環境再生・資源循環

第8回PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会議事要旨

日時

平成24年6月28日(木) 17:30~18:45

場所

砂防会館別館 淀・信濃

出席委員

(委員)(五十音順)
浅野委員、飯干委員、伊規須委員、織委員、影山委員、川本委員、鬼沢委員、酒井委員、田中委員、田辺委員、築谷委員、永田委員、本多委員、森田委員、田和委員
(各事業所の安全監視委員会等の委員長等)
眞柄北海道PCB廃棄物処理事業監視円卓会議(以下「北海道監視円卓会議」)委員長、中杉東京ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理事業環境安全委員会(以下「東京環境安全委員会」)委員長、上野大阪市PCB廃棄物処理事業監視会議(以下「大阪監視会議」)座長、浅岡北九州市PCB処理監視会議 (以下「北九州監視会議」)座長
(日本環境安全事業株式会社(JESCO))
(オブザーバー)
日本環境安全事業株式会社の事業所が立地する自治体(北海道、室蘭市、東京都、江東区、豊田市、愛知県、大阪市、大阪府、北九州市、福岡県)
経済産業省
産業廃棄物処理事業振興財団

議事

  1. (1) 今後のPCB廃棄物の適正処理推進について(案)
  2. (2) その他

議事概要等

  • 会議は公開で行われた。
  • 事務局(環境省産業廃棄物課)より、とりまとめ案について説明し、委員から意見があった。

主な意見

  • (浅野委員)大体このようなものかなというまとめ方になっていると思う。
    36ページの「また、このとりまとめにおいては」というところが、日本語として少し変だと思う。このとりまとめをする過程でいろいろなことがわかってきて、微量の汚染物の取扱い等まだ今後引き続き検討しなければいけない課題があるということを言おうとしているのだろうと思う。少し検討する必要があるのではないか。
    31ページ[4]は、果たして「指導・助言を行うことが重要である」といってそれで終わりということが気になる。もう少し制度的にやらなければいけないのではないかということを、申し上げたつもり。仮にその指導・助言で済むというのであれば、どういうことが問題かをもっときちんと精査して、詰めてほしい。この報告だけを見たら、都道府県は何をやっていいのかわからない。
    やはり事業開始当初に想定していたよりは大変だったということが、かなり表現ができるようになったと思う。全くわけのわからないことをやったわけでなくて、わけがわかると思ってやったのだが、実際にプラント化してみたら、やはり問題があり、思うように行かなかった面もあったということだと思う。
  • (織委員)このとりまとめ書の位置づけというのがどうも明確でないような気がする。これは、結局全体の方針を提言しているのか。課題を整理した報告なのか、とりまとめなのかというところを明確にしていただきたい。結局このとりまとめを全部見ていくと、全体の方向性というのをここで決めて、ここから具体的な話については、この報告書のとりまとめの考えに基づいて、具体的に決めていきますという、そういった別添の位置づけというものを明確にしていただきたい。
    8ページ上の(PCB廃棄物処理施設の有効活用)という見出しについて、PCB廃棄物処理施設相互の有効活用ですとか、PCB廃棄物処理施設事業者間の連携といった表現でないと、廃棄物処理施設が終わった後に、それを有効活用する話だというふうに思ってしまう。
    9ページ目「各主体の責務・役割」の国のところについて、国がこの問題について今までよりもさらにリーダーシップをとっていって、事業者間の連携に向けての関係者間の調整機能というものをもっとやるということがもう少し強く出るといい。
  • (影山委員)26ページの課電自然循環洗浄法については、微量の中で使用中の機器が非常に多いということがあるので、その微量機器の洗浄方法という、あるいは安全な無害化方法ということについては、中小の事業者も含めて非常に多くのユーザーにかかわる。技術的な検討をするその後に、実施する際のスキームといったものを関係省庁と連携して速やかに実用化されるよう努力をお願いしたい。
    一番最後のところの微量については、今後また見つかるもの、さらに処理すべき台数がふえてくる、といった可能性がある。処理期限までの処理完了については、筺体処理など今後こなしていかなければいけない課題について、関係者が連携して、国にリーダーシップをとっていただいて、処理を推進していただきたい。
  • (川本委員)4ページ目の「PCBの早期処理の重要性」の一番最初の行について、「排出されると、分解されず」とあるが「分解が困難であり」といった表現がよい。
    5ページ目の「PCB廃棄物処理の困難性」の2項目目で、「JESCOの処理施設は」ということの記述が簡潔過ぎる。「機器からPCBを分離する前処理」といったところは、例えば機器を解体し、PCBの分解等を行う前処理の工程という、分離だけでなく、解体というキーワードを入れたほうがよい。
    その後「PCBを化学処理する」と単純に書いているが、これも脱塩素とか水熱酸化、プラズマ溶融というのが技術の核だと思うので、化学的または熱化学的に脱塩素処理するといった言葉を加えたほうがよい。
  • (田辺委員)4ページの「PCBの早期処理の重要性」のところで、人や生態系に及ぼすリスクを減らすということについて、あまり書かれていない。人や生態系へのリスクが懸念されるから、環境汚染を減らさなければならないので、生態リスクを低減するということを書き込んでいただきたい。
    報告書のタイトルについて、「適正処理」という言葉が、この報告書の趣旨あるいはタイトルを十分表現できているのかというのが少し気になる。適正という言葉もいいが、これに加えて速やかに処理をするとか円滑に進める、あるいは安全に進めるというワードを入れたらどうか。
  • (田和委員)「おわりに」のところで、今後継続的に取り扱う課題があるということになっているので、検討会で出されている課題や論点を交えて、速やかに検討の場を立ち上げていただきたい。
  • (築谷委員)「8-1 高圧トランス・コンデンサ等」(1)のアでいきなり特措法の届出の数字が出てくる。本来、期限については、表1とか表2に基づく数字で議論されていると思うので、アに書かれている分は、むしろ参考資料でここの項の最後に持ってくるべき。ここに書かれている数字は、届出の数字で微量も含んでいて、また処理済みの分は除いているという説明を入れていただいた上で、今の届出様式の中で、微量との区別が不十分な課題もあるというところも触れていただいたほうがいい。
  • (上野大阪監視会議座長)「PCBの早期処理の重要性」のところで、今書いてあるのはPCB廃棄物の処理は、もちろん環境保全という観点から非常に重要だが、例えばPCBの不法投棄等による国民の血中PCB汚染といったことを踏まえて、特にPCB廃棄物処理による国民の健康保持増進に資するという文言をぜひ加えていただきたい。
    34ページ、PCB廃棄物の早期処理のことですが、保管者がもし期限内に処理できなかった場合、どういうことをする必要があるのか。その辺も含めて入れていただけるとよい。
  • (中杉東京環境安全委員会委員長)22ページの「安定器等・汚染物」で、汚染物について御紹介いただいているが、ここには、特措法の処理対象物の例として挙げていると理解する。顔料中のPCBのようなものは、特措法の期限が切れてもずっと続く話。ここにこれを入れてしまうと、その辺りが非常にあいまいになってしまうのではないか。これはいわゆる廃掃法の中でいうPCB汚染物という扱いで処理をするものになるのではないだろうか。
    31ページのところで、閉鎖された工場跡地等でPCB廃棄物が放置されているといった事例のようなことについては、周辺の環境汚染というのが当然懸念される。やはりこういう場合には都道府県市などの管轄しているところは、周辺の環境の状況を把握する、適切な処置を行うということが必要になってくるのではないか。そこはこの報告書の中で書き込むかどうかは議論があるかと思うが、その点が気になった。
  • (環境省)基本的に今回いただいた御意見は、踏まえていきたい。ただ、提言書自体の全体の方向、意義づけについては、この報告書の内容をこれからどう具体化していくかのほうがむしろ重要だと考えている。
  • (永田座長)報告書の表題については、副題等も考えてもいい。検討させていただく。
  • (浅岡北九州監視会議座長)この報告書がだれを相手に出す書類かという話。恐らくそれぞれの広域処理の地元におろす話になってくるのではないか。これで本当に地元が納得するのかどうかということを考慮して、体裁を整えるべきではないか。
    そこで広域処理の基本的な考え方というのは、それぞれの広域処理の地域で自己完結的に処理するというのが、最初のPCB処理のシナリオだったはず。これは、それを踏み越えた形の提言になっていると思う。その点に関して、ある程度の補足説明が必要なのではないか。
    具体策に対して別添資料という形で収められているということで、本来は具体的な提言になっていないのではないかと。この報告書自身が、そういう点が非常に危惧される。
  • (環境省)この委員会の場で、委員会で基本的な方向性を御提言いただいた。もともとスタートは拠点的広域処理施設というのを整備する。それを前提にエリアを決めて処理していきましょうということでやっていった。それはあまりエリアということを厳格にし過ぎると、早期処理という観点からは必ずしもうまくいかない点もあるということも含めて、御提言をいただいたというふうに思っている。
    そういうふうな方向性をこの検討委員会で出していただいたという前提のもとに、それをどう具体化していくかは、まさに我々の役割なのだろうと考えている。
    別添資料の位置づけということについては、これは検討委員会で議論をしていただいたものが載っている。それを具体化するのはひとえに我々がこれから取り組んでいくべき話だというふうな認識でいる。我々が責任を持ってやるべき話だということで、検討委員会の御提言をいただいたものと認識しているところ。
  • (永田座長)いただいた御意見をできるだけ考慮しながら、まとめていく。報告書案がまとまったら、パブリックコメントにかけるという手続きを行いたい。そのための改良版については、座長一任で事務局と相談しながら御意見を反映させていきたい。
    「異議なし」
  • (環境省)この後、本日皆様からいただいた御意見を踏まえまして、座長の御指示を受けて事務局として一部修正した上でパブリックコメントの手続きに入りたい。