環境再生・資源循環

第12回PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会議事録

日時

平成26年5月13日(火)

場所

砂防会館別館淀・信濃

開会

(塚本課長) それでは定刻となりましたので、ただ今から「第12回PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会」を開催いたします。
 議事に先立ちまして環境副大臣の井上から御挨拶を申し上げます。

(井上環境副大臣) 環境副大臣の井上信治でございます。永田座長を初めとして、委員の先生方、また各地域の監視委員会の代表の皆様、オブザーバーの皆様、本日は御多忙のところを御出席いただき、ありがとうございます。
 委員の先生方には平成23年10月から本検討会に御参画いただき、2年半にわたり御検討をいただいていたところですが、本日新しい基本計画案を皆様にお示しできることとなり、私としても大変喜ばしく思っております。
 新しい計画案については、5事業所の長所を生かし、処理能力を相互に活用すること、蛍光灯安定器などの処理を北九州市及び室蘭市に集約し、最長でも平成37年度までに処理を完了させること、施設の長期保全計画などにより、長期的にも安全を第一として確実な処理を行うことなどにより、我が国のPCB廃棄物の処理を1日も早く完了させることが可能となると考えております。
 この基本計画案について、昨年10月に処理施設の立地自治体に検討を要請いたしました。それぞれの自治体では議会や監視会議など様々な場において、地元の意見を集約していただき、これを踏まえ私どもから対応案をお示しいたしました。
 例えば室蘭市につきましては、私自身も3度訪問し地元の皆様と意見交換をしてまいりました。その中で私としては地元自治体がPCB処理事業の重要性を理解され、1日も早くこの地上からPCBをなくすという思いを私どもと共有していることを実感いたしました。その一方で、PCB処理の安全性確保に対する強い要請もしっかりと受け止めたところです。
 本日は我が国のPCB処理の新たな一歩を踏み出す出発点となるものです。これまでの委員の先生方の御協力、関係自治体の皆様の御協力など、様々な方の御尽力に感謝を申し上げますとともに、これからのPCB処理を皆様と一丸となって進めてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

(塚本課長) それでは、本日の委員会ですが、浅野委員、川本議員、田辺委員から御欠席との連絡をいただいております。また、影山委員が御欠席ですが、電気事業連合会の委員の井上様に代理で御出席をいただいております。
 またJESCO地元の自治体で開催されている監視委員会の代表の皆様に御出席をお願いしております。中杉座長、松田委員長、眞柄委員長に御多忙の中、御出席いただいております。なお北九州の浅岡座長と大阪の上野座長におかれましては、御欠席でございます。
 配付資料ですが、お手元に議事次第の1枚紙がございます。その下に委員名簿がございます。資料としては1枚紙の資料1、印刷物としての資料2、参考資料1、参考資料2という構成になっております。万が一御不足の資料がございましたら、事務局にお声掛けをいただければと思います。
 報道の方、恐縮ですが、カメラ撮影はここまでとさせていただきます。
 これ以降の進行につきましては、座長の永田先生にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

議事

(永田座長) どうも皆さんこんにちは。委員の皆様、監視委員会の代表の皆様、御多忙の中御出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日の検討会では基本計画の最終案を御承認いただくことになっております。基本計画の変更に関する議論の最終回を迎えることになり、私も大変喜ばしく思っております。これまでの関係者の皆様方の御協力に感謝申し上げますとともに、敬意を表したいと思います。
 本日は初めに環境省から資料の説明をしていただきます。その後、関係自治体並びに地域の監視委員会の代表から一言ずつ御発言をいただきまして、その後、委員の皆様から御発言を頂戴したいと思っております。
 それでは、まず環境省から説明をお願いいたします。

(塚本課長) 私の方から資料1に基づきまして、今回の基本計画変更案の概要について、簡単にまとめさせていただきます。
 昨年の前々回の検討会の中で御報告いたしましたが、2年間のこの検討委員会の御検討のエッセンスである、各事業所の能力をフルに生かす、そして一部の物品について今までの5事業所の境界を越えて動かすことで処理の促進を図るということです。
 裏面の方をめくっていただきますと、各事業所間での主な物品のやりとりについて線表の形でまとめております。
 また今回2年間の検討を経た上で、新たに考え方としてつけ加えさせていただいたのが、下の線表にあります点線の期間です。青い矢印がトランス・コンデンサ類の処理期間、赤い矢印が安定器等汚染物の処理期間です。実線部分の右端が計画的処理完了期限です。そして点線部分が事業終了準備期間ということです。この矢印のおしまいまでに確実に事業を計画的に終了するための工夫です。
 また表面に戻りますが、今回の主な内容としまして、先ほど副大臣の御挨拶でも申し上げたとおり、安全性の確保と5事業所の相互活用、そして安定器等汚染物の北九州事業所及び北海道事業所への集約ということです。
 また微量PCB汚染廃電気機器等については、環境大臣による無害化認定制度、都道府県知事の許可制度を活用していく。低濃度PCB廃棄物については、環境大臣による無害化認定制度を活用するということです。
 こうした御審議をいただきまして、昨年秋から地元自治体との意見交換、検討をお願いしてきたところです。その中でやはり大きな論点として出てきたもの、それは一つは長期間にわたるJESCOの操業の安全性の確保の問題でした。そしてもう一つはきちんと期間内に処理が終わるための促進策でした。これについては、昨年11月、前回の検討会においても御審議をいただきました。
 具体的には、JESCOにおける安全を第一とした適切かつ確実な処理を実現するための計画的な保守点検の実施とこれに対する国の資金的な支援、そして1日も早い処理完了に向けた都道府県、国、JESCO、電気保安関係の事業所などの協力体制の確保についての施策を盛り込みました。
 また、処理費用の負担能力が低い保管事業者の方への追加的な支援、あるいは意図的に処理委託を行わない方に対する対策についても検討を行いました。
 微量PCB汚染廃電気機器等の処理についても、処理がさらに合理的に進むよう検討を行う旨を記載しております。
 今回の計画変更を行う前の段階では、大変残念ながら、平成49度年まで高濃度PCBの処理期間がかかってしまうという危機的な現状にございました。しかし本変更案をもとにに処理を実施することにより、平成37年までにこれを短縮し、ストックホルム条約で求められている平成40年という年限までに、高濃度PCBの処理がきちんと完了する見込みが立つということです。

(中野課長補佐) 引き続きまして、環境省産業廃棄物課の中野と申します。私の方から、今、塚本が概略を御説明いたしましたポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画の最終的な案について御説明させていただきます。
 お手元の資料2、参考資料1、参考資料2を活用して御説明させていただきます。資料2と参考資料2が対になっておりまして、資料2は今回の処理基本計画の変更案全文となっております。対しまして参考資料2は、現行の処理基本計画から今回資料2でお示しした計画変更案のどの部分が変更されているのかというものを見え消しでわかりやすく示したものです。
 それから参考資料1ですが、今般のこの処理基本計画をお示しするに当たり、前回2月28日にこの検討会で新しい計画に盛り込むべき主な内容について御議論を賜ったところですが、その後、議論の結果を踏まえまして、国民の皆様の御意見を頂戴するパブリックコメントを4月24日から5月7日にかけて実施いたしました。まずは参考資料1を御覧頂き、そのパブリックコメントの結果などについて御説明させていただきます。
 意見募集期間14日間の中で意見を提出いただいた方が14名いらっしゃいました。御意見の数といたしましては、こちら番号を通して振っておりますが、25件の御意見をいただいたところです。
 まずは簡単に結論を申し上げますと、今回いただいた25件の御意見の内訳ですが、処理基本計画の内容に追加的な記載を施した御意見が2件ありました。そのほか部分的なものも含めて、既にこのパブリックコメントの段階で追加項目とさせていただくものについての御意見が13件ありました。
 また、内容的に計画への盛り込みが難しいといった御意見が5件ありました。また、質問にとらまえられるようなものが1件ありました。残り4件の御意見は今回の基本計画に関して直接関係のないものでした。例えば違う制度に関する改正の御要望などが4件ありました。
 全ての御意見に対する考え方を記載しておりますが、お時間に限りがありますので、ここではその中でも特に計画変更案に新たに追加的に記載させていただいた御意見について披露いたします。この通し番号でいきますと、御意見の21番、22番で標題としては、「低濃度PCB廃棄物について」と書いているところです。この21番と22番の御意見は、どちらもいわゆるPCB濃度が5,000mg/kg以下の低濃度と呼ばれるPCB廃棄物の対策について、2月28日までにお示ししていた資料やパブリックコメントで御意見を頂戴した資料の中では、特段の記載がなかった部分ですが、御意見のとおり、平成24年に無害化処理認定制度の処理対象とした廃棄物ですので、こちらについても処理基本計画に新たに採用させていただいたところです。
残りの御意見につきましては、また後ほど御覧いただければと存じます。
続きまして資料2です。ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画の案について御説明させていただきます。こちらの資料について、どのような考え方に基づいて作成させていただいたかということをまず御説明させていただきます。前回までに御意見をいただいき、パブリックコメントに付した基本計画に盛り込むべき主な内容を基本計画の中に対応する項目にばらして追加した形をとっております。
 その際、文章の前後関係から若干表現を丸めたり改めたりする必要がある部分については、表現を適正化しておりますが、基本的に今回追加されている項目については、前回までに御議論いただいた項目群を加えた形で資料を作成しております。
 その上で、これまで御議論いただいていないところについて、若干修正等を施した部分があります。今回は特にそちらについて御説明をさせていただきます。
 まず資料2の2ページを御覧ください。2ページの上から3行目で「このほか、」から始まっている3行の段落があります。こちらは最新の情報を踏まえた統計的な廃棄物の量の一部を説明しているところです。微量のポリ塩化ビフェニルに汚染された柱上トランスについては、平成13年から電力会社が自社処理に取り組んでおられますが、平成24年度末時点で、その約7割が処理完了している現状を前書きの部分につけ加えております。
 2ページ真ん中の「第1節 現状」の二つの表については、これまでもPCB特別措置法第8条に基づく保管事業者からの届出データを記載しておりましたが、先般環境省が公表しました平成24年3月31日現在の最新の数量を記載しています。
 3ページの(注)と記載している箇所についてです。前回2月28日の検討会の参考資料でお示ししたところですが、届出様式を2月28日に改正しております。それまでは残念ながらポリ塩化ビフェニルを使用した高圧トランス・高圧コンデンサなどと、いわゆる微量PCB汚染廃電気機器等が区別されず、数字の中に入っているという状況でした。平成24年にこの検討会でまとめていただいた報告書の中では、そこの識別ができない、区別がつかないと御提言いただいていたところですので、このことを注意書きとして改めて記載しております。
 3ページの第2節で「1 高圧トランス等・高圧コンデンサ等及びポリ塩化ビフェニル等」とありますが、こちらに書いている処分量の見込み等の数量は、前回の委員会までにお示ししたところですが、高圧トランス等、高圧コンデンサ等というような用語の定義を改めたものです。
 同様に4ページの上のほうに「2 安定器等・汚染物等」とあります。こちらも現行の基本計画では「汚染物等」という表現となっていました。今般、安定器等については、北海道事業と北九州事業で処理をさせていただくというような変更を行っていることから、安定器という言葉を汚染物等という言葉に加えたものです。
 次は7ページを御覧ください。7ページの1番上に「その他、」で書き始まっている段落があります。こちらが正にパブリックコメントの御意見を踏まえ、いわゆる低濃度PCB廃棄物と呼ばれるものの処理体制について記載したところです。PCBによる汚染の程度が一定値以下のものについては、平成24年から廃棄物処理法に基づく無害化処理認定制度の対象とされたところですので、本制度を活用した処理体制の確保というものをするという旨をここに追記しております。
 10ページ下から9行目「また、地元地方公共団体が」と始まっている文章があります。このところは上の段落を御覧になればおわかりいただけるとおり、「(3)国の取組」ということで国の取組について記載しておりますが、この「(3)国の取組」の一つ上の段落に、同じように「地元地方公共団体が、我が国及び世界の」と書いている文章があります。(3)の上は地方公共団体の取組について書いておりますが、前回までの御議論の中では地元地方公共団体が、他の地域のPCB廃棄物を受け入れて処理していただいているという重要な役割を果たしていることに鑑みて、その他都道府県市はその地元地方公共団体の重要な貢献を認識してPCB廃棄物の円滑な処理など、可能な限り協力を行うということを書いておりましたが、これは単に地方公共団体が踏まえるべき重要な貢献ではなく、国としてもそれをしっかり踏まえた可能な限りの対策をとるべき、協力を行うべきということを改めて国の取組の最後の段落に記載したという趣旨です。
 11ページ以降については、表現ぶりを若干修正しております。例えば11ページにおいて、一番下の段落に、「3 微量ポリ塩化ビフェニル汚染廃電気機器等に反する情報提供等」という項目がございます。例えば社団法人日本電機工業会、社団法人日本電線工業会とこれまで書いてあったところを一般社団法人に適正化したことや、あるいは今回の時点を踏まえて、例えばこれまでほとんどPCB廃棄物は処理がされていなかったというような表現が、実はこの項目の中ではありましたが、現時点では既にある程度処理が進んでいるということから、そういった時点修正で表現を見直した部分がこの後何箇所かあります。これは参考資料2に見え消しで書いてありますので、後ほど御覧いただければと思います。そのような技術的な修正を加えさせていただき、今般、資料2、基本計画案としてお示しさせていただいたものでございます。私からの説明は以上で終わります。

(永田座長) どうもありがとうございました。それでは、先ほど申し上げましたように、関係自治体の方々からコメントをいただきたいと思います。
 まず北九州市からお願いします。

(北九州市) 北九州市産業廃棄物対策室の井上と申します。
 北九州市の今回の基本計画案に至る、前段の部分としましては、先ほど副大臣の御挨拶にもあったとおり、国から要請をいただいた上で先月4月23日に、北九州市長が環境大臣にお会いいたしまして、条件を提示してそれを承諾していただくという前提でこの要請を受け入れたという経緯があります。
 その際に市長からも大臣に申し上げたことですが、今回、要請の内容そのものにつきましては、これまで率先してPCB処理に取り組んできた北九州市、市民、企業のことを考えれば、誠に遺憾と言わざるを得ない、という想いがありました。その上で、市民に対して70回以上の説明会を行い、1,800人以上の市民と向き合って、処理の安全性や、期間内に確実に処理をし、1日も早く処理をしてほしいという市民・議会の想いを全て受け止めて27項目の条件を提示して、それを国として承諾いただき、万全を尽くして対応いただく、というお話をいただいたという経緯であります。
 以上を踏まえれば、今回の基本計画により、こうした地元の意向を踏まえて、関係者が一丸となって安全かつ1日も早いPCBの根絶に向けて取り組んでいただく、そのために北九州市としても、国と二人三脚で取り組んでいきたい、このように考えておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。以上です。

(永田座長) どうもありがとうございました。続きまして、室蘭市のほうからお願いします。

(室蘭市) 北海道事業が立地してございます室蘭市の池田と申します。
 本委員会はPCB廃棄物につきまして、新たな処理体制の構築に向けまして、およそ2年半の間、まさに真摯な討論をされてきたことに対して、まずもって委員の皆様、そして関係者の方々に深く敬意をあらわしたいというふうに思ってございます。
 また、各事業所の監視委員会の座長先生からは、地域のさまざまな意見や課題、こういったものを御発言いただいたことに対しまして、大変ありがたかったというふうにお礼を申し上げたいと思います。
 本市は人口9万割れが秋ごろに懸念されている小都市でございます。一方では北海道の中で人口密度は札幌市についで2番目という、特殊な特性をもっております。そのためにPCB処理事業に対しての市民の関心が高いこと、また今回の新たな体制について、北海道事業は一度東北、北陸、北関東などの15県の広域廃棄物を受け入れた経過もございまして、今般の期限延長、そして新たに安定器などの受け入れについて、エリア拡大が伴う内容で地域では不安、不満等の声が相当ありました。
 本市は、環境省に遅延の原因、そして新たな5事業所の機能分担について丁寧な地元対応をお願いいたしまして、先ほど副大臣の方からもお話がございましたが、副大臣が数回にわたり本市に見えられましてそのほかの職員の方、そして議会の方にもいろいろと意見交換をしていただきました。また北海道にもいろいろとご協力をお願いし、本地域の地元理解に取り組んでまいりました。
 本市はPCB廃棄物の処理が世界的な環境貢献に資するものでございまして、この環境貢献が環境産業都市を標榜する本市の役割という視点、また国の方から安全で確実、そして期限内に終了することに万全を尽くすというお話をいただきまして、安定器、エリア拡大、延長の申し入れの受け入れ決定をいたしてございます。
 今後、新たな体制に移行していくと思いますが、なお一層委員の先生、国、県、北海道などの関係行政、そして事業関係でございますJESCOなどの関係者の方々に、大変お世話になります。なお一層のご協力とご配慮をお願いし、室蘭市のコメントとさせていただきます。ご安全によろしくお願いいたします。

(永田座長) どうもありがとうございました。続きまして、北海道事業の監視円卓会議の委員長であります眞柄先生の方からコメントをちょうだいしたいと思います。

(眞柄委員長) かしこまりました。
 先ほど井上副大臣から御挨拶があり、また担当の課長から今回の処理基本計画についてお話がありました。今室蘭市からもお話がありましたように、室蘭市で行っているこの事業が、当初の計画よりもかなり大きなものになるということで、市民また円卓会議のメンバーの多くは、慎重な考えでおりましたが、国全体としてPCBを処理するということで、室蘭市、北海道がこの計画を受け入れたという形になっております。
 私は技術的な問題についてこの際お願いをしたいのですが、現有の施設につきましても、そもそもその現有の施設が計画された時点からかなり年代がたっております。そういう意味では処理技術そのものよりも、周辺の技術がかなり進歩しているということです。例えば処理施設で、PCBのモニタリングをしているわけですが、モニタリングをする設備自体は、数年で陳腐化しているという実態があります。そういう意味で施設の更新あるいは改良という際に、現有の施設のまま改良する、更新するというのではなくて、現時点で最善な技術をアプライするという考え方をとっていただきたいというふうに思っております。
 また、これまでPCB事業がある限られた年数で行うということがあったことも一つの理由ですが、実際に現場で働いていらっしゃる方々の経験年数が必ずしも長くないということがあります。そういう意味では先ほどの資料1でも御説明がありましたが、日常的な工程管理において、特に最近はいわゆる情報技術が大変進んできておりますので、情報技術を活用した、あるいは人工知能的なモデルを組み立てていただいて、経験の少ない現場の保守などに携わっておられる技術者、技能者のサポートをとるような工夫もしていただきたいということでございます。
 それから先ほど地方自治体、国の事柄が述べられておりますが、円卓会議の始まった当初は、北九州、豊田等々の監視委員会あるいはそれぞれの地域の市民が入っておられる方々との交流をやってきたわけですが、最近、そういう活動が少ないということで、円卓会議の人たちも室蘭だけ何となく疎外されているのではないかという感覚も持っておられますので、円卓会議あるいは監視委員会のメンバー同士の交流も積極的に進めていただいて、そういう意味では市民レベルでのPCB処理に関する意識を今後とも盛り立てていただけるようにお願いをしたいと思います。以上です。

(永田座長) ありがとうございました。それでは引き続きまして、東京都の方から御発言を願います。

(東京都) 東京都環境局の山根でございます。関係者の皆様の御尽力によりまして、今後のPCBの処理を進めるに当たっての基本計画の最終案が示されたところでありますが、東京都は今後これを進めるに当たりまして、意見を3点申し上げます。
 1点目は安全性の確保に関することです。処理施設の稼働やPCB廃棄物の事業者間移動など、今後の事業運営に当たりましては、環境対策も含め、安全については十分な配慮をお願いいたします。
 2点目は処理期間の短縮についてです。基本計画案では一定の処理期間が示されたところですが、JESCOの操業期間につきましては可能な限りの短縮をお願いいたします。
 3点目は国と自治体の連携支援についてです。今後新たな基本計画を進めていくに当たりまして、自治体の負担も増加すると考えられることから、環境省を初め関係機関との連携、御支援、御協力のほどをよろしくお願いいたします。以上です。

(永田座長) ありがとうございました。東京事業につきましては、環境安全委員会がございます。その委員長でございます中杉先生からお願いします。

(中杉委員長) 東京事業所の環境安全委員会の取りまとめをしております、中杉でございます。
 他の自治体の協力を得ることによって、当初想定をしていたより短い期間で処理が完了する計画案を策定していただいて、当初想定をしていたより少し短くなったということで、住民の方から一応最初の計画に比べると延びてしまったことについてはやむを得ないだろうという了解を得ているというふうに、私は理解しています。
 ただ、住民の方はその一方で、それよりも安全にやるということを第一にしてほしいという要望が強いと認識しております。ただ、今回この計画を練っている間に最近、新たな方法に移行したことによって、想定外のトラブルが発生しております。幸いにしてこのトラブルというのは大きなものではなくて、計画を再度変更するとか、あるいは周辺に影響が出るというようなことは起こってはいないわけですが、今後もこういう想定外のトラブルというのは起こらないとは限らないというふうに考えています。そういうことが起こることがあり得るということを念頭に置いて、発生した場合に迅速な対応をしていただいて、再度延ばすということはあり得ない。地元の理解は得られないと思いますので、しっかりと今後安全を確保しつつ、着実に処理を進めていただくということをお願いしたいと思います。

(永田座長) どうもありがとうございました。引き続きまして豊田市の方から発言願います。

(豊田市) 豊田市環境保全課長の近藤でございます。今回国からの計画変更に関する検討の要請に関して経緯等を述べさせていただきたいと思います。
 豊田市につきましては、自動車産業都市として多くのPCBを使用してきたという背景があります。東海4県のPCBの処理を行っている、受け入れを決定してきたところです。しかしながら平成17年の事業開始後、すぐにPCBガスの漏えいという事故が発生したこともありまして、一部の市民の方には根強く反対の意見があるということも事実です。
 今回の計画変更に対して市議会、地域住民に説明した中でもやはり本当に大丈夫なのかという意見、それからとにかく安全に操業してもらえればいいという意見が多く出されました。
 そこで豊田市としては、施設の安全性だけでなく、今後さらに広域化する収集運搬に関する取組等について条件を付して、先月24日に計画変更の手続きに入ることを了承してきたところです。
 また、JESCOに対しても施設で働く全ての従業員が市民の思いを理解していただいて、二度と漏えい事故を起こさないような覚悟で安全運転をしていただきたいというふうに、市としても強く願っているところです。
 今後も安全に確実に処理ができるように、関係機関が一丸となって進められるように支援とご協力をお願いしたいと考えています。以上です。

(永田座長) ありがとうございました。豊田事業につきましては、安全監視委員会があります。委員長の松田先生の方からコメントをいただければ。

(松田委員長) 豊田市の安全監視委員会の松田です。ただいま豊田市の立場は今、近藤課長から発言がありましたが、安全監視委員会はこれまで長きにわたりまして監視委員会の席上で環境省からしっかりと丁寧に御説明いただいたということもあり、委員会の中では全面的に協力をしていきたいという前向きな発言があり、今日に至っております。
 しかしながら先ほどからのお話にありますように、処理ラインが変更される、あるいは先ほど説明がありましたように、施設の老朽化もこれから対策を考えていかないといけないですとか、日々のメンテナンス等といったところについても一層の注意を払っていただかなければなりません。さらに搬出入に伴う危機管理が必要になってくると認識しておりますので、そういったことをしっかりと安全監視委員会の立場で、豊田市と歩調を合わせながら地元の住民の協力、信頼にきちんと対応できるように、JESCO豊田事業所にはさらにしっかりやっていただくように、当安全監視委員会としましてもしっかりと見守っていきたいと思っております。

(永田座長) ありがとうございました。地元自治体としては最後になります。大阪市の方からお願いします。

(大阪市) 大阪市環境局の有門と申します。
 JESCO大阪事業所があります此花区というところは、広域拠点処理施設があるとともに、関西電力さんの柱上トランスの自社処理施設があるというところで、PCB処理に関しては結構関心がおありの方が多いという土地柄です。
 今回の基本計画の変更につきまして、いろいろ地元の方とお話をしておりますと、特に大きな反発、反応というのはいただいていないのですが、正直なところ、やはり操業が延長されるというのは不安であると。大阪ですと、最長36年度までということになりますので、さらに9年間ぐらい処理がされているという緊張感にさらされるというお話もいただいているというところで、そういった下地があるというところです。
 JESCO大阪並びに関西電力さんの処理が安全に進められているということで、今までは本当に安全にやっていただいているということで、最長36年度ということでありますけれども、できる限り前倒しで終わってくださいというような御意見も頂戴しながら、そういったことを市長からも環境大臣様宛ての回答に書かせていただいて受け入れていただいたということもあります。
 さらに延長ということですが、輸送時も含め安全には万全を期していただくとともに、我々自治体の方も近畿ブロック2府4県13政令市がPCBの保管事業者の掘り起こしなど、自治体としてやるべきことをやりながら早期に此花区にございます拠点施設が終われるように頑張ってまいりたいと考えております。以上です。

(永田座長) どうもありがとうございました。
 続きまして、本計画案で特に使用中のPCB機器の計画的処理について経済産業省と連携が重要な旨、記載されているところでございます。委員会にもずっと出席もいただいております。経産省の方からコメントをお願いします。

(経産省) 経済産業省の鈴木でございます。よろしくお願いいたします。
 経済産業省といたしましては、PCBを含有します電気工作物の使用及び廃止に関しまして適切にその状況を把握して、電気事業法やPCB特措法に基づく届出について、各地域の産業保安監督部と各都道府県市との間で情報を共有し、両制度の連携を図ってきているところです。
 また、こういった形の情報提供を求められた場合においても、速やかな対応に務めているという状況です。また先般、環境省におかれて実施しましたPCB機器の設置状況の把握についても協力をさせていただいているところです。今後、その結果に応じまして電気主任技術者、保安関係団体等との関係者とも連携して必要な指導等を実施していきたいと思っております。
 また、微量PCB汚染廃電気機器等につきましては、基本計画にも書いてありますとおり、その量が膨大であることを踏まえ、安全かつ合理的な処理をより一層進めるために、微量PCB汚染廃電気機器等の保有者及び使用者に対しその処理の選択肢をふやし、取り組みやすい環境を整えることが極めて重要と考えているところです。このため環境省と連携いたしまして、検討を進めております、使用段階における課電自然循環洗浄法等を活用しました無害化処理スキームなどを早期に実現していきたいと思っております。
 このようなことを経済産業省としては着実に進めていきたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

(永田座長) どうもありがとうございました。さらに計画の中ではJESCOの役割、取組もますます重要性が増してまいります。この点につきまして、JESCOからもコメントをお願いします。

(JESCO 矢尾板社長) JESCOの社長、矢尾板でございます。検討委員会の先生方、産業界を初め各委員の皆様方、私どもの処理施設が立地しております自治体を初め地元の関係者の皆様方におかれまして、日ごろより私どもJESCOの事業について御指導を賜っております。本当にありがたく厚く御礼を申し上げます。
 当社におきましては、平成24年8月に検討委員会でまとめていただいた御報告を踏まえまして、安全確実な処理というのを第一とし、できるだけ効率的に処理を進めて、日本からPCBを1日でも早くなくすべく、全力で今、取り組んでいるところです。
 トランス・コンデンサについては、5カ所の処理施設での操業が順調に進み、もとの計画に比べて少し遅れておりますが、我が国のPCB処理もJESCOとして全体では道半ばを越えるところまで来られたのではないかと思っております。
 また、安定器等汚染物の処理についても、昨年9月から北海道事業所の増設施設が順調に操業を開始いたしました。北九州事業所と合わせまして、2カ所のプラズマ溶融処理設備で処理が進んでおります。PCB廃棄物処理の一層の処理の加速化に向けて体制が整ったと思っております。これもひとえに皆様方の御支援のたまものと厚く感謝申し上げます。
 今後も先ほどから出ております施設の健全性、処理の安全性の確保、処理の困難なものなどの処理に向けて取組を着実に進めまして、今御発言いただきました皆様からも安全ということが何回も出ており、大変、身が引き締まる思いでございますが、安全確実に事業を進めるということを改めて肝に銘じまして、できるだけ早い日本全国のPCB廃棄物の処理に向けまして、この委員会でこれまでいただいております意見も踏まえまして、新しい計画の完遂に向けて最大限JESCOとして、運転会社と一緒に努力を積み重ねてまいる所存です。
 皆様方におかれましては、ぜひPCB廃棄物の処理の完了に向けまして、引き続き変わらぬ御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。

(永田座長) それでは、検討会の皆様から御意見をいただきたいと思います。皆様には、約2年半にわたり、活発なご議論、貴重な御意見を賜りました。今後新たな計画に沿って処理の促進も見据えながら、委員の皆様から一言ずつコメントをいただければと思います。お座りの席順で伊規須先生の方からよろしいでしょうか。

(伊規須委員) こういうふうに今までのように地域割りを非常にきっちり維持して処理していくということではなくて、枠を越えて処理ができることになったことによって、私は作業者へのいろんな意味での負荷が軽くなってくるのではないかと期待しております。そういう意味でもこれが非常にいい方向に動いているというふうに私は思っております。以上です。

(織委員) 2年半の審議に加わらせていただき、今回まとまったことを本当に感無量に感じております。
 当初この審議が始まった時には、JESCOの中でオールジャパンというよりか、それぞれの事業所ごとという感覚がすごく強かったと思います。2年半を経てそれぞれの自治体の方の本当に大変な御苦労のもとで、オールジャパンでという意識が非常に出てきたのかなと思っております。これはオールジャパンで考えたときは、自治体だけではなく今回は事業所のない自治体にもやはり汗をかいていただかなくてはいけないということが、何よりもこの報告書の実施計画をやっていくための肝になってくるかと思っております。
 自分たちのところでは関係ないということではなく、掘り起こしを、汗をかいてやっていただくために、ほかの自治体に頑張って動いていただくということを、どれくらい私どもも含めて実施できるかということが、一つ大きなポイントになるのかなと思っております。
 そしてもう一つは、当初の予定よりも非常に長い期間ということになりますので、JESCOの長期保全計画、長期に向けてどうやって施設整備維持、安全維持をやっていくかという視点も、本当に今回の報告書でも重要なポイントになってくるのかと思います。ぜひその点も含め、リスクコミュニケーションも今後とも継続的に続けながらオールジャパンで頑張っていきたいと思っております。以上です。

(永田座長) どうもありがとうございました。それでは影山委員の代理の井上さん。

(代・井上委員) 今回、北九州市様、室蘭市様、JESCO立地の自治体の皆様、区域を超えて汚染機器を受け入れていただけるという御英断をしていただいたこと、御理解をいただいたこと、我々大量の保有者である産業界としましても大変感謝申し上げます。我々としましては処理期限内における完全処理に向けて安全確実な処理、これに全力を尽くしたいと思いますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
 それから微量のPCB汚染機器ですが、経産省さんからも御紹介がありました報告書の今回の計画の中でも課電洗浄等の適用のスキーム、筐体等の合理的な処理方法ということで検討を進めるということを書いていただいております。我々も事業者自らが技術については評価、認定をいただいたものもありますが、こういった使用中も含めまして、処理スキームが確立されないと処理が進まないというところがありますので、我々も具体案を出していきたいと思いますので、そのスキームの確立に向けて一緒に知恵を出していただきたいと思います。
 最後に、そういったものの処理、スキームの確立、これが見えてきましたら、またこの処理計画をさらにブラッシュアップしていくことをお願いしたいと思います。以上です。

(永田座長) どうも。鬼沢さん、どうぞ。

(鬼沢委員) 9ページ、10ページのところに「関係者とのコミュニケーション」という言葉があります。文章にすると非常に短いですし、例えば9ページにあります、「一層の信頼を得ることに努めなければならない」という、本当に文章にすると短い文章ですが、これが実は非常に大切なことだと思います。
 これまでも地域の方に理解、合意をしていただくためにいろいろ努力はされてきたと思いますが、オールジャパンでやるのであれば、処理施設がある地域だけでなくて、やはりそうじゃない地域の国民の合意も非常に大切になると思いますので、これまで以上にまたそこに追加して、新しいやり方の合意形成の仕方をいろいろ工夫していただいて、今後の処理困難物に対するリスクコミュニケーションのいい見本をつくっていただきたいと思っております。以上です。

(永田座長) ありがとうございました。酒井先生、どうぞ。

(酒井委員) きょうの御意見、要望を聞かせていただきまして、若干気にかかってきた点が1点ございます。平成37年目標ということをここでうたったこと自身は、非常に結構ですが、再延長はあり得ない、前倒し、短縮といったような要請等々を考えていきますと、この基本計画を今後どうモニタリングしていくのかという点が、本当にこれで書き込めているのかという点が少し気になってまいりました。
 そういう目で今回最初から最後まで見直してみたのですが、2ページのところで5年ごとに本計画を見直すという言葉は入っているのですが、37年ということに向けて、今後どう事業をモニタリングしていくのかという点に関しては、この基本計画外でも結構ですので、ぜひ今後検討を継続していただきたいというふうに思っております。
 それに関連するのが、先ほど経産省から御発言のありました使用中の機器の点であろうと思います。そういう中で、使用中機器に対する今の制度的担保で十分かどうかということも、ぜひ見ていっていただけたらと希望いたします。以上です。

(永田座長) どうもありがとうございました。鈴木さん、どうぞ。

(鈴木委員) 私どもは電機製造事業者であり製造事業者ですが、処理に必要な情報を今までも御提供させていただきました。引き続き、情報提供を最大限努力いたしまして、少しでも早く処理が完了するように努めたいと思っております。
 また同時に保管事業者でもありますので、このたびの皆様の御尽力によって早期に開始できるめどができましたことに御礼申し上げたいと思います。また引き続き我々も自らの立場で努力していきますの、どうぞよろしくお願いいたします。

(永田座長) はい。田中先生。

(田中委員) このままであれば平成49年までかかるというのを12年短くして平成37年、2025年です。あと11年と、いってみれば短いのですが、こういう処理基本計画ができたということは喜ばしいと思っております。
 今日聞いた地元の自治体、あるいは地元の住民、関係者は非常に大勢いらっしゃる。その人たちの理解協力は欠かせない。これからも継続して協力いただきたい、理解いただきたいと思います。
 今後の大事な点は、掘り起こしのところかなと思っております。まだまだ未届け、未登録のものがあることがわかっていますので、それを平成37年以降にぽつぽつ出てくるのではなくて、その前に全部掘り起こしてしまおうということが非常に重要だと思います。
 もう一つは使用中のものを3Rの原則である、廃棄物にさせないということで、また処理が困難にならないうちに無害化処理をして問題を早目に前倒しで解決するということが重要かと思っております。以上です。

(永田座長) ありがとうございます。田和さん。

(田和委員) まずこの検討会での議論において、産業界の意見にも耳を傾けていただいて取りまとめていただいたということに対して感謝いたします。
 それからまた、処理場をお持ちの自治体、住民の方々に大きな御負担、御協力をいただいていることとそれからやはり処理期限の延長、広域処理というこれの考えについて今御理解いただいということについても、深く感謝いたします。
 石油業界としてもこれを受けて、これまで以上に前向きにPCBの処理に向かっていく所存ですが、やはり処理場に持ち運べないような大型トランスといった課題が残っておりますので、それについてはなるべく早目、早目で対応策について具体化していっていただければと思っております。以上です。

(永田座長) どうもありがとうございました。春名さん。

(春名委員) 自治体の代表ということになっているかと思いますが、私どもにつきましては掘り起こしの方を今後国と協力しながら努めていきたいと思っております。それから、使用中のPCB機器につきましては、今後も産業保安監督部との連携でやっていくということになろうかと思います。ただ、なかなか事業者の方も、何らかの、いつまでにやらなければいけないというようなことがないと、どうしてもそこら辺が、その使用機器がいつまでも残ってしまうということが起こり得るので、今回はなかなかそこまで踏み込んでということにはならなかったことですが、また次回の見直しのときには、その辺についてきちんと何らかやはりある程度制限をかけるようなこともご検討いただければと思います。
 今回の基本計画の変更に伴いまして、事業期間を延長されるとか、また対象地域を越えて安定器等を受け入れていただくということになりまして、地元市の方々につきましては地元説明等でかなり御苦労されたということ、この場をお借りしましてお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。

(永田座長) どうも。福間さん、どうぞ。

(福間委員) まず、保管事業者の立場でありますが、我々が保有するPCBを処理できる新しい枠組みをつくっていただけたことにJESCO立地自治体、また各地域の監視委員会、環境省のご努力に本当に感謝申し上げます。
 また、微量PCBについても、安全性は担保しつつ一層の合理化を目指した技術、制度の検討をしていくことが必要だということが盛り込まれたことも踏まえまして、我々保管事業者としても知恵を出しながら、積極的な提案をしていきたいと考えております。

(永田座長) どうも。最後に森田先生。

(森田委員) 正直な感想で、ここまでとりあえずうまく立ち上がってきてそして処理が着実に進んできたということについては、本当によかったなという感じがいたします。
 何となく印象としてはほぼ半分も終わったねと。あとは帰り道半分かなという印象を受けるということもあるのですが、しかし実はそんなに単純ではないというのがあります。
 まず一つは、これは木登りの名人がおっしゃっているのですが、登るのはやさしいと。実は一番危険なのは下りるときだとおっしゃっています。安全の面を含めましていろんなものがある程度軌道に乗ってきましたが、しかし同時に気を緩めずに着実にこなしていくというのは、それなりに緊張感を持ってやらないといけない仕事だなという、そういう感想を持っています。
 それと同時にこれが最後に終わるというのはどういう状態かというと、例えばJESCOの施設が完全に廃棄されて、そこがなくなってしまう。更地に戻し得るというところまでが、実は最後の展望に入ってくるということだろうと思いますが、そこまでの道筋というのはそれほど単純でないと思いますので、引き続きいろんな先生方のご意見などを踏まえて、改善をしながら進めていただければと思います。以上です。

(永田座長) どうもありがとうございました。
 委員で本日欠席の浅野先生からもコメントをいただいているそうです。ただいまコメントの中にありまして、回答が必要な項目と合わせて、まとめて環境省の方から回答をお願いできればと思っています。どうぞ。

(中野課長補佐) まずは、浅野委員からいただいたコメントについて、御披露させていただきたいと思います。大きく5点ほどポイントをいただいています。
 一つが昭和40年代から続くこのPCB問題は我が国のみの問題にとどまらず、ストックホルム条約に基づき世界各国が取り組むべき重要な課題であり、我が国が果たす役割は大きいということ。
 2点目は我が国がこの条約に規定された期限までにPCBの処理を終了するには、この度の基本計画改定案というのは非常に重要なものであるということ。
 3点目は本案については、前回までの議論を踏まえつつ適正なものとなっていると考える。ここに掲げられた体制づくりや取組について国、地方公共団体、事業者などが一丸となってしっかり実現することを期待しているということです。
 4点目は、なお残念ながら国内のPCB廃棄物の処理期間は延長せざるを得ないが、安定器等汚染物の処分先が、北九州市と室蘭市に二局集中し、地域の多大なる痛み、負担感を伴うことになるため、これに配慮した取組を今後考えていくべきであるということ。
 最後、5点目ですが、その意味で提案される計画案は妥当なものと考えるというコメントを頂戴しております。

(塚本課長) 先生方の御発言はしっかりと受け止めさせていただきました。
 一つ御回答し得るというか、すべき点として、酒井先生からレビューについて御指摘をいただきました。私どもとしては、ぜひこの検討会に、引き続き計画の進捗状況についてのレビューをお願いしたいと考えております。具体的には、1年に1度ぐらいの頻度で進捗状況について御報告し、アドバイスをいただければというふうに考えております。以上です。

(永田座長) どうもありがとうございました。
 以上で御意見を頂戴する対応は終わりでございます。何か今までの中で再度コメントを述べたいという方がおられましたら、お手を挙げていただければマイクをお渡しますが、よろしいでしょうか。
 それでは、基本計画案につきまして修正への御意見はなかったかと思います。検討会としてこれで了承するということでよろしいでしょうか。

(うなずきあり)

(永田座長) どうもありがとうございました。それではそのように扱わせていただきます。
 次に事務局から今後の進め方について、説明してもらいます。どうぞ。

(塚本課長) ありがとうございます。本日御議論をいただきました基本計画案につきましては、今後環境省内の手続きを経まして、環境大臣が定める法定計画として決定いたします。後日告示をさせていただきたいと思います。以上でございます。

(永田座長) 先ほどお話になった継続的なレビューの中で、1年に1回ぐらいはこの委員会を開かせていただくという方向性で。

(塚本課長) どうぞよろしくお願い申し上げます。

(永田座長) 最後にお残りいただいております井上副大臣の方からコメントがあるということでございますので、よろしく。

(井上環境副大臣) 基本計画を御了承いただきまして、感謝を申し上げます。永田座長を初めとした委員の先生方には、本当に2年半にわたりまして活発に御議論をいただきました。また関係自治体を初めとした地元の皆様にも御理解、御協力を賜りまして、重ねて感謝を申し上げたいと思っております。
 この基本計画の改定につきましては、我が国のPCB処理の新たな大きな一歩となるというふうに考えております。他方、この計画をこれからきっちりと実行していくことが非常に重要だと考えております。処理の安全性の確保、あるいは期限内の確実な処理など、しっかりこれから引き続き取り組んでまいりたいと思っておりますので、どうぞ引き続きの御協力をよろしくお願い申し上げます。どうもありがとうございました。

閉会

(永田座長) どうも。
 最後に一言だけ言わせていただきますが、地元の住民の方々、自治体、監視委員会の皆様に非常に無理をお願いいたしまして御協力、御理解を賜りました。そういう意味では、非常に貴重な基本計画の案でございます。先ほどからもお話がありますように、これにのっとった形できちんと安全第一に処理事業を進めていくということ。我々も関係者としてその活動に対しては十分に協力していきたいというふうに思っております。
 これまで長い間、負の遺産の処理という形でPCBの問題を引きずってまいりました。我々も大分年をとってまいりました。我々が生きている間にぜひともこのPCBの問題は片づけて、後世代の人にそういう意味では一つの処理が終わったということでお渡ししていきたいと、そうした覚悟と責任を大いに感じているところです。実施部隊としてのJESCOには、ぜひとも頑張っていただきたいというふうに思っております。
 それでは本日の検討会につきましては、これで終了させていただきます。どうもありがとうございました。

(了)

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