環境再生・資源循環

第16回PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会議事要旨

日時

平成28年2月8日(月)17:00 ~ 18:20

場所

大手町サンスカイルームE会議室

出席委員

(委員)(五十音順)

浅野委員、伊規須委員、親里委員、川本委員、鬼沢委員、酒井委員、正賀委員、高橋委員、田中委員、田和委員、中井委員、永田委員、森田委員

(各事業所の安全監視委員会等の委員長等)

眞柄北海道PCB廃棄物処理事業監視円卓会議委員長

中杉東京ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理事業環境安全委員会委員長

上野大阪PCB廃棄物処理事業監視部会委員

(オブザーバー等)

中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)

中間貯蔵・環境安全事業株式会社の事業所が立地する自治体

(北海道、室蘭市、東京都、豊田市、愛知県、大阪市、大阪府、北九州市、福岡県)

経済産業省

産業廃棄物処理事業振興財団

議事

  • PCB廃棄物の期限内処理の早期達成に向けた追加的方策について
  • 今後のスケジュール等について

議事概要等

  • 会議は公開で行われた。
  • 事務局より、PCB廃棄物の期限内処理の早期達成に向けた追加的方策について(案)について説明があり、委員より意見があった。
  • 事務局より、今後のスケジュールなどについて説明があり、委員より意見があった。

主な意見等

(1)PCB廃棄物の期限内処理の早期達成に向けた追加的方策について

(酒井委員) 12月24日の中央環境審議会循環型社会部会のほうでも相当御意見をいただいた。十分な周知広報をという点に関しては、複数の委員から御意見をいただき、そこを具体的に加筆いただいた。今後実際に確認をしていくためには、使用製品のリストという点が非常にポイントになるということで、そこの具体化を図っていただきたいということも御意見として頂戴し、9ページのところでPCB使用製品のリスト云々というキーワードを入れていただいたと認識している。

    安定器に関して、特に中央環境審議会循環型社会部会での議論でより明確な規定があったほうがいいのではないかという意見があった。その点に関しては、今回は前回の検討会の報告案どおりということで扱っているが、従来出てきた、安定器に関してのより前向きな対応の必要性の認識は依然として変わっていないので、今後の実際の運用の中でより前向きな次の一手を考えていただきたい。

(永田座長) この報告書の内容について修正すべきという御意見がございませんので、この報告書の(案)を取らせていただき、本検討会の報告書の成案とさせていただきたいが、よろしいか。

(うなずきあり)

(永田座長) それではそのように取り扱わせていただく。取りまとめた報告書については、中央環境審議会の循環型社会部会にも事務局から報告するようにお願いする。

(2)今後のスケジュール等について

(眞柄委員長) 地域毎の関係者連絡会について、追加的方策の8ページでは地方版のPCB廃棄物早期処理関係者連絡会を全国5カ所で開催、スケジュール等(案)では3月に地域版PCB廃棄物早期処理関係者連絡会の開催5地域ごととなっているが、今後は参考資料にもあるように、室蘭では東京の安定器も処理をするということになるので、連絡会のグルーピングをどのように考えているのか。

(環境省) 関係者連絡会はJESCOの5地域ごと、つまり5個関係者連絡会を持っており、この関係者連絡会で何を検討するのかという要素まで考えると、期限内の早期処理に向けて関係者間でどういった取組をしていくべきかについて、より具体的に現場に即した取組について議論していくことになっており、そうしたことから考えると、5地域で細分化されて検討していく内容というものは、当然ながらもう少し広い安定器のエリアにおいても、事業者に対する早期処理の普及啓発、あるいは直接の指導等が具体的な内容となっているので、5地域の検討で安定器の部分もカバーできるのではないかと考えている。

 早期検討会の立ち上げから、参画する各関係機関が同じくその5地域ごとに分かれて地域の組織を持っているわけではないので、そこは環境省がしっかり間を取り持って情報のやり取り等を実施し、全国的にうまく取組が機能するようにカバーしたいと考えている。

(浅野委員) 報告徴収について、この部分だけ「高濃度PCB廃棄物等」と書いてあるが、「等」と書いてあることの意味を御説明いただきたい。

(環境省) 「高濃度PCB廃棄物等」の「等」は高濃度PCB使用製品、使用中の機器について想定して記載している。高濃度PCB使用製品を持っているところにも、都道府県等から事業者に対する報告徴収・立入調査の権限を持つような内容とすることが適当ではないかと考えている。

(浅野委員) 説明会について個々の事業者だけをターゲットということになると、来る人と来ない人が出てしまうことが避け難いので、自治体にも来てもらい中小企業などは自治体を通じてPRをすることも考えられるのでないか。また商工会議所などから参加いただけると、そこを通じて中小企業への情報が伝わりやすいと思われるので、ターゲットをいきなり業者だけということを考えずに、可能な限り情報が広がるような方策もお考えいただきたい。地域で開催するときは、テレビカメラを入れればそれだけでも随分PRになるので、ぜひ積極的にテレビ局に声をかけて、こういうことをやっているということがニュースで1分でも2分でも流れるだけでも随分PR効果があると思うので、ぜひお考えいただきたい。

(鬼沢委員) 参考資料の説明会の件で、既にお断りしているところもあるぐらい参加者が多いのであれば、来年度早期のうちになるべく回数を多くやっていただきたいということと、ここに参加してこないで情報が漏れているところがあるのではないかと思うので、そこもなるべくカバーできる形をいろいろ考えていただくことが大切なのではないかと思う。

(環境指導室) 啓発普及事業を環境省と連携して、あと地元自治体との関係では自治体の方と連携しながら引き続きしっかりやっていきたいと思っている。今回の説明会の案内について、商工会議所にも声をかけてはどうかという御紹介をいただいたが、今回の協力機関について全国中小企業団体中央会と書いているが、1月に日本商工会議所や全国商工会連合会等の方々にもお願いし、ホームページに説明会の開催案内をアップしていただいて御協力をいただいている。

 それから、来年度早目に開催をということで、できれば早く9月頃から来年度は始めたいと考えている。引き続き、環境省と連携を取りながら広報活動を積極的に進めていく。

(酒井委員) 資料4で産業構造審議会の電力安全小委員会での議論の状況ということで御紹介いただいたが、この方向で御検討いただいているということは非常に結構なことだと思うが、※のところで、高濃度PCB含有電気工作物の所定期限内の使用停止を義務付けることについて、検討中ということですが、ここの内容を少し具体的に御紹介いただけないか、何をいつまでにどうしようとしているのかという点について、御説明をいただきたい。

(電力安全課) 高濃度PCBの所定期限内の使用停止についての現時点での具体的な考え方について、報告書の中にもこの点は電事法の省令の附則の早期見直し、所定の規定についての見直し、処理期限内に確実にその使用を廃止させることが必要であるということも書いており、この場でもワーキンググループの場でもそういった御意見をたくさんいただいており、重く受け止めている。したがって、そういう方向で考えておりますが、現時点では調整中なので、ここに書いてあることで御容赦いただきたい。

(酒井委員) 現在調整中なのでこの場ではお話できないということで、御事情は理解した。今後処理期限内にしっかり処理を進めていこうとすると、廃棄される見通しのない製品の扱い方というのが極めて大事な問題になってこようかと思うので、製品と廃棄物の間の関係を含めて、ここはしっかりとした制度化をしていただけるよう、両省ともにお願いしたい。

(中杉委員長) 今後のスケジュールの中でPCB廃棄物の基本計画の変更について委員会で検討されますが、資料1-1の中で高濃度についてはかなり具体的な検討がされているが、低濃度については概略のところしか決まっていない。これについて、これから検討しなければならないが、基本計画の変更について3月から7月までということで、どのようなことをスケジュール的に考えているのか。

(環境省) まずPCB基本計画の中で何を書くべきか、何を議論すべきか、ということになると、今回の報告書で書かれている中でより取組として具体的に落とし込んでいくべき内容というものが検討すべき対象の1つになるだろうと思っている。それに加えて、今後検討すべきであるとまとめられているものについて、この中で考え得る限りの取組については検討してまいりたいと思っている。ただ、低濃度PCBに関しては、まず実態の把握と処理体制の整備というところが大きな考え方となっており、それから検討しなければならないところがかなり多く残っているので、こちらは今後の検討会の中でも、事務局としていろいろ御提案させていただきたい。

(伊規須委員) 微量のPCBを含んだものの作業をやるときの作業者の安全ということも大事な要素だと思うので、それをどのようにこの中に組み込んでいくか検討していただきたい。

(永田座長) 資料4の関係で、酒井先生から御質問のあったところですが、ここが1つの焦点であり、今後どのように進めていくのか、スケジュール等については、また3月にこの検討会があるので、そこで御説明いただけるのだろうと思っている。それ以外の2つの大きなマルでどう対処していくかという話も御報告いただければと考えている。

 説明会の話ですが、そこで使った資料は全て両省のホームページでそれぞれ公開し、皆さんにいつでも見られるという状況を作っていただくと、これも1つの広報の重要な対応かと思うので示してください。それから、会場で質問があったかと思うので、これもQ&Aでまとめて、それもアップロードしていただけると、そういうものにリンクを張って商工会議所、あるいは地方自治体というところが使っていただけるのではないかと思うので、積極的に広報を図ってほしい。

 説明会の日程を見ると、東京以北の開催がなく、北海道なんかは重要な点なので、できるだけ来年度の早期に、そういうところでの開催を考えていただきたい。

(永田座長) 処理期限が迫っており、その処理期限の延長はできないし、しない、そうした中で処理期限を達成することが非常に厳しい状況に来ていることを認識している。ですので、今日御出席いただいている方、あるいは関係者も一丸となってこの問題に取り組んでいく、政府として一丸となって取り組んでいくということが示されていると思っている。

 報告書では、今考えられる施策や対応を可及的速やかに実施していくという姿勢ですので、両省とも今後の対応に合った形で今後の検討、政策の展開を進めていただきたい。

 もしそれで十分でなければ、さらに追加的な対策も実施していくということで、皆さんにはその監視、実施状況のチェックをお願いしておきたいと思う。これから両省には、ここでまとめていただいた報告書の内容を早急に実施していただき、PCB廃棄物の安全かつ確実な処理を期限内で1日も早く完了するように対応していただきたい。同時に、今申し上げたような状況であるということを踏まえて、その対応の実施に当たっての決意をお聞かせ願いたい。

(電力安全課) 経済産業省電力安全課としては、このPCB問題は40年近くも経過している問題であり、改めて申し上げるまでもなく、早期に確実な処理が大変重要な問題だと認識している。この報告書に基づき、できるだけ早く確実な処理が実施できるよう、電気事業法に基づくいろんな枠組みでの制度、あるいは法律に基づかないことでも電気事業に関係した者に協力を求めることなどして、できるだけ早期の確実な処理をできるように考えていきたい。引き続き、この検討委員会の場でフォローアップなどをまたお願いすることになるようですので、引き続きよろしくお願いしたいと思う。

(環境指導室) 当省としては、今後この報告書に示された方向性に従い、環境省とも十分連携しつつ、高濃度PCB廃棄物の計画的処理完了期限内の処理促進のための必要な制度改正などについて検討を進めていく。また、高濃度と低濃度の違いなどPCBに関する正確な知識の啓蒙、PCB廃棄物の処理の必要性や処理支援策に関する事業者などへの普及啓発にも環境省、製造事業者、JESCO、自治体等とも連携してしっかり取り組んでいく。
 低濃度PCB廃棄物については、報告書において処理体制の充実、多様化と処理料金の低減といった方向性を示していただいたので、引き続き課電自然循環洗浄法の対象範囲の拡大や、絶縁油の抜油後の筐体の合理的な処理方策について、官民連携して検討を進めていきたい。

(環境省) 本日いただいた御意見、また報告書を踏まえ、私どもとしてしっかり対応を進めていきたい。

 PCB特別措置法ができたのが平成13年であり、当初は平成28年3月までに処理を終えるということでスタートした。特措法をつくって15年経ち、今日がその平成28年3月からすると一月前であり、既にこの時点で終わっている、もしくは終わっている見込みが既に立っているはずの時期に今私どもは立っている。計画的処理完了期限は一番早いものであと3年ちょっとなので、これはますます気を引き締めて取り組まなければいけないと考えている。

 そうした中で、今回取りまとめていただいた報告書には、貴重な御意見が数多く入っており、今後はこれを確実に実行に移していくこと、実行に移すに当たっては、環境省だけではなく経済産業省、さらには幅広い関係者の皆様方と一丸となって取組を進めていくことが大事であると考えている。

 また、計画的処理完了期限の終了の予定時期になって振り返ってみたときに、そのときにようやくやり切ったと言えるように、現時点からできる対策は全て打っていくということで頑張っていく、また委員の先生方の御指導、御助言、お力添えをいただきながら頑張っていきたいと考えているので、引き続きよろしくお願いする。