対応できるような体制づくり、加えて令和9年4月以降に低濃度PCB含有製品が不要になったものが廃棄物となって出たときの適正な処理に向けた仕組みを、ぜひ我々としてもしっかり作り込んでいきたいと思いますので、今日は活発な御議論をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
(前田主査) 本日の委員の出席状況を報告いたします。14名の委員中12名の委員に出席いただいております。伊規須委員、鬼沢委員が御欠席です。また、JESCO PCB処理事業所立地自治体、PCB処理監視委員会委員長等にも御参加いただいています。よろしくお願いいたします。
また本日は議題3の化学工業における低濃度PCBの取組を説明いただくため、日本化学工業協会の四家部長にオブザーバーとして参加いただいております。
委員の皆様には会議場に資料配付、またはあらかじめ資料をメールにて送付させていただいております。不備等ございましたら事務局にお知らせください。
またWeb参加いただいている委員におかれましては、発言される際にWebシステム上の挙手ボタンを選択してお知らせください。
これ以降は、座長の永田先生に進行をお願いいたします。
議事
(永田座長) どうも皆さん、また関係者の方々御参加いただきましてありがとうございます。よろしくお願いいたします。
それではまず初めに議題1番目、PCB廃棄物の今後の課題とその対応策のポイントということで、環境省のほうから説明してもらいます。高濃度と低濃度と両方あります。
(切川補佐) 資料1-1に関して御説明させていただきます。
次のページをお願いします。この資料は、前回までの第34回、35回で論点整理ということで議論を進めていただきましたものに関して、今回PCB廃棄物の今後の課題とその対応のポイントということで、案を取りまとめています。
最初が高濃度PCBの新たな処理体制構築に向けた課題です。まず上の緑の枠の中を御覧いただければと思います。ここに課題をまとめています。所有者が覚知できなかった照明器具の安定器やコンデンサー等の高濃度PCBが入った製品が、今後少量かつ散発的に発見されるということが考えられる。これを処理するための技術ということで、既存の低濃度PCBの無害化処理認定施設で処理することを考えていく。そのときには前処理が重要。かつ長期的に維持できる体制の構築が必要であり、それに向けて必要な実証試験を踏まえた技術的な検討をしていくということを課題でいただいています。
その対応につきましてア)~ウ)と3つに分けて対応のポイントの案を整理しています。
ア)長期的な体制づくりのための技術的な検討の実施です。最初のマルからJESCO事業、無害化認定修理施設で得てきた処理実績とか知見を活用して技術的な検討を進めていきます。その際には、今後少量ではあるが長期間にわたって発見され続ける可能性があるということに留意しまして、既に運営実績のある既存の無害化認定施設での処理を念頭に置いた前処理工程(抜油や解体等)の検討を進めていくというのが1つ目になります。
さらに、仮に大型のものが出た場合はということで、JESCOで実施しているような絶縁油を抜油し、洗浄の上で部材を筐体から取り出すといった前処理工程を参考に関しても実証試験やリスク評価を踏まえて、可能な方法を選択していきます。
もう1つが前回酒井委員から御指摘がありました、溶融による資源回収の考え方が大事だというところです。変圧器やコンデンサーのように絶縁油が多く入っているものと異なりまして、小型のコンデンサーを部材として利用している製品や基板などに関しては、構造が複雑であり、かつ希少金属が含まれていることもありますので、電炉や非鉄製錬の知見も参考に検討していきます。
イ)は実証試験になります。大きく2つあります。1つ目のマルのところ、JESCO東京事業所の敷地内の建屋を活用してコンデンサーや安定器の解体試験を実施して、安全性や作業性を確認します。もう1つは次年度、令和7年度から無害化処理認定施設において試験を行い、速やかに具体化していきます。その試験で得られたものを踏まえて今後作業方法や手順に関してガイドラインとしてまとめていきます。
ウ)長期的に維持できる処理体制への対応ということで、ア)とイ)の成果を活用して、前処理施設を設置した適正な無害化処理施設で、散発的に発生する高濃度PCB処理試験を実施して、長期にわたって処理施設が構築できる体制を考えます。この「長期」がいつまでかという議論もありますけれども、現時点では対応のポイントとしてこのようにまとめています。
次のスライドをお願いします。次は制度の見直しに関する対応のポイントということで、前回これまで行ってきました大量に保管・所有されていた高濃度PCB廃棄物はJESCO事業においてほぼ処理ができたという状況になっています。そこから今後、少量ずつ散発的にと、繰り返し申し上げていますが、フェーズが変わってきますので、それを踏まえて排出事業者の下でPCB廃棄物等が確実に処理されるような制度の見直しが必要であるという課題に対して、ア)とイ)で整理しています。
ア)これまでは立地自治体にも監視いただくため、廃棄物処理法の15条施設で運営しておりますけれども、今後は環境省が責任を持って体制を構築するということで、無害化認定制度を活用して検討していこうということを1つ目で書いています。
「その際に」というのが2つ目のマルです。新たに付加的にこういった前処理施設を導入していただくということになりますけれども、そこの投資に対して何かしら負担の軽減策が必要だろうということを書いています。
次がイ)です。PCB 特措法の見直しです。PCB特措法のこれまで実施してきた趣旨は確実に引き継いでいくという観点で、最初のマルで、高濃度PCB廃棄物を確実に処理するために、発生覚知後、一定期間内の処理委託をするということを義務づけると書いています。
さらに2つ目のマルです。真ん中のほうにありますが、高濃度PCB廃棄物の届出制度や保管基準の適用は堅持しますが、計画策定・管理業務等は、自治体の事務負担の軽減の観点からも制度の見直しを行っていく。その際に今後自治体の規模が小さくなったときに少量、散発的だと経験がなかなか積めないということがありますので、高濃度PCBの処理実績情報の管理主体については、国が一元化してPCB処理に知見のある機関に委託することも考慮する、ということをポイントとしてまとめています。こちらが資料1-1になっています。
(前田主査) 続きまして資料1-2について御説明させていただきます。資料1-1と同様に、低濃度PCBについて第34回、35回の論点整理をした資料になります。タイトルとして処理期限以降の低濃度PCBに係るPCB特措法の対応、とつけています。
次のページをお願いします。処理期限以降の低濃度PCBの課題ということで、これまでの議論をまとめています。現在のPCB特措法では、低濃度PCB廃棄物に対して取扱いの規定を定めており、低濃度PCB廃棄物は期限内に処理する方針で自治体や業界団体と連携して取り組んでいるが、中小企業や個人等において、製品が使用中であることやPCB含有製品かどうか不明の疑い物が多数存在すること、また分析や処理の経済的負担増等を理由に、処理が進んでいない保管事業者や所有事業者も少なからず存在している、ということがあります。このため、上記の規定を変更し、以下の対応とし、加えて処理促進策を講ずることとしております。
①令和9年3月までに低濃度PCB廃棄物と判明しているものはすべて処理すること。
②廃棄物となっていないコンデンサー等の封じ切り機器を含めた使用中の製品について、今後検討する使用から廃棄までの厳格な管理制度・体制の下で、処理期限後に廃棄された低濃度PCB廃棄物もすべて処理すること。
また、2つ目として事業者へのヒアリング等では以下のような事例も報告されている。すなわち、既に低濃度PCB含有が判明しているが当該製品を廃棄するためには装置全体を交換する必要があるものや多数の小型PCB含有疑い製品が組み込まれており1個1個の確認が困難な制御盤等、また財政難から塗り替えが進まない橋梁の塗膜等、上記②の対象として検討すべき特殊な事例も明らかとなっています。
これらの処理促進を図るためにも、同製品の所有者に対する管理の強化や廃棄までのトレーサビリティ確保のための仕組みを導入するなど、現行制度の見直しが必要であること。
また、最後に無害化と資源回収、その両側面を持ったシステム構想につながっていくような仕組みの検討も必要である、ということでまとめています。
次のページをお願いします。ただいま挙げた課題について制度見直しに関する対応のポイントとしてア)~ウ)ということでまとめています。
まず1つ目として、ア)使用中の低濃度PCB含有製品及び疑い製品への対応、ということで、こちらは主にコンデンサー等への対応についてまとめています。
処理期限以降に低濃度PCB廃棄物として発生しうる使用中の低濃度PCB使用製品及び同疑い製品について環境上適正な管理及び処分を確実に実施するため、同製品の所有者に対する管理の強化、さらに廃棄までのトレーサビリティ確保のため、PCB特措法を見直して、以下の仕組みを導入する、こととします。
処理期限後の不適正処理の防止のため、使用中の低濃度PCB含有製品及び同疑い製品に関する届出を義務付ける制度の導入。
使用中の低濃度PCB含有製品等の不適切な管理を防止するため、管理基準の設定や基準を遵守させるための仕組みの導入。
使用中の低濃度PCB含有製品等を廃棄する際に適正処理を確保するため、自治体への廃棄届出後一定期間内の処理及び処理後の自治体への報告の義務化の導入。
2つ目のマルとして、届出制度においては、自治体や申請者の事務負担の軽減を図るためDX化も可能な範囲で取り入れることとする。これにより情報の効果的・効率的な運用・活用等も可能となる。
3つ目として、なお、疑い製品を廃止・廃棄する際にはPCB濃度分析を行い、PCB廃棄物と確認されたものは、含有製品と同様に廃止・廃棄の届出後一定期間内に処理することを求める。こちらにつきましては長くても3年以内と考えておりますが、期間内で柔軟に設定することも考えられると考えています。こちらについて委員の皆様の御意見をいただければと思います。
また今後の判別に参考となる情報として活用すること。なお、PCB非含有が確認された場合には、その旨を届け出れば対象廃棄物はPCB特措法の対象から外れるようにすること。
最後に疑い製品については各メーカーに製造年度や型式、設置年度などからの対象製品の絞り込みを求め、保管及び使用事業者の負担軽減を図り、絞り込みを行うこととします。
次のページをお願いします。続いて塗膜に関する取組として、イ)低濃度PCB含有塗料を使用した設備等への対応、とタイトルをつけました。
こちらについては、公共インフラの橋梁等や特定業種による工場のタンク等の使用中の設備等の表面に防錆用のPCB含有塗料の塗膜が施工されたものについては、設備自体の機能が維持されていれば厳格な管理を適切に行うことで使用し続けることができるものとする。なお、これらの設備等の補修・更新の際に併せて、塗膜の剥離を計画的に進めるように、以下の仕組みを導入する。
低濃度PCB含有塗膜の付着した設備等の所有者(国、自治体、特定業種企業等)に対して、廃棄後の処理を含めた設備の塗膜の管理計画の策定とともに、計画的な処理を促す仕組みの導入。
管理計画の実効性を担保するための同計画の定期的な公表・見直しや管理・廃棄処理に関する行政指導等の規定の追加。
2つ目として、設備等の管理計画において、塗膜の剥離の際の飛散防止及び回収された低濃度PCB汚染物の処分等についても事前の検討を求める、こととします。
次のページをお願いします。最後にウ)低濃度PCB処理における高度な体系整備の活用、ということで挙げています。
こちらについては、JESCO事業終了後に新規に発見される等の高濃度PCB含有製品等に関しては、以下のような処理体系の実現に向けた検討を行っています。
運営実績もある既存の無害化処理認定施設での処理を念頭に、現存する焼却炉や溶融炉等に付加する形での前処理工程の実現と適用。
新規発見の大型の変圧器やコンデンサー等に対しては、JESCOで実施しているように絶縁油を抜油し、洗浄の上で部材を筐体から取り出す等、実証試験やリスク評価を踏まえて、安全かつ効率的に無害化処理が可能な方法を選択。
安定器や溶接機等の小型コンデンサーを部品として利用している製品については、PCBが含まれる小型コンデンサーを安全に取り外し、焼却または溶融により無害化処理する方法を選択。
さらに電炉や非鉄製錬の知見も参考に無害化と資源回収を同時に行う観点も含めた、より高度な処理体系の検討を行っています。
上記のような無害化と資源回収を同時に達成できる、より高度な処理体系の実現は今後の環境対応としても重要でありますので、実現した際には低濃度PCBの処理にも適用する、こととしております。
資料1-2について説明は以上になります。
(永田座長) どうもありがとうございました。冒頭の御挨拶にもありましたように、これまでやってきた成果をこういう格好でまとめさせていただいて、その結果をさらに文書化して次回には報告書のような形でまとめさせていただければと考えています。それを循環部会等に提出することになろうかと思っています。
ということでこれに関しては、報告書のレベルではこういうことも追加してほしいというような要望事項があると思いますので、そうした点についても御発言願えればと考えています。御発言のある方、また札を立てるか挙手していただけますか。
浅野先生からどうぞ。
(浅野委員) 前回までの議論をよく整理していただいて、大変分かりやすくなったと思いますので、事務局の御努力にはまず敬意を表したいと思います。
質問が1つあります。電気事業法の適用になって経産省所管のものについてどういうことになるのか。この取りまとめだけではよく分からない面がありますので、それがどうなっているかについて説明をいただければと思います。
その上でなお、塗膜についての扱いも現実的に考えるとこういう扱いでいく以外ないかな。つまり製品のようにものとして登録するというふうになかなかうまくいかないから、管理計画を作ってもらうというのでいいのだろうと思います。
ただ、最近鉄道がどんどん廃止になっていますので、廃線になってしまった場合、鉄道会社それ自体が残っている場合、JRなどの場合は問題ないのだけれども、民間の鉄道会社は会社そのものがなくなってしまうということがないわけではないです。そういうときは一体どうするのだろう。
あと自治体が責任を持てといっても単純にはいかないので、そういうような場合まで含めて、ものの管理ということをどこか考えておかないといけないかもしれません。管理計画を作るという発想でいいのだろうと思うのだけれども、計画それ自体が、施設の廃止・譲渡の場合の引き継ぎです。必ずこれは引き継がないといけないのだという、これは法律条文の中でそういう例がないわけではありません。例えば何とか管理計画みたいなもので、物権的な効力を認めて所有者が代わっても、その計画はちゃんと生きるといったことをやっている例がないわけではないです。そこまで厳しくしなくてもいいかもしれないけれども、何か考えておかないといけないのではないかということがありました。
それとの関連で言いますと、もう1つ低濃度PCBが入っているもので、まだ現に使われているものです。これは法律構造上、前から問題なのですけれども、PCB廃棄物にならないとこの法律がうまく動かないような仕組みに最初からなっていた。高濃度はまずいから、廃棄物にならなくてもチェックできるようにみなし廃棄物とした。それを低濃度の場合も同じように考えていかざるを得ないのでやりましょうと。それは今までの経験がありますし、それでいいのだろうと思います。
ここでもそのものが今度は譲渡される場合、PCB廃棄物については譲渡禁止という規定がかかっていますけれども、まだ廃棄物になっていない段階で譲渡されてしまって行方不明になってしまうという危険性はなお残っています。少しややこしくなってしまうけれども、そのことを少し考えておかないといけないと思います。
どこまでぎちぎちやるかという問題はあるのですけれども、そんなことを考えていてさっき今日の話も思い立ったのですが、鉄橋が譲渡されるとは考えにくいので、これはむしろ廃止された後ほったらかしになったら困るということがあります。そういったことを考えなければいけないのかどうか。
塗膜に関しては、タンクのようなものについて廃棄されてしまって、その後引き継ぐ者が誰もいないという状態も十分起こり得ると思うので、やはり考えておかないといけないという気がしました。その2点について意見として申し上げます。
(切川補佐) 浅野委員、御指摘ありがとうございます。まず2つ目にいただいた塗膜について回答させていただきます。鉄橋のようなものでPCBを使っている塗膜が使われているものに関して今後の対応をどうするかについて、どれくらい鉄橋等でPCBがまだ使われているのか、現状を把握するところで、環境省では大きな民間も含めて塗膜調査を、次回の検討会で取りまとめ結果を御報告させていただきますが、毎年実施しておりますので、状況を特出しで整理をして、現状を踏まえて今後の対応を検討した上で、御相談とさせていただければと思います。
その上で、御指摘のような問題が発生する可能性は懸念されます。国が一元的に管理してはどうかという御指摘も前回いただいています。そういったところも含めて総合的に考えていきたいと思います。
1つ目の電気事業法との関係ですけれども、電気事業法に関してはPCBが入っていることが分かっている使用中の電気用のものと自家用電気工作物に関しては、電気事業法で届出がされています。既に制度として義務づけられています。PCBの含有製品と疑い製品の中で、特に使用中のものの整理はしっかりとしていかないといけないと考えています。使用中のものをどうするかのところで、特に難しいのがまだ使えるものがあって、それを中古品で売りたい、譲渡したいとなったときにPCBを含有する製品、もしくは疑い物として届出されているものをどうしていくのか。気持ちとしては廃止して処分してくださいとしていきたいのですけれども、それが制度上できるのかというところが、一番ポイントかなと考えています。そこに関してどういう手当ができるのか。ここも今すぐ答えが出ないので、対応を考えます。非常に難しい宿題と考えています。ありがとうございます。
(永田座長) ありがとうございました。法制度に当たって考慮、検討しておかないといけない点、今、浅野先生から御指摘いただきましたが、その他もあると思っています。これはその解決策をここで議論するとか、短時間で対応できるという問題ではなさそうな気がします。循環部会とか制度小委員会等で検討していただく方向性に持っていくのか。あるいはある程度ここで結論を出しておいて、そこに提案をするのか。その辺のところはまた考えさせていただきます。
使用中の機器については、いずれそれが廃棄物になっていくということを考えると持っておきたいということで、電気工作物について経産省のほうでも当然情報は取得するのでしょうけれども、併せて環境省のほうにも届出をしてもらうような、方向性で考えていくのが今までの議論からすると筋かなと思っています。
(川本委員) 資料1-1で1点あります。最後のスライドになります。ア)無害化制度の活用のところのマルの2項目目です。認定制度、認定施設を活用してやっていくという方向性は大変いいことだと考えています。マルの2番目の項目で書かれている点、コスト負担の軽減策、イニシャルについて記述があります。恐らく現実に考えると、毎日ものが入ってくるというのは想定しづらい面があって保守管理が結構重要になると予想されます。
日常の業務の中でなら、事業者の事業活動の中でということになるのでしょうけれども、そういうふうな状況が起きたときの保守管理に要する費用を制度の中でも考える必要があるのではないかと思います。
資料1-2のほうでスライドの最後になります。高濃度で4項目やっていってそれを低濃度にということですが、高濃度のほうですとコンデンサーなど焼却または溶融という書き方で2つに限定されての書き方になっています。低濃度の場合、どうなのでしょうか。固定床炉みたいなものもあろうかと思います。これは細かい話かもしれませんが、そういう熱処理設備の範疇は少し広げておいたほうがいいのかなと思いました。以上です。
(切川補佐) ありがとうございます。回答させていただきます。1つ目のコスト負担の観点です。環境省の補助金という観点では、イニシャルコストに対する補助事業はあるのですけれども、メンテナンスとか保守点検に関する補助金はあまりないので、維持費は処理費の中で見ていただくというのがいいのかなと思います。そこもどれくらいかかるのかとか、事業者さんがやるに当たってどのくらいデメリットになるのかといったところをヒアリングした上で、検討を進めていきたいと考えています。
2点目の低濃度のところで固定床炉があるというのは御指摘のとおりですので、既存の焼却炉で、固定床炉も念頭に置いた整理をしていきたいと考えています。
(永田座長) ありがとうございます。メンテナンス費用の負担の話はどれくらいの期間それに対応するのかというのが明示されていませんけれども、かなり長くなる可能性もあるわけです。それをどういう形で対応していくのかというのは、なかなか問題が多いかなという気はしております。
一方でこうした前処理設備をほかの対象物に対して適用していく、広げていく、そういう可能性もある部分とは思います。その辺のところも含めて、こういう有害廃棄物に対してはこのシステムを有効に活用できるというような技術的なサジェスチョン、あるいは技術的な対応のありようについて検討していただいて、それを業者に参考にしていただくということも考えられるかなと思っています。
いろいろな手立てを考えながら、確かにメンテナンスの費用は非常に重要な話だし、それほど安い費用にはならないという感じもします。その辺のところは考えていきたいと思います。
よろしいでしょうか。あとは技術的な対応、低濃度についてはいろいろな方法論があるかと思いますので、今後検討していただいて適用を進めるような方向性で見ていただければと思っています。
酒井先生、どうぞ。
(酒井委員) 今回無害化と資源回収の両側面を持ったシステム構想という言葉でしっかりと書き込んでいただいたので、ぜひ期待をしたいと思います。それが高濃度だけでなくて、低濃度のほうにも最後に一文入れていただいています。どちらかというと低濃度こそ資源回収の観点をより大切にしていく。特に今回分かってきているような制御盤のような産業機械のリサイクル、資源回収利用というところはまだまだ手がついていないと思います。そういう意味での技術のリード、あるいはシステムのリードという意味で期待ができる方向ではないかと思っています。
それに関連して、ぜひ今後を考えるいいタイミングということで発言させてもらいます。JESCO事業でプラズマ溶融を全国2か所でしっかりと運用されてきたわけです。その技術展開の検証と今後の有効的な方策を考えるための検証があっていいのではないかと思います。JESCOを活用した実証試験というところもいろいろメニュー出しが始まっています。その中でぜひそういう観点での調査もしていただけたらどうかなと思いました。それがもう1点です。
(永田座長) 高濃度に関する、先ほどあった散発的、かつ少量に発生してくるものにどう対応するかという技術開発がありますけれども、あの範囲を少し広げて考えていただきながら対応を見極めていっていただけるとありがたいと思います。先ほど先生から御指摘のあった資源化も含めた対応とか、あるいはより安全な処理の方法論とかそういうのをその中で議論していただけるとありがたいと思っています。
(酒井委員) そこは永田先生がおっしゃるとおりだと思っています。廃棄物処理技術としての溶融技術という観点もあると思いますが、電炉活用の産業技術としての分解と資源回収の両側面の機能を果たしていくという方向も十分あり得ると思いますので、そういう方向にも期待したいと思っています。
もう1点、低濃度の2ページのところです。最後のマルで疑い製品に関して各メーカーに絞り込みを求める、そして保管事業者あるいは使用事業者の負担軽減を図る。この方向は非常に結構なことでぜひ進めていただきたいのですが、進める上では日本電機工業会JEMAさんの協力、あるいは指導が必須のところになるのだろうと思います。併せてそこを所管されている経済産業省の指導、あるいは協力、協調というところにも引き続き期待をしたいと思います。そういう観点でもぜひよろしくお願いしたいということを申し添えておきたいと思います。
(永田座長) ありがとうございました。今日はその他の中でJEMAのほうから関連事項ということで報告していただきます。そのうちの1つにこの問題が入っていますので、そこでまた内容を聞いていただいた上で御発言があったらよろしくお願いいたします。
(酒井委員) 制度的に難しいところもあるかなとは予想はしているのですが、実質的に進めるいい協調の仕方が必ずあると思いますので、そういう観点でぜひよろしくお願いしたいと思います。
(永田座長) 分かりました。実際の問題としては安全宣言以降に製造された製品の中からPCBが発生しましたという重大な事案ですね。それをちゃんと記述しておかないといけないなと思っています。と同時に、前回の原因究明以降に相当なデータが蓄積されたわけです。特に保安協会のデータは公式のデータではないのですが、入っているものと入っていないものをちゃんと測定されたデータを記録して残してある。これは非常に重要なので後ほどその結果が出てまいります。そのデータを見ていただきながら、どういう状況になったら負担軽減につながっていくのか。私は結局測定対象の割合を5%とか10%とか非常に少ない値に持っていけるような努力をメーカーのほうではしていただきたいと思っています。
それがユーザーにとってみれば、今まで期限を切って期限のところまで全部を測定しなさいと言われていたのが、それが随分幅として狭まってくる。そういうメリットを、今回新たに発見されたということで本当はこんなことがあってはいけないと思っているのですけれども、そういうことを契機にしていろいろなデータがあることが分かってまいりました。そのデータを活用して今のような、使っている、所有するが、本当は責任はないのですけれども、そういう人たちの負担軽減を図っていくような努力を関係者がみんなでやっていただくことが必要だろうと思っています。短い文章ですけれども、中身は相当濃いと認識しています。
高岡先生、どうぞ。
(高岡委員) 私からはまず、高濃度PCB廃棄物について1つは無害化処理認定施設でこれから実証試験を行うということですが、何か所程度でやるとお考えなのかということを1点お聞きしたいと思います。
それから今後、少量かつ散発的に高濃度PCB廃棄物が出てくるかもしれないということで、今後無害化認定施設で処理をしていくということですが、一方でやはり処理の効率ということも考えないといけません。ここでは今一定期間内に行うということで書かれていますけれども、この間もどこで保管をし、どこでどういう状態で処理をするかということも考えないといけないと思いました。
もう1つは低濃度PCBになります。こちらは2枚目のア)の使用中の低濃度PCB含有製品及び疑い製品への対応ということで、ここに書かれていることには私も合意しますが、この中で所有されているところの計画がありませんでした。下の塗膜のほうでは管理計画の策定ということもあります。やはり所有されているところは使用の計画、管理、廃棄の計画というか、そういったボトムアップというか、今後の処理の計画みたいなものを持っていただく必要があると思いました。
(切川補佐) ありがとうございます。回答させていただきます。まず1つ目の実証試験の箇所数です。前回の検討会のときには、来年度から複数か所選定してということで説明させていただきました。具体的には2社か3社でできればと考えています。まず溶融も大事ですけれども、焼却から着手するに当たって、そのための前処理をしっかりと確認していくというところを実施したいと考えています。
その上で今後どれくらいの処理事業者さんが高濃度でもできるようになってくるかというところが、先ほど先生がおっしゃった今後の処理の効率性のところにかかってくると考えています。保管場所と処理先とある中で、途中で紛失して不適正な処理をされないということが大事ですので、しっかりと管理でき、あまり過大な負荷をかけるような保管になると問題が生じる恐れがありますので、考慮したやり方を考えたいと思います。そのときには量がどれぐらいか、状態がどうかとかも含めて整理ができればなと考えています。
3番目の低濃度のもので、塗膜以外の電気機器製品に関しても処理計画、ロードマップが必要ではないかというところに関して、現在産業界全体としては、本日、化学工業として御説明いただきますが、電気事業連合会さん、日本鉄鋼連盟さんにそれぞれ御説明いただいていますので、そういうものを今後幅広く確認していくのか、個社で見ていくのか、やり方はまた先生の御意見を伺いながら検討させていただければと考えています。
(永田座長) 現実にこれまでの議論からすれば、令和9年4月以降は個社で行うことになると思います。それはある時点で所有する台数とか、あるいは議論があったのはPCB量ではないかという話もありました。所有するPCB量が多いところは、処理計画を立てながら進行していくのです。令和9年4月以降もそういう対応をしていってもらうという格好になります。
そうすると、その中で代表的な企業については、ここで御報告もしていただく。それが毎年になるのか、あるいは2年に一度になるのか分かりませんけれども、定期的に報告していただく方向になっていく。それまでの期間、令和9年3月まで、結局は2年間になります。それは業界団体ごとに電事連と鉄連にやっていただきましたが、今日は日化協にやっていただきます。その3団体について2年間は報告をしていただくと考えております。
(高岡委員) 分かりました。その後、個社でということですね。
(永田座長) 個別にやらざるを得ない。ただ、業界団体の取組状況の調査は、引き続いてやってほしい。特に環境省についてはいろいろな業界団体があって大きいところ、小さいところとあるのですが、どういうところがこれからメインになって、関連する自分たちの傘下の企業に対して取組状況を進展させるような方向性を持った調査を継続してほしいと思っています。まず最初は業界団体がどういう調査を行っているのですかというアンケート調査を環境省にはやってもらいたいと思っています。
ですから、そういう形でできるだけ地方自治体の負担も軽減させながら、この事業を進めていくということになると思います。
田中先生、お待たせしました。
(田中委員) 私のほうからは視点が違うのですけれども、ここで議論されている前提条件が関係者の努力で高濃度PCB廃棄物対応のJESCO事業がほぼ終わったのではないかと思っているし、そう期待しています。ところが資料1-1のところでは、一番上のア)のところに「長期的な体制づくり」、ウ)のところは「長期的に維持できる処理体制」ということで、ストックホルム条約では、あと4年で全てを処理しなければならいと期待されているわけです。そうすると長くても4年後には全て終わるということを目指してやるべきではないか。
そういう意味でひとまずJESCO事業というのは、化学処理であったと。それで焼却対応のトライをしたけれども、全部駄目で不可能なものを解決するということには化学処理しかなかったということで、それで処理が出来ました。
ここで自治体の協力による掘り起こし調査とか、あるいは業界団体のPCB処理をしなければならないいろいろな努力の結果、リスクの高い高濃度PCB処理はほぼ終わったと、今までの経過から見て思っています。
レアではあるけれども出てくるかもしれないということに対して区切りをつけるために、高濃度PCB処理完了宣言みたいな幕引きをしていただいて、それで今度は全くアプローチが変わるのだと。焼却・溶融を基本として、効率がよく、コストも安くなる方向で検討すべきではないかと思います。
というので、高濃度PCB処理を、予定では国内では来年です。ちょうど1年後に終了することになっている。一応登録したものは全部処理する計画になっているので、その時点で国内の高濃度PCB廃棄物処理は終わりだと宣言し、その間で変わったところ、投入した予算とかトン当たりのコストとかそういうものも紹介しながら、こういう事情でこうなったのだけれども、今後はこうだからコスト削減でこのようになりますというようなことで、少し仕切り直しのセレモニーみたいなものがあったほうがいいかなと思います。
(永田座長) 御趣旨は分かりました。松田課長、回答をお願いします。
(松田課長) 田中先生ありがとうございます。まさに同じことを私も実は思っています。今回の会議資料は、高濃度と低濃度でそれぞれ制度的な対応とか今後の取り組むべき方向性をどうするかということにかなり焦点を当てた形の資料にしています。今田中委員からお話のあったことは抜け落ちてしまってはいるのですけれども、気持ちとしてはこれまでの経緯、なぜJESCO事業で化学処理を行うことになったのか。それによってこれまで約20年間処理を進めてきて、どこまで処理が到達してきているのか。これから出てくるものはどういったものなのか、それに対応するには、今までの事業ではなくて、新しい考え方でやっていったほうがいいという考え方をぜひ次回の会議には、これまでの経緯も含めて報告案という形でお示ししたいと思っています。
最初のほうに事実関係の記載を書いて、その上で今後どうしていくのかというところの思い、その点も最後、「おわりに」というところで、PCB処理は事実上ストックホルム条約が求めているところはしっかり我々は取り組んできているけれども、ただ、どうしても個人が持っているものなので、今後もありましたというふうに、それも広い意味で言うと、そこを国はなぜ見つけられなかったのかと実際はなるのかもしれません。そこまで言い出しても切りがないところがあると思いますので、その辺の考え方も含めて報告案としてまとめて、次回できれば御審議いただければと思います。
(永田座長) 分かりました。どこまで来たかというのではなく、田中先生が言いたいのは高濃度は完了したのだと、そこのところを強調したいわけです。その後出てくるものは趣旨が違うのです。国が何で見つけられなかったという話の内容とは違うと私は思っています。想定で出てくるかもしれないものがあります。それに対してこういう万全の対応をしていくというような、そういう書きぶりになっていくのかなという気がしています。
ただ、それがコスト的にどうかと言われると、かなりかかることになりそうだという気もしないではないです。その辺のところのバランス感覚をもう少し考えたほうがいいのかもしれません。それは先ほどからいろいろ御意見をいただいている内容だと理解しています。ということでできるだけしっかりとその辺は書かせていただく報告書にしていきたい。
(田中委員) 結局JESCOのPCB廃棄物処理施設を全部解体していますね。ということは処理は終わったので、それらは全部要らないということを一般には思うので、全部終わったんだけれども何かの理由でまた見つかったということですね。
(永田座長) 田中先生が言っているのは、どこまで来たというような感じではないです。完了したのだという話です。ある工程の中の目標がもっと先なのにここまで来ましたという話ではなく、高濃度については基本的にもう終わりましたという視点が必要なのではないかとおっしゃっていらっしゃるのです。確かにほかの人たちに説明するにはそこが非常に肝心なのかもしれないです。
織委員、どうぞ。
(織委員) 長い期間をかけてようやくここまで来たということで、最終的な報告書に向けてです。あまり今まで議論されてきていなかったのですけれども、私は報告書の中で事業自体のレガシー的な意味合いというか評価というものの視点も必要なのではないかと思っています。これだけリスク管理を国を挙げて事業者が負担しながらやってきたという、田中先生がおっしゃったように、流れで一つ終わったということも含めてですけれども、これが一体どういう意味合いを持ってきて、次の環境政策に生かされるのかという評価もきちんとしていくことをどこかで1つ入れられてもいいのかなと思います。
(永田座長) 次の段階ですね。終わり方についての制度システムとかそういうのができ上がっていなくて、そういうものも含めてPCB問題に対してどういう評価ができて、それが次のこういう問題に対してどう応用できるかという話になってきます。今はまだそこまでは行っていない。
(織委員) ただ、報告書の中でそういった未来的な思考も少し入れておくべきではないかと思います。
(永田座長) 一文は入るかもしれないけれども、それができるとは思わない。
(織委員) もちろんそうかもしれませんけれども、そういう視点がないまま終わっていくというのはいかがなものか。こういった議論の場できちんと発言として記載していただきたいということになるかと思います。
もう1つは、そういったものを含めて社会への情報提供をどういうふうにしていくのかということも一文入れていただきたいということと、今まで話をしていた業界の方の役割というものが非常に重要になってきます。一般ユーザーの負担を減らしていくために、産業界団体の役割分担もきちんとなっていくということを改めて入れていただきたい。もう十分入っていると思うのですけれども、業界団体に加盟していない企業も数%ある中でそれをどうやってフォローしていただくかということも入れていただければと思います。主体性を持って自分たちでやっていただくということが入ってくればいいかなと思います。
(永田座長) ただ、業界団体というけれども、メーカーは私は責められるべき存在だと思っています。それなりの責任感を持って本来的には取り組まなければいけなかった。ところがそれがそうなっていなかったという事実も存在しているわけです。そこのところはよく考えていかないといけない話になると思います。
(織委員) それはもちろんそうだと思います。ただ、実際的に情報提供とかフォローアップみたいなものについては、業界団体の役割は決して見過ごせないものだと思っています。
(永田座長) それは書きます、こちらからお願いする事項ではないです。そちら側でやらないといけないものです。よろしいでしょうか。
もう1つこれは報告書にまとめますので、時間を置いて今日御出席いただいていないお2人の委員からも御意見を頂戴したいと思っています。報告書になるのだという前提で、少し追加の御意見がありましたらお願いしたいと思っております。
それから先ほど維持管理コストの負担の支援の話を川本先生がされました。高濃度PCBでは、PCB基金を活用してきました。高濃度だけでなくて低濃度に対してもあり得ると思っています。その辺の考え方を次回環境省から整理して提出してください。よろしくお願いいたします。
もう1つはここで議論がきちんとまとまっていないのですけれども、ちゃんと対応してほしいと思っているのが、新潟で使用中のPCB使用自家用電気工作物が存在しているという事実です。高濃度の話です。これに対してどう対応していくのか、こういう事実も存在しているのだということをきちんと報告書の中にも書いていただく。その上でどう対応していくのかと、どう対応したのかという形になるかもしれません。それも記載していただいて、これからこういうような倫理的な問題に関して、いろいろ低濃度でも起こってくるかもしれません。そのときに厳しく対応していかないと、またなあなあでそのまま使用されるとか、あるいは廃棄されてしまって、適当なところに譲渡されてしまう。そんなことが起きないような体制をきちんとここで見せていくということも必要なのだろうと思っています。
(浅野委員) 今までの費用よりも安くて済んでしまうという事態が起こると、絶対ブーイングが起こると思います。長く使っていれば儲かったみたいなことにならないようにしないといけないと思います。直感的には施設が今までみたいに各地域にないわけだから、遠くからだと随分お金をかけて運ばないといけなくなるので、多分全体的にはコストが高くなるはずだと思います。場合によってはペナルティに近いようなチャージをかけてやってもらうくらいのことまでやらないといけないかもしれないと、今話を聞いていて思いました。
(永田座長) その辺のところも含め、それから先ほども安全宣言後に発見されたPCBの製品について、当面、基本的には環境省のデータとそれから保安協会のデータを使わないといけないのですけれども、環境省のデータは公式のデータですが、保安協会のデータは非公式なデータであって、本来的には経産省が届出データを持っているはずなので、それを整理したデータを出さなくてはいけない。産業界のほうに渡しメーカーのほうに渡して、それをベースにした分析もやってもらわないといけないわけです。それがなかなかまとまって出てこないのです。データの一元化という話が出てきましたけれども、経産省のデータの整理が遅れています。
今はデータの状況はどうなっているのか、経産省から説明をお願いします。
(樫福室長) これまで届けられた情報については、環境省さんと相談しながら情報共有について、体制整備を進めているところです。今後のデータの取りまとめや利活用については、今後皆さんの御意見をいただきながら検討したいと思います。
(永田座長) とりあえず次回にはデータの整理したものを出せそうですか。安全宣言以降に製造されたものについて、あなたのところにもPCBが入っているというデータが届いているでしょう。
(樫福室長) 分析されたものですね。
(永田座長) 保安協会のデータはあなたのところにも行っているはずです。それ以外のデータも来ているはずかもしれない。
(樫福室長) それはどういったものをイメージされているのか不明だが、保安協会のデータとの整合性は保安協会とも確認してみたいと思います。
(永田座長) 保安協会に依頼するのではなく、経産省がまとめなくてはいけないです。あなたのところに出てきているのが届出の正式なデータです。
(樫福室長) 検討させていただきます。
(切川補佐) 環境省です。今永田座長からいただきました使用中のPCB濃度が分かっていいて届出されているものに関して、経済産業省さんから届けられている情報の一部を提供いただいています。環境省のPCB特措法と同じようにメーカーと製造年度が分かれば、その情報から安全宣言後には作られたもので、PCB濃度がどれくらい入っているかという情報が整理できると思いますので、そういった観点で経産省と相談しながら対応していければと考えています。
(永田座長) ぜひお願いしておきます。ということで資料1の関係はよろしいでしょうか。
(北九州市PCB 処理監視会議 座長) 浅岡です。議題1の議論に関して高濃度処理の施設が建設されて処理が展開された自治体に関して、意見を一言だけ述べさせていただきたいと思います。
高濃度の処理に関しては事業所が設置された自治体の役割がものすごく大きかったと思います。それに関してやはり報告書に総括した文言をきちんと書くべきではないかというのが私のコメントです。
(永田座長) ありがとうございました。今の先生の御指摘は非常に重要です。
(北九州市PCB 処理監視会議 座長) この20年間、地方自治体の果たした役割はものすごく環境政策において重要だと私は思っていますので、それに対する議論が報告書に記載される可能性が低く感じたので、今、お願いしているところです。
(永田座長) すみません。ぜひ、最初が北九州だったものですから建設当初の話みたいなものもあるかと思いますので、そこも入れさせていただきます。
5事業所それぞれについて同じような御意見がございましたら、御意見をお願いします。よろしく御検討のほどお願い申し上げます。
よろしいでしょうか。それでは1番目の議論は終わりにさせていただきます。
2つ目の議題です。2つ目の議題は、低濃度PCBに係る課題等の対応状況ということで、事務局のほうから説明させていただきます。
(切川補佐) 資料2-1~2-3について、続けて御説明させていただきます。まず資料2-1を御覧いただければと思います。低濃度PCB検討会はこちらの検討会の下に位置付けまして、低濃度PCBに関して検討をいただいています。今回第2回の検討会を先月12日に開催しています。そのときには下の表にあるような検討をいただいたところです。
また、本日の議論を踏まえまして次回の検討会の前に第3回の低濃度検討会を開催したいと考えているところです。具体的な検討概要ですけれども、①PCB特措法の届出情報等の分析、活用方法の検討ということで、後ほど資料2-2で具体の御説明、御報告をさせていただきます。項目の概要に関しては右に矢羽根で示しています。
②令和9年3月の低濃度PCB廃棄物の処理期限に向けて処理促進策の検討ということで、特に保管中で濃度が不明となっているものが数千台ありますので、こういったものをどうするかといったところとか、今届けられている情報をうまく活用していきながら処理促進策につなげていこうというところに関して御議論をいただいています。こちらは資料2-3で御説明させていただきます。
それ以外に、③低濃度PCBの実態把握ということで昨年度から関係省庁の御協力もいただきまして、日本全国の様々な業界団体を通じまして、日本国内の事業者さんに対して全数調査ということでWeb調査を実施したものを、引き続き今年度も4か所の自治体の皆様に御協力いただきまして、モデル事業として自治体と連携した調査を実施しています。その御報告をさせていただいたものになります。
④がヒアリングとなっています。今年度は化学工業、窯業・土石製品製造業、食料品製造業、大学を対象としてヒアリング調査を実施しています。その結果を報告させていただき、かつ、今後追加でヒアリングすべきところを御指摘いただいているところです。
⑤は本日資料1-2でも示しました、令和9年4月の処理期限以降の対応、特に届出製品の具体化というところです。届出制度自体は省令事項になりますので、まずはそこに向けて令和9年4月以降の届出方法をどういうふうにするのか、そのときに届出項目は何がいいのかといったところの検討、さらには政府全体としてデジタルトランスフォーメーションを進めていますので、その中で今後の届出はどういうふうに組み込まれていくのかといったところの検討を進めている状況です。
次のページには委員の皆様の名簿を示しています。高岡先生に座長をお願いしている検討会となっています。
続いて資料2-2を御覧いただければと思います。先ほどの検討事項①のところになります。PCB特措法で令和元年から令和4年まで4年分の情報を整理したものになっています。特に資料2-3との関係になるのですけれども、低濃度PCB廃棄物の処理を促進するに当たって届出情報をうまく整理していこうということと、あとはその他のところで後ほどJEMAさんから御説明いただくものと近いのですが、安全宣言以降の対応といったところを中心に本日御説明させていただきます。
めくっていただいて1枚目を御覧いただけたらと思います。PCB特措法で届け出られた低濃度PCB含有と疑いと書いてありますが、含有というのがPCB濃度を測ったもので、疑いというのは濃度が不明の分というものになります。濃度不明のものも含めて今回は集計をしています。
ものとしては変圧器、コンデンサーが3kg以上、3kg未満、その他機器というものとその他機器の中に遮断器とか開閉器とか多いものに関しては、表の中では下に斜字で書いており内数になっていますので、特に多いものは特出しして整理しています。
下が濃度測定済みになりますので、濃度不明のものを差し引いたものです。令和元年の変圧器を見ていただきますと、濃度不明物も入れると4万2,000台、濃度不明物を除くと2万4,000台ということで、2万台が濃度不明で届けられているというものになります。こういった形で上下で整理しています。
現在濃度が分かっているものが下の表になっています。最新の令和4年度時点の届出に関しては、変圧器は1万5,000台、3kg以上コンデンサーが5,900台といった届出台数となっています。届出の事業所数としては7,539の事業所が届け出ていただいているという状況です。
右側はこれを図で表したものです。下に赤でハッチングしているところですけれども、PCB濃度不明分が多数含まれているということに関して、対応が必要だと。特に検出データの解析から疑い機器の絞り込みを行うということが非常に重要というところをこちらで整理しています。こちらが廃棄物の整理になっています。
次のスライドは義務ではないのですけれども、任意で届け出ていただいている所有中なので使用中のものになっています。こちらも同じように上が含有と疑い、濃度不明、下がPCB濃度が分かっているものだけを入れています。また、項目の中でコンデンサーが消えていますが、コンデンサーは封じ切り機器で濃度が測定できませんので、そこに関しては含めずに変圧器とその他機器ということで整理しています。
変圧器に関しては下の表の令和4年度で示しますと、変圧器が1万6,000台、その他機器が2,000台、うち4分の1が遮断器・開閉器というデータになっています。事業所数は6,000あるという現状です。
こちらは使用中のPCB含有・疑い機器に関して、今後御議論いただく届出の義務化といったところに関して、こういった使用中のものはこの規模感で、廃棄物のほうがこの規模感の数量になっていますので、まだまだ使用中もあるのではないかと考えると、任意では対応できないということで届出をしっかりしていただくことが必要ということが、ここからも見て取れるように整理しています。
次の3枚目を御覧いただければと思います。こちらは変圧器と右側が3kg以上のコンデンサーを例に、処分量と新規保管量と継続保管量を棒グラフで整理したものとなっています。処分量というのは後で説明します。
まず先に新規保管量と継続保管量を説明します。新規保管量というのは、昨年度令和元年と令和2年と比較しまして、令和元年のとき届け出られていなくて新規で届けましたというのが新規保管量で、上に積んである色の薄いところが新規保管の台数になります。
その下の色の濃いところは1年前と同じものが届け出られている。継続的に保管されていると届けられているものになっています。この色が薄いオレンジと濃いオレンジを足したものが上に( ):保管量計として記載しています。ここの台数と1つ前の表が一致するものになっています。ここには濃度不明分も含まれています。印刷したときにずれているかもしれませんが、1年前の保管量と次の年の継続保管量の差分を取ったもの、新規を入れずに継続保管だけの差分を取ったもの、残量を処分量と定義しまして、処分量を赤字で令和元年と令和2年の変圧器1万2,737台が減った量、これが処分量ということで記載しています。
そうやって見ていきますと、変圧器コンデンサーともにスケール4万5,000台で合わせていますが、保管量に関しては徐々に減っているという状況です。処理量も変圧器に関しては1万台強のペースで処理されていて、コンデンサーに関しては5,000~6,000台のペースで処理がされているという状況になっているというところが分かります。
これから変圧器、コンデンサーともに減少傾向にあるのですけれども、まだ令和4年度のデータですけれども数万台単位で残っていますので、あと2年ちょっとの処理期限を考えると、処理促進策の検討が必要というところが言えます。
次のスライド4枚目を御覧いただきたいと思います。こちらは届出の業種を分けたものになっています。先ほど8,000近くの事業所さんが届出いただいているとありましたが、それを99の業種別に分けたものを左側の表の中に入れています。そのうち上位20業種をこの表でまとめています。上の色が濃いところは上位10位、その下が下位10位です。その下に70ほどさらに事業所が続いています。届出の年次が2019年、令和元年から令和4年までというものをこちらでまとめています。
一番多いのが電気業、2番目が不動産業、3番目が鉄鋼業、4番目が輸送用機械業という順番になっています。右側にその増減を書いていますが、鉄鋼業は2021年度まで徐々に増えているというのは、まさに処理期限を意識して調査が進められていたのだなということが見て取れるところと、電気業に関してはもともと届出られたものが期限に向けて徐々に計画的に処理されているというところで、台数自体は減っていることが見て取れます。こうした業種の動向を把握していくことも、処理促進策としては1つの有効な手段ということでまとめています。
それ以外に使用中のものに関しても、広範囲の業種に及んでいるのでその点の整理が必要ということで書いています。
次の5枚目を御覧いただければと思います。ここからは安全宣言以降のものも含めてPCBの検出事例をまとめています。右側の判例のところにメーカーと見つかった台数を整理しています。下の緑の表で黒字で書いているところは、その製造年度ごとの発見された台数をまとめています。縦軸はPCB濃度を整理しています。高いところでいきますと、東芝さんの平成10年製が75ぐらいのところにあります。それ以外のところは、基本30以下のところ、特に10以下のところで大体まとまっています。
これは変圧器なので1993年が安全宣言になります。安全宣言以降の1994年以降に製造された変圧器では、疑いのものから35台届出があったという実績になっています。
次のスライドを御覧ください。こちらが3kg以上コンデンサーになります。同じように整理しています。東芝さんのところにOEMと書いています。OEMと分かっているものに関しては、OEMということも明記しています。下のところに1か所だけ平成13年が44台と赤字で書いているところです。こちらはほぼニチコンさんのものですけれども、大分プロットが重なっていますので、あえて赤字で44と書いています。それ以外のところは大体数台見つかった事例となっています。
次のスライドは電気保安協会さんに御提供いただいた情報を同じように整理したものです。こちらには海外製のものも含まれていますので、凡例のところに後ろに(海外)と入れて、同じように整理しています。かつ、こちらの保安協会さんのデータは分析した総台数も提供いただいています。検出率も整理しています。
次のページがコンデンサーで同じように整理をしたものです。
その次のスライドの9~10ページ目は、以前にもこの検討会で御説明したものです。そのときに2005年だったと思いますが、以降のものを丸めて表示していましたので、いただいた生データをしっかり御説明できるように、製造年が1985年以降で最新のものまで各製造年ごとの分析台数と検出率を9枚目は変圧器、10枚目はコンデンサーで、それぞれ整理したものになっています。
次に11枚目です。ここから変わりましてメーカーの対応をまとめたものです。文字が小さくて申し訳ないのですけれども、最初に変圧器のメーカーさんの安全宣言とそれ以降の見解のスライドの見方の説明をさせていただきます。まず色がついているところがあると思います。ここが上のところに書いていますが、上段が安全宣言をしたときにメーカーさんが出していた情報です。その後に見解を変更したところに色がついています。濃くなっているところが安全宣言後にメーカーさんが出された情報というのをまとめています。色がついていないところは、安全宣言前後で見解が変わっていないというものです。
次に表の右側を御覧いただければと思います。安全宣言の公表以降の見解の変化があったかなかったか、その次が見解の変更があった時期がいつだったのかというのをまとめています。最後に安全宣言以降の検出事例集ということで、特措法というのは先ほど御説明させていただきましたスライド5~6枚目のデータを基に検出事例を整理したものです。その後の右側は7~8枚目の電気保安協会さんから御提供いただいたものの検出事例をまとめています。
この中でスライド11枚目は、全メーカーさんが発見されたものになっていまして、次のページを御覧いただきますと、途中からゼロになっていると思います。そこは枠を太線と細線で書き分けています。検出されたところに関しては太線、検出されていないところは細線。さらに最後には情報が出ていないけれども検出されたものが幾つか載っているというようにまとめています。
11枚目に戻りまして、変圧器メーカーに関しての見解の変化です。東芝さんを例に御説明しますと、1990年以降に製造された機器に関して、①再生油の生産が中止された。②当社は再生油の使用を中止した1981年以降、新油しか使っていないことからPCBの混入はないと判断している、としていますが実績として見つかりましたので、その後は微量PCB混入の可能性が89年以前は高い。90年以降に関しては1990年~2003年までの特別高圧設備機器(変圧器及びブッシング)を除き、1981年以降は新油しか使用していないことで、ここに関しては混入はないということで、最新の情報を2023年10月5日に更新されました。
更新されたのはこの東芝さんと高岳製作所の2社です。それ以外のところは特に変更なく、今のところもこういった情報提供がされているというところが、環境省のほうでホームページ等の調査を行った結果でまとめたものです。
次に13ページ目を御覧いただきたいと思います。13ページ目は同じようにコンデンサーメーカーの安全宣言とそれ以降の見解ということでまとめています。ニチコンさんと東芝のOEMの製品、光商工さんの情報を同じようにまとめたものです。その下に各メーカーさんの対応を整理しています。こういった情報も必要ですし、今後も継続できればと考えています。
続きまして、資料2-3の御説明をさせていただきます。2-3には別添でPCB特措法に基づく記入要領(改定案)を示していますが、資料2-3を使って御説明させていただきます。こちらは低濃度PCB廃棄物の届出における記入方法を明確化していこうといったところを検討しています。令和9年3月末の期限に向けて、低濃度PCB廃棄物の処理を促進するためには、届出状況の課題を踏まえていかなければならない。その課題が下の表の左側、右側が改定案ということでお示ししています。低濃度PCB廃棄物の届出をよりやりやすくしていただくための対応方針ということで、整理しています。
なお、様式そのものは省令で決まっていますので、そこに手を入れることは今回しないで、あくまでも記入のやり方を分かりやすくするというところで対応を進めていきたいと考えています。
課題としまして高濃度PCBでは遮断器とか開閉器等の製品からは検出されていませんのでこういった機器はなかったのですが、資料2-2で御覧いただいたとおり、その他機器の中で低濃度PCBが発見されたことが多いので、こういったものをしっかりと例示するといった対応とか、3番目のところ、PCB濃度検出に当たって重量の記載があったほうがいいということでそれを追加すること、絶縁油の記入欄を増やすといったものです。
高濃度PCBに関しては処分予定時期とか処分業者の調整状況の記載を求めているのですけれども、低濃度は求めていませんので低濃度も同じように求めていこうといったところの対応を整理しています。
次の2枚目のスライドのところに、改正案のページ数と合わせてどれがどの箇所になるのかといったことをまとめています。ここも項目1~7に関して今概要のところで御説明したものを改正点ということでまとめたものです。御説明は以上になります。
(永田座長) ありがとうございました。ではいかがでしょうか。資料の2の関係、どれでも結構です。御意見等がありましたら願いします。
まず、低濃度検討会のほうの御報告をいただいたのですが、高岡先生から何かコメントがありましたらお願いしたいと思います。
(高岡委員) 今環境省から御説明をいただいたとおりです。特段私のほうから補足をすることはありませんが、現在特措法の届出情報の分析と期限内の処理実現に向けた改正の御説明があったところを議論しているというところです。よろしくお願いいたします。
(永田座長) ありがとうございました。いかがでしょうか。
前に酒井先生から資料をきちんと整理して出すようにとご指摘を頂き、今回それをまとめさせていただきました。資料2-2の9~10ページを見ていただきますと、9ページのほうが変圧器になっています。変圧器の1994年以降、0.何%という検出率です。こういう状況で今のところ、一応2002年まで測定しなさいという話になっています。この辺のところはほとんど入っていないといいますか、当たる確率は非常に低いような状況です。まず94年から2002年まで、どういう検出状況であったかというのはいろいろ整理されています。保安協会のデータもあります。環境省のデータがメインになってくると思います。
それに加えて上を見ていただきますと、1989年から93年までここもかなり検出率が低いです。こういうところも絞り込みをやっていただきたい。メーカーにお願いしておきたいのは、11%とか25%というところはもう割合が非常に高いので、ここでの絞り込みもそれほど意味がなくなってくるのかなと思いますけれども、1989年以降のものについては絞り込みをやっていただいて、この年度に製造されたもののうち、PCBが低濃度PCBとして含有があるものは、例えば5%だ、10%というような絞り込みをお願いしたいと考えています。
次のページをめくっていただきますと、これは3kg以上のコンデンサーとなります。コンデンサーのほうはデータがなかなか読み取りづらいのですけども1986年に10%というのが出てきます。その前は5%です。10%以降の1987年8%、2%、0%と続くようなこの段階のところも、先ほどの変圧器と同じように一応今までは1990年まで測定しなさいという話でした。ここの絞り込みをやっていただいて、これまでユーザーが測定する台数が非常に多かったのですけれども、グレーゾーンが非常に多い、疑い物が非常に多いということでなかなか処理も進まなかったということもあります。そういうところを絞り込んでいただいて、ユーザーが測定すべきもの、疑いが非常に高いものというか、PCBが含有されている可能性が非常に高いものを特定していただいて、それについては継続してもらう、そういう方向性で行ければいいなと思っています。
コンデンサーのほうも1987年以降8%、先ほど10%以下だったこの辺のところから絞り込み作業をお願いできればと思っています。
その次の11ページ以降について、現状でどういうアナウンスがされているかという話です。後ほどまたJEMAのほうからも新しく見つかったときにどう対応しなくてはいけないかというのが出てきます。それにのっとった形で対応していないメーカーも結構あるわけです。11ページ目の下のほうは、JEMA傘下の企業です。ですからJEMAのコントロールでいろいろ対応していたはずのところですけれども、こういうところも見つかってはいるのだけれども、まだ全然情報を変えていないというところがあります。確かに原因究明とか絞り込みをやった後で変えていったほうが、正確なデータが出せるからいいなと思っています。今後はそういうふうにしていくことになろうかなと思っています。
ただ、一方で既に東芝とか高岳製作所などは出しているわけで、バランスが取れていないところもあります。そうした点を少しJEMAのほうでルールを決めて対応していっていただけるとありがたいと思っています。
それからJEMAに加盟していない企業からも出てきているわけです。もう1つその前の資料では海外メーカーの分もあります。これについては別途対応していく必要がありそうだなと思っているところです。海外メーカーについては、7ページ目の電気保安協会のデータには、特出しで(海外)と入れていますが、これが海外メーカーの分です。いかがでしょうか。
(川本委員) 大変細かいことなので実に際して整理していただければいいと思います。単位の書き表し方で今日の資料ですとリットルというのが筆記体のℓで活字体よりは勘違いがなくていいと思います。世の中は結構大文字のLで書いたりするので、そういった実務と環境省の今回の書式との統一みたいなものをお図りになったほうがいいかと思います。
それから私はあまり詳しくはないのですが、コンデンサーの容量がkVAとμFとかあるのですが、今日の資料4のほうにはkVAがあるというのか、JISのほうではそういったものも使っているようです。その辺りを直接数字の単位にはならないのですけれども、少し整理なさったほうがいいかと思います。
(永田座長) 分かりました。いかがでしょうか。届出情報の変更に関しては、特に入れておいたほうがいいという項目がありますか。記載事項の変更なので、大幅な改定をするつもりはありません。例えば資料2-3の2ページの5番目に濃度区分というのがあります。その中で測定方法による単位の記載、測定した分析機関名も入れていただくということもさせていただきました。こういうような追加での情報、今の段階ではまだDX化は考えていませんので、手書きで出していただくという話が中心になるのかもしれません。
もう少しきちんとした情報を得ながら、例えばさっきのような追加でまた安全宣言以降製造されたものが出てくるかもしれません。そうしたときに追跡調査ができるような情報もここには記載してもらっていこうかなと考えています。
処分業者との調整状況というのも、具体的にどう処理していくつもりなのかという意思を少し聞かせていただいて、できるだけ早期の処理につなげていくという思想が入り込んでいると思います。
よろしいでしょうか。また最後に全体をまとめて御意見を頂戴します。その際にも何かありましたらお願いしたいと思います。
それでは続きまして、3番目の議題に移りたいと思います。3番目は産業界における低濃度PCBの調査処理等の経緯と今後の対応ということで、まずこれまでに電事連と鉄連についてこの形の報告をいただきました。加えて日化協に今回は来ていただいている。この3団体については先ほど申し上げたように継続して御報告いただくような形を取りたいと思っています。
では日化協のオブザーバーとして今回参加していただいている四家部長、どうぞ。
(日本化学工業協会) 日化協の四家です。今回はこのような機会を設けていただいてありがとうございます。心より御礼を申し上げます。
それでは、化学工業における低濃度PCB汚染機器の処理実績と今後の処理推進について説明させていただきたいと思います。
次をお願いします。本日の説明内容ですけれども、最初に化学工業の全体的な規模感についてと特徴についてお話しし、化学工業における日化協の規模感を2ポツのところで説明したいと思います。さらに3ポツとしては、低濃度PCBにおける日化協の最近の主な取組について簡単に御紹介させていただきます。4ポツ目として、その中でこれまでに3回日化協として自主調査を行っています。その結果、概要について説明させていただきたいと思います。5ポツ目で今回2024年度にも同様に自主調査を行っていますので、その結果の概要と詳細な結果について説明させていただきます。7ポツとして低濃度PCB廃棄物処理期限までの取り進めということでまとめたいと思います。最後に、今後の予定を説明させていただきたいと考えています。
最初に化学工業の全体的な規模感と特徴についてということで、次をお願いします。化学工業の特徴としては、素材の提供を通じて産業全体のイノベーションを支えているという特徴があります。
まず最初に右の図を見ていただくと分かるのですけれども、化学工業の2021年の製品の出荷額は約31.7兆円ということで、製造業としては第2位となっています。また化学工業といっても例えばプラスチック製品とかゴム製品を加えた広義の化学工業ということで定義されるケースもありますので、この辺のところは今回は広義ではなくて化学工業のところで説明させていただければと思います。
さらに化学工業の特徴としては下の表1を見ていただきますと、このように業種が非常に多くなっています。製造しているものも多岐にわたっておりまして、事業環境が大きく異なっているということが最大の特徴かと考えています。
次をお願いします。そのような中で化学工業全体としての日化協の規模感はどんな感じなのかということになります。最初に下の表2を参照していただきたいと思います。2022年度化学工業の全事業所数は5,623事業所あります。その中で例えば一定規模以上の企業、いわゆるPRTRの届出対象となる従業員数21名以上の企業となってくると、そこから41%ということで約60%は21名未満の企業になっている。さらに、日化協の範囲ということで絞り込んでみると182社で大体900事業所となりますので、全体では16%が日化協会員の事業所の数になっています。
ただ、化学工業全体の製品出荷額で見るとどうなっているかということです。前ページで31.7兆円と言いましたけれども、日化協会員の2024年度の製品出荷額は全部の集計はできていませんけれども、182社中の82社を見たところ約11兆円となっています。そういう意味では、日化協の製品出荷額のカバー率を推計してみると、下の参考というところを見ていただきたいのですけれども、11兆円に対して0.75と割り返しています。0.75というのは82社の資本金を化学工業全体の資本金で割り返したものが75%となっています。それを見ると化学工業全体で31.7兆円の製品出荷額ですので、割合としては約50%程度の製品出荷額が、日化協の会員企業の規模になっているということです。
そういった中で日化協としては低濃度PCBの取組としてどんなことやっているのかということについて、次のページをお願いします。最近の主な取組についてです。基本的には低濃度PCB、高濃度PCBもそうですけれども、情報提供、調査依頼、意見交換といったものをメインに行っています。そのツールとしては、①②という形で安環ネットというのは情報ネットを使って各個社、団体会員にお知らせするということになっています。ここで行くと会員企業としては全会員に安環ネットでは配信しますので、182社で団体企業としては77団体となっています。その77団体の会社数は約6、000社となっています。ただ、1企業が複数団体に含まれていることもありますので、延べ数と考えていただければと思います。
環境部会というのもあります。これは会議体でして、環境部会は任意で入っていただくということになるのですけれども、会員企業としては41社、会員団体としては12団体ということで約500社がその傘下に入っているというところです。
こういうものでどういった取組を行っているかというと1)、2)について行っています。最初に先ほどありました日化協の自主調査ということで、過去3回で、今回4回目ですけれども、低濃度PCB、高濃度PCBの処理状況について調査を行っています。今回は特に2024年10月3日~11月22日、約1か月で調査を行った結果について詳細に説明させていただきます。
2)安環ネット、環境部会による情報共有と意見交換につきましては、環境省さんが公開している資料の共有と、それを皆さんで読み込みながらどういった問題点がありそうなのか、どういう対応をすべきなのか、その辺のところで業界内でもいろいろ話をしているというところです。さらにPCB廃棄物の適正処理推進における今回の検討委員会での審議状況についても、逐次お知らせしているところです。
最後に、過去4回やっていますけれども、その自主調査の結果についても、環境部会のほうで会員の皆様にお知らせする。そういった流れで取り組んでいるところです。
1)で示しましたこれまでの日化協の自主調査の概要について、次のページをお願いします。これがこれまでの自主調査の概要です。一番上に2017年が第1回、2020年が第2回、2022年で第3回ということで大体2年おきぐらいに調査を行っているところです。そこの表を見てみると、上段がいわゆる廃棄物の保管量となっています。下段が使用製品の所有量となっています。過去3回の状況を見ると、特にPCBの使用製品の所有量については調査をしておりません。今回第4回目で初めて行っているという状況です。
あとPCB廃棄物の保管量についても17年度の回答数については、ここのところは資料が残っていないので不明と書かせていただきました。
低濃度PCBの電気機器の廃棄物量については、※にありますように、右のほうに変圧器・コンデンサーが中心となっています。細かい分類については、ここでは分けていません。2017年では約2.2万台あった。調査に関してどこまで終わったのかということについては、定性的なところで未完だというところがまとめられています。当時、2017年については塗膜の調査は対象外としています。
2020年度第2回については、16%の回答率となっています。このときは低濃度PCB電気機器については17年度から大分減って5,000台ぐらいになったということですけれども、調査に関しては未完のところが40%、約半分ぐらいはまだ調査をし切れていないというところでした。
ここで初めて2020年で塗膜の調査を行いました。ここでは徹底的に塗膜の調査をしているのかどうか、その辺のところについて問い合わせた。そうすると60%ぐらいはまだ塗膜の調査は完全に終わっていないという回答があったというところです。
2020年度の第3回となってくると、回答率も41%と上がっています。ここでは恐らく調査が進んだということで電気機器の数としても7万2,000台と大きく増えているところです。さらに塗膜についても16.3tということで集計されています。調査未完としては、約29%がまだ残っているという結果でした。
次をお願いします。これが今回行われました第4回の自主調査の結果です。回答数としては61社、34%となっています。ここで前回よりも回答数が下がったということの要因としては、基本的に結構詳細な調査を求めたということで、1か月ではなかなか回答し切れないというところがあったのかなと思っています。タイミング的にも11月ぐらいのところは予算の立案時期ということで、恐らく人がなかなか割けなかったということもあって、この辺のところの回答率が下がったのではないかと考えています。
2番目として個社の進捗概要です。既に完了したというのが61社中18社、24年度今年度に完全に終わりますというところが3社ということで、21社については塗膜も電気機器も処理は全部終わりましたという回答がありました。あとは2024年度以降に処理が待っていますというのが40社ということになっています。その内訳がその下の表になっています。
2025年度に処理完了するのが10社、2025年度に処理契約が完了するというのがさらに3社、2026年度については、処理完了するのが17社、契約完了するのが2社となっています。ここまでが処理期限の中で処理し切れるというところです。2027年度ということで処理完了1社、処理契約2社、さらにまだその辺のところが決まっていないというところが5社となっています。この8社については、今後我々もフォローしていかないといけないと考えているところです。
特に下の赤字で書いた一部の廃棄物の処理計画が決まっていないということについては、電気機器については2社、塗膜については3社となっています。その理由ですけれども五月雨式に新たな対象が出てくるということで、最終調査までは終わっていないということで、2025年度に最終調査を実施したいというのが1社ありました。
あともう1社は微量PCBの混入が否定できない安定器が1個だけ残っているということで、これについては問題なく処理できるのではないかと思っています。
あと塗膜については、除去方法等を検討中というのが1社、塗膜の最終調査が未完というのが2社となっています。この辺については先ほど言いましたようにフォローしていく方向で進めていきたいと考えています。
これらを図示したものですけれども、次のページをお願いします。基本的にこのような形になっています。最初の低濃度PCB廃棄物の今回の回答のカバー率は、181社中の61社ということで34%黄色の網掛けのところです。基本的には34%と低いのですけれども、主要メーカーは全て網羅されているという状況です。本年度までに処理できるといったところについては全体の21社ですので、34%水色の網掛けになっているところです。薄いオレンジのところは2024年度以降の処理になるというところです。それが処理計画まで未完だということが2社となりますので、全体としては61社分の2社で3%ということで、それ以外は処理計画は終わっている、立案されているというところです。
ということで63%と上の完全に終わったところ34%を足すと、電気機器については処理完了見込みが立っているものが97%という状況になっています。
さらに塗膜について処理計画については未完が3社ありますのでそれが5%となっています。処理計画まで全て終わっているところについては61%ということで、既に終わったというところの34%を足すと、大体95%が処理完了見込みだということになります。
ただし、先ほども言いましたように2027年処理完了というのは、廃棄物になったものについては、期限延長しないということが前提になっていますので、この辺のところはもう少し早くやってもらうようなフォローが必要だろうと考えています。
次をお願いします。その調査結果の詳細です。左側が低濃度PCB廃棄物の保管量です。2024年度末の段階でこうなっているということです。右側が使用製品の所有量となっています。これを見ていただきますと、変圧器・コンデンサー、大きいものとしてはPCBを含む油とかOFケーブルが数字的には大きくなっているのですけれども、会社数を見ていただくと分かりますように少なくなっていますので、ここは個社で頑張ってもらえればそれでオーケーだと思っています。
所有量についても同じように変圧器、コンデンサーが多くて塗膜についても残っている量としては多そうだと。この辺が今後の処理の中心になってくるのかなと考えています。
次をお願いします。さらにこれまでどのくらい処理したのかということです。ただ、処理したというのは処理量については、記録が有期限だということもありまして全て残っているわけではなくて、トレーサビリティというか追跡できるところまで追跡した結果としてこうだったと見ていただければと思います。
令和6年、2024年度末までに処理した量としてはこれくらいになりますということで変圧器、コンデンサー、それぞれ変圧器としては3,481台、コンデンサーについては両方で大体4,000台弱、3,500台ぐらいになっています。塗膜については約20tを処理しているということですので、塗膜についても大分頑張って処理していただいたと思っています。
その右側に参考ということで現在の処理量と廃棄物の保管量と処理量、全体のパーセントも出しておきました。ここでいくとこれまでの処分した量と現在の保管量と所有量、これを全部足したものが、日化協会員全体の低濃度PCBの所有量だったのかなと考えられると思います。
次をお願いします。まとめとして低濃度PCB廃棄物の処理期限までの取り進めについてということです。2024年度第4回が現在でして、それ以降どうするのかということになってきます。2024年度以降は毎年調査をするということになっています。基本的にはこの数字をベースに進捗を判断していくことになる、業界としてはそういう方向で行く。ただし、先ほどから言いましたように2027年度もこれだけ残っていますので、これをいかに前倒ししてもらうかということについては、特に廃棄物の中に入っているものに関しては前倒ししてやってもらうという方向で進んでいるところです。
次をお願いします。今後の予定ですけれども、先ほどから言いましたように、2024年度以降は毎年フォローアップ調査を実施していくということで、着実な期限内の処理につなげていきたいと考えています。そのためには*のところです。調査に係るカバー率ということで、今は中堅のところの協力をもっと得られないと実際にどのくらいまだ潜在的に残っているのか分からないところがありますので、その辺のところをできるだけカバー率を上げていきたいと考えています。そのためには今回のような調査のタイミングとか期間、この辺のところも考えてやらないとなかなか短期間でやるというのは難しいかなと考えています。
もう少し調査の効率化とか調査の精度を上げることも必要になってくると思います。そのためには調査に関するグッドプラクティス事例の紹介ということで、実際には現場とか設備管理部門によって複数のチェック体制をとっているという事例もありますので、そういうことも奨励する。さらに調査箇所を色塗りしていって関係者間で共有するといったように、抜けのないような取組をしているところもあります。そういう事例を皆さんのほうに共有して、確実な処理につなげてもらうということを考えています。
最後のポツですけれども、これは基本的に我々の大原則です。期限内での処理、予算化も含めてということになるので、これが非常に大きいことかと思います。それを含めて推進していきたいと考えています。先ほどの2027年度以降の処分見込みの分に関しては前倒ししていただくという方向で今進めていきたいと考えています。以上です。ありがとうございました。
(永田座長) ありがとうございました。それではどうぞ浅野先生。
(浅野委員) 大変丁寧な調査をしていただいてありがとうございます。かなりのことがこれで分かったのですが、お分かりだったら教えていただきたいのです。182社のうち61社で34%ですけれども主要な企業は全部含まれているということですね。もう少し我々のほうであと全体がどんなものかという感じをつかむための質問です。出ていないところのざっくりとした感じでいいのですが、生産規模でもいいですし、それで見た場合はどれくらいの割合のところが出ていないと考えたらいいのでしょうか。4割ぐらいとか3割ぐらいとかあるいは5割くらいとかですか。
(日化協) 中堅どころといってもそれなりに大きい。規模としてはあと3割ぐらいあるかなと考えています。その辺のところについては、こちらのほうから個別にフォローアップする形にしたいと考えているところです。
(永田座長) 今の御質問に対しては、前には生産規模の話で出していますね。この規模でもし今のものを出していくと、どのくらいの割合になりそうですか。
(日化協) 生産規模ですか。
(永田座長) さっき46%というのがありました。化学工業全体に対して日化協の傘下。それと同じようなやり方で。
(日化協) 実際にはその辺のところを足せば、限りなく46%に近くなるのではないかというふうに考えているところです。小さいところに関しては、それほど量はないだろうと考えています。
(永田座長) 分かりました。ただ、これはどんどん追加で報告も受け止めていらっしゃるのですね。
(日化協) そうです。これからも追加していくような形になります。
(永田座長) そういうのがある程度まとまった段階で、修正バージョンが出せるのだったら出していただきたい。
(日化協) 分かりました。
(永田座長) いかがでしょうか。全体的な印象では、塗膜についても若干残っているのがあるかもしれませんけれども、ほとんど塗膜については終わったという判断でよろしいのでしょうか。
(日化協) 処理計画についてはほとんどもう終わったという認識しております。
(永田座長) もう少しうまい表現の仕方をこれから考えていただいて、次回の報告につなげていただければありがたいと思います。
(日化協) 分かりました。
(永田座長) コンデンサー・変圧器、その他機器についてはどうでしょうか。前にも電事連とか鉄連の報告を聞いていただいたと思います。そちらと比べてという状況でしょうか。
(日化協) 基本的には同じだと思います。分解しないようなものとか、しなければいけないようなもの、破壊を伴うようなものとか、あとは分電盤に入っているコンデンサーとかそういうものは少なからずあります。ということなので量的なところは、多少違いはあるかもしれないですけれども、状況としてはそんなに変わりないと考えています。
(永田座長) 分かりました。
(酒井委員) 今の分電盤とか制御盤というのは、その他の機器あるいはその他の内数になっていると理解していいですか。
(日化協) どちらかというと3kg未満のコンデンサーというところに入れているのが普通だと思います。コンデンサー以外のものは、先ほど言った分析機器とか測定機器とかそういったものが、特に海外メーカーのものが怪しいというのが幾つかあるというところです。
(永田座長) そういうのがその他機器に入っているということですか。
(日化協) そうです。
(永田座長) OFケーブルは、廃棄の対象になっている。結構まだこれが残っていて、最後までこれが26年まで行ってしまうのですけれども、基本的に処理体制のほうでは低濃度のほうの処理の容量は十分にあると思います。ただ、この量は結構多いので処理の業者はきっともうこの会社は決まっているのではないかと思います。そういったことを相談しながら、もう少し前倒しで処理していくような計画とか立てていただかないと最後に残ってしまう可能性もあります。
(日化協) 基本的には処理期限を厳守するという方向です。
(永田座長) そちらの姿勢としてですね。ただ、現場としてはそうならない可能性も出てくることもありますので、配慮していただけますか。あとはいかがでしょうか。
先ほど調査をやってみて、グッドプラクティスとかそういう情報が集められそうだという印象を受けました。そういうのを少し紙ベース、資料ベースでまとめていただいて、ほかの団体も参考になるような形で公表していただくということをお願いできますか。
(日化協) 紙ベースでまとめることはできると思います。
(永田座長) そういうのを例えば内部でホームページに掲載するとか、それを我々のほうでも参照したほうがいいですとアナウンスするとか、ぜひ頑張って対応していただければと思います。
それから関連団体というのは前からどういう状況なのかというお話を聞かせていただきたいと思っていました。77団体があって、安環ネットというのはそこにも情報を流しているわけですね。
(日化協) 流しています。その77団体から6,000社へ直接回っているかどうかまでは我々も把握していないところです。77団体までは回っています。
(永田座長) この辺の調査をやっていただくわけにはいきませんか。
(日化協) 実際には日化協の会員さんではない会員さんも77団体の中には多数入っていますので、なかなか難しい面もあります。どちらかというと77団体の業界さんの判断がそこに入ってくるということです。基本的には我々のほうから安環ネットで発信しているというのは、その団体さんに対する気づきの場として配信しています。そこまで先に日化協のほうから、やれというのはなかなか言いにくいというところです。
(永田座長) 安環ネットで配布した資料についてどういうふうに活用されているのですかという意味での調査です。
(日化協) それは可能だと思います。
(永田座長) そちらがまとめたような情報も流しておられるのではないかと思います。そういうものをどう活用しているかという話を聞いていただくとかです。
(日化協) 分かりました。
(永田座長) その下の環境部会に所属している12団体というのは、かなりそちら側と密接なつながりのある団体なのですか。
(日化協) 割と近い団体だというふうに認識していただいて結構です。
(永田座長) では、こちらのほうはそういう調査もやりやすいですね。
(日化協) そうですね。こちらのほうはお話としては、環境部会に出てきていただければ報告も全て共有できます。
(永田座長) 今までやった調査などに対して情報提供をして、同じような調査に誘導していく。
(日化協) それは既に行っています。環境部会に出てきていただいていますので、12団体はそこでは環境部会でこの審議状況とか全てそこで話をしています。
(永田座長) 反応というのはとっていらっしゃいませんか。
(日化協) どちらかというと団体よりは個人の会員からのほうが意見とかは出やすいというのが現状です。
(永田座長) その辺も配慮していただけると面白い結果になると思います。
本当にきちんとまとめていただいて、前の団体がやられた報告も参考になったと思います。ぜひまた続けてこういう調査をやっていただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは次に行かせていただきます。次が資料4になります。JEMAからの取組状況についての報告です。これは環境省のほうから宿題をいただいた処理促進策等も含め、それから先ほど申し上げた我々が聞いておきたいという4つの項目について、途中経過も含めてまとめていただきましたので報告をお願いします。
(JEMA) 日本電機工業会、吉田です。本日はこのような機会をいただきましてありがとうございます。今日は私のほうから日本電機工業会における低濃度PCBの課題の取組状況ということで御報告したいと思います。また、この委員会の中でこのような御報告が遅れましたことをお詫び申し上げたいと思います。どうも申し訳ございませんでした。
早速ですけれども御報告に入らせていただきます。次をお願いします。2ページ目です。PCBがあるということが発覚してからの取組について年表で表しています。JEMAとしては会員数が185社ございますけれども、その中で現在も実施しておりますPCB専門委員会では、国内メーカー16社に参画いただきまして、いろいろな委員会活動等を行っているところです。低濃度については2000年頃に一部のメーカーから検出があったということで調査等をいろいろ進めながら、どういうところに入っているかということを2003年11月に報告書を出しました。それを基に安全宣言という形で変圧器については1993年以降、コンデンサーについては1991年以降ということになっています。
JEMAとしては専門委員会も現在まで実施しておりまして、ユーザーの対応窓口も設けながら現在まで対応しているという状況です。
次をお願いします。文字で表しておりますけれども2002年頃一部のメーカーさんから、変圧器から微量PCBの検出があったということで、経産省さんから通達をいただきまして、検討を推進しますということで2003年、先ほどと重複しますけれども報告書を出して委員会を立ち上げたという経緯です。
それ以降、本来であれば安全宣言以降ですので、微量PCBが検出されることはないはずですけれども、それ以降も出ているのが事実です。黄色の部分ですけれども、今日はこの部分について御報告させていただきたいと考えています。
次をお願いします。この図は2003年11月時点で報告書を出したのですが、そのときの一部を抜粋しています。A時期、B時期、C時期、D時期と下のほうに書いていますけれども、いわゆるPCBを使う前、使っている時期、PCBは使っていないけれども再生油を使っている時期、それ以降PCBの再生油を使わずに新油だけ使っている時期ということで、本来であればD時期、黄色いところですけれどもPCBは出てこないはずですけれども、この時点2003年11月時点でも一部出ていたということが分かっています。
それから20年以上たっていますけれども、この部分のデータがたまってきていますので、それについて今回検証等をさせていただいたということです。
次をお願いします。これが安全宣言以降に微量PCBが検出された2社についてです。ニチコン社については、2020年時点でユーザーさんからPCBが検出されたという御報告がありまして、この時点では、採油時の分析の状況など分からなかったために特定できなかったのですが、2021年にもう1回同じユーザーさんで機器の入れ替えがあるということで、その時点でニチコン社が採油して複数の分析会社を使いながら分析をした結果、出ましたというところで、ここは何らかの理由でPCBが入っていたと考えています。ただ、いろいろ検討は進めたのですが、この原因がどこから入ったかということについては、特定できていないという状況です。
そういう状況ですけれども関係省庁さんとも御相談させていただきながら、2022年4月に経産省さん、環境省さんのパンフレットに本社で検出がされたという事実関係を記載していただきました。ニチコン社、JEMAのホームページには時期を同じくしてこの情報を提供させていただいています。
ニチコン社ではユーザーさんにお願いをして、ニチコン社の検出事例を送っていただきたいということで、現在に至るまでずっとデータをいただきながら蓄積してきています。そのデータを基に原因がどこにあるのか、絞込みができないものかという検討を現在も進めているところです。
東芝社については自社の中でいろいろ検討、再確認を進めていく中で1998年から2004年において、ニチコン社の製品をOEMとして供給していたということが分かりました。これについても、ニチコン社の製品ですので原因は特定できていないのですけれども、微量PCBが混入していることを否定できないということで、ニチコン社と同様の対応が必要であろうということで、関係省庁さんに御相談した上で2023年10月にPCBのパンフレットに同じく事実関係を記載いただきました。東芝社とJEMAのWebサイトに時期を同じくして、この情報を提供させていただいています。
次をお願いします。こういった検出事例がありましたので、JEMAとしてももう一度しっかり体制を強化しながら確認をするべきであるということで、2023年9月に会員の各メーカー一斉に確認、再点検をするということで情報管理を強化しました。その結果、一部のメーカーから検出事例があったということが分かりましたので、それについても御報告します。
最初に中国電機製造の変圧器からです。94年以降は安全宣言ということに基本的になっていますので、それ以降の製品で感温部が18mLぐらいありその中から2台出ました。この感温部というのは、御存じの方は御存じなのですが、変圧器で単純には筒の中に温度計を刺して変圧器の温度を測るというものです。そこに入っている絶縁油の中から出たということです。
これについてはメーカーのほうでいろいろ確認を実施しました。1994年製のものから出たのですが、1995年製のものからは出ていないということ。それから変圧器本体からも出ていないということは分かっています。ただ感温部から出たということで感温部に油を注入するために小出しのタンクを使っているために原因ははっきりしないのですが、そういうタンクの中の例えばフィルターにPCBが残留していてそこから入った可能性が否定的ないと考えています。
この案件については関係するユーザーさんが20社、この時期に153台納めていますがこれらのユーザーも全部分かっていますので、特定されているユーザーさんに個別にこういうことがありますということでの情報提供をさせていただいています。
同じく中国電機製造でコンデンサーで先ほど申し上げたニチコン社のコンデンサーをOEMしている時期があったということが判明しました。ということでこれも東芝社と同様にニチコン社と同じ対応をすべきであるということで、これが5社23台になるのですけれども、お客様に提供していたということで特定のお客様に対して情報提供をさせていただきました。
次をお願いいたします。ダイヘン社も変圧器です。先ほどの中国電機製造と似ているのですけれども、1994年製の変圧器の感温部から微量PCBが検出されたということです。PCBの下限値0.5mg/kgに対して最大2.7mg/kgですのですごく大きいというわけではないのですけれども、基準値以上のものが検出されました。ダイヘン社については1990年以降、タンクのPCB分析を半年ごとに実施しているということで不含であると考えていたのですけれども、検出されたということです。
ダイヘン社では別製品の同じ型式のものとかその時期のものについて自社で製品を集めて分析した結果、やはり出なかったということがありました。原因は不明ではあるのですけれども、感温部についてはやはり小出しの容器みたいなところから器具を使って注入しているということで、あるいはその器具にPCBが残留付着していた可能性が否定できないと考えています。
ダイヘン社の場合も、1990年以降の検出事例はないということです。95年以降は工場自体が移転をしているということで出ていないということです。
ユーザーさんへの対応ですけれども、これについても主に電力会社さんですがユーザーさんが特定できていますので、こういうケースがあったという情報を提供していただいています。
最後、富士電機社です。富士電機の場合は1997年製の変圧器の感温部、これは少し多いのですけれども150mLの感温部1台で微量PCBの検出があったという事例がありました。これも5万台出荷しているうちの1台ですので、分析の問題なのかそういうことも特定はできていないのですけれども、あるいはメンテナンスを実施したという履歴があることから、メンテナンスの可能性もあるということで特定はできていないのですが、そういう状況です。これについても当該ユーザーさんに対しては、こういうものがありましたということで報告して、課電洗浄などの無害化処理については既に終わっているという状況です。
次をお願いします。先ほど申し上げたような検出事例に加えて、昨年度11月に電気保安協会さん、自治体に届出をされているデータをいただきまして、メーカーのほうでいろいろなメーカーが出ていますけれども、各メーカーに検出事例について調査確認をしていただきました。その結果、細かく各メーカーの結論はあるのですけれどもまとめたボードを下の表に書いています。
まず変圧器についてです。三菱電機ではオーバーホールしたものの銘板、実は1970年製の製品だったのですけれども、それをオーバーホールしたものの銘板の読み間違いで新しい製品だということで届出されているものがありました。それ以外についてはメンテナンスの実施が不明なものが多くてほとんどなのですけれども、最終的には原因の特定はできておらず、絞り込みに限界があると考えています。
コンデンサーについては、先ほど申し上げたニチコン社についてやはりいろいろ出ているのですが、これについては微量PCBの混入が否定できないと考えています。これについては別途ニチコン社のほうで、型式とか汚染期間のデータからの絞り込みを今現在検討を進めているところです。
東芝社、中国電機製造社について検出事例が出ておりましたけれども、これについてもニチコン社のOEMということで、これへの対応の整合が必要かなと考えています。
愛知電機、パナソニックについては、測定時の混入が否定できない事例が1~2件あるのですけれども、これも特異事例と考えています。
指月電機、三菱電機については、三菱電機が指月電気からOEMを受けていたということがあるのですけれども、これについては現在まだ調査を深掘りして進めているところですので、これについては検討を進めていきたいと思います。
次をお願いします。こういった状況も踏まえて先ほど永田先生からも御指摘がございましたけれども、JEMAのほうでは今まで対応がきちんと決められていなかったということがありますので、新しい検出事例があった場合の対応についてきちんと整理してマニュアルのようなものを作って対応していこうということで整理しています。
ここでポイント、目的としては原因究明もさることながら、最終的にはユーザーさんに検出事例があったときに負担をいただいているわけです。この負担を少しでも軽くするということを最大の目的として、いかに絞り込みができるかということをメーカーとして対応していきたいと考えています。
それから当然ですけれども迅速に対応するということと、漏れがないということも含めてやっていくということでJEMAの会員企業、取扱い製品については、すべからく実施するということで今考えています。
次をお願いします。これはスキームといいますか、図で表しています。真ん中にメーカー、日本電機工業会とありますけれども、左側で判明する事例として関係団体様、今回は保安協会さんなどからそういった事例をいただいたりする場合があります。そういった場合は各メーカーに分けて調査を進めていく。あるいはユーザーさんから直接情報をいただいている場合には、メーカーのほうでその情報にのっとって調査を進めるということです。検出があった場合にはJEMAのほうに、1週間をめどにこういう提出があったということの情報をいただきたいというお願いをしています。
その情報を基にJEMAとメーカーで連携しながら、汚染の原因とか影響範囲の検討を進め、経産省さんに一次報告ということで3週間以内をめどに報告させていただきたいと考えています。この期間を過ぎる場合には一報を入れつつ、いつ頃までにできるかということを報告するということです。
それから当然全ての情報がそろうわけではないので、再分析が必要とかものが残っているというような場合には、メーカーのほうでも再度分析をするということも含めて深掘りをしていきたいということです。
当然ですけれどもそれを踏まえて、原因究明と汚染範囲の絞り込みを実施していきます。その結果をこの委員会とか関係省庁さんに御報告しながら、必要に応じてホームページ等であるいはパンフレット等で情報提供をさせていただいたり、個別のユーザーさんが分かっている場合には、そのユーザーさんにこういう事例があったということで報告させていただきたいと考えています。
今日はこの2枚で報告させていただいていますけれども、これ以外にもフローチャートとか報告のフォーマットみたいなものを作って去年のうちに既に各メーカーに配付しまして、検出事例があった場合はこういう報告をしててくれということで徹底を図っています。
次をお願いします。これが先生のほうからもお話がございましたので、参考ではございますけれども、JEMAのほうで低濃度PCBの影響度について高濃度PCB変圧器と比較でということで検討してみた資料です。電気保安協会さんからデータをいただいているのですけれども、1994年から2015年製のもので、2万5,000台強の台数があります。そのうちPCBが検出されたものが39台あります。その検出率でいうと0.15%程度になります。この間に生産された変圧器の台数は830万台あります。一般的に高濃度と言われているPCB濃度が60%、これを前提として青枠で囲っているところですけれども下にありますが、これを前提としたときにPCBの低濃度の影響度はどのくらいあるのかということを試算してみました。検出濃度が電気保安協会さんで1994年から99年のデータをいただいていますので、データが分かっています。その濃度を平均すると4mg/kgというのが分かっています。それを前提として濃度と検出率で考えると、6.7×10-6ぐらいの影響度がありそうだなと。それに検出率を掛けると、1×10-8、低濃度の機器が1億台あると、高濃度の機器1台に相当するくらいのものなのかなと考えられるということです。
この間の1994年から2015年の生産量を見ると830万台ほどありますので、これを考えると約0.08台程度の高濃度PCBの機器が残っていることに相当するのかなと計算ができるということです。これをPCBの量に換算しますと16L程度ということなのかなと考えています。
この辺の計算のロジックが正しいのかどうかということも含めて御議論というか、今後御検討いただければと考えています。
次をお願いします。12ページがコンデンサーについても同じような前提で検討しました。真ん中の辺にありますけれども、低濃度6,300万台のコンデンサーが約1台の高濃度のコンデンサーに相当するだろうと考えています。この間の生産台数を考えますと、0.2台相当の高濃度PCB機器があるということに相当するのではないかということで、PCBの量でいえば1.6L程度と算出しています。参考ですけれども、こんな計算です。
次をお願いします。コンデンサーについて最近の電機業界、コンデンサーメーカーの動向、技術開発の状況について御説明いたします。非常に古いもの、PCBが入っている可能性があるものとして絶縁紙を使っているものがあります。現在はそういうものからオールフィルムというコンデンサーに変わってきているということと、絶縁油も植物油を使っていたり、SF6ガスとかモールドタイプ、最近では窒素ガスというものに変わってきています。
効率化については次のページで御説明します。コンデンサーの技術動向として、コンデンサーだけではなくリアクトルも含めて高調波対策ということで進めてきています。これは内線規程とか高圧受電設備規程にも書いていますけれども、高調波の歪みを低減させるという中で技術が進歩しているところもあります。
安全性ということで高圧進相コンデンサーについては、更新推奨期間は15年ということで推奨しています。発火とか爆発の危険性があるということから、こういう損害を考えた場合には、推奨期間で更新をしたほうがメリットが大きいですということでメーカーとしては推奨しているのですけれども、なかなか進んでいないというところも実態としてはあります。
そのほかにコンデンサーメーカーでいろいろ特徴のある製品を開発しています。全てのメーカーで対応しているわけではありませんけれども、低損失タイプのリアクトルとか保安装置付のコンデンサー、植物油使用のコンデンサー、先ほど申し上げた窒素ガスの乾式コンデンサーといったものも出ているということで、こういった安全性の高いものへの切り替えも進めていただければと考えています。
次をお願いします。こちらが消費電力について整理しています。今変圧器については補助金などがあるのは御存じだと思いますけれども、コンデンサーについてはそのもの自体が消費電力を食うというものではなく、あまり大きな消費電力ではないのですけれども、こういった計算になりますということです。表の下のほうが昔のコンデンサーです。PCBが入っている可能性のあるコンデンサーと最近のオールフィルムコンデンサーで見たときに損失差があります。その損失差から見ると、コンデンサーも仮に100kvar、300kvar、500kvarということで試算すると、ワット数でいうとこのくらい違ってくる。稼働率が100%でずっと動いているものもあるでしょうし、半分くらい、少ないものもあると思いますけれども、この前提によって多少違ってくると思うのですが、右の表で電気代をイメージとして換算いたしますと、大体例えば500kvarのもので100%稼働していたとすれば、年間で5万円ぐらい。50%で稼働していたとすれば、当然ですけれどもその半分で2万5,000円ぐらいと計算できるものが、節約できるのではないかと考えています。
次をお願いします。そういったものも含めて、メーカーといいますか工業会としてはこの表にあるような機器の更新期間を推奨期間として情報提供していますけれども、こういったものの中でできれば更新いただければありがたいと考えています。以上です。
(切川補佐) 続きまして資料4-2について環境省から説明いたします。前回の検討会で、宿題をいただいた環境省が実施している補助事業に関して実績について御報告いたします。
この環境省の事業ですが、エネルギー特別会計の予算を使いまして、低濃度PCB含有機器の処理の促進ということで、特に変圧器に着目しまして変圧器の高効率化によるCO2削減事業の中でPCBが含有したものを交換していくということを実施しています。
事業の概要は下のところの補助対象事業の種類と右側の分析費用、交換費用のポンチ絵を御参照いただければと思います。省エネルギー基準達成率125%以上というトップランナー制度に認定されている変圧器に交換する際の交換費用を補助するという事業となっています。
昨年末時点で自治体から30件、事業者から839件の活用したいという問合せをいただいたのですけれども、下に理由を書いていますが、トップランナー制度を満たす機器の調達が間に合わないとか、納品が間に合わないということもありまして、実際には真ん中にありますけれども調査事業6件、交換事業9件、調査事業から交換事業まで一気通貫で実施したのが1件ということで、合計16件の事業に対して総額820万円の補助を実施したという実績になっています。これが本年度の事業としては受け付けを終了しています。来年度も引き続き実施するように取り組んでいる状況です。説明は以上になります。
(永田座長) どうもありがとうございました。それではJEMAと今の報告について何か御質問、御意見等ありましたらお願いします。
安全宣言は環境省が出したという認識です。その前に原因究明委員会とか検討会を開いて十分検討した上で出している。資料はそちら側のデータも使わせてもらっているけれども、そこははっきりしておかないといけない。
次回に安全宣言を出すことにとなるかと思います。そういうときにはクレジットをいれた資料を使ってきちんと説明するなど、きちんとした対応をしていってほしいと思っていますので、少し断りを入れさせていただきます。
もう1点はJEMAが原因究明、あるいは絞り込みをやるわけではないのです。各メーカーがやるので、中間報告的なコメントみたいな資料が入っていますけれども、これはまだ全然我々もどういう絞り込みの状況になっているのか聞いていない中で、少し時期尚早と思います。限界がありますというような否定的な文章が入っているし、メーカーというか、各社の数もあまり書かれていない資料になっています。もう少しJEMAの立場としてみれば、どういう状況での原因究明が各社でやられているか、その情報交換の場でもあると思っていますので、そういう活用の仕方で結論的には各社が責任を持って、原因究明から出発した絞り込みを出してください。
それからこれまでの安全宣言というのは、非常に重要な事項だと思います。それ以降に発見されたものが出てきている。それに対してどういう対応をそれぞれのメーカーが実施したかというと、ページ数は5ページから書いてありますけれども、あなたたちがルールとして決めた事項に合致していないですね。例えば、メーカーが独自に対応してユーザーに対して通知しただけで終わりにしているものもあるけれども、そういう内容ではないはずです。安全宣言以降に発見されたというのは、非常に重要な話です。
そういう意味ではこういう対応をしていたのは間違いです。そういう反省点が書かれていないので、そういう点も含めて各社もう少しきちんとした対応をやっていくべきです。これは過去にやった対応は間違いだったんだと、これはこういうふうにすべきだったというような指導も併せてしていってほしいと思っています。
(JEMA) 分かりました。
(永田座長) いかがでしょうか。
(浅野委員) 今の座長の御発言と少し関連するのですけれども、何となく報告をされる側の気持ちがよく分かります。見出しが微量PCBになっています。我々は低濃度といっているんだけれども、ここでは微量と書いてあります。しかも原因についてはほとんど不可抗力に近いような、避け難いみたいな感じの書き方になっています。何となく報告のスタンスが分かるような気がします。
全体としてリスクレベルで考えれば、確かにこういう数字の計算というのはあり得ると思うのですけれども、この程度の割合ですからいいのではありませんかと言われても、多少。私は低濃度PCBについて高濃度と同じようにシビアにやらなければならないとは思わないということは何度も発言してはいるのですけれども、こんな形でこの程度の数字だから、どうなんですか。だから大したことはないというふうに言いたいのか。そういうふうに捉えた場合、かえって混乱が起こりはしませんか。いずれにせよ報告は大変面白く聞かせていただきました。
(JEMA) この計算についてはこういった計算をしてみたらどうなるのかということを御指摘いただきましたので、計算してみました。これだからいいとか悪いとかいうことを申し上げたいわけではございません。
(永田座長) 前にも織委員からそういう問いかけがあったから、メーカーとしての立場で計算してみてほしい。
一方でこの話は環境省もやらなければいけないのというふうに思っています。環境省がメーカーからは生産量みたいなデータをもらわなくてはいけないのだけれども、それ以外のデータは環境省も持っているデータで計算できる話なので、もう少し低濃度の位置付けを考えても良いのではないか前から低濃度は存在しているわけで、そちら側の状況というのも情報としてもう少しきちんとしたものを出せるかなと思っています。それもベースにして低濃度と高濃度の相対的な位置付けはどうなっているのかというのも示していく必要がありそうです。
これは浅野先生が言っているような影響が少ないという話ではないです。ただ、我々がPCBとして処理するに当たって、こういう状況なんですということを一般の人たちに知らせていく責任があると思っています。その中の情報としてそういうものをきちんと出していきたいと思っています。そういうことで環境省のほうにもやってもらいたいと思います。
情報について、環境省からも情報という話があったのですけれども、環境省が取得した情報というのは、ある部分個人情報の制限がかかっていたりします。そういう情報なのだけれども、ただこれから新規に発見されたものについては、どこのメーカーでどこの事業所で見つかったものかというのを知らないと対応できないですね。ですからそういう意味では、個人情報の範囲を超えているような情報を提供していかないといけないかもしれない。そういう注意書きをきっとどこかで書いておかないといけないですね。そういう要請をしておいてほしいなと思います。
(JEMA) おっしゃるとおりで、メーカーとしてはいろいろ分析していきたい、調査をしていきたいと思っているのですけれども、型式と製造番号、分析のメーカーさんもそうですけれども、そういうデータをいただければ。
(永田座長) それとどこでというので、そこに行って実際にまだ残っていれば採取したいですね。
(JEMA) はい。ユーザーさんのお名前とか教えていただければ、今おっしゃったように、ものが残っていますかみたいなことを聞けるのかどうかというのがあるのですけれども、そういうのがあればメーカーのほうで調べにいったりということもできます。
(永田座長) 分かりました。それに対してもやっていく。電気工作物についてもそういう書き方にしていかないといけないということになるかもしれません。そちら側の法改正の話も経産省のほうも考えておいてください。
ほかにいかがでしょうか。
(酒井委員) 既に永田座長と浅野先生が発言されているので繰り返すまでもないことだと思うのですけれども、今回の11ページ、12ページの試算の意図というのはやはりよく理解できていないのです。これをどう使うつもりかということはやはりしっかりと意思を持って、こういう指標は出していただく必要があると拝見しました。
逆に今日いただいた話、せっかくこういう後の寿命との関係での交換頻度の推奨期間というところも出しておられます。この間考えさせてもらったのですが、実は封じ切り機器という存在がある中で、まだ使用が続いているものがあるわけです。測れない、濃度が分からないわけです。こういうものがやはりあるわけです。ここに向けての交換推奨をするための資料づくりというようなところは、JEMAが一番貢献できるところではないかというふうに思って拝見しました。
11、12ページ辺りのデータによれば、万一高濃度含有であればとてつもない低濃度機器に相当するという推算をされている中でいけば、今、封じ切りで測れない。今後測ってみた、高濃度が検出されれば、とんでもない低濃度機器に相当する、それであれば早く交換を進める、標準的な安全性が担保できる期間が10年、15年であれば、そういう資料とワンセットでもっと広報を進めていくというところは、JEMA、協会として非常に貢献できる部分ではないかと思って拝見しました。
永田先生がおっしゃったように、絞り込みとか原因究明はあくまでも個社だということであれば、協会は一体何をやるのだということでいけば、こういうところにこそある意味ではやっていただく意味があると聞かせてもらいました。
(永田座長) 協会としてですね。
(酒井委員) 少し離れるかも分かりませんけれども、申し上げておきます。
(永田座長) ただ一方で、交換の状況は実態との乖離が相当ありますね。そこのところも見ていってほしいと思います。メーカーの立場で推奨していますというだけでは、なかなか今のようなことが進展していかない。その根底にはまだまだ使えるのだという形で使っていただいているのが、結構長期にわたって存在しているわけです。この辺のところの考え方の整理をやってみてくれませんか。
メーカーが言っているのは、メーカーがもうけるための話ではないのかというような解釈をされてしまうのです。そうではないのでしょう。そういうのをきちんと出していく必要がありそうだなと思います。今の酒井先生のお話です。
私が言っておきたいのは、JEMA以外のメーカーからも結構検出されているのと、海外メーカーも存在するわけですね。量は少ないです。だけどその辺のところの対応は環境省も方針を決めておかないといけないのではないかなと思いますので、コメントとして申し上げておきます。
それからこの補助制度ですけれども、これは一向に進展しないのはどうも納入期間が長いというのが影響している。そこは環境省のほうで対応できるような方法はないのですか。せっかくこういう予算措置をして希望者が多いのに、そちらが制約になっているというのは、どうも割り切れない思いがします。頑張ってください。
ということで以上で今日準備した資料は終わりです。全体をまとめて、何か御意見等がありましたら、お願いしたいと思いますがいかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
追加で申し上げておきますと関西電力の柱上トランス事故を起こしたような問題が存在しました。口頭でいろいろ報告はいただきました。その後の状況もこの問題は非常に重要で、環境問題も関心が薄れてくるとこういう事態も生じてしまうというような1つの例かと思います。関心を持ってPCB問題を見てほしいという意図も含めて、この問題は継続的にここで報告を聞かせていただきたいと思っています。
これは環境省もそうですし、経産省もそうですね。調査結果を文書化して、資料として提示してほしいと思っています。
経産省のほうも対応はいろいろ検討されているでしょうから、その状況について文書で報告をしてください。
環境省のほうは各地方自治体とどういう状況になっているのかというのを調査していただいた上で報告していただければと思います。
あとは事務局のほうにお返しします。次回の予定等を含めてお話ししていただければと思います。
閉会
(前田主査) 本日は貴重な御意見をいただきありがとうございました。本日の議論を受けて関係者で連携して対応してまいります。本日の議事録は原案を作成しまして委員の皆様に御確認いただいた後、環境省のホームページに掲載する予定ですので、よろしくお願いいたします。
これにて本委員会を閉会いたします。ありがとうございました。
(了)