環境再生・資源循環

家電リサイクル法Q&A(4)

<<目次へ

Q18 家電製品(特定家庭用機器)のリサイクルに要する費用は誰がどのように負担するのですか。

  この法律では、特定家庭用機器廃棄物の引取り・リサイクルに関し、小売業者、製造業者等がそれぞれあらかじめ料金を設定し、公表することとなっています。特定家庭用機器廃棄物を排出する家庭や事業者は、これを排出する際に、これらの料金を支払うこととしています。

  また、この法律での義務を履行するために必要となる回収体制の整備やリサイクルを行う施設の建設などは、小売業者、製造業者等が行うこととなります。

<<目次へ

Q19 排出者(消費者及び事業者)が料金をなぜ支払わなければならないのですか。

  この法律は、排出時に料金を支払うことを基本としていますが、法制定時にも引取り・リサイクルに係る費用を製品購入時の価格に上乗せする方法が適当ではないかという意見がありました。しかしながら、特定家庭用機器は耐久消費財の性格を有し、製品の購入から廃棄まで長期間に及ぶものであり、製品購入時の価格に上乗せする方法を採った場合、以下のような問題があります。

  1. [1] 製品購入時には廃棄時点での実際にかかる費用を予測することは困難であり、廃棄時点において引取り・リサイクルに係る費用が、上乗せされた額より高い(又は低い)ことがあること。
  2. [2] 製品購入から廃棄までの間に製造業者等が倒産した場合、排出者は製品購入時に引取り・リサイクルに係る費用を支払っているにもかかわらず、再度支払わなければならなくなること。
  3. [3] この法律では法の制定時より前に製造・販売され、既に家庭等で使用されている機械器具も対象としますが、このような機械器具には引取り・リサイクルに係る費用が上乗せされていないこと。

  このため、この法律では、特定家庭用機器廃棄物を排出しようとする者が排出する時点で必要となる料金を支払うこととしたものです。

<<目次へ

Q20 この法律での料金とは何ですか。

  この法律での料金は、小売業者が特定家庭用機器廃棄物を引き取る際に請求する特定家庭用機器廃棄物の収集及び運搬に関する料金(収集運搬料金)、製造業者等が引き取り及び再商品化等に必要な行為の実施に関し請求する特定家庭用機器廃棄物の再商品化等に必要な行為に関する料金(再商品化等料金)があります。

  料金の請求方法は、[1]小売業者が排出者から引き取る際に、収集運搬料金と再商品化等料金をあわせて請求する場合、[2]再商品化等料金はあらかじめ排出者が製造業者等に支払、小売業者は排出者から引き取る際に収集運搬料金のみを請求する場合があります。

→関係条文:法第11条、第12条、第19条(料金の請求)

<<目次へ

Q21 消費者は料金をあらかじめ知ることができるのですか。

  この法律では、料金を請求する小売業者、製造業者等は、あらかじめ料金を公表しなければならないこととなっています。
  小売業者は、収集運搬料金を店頭掲示などにより公表しなければならないとともに、特定家庭用機器を使用している者や特定家庭用機器を廃棄しようとしている者から料金に関する照会を受けた場合は、収集運搬料金と製造業者等が設定する再商品化等料金を回答しなければなりません。

  製造業者等は、再商品化等料金を日刊新聞紙に掲載する方法により公表しなければなりません。また、小売業者に再商品化等料金の回答義務を課せられていることから、小売業者に周知徹底する必要があります。

  したがって、消費者は、自分が使用している特定家庭用機器の収集運搬料金、再商品化等料金を知りたいときには、小売業者に電話等で照会をすれば知ることができます。

→関係条文:法第13条、第20条(料金の公表等)

<<目次へ

Q22 料金が払えない場合はどうなるのですか。

  この法律では、排出者が特定家庭用機器廃棄物を排出するときに料金を支払うことを基本としており、あらかじめ公表されている料金について、小売業者又は製造業者等の料金請求に応じていただくことになります。

  料金が支払われない場合、特定家庭用機器廃棄物が引き取られないことがあります。

<<目次へ

Q23 不当に高い料金を請求されることにはならないのですか。

  小売業者の収集運搬料金、製造業者等の再商品化等料金については、あらかじめ公表しなければならないとともに、料金の設定に当たってこの法律では、

  1. [1] 特定家庭用機器廃棄物の収集及び運搬を能率的に行った場合における適正な原価を勘案して定められなければならない。(収集運搬料金)
  2. [2] 特定家庭用機器廃棄物の再商品化等に必要な行為を能率的に実施した場合における適正な原価を上回るものであってはならない。(再商品化等料金)

 と定められているとともに、

 ○ 排出者の特定家庭用機器廃棄物の適正な排出を妨げることのないよう配慮しなければならない。
 となっています。

  これは、家電リサイクル法においては、義務が課せられる小売業者、製造業者等は、料金の設定に当たっては、排出者の理解を得られる妥当な額を設定するよう要請されていることを意味します。ここでいう「能率的に行った場合における適正な原価」とは、実際に個々の小売業者、製造業者等が義務履行に要した費用を指すのではなく、いわば理想的な形で義務履行した場合のかかり得る費用を指すものです。

  この「適正な原価」を著しく超えた高い料金を請求している小売業者、製造業者等については、主務大臣による料金の変更勧告や措置命令の対象となります。また、小売業者、製造業者等が措置命令に違反した場合、50万円以下の罰金に処せられます。

→関係条文:法第13条、第14条、第20条、第21条、第58条

<<目次へ

Q24 料金を支払うこととなると不法投棄が増えることにならないですか。

  この法律による家電リサイクルは関係者の積極的な理解と協力により成り立つ仕組みです。特定家庭用機器廃棄物を排出する消費者及び事業者は、この法律の仕組みが円滑に機能することにより、従来の廃棄物処理とは異なる高度のリサイクルが実施されることとなること、そのための費用が必要となることを十分理解することが必要であり、料金を支払うことを忌避し不法投棄を行うことは許されないものです。

  また、小売業者、製造業者等が設定する料金が、排出者の特定家庭用機器廃棄物の適正な排出を妨げない妥当なものであれば、必ずしも不法投棄が増えることにならないと考えます。

  なお、小売業者の引取り・引渡しについては、この法律の特定家庭用機器廃棄物管理票(マニフェスト)制度の適用となり、収集運搬段階での不法投棄は減るものと考えます。

  この法律の施行に責任のある国としては、関係者の協力を得つつ、不法投棄の防止に全力で取り組みたいと考えています。