中央環境審議会循環型社会部会(第57回)議事録
開催日時
令和6年9月19日(木) 13:00~15:00
開催場所
環境省第2・3会議室及びWEB会議システム
議事次第
(1) 「廃棄物の減量その他その適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針」の変更について
(2) その他(報告事項)
(2) その他(報告事項)
議事録
午後1時00分 開会
○資源循環局総務課長 定刻になりましたので、ただいまから第57回中央環境審議会循環型社会部会を開催いたします。
進行を務めさせていただきます、環境省環境再生・資源循環局総務課長の波戸本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
委員の皆様におかれましては、ご多忙の中、ご出席いただきまして誠にありがとうございます。
本日は委員総数28名のところ、併せて22名の委員にご出席いただきまして、部会として成立しておりますことをご報告いたします。
本日は、環境省第2、第3会議室とウェブ会議システムのハイブリッド方式により開催させていただいております。オンラインでご参加の皆様におかれましては、マイクとビデオは発言いただく際のみオンとし、それ以外はマイクはミュート、ビデオはオフにしていただきますようお願いいたします。発言される際は、挙手ボタンでお知らせいただき、部会長からの指名を受けてからご発言をお願いいたします。また、会場の声が聞こえにくいなど、何かございましたらチャット機能等でお知らせください。
なお、会議の模様につきましては、環境省YouTubeでの同時配信により公開しております。
それでは、議事に先立ちまして、角倉環境再生・資源循環局次長よりご挨拶させていただきます。角倉次長、お願いいたします。
○環境再生・資源循環局次長 環境省環境再生・資源循環局の次長を務めます角倉でございます。
本日、ご出席の皆様方におかれましては、ご多忙の中、お集まりいただきありがとうございます。また、日頃より資源循環行政の推進に多大なるご尽力、お力添えをいただいておりますことを改めて御礼申し上げます。ありがとうございます。
本日は「廃棄物の減量その他その適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針」の変更についてご議論いただければと考えております。
また、併せて最近の動きについてもご報告させていただければと考えておりまして、一つは、先日、閣議決定いたしました「第五次循環型社会形成推進基本計画」について、さらには第10回廃棄物処理基準等専門委員会の開催、さらにはバーゼル条約におけるe-wasteに係る附属書改正とそれに伴う対応、さらにはPCB処理基本計画の変更、さらにプラスチック資源循環の促進に関する最近の取組状況について、事務局から報告させていただければと考えております。
委員の皆様には忌憚のないご意見をいただければと考えております。本日いただいたご意見を踏まえて、さらに私どもとして取組をしっかり進めてまいりたいと考えておりますので、本日はどうかよろしくお願いいたします。
○資源循環局総務課長 冒頭、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。
次に、お手元の資料を確認させていただきます。
本日は資料1と参考資料1から5まででございます。資料は事務局にて画面に投影いたしますが、必要に応じてあらかじめお送りしたファイルをご覧ください。
それでは、以降の進行は酒井部会長にお願いしたいと思います。部会長、よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 波戸本課長、どうも承りました。
今日の議題は、先ほど角倉次長からご説明がありましたとおり、廃掃法の基本方針の変更についてと、その他の報告事項ということでございます。
それでは、早速、一つ目の議事に入りたいと思いますので、まず資料1の説明を事務局からよろしくお願いいたします。
○資源循環局総務課政策企画官 それでは、議題1につきまして、資料1-1を基にご説明させていただきます。
今ご紹介いただきました件、一般廃棄物、産業廃棄物の適正な処理に関して定める廃棄物処理法の基本方針の件になってございます。この基本方針を改定するという話になりますけれども、昨年、令和5年に、中身につきましては、循環部会の皆様にご議論、ご意見いただきまして、見直しをさせていただいたところです。その際には、2050年カーボンニュートラルに向けた脱炭素化の推進等、廃棄物処理を取り巻く情勢が変化していることを踏まえまして、基本方針の内容のアップデートさせていただきました。
その際の主な内容といたしましては、2ページ目、2ポツの四つの矢羽根にありますように、全体的な方針といたしまして、廃棄物分野における脱炭素化の推進、循環経済への移行に向けた取組の推進を進めていくといったことの重要性を示しますとともに、一般廃棄物に関しまして、廃棄物処理施設整備の広域化・集約化といった観点を盛り込むなど、また産業廃棄物についてデジタル技術の活用等による動静脈連携といったことについて盛り込ませていただいたところになります。
このように内容につきましては、その際にアップデートしておりましたが、基本方針の中で目標値、廃棄物の減量化の目標量等を定めておりますが、こちらにつきましては、当時議論が始まっておりました第五次循環型社会形成推進基本計画の議論を踏まえて改定するということで、その際は改定がなされていなかったところです。今般令和6年8月に第五次の循環計画が閣議決定されましたので、その内容を踏まえまして、今回廃掃法の基本方針の目標値を改定させていただきたいというのが趣旨となってございます。
中身につきまして3ページ、4ページを基にご説明させていただきます。
基本方針の中で指標、目標値につきましては、現行は3ページ、4ページにございます①から⑭といったように定めております。一般廃棄物、産業廃棄物に分けまして、それぞれ排出量、出口側の循環利用率、最終処分量、最終処分量の残余年数といった主立った項目を指標として設定し、それぞれ目標年度に対する目標値を設定しているというものになってございます。基本的にこれを踏襲させていただきたいと考えておりますが、今般、第五次循環基本計画の中では計画効果を分かりやすく把握できる指標数に絞って整理するという観点から、一般廃棄物、産業廃棄物を分けずに出口側の循環利用率、最終処分量を指標として設定させていただくところになってございます。
循環計画はこのように少しまとめた指標を採用しておりますが、廃掃法の基本方針におきましては、詳細に把握する観点から現行の一般廃棄物、産業廃棄物を分けたままの指標とさせていただくことを考えてございます。
一方、第五次循環計画の議論の中で新たに追加された指標のうち、3ページの④にあります、「一人一日当たりのごみ焼却量」という指標がございますが、こちらにつきましては、廃棄物の排出抑制も重要ではありますが、その後の再生利用や処理過程の努力といったものを見ていくことも重要だと考えておりますので、廃掃法の基本方針においても、こちらを新しく指標として追加させていただきたいというふうに考えてございます。
また、それぞれの目標値につきましては、第五次循環基本計画の目標値と同様に現状の数字を基に、その上で排出抑制、再生利用、処理対策等の計画や基本方針に盛り込まれている取組を行った場合、どのように推移するのかという対策シナリオを設定しまして、その中にGDPや人口変化など社会情勢のトレンドを考慮、推計した値を設定したいと考えてございます。
例えば、①一般廃棄物の排出量を例に取りますと、現行は足元の最新の数字、令和4年度の4,000万トンになりますが、今申し上げたような対策シナリオを基にした推計値によりますと、令和12年度には3,700トンまで削減ができる見通しとなっております。その推計値を基に基本方針の書き方といたしましては、足元の数字に対してどのように増減する、目標値として設定するのかという書きぶりになりますので、令和4年度比約9%削減を令和12年度の目標とするといったような書き方をさせていただきたいというふうに考えてございます。
基本的にそれぞれの指標、目標値につきましては、同じような考え方で推計させていただいておりまして、参考資料といたしまして、7ページにこれまでの実績と現行の目標値及び変更後の目標値といったものについてグラフ資料としてご用意させていただいております。
基本的にこれまでの取組及び減少のトレンドを維持して、基本的には令和12年度の目標を目指して、今の減少のトレンドを維持していくという目標値になっているというふうに考えてございます。
資料の4ページに戻っていただきまして、一般廃棄物、産業廃棄物に関する指標については、今ご説明したような考え方で指標の設定、目標の設定をしたいと考えておりますが、現行の基本方針の中で⑫から⑭といたしまして、食品リサイクルですとか小型家電リサイクルに関する個別のリサイクル法に基づく取組に関する指標も設定させていただいていたところです。こちらにつきましては、目標値に向かいまして相当程度進捗があり、おおむね達成できていると。全てが100%達成できるわけではない指標もありますけれども、相当程度進捗しているということもございますし、個別のリサイクル法に基づきまして基本方針が設けられ、また検討体制が構築され、また予算事業につきましては行政事業レビュー等で各種リサイクルに対する取組の評価など改善が行われているところでありますので、廃掃法の基本方針におきましては、そのような個別のリサイクル法の取組も含め、全体の取組として一般廃棄物、産業廃棄物に関する排出量、最終処分量といった動向がどのようになっているのか、その成果を諮るというところに絞らせていただけないかと考えておりまして、今般の改定におきましては、⑫から⑭の指標につきまして、削除させていただいてはどうかというふうに考えているところになります。
指標、目標値の内容につきましての説明は以上となりまして、最後に簡単に今後のスケジュールについて、5ページを基にご説明させていただければと思います。
本日、ご説明申し上げました基本方針の変更の骨子案につきまして、皆様からご意見いただきまして、その意見を踏まえ修正したものを基に、今後パブリックコメントをかけさせていただくとともに、関係機関、都道府県への事前の協議をさせていただきたいと考えてございます。そのパブリックコメントや関係機関等との事前協議を踏まえた最終版につきましては、年内12月に次回の部会を開催させていただきまして、そこで最終案をお諮りさせていただきたいと考えております。その変更案についてご了承いただければ、年明け以降、法律に基づく公文の正式な協議を経まして、官報入稿等の手続を経て、来年、令和7年2月に公布、施行といった手順で進めていきたいというふうに考えてございます。
議題1につきましての説明は以上になります。よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。資料1-1の案件を説明いただきました。資料1-2も用意いただきましたが、これは法の中での新旧の対照表ということで見ておけばいいと、そういうことですね。
○資源循環局総務課政策企画官 資料1-2は、今説明申し上げた内容を基本方針に反映すると、こういうような形になるということで、内容としては、資料1-1と全く一緒のものになります。
○酒井部会長 それでは、ただいまのご説明にご質問、あるいはご意見がございましたらお願いしたいと思います。それぞれ発言の意思表示を、オンラインの方は挙手ボタンでお願いいたします。
それでは、こちらの対面でご出席の委員のほうからご指名してまいりたいと思います。崎田委員からでよろしいでしょうか。
では、崎田委員、お願いいたします。
○崎田委員 ありがとうございます。
将来の目標値に関して、コロナでいろいろと一般廃棄物の中の家庭系、事業系も大きな増減があって、非常にこの数字を出すのは大変な作業だったのではないかというふうに思います。
それで、最初に一つ質問させていただきたいのは、目標値を出すときに2020年からの4年間ぐらいの増減をどういうふうに対応したかというのを、まず伺っておきたいというふうに思います。
最終的には、今日本は2050年カーボンニュートラルに向けて歩んでいる中で、循環の分野も大変重要なわけですので、できる限りごみ減量とか、そういうところを進めていかないといけないというふうに思っていますので、そういうコロナの状況などをきちんと考え、あるいはその部分は数字の上で検討せずに、その前の辺りからの流れでの数値を生かしているとか、その辺の状況を一つご説明いただければありがたいというふうに思います。
それらを伺ってからのほうがいいかもしれないのですが、私は、例えば②番目の一人一日当たりの家庭系ごみ排出量というのを数字だけ見れば、きちんとご検討いただいているのですが、後ろの7ページのこれまでの指標をグラフで見ていただくと、これまでの目標値よりもかなり高い数字にして、ごみ減量が難しいだろうという配慮をしていただいているのですが、そういう配慮をしていただいたほうがいいのか、もう少し厳しい数字を出していただいたほうが社会のごみ減量意欲は続くのではないかという思いがありまして、質問しております。よろしくお願いいたします。
最後に意見として、もう一点、最後に⑫から⑭について、ほかのリサイクル法などで対応しているということで、今回削除してはというご提案に関しては賛成したいと思います。
それぞれ大変重要なのですけれども、食品ロス、家庭系の家電とか小型家電、それぞれに進んできておりますので、そちらのほうでしっかりと把握していただくということでよろしいのではないかと私も思います。こういうこと外すときに、これまでしっかりと進んできていて、そういうところが定着してきているので、その分野の指標としてきちんと考えてもらうとか、何かしっかり取組が続いているということを評価するようなコメントがあったほうがいいのではないかなという感じもいたしますので、それが今後公表されるときなどにご検討いただければいいかなというふうに思います。よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 ありがとうございました。
それでは、オンラインのほうから高野委員、大迫委員、山口委員の順でご発言していただきたいと思います、
高野委員、お願いいたします。
○高野委員 高野でございます。
まず今日のご説明、第五次循環型社会形成基本計画に盛り込まれた目標値と整合を取る方向性には異論はなく賛成です。その上で、産業廃棄物に関する目標についてコメントと質問をさせていただきます。
ご説明いただいたスライド3には、⑥産業廃棄物排出量、⑧産業廃棄物の最終処分量の目標値が記載されていますが、とりわけ最終処分量の目標値には少し違和感がございます。
経団連では、循環型社会形成自主行動計画に基づき、産業廃棄物最終処分量を削減しております。最新の調査によりますと、2022年度における最終処分量は2000年度実績比78.1%の削減を達成しておりますが、2018年度以降の産業廃棄物最終処分量の実績は、ほぼ横ばいで推移しています。実態としては、産業廃棄物の再資源化率が既に100%に近い水準まで達した業種が出ていることや、そもそも再資源化が難しい廃棄物もあるという認識です。また、再資源化によるエネルギー消費量の増大など、他の要素への配慮も必要であると考えます。
こうした状況にあって、近年、経団連の自主行動計画における産業廃棄物最終処分量の削減余地は、限界に近づいていると言わざるを得ないと思います。もちろん産業廃棄物の中には、経団連の行動計画ではカバーしていない分野、例えば上下水道や農業分野のものもございますので、経団連の立場のみから目標値で評価しかねる部分があることは承知しています。
こうした状況で環境省にご質問したいのは、この目標の出どころを第五次循環計画における目標値の算出過程で設定した値と記されておりますけれども、どのような考え方や前提で設定されているのかについて教えていただきたいと思います。
例えば先般、中環審・産構審合同で太陽光パネルの廃棄・リサイクルの問題に関する検討が開始され、その中で太陽光パネルの推定排出量は2030年半ばから増加して、最大50万t/年程度に達する見通しが示されております。太陽光パネルをはじめとする新たな産業廃棄物の増加要因についても、この目標値の算定に勘案されているのかについてもお伺いしたいと思います。
以上でございます。
○酒井部会長 高野委員、ありがとうございます。
続いて、大迫委員、どうぞ。
○大迫委員 ありがとうございます。
私のほうからは、コメントになりますけども、基本的には今回の指標とその目標値の設定に関して異論はございません。その上で、今後この目標値に関して、特に一般廃棄物の指標に関しては、各自治体が一般廃棄物処理基本計画の中でまた参考にして、目標を設定されていくというところもございますので、この数値の意味合い、どのような取組をしたら、こういう数値目標が達成し得るのかというような部分に関しては、国としてもきちっとリーダーシップを発揮して、具体的な取組に関してガイドしていただくと。例えば、ごみ処理の基本計画策定指針もそろそろ改定の時期になっているかと思いますが、そういった中でも、あるいは一般廃棄物の処理システム指針とか、そういった中でも検討を深めていただきながら、自治体のほうに情報発信していただきたいというのが趣旨でございます。
特に一般廃棄物の出口の循環利用率、リサイクル率、そちらに関しては、資料の中で後のほうで出てきたトレンドを見てみましても、なかなか野心的なといいますか、かなりチャレンジングな数値目標になっております。今現在で、20%程度を26%まで上昇させるということについて、一つは4月にこの部会の会合で出てきたような国際比較をされていた興味深いデータがあったと思うのですけども、つまり日本は民間回収を自治体があまり捕捉していないので、それを入れると欧州並みになりますよというような趣旨のデータでしたが、自治体によっても民間が関与しているリサイクルに関しての部分を結構捕捉しているところ、あるいは全く捕捉していないところ、あるいは一部捕捉しているというふうに結構違いがあって、そういったものがリサイクル率にも影響しているところもありますし、そういった部分で、その辺りの数値の意味合いをどう自治体で個々に事情を酌みながら考えていただくかというようなところもガイドしていただく必要があるかなと思います。
それから、やはりこの数字を上げていくためには、例えば生ごみの厨芥類のリサイクルをどうしていくのかというところが多分大きな課題ですし、プラリサイクルをさらに推進していくということ。それから、紙ごみの雑紙についても、まだまだ検討の余地があるというところで、その辺りへの施策を具体的にどのように自治体に対して方向性を示していくのかというところは、我々も含めて今後課題かなと思っておりますので、その点、コメントとさせていただきました。
以上でございます。
○酒井部会長 大迫委員、どうもありがとうございました。
それでは、続いて山口委員、そしてその後、木村委員としたいと思います。
山口委員、どうぞ。
○山口委員 栃木県庁の山口でございます。ご説明、ありがとうございました。
今回、廃掃法の基本方針の数値目標につきまして、排出量や出口側の循環利用率など、一般廃棄物と産業廃棄物に分けていただきましたので、今後、各都道府県の廃棄物処理計画の見直しに当たっての参考とさせていただきたいと思います。
2点、ご質問させていただきます。
1点目ですが、資料の3ページ、指標の③と⑦の出口側循環利用率の数値についてですが、様々な理由があって現行の基本方針より目標値が低くなっているものと思いますが、第五次基本計画ですと、2030年度の目標値が約44%となっております。これが基本方針になりますと、同じ目標年次で一般廃棄物が約26%、産業廃棄物が約37%となっておりますが、この目標値の設定理由を教えていただきたいと思います。同じ名前の指標ということでしたら、できるだけ整合性を取っていただきたいというふうに思います。
それから2点目ですが、資料4ページの⑪産業廃棄物の最終処分場の残余年数についてでございますが、目標値が令和12年度に17年分を維持というふうになっております。この17年分についてですが、最終処分場には遮断型、管理型、安定型がございますけれども、3種類それぞれに17年分を維持するということを目標としているのか、平均して17年分なのか、それともほかに考え方が何かあるのか、どのように考えればよろしいか、教えていただきたいと思います。
私からは以上です。どうぞよろしくお願いいたします。
○酒井部会長 山口委員、ありがとうございます。
それでは、続いて木村委員、お願いいたします。
○木村委員 自治労の木村でございます。ご説明ありがとうございました。
1点だけ。スライドの3にございます目標値の中の、今回追加されました④一人一日当たりごみ焼却量、約580gというこの数値ですけども、今後パブリックコメントもやられるということで、今お聞きしたのですけども、この数値については今回追加されたということで、誰に対してお示ししたものなのでしょうか。
といいますのも、ごみを減らしていくという目的で目標数値を示すということは、当然異論はございませんけども、この数値目標が、例えば国民個人向けということであるのであれば、なかなか個人レベルで、例えば水分を含んだ生ごみと紙ごみでは、同じ580gであっても、見た目といいますか体積は全然違うと思いますし、自分自身が出しているごみの量や燃やされている量を個人が把握するのは、なかなか容易ではないというふうに思います。循環型社会の形成を目指していくためにも、国民一人一人の主体な取組が必要であって、そのためには、こうした数値目標を掲げるとともに、一人一人の行動変容や、何をすれば減らせるのかが分かるようになるための理解の周知活動であったり、個人が出すごみが燃やされている量が自分のこととして分かるような啓発活動も、併せて実施されるようにお願いしたいというふうに思います。
1点だけ質問させていただきました。よろしくお願いします。
○酒井部会長 ありがとうございます。
また続いて、手が挙がりましたのでご指名いたします。
髙橋委員、どうぞ。
○髙橋委員 ありがとうございます。髙橋です。
大変丁寧なご説明いただきまして、ありがとうございます。
幾つか質問というかコメントをさせていただきたいと思います。
まず②番目ですけれども、一人一日当たりの家庭ごみの排出量のところなのですが、440gから今回478gということで、先ほど崎田委員がおっしゃったように、コロナとか、そういったいろんなことがあったかなというふうに思うのですけれども、数値が増えているということで、算出の基準というか、そういうことについては丁寧にご説明いただきましたので、理解はいたしますけれども、ちょっと後ろ向きなイメージを与えてしまうのではないかということが心配されております。いろいろなデータからフォアキャスティングで数値を出すということも理解はできるのですが、バックキャスティングで目指すべき姿から出していくということも考えていいのではないかなというふうに考えております。
とりわけ、先ほども生ごみの話が出ましたけれども、循環型社会、あるいはこれからさら焼却ごみも広域化していくとか、輸送等々を考えても、生ごみを減らすということで大幅な減量ということも望めるでしょうし、技術的にもコンポストだけではなくてバイオマスがどんどん進んできておりますので、こういった分別を進めるというのは合理的でもあるかと思いますので、そういったことも含めて考えていくということが重要ではないかと思いました。今回入れるかどうかは別として、長期的に検討していくべき課題だというふうに思いましたので、申し上げたいと思います。
次に、③一般廃棄物の出口側循環利用率にも同じことが言えまして、家庭ごみの中で大体3割4割ぐらいを占める生ごみが半分でも取り出せると、随分変わりますので、そういったことも考えていいのかなというふうに思いました。
⑦番、私はあまり産業廃棄物については詳しくないのですが、こちらの印象としてなのですけれども、資源循環利用率、これも1%下がっているということで、ここもどうしてなのかなということが気になりましたということと、あとこういった下がった場合には、少しなぜそうなっているのかというようなことについて、例えば脚注補足を入れるとか、そういったことがあってもよろしいのかなというふうに思いました。
あと、その次のページのところでございます。⑫、⑬、⑭の個別リサイクル法について、そちらで明記するので削除するということについては、私も異論はございません。ただ、こちらも見え方として、そこだけぱっと見てしまうと、削除してしまって後ろ向きになってしまっているというイメージがないように、何かここも別の計画の中で方針を立てて数値があるんだよというようなこととかを示していく必要があるのではないかと思いました。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
それでは、資料1への質問、ご意見は以上かと思います。
一旦、事務局のほうにマイクをお渡ししたいと思います。
○循環型社会推進室長 循環型社会推進室の近藤でございます。いろいろとご意見、ご質問いただきまして、ありがとうございます。
第五次循環基本計画の関係のご質問が多くございましたので、私のほうから簡単に今話せる内容についてご説明申し上げたいと思っております。
まず崎田委員のほうから、コロナの関係の影響について、指標値を定める上でどういうふうにとらえたかということでございまして、これは循環部会、また指標ワーキングのほうでもいろいろ議論がありまして、2020年から2022、3年ぐらいまでのトレンドにつきましては、コロナの影響かどうかということを、いろいろ数値を見ながら、その後も継続するものかどうかということを判断しながら、数値の設定のほうに反映させていただいているというところでございます。
また、大迫委員、それから髙橋委員のほうもお話がありましたけれども、一日一人当たりのごみ排出量について、若干引き下げているというような形になっていて、後ろ向きではないかというお話がございまして、ここのところも、その当時に前の数値を定めたときの状況を踏まえて、少し高めの目標の設定になっていた部分がありましたけれども、今回その後のトレンドを踏まえまして、そこまでは難しいかということで、少し落としている部分はございますけれども、かといって、当然目標を達成するうえで役割の大きい分野について、しっかりここで後押しできるような形で5年間の施策を進めていくということを考えておりますので、目標という意味で言えば、トレンドをある程度勘案せざるを得ないということがございますけれども、その部分は施策の中でしっかりと進めていきたいと考えてございます。
それから、高野委員から太陽光パネルの話を含めまして、産業廃棄物の排出量の設定についてのお話がございましたけれども、これも同様でございまして、過去のトレンドというのを反映する、特に産業廃棄物につきましては、建設廃棄物、最近公共工事が減っているという部分もございまして、重量のある非鉄金属、こういうもののリサイクル率がやや足踏みをしているということもありまして、全体としては、それを踏まえた設定になっている部分もございます。これは髙橋委員のほうかからもお話がありました産業廃棄物の出口側循環利用率の部分も、そういうものも影響しているとお考えいただければと思っております。
太陽光パネルにつきましては、今回新しく小委員会のほうで各先生方も力もお借りしながら、ある一定の前提を置いて推計を出しておりますけども、これは産業廃棄物全体のほうでいきますと、産業廃棄物全体としての排出量のトレンドをベースに考えておりますので、太陽光パネル特出しで積み上げて作っているものではございませんので、そういう意味でいうと、ちょっと別物というふうにお考えいただければなと思っております。
生ごみ、プラ、それから雑紙等もいろいろと余地あるというお話、大迫委員のほうからいただきました。その部分につきましても、プラについては戦略もございますし、生ごみを含む食品系の廃棄物、これはまだ深掘りの余地があって、今施策的にも重要視をしている部分がございまして、全体としてうまく進むように施策を組んでいきたいと思っております。
あと、一般廃棄物と産業廃棄物の出口側の循環利用率、全体として44%なのに26%、37%となっているのはどうしてなのかという原因につきましては、ちょっと今手元に資料がございませんので、別途調べてお返しする形でよろしいでしょうか。
○資源循環局総務課長 少し追加で、木村委員から④の新しい項目の追加ということがございました。
この辺り、じゃあ、個人の皆様を含め、世間の行動変容を促すという意味からも、一人一人の一日当たりごみ焼却量を減らすというところも、非常に重要な要素になるというふうに考えているところでございます。
他方で、じゃあ、これに対してどう取り組めばいいのかというところはあると思います。これはいろいろな形で、我々としても周知していく必要があると思いますので、まさに的確なコメントをいただいたなと思っておりますので、こういったことを踏まえてしっかり取り組んでいきたいというふうに思います。
髙橋委員から、例えば削除する⑫から⑭や、あるいは指標として、少し従来のものよりも目標がよくなかったのではないかということについて、もう少し丁寧に説明したらいいのではないかと、例えば脚注に入れればどうかというふうなコメントをいただきました。この辺についても、何ができるかということを考えさせていただきたいというふうに思います。
以上です。
○資源循環局廃棄物規制課長 高野委員のほうから、最終処分量の削減の目標についてご指摘があったところですが、数値目標自体は、先ほど近藤からお話があった考え方で、トレンドに従って数値目標を見直したということだということでありますけども、具体的に今後、再資源化事業等高度化法が先だっての国会で成立もしまして、産廃処理業界を含めて廃棄物資源循環業界も再資源化の取組というのを全体の底上げをしていくと。こういった部分の中で、どうしても最終処分しなければいけないものは、最終処分場が必要になるのですけれども、可能な限り減量化して資源化していくという動きを、資源循環業界のほうで動きをつくっていきたいと思っておりますので、こういった業界を資源循環の分野にどんどん力を入れるような形を取っていけば、排出事業者側もスコープ3対策で、できるだけ資源循環の取組をする業者さんのほうに委託したりというふうになっていけば、先ほど経団連さんが定めている数値目標も、おのずとさらにもっと深掘りしたことができるのではないかなというふうに思いますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。
あともう一つ、山口委員からご指摘がございました遮断型と安定型と管理型ということであります。遮断型処分場については、基本的に数は少ないので、⑪番目の目標というところの部分については、そのとおりに適合するというものではないのだと思うのですが、数値の内訳としては、これは平均で安定型と管理型のそれぞれの残余容量を足し合わせてやっているというふうに思いますが、数値についての考え方は調べて、また再度ご報告するという形を取りたいと思います。
○酒井部会長 事務局のほうからご回答いただきました。今の事務局のご発言を踏まえまして、追加でのご発言はございますでしょうか。
では、会場のほうから、村上委員から手が挙がっておりますので、お願いします。
○村上委員 どうもありがとうございます。
出口側の循環利用率の話、さっき聞いた件なのですけど、細かいところは私もよく覚えていないのですけど、循環基本計画に載っている出口側循環利用率というあれは、ごみの循環利用率ではなくてマクロマテリアルフローの循環利用率なので、そもそも廃棄物にならないやつが入っているので、全然違うものの話をしている気がしますというのが一つと、それに関連して、一般廃棄物の出口側利用率ってそもそもよく分からないと思うので、今回は言葉を変えろとまでは言いませんけれども、いささか違和感がある言葉だなと、今聞いていて初めて思ったのですが、私も今頃気がついて申し訳ありませんというところでありますけれども。その辺がやや分かりにくいので、説明の追記等をしていただければよろしいのかなと。たしか四十何%と、日本全体の物質移動の中での出口側循環利用率の記述だったような気がしますので、そんなことかなと思います。
以上です。
○酒井部会長 粟生木委員、どうぞ。
○粟生木委員 ありがとうございます。
追加で一つだけ質問させていただければと思うのですけれども、⑨廃棄物エネルギーを地域を含めた外部に供給している施設の割合のところで、目標年度が令和9年度になっているというところで、まず1点目として、令和9年度が目標値なので、令和9年度の時点で何か見直し等をされるご予定とかはあるのかというところをお伺いしたいという点と、基本計画の同じ指標、基本計画中にもあるのですけれども、基本計画中でのリファレンス先が廃棄物処理施設整備計画になっているというところなので、時系列的にどれをどうリファレンスして、こちらの出どころも第五次循環基本計画になっていて、リファレンスの時系列が若干混乱しているというところがあります。
いずれにせよ、令和9年度の時点で見直し等をされる予定があるのかどうかということをお伺いしたいというのが質問です。
というのも、広域化、集約化というところが基本方針に入っているので、かつ循環経済への移行に向けたというところもあるので、何らかここら辺の数値はきちっと見て、かつ再検討する必要があるのかなというところも印象として持ったというところがあります。
以上です。
○酒井部会長 会場から、崎田委員、どうぞ。
○崎田委員 ありがとうございます。
先ほど、②一人一日当たりの家庭ごみの排出量に関して質問させていただきました。そのときに、コロナの影響のことの配慮などに関して質問し、お答えいただきました。いろいろとご配慮いただきつつ出していただいたということがありますが、私が発言させていただいたのは、配慮をして作っていただいたのはありがたいけれども、ごみ減量の意欲をしっかり高めるような形で、みんなで厳しい視点でしっかりと社会が共に取り組んでいけるような目標値を出していただいたほうがありがたいというふうに思って発言いたしました。
先ほど、高橋委員のご発言にもありましたけれども、これまでの目標値よりも大幅に上げていただいているというのは言い方がおかしいのですが、上がっているのが、もちろん家庭でのテイクアウトで中食が非常に増えたとか、いろんな社会的要因がありますけれども、リデュース、リユース、リサイクルを徹底して、ごみを減らそうという大きな流れはやはりありますので、もう一度考えていただいてもいいのではないかと、もう一度発言させていただきます。よろしくお願いします。
○酒井部会長 では、会場はこれで2回目はよろしいですね。
それでは、オンラインのほうから大久保委員、どうぞ。
○大久保委員 ご説明ありがとうございました。
私も、まず最初に各委員から出された主な質問にありましたように、目標値の数値がどのように出されたのかということが分かりにくいものが幾つかありました。
私の発言の趣旨は、今後パブリックコメントをかけていくときに、この資料だけを出すと、市民の方からは、同じようにこの数値がどう出たのかが分からないという、そういうコメントになり得るのではないかということが気にかかっておりまして、先ほど髙橋委員から、少し説明の注書きをつけたらどうかというようなご意見がございましたけれども、せっかくですのでこのような機会を捉えて、何をすればどこが減り得るのかということを示すことができるように、この資料とは別に、簡単なものでも結構ですので、何がネックになっているのか、特に目標値が下がっている部分について説明を加えたり、あるいはここがもっと減れば目標値がもっと上げられると考えたというようなことについて書ける部分があれば、1枚紙でもいいので資料を少し出して、議論が進むような、あるいは意欲が進むような形にしてはどうかというふうに考えました。
特に今回、サーキュラーエコノミーを循環計画でかなり強調したのにもかかわらず、⑦で数値が下がっているように見えてしまうのは、なかなか理解しにくいところだと思いましたので、発言させていただきます。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
それでは、2回目のご意見が出ましたので、もう一度、事務局にマイクをお渡しします。
○循環型社会推進室長 循環型社会推進室の近藤でございます。ご意見をありがとうございます。
貴重なご意見をいただいたと思っておりまして、確かにご指摘のように、第五次計画のほうで下がっている部分、これは過去のトレンド踏まえた見直しということではあるのですけれども、まさにおっしゃるように、これからまさに深掘りしていくということに当たっては、なぜそうなったのか、そこから先どう余地があるのかということは確かに説明をしっかりしていくという部分は必要でございますので、今いただいたご意見を踏まえて、また崎田委員からのお話も踏まえて、その部分をしっかり説明できるように検討したいと思っております。
また、令和9年の廃棄物エネルギーを地域に含めた外部に供給していく施設の割合という部分につきましては、別途定めた数値目標をここに持ってきている部分ではございますけれども、計画の点検の中で見直されましたら、新しいものに従って確認していきたいと思ってございます。
○資源循環局総務課長 総務課長の波戸本でございます。
改めて、近藤の発言と重なるところはあるかもしれませんが、大久保委員からいただきましたように、これは数字を出すだけではなくて、これをご覧いただいて、じゃあ、どうすればいいのかというような問題意識を持たれる方にしっかりと答えを出すというような形で、何かできるのか、少し考えさせていただきたいと思いますので、非常にいいコメントをいただきました。ありがとうございました。
あわせて、今回分かりにくかった部分は確かにあると思います。村上委員のご指摘を踏まえて、各指標の分母・分子ではないのですけれども、何が計算の対象になっているのかということについて、かみ砕いた形でご説明できるような形にしたいと思います。ありがとうございました。
○酒井部会長 それでは、今日の資料1関係のご意見、ご意見としては十分にいただいたと思いますし、また、事務局としては真摯にお答えいただいたと思っております。
今後どうするかということを含めて、最後にお諮りさせていただきたいと思います。
今回提示いただいた指標、トレンド図を明確につけていただきましたので、今回は旧目標と新目標との関係性といったところも、委員の方々が十分把握できるような状況をつくっていただいたということに、まずもって私からお礼申し上げます。前日のお願いでございましたけれども、うまく対応いただきましてありがとうございました。
そうした上で、7ページのグラフを拝見いたしますと、トレンド線上におけるいい指標がある一方、ある意味で非常にチャレンジングな目標を掲げたんだけれども、今十分達成見通しがない。であるがゆえに、無理のない現実的な目標に見直しているという、ありていに言えば、そういったところに二分されると思います。こういうところは、やはり現実との兼ね合いの中での指標をどう考えるかというところで、一定やむを得ないところということで、委員の方々も理解いただけるのではないかと思いますが、何より重要なのは、今後の資源循環なり、あるいは脱炭素なりの取組が、どうこの指標に反映されるのか、どう取り組めるのか、あるいは取組と指標との関係性がどのような強度であるのかといったようなところのある種の効果分析的な、どういう取組が今後必要になるのではないかというふうに思います。それはひとえに、今後環境省が施設整備として何を取り組んで、あるいはそれに基づいてどう国民、市民にこういった形での行動をお願いしていくかといったところに入ってきて、初めて数字の意味が出てくるものかと思います。そういった面で、指標と政策との関係性については、今後もう一段踏み込んで、ぜひお考えいただきたい。これは中長期としてのお願いという点も含めて、まとめの一つにさせていただきたいと思います。
さて、今回の基本方針の変更について今後の手順をどうするかということにつきましては、先ほど今回の資料の説明だけでなく、追加的な説明を考えると事務局のほうで言っていただきましたので、その方向で、ぜひいい作業をしていただきたいと思います。
これ、循環基本計画から整合性を全部取った数字だという説明がございましたが、実は循環基本計画のときは、ここへ出ている指標以外にも新たな概念の指標が多く登場しておりまして、どちらかというと、そちらの議論は相当にできていたのです。例えば、一人当たりの天然資源消費量といった指標が、第五次循環基本計画では登場しているのです。ですから、ここに提示している以外の脱炭素の関係の指標も出ておりますし、そちらの議論が中心だったので、実は個別の指標の見直しのところの数字的な背景とか、あるいはその意味とかといったようなところは、実は十分に議論できていなかったというのが実態であったと思います。それが幸い、こういう形で接合する別の基本方針の中で出てきておりますので、これをぜひいい機会ということで、先ほどの追加説明といったところで、周りに十分伝わるような形で提示いただくという、こういう方針で進めさせていただければどうかと思っています。
そういう点で、今回の資料に関しては、基本的には修正を要すると、まず理解をさせていただきます。通常こういうときには、事務局と、そして座長に一任いただけますかというふうに皆さんに問いかけるのですけれども、事務局に対しては突然で申し訳ないのですが、一旦説明資料ができた段階で、この循環部会の委員には1回、書面ベースで結構でございますので、やり取りをしていただくことをお願いします。そこで合意を得た上でパブコメに出していただくという、そういう手順を取っていただきたいと思いますが、事務局、その方針に関して認めていただけますでしょうか。
○資源循環局総務課長 承知いたしました。その方向でやらせていただきます。ありがとうございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
という方針で臨みたいと思います。今のやり取りでご異論のある方はございましたら、委員の方、発言の意思を示していただければと思います。いかがでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
○酒井部会長 では、オンラインの方からも手が挙がりませんので、今の方針で、それでは今日の資料1、廃掃法の基本方針の変更の手続を進めていただきたいというふうに思います。大変な作業になるかと思いますけれども、ぜひいい制度になるように期待しております。
それでは、つぎの議題に行かせていただきます。議題は一つにくくって、その他ということで、事務局から、報告事項とは言え、重要な課題も多くございますので、全ての報告事項を事務局から説明していただいた後、まとめて質疑応答という時間にさせていただきたいと思います。十分時間を取っていますので、よろしくお願いいたします。
まずは近藤室長のほうから参考資料1、これは循環基本計画ですね。よろしくお願いします。
○循環型社会推進室長 循環型社会推進室の近藤でございます。ありがとうございます。
参考資料1につきまして、簡潔にご説明申し上げます。
循環型社会形成推進基本計画、今お話にありましたとおり、8月に無事に閣議決定をいただきまして、6月に本循環部会のほうでご議論いただいたものからパブリックコメントにかけ、その意見を反映する形でまとめさせていただいております。
また、振り返りになりますが、1ページおめくりいただきまして、これまでの変遷というところでございますが、横軸が環境面、縦軸が経済・社会面に着目して施策の展開ということで、一次、二次、三次と3Rに注力してきた段階でありましたが、第四次、第五次と経済面・社会面にもインパクトを与える形で資源循環を進めていこうということで、第五次では、その文脈をさらに明確化したということでございます。
具体的には、産業競争力の強化、経済安全保障、また地方創生、質の高い暮らしということにしっかり貢献していくような形で、資源循環を進めていこうというような目標を打ち出してございます。
2ページをご覧いただきますと、その文脈について少し詳しめに解説をしてございます。
環境制約への対応のほうは、資源循環が36%のGHG削減に貢献可能ということもありますし、また、天然資源を取ってくるということが環境に与えるリスクが高いというふうな国際的なレポートがありますので、資源循環、気候変動、それから生物多様性と、一体的な策と進め得るということだとここに示してございます。
また、経済面でいきますと、世界的に見れば、EUを中心として再生材利用を強化する動き、これは規制的な動き、あるいは自主的な動き等でございます。また資源価格、これは鉱物だけではなく、食料、飼料といったものも高騰しておりますので、そういう意味でしっかり日本に入ってきた飼料を使い切るという循環利用を徹底していくということが大事ということを文脈として掲げてございます。
また、地方の文脈でいきますと、地域の人口が減っていく、経済が縮小していく中で、コストをかけて処理をしていた廃棄物から付加価値を生み出して、地域の経済の力にしていくと。また、あるいはリユース・リペアということで、新しいリユースというものも生んでいく。また、様々なロスを減らしていくということで、暮らしの見直しということにもつなげていければと考えてございます。
3ページをおめくりいただきまして、今回の第五次計画のポイントとしまして、循環経済への移行ということを今大きく掲げたということで、付加価値を作っていくということを前面に出してございます。
4ページをご覧いただきますと、五つの柱ということでございまして、まず1.は下のほうでございますが、ここで循環経済への移行をしっかり進めていくんだということをうたいまして、2.はそのための事業者間連携ということで、製造・小売業、それから廃棄物リサイクル業の方々の間で、よりコミュニケーションをよくして、使える材を増やしていくということ。それから、3.のほうは地域の部分でございまして、地域の経済の力にしていく、廃棄物をコストをかけて処理をしていたものを付加価値に変えていくといったことを地域地域で進めていくといったことをまとめてございます。4.の部分は基盤の部分でございまして、適正処理、あるいは廃棄物処理施設の集約化、広域化、あるいは東日本対応をしっかりしていくといったことをここに掲げてございます。また、5.ということで、国内外の一体となった資源循環、それから日本の循環産業の海外展開を引き続き推進していくということをまとめてございます。
それをもう少し詳しくしたものが5ページでございまして、まず経済の部分でいきますと、右側の部分でございます。大きく分けて二つございます。
徹底的な資源循環の部分につきましては、今お話がありました高度化法の円滑な施行、あるいは製造業・小売業、それから廃棄物リサイクル業の連携を強化するためのプラットフォームをうまく作って使っていくということ。あるいは機械化・AI化ということで、新しい技術も出てきていますので、それを活用して、より高度なものを供給、それから量を増やしていくといったこと。あるいは太陽光パネルの制度化の検討が始まりましたところ、また資源循環を進めていくに当たっては、ネットワークの拠点となる設備、あるいは国内外の一体化ということを考えますと、港湾といったものを視野に入れて、整備を進めていくといったことを進めていくことで考えております。
また、国際的な資源循環という意味でいいますと、資源循環性の自主的枠組みについての議論が本格化しておりますので、日本としても適切なインプットをしていく、あるいは電子スクラップの再資源化への貢献、あるいは金属スクラップの不適切な処理の防止といったことも進めていく必要がございます。
それから、地域の部分でいきますと、左側のところでございまして、地域で出てくる特性のある廃棄物、あるいは循環資源を目指していく形のモデルをつくっていくこと、それを地域で指導していく人材を育成していくこと、あるいは小型家電、建設リサイクル、あるいはストックの利用といったこと、また、新しいビジネスモデル、リユース・リペア等を展開していく必要がございます。
こういうことで、第五次計画を全体として進めてまいりたいと考えてございます。
6ページは、これをもうちょっと身近な形で分かっていただけるように図示をしたものでございまして、今後、循環計画をPRしていく中で活用していきたいと思ってございます。
あと、最後に7ページ以降、循環計画の流れの中で、今回循環経済の位置づけに関する関係閣僚会議というものが新設されたということについて、簡単なご報告でございます。
7月に総理が長野を訪問された際に【参考】の部分、二つ目の四角の3行目、4行目辺りになりますが、地方創生と経済成長を同時に実現するような取組だということで、しっかりこれを国家戦略として進めていく。また、関係閣僚会議を新設するということをお話になりました。
それが実際に開催されたのが8ページでございまして、7月30日、循環計画について案の了承ということと、政策パッケージを年内に取りまとめるようにという指示がありまして、関係省庁と連携をしながら、取りまとめに動いていくということになろうかと思います。
最後の9ページ、その後、8月に車座対話、サーキュラーエコノミーについて2回目が開かれまして、一番下の部分でございますが、政策パッケージの取りまとめについて、改めて言及がありましたのと、あとはこのような車座対話のようなものを全国で進めていくというようなご発言もあったということで、以上、ご報告になります。ありがとうございました。
○酒井部会長 それでは、続きまして、廃棄物規制課の松田課長のほうから、六価クロム化合物、e-waste、そしてPCB基本計画ということで、ご説明いただければと思います。よろしくお願いします。
○資源循環局廃棄物規制課長 それでは規制課長の松田ですが、参考資料2から4の三つのテーマについてご報告させていただければと思います。
まず、参考資料2の廃棄物処理基準等専門委員会の開催についてでございます。
今年度、久しぶりに廃棄物処理基準等専門委員会を開催しようということで、この委員会自体は、本日ご参加いただいています大迫委員に委員長を務めていただいているということでございますけども、酒井部会長から任命いただいた委員の方で構成されるメンバーで、廃棄物最終処分場の排水基準等の見直しについて議論いただこうというふうに思っております。
背景としては、もともと水質汚濁防止法のほうで六価クロム化合物について、もともと0.05mg/Lという水濁法の地下水の浄化基準だったものを0.02mg/Lのほうに浄化基準を強化して、排水基準を定める省令については、六価クロム化合物の許容限度を0.5mg/Lから0.2mg/Lに改めると、こういう動きがございました。この点については、さらに源流にたどっていきますと、水道水質基準が食品安全委員会の健康影響のエビデンスの評価が少し強化されたということを受けて数値が低くなったということであります。
こういう六価クロム化合物の基準の強化への対応に加えまして、これも水道水質基準のほうの指標が変わったということが源流にあるのですけども、水質汚濁防止法に基づく排水基準を定める省令の中で、大腸菌群数という数値の基準がございましたけども、指標について大腸菌数に変えていく見直しがあったということでございます。
こういうことで、従来から水質汚濁防止法の排水基準の見直しに併せて廃棄物処理法に基づく最終処分場の排水基準、こちらのほうの改正というのもこれまで併せて検討してきたという経緯もございますので、今般、廃棄物最終処分場の排水基準等の見直しということで、六価クロム化合物と大腸菌群、それぞれについて基準の見直しと指標の見直し、こちらについてご議論いただこうというふうに思っております。
それが一つと、もう一つはし尿処理施設、こちらについては、もともと大腸菌群の基準がし尿の処理ということであったのですけども、これについても併せて大腸菌群数から大腸菌数に指標を変えるというような方向で、技術的にどうかというこの点について、ご審議いただこうというふうに考えているというところで、その点、ご報告ということでございます。
その次の資料として、参考資料3でございます。e-scrapの話でございまして、先ほど近藤室長からも、国際的なe-scrapについて、日本でもっと資源循環を進めていこうという話がございましたけれども、今の国際的な動向でいうと、2ページ目を見ていただくと、最初の1ポツ目でございますけれども、今から約2年前の令和4年6月に有害廃棄物の規制を行うバーゼル条約の附属書の一部が改正されて、これまでは条約の対象外であった非有害なe-waste、これを新たに規制対象にしようと。従来は有害物質を含むe-wasteだけか規制されていたのですけれども、それを新たに規制対象にしようということが決定されたと。これによって、条約の対象物については有害・非有害にかかわらず、全てのe-wasteが条約の規制対象となったということで、これが令和7年1月1日から発効するということになったと。
そうすると、実際にバーゼル条約の見直しに伴ってOECD加盟国間の移動とか、そういった部分の運用についてどうするのかというところについて、具体的にOECD加盟国間で議論を始めたというところなのですけど、この経緯については、この資料だけではなかなか分かりにくいところがございますので、ページ数でいうと、4ページ目と5ページ目を見ていただければと思います。
参考1にe-scrapの国内・国際リサイクルの現状というふうにあるのですが、日本はOECD加盟国間中でもe-scrap、廃電子基板や端材等のリサイクル量が非常にトップであります。これは日本の非鉄金属関係の精錬業の皆さん、今日ご参加の関口委員のDOWAさんも含まれますけども、そういったところが実際の生活環境に全く問題ない形で、e-scrapから金や銀などの貴重な資源というのを抽出して、まさに都市鉱山としてその資源を提供していくと、こういうこと進めてきているわけでございまして、こういうe-scrapの輸入量というのは、非常に2020年には43.5%まで増加して、OECD加盟国からの輸入が約4分の3を占めているということで、今後さらにアジア、ASEAN地域のところからのe-scrap調達を進めていこうではないかと、こういった流れの中で、バーゼル条約の規制は実際に手続が煩雑になってきて、これは我々の国で非鉄金属の精錬会社様が行っている適正処理の中で進める部分で言えば、そこまでやらなくてもいいという部分のところが、より課されていくのではないかと、こういう懸念もある中で、OECDでの交渉というのを5ページ目のほうにありますけど、進めてきたというところでございます。
こちらのほうの5ページ目にもあるとおり、OECD加盟国間といろいろと、それぞれの国のお考えというのも、厳しくすべきだというところもあれば、我が国と同じように、共同歩調で、こういう移動について、できるだけ自由に進めるべきだという国も、いろいろあったわけですけども、基本的には、赤字で書かれていますけど、「廃基板類を始めとするe-scrapの規制はOECDで統一ルールを定めず、各国がそれぞれ決定することとなった。」と。日本においては、引き続き一部の手続を適用除外としていくという部分で、先ほどご説明をしたとおり、できるだけ電子スクラップの国際的な再資源化体制というのを確立していくんだと、こういう下でこれまでずっと交渉してきたということでございます。
それで、またページ数を戻っていただきまして、2ページ目のほうになりますけども、こういった国際交渉の部分の中で、2ポツのところにございますけども、日本においては、輸入については全ての国からの輸入において、また輸出は相手国がOECD加盟国の場合、引き続き一部手続を簡素化していこうと、こういったことで決着したと。
加えて、今般、改正附属書の発効に伴って、いずれにしても非有害なe-wasteがバーゼル法の対象になるということでありますので、範囲省令を改正して、また規制対象に該当するか否かを判断する税関のほうで、いろいろ審査するためのe-waste該非判断基準、こういったものを策定しようということで、環境省内で検討して、有識者会議でもお諮りをして、現在パブリックコメントを実施しているというところでございます。
今後、10月下旬に改正省令の公布、また該非判断基準の公表を行って、1月1日の施行に間に合わせたいというふうに思います。
次の3ページ目に、範囲省令の改正ということで、かなり技術的な内容ではあるのですけど、非有害なe-wasteが今般対象になるということで、範囲省令の改正をするというものであります。
いずれにしても、各国間との手続の部分については、先ほどお話ししたとおり、できるだけ簡素化して、e-scrapの国際的な資源循環に日本として、これは官民挙げて進めていこうということで、今動いているということでのご報告でございます。
もう一つは、参考資料4にPCB廃棄物についての動きがございますので、この点についても紹介させていただければと思います。
PCB廃棄物について、特に濃度が高い高濃度PCB廃棄物というのは、いわゆる国が主導して、JESCO法に基づいて、JESCOが高濃度PCBの処理を行うという部分の中で、PCB特措法に基づいて、JESCOの五つの施設でこれまで処理を進めてきたという経緯がございます。今般、この処理体制が変わるというところで計画変更ということなのですが、その点について、2ページ目の資料だけだと非常に分かりにくいと思いますので、3ページ目と4ページ目を見ながら、少しご説明させていただければと思いますが、まず4ページ目のほう、このPCB廃棄物処理事業を今までどう進めてきたかというところなんですが、昔から高濃度PCBも含めてカネミ油症事件、こういったものが起きて、その後しばらく処理する施設がないというところで、各地に保管をしていただくという時期があったわけなのですけども、2001年にPCB特措法が成立して、国が主導して全国5か所、北海道(室蘭)、東京、豊田、大阪、北九州の立地自治体の皆様のご理解ご協力の下で、JESCOでの処理施設というのが順次設置されたという経緯がございます。
その際に、処理期限を延長したり、またPCB特措法の改正をして、使用中の高濃度使用製品を期限内に処理をするということで義務づけをしたりする動きもございましたけれども、ちょうどこの3ページ目のほうの地図を見ていただければと思いますが、五つの事業所のうち、この北九州と大阪と豊田の事業エリアがこの令和5年度末、今年の3月をもってPCB処理を予定どおり終了するということになりまして、今年の4月以降に新たに西日本地域で発生したものの扱いをどうするのかというところで、昨年12月21日に北海道と室蘭市に、環境大臣名で西日本のPCB廃棄物について、令和7年度が室蘭の事業終了の予定期間なのですけど、その間に処理をさせていただけないかという要請をさせていただいたということでございます。
今年の7月9日に室蘭市の青山市長、あと北海道から伊藤環境大臣に要請について、いろいろ受入条件は提示されたのですけど、その承諾をもって同意しますというお話がございまして、西日本のPCB廃棄物について受け入れるという方向になったということでございます。
それによって、今後室蘭で西日本地域の地域で発生したものを処理していただくというために、PCB廃棄物処理基本計画を見直しまして、この変更案にあるとおり、北海道事業所の対象物に、北九州、大阪、豊田エリアで発生したものを、JESCO北海道事業所で処理を実施するということで変更する。この基本計画について、各省協議も行いまして、この8月30日に閣議決定を行ったということであります。
実際に搬入するのは令和7年度になってから、集中搬入期間を設定してということになろうかと思いますが、今JESCOのほうで、西日本地域で発生したPCB廃棄物についての処理に向けた登録を今月から開始していますので、我々としても鋭意準備を進めていきたいと思います。
このPCBについては以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
それでは最後に、参考資料の5でプラスチック資源循環の促進についてということで、容器包装・プラスチック資源循環室の井上室長から説明をお願いいたします。
○容器包装・プラスチック資源循環室長 ありがとうございます。井上でございます。
参考資料5に基づきまして、レジ袋有料化の施行の状況とプラスチック資源循環法の施行状況について、少しご報告させていただければと思います。
お手元の資料のスライド1のほうをお開きいただきますと、レジ袋有料化の実施状況、施行の状況でございます。
足元、コンビニエンスストア、スーパーマーケットというところで、レジ袋辞退率というものを真ん中辺りに載せてございますけれども、有料化実施前と比べて5割増し、3割増しで今70%を超える形で、順調にレジ袋を辞退する状況が定着をしていると。こういう状況が見てとれると思います。
左下、ドラッグストアに関しても同様に大きく削減が進み、レジ袋の国内流通量そのものも7万t、8万t、これぐらいの削減が進んでいるという状況でございます。ということで、レジ袋有料化は順調に推移していると言えると思います。
また、スライド2のほうをご覧いただきますと、プラスチック資源循環促進法、法律の全体をつけてございますけれども、この中で環境配慮設計、あとはワンウェイプラスチックのリデュース、そして出てきたものの自治体、事業者による回収、リサイクル、こういったものを法律で位置づけているところでございますが、それぞれの実施状況をご報告さしあげます。
スライド3をお開きいただきますと、まず環境配慮設計の1点目のところでございますが、国のほうでこの設計指針というものを明示してございまして、こちらの指針に沿う形で業界別、製品分野ごとに優れた設計を国が認定して進めていくという仕組みにしてございます。
スライド4のほうをお開きいただきますと、今現在、環境配慮設計を各業界に求めているところでございまして、容器包装中心でございますけれども、石鹸洗剤から始まりまして、様々な業界のほうで、この容器包装、そしてプラスチック製品、こういったものに対する環境配慮設計のガイドラインというものを進めていただいているところでございます。
また、こういったものを業界団体のほうで環境配慮設計の状況というものを広くお知らせするような、右下にあるような、そういった設計事例の検索みたいなものを公表している動きもございます。というので、環境配慮設計が進みつつあるという状況が見てとれると思います。
また、スライド5のほうをお開きいただきますと、各社の状況、既に環境配慮設計を実施している製品というところを参考に載せてございます。構造的な減量化、長寿命化みたいなところを各社進めているようなものを、上の青いところでそれぞれ枠囲みの中でお示しをしている例、さらに下のほうの赤い枠囲みのところですと、材料、再生材を利用している、もしくは右下のほうでございますが、バイオマスプラスチックの素材転換を既に実現をしているような日清さんみたいな例というところを載せているというので、環境配慮計画、各製品、容器のほうに進展している状況が見てとれると思います。
以上が1点目の環境配慮設計の動きでございます。スライド6のほうをお開きいただきますと、2点目のワンウェイプラスチックのリデュースのお話でございます。6ページはこの仕組みのほうを載せてございまして、おさらいでございますけれども、フォーク、スプーン、その他のカトラリー、あとアメニティと、ハンバー、カバー、こういったものが先ほどのレジ袋にプラスして、このプラスチック法の中で削減対象、排出抑制の対象となってございます。
これに対する取組状況をスライド7以降でまとめてございます。お開きいただければと思います。
各社の取組状況を少しまとめている状況でございますが、ファミリーマートさんがカトラリーの有料化、この試行実験を既にスタートしているというところでございます。
また、右側でクリーニングの回収、これを見える化するような動きでありますとか、各社使用量の削減目標みたいなところを下のすかいらーくさん、帝国ホテルさんみたいなところで、幅広い業態のほうで取組が進められていると思います。
さらにスライド8のほう、下をご覧いただきますと、各業界団体ベースでカトラリー等のワンウェイプラスチックに関しての削減目標もしくは実施状況、こういったものを各団体ベースで、スーパーマーケット、クリーニング業界、あとホテル業界、こういったところで進められているという動き、さらに個別の製品のところ、アメニティ、ハンガー、カトラリーのところを、各社削減の取組というものが進められているというところをまとめているので、ご参照いただければと思います。
というので、ワンウェイプラスチックに関しては、レジ袋をはじめ容器包装の削減という話と併せて、このワンウェイプラスチック、幅広いところで取組が進められているというところを見てとれると思います。
さらにスライド9をおめくりいただきますと、これを側面支援していくという動きが自治体のほうから進んでございまして、群馬県のほうでプラごみの削減の取組を後押しをしていくような制度を運用されていたりとか、松本市のほうで削減の取組のミッションを掲げていて取組を進められていると。こういう形で、地域を挙げて削減の取組の後押し、これを進められているという状況でございます。
以上が2点目のリデュースの取組でございます。
続きまして、スライド10以降で、廃棄された後の排出・回収・リサイクルのところのご説明をさせていただければと思います。
スライド10のほうは、まず自治体のほうの分別回収の話でございまして、これまで容器包装リサイクル法に基づく容器包装の回収のみでございましたが、プラ法の施行の後は、プラスチック製品、製品プラスチックの回収も併せて実施ということになってございます。
スライド11をご覧いただきますと、大きく進め方として、これまでの容器包装リサイクルルートに乗せた指定法人ルートでのリサイクルというのが(1)、(2)のほうが新しくプラ法に基づく大臣認定で一気通貫にリサイクルするような仕組み、再商品化計画と呼んでございますが、こういった2通りのルートを設定してございます。
それぞれの状況につきましては、スライド12以降でご説明いたします。
まずスライド12のほうで、指定法人のルートで、容器包装とプラスチック製品の両方をまとめて回収してリサイクルをしているという動きのところが、全国87の自治体で11万5,000tを超えるような回収が進んでいるというのが1点目の状況でございます。
さらにスライド13、14をお開きいただきますと、国のほうで認定する再商品化計画、こちらが全体15件ございまして、スライド13、14で一覧に示してございますが、大都市も含めて、自治体のほうでリサイクル事業者と連携しながら、リサイクルを進めていくような動きが進んでいるということが見てとれると思います。
さらにスライド15をご覧いただきますと、製造・販売事業者の自主回収・リサイクルといった取組を進めていくような枠組みをプラ法のほうでつくってございますが、その実施状況はスライド16でございまして、現在花王、セキスイとかイオンディライトをはじめとする製造・販売をした事業者さんによる自主回収・リサイクル、こういったものが取組として進められているということでございます。
さらにスライド17をお開きいただきますと、いわゆる排出事業者、産業廃棄物のプラスチックに関しても、リサイクル、再資源化というものを進めていくための枠組みはプラ法のほうでご用意してございますが、スライド18をお開きいただきますと、排出事業者、リサイクル事業者の連携による事業認定というのが計5件進んでございまして、いずれも食品の包材から歯ブラシ、あと風車のブレードとか多種多様な産業廃棄物、廃プラスチックの回収・リサイクルが進んでいるという状況でございます。
ということで自治体、事業者それぞれによる分別・回収・リサイクルの取組も、この法律に基づいて進展が進んでいるという状況だと思います。
以上が、現在足元のレジ袋の有料化、またプラスチック資源循環法の促進の施行状況でございました。
以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
それではただいまの説明、全体を通して、どの話題に対してでも結構ですので、ご質問がございましたらお願いしたいと思います。同じく名札を立てる、あるいは挙手ボタンでお願いいたします。
幅広い話題を説明いただきました。それでは、崎田委員から参りましょうか。よろしくお願いします。
○崎田委員 ありがとうございます。
いろいろな制度をしっかりと進めていただいて、ありがとうございます。
それで、まず最初に参考資料1の「循環経済を国家戦略に」に関して一言申し上げたいのですが、やはり循環経済という視点でしっかりと循環型社会をつくっていく。国家戦略として取り組むという、非常に明確な意思を示して取り組んでいただくということは、大変大きく期待をしたいというふうに思います。
そういう意味で、今回首相も循環経済に関してコメントされたという、こういうようなことも広げて、産業界の皆様もどんどんやる気になっていただくというのは大事だと思っております。
6ページの「循環型社会の将来像」という絵があるのですけれども、こういうふうに見える化していただくのはありがたいのですけれども、今回の循環経済のこの輪は、地域の循環の場合と、その輪を大きくする場合と、いろいろなケースがあるというふうに思っています。もし地域の循環のイメージで言えば、この絵のところで、例えばそれぞれの自治体がうまくコーディネートして地域の多様な人をつないで、こういう輪を作っていくんだという、何かそんなことも見えてくるとうれしいなと思いますし、もう少し大きな循環の輪であれば、また違う表現もあるかなというふうに思いますので、今後社会に示すときにより分かりやすいというか、いろんなチャレンジをしていただくとありがたいかなというふうに思いました。どうぞよろしくお願いいたします。
本当は全部質問したいのですが、参考資料4のPCBに関して、長い年月、本当に丁寧にこの制度をつくり、だんだん最後の終盤に入ってくるということで、私は関係する方の努力に敬意を表したいというふうに思っています。
なお、一つ質問させていただきたいのは、この過程で低濃度PCBのことが非常に話題になり、そちらのほうも仕組みをつくったりされていますが、低濃度PCBの処理に関しては、高濃度の今回の部分とは全く違う動きで成り立っているのか、ちょっとその辺の様子だけお話を伺えればありがたいなというふうに思いました。
なお、プラスチック資源循環の促進については、この制度の検討にも関わらせていただいたのですが、ここまで進展したというのは大変感慨深い印象を持って伺いました。ぜひこういうような事例を、例えば相対的にどのくらいの効果を上げているとか、何か分かりやすい数字であるとか、何か非常にみんなが共感するような先行事例を、少し具体的にこの中からもお示しいただくとか、何かこういう成果を分かりやすく発信していただくということを少し考えていただくと大変うれしいなというふうに思いました。よろしくお願いします。
○酒井部会長 ありがとうございます。
それでは、オンラインで指名させていただきます。篠木委員、大塚委員、大迫委員の順番で行きたいと思います。篠木委員、お願いします。
○篠木委員 篠木です。ご説明いただきありがとうございます。
私が質問したいのは、参考資料1の2ページの部分になります。こちらで、環境制約への対応を含めた3本の柱が示されていますが、ご質問したいのは3番目の地方創生・質の高い暮らしという部分になります。
先ほども、地域の力をいかに生かしていくのかというご説明がありました。個人の幸せの質が人それぞれであるというのと同様に、地方もそこがどのような地域なのか、海があるのかとか山があるのか、あるいは人口構造がどうなっているのか、または産業の構造や経済状況がどうかで、地方における特性や望ましい生活の在り方というのが異なっている可能性があります。それを地方がそれぞれ自分たちで、自分たちが目指す生活の在り方を切り取っていって、そこに向かって進んでいくということが恐らく理想であろうと思うのですが、一方で急速な少子高齢化や人口減少というものがある中で、そういった質や地域の特徴を生かして、自分たちの生活を向上させていくことができるほどに、地方は体力が残っているのかという疑問が若干ございます。
現時点でこういった道筋を示す中で、今後どういったサポートが可能なのか、具体的にこういうことができるのではないかということがございましたら、教えていただければと思います。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
大塚委員、どうぞ。
○大塚委員 一つはe-wasteなのですけども、交渉を頑張っていただいて大変よかったと思っていますが、ちょっと細かくて恐縮ですが、この一部の手続を簡素化するというところは、具体的にどういうところかがちょっとよく分からなかったので、もし可能でしたらちょっと教えていただければと思います。それは、この省令の中での手続ということになるのでしょうかということも含めて、教えていただければありがたいというのが第1点です。
それから第2点ですが、プラスチックの資源循環の促進のほうですけども、ちょっと二つございまして、一つは今崎田委員がおっしゃったことと関連しますが、非常によく進んできていると思いまして、関係者の方に敬意を表したいと思いますけども、さっき認定がスライド15のところで五つ出ていて、再資源化事業計画のほうでも五つ認定が出ていますけれども、マイルストーンとの関係とかで、これは着実に進んでいると言えるのかというところがちょっと問題になるかもしれないので。もともとこの制度は、自主的なところを結構重視した法律になっていますので、ちょっとそこは法律の制定ときから心配はされていたのですけど、そこは大丈夫ですかということをちょっと伺いたいというのが第1点です。
それからもう一つは、まだ今交渉中なので、ちょっと気が早い話になるかもしれませんけど、プラスチック条約が採択されたときには、この現在の制度は関係者の人の利害があると思うので、あまりガラガラポンというわけにはいかないと思うのですけども、どういうふうになっていくのかと、ちょっとこれは今聞いても早過ぎると言われそうな感じもしますが、もし何かコメントしていただくことがあればお願いしたいと思います。
以上でございます。
○酒井部会長 ありがとうございます。
では、続いて大迫委員、どうぞ。
○大迫委員 ありがとうございます。
プラスチックリサイクルについての質問ですけども、体系的にご説明いただいて、大変よく分かりました。ありがとうございます。
その中で、ページ13とか33条認定の話の中で、実績がかなり増えてきたということで大変期待されるところなのですが、これまでの材料リサイクル中心だったところに、ケミカルリサイクルも入ってきているというところが、一つ変化が出てきたかなという感じがしているのですが、今の段階では、こういう受皿をどんどん広げていくというところ自身が重要視されるべきというふうには思いますけども、将来的に材料リサイクルの優先性みたいな話ということは、容器・包装リサイクル法での入札等もありますけども、そういったところとの並びの中で出てくる可能性があるのかどうかとかそういったところ。ちょっと難しい質問かもしれませんが、ご質問したいと思います。
○酒井部会長 ありがとうございます。
それでは、こちらの会場のほうから、根村委員、どうぞ
○根村委員 根村です。ありがとうございます。
まず参考資料1なのですけれども、私たちがここで話し合ってきたことを的確におまとめいただきまして、ありがとうございます。シート6に将来像が書かれておりまして、この中で「情報開示」というのがこれからの課題になっていくのではないかと思っておりますので、ぜひ環境価値に関する表示を伴った多様な選択肢の提供という部分を進めていっていただきたいと思っております。
もう1点、プラスチック資源循環の促進についての参考資料5でございます。レジ袋であったり、ワンウェイプラスチックの削減などは、一般消費者の行動変容ということで、協力ができ、成果も上がっていてすばらしいなと思っております。
本当に素朴な質問になってしまうのですけれども、プラスチック製品が再商品化されますよね。今そう進んでいるかと思うのですが、1回目は何かしらに、多分ペレットとかフレークとか、そういったものになっているかと思うのですけれども、それは当然そこで終わりではないと思うので、次にどうリサイクルされていくかというところがよく分からないので、その辺について方向性などがありましたらぜひご教示いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 今オンラインで、末吉委員から手が挙がりましたので、どうぞ。
○末吉委員 どうもありがとうございます。ご報告もありがとうございました。
私からは参考資料1について、1点意見を申し上げます。
今こちらのスライドに出ております6ページ目について、私も一つ申し上げたいのですが、循環型社会が実現したときに、自分たちの社会というのはどういう姿になっているのかというのをビジュアライズするためにも、やはりこういった将来像を出していただくのは非常によいなと思ったのですが、こちらのイラストだけだと、いまいちまだ将来像が想像できにくいというか、そもそも円になっているのですけれども、円に入らないようなパーツも入っていたりとか、生活者のところが「リペア」「リユース」「シェアリング」しか載っていなくて、不十分なのかなとか。あとは「天然資源の消費抑制」のところも、天然資源が円の中に太く矢印で入っていて、すごく細かくて申し訳ないのですけれども、若干分かりづらいなというふうに感じました。
先ほど崎田委員からも、地域によっても違うのではないかという話もありましたし、もう少しだけ具体的に、こういった将来像というのもビジュアライズできるようなものを作っていただくといいのではないかと感じました。
以上です。
○酒井部会長 今回も多くの質問をいただきました。事務局、順にマイクを回していただければと思います。
私からも2点だけすみません。
e-wasteの関係ですけれども、量的な意味で、4ページのところにOECD加盟国の処理量として、79万tという量が紹介されている一方、2030年までに世界のe-wasteの量は7,470万t、7,500万tと、量が2桁違いまして、ここのところの説明をいただきたいというのが私の質問です。これはe-scrapとe-wasteと定義が違うから、これだけ違うんだということの説明で尽きるのかどうか。あるいは、これは推定している主体がそれぞれ違っていて、少し不確実性もありますねという、そういう理解をしたほうがいいのかというところで、数字にこだわって申し訳ありませんけれども、そこの説明をいただきたい。
それから、あとプラスチックの関係ですけれども、環境配慮設計が4ページで7団体進みかけたこと、これは非常に喜ばしいことだと思うのですが、いかんせん相当時間がかかってここまで来ているということもあるのですけれども、今後、認定製品の指定というステージというのはいつ頃、どう見通しが立ちそうかといったところ、可能であればお答えいただきたいということで質問させていただきます。
それでは、順番に言っていただくのか。お願いいたします。
○循環型社会推進室長 ありがとうございます。循環型社会推進室の近藤でございます。いろいろとご意見いただきまして、ありがとうございます。
崎田委員からご意見をいただきましたこのイメージ図の部分ですけれども、ちょっと具体的な大きな理由があるのではないかというご指摘は、まさにそのとおりでございまして、これはこれで全体としての像としてお示しをしておりますけども、今徐々に循環基本計画の説明会を各地で始めておりまして、その中では各地域では具体的な事例を分かりやすく説明するということで、パワーポイントなんかを使いながらやっておりますのと、あとはちょっと後のご説明にも重なる部分はあるのですが、やっぱりうまくいっているところは、どういうふうにうまくいっているのかというところをやっぱり解きほぐしてあげて、何がきっかけで始まってどういうふうに広がっていくのかというところをストーリー的にお示ししていくということも大事かと思ってございまして、こういうものも今調査を進めておりますので、そういうやり方も併せて、地域にしっかりお示ししていくことで、イメージを具体的に持っていただければなと思ってございます。
それから、篠木委員からご意見をいただきました地方に体力があるのかというお話でありまして、今いろいろと申し上げたうまくいっている事例を分析しておりますと、やはりない物探しというよりはあり物探しをしているというところがございました。ある物を使って、どういうふうにしていくのかということを地域で考えている部分もありますのと、あとはやっぱりよそ者ではないのですけども、外の地域でノウハウを持っている人を引き込んできたりとか、あるいは企業版ふるさと納税みたいな形で外部の企業さんの力を借りる、あるいは海外の技術なんかも導入するという形で、外とのつながりをうまくつくること、あるいは人的な交流もありますけども、こういったことによって地域の力を生かしていく形をつくっていくということがございまして、これは自治体だけではなくて、今まで把握しているところでいきますと、例えば協議会とかフォーラムとか第三セクターとか法人化とか、地域のいろんな主体が乗りやすいような仕組みをつくってうまく進めているという事例が多くございますので、今申し上げたとおり、これにつきましても調査を進めて、ストーリー的に展開の部分をしっかりご説明して、地域の後押しをしていきたいということでありますのと、あとは来年度の予算の中で、今回は人材育成ということで、やはり廃棄物のほうは廃棄物を出す人から、それを再生資源にする人、それから買う人までつながっていかないとチェーンがつながりませんので、うまく地域でコーディネートしていく、実践していく人材育成みたいな事例を、うまくガイダンス的な形で示していくということと、人材育成のプログラムをつくっていくというような予算要求を今進めておりまして、これをまずしっかり実現していくことによって、サポートを強化していきたいと思っております。
あと、根村委員から情報開示のほうは課題があるということで、しっかり進めてくださいというお話、まさにそのとおりでございまして、例えばリユースでいけば、個々の製品ごとというのはなかなか難しいのですけども、今年度の事業の中で、例えばパソコン、例えば机、例えばワイシャツという形で、これをリユースすると、どれぐらいGHG削減効果があるのかということをお示しすべく、今数字を整えておりますし、またファッションで言えば、JASFAという団体さん、アパレル業界の中でサステナブルファッションに先進的な団体さんのほうは、自らGHGの排出削減量の推計方法を策定したいということで、地球局のほうの事業に応募しまして、自分たちでこのデータを整理して決めていこうということもしておりますので、こういうものをしっかりPRして発信していきながら進めていきたいと思っております。
以上でございます。
○資源循環局廃棄物規制課長 e-scrapの件と、それとPCBの件について、私のほうから説明をします。
まず、大塚委員からご指摘があった日本における一部の手続の簡素化はどこまでするんだということなのですが、これは廃基板類、e-scrapに関しては、日本側が本来行う確認とかそういった手続については、もう不要にしますと。ですので、そういう廃基板類をいろいろな国から輸入する際には、日本側が行う取組としては、もうそこは不要にします。相手側国は通告とか、そういった手続を行うということは、国によってやられるとは思うのですが、その点は日本側としてはしないということであります。一方で、それ以外のe-wasteもありますので、こちらについては確認するところも出てくるというところであります。
あと、酒井部会長からもお話があった件でございますけども、こちらの数値については、まさにe-wasteとe-scrapで、ここはちょっと定義が違うという部分で、e-wasteがより広い範囲で、e-scrapはその中でも特に貴重な廃基板類ということであると思いますので、それによってオーダーが違っているということであるかと思いますが、念のため、私どもまた再度確認をしておきたいと思います。
あと、崎田委員からお話がございました、今日お話ししたのは高濃度PCBの処理体制の変更ということだったのですが、実は高濃度もあれば低濃度もあるということで、濃度が低いものについては、こういうJESCOで処理をするまでもなく、いわゆる民間の焼却炉のほうでもできるということで、環境大臣が認定する無害化認定施設、こちらのほうは焼却施設が中心ではあるのですが、洗浄というのもあるのですけども、全国で30か所ほどあるのですが、こちらのほうで処理をするということになっています。
PCB特措法に基づいて、こちらの低濃度PCB廃棄物についても、今あるものについては令和9年3月までに処理しなければならないというふうになっていますので、こちらも低濃度PCBの廃棄物をできるだけ処理していただくように、我々も地方公共団体と連携して取り組んでいるということであります。
○容器包装・プラスチック資源循環室長 最後に私のほうから、プラスチックの関係で多くのご質問、ご指摘をいただきましてありがとうございます。
まず、崎田先生からお話しいただいた数字とか先行事例、そういったものを生かした分かりやすい発信、ご指摘のとおり、まさにこれが必要だと思っておりまして、プラスチックの資源循環戦略、先ほど大塚先生からもお話いただきました。こういったリデュース、リユース、リサイクル、そして再生材とかバイオプラスチック代替素材の転換というところの大きな数字に向けて、どう寄与しているのか。こういったところも見ていかないといけないと思いますし、そこの個々の取組というところが、まさにそれぞれのキーになってございますので、まだそれが市民の方、自治体の方、企業の方の参考になっていただけるような形で、しっかり発信をしていきたいというふうに思ってございます。ありがとうございます。
また、大塚先生から、マイルストーンは着実に進んでいるのか、自主的な取組という話で大丈夫かと、こういったご指摘を賜りまして、まさに自治体の資源回収、こういった取組もマイルストーンの達成のためには必要不可欠だと思ってございまして、今年度も含めて、自治体からの分別回収をさらに広げていこうという動きというのは拡大してございますので、こういったところが必要十分かというところを、まさにマイルストーンの進捗管理というところと合わせて確認しつつ、必要に応じて政策というところはしっかり強化していくということを考えていきたいと思ってございます。
さらに、条約の話に関しては、まさに今足元で交渉中でございますので、予断を許さないというお話でございますけれども、日本の立場としましては、やはり実効ある取組、こういったものをしっかり進めていくことで、世界の対策をリードしていきたいということに尽きるかなと思ってございます。その意味では、条約の中でも、シングルユースプラスチックでありますとか、プラスチックの生産そのもの、もしくは化学物質、様々なところに対して論点、議論がなされているというところでございますので、こういったものをしっかり国内で対応できるような対策というところ、その中で必要に応じて制度、戦略、もしくは政策、こういったところでしっかり対応していくというのは当然必要になってくるかなというふうに思ってございます。
大迫先生のほうから、足元で材料リサイクル、ケミカルリサイクル、それぞれが活用される形で、自治体の分別、回収、リサイクル、こういったものが進んでいるというところに対してのお話を頂戴いたしまして、まさに受皿を広げていく、これが何より重要でございます。自治体の分別回収、そして企業への分別リサイクル、こういったところも今後拡大をしてまいりますので、それをしっかり受け止めるようなリサイクル体制、これを確保していくことが何より重要でございます。その上で、材料ケミカルそれぞれ、その強みを持っていると思ってございまして、特に再生材を様々な用途で利用していきたいと、こういったニーズも高まってございますので、その中で材料ケミカルのそれぞれの特性化を生かした最適な組合せというものが必要になってくると思いますので、それをしっかり生かしていけるような枠組みというものをしっかり考えていきたいというふうに考えてございます。
根村委員のほうから、1回目のペレット、フレークを超えた次のリサイクルというものをどう考えていくのかというお話でございますが、まさにペレット、フレークのような形で再生原料ができて、それが今ですと国内の日用品とか様々なもの、それをさらに高度な自動車とか家電とか、こういったものにも利用できないかという動きが広がってきております。
そういった製品に使われたものも、さらにそれを資源ごとに分けてリサイクルをして、ペットボトルもそうですけれども、ペットボトルがペットボトルリサイクルというところも何回も繰り返せるのかとか、その中でダウングレードみたいな話もございますし、それをケミカルリサイクルとか、またそれを素材として元に戻していくようなお話、これも全体的な組合せという話の中で進めていく、まさに資源を資源として回し続けていくその体制や技術革新も含めて、またその回収体制とかサプライチェーンのところも大きく関わってまいりますので、しっかり整備をしていきたいというところで、ダウンをしていかないようにどう回し続けていけるのかというところをまさに苦心しているところでございます。今後、しっかり取り組んでいきたいと思います。
最後になります。酒井先生から、認定製品の動きというお話でございます。
まさに今各業界のほうで、環境配慮設計のガイダンス、その国の指針に添うような、こういったものを準備いただいていると思ってございまして、今後それを国のほうに申請をいただき、その業界ベースの製品ベースのものとして、適切なものであれば認定を受け、指針の認定を受けられれば、その指針にのっとった個別の製品の認定というものをしていくことになります。その認定というものを受けた製品に関しては、グリーン購入法その他で、これを配慮できるようにこちらの準備を整えているところでございますので、企業の方の業界団体の申請と、それを受け止める国の手続と。その先にあるようなグリーン購入とか、それの促進策、これをできるだけ早く進めていけるようにしっかり取り組んでいきたいと思います。
以上でございます。
○循環型社会推進室長 失礼いたしました。循環型社会推進室の近藤でございます。
末吉委員について、すみません、回答が漏れておりました。大変失礼いたしました。
循環型社会はどうなっていくのかとビジュアライズする部分でございますが、これは先ほどのご回答と重なりますけれども、地域が変わっていく具体的な姿というのをお示ししていくことによって、ご説明したいと思っております。
また、絵のほう、少しコメントいただきました点については、何ができるか考えていきたいと思いますが、消費者の方の役割というところで、少し限定的に書いてしまった部分はありますが、循環計画の中でも、市民の方々の役割ということでまとめている部分がございまして、今後パンフレットも作っていく予定でございますので、ご指摘を踏まえて、その中で分かりやすくお示しできるように考えていきたいと思っております。
以上でございます。
○酒井部会長 事務局のほうから、質問にお答えいただけたかと思います。
それでは、ほぼ時間が参っておりますので、全体を通じて最後のご意見がございましたらお聞きしたいと思いますが、何かございますでしょうか。
○酒井部会長 それでは、内容的には結構厳しいこともございましたので、この後も引き続きよろしくお願いいたしたいと思います。
それでは、本日の議事は以上ということで、進行を事務局にお返しいたします。
○資源循環局総務課長 次回の部会につきましては、事務局から委員の皆様に改めてお知らせいたします。
以上で、本日の部会を閉会させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
進行を務めさせていただきます、環境省環境再生・資源循環局総務課長の波戸本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
委員の皆様におかれましては、ご多忙の中、ご出席いただきまして誠にありがとうございます。
本日は委員総数28名のところ、併せて22名の委員にご出席いただきまして、部会として成立しておりますことをご報告いたします。
本日は、環境省第2、第3会議室とウェブ会議システムのハイブリッド方式により開催させていただいております。オンラインでご参加の皆様におかれましては、マイクとビデオは発言いただく際のみオンとし、それ以外はマイクはミュート、ビデオはオフにしていただきますようお願いいたします。発言される際は、挙手ボタンでお知らせいただき、部会長からの指名を受けてからご発言をお願いいたします。また、会場の声が聞こえにくいなど、何かございましたらチャット機能等でお知らせください。
なお、会議の模様につきましては、環境省YouTubeでの同時配信により公開しております。
それでは、議事に先立ちまして、角倉環境再生・資源循環局次長よりご挨拶させていただきます。角倉次長、お願いいたします。
○環境再生・資源循環局次長 環境省環境再生・資源循環局の次長を務めます角倉でございます。
本日、ご出席の皆様方におかれましては、ご多忙の中、お集まりいただきありがとうございます。また、日頃より資源循環行政の推進に多大なるご尽力、お力添えをいただいておりますことを改めて御礼申し上げます。ありがとうございます。
本日は「廃棄物の減量その他その適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針」の変更についてご議論いただければと考えております。
また、併せて最近の動きについてもご報告させていただければと考えておりまして、一つは、先日、閣議決定いたしました「第五次循環型社会形成推進基本計画」について、さらには第10回廃棄物処理基準等専門委員会の開催、さらにはバーゼル条約におけるe-wasteに係る附属書改正とそれに伴う対応、さらにはPCB処理基本計画の変更、さらにプラスチック資源循環の促進に関する最近の取組状況について、事務局から報告させていただければと考えております。
委員の皆様には忌憚のないご意見をいただければと考えております。本日いただいたご意見を踏まえて、さらに私どもとして取組をしっかり進めてまいりたいと考えておりますので、本日はどうかよろしくお願いいたします。
○資源循環局総務課長 冒頭、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。
次に、お手元の資料を確認させていただきます。
本日は資料1と参考資料1から5まででございます。資料は事務局にて画面に投影いたしますが、必要に応じてあらかじめお送りしたファイルをご覧ください。
それでは、以降の進行は酒井部会長にお願いしたいと思います。部会長、よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 波戸本課長、どうも承りました。
今日の議題は、先ほど角倉次長からご説明がありましたとおり、廃掃法の基本方針の変更についてと、その他の報告事項ということでございます。
それでは、早速、一つ目の議事に入りたいと思いますので、まず資料1の説明を事務局からよろしくお願いいたします。
○資源循環局総務課政策企画官 それでは、議題1につきまして、資料1-1を基にご説明させていただきます。
今ご紹介いただきました件、一般廃棄物、産業廃棄物の適正な処理に関して定める廃棄物処理法の基本方針の件になってございます。この基本方針を改定するという話になりますけれども、昨年、令和5年に、中身につきましては、循環部会の皆様にご議論、ご意見いただきまして、見直しをさせていただいたところです。その際には、2050年カーボンニュートラルに向けた脱炭素化の推進等、廃棄物処理を取り巻く情勢が変化していることを踏まえまして、基本方針の内容のアップデートさせていただきました。
その際の主な内容といたしましては、2ページ目、2ポツの四つの矢羽根にありますように、全体的な方針といたしまして、廃棄物分野における脱炭素化の推進、循環経済への移行に向けた取組の推進を進めていくといったことの重要性を示しますとともに、一般廃棄物に関しまして、廃棄物処理施設整備の広域化・集約化といった観点を盛り込むなど、また産業廃棄物についてデジタル技術の活用等による動静脈連携といったことについて盛り込ませていただいたところになります。
このように内容につきましては、その際にアップデートしておりましたが、基本方針の中で目標値、廃棄物の減量化の目標量等を定めておりますが、こちらにつきましては、当時議論が始まっておりました第五次循環型社会形成推進基本計画の議論を踏まえて改定するということで、その際は改定がなされていなかったところです。今般令和6年8月に第五次の循環計画が閣議決定されましたので、その内容を踏まえまして、今回廃掃法の基本方針の目標値を改定させていただきたいというのが趣旨となってございます。
中身につきまして3ページ、4ページを基にご説明させていただきます。
基本方針の中で指標、目標値につきましては、現行は3ページ、4ページにございます①から⑭といったように定めております。一般廃棄物、産業廃棄物に分けまして、それぞれ排出量、出口側の循環利用率、最終処分量、最終処分量の残余年数といった主立った項目を指標として設定し、それぞれ目標年度に対する目標値を設定しているというものになってございます。基本的にこれを踏襲させていただきたいと考えておりますが、今般、第五次循環基本計画の中では計画効果を分かりやすく把握できる指標数に絞って整理するという観点から、一般廃棄物、産業廃棄物を分けずに出口側の循環利用率、最終処分量を指標として設定させていただくところになってございます。
循環計画はこのように少しまとめた指標を採用しておりますが、廃掃法の基本方針におきましては、詳細に把握する観点から現行の一般廃棄物、産業廃棄物を分けたままの指標とさせていただくことを考えてございます。
一方、第五次循環計画の議論の中で新たに追加された指標のうち、3ページの④にあります、「一人一日当たりのごみ焼却量」という指標がございますが、こちらにつきましては、廃棄物の排出抑制も重要ではありますが、その後の再生利用や処理過程の努力といったものを見ていくことも重要だと考えておりますので、廃掃法の基本方針においても、こちらを新しく指標として追加させていただきたいというふうに考えてございます。
また、それぞれの目標値につきましては、第五次循環基本計画の目標値と同様に現状の数字を基に、その上で排出抑制、再生利用、処理対策等の計画や基本方針に盛り込まれている取組を行った場合、どのように推移するのかという対策シナリオを設定しまして、その中にGDPや人口変化など社会情勢のトレンドを考慮、推計した値を設定したいと考えてございます。
例えば、①一般廃棄物の排出量を例に取りますと、現行は足元の最新の数字、令和4年度の4,000万トンになりますが、今申し上げたような対策シナリオを基にした推計値によりますと、令和12年度には3,700トンまで削減ができる見通しとなっております。その推計値を基に基本方針の書き方といたしましては、足元の数字に対してどのように増減する、目標値として設定するのかという書きぶりになりますので、令和4年度比約9%削減を令和12年度の目標とするといったような書き方をさせていただきたいというふうに考えてございます。
基本的にそれぞれの指標、目標値につきましては、同じような考え方で推計させていただいておりまして、参考資料といたしまして、7ページにこれまでの実績と現行の目標値及び変更後の目標値といったものについてグラフ資料としてご用意させていただいております。
基本的にこれまでの取組及び減少のトレンドを維持して、基本的には令和12年度の目標を目指して、今の減少のトレンドを維持していくという目標値になっているというふうに考えてございます。
資料の4ページに戻っていただきまして、一般廃棄物、産業廃棄物に関する指標については、今ご説明したような考え方で指標の設定、目標の設定をしたいと考えておりますが、現行の基本方針の中で⑫から⑭といたしまして、食品リサイクルですとか小型家電リサイクルに関する個別のリサイクル法に基づく取組に関する指標も設定させていただいていたところです。こちらにつきましては、目標値に向かいまして相当程度進捗があり、おおむね達成できていると。全てが100%達成できるわけではない指標もありますけれども、相当程度進捗しているということもございますし、個別のリサイクル法に基づきまして基本方針が設けられ、また検討体制が構築され、また予算事業につきましては行政事業レビュー等で各種リサイクルに対する取組の評価など改善が行われているところでありますので、廃掃法の基本方針におきましては、そのような個別のリサイクル法の取組も含め、全体の取組として一般廃棄物、産業廃棄物に関する排出量、最終処分量といった動向がどのようになっているのか、その成果を諮るというところに絞らせていただけないかと考えておりまして、今般の改定におきましては、⑫から⑭の指標につきまして、削除させていただいてはどうかというふうに考えているところになります。
指標、目標値の内容につきましての説明は以上となりまして、最後に簡単に今後のスケジュールについて、5ページを基にご説明させていただければと思います。
本日、ご説明申し上げました基本方針の変更の骨子案につきまして、皆様からご意見いただきまして、その意見を踏まえ修正したものを基に、今後パブリックコメントをかけさせていただくとともに、関係機関、都道府県への事前の協議をさせていただきたいと考えてございます。そのパブリックコメントや関係機関等との事前協議を踏まえた最終版につきましては、年内12月に次回の部会を開催させていただきまして、そこで最終案をお諮りさせていただきたいと考えております。その変更案についてご了承いただければ、年明け以降、法律に基づく公文の正式な協議を経まして、官報入稿等の手続を経て、来年、令和7年2月に公布、施行といった手順で進めていきたいというふうに考えてございます。
議題1につきましての説明は以上になります。よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。資料1-1の案件を説明いただきました。資料1-2も用意いただきましたが、これは法の中での新旧の対照表ということで見ておけばいいと、そういうことですね。
○資源循環局総務課政策企画官 資料1-2は、今説明申し上げた内容を基本方針に反映すると、こういうような形になるということで、内容としては、資料1-1と全く一緒のものになります。
○酒井部会長 それでは、ただいまのご説明にご質問、あるいはご意見がございましたらお願いしたいと思います。それぞれ発言の意思表示を、オンラインの方は挙手ボタンでお願いいたします。
それでは、こちらの対面でご出席の委員のほうからご指名してまいりたいと思います。崎田委員からでよろしいでしょうか。
では、崎田委員、お願いいたします。
○崎田委員 ありがとうございます。
将来の目標値に関して、コロナでいろいろと一般廃棄物の中の家庭系、事業系も大きな増減があって、非常にこの数字を出すのは大変な作業だったのではないかというふうに思います。
それで、最初に一つ質問させていただきたいのは、目標値を出すときに2020年からの4年間ぐらいの増減をどういうふうに対応したかというのを、まず伺っておきたいというふうに思います。
最終的には、今日本は2050年カーボンニュートラルに向けて歩んでいる中で、循環の分野も大変重要なわけですので、できる限りごみ減量とか、そういうところを進めていかないといけないというふうに思っていますので、そういうコロナの状況などをきちんと考え、あるいはその部分は数字の上で検討せずに、その前の辺りからの流れでの数値を生かしているとか、その辺の状況を一つご説明いただければありがたいというふうに思います。
それらを伺ってからのほうがいいかもしれないのですが、私は、例えば②番目の一人一日当たりの家庭系ごみ排出量というのを数字だけ見れば、きちんとご検討いただいているのですが、後ろの7ページのこれまでの指標をグラフで見ていただくと、これまでの目標値よりもかなり高い数字にして、ごみ減量が難しいだろうという配慮をしていただいているのですが、そういう配慮をしていただいたほうがいいのか、もう少し厳しい数字を出していただいたほうが社会のごみ減量意欲は続くのではないかという思いがありまして、質問しております。よろしくお願いいたします。
最後に意見として、もう一点、最後に⑫から⑭について、ほかのリサイクル法などで対応しているということで、今回削除してはというご提案に関しては賛成したいと思います。
それぞれ大変重要なのですけれども、食品ロス、家庭系の家電とか小型家電、それぞれに進んできておりますので、そちらのほうでしっかりと把握していただくということでよろしいのではないかと私も思います。こういうこと外すときに、これまでしっかりと進んできていて、そういうところが定着してきているので、その分野の指標としてきちんと考えてもらうとか、何かしっかり取組が続いているということを評価するようなコメントがあったほうがいいのではないかなという感じもいたしますので、それが今後公表されるときなどにご検討いただければいいかなというふうに思います。よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 ありがとうございました。
それでは、オンラインのほうから高野委員、大迫委員、山口委員の順でご発言していただきたいと思います、
高野委員、お願いいたします。
○高野委員 高野でございます。
まず今日のご説明、第五次循環型社会形成基本計画に盛り込まれた目標値と整合を取る方向性には異論はなく賛成です。その上で、産業廃棄物に関する目標についてコメントと質問をさせていただきます。
ご説明いただいたスライド3には、⑥産業廃棄物排出量、⑧産業廃棄物の最終処分量の目標値が記載されていますが、とりわけ最終処分量の目標値には少し違和感がございます。
経団連では、循環型社会形成自主行動計画に基づき、産業廃棄物最終処分量を削減しております。最新の調査によりますと、2022年度における最終処分量は2000年度実績比78.1%の削減を達成しておりますが、2018年度以降の産業廃棄物最終処分量の実績は、ほぼ横ばいで推移しています。実態としては、産業廃棄物の再資源化率が既に100%に近い水準まで達した業種が出ていることや、そもそも再資源化が難しい廃棄物もあるという認識です。また、再資源化によるエネルギー消費量の増大など、他の要素への配慮も必要であると考えます。
こうした状況にあって、近年、経団連の自主行動計画における産業廃棄物最終処分量の削減余地は、限界に近づいていると言わざるを得ないと思います。もちろん産業廃棄物の中には、経団連の行動計画ではカバーしていない分野、例えば上下水道や農業分野のものもございますので、経団連の立場のみから目標値で評価しかねる部分があることは承知しています。
こうした状況で環境省にご質問したいのは、この目標の出どころを第五次循環計画における目標値の算出過程で設定した値と記されておりますけれども、どのような考え方や前提で設定されているのかについて教えていただきたいと思います。
例えば先般、中環審・産構審合同で太陽光パネルの廃棄・リサイクルの問題に関する検討が開始され、その中で太陽光パネルの推定排出量は2030年半ばから増加して、最大50万t/年程度に達する見通しが示されております。太陽光パネルをはじめとする新たな産業廃棄物の増加要因についても、この目標値の算定に勘案されているのかについてもお伺いしたいと思います。
以上でございます。
○酒井部会長 高野委員、ありがとうございます。
続いて、大迫委員、どうぞ。
○大迫委員 ありがとうございます。
私のほうからは、コメントになりますけども、基本的には今回の指標とその目標値の設定に関して異論はございません。その上で、今後この目標値に関して、特に一般廃棄物の指標に関しては、各自治体が一般廃棄物処理基本計画の中でまた参考にして、目標を設定されていくというところもございますので、この数値の意味合い、どのような取組をしたら、こういう数値目標が達成し得るのかというような部分に関しては、国としてもきちっとリーダーシップを発揮して、具体的な取組に関してガイドしていただくと。例えば、ごみ処理の基本計画策定指針もそろそろ改定の時期になっているかと思いますが、そういった中でも、あるいは一般廃棄物の処理システム指針とか、そういった中でも検討を深めていただきながら、自治体のほうに情報発信していただきたいというのが趣旨でございます。
特に一般廃棄物の出口の循環利用率、リサイクル率、そちらに関しては、資料の中で後のほうで出てきたトレンドを見てみましても、なかなか野心的なといいますか、かなりチャレンジングな数値目標になっております。今現在で、20%程度を26%まで上昇させるということについて、一つは4月にこの部会の会合で出てきたような国際比較をされていた興味深いデータがあったと思うのですけども、つまり日本は民間回収を自治体があまり捕捉していないので、それを入れると欧州並みになりますよというような趣旨のデータでしたが、自治体によっても民間が関与しているリサイクルに関しての部分を結構捕捉しているところ、あるいは全く捕捉していないところ、あるいは一部捕捉しているというふうに結構違いがあって、そういったものがリサイクル率にも影響しているところもありますし、そういった部分で、その辺りの数値の意味合いをどう自治体で個々に事情を酌みながら考えていただくかというようなところもガイドしていただく必要があるかなと思います。
それから、やはりこの数字を上げていくためには、例えば生ごみの厨芥類のリサイクルをどうしていくのかというところが多分大きな課題ですし、プラリサイクルをさらに推進していくということ。それから、紙ごみの雑紙についても、まだまだ検討の余地があるというところで、その辺りへの施策を具体的にどのように自治体に対して方向性を示していくのかというところは、我々も含めて今後課題かなと思っておりますので、その点、コメントとさせていただきました。
以上でございます。
○酒井部会長 大迫委員、どうもありがとうございました。
それでは、続いて山口委員、そしてその後、木村委員としたいと思います。
山口委員、どうぞ。
○山口委員 栃木県庁の山口でございます。ご説明、ありがとうございました。
今回、廃掃法の基本方針の数値目標につきまして、排出量や出口側の循環利用率など、一般廃棄物と産業廃棄物に分けていただきましたので、今後、各都道府県の廃棄物処理計画の見直しに当たっての参考とさせていただきたいと思います。
2点、ご質問させていただきます。
1点目ですが、資料の3ページ、指標の③と⑦の出口側循環利用率の数値についてですが、様々な理由があって現行の基本方針より目標値が低くなっているものと思いますが、第五次基本計画ですと、2030年度の目標値が約44%となっております。これが基本方針になりますと、同じ目標年次で一般廃棄物が約26%、産業廃棄物が約37%となっておりますが、この目標値の設定理由を教えていただきたいと思います。同じ名前の指標ということでしたら、できるだけ整合性を取っていただきたいというふうに思います。
それから2点目ですが、資料4ページの⑪産業廃棄物の最終処分場の残余年数についてでございますが、目標値が令和12年度に17年分を維持というふうになっております。この17年分についてですが、最終処分場には遮断型、管理型、安定型がございますけれども、3種類それぞれに17年分を維持するということを目標としているのか、平均して17年分なのか、それともほかに考え方が何かあるのか、どのように考えればよろしいか、教えていただきたいと思います。
私からは以上です。どうぞよろしくお願いいたします。
○酒井部会長 山口委員、ありがとうございます。
それでは、続いて木村委員、お願いいたします。
○木村委員 自治労の木村でございます。ご説明ありがとうございました。
1点だけ。スライドの3にございます目標値の中の、今回追加されました④一人一日当たりごみ焼却量、約580gというこの数値ですけども、今後パブリックコメントもやられるということで、今お聞きしたのですけども、この数値については今回追加されたということで、誰に対してお示ししたものなのでしょうか。
といいますのも、ごみを減らしていくという目的で目標数値を示すということは、当然異論はございませんけども、この数値目標が、例えば国民個人向けということであるのであれば、なかなか個人レベルで、例えば水分を含んだ生ごみと紙ごみでは、同じ580gであっても、見た目といいますか体積は全然違うと思いますし、自分自身が出しているごみの量や燃やされている量を個人が把握するのは、なかなか容易ではないというふうに思います。循環型社会の形成を目指していくためにも、国民一人一人の主体な取組が必要であって、そのためには、こうした数値目標を掲げるとともに、一人一人の行動変容や、何をすれば減らせるのかが分かるようになるための理解の周知活動であったり、個人が出すごみが燃やされている量が自分のこととして分かるような啓発活動も、併せて実施されるようにお願いしたいというふうに思います。
1点だけ質問させていただきました。よろしくお願いします。
○酒井部会長 ありがとうございます。
また続いて、手が挙がりましたのでご指名いたします。
髙橋委員、どうぞ。
○髙橋委員 ありがとうございます。髙橋です。
大変丁寧なご説明いただきまして、ありがとうございます。
幾つか質問というかコメントをさせていただきたいと思います。
まず②番目ですけれども、一人一日当たりの家庭ごみの排出量のところなのですが、440gから今回478gということで、先ほど崎田委員がおっしゃったように、コロナとか、そういったいろんなことがあったかなというふうに思うのですけれども、数値が増えているということで、算出の基準というか、そういうことについては丁寧にご説明いただきましたので、理解はいたしますけれども、ちょっと後ろ向きなイメージを与えてしまうのではないかということが心配されております。いろいろなデータからフォアキャスティングで数値を出すということも理解はできるのですが、バックキャスティングで目指すべき姿から出していくということも考えていいのではないかなというふうに考えております。
とりわけ、先ほども生ごみの話が出ましたけれども、循環型社会、あるいはこれからさら焼却ごみも広域化していくとか、輸送等々を考えても、生ごみを減らすということで大幅な減量ということも望めるでしょうし、技術的にもコンポストだけではなくてバイオマスがどんどん進んできておりますので、こういった分別を進めるというのは合理的でもあるかと思いますので、そういったことも含めて考えていくということが重要ではないかと思いました。今回入れるかどうかは別として、長期的に検討していくべき課題だというふうに思いましたので、申し上げたいと思います。
次に、③一般廃棄物の出口側循環利用率にも同じことが言えまして、家庭ごみの中で大体3割4割ぐらいを占める生ごみが半分でも取り出せると、随分変わりますので、そういったことも考えていいのかなというふうに思いました。
⑦番、私はあまり産業廃棄物については詳しくないのですが、こちらの印象としてなのですけれども、資源循環利用率、これも1%下がっているということで、ここもどうしてなのかなということが気になりましたということと、あとこういった下がった場合には、少しなぜそうなっているのかというようなことについて、例えば脚注補足を入れるとか、そういったことがあってもよろしいのかなというふうに思いました。
あと、その次のページのところでございます。⑫、⑬、⑭の個別リサイクル法について、そちらで明記するので削除するということについては、私も異論はございません。ただ、こちらも見え方として、そこだけぱっと見てしまうと、削除してしまって後ろ向きになってしまっているというイメージがないように、何かここも別の計画の中で方針を立てて数値があるんだよというようなこととかを示していく必要があるのではないかと思いました。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
それでは、資料1への質問、ご意見は以上かと思います。
一旦、事務局のほうにマイクをお渡ししたいと思います。
○循環型社会推進室長 循環型社会推進室の近藤でございます。いろいろとご意見、ご質問いただきまして、ありがとうございます。
第五次循環基本計画の関係のご質問が多くございましたので、私のほうから簡単に今話せる内容についてご説明申し上げたいと思っております。
まず崎田委員のほうから、コロナの関係の影響について、指標値を定める上でどういうふうにとらえたかということでございまして、これは循環部会、また指標ワーキングのほうでもいろいろ議論がありまして、2020年から2022、3年ぐらいまでのトレンドにつきましては、コロナの影響かどうかということを、いろいろ数値を見ながら、その後も継続するものかどうかということを判断しながら、数値の設定のほうに反映させていただいているというところでございます。
また、大迫委員、それから髙橋委員のほうもお話がありましたけれども、一日一人当たりのごみ排出量について、若干引き下げているというような形になっていて、後ろ向きではないかというお話がございまして、ここのところも、その当時に前の数値を定めたときの状況を踏まえて、少し高めの目標の設定になっていた部分がありましたけれども、今回その後のトレンドを踏まえまして、そこまでは難しいかということで、少し落としている部分はございますけれども、かといって、当然目標を達成するうえで役割の大きい分野について、しっかりここで後押しできるような形で5年間の施策を進めていくということを考えておりますので、目標という意味で言えば、トレンドをある程度勘案せざるを得ないということがございますけれども、その部分は施策の中でしっかりと進めていきたいと考えてございます。
それから、高野委員から太陽光パネルの話を含めまして、産業廃棄物の排出量の設定についてのお話がございましたけれども、これも同様でございまして、過去のトレンドというのを反映する、特に産業廃棄物につきましては、建設廃棄物、最近公共工事が減っているという部分もございまして、重量のある非鉄金属、こういうもののリサイクル率がやや足踏みをしているということもありまして、全体としては、それを踏まえた設定になっている部分もございます。これは髙橋委員のほうかからもお話がありました産業廃棄物の出口側循環利用率の部分も、そういうものも影響しているとお考えいただければと思っております。
太陽光パネルにつきましては、今回新しく小委員会のほうで各先生方も力もお借りしながら、ある一定の前提を置いて推計を出しておりますけども、これは産業廃棄物全体のほうでいきますと、産業廃棄物全体としての排出量のトレンドをベースに考えておりますので、太陽光パネル特出しで積み上げて作っているものではございませんので、そういう意味でいうと、ちょっと別物というふうにお考えいただければなと思っております。
生ごみ、プラ、それから雑紙等もいろいろと余地あるというお話、大迫委員のほうからいただきました。その部分につきましても、プラについては戦略もございますし、生ごみを含む食品系の廃棄物、これはまだ深掘りの余地があって、今施策的にも重要視をしている部分がございまして、全体としてうまく進むように施策を組んでいきたいと思っております。
あと、一般廃棄物と産業廃棄物の出口側の循環利用率、全体として44%なのに26%、37%となっているのはどうしてなのかという原因につきましては、ちょっと今手元に資料がございませんので、別途調べてお返しする形でよろしいでしょうか。
○資源循環局総務課長 少し追加で、木村委員から④の新しい項目の追加ということがございました。
この辺り、じゃあ、個人の皆様を含め、世間の行動変容を促すという意味からも、一人一人の一日当たりごみ焼却量を減らすというところも、非常に重要な要素になるというふうに考えているところでございます。
他方で、じゃあ、これに対してどう取り組めばいいのかというところはあると思います。これはいろいろな形で、我々としても周知していく必要があると思いますので、まさに的確なコメントをいただいたなと思っておりますので、こういったことを踏まえてしっかり取り組んでいきたいというふうに思います。
髙橋委員から、例えば削除する⑫から⑭や、あるいは指標として、少し従来のものよりも目標がよくなかったのではないかということについて、もう少し丁寧に説明したらいいのではないかと、例えば脚注に入れればどうかというふうなコメントをいただきました。この辺についても、何ができるかということを考えさせていただきたいというふうに思います。
以上です。
○資源循環局廃棄物規制課長 高野委員のほうから、最終処分量の削減の目標についてご指摘があったところですが、数値目標自体は、先ほど近藤からお話があった考え方で、トレンドに従って数値目標を見直したということだということでありますけども、具体的に今後、再資源化事業等高度化法が先だっての国会で成立もしまして、産廃処理業界を含めて廃棄物資源循環業界も再資源化の取組というのを全体の底上げをしていくと。こういった部分の中で、どうしても最終処分しなければいけないものは、最終処分場が必要になるのですけれども、可能な限り減量化して資源化していくという動きを、資源循環業界のほうで動きをつくっていきたいと思っておりますので、こういった業界を資源循環の分野にどんどん力を入れるような形を取っていけば、排出事業者側もスコープ3対策で、できるだけ資源循環の取組をする業者さんのほうに委託したりというふうになっていけば、先ほど経団連さんが定めている数値目標も、おのずとさらにもっと深掘りしたことができるのではないかなというふうに思いますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。
あともう一つ、山口委員からご指摘がございました遮断型と安定型と管理型ということであります。遮断型処分場については、基本的に数は少ないので、⑪番目の目標というところの部分については、そのとおりに適合するというものではないのだと思うのですが、数値の内訳としては、これは平均で安定型と管理型のそれぞれの残余容量を足し合わせてやっているというふうに思いますが、数値についての考え方は調べて、また再度ご報告するという形を取りたいと思います。
○酒井部会長 事務局のほうからご回答いただきました。今の事務局のご発言を踏まえまして、追加でのご発言はございますでしょうか。
では、会場のほうから、村上委員から手が挙がっておりますので、お願いします。
○村上委員 どうもありがとうございます。
出口側の循環利用率の話、さっき聞いた件なのですけど、細かいところは私もよく覚えていないのですけど、循環基本計画に載っている出口側循環利用率というあれは、ごみの循環利用率ではなくてマクロマテリアルフローの循環利用率なので、そもそも廃棄物にならないやつが入っているので、全然違うものの話をしている気がしますというのが一つと、それに関連して、一般廃棄物の出口側利用率ってそもそもよく分からないと思うので、今回は言葉を変えろとまでは言いませんけれども、いささか違和感がある言葉だなと、今聞いていて初めて思ったのですが、私も今頃気がついて申し訳ありませんというところでありますけれども。その辺がやや分かりにくいので、説明の追記等をしていただければよろしいのかなと。たしか四十何%と、日本全体の物質移動の中での出口側循環利用率の記述だったような気がしますので、そんなことかなと思います。
以上です。
○酒井部会長 粟生木委員、どうぞ。
○粟生木委員 ありがとうございます。
追加で一つだけ質問させていただければと思うのですけれども、⑨廃棄物エネルギーを地域を含めた外部に供給している施設の割合のところで、目標年度が令和9年度になっているというところで、まず1点目として、令和9年度が目標値なので、令和9年度の時点で何か見直し等をされるご予定とかはあるのかというところをお伺いしたいという点と、基本計画の同じ指標、基本計画中にもあるのですけれども、基本計画中でのリファレンス先が廃棄物処理施設整備計画になっているというところなので、時系列的にどれをどうリファレンスして、こちらの出どころも第五次循環基本計画になっていて、リファレンスの時系列が若干混乱しているというところがあります。
いずれにせよ、令和9年度の時点で見直し等をされる予定があるのかどうかということをお伺いしたいというのが質問です。
というのも、広域化、集約化というところが基本方針に入っているので、かつ循環経済への移行に向けたというところもあるので、何らかここら辺の数値はきちっと見て、かつ再検討する必要があるのかなというところも印象として持ったというところがあります。
以上です。
○酒井部会長 会場から、崎田委員、どうぞ。
○崎田委員 ありがとうございます。
先ほど、②一人一日当たりの家庭ごみの排出量に関して質問させていただきました。そのときに、コロナの影響のことの配慮などに関して質問し、お答えいただきました。いろいろとご配慮いただきつつ出していただいたということがありますが、私が発言させていただいたのは、配慮をして作っていただいたのはありがたいけれども、ごみ減量の意欲をしっかり高めるような形で、みんなで厳しい視点でしっかりと社会が共に取り組んでいけるような目標値を出していただいたほうがありがたいというふうに思って発言いたしました。
先ほど、高橋委員のご発言にもありましたけれども、これまでの目標値よりも大幅に上げていただいているというのは言い方がおかしいのですが、上がっているのが、もちろん家庭でのテイクアウトで中食が非常に増えたとか、いろんな社会的要因がありますけれども、リデュース、リユース、リサイクルを徹底して、ごみを減らそうという大きな流れはやはりありますので、もう一度考えていただいてもいいのではないかと、もう一度発言させていただきます。よろしくお願いします。
○酒井部会長 では、会場はこれで2回目はよろしいですね。
それでは、オンラインのほうから大久保委員、どうぞ。
○大久保委員 ご説明ありがとうございました。
私も、まず最初に各委員から出された主な質問にありましたように、目標値の数値がどのように出されたのかということが分かりにくいものが幾つかありました。
私の発言の趣旨は、今後パブリックコメントをかけていくときに、この資料だけを出すと、市民の方からは、同じようにこの数値がどう出たのかが分からないという、そういうコメントになり得るのではないかということが気にかかっておりまして、先ほど髙橋委員から、少し説明の注書きをつけたらどうかというようなご意見がございましたけれども、せっかくですのでこのような機会を捉えて、何をすればどこが減り得るのかということを示すことができるように、この資料とは別に、簡単なものでも結構ですので、何がネックになっているのか、特に目標値が下がっている部分について説明を加えたり、あるいはここがもっと減れば目標値がもっと上げられると考えたというようなことについて書ける部分があれば、1枚紙でもいいので資料を少し出して、議論が進むような、あるいは意欲が進むような形にしてはどうかというふうに考えました。
特に今回、サーキュラーエコノミーを循環計画でかなり強調したのにもかかわらず、⑦で数値が下がっているように見えてしまうのは、なかなか理解しにくいところだと思いましたので、発言させていただきます。
以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
それでは、2回目のご意見が出ましたので、もう一度、事務局にマイクをお渡しします。
○循環型社会推進室長 循環型社会推進室の近藤でございます。ご意見をありがとうございます。
貴重なご意見をいただいたと思っておりまして、確かにご指摘のように、第五次計画のほうで下がっている部分、これは過去のトレンド踏まえた見直しということではあるのですけれども、まさにおっしゃるように、これからまさに深掘りしていくということに当たっては、なぜそうなったのか、そこから先どう余地があるのかということは確かに説明をしっかりしていくという部分は必要でございますので、今いただいたご意見を踏まえて、また崎田委員からのお話も踏まえて、その部分をしっかり説明できるように検討したいと思っております。
また、令和9年の廃棄物エネルギーを地域に含めた外部に供給していく施設の割合という部分につきましては、別途定めた数値目標をここに持ってきている部分ではございますけれども、計画の点検の中で見直されましたら、新しいものに従って確認していきたいと思ってございます。
○資源循環局総務課長 総務課長の波戸本でございます。
改めて、近藤の発言と重なるところはあるかもしれませんが、大久保委員からいただきましたように、これは数字を出すだけではなくて、これをご覧いただいて、じゃあ、どうすればいいのかというような問題意識を持たれる方にしっかりと答えを出すというような形で、何かできるのか、少し考えさせていただきたいと思いますので、非常にいいコメントをいただきました。ありがとうございました。
あわせて、今回分かりにくかった部分は確かにあると思います。村上委員のご指摘を踏まえて、各指標の分母・分子ではないのですけれども、何が計算の対象になっているのかということについて、かみ砕いた形でご説明できるような形にしたいと思います。ありがとうございました。
○酒井部会長 それでは、今日の資料1関係のご意見、ご意見としては十分にいただいたと思いますし、また、事務局としては真摯にお答えいただいたと思っております。
今後どうするかということを含めて、最後にお諮りさせていただきたいと思います。
今回提示いただいた指標、トレンド図を明確につけていただきましたので、今回は旧目標と新目標との関係性といったところも、委員の方々が十分把握できるような状況をつくっていただいたということに、まずもって私からお礼申し上げます。前日のお願いでございましたけれども、うまく対応いただきましてありがとうございました。
そうした上で、7ページのグラフを拝見いたしますと、トレンド線上におけるいい指標がある一方、ある意味で非常にチャレンジングな目標を掲げたんだけれども、今十分達成見通しがない。であるがゆえに、無理のない現実的な目標に見直しているという、ありていに言えば、そういったところに二分されると思います。こういうところは、やはり現実との兼ね合いの中での指標をどう考えるかというところで、一定やむを得ないところということで、委員の方々も理解いただけるのではないかと思いますが、何より重要なのは、今後の資源循環なり、あるいは脱炭素なりの取組が、どうこの指標に反映されるのか、どう取り組めるのか、あるいは取組と指標との関係性がどのような強度であるのかといったようなところのある種の効果分析的な、どういう取組が今後必要になるのではないかというふうに思います。それはひとえに、今後環境省が施設整備として何を取り組んで、あるいはそれに基づいてどう国民、市民にこういった形での行動をお願いしていくかといったところに入ってきて、初めて数字の意味が出てくるものかと思います。そういった面で、指標と政策との関係性については、今後もう一段踏み込んで、ぜひお考えいただきたい。これは中長期としてのお願いという点も含めて、まとめの一つにさせていただきたいと思います。
さて、今回の基本方針の変更について今後の手順をどうするかということにつきましては、先ほど今回の資料の説明だけでなく、追加的な説明を考えると事務局のほうで言っていただきましたので、その方向で、ぜひいい作業をしていただきたいと思います。
これ、循環基本計画から整合性を全部取った数字だという説明がございましたが、実は循環基本計画のときは、ここへ出ている指標以外にも新たな概念の指標が多く登場しておりまして、どちらかというと、そちらの議論は相当にできていたのです。例えば、一人当たりの天然資源消費量といった指標が、第五次循環基本計画では登場しているのです。ですから、ここに提示している以外の脱炭素の関係の指標も出ておりますし、そちらの議論が中心だったので、実は個別の指標の見直しのところの数字的な背景とか、あるいはその意味とかといったようなところは、実は十分に議論できていなかったというのが実態であったと思います。それが幸い、こういう形で接合する別の基本方針の中で出てきておりますので、これをぜひいい機会ということで、先ほどの追加説明といったところで、周りに十分伝わるような形で提示いただくという、こういう方針で進めさせていただければどうかと思っています。
そういう点で、今回の資料に関しては、基本的には修正を要すると、まず理解をさせていただきます。通常こういうときには、事務局と、そして座長に一任いただけますかというふうに皆さんに問いかけるのですけれども、事務局に対しては突然で申し訳ないのですが、一旦説明資料ができた段階で、この循環部会の委員には1回、書面ベースで結構でございますので、やり取りをしていただくことをお願いします。そこで合意を得た上でパブコメに出していただくという、そういう手順を取っていただきたいと思いますが、事務局、その方針に関して認めていただけますでしょうか。
○資源循環局総務課長 承知いたしました。その方向でやらせていただきます。ありがとうございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
という方針で臨みたいと思います。今のやり取りでご異論のある方はございましたら、委員の方、発言の意思を示していただければと思います。いかがでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
○酒井部会長 では、オンラインの方からも手が挙がりませんので、今の方針で、それでは今日の資料1、廃掃法の基本方針の変更の手続を進めていただきたいというふうに思います。大変な作業になるかと思いますけれども、ぜひいい制度になるように期待しております。
それでは、つぎの議題に行かせていただきます。議題は一つにくくって、その他ということで、事務局から、報告事項とは言え、重要な課題も多くございますので、全ての報告事項を事務局から説明していただいた後、まとめて質疑応答という時間にさせていただきたいと思います。十分時間を取っていますので、よろしくお願いいたします。
まずは近藤室長のほうから参考資料1、これは循環基本計画ですね。よろしくお願いします。
○循環型社会推進室長 循環型社会推進室の近藤でございます。ありがとうございます。
参考資料1につきまして、簡潔にご説明申し上げます。
循環型社会形成推進基本計画、今お話にありましたとおり、8月に無事に閣議決定をいただきまして、6月に本循環部会のほうでご議論いただいたものからパブリックコメントにかけ、その意見を反映する形でまとめさせていただいております。
また、振り返りになりますが、1ページおめくりいただきまして、これまでの変遷というところでございますが、横軸が環境面、縦軸が経済・社会面に着目して施策の展開ということで、一次、二次、三次と3Rに注力してきた段階でありましたが、第四次、第五次と経済面・社会面にもインパクトを与える形で資源循環を進めていこうということで、第五次では、その文脈をさらに明確化したということでございます。
具体的には、産業競争力の強化、経済安全保障、また地方創生、質の高い暮らしということにしっかり貢献していくような形で、資源循環を進めていこうというような目標を打ち出してございます。
2ページをご覧いただきますと、その文脈について少し詳しめに解説をしてございます。
環境制約への対応のほうは、資源循環が36%のGHG削減に貢献可能ということもありますし、また、天然資源を取ってくるということが環境に与えるリスクが高いというふうな国際的なレポートがありますので、資源循環、気候変動、それから生物多様性と、一体的な策と進め得るということだとここに示してございます。
また、経済面でいきますと、世界的に見れば、EUを中心として再生材利用を強化する動き、これは規制的な動き、あるいは自主的な動き等でございます。また資源価格、これは鉱物だけではなく、食料、飼料といったものも高騰しておりますので、そういう意味でしっかり日本に入ってきた飼料を使い切るという循環利用を徹底していくということが大事ということを文脈として掲げてございます。
また、地方の文脈でいきますと、地域の人口が減っていく、経済が縮小していく中で、コストをかけて処理をしていた廃棄物から付加価値を生み出して、地域の経済の力にしていくと。また、あるいはリユース・リペアということで、新しいリユースというものも生んでいく。また、様々なロスを減らしていくということで、暮らしの見直しということにもつなげていければと考えてございます。
3ページをおめくりいただきまして、今回の第五次計画のポイントとしまして、循環経済への移行ということを今大きく掲げたということで、付加価値を作っていくということを前面に出してございます。
4ページをご覧いただきますと、五つの柱ということでございまして、まず1.は下のほうでございますが、ここで循環経済への移行をしっかり進めていくんだということをうたいまして、2.はそのための事業者間連携ということで、製造・小売業、それから廃棄物リサイクル業の方々の間で、よりコミュニケーションをよくして、使える材を増やしていくということ。それから、3.のほうは地域の部分でございまして、地域の経済の力にしていく、廃棄物をコストをかけて処理をしていたものを付加価値に変えていくといったことを地域地域で進めていくといったことをまとめてございます。4.の部分は基盤の部分でございまして、適正処理、あるいは廃棄物処理施設の集約化、広域化、あるいは東日本対応をしっかりしていくといったことをここに掲げてございます。また、5.ということで、国内外の一体となった資源循環、それから日本の循環産業の海外展開を引き続き推進していくということをまとめてございます。
それをもう少し詳しくしたものが5ページでございまして、まず経済の部分でいきますと、右側の部分でございます。大きく分けて二つございます。
徹底的な資源循環の部分につきましては、今お話がありました高度化法の円滑な施行、あるいは製造業・小売業、それから廃棄物リサイクル業の連携を強化するためのプラットフォームをうまく作って使っていくということ。あるいは機械化・AI化ということで、新しい技術も出てきていますので、それを活用して、より高度なものを供給、それから量を増やしていくといったこと。あるいは太陽光パネルの制度化の検討が始まりましたところ、また資源循環を進めていくに当たっては、ネットワークの拠点となる設備、あるいは国内外の一体化ということを考えますと、港湾といったものを視野に入れて、整備を進めていくといったことを進めていくことで考えております。
また、国際的な資源循環という意味でいいますと、資源循環性の自主的枠組みについての議論が本格化しておりますので、日本としても適切なインプットをしていく、あるいは電子スクラップの再資源化への貢献、あるいは金属スクラップの不適切な処理の防止といったことも進めていく必要がございます。
それから、地域の部分でいきますと、左側のところでございまして、地域で出てくる特性のある廃棄物、あるいは循環資源を目指していく形のモデルをつくっていくこと、それを地域で指導していく人材を育成していくこと、あるいは小型家電、建設リサイクル、あるいはストックの利用といったこと、また、新しいビジネスモデル、リユース・リペア等を展開していく必要がございます。
こういうことで、第五次計画を全体として進めてまいりたいと考えてございます。
6ページは、これをもうちょっと身近な形で分かっていただけるように図示をしたものでございまして、今後、循環計画をPRしていく中で活用していきたいと思ってございます。
あと、最後に7ページ以降、循環計画の流れの中で、今回循環経済の位置づけに関する関係閣僚会議というものが新設されたということについて、簡単なご報告でございます。
7月に総理が長野を訪問された際に【参考】の部分、二つ目の四角の3行目、4行目辺りになりますが、地方創生と経済成長を同時に実現するような取組だということで、しっかりこれを国家戦略として進めていく。また、関係閣僚会議を新設するということをお話になりました。
それが実際に開催されたのが8ページでございまして、7月30日、循環計画について案の了承ということと、政策パッケージを年内に取りまとめるようにという指示がありまして、関係省庁と連携をしながら、取りまとめに動いていくということになろうかと思います。
最後の9ページ、その後、8月に車座対話、サーキュラーエコノミーについて2回目が開かれまして、一番下の部分でございますが、政策パッケージの取りまとめについて、改めて言及がありましたのと、あとはこのような車座対話のようなものを全国で進めていくというようなご発言もあったということで、以上、ご報告になります。ありがとうございました。
○酒井部会長 それでは、続きまして、廃棄物規制課の松田課長のほうから、六価クロム化合物、e-waste、そしてPCB基本計画ということで、ご説明いただければと思います。よろしくお願いします。
○資源循環局廃棄物規制課長 それでは規制課長の松田ですが、参考資料2から4の三つのテーマについてご報告させていただければと思います。
まず、参考資料2の廃棄物処理基準等専門委員会の開催についてでございます。
今年度、久しぶりに廃棄物処理基準等専門委員会を開催しようということで、この委員会自体は、本日ご参加いただいています大迫委員に委員長を務めていただいているということでございますけども、酒井部会長から任命いただいた委員の方で構成されるメンバーで、廃棄物最終処分場の排水基準等の見直しについて議論いただこうというふうに思っております。
背景としては、もともと水質汚濁防止法のほうで六価クロム化合物について、もともと0.05mg/Lという水濁法の地下水の浄化基準だったものを0.02mg/Lのほうに浄化基準を強化して、排水基準を定める省令については、六価クロム化合物の許容限度を0.5mg/Lから0.2mg/Lに改めると、こういう動きがございました。この点については、さらに源流にたどっていきますと、水道水質基準が食品安全委員会の健康影響のエビデンスの評価が少し強化されたということを受けて数値が低くなったということであります。
こういう六価クロム化合物の基準の強化への対応に加えまして、これも水道水質基準のほうの指標が変わったということが源流にあるのですけども、水質汚濁防止法に基づく排水基準を定める省令の中で、大腸菌群数という数値の基準がございましたけども、指標について大腸菌数に変えていく見直しがあったということでございます。
こういうことで、従来から水質汚濁防止法の排水基準の見直しに併せて廃棄物処理法に基づく最終処分場の排水基準、こちらのほうの改正というのもこれまで併せて検討してきたという経緯もございますので、今般、廃棄物最終処分場の排水基準等の見直しということで、六価クロム化合物と大腸菌群、それぞれについて基準の見直しと指標の見直し、こちらについてご議論いただこうというふうに思っております。
それが一つと、もう一つはし尿処理施設、こちらについては、もともと大腸菌群の基準がし尿の処理ということであったのですけども、これについても併せて大腸菌群数から大腸菌数に指標を変えるというような方向で、技術的にどうかというこの点について、ご審議いただこうというふうに考えているというところで、その点、ご報告ということでございます。
その次の資料として、参考資料3でございます。e-scrapの話でございまして、先ほど近藤室長からも、国際的なe-scrapについて、日本でもっと資源循環を進めていこうという話がございましたけれども、今の国際的な動向でいうと、2ページ目を見ていただくと、最初の1ポツ目でございますけれども、今から約2年前の令和4年6月に有害廃棄物の規制を行うバーゼル条約の附属書の一部が改正されて、これまでは条約の対象外であった非有害なe-waste、これを新たに規制対象にしようと。従来は有害物質を含むe-wasteだけか規制されていたのですけれども、それを新たに規制対象にしようということが決定されたと。これによって、条約の対象物については有害・非有害にかかわらず、全てのe-wasteが条約の規制対象となったということで、これが令和7年1月1日から発効するということになったと。
そうすると、実際にバーゼル条約の見直しに伴ってOECD加盟国間の移動とか、そういった部分の運用についてどうするのかというところについて、具体的にOECD加盟国間で議論を始めたというところなのですけど、この経緯については、この資料だけではなかなか分かりにくいところがございますので、ページ数でいうと、4ページ目と5ページ目を見ていただければと思います。
参考1にe-scrapの国内・国際リサイクルの現状というふうにあるのですが、日本はOECD加盟国間中でもe-scrap、廃電子基板や端材等のリサイクル量が非常にトップであります。これは日本の非鉄金属関係の精錬業の皆さん、今日ご参加の関口委員のDOWAさんも含まれますけども、そういったところが実際の生活環境に全く問題ない形で、e-scrapから金や銀などの貴重な資源というのを抽出して、まさに都市鉱山としてその資源を提供していくと、こういうこと進めてきているわけでございまして、こういうe-scrapの輸入量というのは、非常に2020年には43.5%まで増加して、OECD加盟国からの輸入が約4分の3を占めているということで、今後さらにアジア、ASEAN地域のところからのe-scrap調達を進めていこうではないかと、こういった流れの中で、バーゼル条約の規制は実際に手続が煩雑になってきて、これは我々の国で非鉄金属の精錬会社様が行っている適正処理の中で進める部分で言えば、そこまでやらなくてもいいという部分のところが、より課されていくのではないかと、こういう懸念もある中で、OECDでの交渉というのを5ページ目のほうにありますけど、進めてきたというところでございます。
こちらのほうの5ページ目にもあるとおり、OECD加盟国間といろいろと、それぞれの国のお考えというのも、厳しくすべきだというところもあれば、我が国と同じように、共同歩調で、こういう移動について、できるだけ自由に進めるべきだという国も、いろいろあったわけですけども、基本的には、赤字で書かれていますけど、「廃基板類を始めとするe-scrapの規制はOECDで統一ルールを定めず、各国がそれぞれ決定することとなった。」と。日本においては、引き続き一部の手続を適用除外としていくという部分で、先ほどご説明をしたとおり、できるだけ電子スクラップの国際的な再資源化体制というのを確立していくんだと、こういう下でこれまでずっと交渉してきたということでございます。
それで、またページ数を戻っていただきまして、2ページ目のほうになりますけども、こういった国際交渉の部分の中で、2ポツのところにございますけども、日本においては、輸入については全ての国からの輸入において、また輸出は相手国がOECD加盟国の場合、引き続き一部手続を簡素化していこうと、こういったことで決着したと。
加えて、今般、改正附属書の発効に伴って、いずれにしても非有害なe-wasteがバーゼル法の対象になるということでありますので、範囲省令を改正して、また規制対象に該当するか否かを判断する税関のほうで、いろいろ審査するためのe-waste該非判断基準、こういったものを策定しようということで、環境省内で検討して、有識者会議でもお諮りをして、現在パブリックコメントを実施しているというところでございます。
今後、10月下旬に改正省令の公布、また該非判断基準の公表を行って、1月1日の施行に間に合わせたいというふうに思います。
次の3ページ目に、範囲省令の改正ということで、かなり技術的な内容ではあるのですけど、非有害なe-wasteが今般対象になるということで、範囲省令の改正をするというものであります。
いずれにしても、各国間との手続の部分については、先ほどお話ししたとおり、できるだけ簡素化して、e-scrapの国際的な資源循環に日本として、これは官民挙げて進めていこうということで、今動いているということでのご報告でございます。
もう一つは、参考資料4にPCB廃棄物についての動きがございますので、この点についても紹介させていただければと思います。
PCB廃棄物について、特に濃度が高い高濃度PCB廃棄物というのは、いわゆる国が主導して、JESCO法に基づいて、JESCOが高濃度PCBの処理を行うという部分の中で、PCB特措法に基づいて、JESCOの五つの施設でこれまで処理を進めてきたという経緯がございます。今般、この処理体制が変わるというところで計画変更ということなのですが、その点について、2ページ目の資料だけだと非常に分かりにくいと思いますので、3ページ目と4ページ目を見ながら、少しご説明させていただければと思いますが、まず4ページ目のほう、このPCB廃棄物処理事業を今までどう進めてきたかというところなんですが、昔から高濃度PCBも含めてカネミ油症事件、こういったものが起きて、その後しばらく処理する施設がないというところで、各地に保管をしていただくという時期があったわけなのですけども、2001年にPCB特措法が成立して、国が主導して全国5か所、北海道(室蘭)、東京、豊田、大阪、北九州の立地自治体の皆様のご理解ご協力の下で、JESCOでの処理施設というのが順次設置されたという経緯がございます。
その際に、処理期限を延長したり、またPCB特措法の改正をして、使用中の高濃度使用製品を期限内に処理をするということで義務づけをしたりする動きもございましたけれども、ちょうどこの3ページ目のほうの地図を見ていただければと思いますが、五つの事業所のうち、この北九州と大阪と豊田の事業エリアがこの令和5年度末、今年の3月をもってPCB処理を予定どおり終了するということになりまして、今年の4月以降に新たに西日本地域で発生したものの扱いをどうするのかというところで、昨年12月21日に北海道と室蘭市に、環境大臣名で西日本のPCB廃棄物について、令和7年度が室蘭の事業終了の予定期間なのですけど、その間に処理をさせていただけないかという要請をさせていただいたということでございます。
今年の7月9日に室蘭市の青山市長、あと北海道から伊藤環境大臣に要請について、いろいろ受入条件は提示されたのですけど、その承諾をもって同意しますというお話がございまして、西日本のPCB廃棄物について受け入れるという方向になったということでございます。
それによって、今後室蘭で西日本地域の地域で発生したものを処理していただくというために、PCB廃棄物処理基本計画を見直しまして、この変更案にあるとおり、北海道事業所の対象物に、北九州、大阪、豊田エリアで発生したものを、JESCO北海道事業所で処理を実施するということで変更する。この基本計画について、各省協議も行いまして、この8月30日に閣議決定を行ったということであります。
実際に搬入するのは令和7年度になってから、集中搬入期間を設定してということになろうかと思いますが、今JESCOのほうで、西日本地域で発生したPCB廃棄物についての処理に向けた登録を今月から開始していますので、我々としても鋭意準備を進めていきたいと思います。
このPCBについては以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
それでは最後に、参考資料の5でプラスチック資源循環の促進についてということで、容器包装・プラスチック資源循環室の井上室長から説明をお願いいたします。
○容器包装・プラスチック資源循環室長 ありがとうございます。井上でございます。
参考資料5に基づきまして、レジ袋有料化の施行の状況とプラスチック資源循環法の施行状況について、少しご報告させていただければと思います。
お手元の資料のスライド1のほうをお開きいただきますと、レジ袋有料化の実施状況、施行の状況でございます。
足元、コンビニエンスストア、スーパーマーケットというところで、レジ袋辞退率というものを真ん中辺りに載せてございますけれども、有料化実施前と比べて5割増し、3割増しで今70%を超える形で、順調にレジ袋を辞退する状況が定着をしていると。こういう状況が見てとれると思います。
左下、ドラッグストアに関しても同様に大きく削減が進み、レジ袋の国内流通量そのものも7万t、8万t、これぐらいの削減が進んでいるという状況でございます。ということで、レジ袋有料化は順調に推移していると言えると思います。
また、スライド2のほうをご覧いただきますと、プラスチック資源循環促進法、法律の全体をつけてございますけれども、この中で環境配慮設計、あとはワンウェイプラスチックのリデュース、そして出てきたものの自治体、事業者による回収、リサイクル、こういったものを法律で位置づけているところでございますが、それぞれの実施状況をご報告さしあげます。
スライド3をお開きいただきますと、まず環境配慮設計の1点目のところでございますが、国のほうでこの設計指針というものを明示してございまして、こちらの指針に沿う形で業界別、製品分野ごとに優れた設計を国が認定して進めていくという仕組みにしてございます。
スライド4のほうをお開きいただきますと、今現在、環境配慮設計を各業界に求めているところでございまして、容器包装中心でございますけれども、石鹸洗剤から始まりまして、様々な業界のほうで、この容器包装、そしてプラスチック製品、こういったものに対する環境配慮設計のガイドラインというものを進めていただいているところでございます。
また、こういったものを業界団体のほうで環境配慮設計の状況というものを広くお知らせするような、右下にあるような、そういった設計事例の検索みたいなものを公表している動きもございます。というので、環境配慮設計が進みつつあるという状況が見てとれると思います。
また、スライド5のほうをお開きいただきますと、各社の状況、既に環境配慮設計を実施している製品というところを参考に載せてございます。構造的な減量化、長寿命化みたいなところを各社進めているようなものを、上の青いところでそれぞれ枠囲みの中でお示しをしている例、さらに下のほうの赤い枠囲みのところですと、材料、再生材を利用している、もしくは右下のほうでございますが、バイオマスプラスチックの素材転換を既に実現をしているような日清さんみたいな例というところを載せているというので、環境配慮計画、各製品、容器のほうに進展している状況が見てとれると思います。
以上が1点目の環境配慮設計の動きでございます。スライド6のほうをお開きいただきますと、2点目のワンウェイプラスチックのリデュースのお話でございます。6ページはこの仕組みのほうを載せてございまして、おさらいでございますけれども、フォーク、スプーン、その他のカトラリー、あとアメニティと、ハンバー、カバー、こういったものが先ほどのレジ袋にプラスして、このプラスチック法の中で削減対象、排出抑制の対象となってございます。
これに対する取組状況をスライド7以降でまとめてございます。お開きいただければと思います。
各社の取組状況を少しまとめている状況でございますが、ファミリーマートさんがカトラリーの有料化、この試行実験を既にスタートしているというところでございます。
また、右側でクリーニングの回収、これを見える化するような動きでありますとか、各社使用量の削減目標みたいなところを下のすかいらーくさん、帝国ホテルさんみたいなところで、幅広い業態のほうで取組が進められていると思います。
さらにスライド8のほう、下をご覧いただきますと、各業界団体ベースでカトラリー等のワンウェイプラスチックに関しての削減目標もしくは実施状況、こういったものを各団体ベースで、スーパーマーケット、クリーニング業界、あとホテル業界、こういったところで進められているという動き、さらに個別の製品のところ、アメニティ、ハンガー、カトラリーのところを、各社削減の取組というものが進められているというところをまとめているので、ご参照いただければと思います。
というので、ワンウェイプラスチックに関しては、レジ袋をはじめ容器包装の削減という話と併せて、このワンウェイプラスチック、幅広いところで取組が進められているというところを見てとれると思います。
さらにスライド9をおめくりいただきますと、これを側面支援していくという動きが自治体のほうから進んでございまして、群馬県のほうでプラごみの削減の取組を後押しをしていくような制度を運用されていたりとか、松本市のほうで削減の取組のミッションを掲げていて取組を進められていると。こういう形で、地域を挙げて削減の取組の後押し、これを進められているという状況でございます。
以上が2点目のリデュースの取組でございます。
続きまして、スライド10以降で、廃棄された後の排出・回収・リサイクルのところのご説明をさせていただければと思います。
スライド10のほうは、まず自治体のほうの分別回収の話でございまして、これまで容器包装リサイクル法に基づく容器包装の回収のみでございましたが、プラ法の施行の後は、プラスチック製品、製品プラスチックの回収も併せて実施ということになってございます。
スライド11をご覧いただきますと、大きく進め方として、これまでの容器包装リサイクルルートに乗せた指定法人ルートでのリサイクルというのが(1)、(2)のほうが新しくプラ法に基づく大臣認定で一気通貫にリサイクルするような仕組み、再商品化計画と呼んでございますが、こういった2通りのルートを設定してございます。
それぞれの状況につきましては、スライド12以降でご説明いたします。
まずスライド12のほうで、指定法人のルートで、容器包装とプラスチック製品の両方をまとめて回収してリサイクルをしているという動きのところが、全国87の自治体で11万5,000tを超えるような回収が進んでいるというのが1点目の状況でございます。
さらにスライド13、14をお開きいただきますと、国のほうで認定する再商品化計画、こちらが全体15件ございまして、スライド13、14で一覧に示してございますが、大都市も含めて、自治体のほうでリサイクル事業者と連携しながら、リサイクルを進めていくような動きが進んでいるということが見てとれると思います。
さらにスライド15をご覧いただきますと、製造・販売事業者の自主回収・リサイクルといった取組を進めていくような枠組みをプラ法のほうでつくってございますが、その実施状況はスライド16でございまして、現在花王、セキスイとかイオンディライトをはじめとする製造・販売をした事業者さんによる自主回収・リサイクル、こういったものが取組として進められているということでございます。
さらにスライド17をお開きいただきますと、いわゆる排出事業者、産業廃棄物のプラスチックに関しても、リサイクル、再資源化というものを進めていくための枠組みはプラ法のほうでご用意してございますが、スライド18をお開きいただきますと、排出事業者、リサイクル事業者の連携による事業認定というのが計5件進んでございまして、いずれも食品の包材から歯ブラシ、あと風車のブレードとか多種多様な産業廃棄物、廃プラスチックの回収・リサイクルが進んでいるという状況でございます。
ということで自治体、事業者それぞれによる分別・回収・リサイクルの取組も、この法律に基づいて進展が進んでいるという状況だと思います。
以上が、現在足元のレジ袋の有料化、またプラスチック資源循環法の促進の施行状況でございました。
以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
それではただいまの説明、全体を通して、どの話題に対してでも結構ですので、ご質問がございましたらお願いしたいと思います。同じく名札を立てる、あるいは挙手ボタンでお願いいたします。
幅広い話題を説明いただきました。それでは、崎田委員から参りましょうか。よろしくお願いします。
○崎田委員 ありがとうございます。
いろいろな制度をしっかりと進めていただいて、ありがとうございます。
それで、まず最初に参考資料1の「循環経済を国家戦略に」に関して一言申し上げたいのですが、やはり循環経済という視点でしっかりと循環型社会をつくっていく。国家戦略として取り組むという、非常に明確な意思を示して取り組んでいただくということは、大変大きく期待をしたいというふうに思います。
そういう意味で、今回首相も循環経済に関してコメントされたという、こういうようなことも広げて、産業界の皆様もどんどんやる気になっていただくというのは大事だと思っております。
6ページの「循環型社会の将来像」という絵があるのですけれども、こういうふうに見える化していただくのはありがたいのですけれども、今回の循環経済のこの輪は、地域の循環の場合と、その輪を大きくする場合と、いろいろなケースがあるというふうに思っています。もし地域の循環のイメージで言えば、この絵のところで、例えばそれぞれの自治体がうまくコーディネートして地域の多様な人をつないで、こういう輪を作っていくんだという、何かそんなことも見えてくるとうれしいなと思いますし、もう少し大きな循環の輪であれば、また違う表現もあるかなというふうに思いますので、今後社会に示すときにより分かりやすいというか、いろんなチャレンジをしていただくとありがたいかなというふうに思いました。どうぞよろしくお願いいたします。
本当は全部質問したいのですが、参考資料4のPCBに関して、長い年月、本当に丁寧にこの制度をつくり、だんだん最後の終盤に入ってくるということで、私は関係する方の努力に敬意を表したいというふうに思っています。
なお、一つ質問させていただきたいのは、この過程で低濃度PCBのことが非常に話題になり、そちらのほうも仕組みをつくったりされていますが、低濃度PCBの処理に関しては、高濃度の今回の部分とは全く違う動きで成り立っているのか、ちょっとその辺の様子だけお話を伺えればありがたいなというふうに思いました。
なお、プラスチック資源循環の促進については、この制度の検討にも関わらせていただいたのですが、ここまで進展したというのは大変感慨深い印象を持って伺いました。ぜひこういうような事例を、例えば相対的にどのくらいの効果を上げているとか、何か分かりやすい数字であるとか、何か非常にみんなが共感するような先行事例を、少し具体的にこの中からもお示しいただくとか、何かこういう成果を分かりやすく発信していただくということを少し考えていただくと大変うれしいなというふうに思いました。よろしくお願いします。
○酒井部会長 ありがとうございます。
それでは、オンラインで指名させていただきます。篠木委員、大塚委員、大迫委員の順番で行きたいと思います。篠木委員、お願いします。
○篠木委員 篠木です。ご説明いただきありがとうございます。
私が質問したいのは、参考資料1の2ページの部分になります。こちらで、環境制約への対応を含めた3本の柱が示されていますが、ご質問したいのは3番目の地方創生・質の高い暮らしという部分になります。
先ほども、地域の力をいかに生かしていくのかというご説明がありました。個人の幸せの質が人それぞれであるというのと同様に、地方もそこがどのような地域なのか、海があるのかとか山があるのか、あるいは人口構造がどうなっているのか、または産業の構造や経済状況がどうかで、地方における特性や望ましい生活の在り方というのが異なっている可能性があります。それを地方がそれぞれ自分たちで、自分たちが目指す生活の在り方を切り取っていって、そこに向かって進んでいくということが恐らく理想であろうと思うのですが、一方で急速な少子高齢化や人口減少というものがある中で、そういった質や地域の特徴を生かして、自分たちの生活を向上させていくことができるほどに、地方は体力が残っているのかという疑問が若干ございます。
現時点でこういった道筋を示す中で、今後どういったサポートが可能なのか、具体的にこういうことができるのではないかということがございましたら、教えていただければと思います。
以上です。
○酒井部会長 ありがとうございます。
大塚委員、どうぞ。
○大塚委員 一つはe-wasteなのですけども、交渉を頑張っていただいて大変よかったと思っていますが、ちょっと細かくて恐縮ですが、この一部の手続を簡素化するというところは、具体的にどういうところかがちょっとよく分からなかったので、もし可能でしたらちょっと教えていただければと思います。それは、この省令の中での手続ということになるのでしょうかということも含めて、教えていただければありがたいというのが第1点です。
それから第2点ですが、プラスチックの資源循環の促進のほうですけども、ちょっと二つございまして、一つは今崎田委員がおっしゃったことと関連しますが、非常によく進んできていると思いまして、関係者の方に敬意を表したいと思いますけども、さっき認定がスライド15のところで五つ出ていて、再資源化事業計画のほうでも五つ認定が出ていますけれども、マイルストーンとの関係とかで、これは着実に進んでいると言えるのかというところがちょっと問題になるかもしれないので。もともとこの制度は、自主的なところを結構重視した法律になっていますので、ちょっとそこは法律の制定ときから心配はされていたのですけど、そこは大丈夫ですかということをちょっと伺いたいというのが第1点です。
それからもう一つは、まだ今交渉中なので、ちょっと気が早い話になるかもしれませんけど、プラスチック条約が採択されたときには、この現在の制度は関係者の人の利害があると思うので、あまりガラガラポンというわけにはいかないと思うのですけども、どういうふうになっていくのかと、ちょっとこれは今聞いても早過ぎると言われそうな感じもしますが、もし何かコメントしていただくことがあればお願いしたいと思います。
以上でございます。
○酒井部会長 ありがとうございます。
では、続いて大迫委員、どうぞ。
○大迫委員 ありがとうございます。
プラスチックリサイクルについての質問ですけども、体系的にご説明いただいて、大変よく分かりました。ありがとうございます。
その中で、ページ13とか33条認定の話の中で、実績がかなり増えてきたということで大変期待されるところなのですが、これまでの材料リサイクル中心だったところに、ケミカルリサイクルも入ってきているというところが、一つ変化が出てきたかなという感じがしているのですが、今の段階では、こういう受皿をどんどん広げていくというところ自身が重要視されるべきというふうには思いますけども、将来的に材料リサイクルの優先性みたいな話ということは、容器・包装リサイクル法での入札等もありますけども、そういったところとの並びの中で出てくる可能性があるのかどうかとかそういったところ。ちょっと難しい質問かもしれませんが、ご質問したいと思います。
○酒井部会長 ありがとうございます。
それでは、こちらの会場のほうから、根村委員、どうぞ
○根村委員 根村です。ありがとうございます。
まず参考資料1なのですけれども、私たちがここで話し合ってきたことを的確におまとめいただきまして、ありがとうございます。シート6に将来像が書かれておりまして、この中で「情報開示」というのがこれからの課題になっていくのではないかと思っておりますので、ぜひ環境価値に関する表示を伴った多様な選択肢の提供という部分を進めていっていただきたいと思っております。
もう1点、プラスチック資源循環の促進についての参考資料5でございます。レジ袋であったり、ワンウェイプラスチックの削減などは、一般消費者の行動変容ということで、協力ができ、成果も上がっていてすばらしいなと思っております。
本当に素朴な質問になってしまうのですけれども、プラスチック製品が再商品化されますよね。今そう進んでいるかと思うのですが、1回目は何かしらに、多分ペレットとかフレークとか、そういったものになっているかと思うのですけれども、それは当然そこで終わりではないと思うので、次にどうリサイクルされていくかというところがよく分からないので、その辺について方向性などがありましたらぜひご教示いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 今オンラインで、末吉委員から手が挙がりましたので、どうぞ。
○末吉委員 どうもありがとうございます。ご報告もありがとうございました。
私からは参考資料1について、1点意見を申し上げます。
今こちらのスライドに出ております6ページ目について、私も一つ申し上げたいのですが、循環型社会が実現したときに、自分たちの社会というのはどういう姿になっているのかというのをビジュアライズするためにも、やはりこういった将来像を出していただくのは非常によいなと思ったのですが、こちらのイラストだけだと、いまいちまだ将来像が想像できにくいというか、そもそも円になっているのですけれども、円に入らないようなパーツも入っていたりとか、生活者のところが「リペア」「リユース」「シェアリング」しか載っていなくて、不十分なのかなとか。あとは「天然資源の消費抑制」のところも、天然資源が円の中に太く矢印で入っていて、すごく細かくて申し訳ないのですけれども、若干分かりづらいなというふうに感じました。
先ほど崎田委員からも、地域によっても違うのではないかという話もありましたし、もう少しだけ具体的に、こういった将来像というのもビジュアライズできるようなものを作っていただくといいのではないかと感じました。
以上です。
○酒井部会長 今回も多くの質問をいただきました。事務局、順にマイクを回していただければと思います。
私からも2点だけすみません。
e-wasteの関係ですけれども、量的な意味で、4ページのところにOECD加盟国の処理量として、79万tという量が紹介されている一方、2030年までに世界のe-wasteの量は7,470万t、7,500万tと、量が2桁違いまして、ここのところの説明をいただきたいというのが私の質問です。これはe-scrapとe-wasteと定義が違うから、これだけ違うんだということの説明で尽きるのかどうか。あるいは、これは推定している主体がそれぞれ違っていて、少し不確実性もありますねという、そういう理解をしたほうがいいのかというところで、数字にこだわって申し訳ありませんけれども、そこの説明をいただきたい。
それから、あとプラスチックの関係ですけれども、環境配慮設計が4ページで7団体進みかけたこと、これは非常に喜ばしいことだと思うのですが、いかんせん相当時間がかかってここまで来ているということもあるのですけれども、今後、認定製品の指定というステージというのはいつ頃、どう見通しが立ちそうかといったところ、可能であればお答えいただきたいということで質問させていただきます。
それでは、順番に言っていただくのか。お願いいたします。
○循環型社会推進室長 ありがとうございます。循環型社会推進室の近藤でございます。いろいろとご意見いただきまして、ありがとうございます。
崎田委員からご意見をいただきましたこのイメージ図の部分ですけれども、ちょっと具体的な大きな理由があるのではないかというご指摘は、まさにそのとおりでございまして、これはこれで全体としての像としてお示しをしておりますけども、今徐々に循環基本計画の説明会を各地で始めておりまして、その中では各地域では具体的な事例を分かりやすく説明するということで、パワーポイントなんかを使いながらやっておりますのと、あとはちょっと後のご説明にも重なる部分はあるのですが、やっぱりうまくいっているところは、どういうふうにうまくいっているのかというところをやっぱり解きほぐしてあげて、何がきっかけで始まってどういうふうに広がっていくのかというところをストーリー的にお示ししていくということも大事かと思ってございまして、こういうものも今調査を進めておりますので、そういうやり方も併せて、地域にしっかりお示ししていくことで、イメージを具体的に持っていただければなと思ってございます。
それから、篠木委員からご意見をいただきました地方に体力があるのかというお話でありまして、今いろいろと申し上げたうまくいっている事例を分析しておりますと、やはりない物探しというよりはあり物探しをしているというところがございました。ある物を使って、どういうふうにしていくのかということを地域で考えている部分もありますのと、あとはやっぱりよそ者ではないのですけども、外の地域でノウハウを持っている人を引き込んできたりとか、あるいは企業版ふるさと納税みたいな形で外部の企業さんの力を借りる、あるいは海外の技術なんかも導入するという形で、外とのつながりをうまくつくること、あるいは人的な交流もありますけども、こういったことによって地域の力を生かしていく形をつくっていくということがございまして、これは自治体だけではなくて、今まで把握しているところでいきますと、例えば協議会とかフォーラムとか第三セクターとか法人化とか、地域のいろんな主体が乗りやすいような仕組みをつくってうまく進めているという事例が多くございますので、今申し上げたとおり、これにつきましても調査を進めて、ストーリー的に展開の部分をしっかりご説明して、地域の後押しをしていきたいということでありますのと、あとは来年度の予算の中で、今回は人材育成ということで、やはり廃棄物のほうは廃棄物を出す人から、それを再生資源にする人、それから買う人までつながっていかないとチェーンがつながりませんので、うまく地域でコーディネートしていく、実践していく人材育成みたいな事例を、うまくガイダンス的な形で示していくということと、人材育成のプログラムをつくっていくというような予算要求を今進めておりまして、これをまずしっかり実現していくことによって、サポートを強化していきたいと思っております。
あと、根村委員から情報開示のほうは課題があるということで、しっかり進めてくださいというお話、まさにそのとおりでございまして、例えばリユースでいけば、個々の製品ごとというのはなかなか難しいのですけども、今年度の事業の中で、例えばパソコン、例えば机、例えばワイシャツという形で、これをリユースすると、どれぐらいGHG削減効果があるのかということをお示しすべく、今数字を整えておりますし、またファッションで言えば、JASFAという団体さん、アパレル業界の中でサステナブルファッションに先進的な団体さんのほうは、自らGHGの排出削減量の推計方法を策定したいということで、地球局のほうの事業に応募しまして、自分たちでこのデータを整理して決めていこうということもしておりますので、こういうものをしっかりPRして発信していきながら進めていきたいと思っております。
以上でございます。
○資源循環局廃棄物規制課長 e-scrapの件と、それとPCBの件について、私のほうから説明をします。
まず、大塚委員からご指摘があった日本における一部の手続の簡素化はどこまでするんだということなのですが、これは廃基板類、e-scrapに関しては、日本側が本来行う確認とかそういった手続については、もう不要にしますと。ですので、そういう廃基板類をいろいろな国から輸入する際には、日本側が行う取組としては、もうそこは不要にします。相手側国は通告とか、そういった手続を行うということは、国によってやられるとは思うのですが、その点は日本側としてはしないということであります。一方で、それ以外のe-wasteもありますので、こちらについては確認するところも出てくるというところであります。
あと、酒井部会長からもお話があった件でございますけども、こちらの数値については、まさにe-wasteとe-scrapで、ここはちょっと定義が違うという部分で、e-wasteがより広い範囲で、e-scrapはその中でも特に貴重な廃基板類ということであると思いますので、それによってオーダーが違っているということであるかと思いますが、念のため、私どもまた再度確認をしておきたいと思います。
あと、崎田委員からお話がございました、今日お話ししたのは高濃度PCBの処理体制の変更ということだったのですが、実は高濃度もあれば低濃度もあるということで、濃度が低いものについては、こういうJESCOで処理をするまでもなく、いわゆる民間の焼却炉のほうでもできるということで、環境大臣が認定する無害化認定施設、こちらのほうは焼却施設が中心ではあるのですが、洗浄というのもあるのですけども、全国で30か所ほどあるのですが、こちらのほうで処理をするということになっています。
PCB特措法に基づいて、こちらの低濃度PCB廃棄物についても、今あるものについては令和9年3月までに処理しなければならないというふうになっていますので、こちらも低濃度PCBの廃棄物をできるだけ処理していただくように、我々も地方公共団体と連携して取り組んでいるということであります。
○容器包装・プラスチック資源循環室長 最後に私のほうから、プラスチックの関係で多くのご質問、ご指摘をいただきましてありがとうございます。
まず、崎田先生からお話しいただいた数字とか先行事例、そういったものを生かした分かりやすい発信、ご指摘のとおり、まさにこれが必要だと思っておりまして、プラスチックの資源循環戦略、先ほど大塚先生からもお話いただきました。こういったリデュース、リユース、リサイクル、そして再生材とかバイオプラスチック代替素材の転換というところの大きな数字に向けて、どう寄与しているのか。こういったところも見ていかないといけないと思いますし、そこの個々の取組というところが、まさにそれぞれのキーになってございますので、まだそれが市民の方、自治体の方、企業の方の参考になっていただけるような形で、しっかり発信をしていきたいというふうに思ってございます。ありがとうございます。
また、大塚先生から、マイルストーンは着実に進んでいるのか、自主的な取組という話で大丈夫かと、こういったご指摘を賜りまして、まさに自治体の資源回収、こういった取組もマイルストーンの達成のためには必要不可欠だと思ってございまして、今年度も含めて、自治体からの分別回収をさらに広げていこうという動きというのは拡大してございますので、こういったところが必要十分かというところを、まさにマイルストーンの進捗管理というところと合わせて確認しつつ、必要に応じて政策というところはしっかり強化していくということを考えていきたいと思ってございます。
さらに、条約の話に関しては、まさに今足元で交渉中でございますので、予断を許さないというお話でございますけれども、日本の立場としましては、やはり実効ある取組、こういったものをしっかり進めていくことで、世界の対策をリードしていきたいということに尽きるかなと思ってございます。その意味では、条約の中でも、シングルユースプラスチックでありますとか、プラスチックの生産そのもの、もしくは化学物質、様々なところに対して論点、議論がなされているというところでございますので、こういったものをしっかり国内で対応できるような対策というところ、その中で必要に応じて制度、戦略、もしくは政策、こういったところでしっかり対応していくというのは当然必要になってくるかなというふうに思ってございます。
大迫先生のほうから、足元で材料リサイクル、ケミカルリサイクル、それぞれが活用される形で、自治体の分別、回収、リサイクル、こういったものが進んでいるというところに対してのお話を頂戴いたしまして、まさに受皿を広げていく、これが何より重要でございます。自治体の分別回収、そして企業への分別リサイクル、こういったところも今後拡大をしてまいりますので、それをしっかり受け止めるようなリサイクル体制、これを確保していくことが何より重要でございます。その上で、材料ケミカルそれぞれ、その強みを持っていると思ってございまして、特に再生材を様々な用途で利用していきたいと、こういったニーズも高まってございますので、その中で材料ケミカルのそれぞれの特性化を生かした最適な組合せというものが必要になってくると思いますので、それをしっかり生かしていけるような枠組みというものをしっかり考えていきたいというふうに考えてございます。
根村委員のほうから、1回目のペレット、フレークを超えた次のリサイクルというものをどう考えていくのかというお話でございますが、まさにペレット、フレークのような形で再生原料ができて、それが今ですと国内の日用品とか様々なもの、それをさらに高度な自動車とか家電とか、こういったものにも利用できないかという動きが広がってきております。
そういった製品に使われたものも、さらにそれを資源ごとに分けてリサイクルをして、ペットボトルもそうですけれども、ペットボトルがペットボトルリサイクルというところも何回も繰り返せるのかとか、その中でダウングレードみたいな話もございますし、それをケミカルリサイクルとか、またそれを素材として元に戻していくようなお話、これも全体的な組合せという話の中で進めていく、まさに資源を資源として回し続けていくその体制や技術革新も含めて、またその回収体制とかサプライチェーンのところも大きく関わってまいりますので、しっかり整備をしていきたいというところで、ダウンをしていかないようにどう回し続けていけるのかというところをまさに苦心しているところでございます。今後、しっかり取り組んでいきたいと思います。
最後になります。酒井先生から、認定製品の動きというお話でございます。
まさに今各業界のほうで、環境配慮設計のガイダンス、その国の指針に添うような、こういったものを準備いただいていると思ってございまして、今後それを国のほうに申請をいただき、その業界ベースの製品ベースのものとして、適切なものであれば認定を受け、指針の認定を受けられれば、その指針にのっとった個別の製品の認定というものをしていくことになります。その認定というものを受けた製品に関しては、グリーン購入法その他で、これを配慮できるようにこちらの準備を整えているところでございますので、企業の方の業界団体の申請と、それを受け止める国の手続と。その先にあるようなグリーン購入とか、それの促進策、これをできるだけ早く進めていけるようにしっかり取り組んでいきたいと思います。
以上でございます。
○循環型社会推進室長 失礼いたしました。循環型社会推進室の近藤でございます。
末吉委員について、すみません、回答が漏れておりました。大変失礼いたしました。
循環型社会はどうなっていくのかとビジュアライズする部分でございますが、これは先ほどのご回答と重なりますけれども、地域が変わっていく具体的な姿というのをお示ししていくことによって、ご説明したいと思っております。
また、絵のほう、少しコメントいただきました点については、何ができるか考えていきたいと思いますが、消費者の方の役割というところで、少し限定的に書いてしまった部分はありますが、循環計画の中でも、市民の方々の役割ということでまとめている部分がございまして、今後パンフレットも作っていく予定でございますので、ご指摘を踏まえて、その中で分かりやすくお示しできるように考えていきたいと思っております。
以上でございます。
○酒井部会長 事務局のほうから、質問にお答えいただけたかと思います。
それでは、ほぼ時間が参っておりますので、全体を通じて最後のご意見がございましたらお聞きしたいと思いますが、何かございますでしょうか。
○酒井部会長 それでは、内容的には結構厳しいこともございましたので、この後も引き続きよろしくお願いいたしたいと思います。
それでは、本日の議事は以上ということで、進行を事務局にお返しいたします。
○資源循環局総務課長 次回の部会につきましては、事務局から委員の皆様に改めてお知らせいたします。
以上で、本日の部会を閉会させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
午後2時52分 閉会