中央環境審議会循環型社会部会(第42回)議事録

開催日時

令和4年6月27日(月) 15:00~17:00

開催場所

WEB会議システムにより開催

議事次第

(1)第四次循環基本計画の第2回点検及び循環経済工程表の策定について
(2)その他(報告事項)

議事録

午後3時01分 開会
○奥山課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会循環型社会部会を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、ご多忙にもかかわらず、ご出席をいただきまして誠にありがとうございます。
今回もWEB会議で開催させていただいておりますが、よろしくお願いいたします。
会議の運営についてのお願いでございますけれども、ご発言いただく際にのみ、音声をオンとして、それ以外の時間はミュートとしていただきますようお願いいたします。また、ビデオにつきましては、ご発言の際のみ、任意でオンにしていただければと思います。
 ご発言される際には、挙手ボタンでお知らせいただき、部会長からの指名を受けてからご発言をお願いいたします。
会議の模様につきましては、環境省YouTubeでの同時配信により公開をしております。
本日は、委員総数28名のところ、23名の委員の方にご出席をいただき、部会として、成立しておりますことをご報告いたします。
 それでは、議事に先立ちまして、本日は室石局長、出張のため、土居次長のほうからご挨拶をさせていただきます。
土居次長、お願いいたします。
○土居次長 本日は、ご参画いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日も前回に先立ち、引き続きまして、今回の部会におきましては、第四次の循環基本計画の第2回点検と循環経済工程表の策定につきまして、ご審議をお願いいたします。
 また先月、ドイツで開催をされましたG7環境・気候・エネルギー大臣会合で採択をされました資源効率性、循環経済に関しますベルリンロードマップをはじめといたしまして、最近の資源循環に関します政策についてご報告をさせていただく予定でございます。
 委員の皆様におきましては、ぜひ、忌憚のないご意見をいただければというふうに考えております。
本日もどうかよろしくお願いいたします。
○奥山課長 次に、お手元の資料の確認でございますが、資料1、それから参考資料1~10まででございます。資料は、事務局にて、画面に投影いたしますけれども、必要に応じてあらかじめお送りしたファイルをご覧ください。
それでは、以降の進行につきましては、酒井部会長にお願いしたいと思います。
 酒井部会長、よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 どうも奥山課長、ありがとうございます。
 それでは、先ほど土居次長からご紹介があったとおり、第四次の循環基本計画の点検及び循環経済工程表の策定の議事を務めさせていただきたいと思います。
 前回までにこの点検結果、工程表骨子、素案というステップで議論を進めてまいりました。今回は、前回のご議論を踏まえまして、この工程表の案及び点検報告の案を準備してもらっておりますので、これについて、今後、パブリックコメントにかけることも念頭におきまして、さらに議論を深めていただければというふうに思っています。
 それでは、早速でございますが、資料1につきまして、事務局から説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
○平尾室長 よろしくお願いします。
 資料1の第四次循環社会基本計画の進捗状況の第2回点検結果(循環経済工程表)の案についてご説明を申し上げたいと思います。ちょっとビデオを切って説明します。
 5月の部会にも、またそれまでも非常に精力的にご審議を賜ってありがとうございます。
前回お示しした素案の段階から文章化を図っていたものですけども、いただいた意見、様々できるだけ反映して、案をつくりましたので、ご審議を賜りたいということでございまして、ご審議いただいて、パブリックコメントの手続に進んでいきたいというふうに考えてございます。
 修正点は、黄色くハイライトする形で修正してございます。
 最初に、例えば4ページをご覧になっていただいて、4ページのハイライトで第四次計画の目標達成見込みというふうにありますけども、16ページのほうがいいですかね、16ページに行っていただけますでしょうか。指標の点検状況を丸とか三角とかで記載している部分がございますけども、先ほど4ページの部分とこの16ページ以降の部分も同じような構成になっていますが、目標達成見込みという部分で四次計画の目標の達成見込みであるというところを明記いたしまして、と申しますのも、17ページ目に行っていただけますでしょうか。丸とか、三角とか、二重丸というふうにしてある一方で、その留意点というところで、もうちょっと下にスクロールしていただけますか、すみません。留意点ということで、二重丸というふうに書いてあっても、例えば廃プラの焼却量のところで、さらなる取組が必要という部分に下線を引いておりますけども、前回も留意点をつけておりましたけども、ここの丸というか、ここの表上の記号だけ見ていてはいけないという旨、留意点のほうでしっかり書いておりますので、そこの部分、下線も付して注記をしているというものでございます。
 18ページ目に行っていただけますでしょうか。注のほうを追記してございまして、燃料材の利用料のところなんですけれども、ここの四次計画の目標のところで、800万トンというふうにしてあったんですけども、別途、指標の数値的な検討について、大迫先生をはじめ、こうやってご議論いただいておりますけども、その中で、ここの元データからいっても、万m3とすべきであったというところがありましたものですから、ちょっと注記をいたしまして、万m3として実績及びその評価を記載した旨、注のほうで記載をさせていただいているというものでございます。
 続いて、中心的にご議論いただいたのは、46ページ目以降のⅢ-3、今後の方向性、工程表の部分でございますけれども、その直前、41ページ目をご覧になっていただけますでしょうか。
 41ページ目のところで、これは前回ご議論を賜ったところですが、ワークショップへのまとめのところで、オリ・パラの結果の報告の部分がございます。
 この中で、ちょっと前回の書き方が、「できなかった」という、できなかった部分のところが、ちょっと強調される嫌いがあるんじゃないかというご意見がございまして、決してそういう本意ではなくて、できたこと・できなかったことを踏まえてやろうということでございますので、報告書の記載を念頭に、こういうことができたと、あるいは、こういうことができなかったというところをニュートラルに書いたというところでございます。
 46ページ目以降をご覧になっていただけますでしょうか。今後の方向性、工程表の部分でございますけれども、この部分、前回中心的にご議論を賜りまして、様々な意見を頂戴したところでございます。
 46ページ目の最初の丸の※を追記してございます。3R、リデュースが何より優先だという旨、記載のご議論の中でリデュースを最優先にするというところの記述がしっかりすべきだというご意見を複数賜ったというふうに考えております。言わずもがなにせずに、3Rといったらリデュース、リユース、リサイクルでこの順なんだというところを改めて書かせていただいているというのが、46ページの1ポツの最初の部分の修正でございます。
 続いて、下のほうにスクロールいただくと、温室効果ガスの原料、温室効果ガス排出量の資源循環が貢献できる部分の書き方なんですけども、36%というところがございますが、より正確性を期そうということで、インベントリからベースに分析しておりますので、全排出量のうち、資源循環が貢献できる余地がある部門の排出量の割合ということで正確性を期して記載させていただいてございます。
 47ページ目に行っていただけますでしょうか。これはご議論を賜る中でも環境面の留意というか、環境面の影響を考えていくというご指摘を賜ったところでございます。コントロールの視点、ライフサイクル全体での適正な化学物質の廃棄物管理といったことと、あと水資源へのご言及もございました。水資源も資源循環の中でしっかりと取られていくという観点も踏まえまして、大気・水・土壌の保全でありますとか、あるいは天然資源投入量・消費量の抑制や適正な資源循環の促進の後に水への影響の低減ということも記載をさせていただいてございます。
 それから、その下の丸の部分で、これは2030年までに、循環経済関連ビジネスの市場規模を、50兆円から80兆円以上にすることを目指すという目標、これは去年の成長戦略の記載を書かせていただいておりましたけれども、前回審議から今回の間に今年の骨太が出ておりまして、注の16に書いている部分ですけれども、今年の骨太の中で、すみません、ちょっと本文に戻っていただくと、強靱で持続可能な経済社会に向けてということで、GXといってます、グリーントランスフォーメーションへの投資を行うということをかなりのページ数を使って書いてございまして、その中で、ばっちり循環経済への移行を推進ということを書いてございますので、その旨も記載をさせていただいているという部分でございます。
 2050年を見据えた循環経済といったことも併せて注記をさせていただいてございます。
47ページの一番下の丸に行っていただいて、これは国際展開あるいは地域の展開といった中で、これも去年、前回ご議論を賜ったところですけども、消費者であったり、住民だったりといった意識変革、行動変容といったところも全体的な議論として追記をさせていただいてございます。
 48ページ目に行っていただきまして、上から3つ目の丸で、循環計画の中で様々設けてある指標について、しっかりと議論する中で課題も明らかになったということで、今後、比較可能性でありますとか、カーボンニュートラルの観点で指標を検討していく旨、追記しているところでございます、書かせていただいている部分でございますけれども、前回の議論の中で、ライフサイクル評価の観点といったご議論もございましたので、ここで書かせていただいているということでございます。
 48ページ目のところでございますけども、これは素材ごとの方向性のシャポーというか、柱書きというか、全体に関係している部分でございます。前回のご議論の中で、デジタル技術の活用の部分、これはいろんなところに関わってくるというご意見がございましたので、それを踏まえて、デジタル技術を活用しということで、それで、これが新たな循環経済関連ビジネスでありましたり、いろんな主体の行動変容につながっていくという旨も併せて書かせていただいてございます。
 49ページ目に行ってください。プラスチックの部分でございますけども、これも前回リデュースの重要性についてご指摘を賜った部分でございます。再生利用だったり、回収量倍増のところを触れておりましたけども、リデュースが最優先なんだという部分、これは実際にプラ戦略のマイルストーンでも、リデュースの目標を設けておりますので、その旨を書かせていただいておりまして、また、この関係性を整理したほうがいいというご指摘がありました。注の18を付してございまして、注の18をご覧になっていただくと、リデュースの効果を見込んだ場合ということでありましても、プラ法でいろいろやっておりますけども、自治体の回収量の増えていくほうと、あるいは企業だったり、自主回収だったり、産廃が増えていくと、回収量が増えていくということを考えると、今、熱回収に回っているもの、あるいは熱回収もされてない、未利用にされているというものもございますので、回収量の倍増は達成可能であるという旨も書かせていただいてございます。
 この上、注の17の部分でございますけれども、このプラ法の関係で、大阪ブルー・オーシャン・ビジョンとの関係の指摘もございました。プラ法の中で、大阪ブルー・オーシャン・ビジョン、カーボンニュートラルといったこともしっかり念頭においた中身にしているというところがございまして、その旨も注記をしてございます。
 未利用の資源について地域の実情に応じて活用を検討すると、未利用資源のご指摘がございました。廃棄物系バイオマス、非食用部、あるいは未利用間伐材といった格好で書かせていただいてございます。
 50ページ目の真ん中のほうで、紙の部分、パラグラフごと黄色になってますが、これ前回のリデュースのことだけ書いていたんですけれども、プラスチックの代替の受け皿になっているというような側面も踏まえて切替えが起こっていると、あるいは、複合素材、樹脂等が付されているというようなところで、そこのバイオマス化を図ることでありますとか、あるいはリサイクルが難しい複合素材についてもリサイクルをしていくということによる焼却回避をしていくという、ちょっと包括的な内容に改めてございます。
 それから、50ページ目の一番下に行っていただくと、これはメタルの部分でございますけども、この部分もリデュースが最優先であるということを強調させていただこうということで、発生抑制や再使用の取組による天然資源採取の最小化といったことを最初に書かせていただいてございます。
 あと51ページ目へ行っていただきまして、金属リサイクル原料の処理量の倍増の前にCO2済み製品等に含まれる金属を再生資源として動脈側に安定的に供給するという旨を追記させていただいた上で、注の19を付してございます。
 注の19をご覧になっていただくと、金属といったときにどれだけの範囲なのか、ベースメタルは含まないだろうということでご指摘があったところでございまして、使用済み小電等の廃電子部材でありますとか、廃蓄電池といった旨を書かせていただいた上で、さらに倍増といってある部分に、注の20を付しておりまして、リデュースの抑制効果を見込んだ場合でも、最終処分量の減少でありますとか、アジアの中心とした国々からの輸入を回収するということ等で、回収量倍増は達成可能ではないかという旨を書かせていただいてございます。
 その後、進みまして、52ページ目に行っていただきまして、注釈を付してございます。52ページ目の注釈は、リペアに対して付している注釈でございますけども、前回のご議論の中でヨーロッパで検討が進められているリペアの研究があるべきではないかというご指摘がありましたので、今の状況を書かせていただいているということでございます。
それから、ちょっと先に進みますが、54ページ目に行っていただきまして、ビジネスに触れる中で技術のところに言及しているパラグラフでございますけれども、GHG排出量を増やすことなくということで、トレーサビリティ確保の観点からという、あるいは効率性向上の観点からデジタル技術というふうにしておりましたけども、ロボティクスということも明記すべきというご議論があったかというふうに思っておりまして、その旨を足してございます。
 また、技術の実証といったことだけじゃなくて、2050年ということを考えると、技術開発といった視点も必要だという旨をご指摘賜ったところでございます。その旨を追記させていただいてございます。
また、5ポツの廃棄物処理システムの方向性というところで、CCUSの言及についてご議論があったところでございますので、その旨をCCUS等のということで記載させていただいております。
また、55ページへ行っていただきまして、8ポツのところですけれども、国際的な循環経済の方向性ということで、ルールメイキングについてのご議論を賜ったところでございますので、ルールメイキングの議論を継続的に情報収集しながら、成長につながるように適切に対応していく旨、書かせていただいてございます。
 56ページ目をご覧ください。9ポツのところで、費用面のご議論がありました。これ、どうしても一般的な書き方になっておりますけども、この費用について適正かつ公平な負担の下、各主体が適切な役割をということで書かせていただいてございます。
 また、その後、教育だったりといったところで、教育だったり、担い手だったりといったところで、学校現場をはじめとした様々な教育の場ということでありましたり、普及の担い手の方への啓発といった旨を追記させていただいておりますのと、また、関係省庁との連携についてもご議論がありましたので、その旨も書かせていただいてございます。
57ページ目をご覧ください。この部分は、おわりにの部分、前回ちょっと書き込めておりませんでしたので、ご議論も踏まえまして書かせていただいてございます。
 最初の3つの丸で、これまでの議論を書かせていただきつつ、4つ目の丸で、循環部会としてはということで、政府にしっかりやるようにというご指摘を賜ったがいかがということで考えてございます。
 ご議論の中で、パンデミック、あるいはウクライナといった国際情勢の話もあったというふうに、度々あったというふうに思っておりまして、その中で、抜本強化は喫緊の課題といった現状の認識を示しつつ、その循環経済アプローチの意義が高まっている旨、書かせていただいております。
 また、その中で、工程表の中でもすぐにやらなければならないようなこと、たくさんご指摘を賜ったというふうにございます。ここはほんの一例でございますけど、直ちに着手をすることが必要と考えられる内容があるという旨を書かせていただいて、こういうことをやっていくと、バリューチェーン全体にわたってということで、投資が必要になっているという旨も書かせていただいております。
 また、その下の施策の実施に当たってということで、今後予定している様々な施策にしっかりと反映を図っていく旨も追記をさせていただいてございます。
 説明としては、以上になりますが、この資料の一番最後のページ、106ページに、別紙という格好でちょっと一覧できるようなもの、ちょっとA4だと見にくいもの、A3にする必要があるかと思いますが、つけさせていただいてございます。
 また、ちょっと議論の中で、先ほどの説明の中で出てきた参考資料の関係の部分を参考資料の3をご説明申し上げますと、参考資料の3、先ほど追記した部分で関係している部分でございます。
例えばスライドの72ページ目をご覧になっていただくと、さっき注を追記して、プラのリデュースと倍増目標の関係について説明を申し上げた部分で、参考資料を参照としていた部分はこちらでございますけども、プラ戦略でワンウェイの累積25%減らすというもので、100万トン減少と仮定していた場合でも、いろんなプラの容器包装だったり、製品だったり、あるいは自主回収だったりといったことの回収の増加を見込んでいくと、あるいは、もっと直接的に言うと、73ページ目をご覧になっていただくと、スライドの73を映していただくと、今リサイクルに回っているものが4分の1弱しかなくて、熱回収だったり、未利用のものもまだまだ残っているということがございますので、こういったものをリサイクル目的に回していくといったところが方向性になっていて、これは十分達成可能ではないかというふうに考えてございます。
 また、スライドの84をご覧になっていただくと、スライドの84のほうは、メタルのことでございますけども、排出 削減の効果、しっかり見込んだケースもつくったところではございますが、左側の2020年度の部分をご覧になっていただくと、廃棄型家電からの部分になっておりますけども、最終処分量が16万トン以上残ってございます。ところが下のほうを減らしていって、あるいは右側の方向でアジアを中心とした国々の使用済み製品といったところを増やしていくといった方向性を考えておりますと、回収量の倍増というのは、リデュースの内容とも十分両立するんじゃないかということで考えてございます。
 事務局からの説明は以上でございますので、コメントを賜ればというふうに思います。よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 どうも平尾室長、ご苦労さまでした。
 それでは、ここまでの説明に関しましてご質問、ご意見のある方、挙手ボタンをお願いいたします。
 質問、できるだけ簡潔にお願いをしたいわけですけれども、事務局には関連する質問は適宜まとめてお答えいただければと思っております。
 それでは、挙手ボタンをいただいた方、順番にご指名をさせていただきたいと思います。
 山田委員、お願いできますでしょうか。
○山田委員 ありがとうございます。
 この第四次基本計画の第2回の点検及び循環経済の工程表につきましては、ここまで取りまとめていただいたことに深く感謝を申し上げます。
 57ページに本工程表に基づいた取組を着実に実施していくには、公的な投資や制度的対応が果たす役割も大きいとの記述がございます。まさにそのとおりであると思っています。
 J4CEでの課題整理にもあるとおり、サーキュラーエコノミーの移行に向けては、様々な課題がございますが、経済界としては、廃棄物処理法との関連法制度の見直しを含め、事業者の取組がスムーズに進むような環境整備を期待したいと思っております。
 また、54ページに記載がございます、実行計画の策定に当たっては、技術の評価検証や、各産業分野の排出削減ポテンシャルの分析が極めて重要であると考えております。関係業界の考え方を十分にお聞き取りいただければ幸いでございます。
 以上でございます。
○酒井部会長 どうも山田委員、簡潔にありがとうございます。
 それでは、引き続きまして、高岡委員、お願いします。
○高岡委員 私からは、一点だけでございます。この取りまとめ、大変ありがとうございました。
 今後の方向性、46ページ~57ページの終わりまで書かれていますが、一点だけ、気になるところがございまして、45ページまでは割とシェアリングエコノミーとかの部分が書かれている、あるいはヒアリング等で出てきているんですけれども、最後の今後の方向性のところで、全くそういうキーワードが出てこないというのが、少し気になったところでございます。
 自動車とかいろんなところで、やはりシェアリングというのは、結構重要になってくるかと思いますので、可能であれば、適切なところに入れていただきたいと思いました。
 以上です。
○酒井部会長 高岡委員、ありがとうございます。
 引き続いて、新熊委員、お願いします。
○新熊委員 ありがとうございます。
 まず、これまで資料の作成に当たりまして、丁寧な事前説明だけでなく、各委員のコメントに誠意を持って対処していただいていることに対しましてお礼を申し上げたいと思います。
 特に前回、コストに関する議論がされていないと私のほうからコメントさせていただきましたところ、今回は新たに13個もコストという言葉を入れていただきました。ありがとうございます。
 こんなにたくさん盛り込んでいただいておきながら、大変に恐縮いたしますが、私からは本日はバイオマスプラスチック導入のコストについて質問させていただきます。
 資料2の17ページに、バイオマスプラスチックの国内出荷量現状8万トンに対して、目標が197万トンと、大きな隔たりがあります。これは恐らく導入コストが非常に高いためだろうと推察申し上げます。
 私がコストと申し上げておりましたのは、例えば197万トンのバイオマスプラスチックを導入するコストは幾らなのかということであります。
 一方、これによって、200万トンものCO2の削減が見込まれると資料3の71ページに記載がございます。そうするとバイオマスプラスチック197万トンを導入することによってCO2を削減しようとした場合、CO2、1トン削減当たり幾らコストがかかるのかが計算できます。
 そして、本部会で検討されておりますCO2削減のオプションは、バイオマスプラスチックの導入だけではありません。それぞれのオプションごとにCO2、1トン削減当たり幾らコストがかかるのかという情報がどこかで整理されておりますと、私たちが進むべき全体の方向性もよく理解できるようになるのではないでしょうか。ご検討のほどよろしくお願いします。
 あともう一点、最後です。ささいなことになりますけれども、資料2の53ページ、循環経済関連ビジネスの実証フィールド国家として、各国からのESG投資が呼び込まれる社会を目指すというのがございます。これは外資を導入することが、あたかも無条件によいことであるかのような表現としてそういう印象を持ちました。なので、ちょっと違和感を持っております。文言の修正ができましたらご検討いただきますと幸いです。
 以上です。ありがとうございました。
○酒井部会長 新熊委員、ありがとうございます。
 一通りご意見をいただきたいと思います。
 次、岡村委員、お願いいたします。
○岡村委員 岡村でございます。ご指名ありがとうございます。
 また、ここまでの取りまとめに感謝申し上げます。
 私からは3点ございます。資料の47ページに、グリーントランスフォーメーションへの投資を行うなかで、循環経済への移行を推進すると記載されておりますが、市場規模を拡大していくためには、循環経済ビジネスが新たな価値を生むということや、それに伴ってキャッシュフローを生み出していけることによって、自立的に拡大するような環境整備が不可欠だと考えます。
 この点について、検討をぜひお願いしたいと考えております。
 2点目は、48ページにおいて、ライフサイクル評価の観点に言及しておられますが、この点も非常に重要だと思っております。前回申し上げたことと重複するところがございますが、ライフサイクル全体の資源効率性や温室効果ガス削減効果を適切に評価して、リサイクルの方法や資源循環とカーボンニュートラルを両立するためにどういうやり方が最適なのかを検証し、きちんと評価したうえで実行していくことが重要と考えておりますので、よろしくお願いします。
 最後に3点目ですが、54ページにおいて、廃棄物資源循環分野における脱炭素に向けた実行計画の策定について言及されています。実行計画の策定に関して、各産業分野との意見交換をすることが記述されていますが、計画に実効性を持たせるためには、これを非常に重要視する必要があると思いますので、ぜひ、各業界と丁寧な対話をお願いしたいと思います。
 私からは以上です。
○酒井部会長 どうも岡村委員、ありがとうございました。
 では引き続いて、右田委員、お願いいたします。
○右田委員 ありがとうございます。聞こえますでしょうか。
○酒井部会長 聞こえております。よろしくお願いします。
○右田委員 今回、循環経済アプローチの推進を通じ、循環型社会の進む方向性をお示しいただいたことについて御礼申し上げたいと思います。
 今後のカーボンニュートラル化に向けて、資源循環の取組は、産業界にとっても極めて重要なものとなると思っております。産業界としても、今回ご提言いただいている循環型社会の形成に積極的に貢献していきたいと考えております。
 制度的な仕組みづくり、規制の緩和等を含めて、今後ともご協力、ご指導をぜひお願いしたいと思います。
それから、55ページ、国際的な循環経済促進の方向性について記述がありますが、一点ご留意いただければという意味で申し上げたいと思います。
 現在気候変動の分野では、G7の場で、グリーンな製品の定義が議論されております。私の属する業界の例で申し上げると、グリーンスチールの定義ということになります。今回も議長国ドイツが主導し、グリーンスチールが満たすべき、世界統一のルールを、欧米主導で定めようという動きがございました。鉄の世界で申し上げますと、世界19億トンの鉄鋼生産、消費のうち、日中韓の東アジア勢で12億トン、これにインドを加えた4か国で13億トンを生産している実態にあります。欧米は世界鉄鋼生産の中で言いますと、マイナーな国でありますし、かつ、鉄鋼輸入国でしかありませんが、環境先進国を自認する彼らは、規格を定める権限が当然のようにあるというふうに振る舞っております。
 しかしながら、示された原案を見ますと、国ごとの原料事情、エネルギー事情の違いなど、ローカルティへの配慮もなければ科学的でもないという内容でありまして、鉄鋼環境先進国である日本としては、経産省のサポートもいただきながら反対意見を表明したところであります。
 国際規格については、国際的なルールづくりが必要という建前を前面に出しながら、各国がそれぞれの利益を誘導するという側面があることが否定できません。
 循環経済に関する国際規格においても、欧州、米国、アジア、中東など、それぞれの地域における既存の循環経済や将来の循環経済のあり方が異なってくると思われます。
 今回、こうした循環経済工程表をつくられ、日本にふさわしい循環経済の方向性を明確にしていただきましたので、ぜひそれと矛盾しない国際規格となるようにご尽力いただくようお願い申し上げたいと思います。
 以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございました。
 次、よろしいでしょうか。崎田委員、お願いします。
○崎田委員 崎田です。ありがとうございます。
 私も前回かなり発言させていただきました。東京2020、できたこと、できないこと、もう少しニュートラルに書いていただきたいということ、あるいは、47ページのほうは、消費者、市民の連携した行動変容が大事だというようなこと、全て盛り込んでいただきまして、大変ありがとうございます。
 そして、今日、ちょっと簡単に3点ほど申し上げたいんですが、じっくりと読ませていただきながら気づいたことがあります。
 特に1番目が、50ページの食品ロスのことなんですけれども、既に食品ロス削減推進法ができておりますので、これを踏まえて積極的に取り組めばということで、ここにはそれなりに書いていただいておりますが、もう少し今申し上げたような、例えば循環基本計画による家庭の目標とか、食品リサイクル法による事業者の目標を踏まえて、食品ロス削減推進法の目標設定も進んできていることとか、ただし、全国の自治体で事業者や家庭の取組のつなぎ手としての様々な地域づくりの核としての動きも進んできているので、そういう新しい取組を踏まえて食品ロスを徹底した削減は重要とか、何かそういう現状を踏まえた将来展望みたいなのを入れ込んでいただいてもいいんではないかというふうに感じました。
 2点目なんですが、52ページの下のほうに、リペアのことが書いてあります。それで、EUのほうの話合いで、リペアの修理する権利のことなどがしっかりと出ているんですけれども、この辺を読みながら、やはりふと思ったんですけれども、日本は昔から日本の文化のもったいないということを大切にしながら、かなり修理というような文化は定着してきたというふうに思っています。
 また、特に家電リサイクル法などでは、リユースガイドラインをつくって進める、もう制度的にも進んでいました。ただし、そういうことを持って進めていくのがこれから大事だというような、そういうようなことも書き添えていただくことで、現状からより発展するということが見えてくるんではないかというふうに感じました。
 最後、3点目なんですけれども、53ページに、ファッションのことが書いてあります。ファッションのことをこれだけ明確に今回将来展望の中に入れていただいたということは、大変重要なことだというふうに思っています。
なお、このことは突然始まったことではなく、実は、これまでも嗜好品なので、ファッションがリサイクル法の検討にはなじまないというような考え方で定着してきたわけですけれども、衣服のリユース、リペア、こういうのは本当に地域の中でも定着していっていますし、あるいは、一部の事業者さんでも進んできました。けれど今、ボランティア精神で一部の地域でボランティアで進めるような範疇を超えて、非常に大きな社会問題になっている中で、この辺、ファッションのメーカーのサイドからも、全体的に社会の動きとして新しい方向性の動きが出てきた。これがすばらしいことだと思いますので、その辺少し流れを明記したこともよろしいのではないかなというふうな感じがいたしました。
いろいろ全体的にチャレンジングに書いていただいて、ありがたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 ありがとうございました。
 続いて、大塚委員、お願いします。
○大塚委員 すみません。ありがとうございます。
 簡単に5点申しますが、基本的に非常によくまとめていただいていて、さすがだなと思います。酒井部会長の下、非常にしっかり進めていただいていると思いまして大変うれしく思っております。
 53ページのところで、このファッションのところでございますが、たくさん書いていただいて私も大変ありがたいと思っていますが、太陽光パネルもそうですが、輸入品に関しての3R、特にEPRとかをどうやっていくかというのをこれから考えていかなくちゃいけないものが結構出てきていると思うんですけども、これもそれの一種だと思いますので、ぜひ、そういう観点から、できれば制度化も含めて考えていただきたいと思います。
 議員さんのほうで、これは結構熱心に考えていらっしゃるようですが、ふんわりした法律だけできてしまうと、あまり実効性がないので、それはもちろんできないよりは大変ありがたいと思うんですけども、ある程度、制度化できるといいのではないかというふうには思っています。
 さらに、この種の問題は、競争上の公平の問題というのが出てくると思いますけど、日本の国内の競争上の公平だけではなくて、アジアの他の国との間の競争上の公平は、多分、今まであんまり考えてこなかったと思うんですけども、EUでは極めて重要なポイントになっていますが、そういうものもできるだけ、難しいと思いますが、進めていけるように考えていく必要があるのではないかと思います。
 それから、52ページの下のリペアの話は、権利の話も書いていただいて、大変ありがたかったと思っていますが、これを今後、日本で進めていくためには、この間、ちょっと粟生木さんとも話をさせていただく機会がありましたが、例えば家電関係だと、今、町の電気屋さんがなくなってしまって、修理しようと思っても量販店まで持っていくのが大変だみたいな状況になっているし、量販店も多分、必ずしもいい顔されないんじゃないかと思いますが、そこはちょっと本当によく分かりませんので、分かりませんが、とにかく近くにはないので、なかなか大変だということがあるので、これは修理をする拠点をつくるという話も出てくると思いますので、環境省さんがそこまでやれるか分からないですけど、やれなくはないですよね。そういう検討も今後は必要になるんじゃないかと思います。
 それから、51ページの注の20のところの、これはちょっとお伺いしたいんですが、アジアを中心とした国からの使用済み製品の輸入拡大の話は、もう一つの資料のほうでもご説明いただきましたが、これをやるときの障害に関しては、2017年の廃掃法改正である程度対応したと思いますし、バーゼル国内法でも対応したと思いますけども、それで一部十分なんでしょうか、まだ何か問題が、特に制度的な問題が残ってないかということに関してお伺いしたいと思います。
 取りあえず、それぐらいなんですけど、もう一つ聞いておきたいのは、さっき高岡先生が聞かれたシェアリングエコノミーの問題は、この図のほうの資料で、バックファイアの問題があるというのが、ちょっと出ていたと思うんですけど、これシェアリングエコノミーを進めていくと、本当に3Rのほうでうまくいくかどうかという問題がちょっとあるかもしれないので、ちょっとここはどういう問題があるか教えていただければと思います。
 あと新熊先生がおっしゃった、バイオマスに関してのコストの問題は、温対計画とかでも本当はそういうことをやらなくちゃいけないと思って、少し環境省さんにはお願いしたこともありますが、なかなか非常に難しいので、これもとっても大変だと思いますけども、そういう問題は私もやっていかなくちゃいけないと思っていますので、大変だと思いつつ賛成しますということだけ申し上げます。
 以上です。恐れ入ります。
○酒井部会長 どうも大塚先生、ありがとうございました。
 引き続いて、髙橋委員、お願いします。
○髙橋委員 ありがとうございます。聞こえますでしょうか。
○酒井部会長 はい、よく聞こえております。
○髙橋委員 ありがとうございます。
 この間、計画についてずっとコアで申し上げていたのは、ただ循環すればいいということではなくて、小さな循環、あるいはゆっくり回す、リデュース、リユース、リペア、メンテナンス、サブスクリプション、こういったものが大事だということをずっと申し上げてきました。そういったことを、計画の中であちらこちらにちりばめていただきまして、深く御礼申し上げます。
 ここから重要になるのは、文言としては入っているんですが、実際にどうやって実効性を持たせていくかということです。先ほど大塚先生がおっしゃったお話に大変近くなってくるのかなと思っております。どういうふうにそれを担保できるのか、計画全般を読むと、グリーントランスフォーメーション、ビジネスモデルの取組というような文言が大変目立ちます。これ自身はとても重要だとは思うのですが、気をつけなくてはいけないのが、このグリーントランスフォーメーションの方向性で、サイクルを早く大量に回してしまえば、結局脱炭素の循環型社会につながらないということになってしまいます。ですから、できるだけゆっくりやっていく、モノでなくサービスで循環させる、先ほどのシェアリングエコノミーもそうですけれども、そういったことが重要で、そうしたメッセージを、例えば47ページあたりに入れていただいてもよいのではと思いました。
 なお、同じ47ページに、行動変容という言葉があります。これはもちろん、とても重要なことだと思います。一方で、本日はあまり説明がございませんでしたが、参考資料の3のところをご覧いただきたいとおもいます。プラスチックごみ問題に関する世論調査の結果がございました。プラスチックを使用した様々な商品やサービスの中で過剰と思うものはありますかという質問に対して、お弁当で使う使い分けの小分けの容器は飾りが要らないとか、レジ袋が要らないとか、緩衝材は要らないとか、そういうふうに回答している人たちが、実は大変多く、半分近くを占めるということも見えてきております。
 でも、こういった選択肢が、現実には私たちにはなくて、たとえば送られてくる商品に過剰な包装がされているということは、とても多いのではないかと思います。
そういった意味では、選択肢を増やすようなビジネス、あるいはビジネスがうまくいくような制度づくりということが、とても重要なのではないかなというふうに思っております。
 ‘right to repair’についてもビジネスモデルを点で成功させるだけではなくて、ビジネスが普及して、本当に幅広い人たちがビジネスにアクセスできるような、そういったことを担保できるような制度というのが重要なのではないかと思いました。
 欧州の取組、‘right to repair’これに言及されたのは、とても重要なことだと私自身は思いますは、本文中で52ページのところで質問があります。メンテナンス、サブスクリプションなどのストックを有効活用しながらという言葉があったんですが、ストックを有効活用しながらということであるけれども、先ほどの大塚先生のお話によれば、どんどん町のお店がなくなっていってしまうように、現在はストックがなくなっていっているのではないかなと思いました。ですので、今あるものを有効活用するだけではなくて、新たな機会を創出していくことも重要なのではと感じました。
 すみません、ちょっと長くなりましたが、以上です。ありがとうございました。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
 引き続いて、粟生木委員、お願いします。
○粟生木委員 ありがとうございます。聞こえてますでしょうか。
○酒井部会長 よく聞こえています。
○粟生木委員 ありがとうございます。本当に工程表を様々に対応していただき、ありがとうございます。すばらしい工程表になったと考えております。特に、最後の106ページにいただいたスライドなどは、今後の方向性がより明確になり、感謝申し上げます。
 私からは、一点だけ、今回追記された消費者の意識改革と行動変容と、プラスチックは紙への切替えの言及もあったと思いますけども、その関連性についてコメントさせていただければと思います。
 プラスチックから紙への切替えにおいて、恐らく防水加工などがなされることかと思いますけれども、複合素材については、「適切な分別、回収リサイクル、高度化による焼却回避等の資源循環が求められる」と記載していただいていて、これには全く同意なんですけれども、この中で適切な分別回収にかかわるところで、識別表示が大きな役割を果たすと思っております。ただ、現状では、こういった複合素材、焼却となるケースが多いように思っております。こういった紙の複合素材については、メインの素材である紙の識別表示がついているかと思っておりまして、この場合、普通の雑紙との混在という結果にもなるケースがあろうかと思います。
 つまり、目的と実際に運用されているリサイクルシステムの間にギャップがあるのではないかというふうに感じています。消費者の行動を支援するこういった識別表示は、工程表の後段に書かれている廃棄物処理システムであるとか、地域の循環システム、適正処理の方向性にも関わってくるポイントかと思いますので、今後の施策を検討するに当たってご留意いただけるとありがたいというふうに思います。
 以上です。
○酒井部会長 どうも粟生木委員、ありがとうございます。
 では次に、高村委員、お願いいたします。
○高村委員 ありがとうございます。
 まず、事務局には、大変多岐にわたる先生方の発言を丁寧にまとめてくださって、どうもありがとうございます。
基本的に私のほう異論はありませんで、より多くの皆様、パブリックコメントも想定されているということですけれども、できるだけ早くやはり意見を伺っていただいて、具体的なアクション、取組を進めていただくということをまず前段としてお願いをしたいと思います。
 したがって、どちらかというと、もし反映いただけるならありがたいという点で、2点だけ申し上げたいと思いますが、一点目は、46ページの辺りになりますけれども、いわゆるカーボンニュートラルという国の目標と循環経済、資源循環との関係です。
 インベントリ等を分析した情報を出していただいているんですが、日本の資源消費というのが世界的にも与える影響、あるいは、それは逆もそうだと思いますけれども、考えたときに、この間、国際資源パネルが特にこのカーボンニュートラルと資源循環、あるいは特にマテリアルの資源効率性の観点から報告をまとめているように理解をしておりまして、2015年時点で世界の温室効果ガスの排出量の23%を占めると。特に、住宅建築物と自動車分野でこの資源効率性の向上というのがライフサイクルの温室効果ガスの排出を抑えるという知見を示しているかと思います。これは昨今のIPCCの第6次評価報告書の中にも反映をされているというふうに理解をしています。
 こうした知見を踏まえたときに、やはり2点、ちょっと細かなところで恐縮ですけれども、盛り込んでいただけるといいかなと思いましたのが、実は一点は、高岡委員が既にご指摘になったシェアリングです。これはとりわけ自動車について、この国際資源パネルの自動車のところで、とりわけ言及をしていますけれども、やはりシェアリングというものをしっかり位置づけていくということが一つあるのではないかというふうに思います。
 それから、もう一つは、建築物あるいは建築材料の51ページのところにも関わるかもしれませんが、これは日本の国としても、21年、22年の通常国会で、いずれも建築物への木材利用を促進する法令を制定ないしは改正をされていると理解をしています。
 特に、都市建築物に、ある意味で炭素を固定をするという、そうした大気中に炭素を排出をしないそうした価値というものを評価をした施策だというふうに思いますけれども、それに併せて、建築業界も随分木造建築、建築物への木材利用を進める、これ工法も含めて、進めていらっしゃると理解をしています。
 今のシェアリング、それからもう一つは、とりわけ建築物、住宅分野での木材利用についてもどこかにやはり言及をしておくのがよいのではないかと思っております。木材利用は、ある意味では、建築分野からの排出される廃棄物の性質とか、性格といいましょうか、分量や性格を変えるというふうにも思っておりまして、ご検討いただければというふうに思います。
 最後の点は、おわりにのところです。大変うまくまとめていただいていると思っていまして、もちろんこの循環型経済、この政策に向かう政策というのは、環境的な効果はもちろんですけれども、57ページに書いていただいているように、とりわけ日本の企業にとって資源制約、海外に資源を依存している部分について、エネルギーが一つの、エネルギーも含めればなおさらでありますけれども、特に昨今のウクライナ情勢は、こうしたサプライチェーンの在り方、あるいは言い換えれば、資源をできるだけ国内で調達をし、あるいは国内で循環をさせていくことの価値というものが明らかになっているように思っております。
 それは同時に、恐らく資源の価格のボラタリティを抑えるという意味での安定的な経営にもつながってくると思ってまして、これはもう既に書いていただいてますけれども、その点について書いていただいたことは、大変ありがたいと思っております。
 併せて、別のところに書いてありますが、この分野についての金融機関、投資家が、この循環経済、あるいは、特にプラスチックですけれども、企業評価に統合するという取組を既に始めております。そういう意味で、気候変動と並んで非常に高い関心が、循環経済、特にプラスチックですけれども、ございますので、その意味でも書いてございますように、やはり企業の、日本企業の競争力の強化という点でも、この分野、非常に重要だというふうに思います。
 その観点ですみません、前段長くてあれなんですが、先ほど新熊委員がCO2のコストについて、やはり分析をより進めていくことが必要だというご指摘がありました。その点について全く同感でありますが、同時に今申し上げた、いわゆるより広範なといいましょうか、この循環型経済の施策を取っていくときに生まれるプラスの便益、あるいは副次的な便益についてしっかりやはり評価をするということが必要だというふうに思っておりまして、進捗の管理のときにも、そうした観点から適切な指標、あるいは評価というのをどうしたらできるかということをご検討いただきたいというふうに思っております。
 以上です。
○酒井部会長 どうも高村委員、ありがとうございます。
 それでは、一通りご意見を頂戴したところでございますので、今日欠席された委員から意見が届いておりましたら、まず、事務局から加えてご紹介をお願いします。
○平尾室長 日商の小和田委員から欠席でございますけども、提出意見ということで届いてございますので、読み上げさせていただきます。
 資料2、ページ57、「Ⅴ.おわりに」で改めて触れられていますが、今回の循環経済工程表は、サーキュラーエコノミーへの移行を加速するため、2050年を見据えた目指すべき方向性と、2030年に向けた施策の方向性を示したものです。
 これまで「3R」については、できるだけゴミを出さない、あるいは既に出来上がった製品をどのようにリユース、リサイクルしていくかという観点でシステムが構築されてきましたが、今後は、企業が商品や事業をデザインする段階から資源循環を想定することが求められるものと思料いたします。
 サーキュラーエコノミーは、ライフサイクル全体で資源効率性を高め、製品価値の最大化を図り、かつ、カーボンニュートラルにも貢献するという点で、まさに「経済と環境の好循環」のために必要な概念であることから、本工程表がサーキュラーエコノミー、ひいては「経済と環境の好循環」の加速につながるものであるか、最終的な取りまとめに向けて確認していただくようお願いいたします。
 以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。
 それでは、今日いただきました委員からの意見、コメントに関しまして、事務局のほうからご発言いただくところがあればお願いをしたいと思います。
 その前にちょっと私のほうから一点だけ、追加させていただきたいと思います。
 今日、盛んに出されましたCO2のコスト分析の件ですが、その必要性というのは、多くの委員が述べられているとおりでありまして、まさに今、この社会が求めていかなければならない大きな話だろうと思います。
 その一方、結構難しい作業でもありますし、相当深い研究チャレンジが必要な分野でもあるというふうに認識をしております。
 そういった意味で、そういう難しさに躊躇することなく、チャレンジしていかねばならないということのご意見として承りたいと思っているわけですが、最後に、まさに高村委員がおっしゃっていただいた、循環経済のプラスの便益、あるいは副次的な効果といったところ、そこも併せて目配りをしながら解析をしていくということが重要ではないかなというふうに認識しております。
 循環経済は、内包されるべき循環型社会ということでの便益という意味でもあるかと思っております。
もう言うまでもないことかも分かりませんけれども、ちょっと一言追加で発言をさせていただきます。
 それでは、平尾室長、可能なところをどうぞ。
○平尾室長 ありがとうございます。
 まとめながらの説明になってしまって大変恐縮なんですが、官民一体となった検討を今後進めていく旨、廃棄物処理実行計画のところで書いてございますけれども、これに限らずいろいろ現場の声を聞きながら施策に生かしていくという点、J4CEでの様々な議論も含めてではございますけども、重要であるというふうにご意見をお伺いして改めて考えたところでございまして、ここは引き続きよろしくお願いしたいというふうに思います。
 また、シェアリングの言及、すみません、製品のシャポーのところですが、いろんなストック型のところを書く中で、書いた気になっておりましたが、ちょっとすみません。抜けていたように思う、単語としては抜けていたように思いますので、ちょっと入れ方を相談したいなというふうに思います。
 あとバイオプラの関係で、今ご指摘があった、ご議論になっていた点と関係しますけれども、直接的に、じゃあ、ぽっと幾らですと今申し上げられないところであるんですけども、コストを下げていくという観点で、今率直に言うと、普通のコンベンショナルなプラと価格差を2倍以上あるようなものもございます。そういったところのコストを下げていくような実証ということも、技術実証の中でコストを下げるということも大きなテーマになっているということでございまして、そういった中で、トン支出当たり幾らかといった視点も含めてですけども、出ていくというふうに思います。
 今、部会長から、あるいは高村先生からもご議論いただいた点とも関係しますけれども、また、大塚先生からも難しさをご指摘された点ではありますが、t-CO₂以外のその他の便益っていうところもある中で、そういったところも含めたしっかりとした分析といったものも今後は必要になってくるかというふうに考えておりまして、そういったことにも進んでいかなければならないというふうに考えてございます。
 また、ご議論いただく中で、その循環経済が、新たな価値を生んだというようなご指摘もあったかというふうに考えてございます。そういった点、書いているつもりではございますけれども、この施策の中で、今のそのプラスの便益という話とも関係してくるかと思いますが、しっかり形つくっていきたいというふうに考えてございます。
また、製品ごとの話の中で、国際的なルールメイキングの言及もございました。そういった点が今後大事になってくるというふうに思っておりますけれども、今回、こういった形で循環経済工程表ということをまとめさせていただきますと、世界に対しても、日本として、3Rの蓄積がある中で、資源循環の分野、カーボンニュートラルの方向に向けても、しっかりやっているという方向性が打ち出せるかというふうに考えておりまして、そういった中でも、世界に向けても、立場が強くなっていくんではないかなというふうに考えてございます。
 また、消費になってるリペアの関係で、ちょっと今つけてる参考資料の中で、これまでの施策の保障がもしかしたら足りてなかったかもしれませんので、その点はちょっと考えたいと思いますけども、おっしゃるとおりこれまでの蓄積があって、書かせていただいている記述でございますし、リペアの関係ももったいないということで様々積んできたというところがございます。家電の話も関係して、拠点がいるんじゃないかというようなご指摘もございました。そのとおりじゃないかというふうに考えておりますけども、リユースをするという量販店の動きもございます。そういった中で、リペアのサービスといったものも進んでいくというふうにもお伺いをしておりまして、総合的な話ですので、そういった点も留意したいというふうに考えます。
 同じ関係のファッションですね。ファッションについても言及がございまして、こちらも本文に書いてはいるんですが、最近タスクフォースということで、環境省とファッションの勉強会というか、JSFAっていう事業者の団体もできて、いろいろと取組を重ねておりますけれども、ちょっと一回、参考資料の3にファッション関係の資料を入れ込めていないか、入れ込んであっても不十分だと思いますので、ちょっと足したほうがいいかなというふうに思って、お伺いをしました。ありがとうございます。また、大塚委員から、誰かのご質問があった、アジアのものを持ってくるというときの制度的なところのご指摘のとおり、廃掃法とバーゼル法改正して、バーゼルの手続もリサイクル目的で持ってくるときに届出ということで、かなり制度的に輸入手続は円滑化されてるというふうに思っておりまして、課題はむしろその途上国側にあるというふうに考えておりまして、その中で、その途上国の側に、こっちのリサイクルなり仕分けをしっかりやっていくということを植え付けていく必要があろうかというふうに考えてございます。
 また、他にも様々ご指摘いただく中で、複合素材の話、あるいはその欧州の動きといったこともございまして、取組への関係でも、先ほど申し上げたように、参考資料に我が国のリペアの蓄積を書けていないように思いますので、ちょっと書き足すことを考えたいというふうに考えます。
また、建築材の木材利用のところは、建築材のリデュースの中で書いちゃってて、たしかに木材と書いていないので、ちょっと書き加えたほうがいいかもしれないですね。ちょっと考えたいというふうに思います。
 また、終わりにのところでもご指摘賜りました、最後は酒井部会長からもご指摘賜ったところですけれども、カーボンニュートラル、あるいはそれを超えた資源循環、循環型社会のベネフィットといったところの視点をしっかり持っていかなければならない旨、全体を通じていえることかというふうに考えてございます。ちょっと雑駁な回答になってしまって恐縮ですが、私からの説明は以上でございます。
○酒井部会長 平尾室長、ありがとうございます。決して雑駁ではなく丁寧にお答えいただけたというふうに拝聴いたしました。このやり取りで、議題の1へのご意見、このあたりにしたいと思っていますが、この段階で追加のご意見という方、ございますでしょうか。
 はい、見山委員から手が挙がりましたので、見山委員、お聞きします。どうぞ。
○見山委員 ありがとうございます。先程の右田委員のルールメイキングのお話に関連してですが、ルールメイキングから、既に国際ビジネスの競争が始まっていると考えますと、55ページの表現ですね。「情報収集」とか、「適切に対応していく」という、どちらかというと受け身の表現が、今ここには書かれているんですが、「情報収集」のみならず、先ほど平尾室長も言われたような「情報発信」や、「適切に対応する」だけではなく、「提言をしていく」のような、能動的なワードも、是非、こちらに入れていただきたいな、というのが要望でございます。私からは以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。的確なポイントかと思います。大石委員、どうぞ。
○大石委員 はい、ありがとうございました。今のお答えの中で、私がやはり一番気になっておりましたのが、資料1の51ページ、それから参考資料3の84ページにありました大塚委員から指摘があった、その海外からの電子部品の輸入のことです。やはり今ご説明がありましたように、日本に持ってくるにしても、諸外国でどのようにきちんと分別されているか、とか、もしなければ今後そのような仕組みを作っていくということがないと、日本に持ってくる意味自体もなくなりますし、輸入することの問題も大きくなると思いますので、そのあたりも、ぜひ丁寧に書いていただけるとありがたいです。それから、あと一点、これは全体的な内容となりますが、やはり資源循環という意味で、今の法律体系、例えば家電リサイクルの対象製品と小型家電の垣根をどう乗り越えるか、そのあたりも大きい意味で今後考えていかなければいけないのかなと思いました。感想になりますが、以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。それでは、見山委員と大石委員、はい、大塚委員、手が挙がりましたので、どうぞ。
○大塚委員 申し訳ありません。高村委員が言われた、何のためにその循環型社会とか、サークルエコノミーやっていくかっていうの、極めて重要な話なので、本当にしっかり明確にしていく必要はあると思います。57ページに結構書いていただいていると思いますが、元はあれですもんね、酒井先生とかとも、ずっと対応させていただいていたように、不法投棄の防止とか、廃棄物の最終処分場との関係の問題が本当はあったわけですけども、それが変わってきて、今では資源制約の問題が、多分一番大きいと思いますし、カーボンニュートラルとの関係もあり、あとEUのサークルエコノミーとの関係と、あとその雇用とかとの関係も含めて、環境の他の政策とか、環境以外の政策との関係での必要というのもあって、そういうのが国民にも分かるようにしていくというのが、極めて重要だと思いますので、かなり書いていただいていると思いますが、そういうことを、環境省も常にご関心を持っていただいて、取り組んでいただけるとありがたいと思います。
 ついでに言っとくと、新熊委員が言われた話は、それはもちろん大事なんだけども、コストエフェクティブネスとして、同じ量のCO₂を減らすために、どれだけコストを減らしたやつからやっていくかっていう、そういう、コストエフェクティブな話でもう一つあるので、一番効率的なやつから先にやっていったほうがいいので、非常に金のかかるものを先にやるのが適当かどうかっていう問題もあるので、新熊委員の話はそういう話だと思いますので、それはそれでまた検討が重要なんだろうというふうには考えているところです。以上です。終わります。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。総合的観点と、それから個別効率性の話、うまく今ご発言いただいたと思います。あと、はい、末吉委員、どうぞ。
○末吉委員 はい、どうもありがとうございます。ここまでの取りまとめ、本当に感謝申し上げます。私から、2点申し上げます。まず一点目が、先ほどのファッションのところなんですけれども、ここのファッションの部分で、適量発注、適量生産、適量購入、循環利用に転換していくということが書かれていますけれども、つくられたもの全て売られるというわけでもないと思いますし、売れ残った新品などをどうしていくのか、フランスでは今年1月に衣類の廃棄禁止令が出ましたし、廃棄のことについても、もう少しだけ詳しく書いていただけたらありがたいなと思いました。
 それから2点目が、先ほど髙橋委員もおっしゃっていたように、今、消費者の間では、意識が高まってきているというふうに感じているんですけども、やはり意識が高まっていても、行動ができないという社会であると感じていますので、意識が高まっている中で、行動も伴うことができるように、消費者、生活者に選択肢がある社会をつくる、行動できる社会の創出の後押しにつながるような政策というものが必要であると、改めて感じております。以上になります。ありがとうございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。追加のご意見、何か、発言ございますか。
○平尾室長 すみません、ルールメイキングのところで、適切に対応っていうのが、インプットも含めて適切にっていうことのつもり、書いていたつもりではありましたけども、ちょっと読みづらかったですかね、すみません。検討したいと思います。あと、その海外に持ってくる話、途上国とどうやっていくかっていうところ、ございましたけれども、そういったその総合的な話合いの中で、こういうふうにやろうというふうに、途上国側に思ってもらうこと、あるいはその日本としてソリューションが提供できるということで、これルールメイキングにも関係しますけれども、日本信頼感を得ていくということと加えて、こういうことをやるからこうなるんだというところをリアリティ持って話していくということが大事だなというふうに意見お伺いして、考えたところでございます。
 あと、CO₂のマックカーブの話と、あと個別のところとございまして、そういった視点も確かにございますので、そういった視点も持って考えていきたいというふうに思います。あとファッションのところで、すみません、ここで書いているもの、また本文に書けるものよりもかなり膨大な情報がございますので、ちょっと参考資料かなり追記したいというふうに思います。諸外国の動きもございますし、日本としてもここ数年の議論の積み重ねがございますので、その辺を足していきたいというふうにございます。廃棄な部分、そもそも市場規模、市場規模っていうか、売ってる店数が増えていって、儲けが増えていないとか、ちょっと残念な状況もあるものですから、そういったところも参考資料でしっかり明らかにしたいというふうに思います。
 また、行動変移の話も、ご議論賜りました。さっき、回答飛ばしちゃいましたけど、ご言及いただいたプラの関係のその世論調査の結果ですね、参考資料の3にあった部分ですけども、その中で私自身が面白いなと思っているのは、代替品どうっていうふうに聞いてみて、代替品嫌だと言った人が3%しかいなくて、これ、選択肢ということを考えても、非常にエンカレン軸なデータだなというふうに思って考えているところでございます。選択肢を増やすというところにつなげていくといったことが大事だという点、全くそのとおりだというふうに思います。すみません、私からの回答、以上になります。
○酒井部会長 はい、どうもありがとうございます。それでは、議題の1、このあたりにさせていただきたいと思いますが、複数の委員からご意見、この工程表の概要としてはこれでいいけども、どう実効性を持たせるんだという点のご指摘は、全くご指摘のとおりかと思います。そう一気にはいかないのも自明ではございますので、今回のまとめの中では、相当のメリハリをつけて書き込んでいただいているというようにも認識しております。
特におわりのあたりで、相当のメリハリをつけていただいたんじゃないかというふうに思っております。ということで、今後、少なくとも進んでいける一つの道しるべが今回できたんではないかというふうに思っております。さて、今後でございますが、今日いただいたご意見で、今日の事務局案で修正なしというわけにはいかないというふうに認識をしております。そういった意味で、今後修正を進めていくということで扱わせていただきたいと思っています。ただ、途中でもご意見ございましたとおり、遅くならないようにということも大切、すなわちその後の実効性のある施策を考えるということも重要かと思いますので、この修正の扱いに関しては、この事務局と作業を進めさせていただきますので、私のほうに一任いただいて、その上でパブリックコメントなどの手続を進めたいと思っております。こういう方向でよろしいでしょうか。
○委員 異議ありません。
○酒井部会長 委員からどうもご発言ありがとうございます。それでは、今申し上げた方向で、最後のとおりまとめ、そして、その後のパブリックコメントということで、パブリックコメントをもらった後、もう一回、この部会での議論のチャンスはあるという理解でよろしいでしょうか。
○平尾室長 はい、パブリックコメントをまとめまして、その考え方を含めてご審議賜りたいというふうに思っております。
○酒井部会長 ということで、あと一回、審議の機会、持っていただけるということでございますので、そういうことで、よろしくお願いをしたいと思います。それでは、議題の一つ目、このあたりにさせていただきたいと思います。あと、それ以外に一応多くの報告事項を、今日、用意をしていただいております。順に説明いただきまして、また適宜、ご質問、ご意見、まとめて頂戴できればと思います。お願いいたします。
○伊藤企画官 環境省循環型社会推進室の伊藤です。それでは、参考資料4に基づきまして、G7気候・エネルギー・環境大臣会合の結果について、ご報告したいと思います。冒頭、次長から申しましたとおり、5月26日、27日に、ドイツベルリンで、今回は対面で開催されております。その中では、気候変動の話、また環境分野でいきますと、生物多様性や、プラスチックを含みます海洋の話など、様々な議論がなされております。この中で、資源循環に関するものとしましては、資源効率性・循環経済に関するベルリン・ロードマップが採択されております。
 このベルリン・ロードマップの概要についてでございますが、根っことなりますのは、2016年にG7で採択いたしました、富山物質循環フレームワークでございます。2016年のときには、G7各国が3R・資源循環分野で取り組むべき国内対策ですとか、各国と共有すべき知見、政策といったものを定めたものがございます。これを受けて、ではG7で具体的にどういう作業を行っていくのかという作業計画が、2017年に、ボローニャ・ロードマップとして5か年計画が定められておりました。
 2022年6月に、ボローニャ・ロードマップの期限が切れますので、これを受けて、新たな3か年のG7の作業計画として、ベルリン・ロードマップというものが、今般採択されたところでございます。その内容につきまして、ボローニャ・ロードマップで定められていた様々な行動、プロジェクトといったことを踏襲しつつ、新たに気候変動と資源循環の重要性について注目する点ですとか、カーボンニュートラルを達成していくために、今後各国で必要となります金属などの重要鉱物、これらをしっかり確保していくことといったことなどがより強調されたものとなっております。主な活動や、影響が大きい分野というものも特定されておりまして、主な活動についてはそれぞれ、どの国がリードするかといったことなどもまとめられているものでございます。今後、このベルリン・ロードマップに基づき、来年、日本が議長国となりますG7などにおいて、着実に成果を上げていきたいと考えております。以上、参考資料4についての 説明は終わりにいたします。
○平尾室長 続いて、参考資料5をご覧ください。リサイクル推進室長でございます。市町村におけるプラスチック資源循環の取組状況についてということで、1枚めくっていただいて、スライドの2をご覧になっていただくと、これ昨年度の市町村のモデル事業と申し上げていた内容を、実は今日まとめたものでございます。プラ法ができて、容器包装以外に製品の分野についても、市町村のほうで、物品収集リサイクルをするということをお願いしているところでございますけれども、じゃあ、どうしたらいいんだろうというふうになるということでございまして、何かモデル事業って偉そうに言っていますが、国のほうで一緒になって考えさせてくださいということで用意した事業でございまして、6市採択させていただいて、実施をさせていただきました。資料のスライドの3をご覧になっていただくと、お分かりになりますように、プラスチック製の容器包装、容リですね、容リを既にやっているところも、やっていないところも、ご応募いただいて、バラエティに富んだ内容になったかなというふうに考えますと、スライドの4をご覧になっていただくと、それぞれが実施した内容でございまして、松本、亀岡、京都については、実際に製品プラを回収してみて、どういったことが出るだろう、どういった影響が出るだろうかといったものを、コスト面、CO₂面含めて分析をいただいたというものでございます。また、静岡と倉敷は、今容リもやっておりませんけれども、どういった方法でやったらうまくいくだろうかといったこともご検討いただいたり、大阪についても、どういった対応でスムーズにいくだろうかといったことをご検討いただいております。それぞれの内容については、ちょっと大部でもございますので、ご覧になっていただければというふうに思いますが、スライドの例えば8なんかご覧になっていただくと、スライドの8は松本市の結果なんでございますけども、コストが上がる部分も、スキームの組み方によっては、そこまで上がらない、そこまで上がらないというか、上がる幅にも差がありますし、CO₂はどういったやり方しても、減少ということが出ておりますし、その次、スライドの9の住民の反応についても、また市民の方、分かりやすい分別ができたというようなことで、クオリティ面でも問題がなかったという点をご議論いただいてございます。また、その他の静岡市といったことで結果が続いておりますけれども、最後のスライドご覧になっていただくと、スライドの31でございますが、スライドの31のところで、容器包装のみならず製品も含めた分別収集・リサイクルを行うということで、CO₂削減、これが確実に効くということが改めて明らかになったところでございまして、スキームの組み方によって、そのコスト圧縮できる可能性ということも分かったということでございます。また、住民のご協力も極めて大事であるということで、また昨年度のモデル事業、必ずしも十分検証できなかった点もございます。これ、今年度のモデル事業の今公募期間中でございまして、今年度については、採択市町村も増やして、一緒になって考えていくというつく業を進めたいというふうに考えてございます。市町村の分別収集区分の変更について、大きな大仕事になりますけども、少しでも前に進むように、国としても汗をかいてまいりたいというふうに考えてございます。説明は以上でございます。
○神谷課長 続きまして、参考資料6のPCB廃棄物処理基本計画の改定についてご説明いたします。廃棄物規制課長でございます。
 次のスライドをお願いします。PCBの処理については、平成16年の北九州から始めて、全国5か所の事業所での処理を進めてまいりました。平成26年に一度期限を迎えて延長を行い、その期限の終期が近づいてきているという状況でございます。
 次、お願いします。これが、その日程表でございまして、もう一枚先をお願いします。課題としまして、事業の終期が近づいて、掘り起こしが進んだ結果、この現在の計画的処理完了期限に加えて2年程度の処理期間が必要になっているという状況にございます。それから、変圧器、コンデンサーについては、北九州事業が終わった後、発見された継続保管物の処理が課題になってまいりました。
 次、お願いします。この見通しを踏まえて、立地市に対して、処理継続の要請を昨年9月に行ってございます。これに対して、今年の4月に、立地自治体からの受入要請の回答をいただいてございます。この中で、安全性の確保ですとか、期限内での確実な処理、地域の理解の促進等の受入条件もいただいてございます。これを踏まえて、PCB処理基本計画の閣議決定を行いました。
 次、お願いします。変更のポイントでございますけれども、事業所の準備期間を活用した処理を行うことを明記してございます。それから、継続保管物について、大阪と豊田での広域処理を実施することを記載してございます。これを踏まえまして、令和4年6月1日から、北九州事業所の操業も再開してございます。環境省としましては、受入条件全般に対して、しっかり取組を行いながら、引き続き1日も早い処理完了に取り組んでいくということでございます。
次の話題ですけれども、資料7ですね。バーゼル条約のCOP15の結果でございます。
 次の資料をお願いします。今年の6月ですね、ジュネーブで開催をされております。大きな改正点として、附属書の改正がございました。これまで、条約附属書の中で、有害な電子・電気機器廃棄物(E-waste)が対象になってきたわけですけど、これに加えて、非有害のE-wasteについても、この廃棄物発生国での処理の原則というこの条約の考え方に基づいて、条約の規制対象に追加という附属書の改正が行われてございます。併せて、その対象物も明確化したということでございます。この改正附属書が、2025年の1月1日から発効いたしますので、今後、実施のために必要な国内の詳細規則等詰めていくということになります。非有害のものも含めて、通告同意の手続の対象になるという大きな改正でございます。
 2番でありますけど、その他、様々なガイドラインの採択が行われてございます。水銀廃棄物の適正処理ガイドライン、あるいは陸上焼却に関するガイドライン、これらは、日本がリードしながら採択に至ったというものでございます。さらに、最終処分場に関するガイドライン、POPsに関する技術ガイドライン等の採択も行われておりまして、プラスチック廃棄物の技術ガイドラインについては、採択までは至ってございませんが、議論が進んだという状況でございまして、いずれの話題も日本がその議論に知見を生かして貢献をしてきたというところでございます。
 次、お願いします。参考資料8ですね。SAFの関係でございます。次のスライドをお願いします。SAFについてですけれども、持続可能性のクライテリアを満たす再生可能または廃棄物を原料とするジェット燃料ということで、バイオマスに加えてプラについても原料となりますけれども、この場合はCO₂削減効果が小さくなることに留意が必要ということであります。2020年以降、国際的に、CO₂、航空からの総排出量を増加させないという目標がございまして、2050年には、炭素排出をネットゼロにするという目標が立ってございます。国内でも、これに伴って、2030年のSAF使用量について、燃料使用量の10パーセントを置き換えるという目標を設定してございます。これを進めるためにということで、官民一体となって取り組むための体制、SAF導入促進に向けた官民協議会が、今年の4月に設立されてございます。下にございますように、今の供給量は、世界で6.3万キロリットルということですけれども、2050年には、4.1から5.5億キロリットルということで、非常に多くの需要が見込まれてございます。
 次、お願いします。SAFを製造してから供給までの流れがここにございますけれども、特に廃棄物分野で期待されているこの原料の調達から、エタノール等を製造するといったところが、大きく貢献を期待されてございまして、我々も実証等に取り組んでいる中心が、このポイントということになります。
 次のスライド、お願いします。導入のための取組ですけれども、今年度から、実証事業を行っていますということで、廃棄物とバイオマスを用いた、省CO₂型ジェット燃料の製造、社会実装化実証事業というのをやってございます。これに先立つ事業としては、可燃性ごみから、エタノールを製造するという実証をやってきてございまして、これもプラスチックやSAFの原料としての利用が期待されるというものでございました。次をお願いします。
 様々なSAFの導入に対して課題がございます。食用油について、食用油は一部輸出もされているということで、今後は国内循環を進める必要があるだろうということでございます。それから、バイオマス系の廃棄物は、SAFのみならず、肥飼料ですとか、メタン原料など、いろいろ需要を生じてきているというところがございます。プラスチックは、現状化石燃料由来でございますので、まずはリサイクルを促進していくということになると思います。その際の考え方として、リサイクルできない場合は、SAF等の熱回収を進めるという、この全体的な優先順位も考えながら対応していく必要があると思ってございます。それから、SAFと原料の供給体制ということでありますけれども、製造するからには、確実に長期にわたって取っていただく必要があるだろうというところが大事かと思います。それから、外国産に比べてコスト等が高いということで、国産であることの優位性をどう考慮していくかという課題もあるかと思います。さらに、製造物としてつくるために、引取品質の明確化なども課題になってまいります。
 最後のページですが、SAFの製造のポテンシャルということでございまして、運輸総研さんが出しておられるデータでございます。この中で、赤囲みのところでありますけれども、ガス化FT合成をした場合のSAFの今後のその供給量のポテンシャルでありますけれども、①にあります未利用量のみSAFに振り向ける場合は、20万キロリットル、それから全ポテンシャルをSAFに振り向けるとした③の場合については、424万キロリットルのポテンシャルがあるという分析でございまして、現在の国内給油量が1315万キロリットルでございますので、こういうかなり幅のある見方がされているということでありまして、今後、供給がどの程度可能かというところを見極めていく必要があると思ってございます。以上でございます。
○筒井課長 それでは、次に参考資料9-3-1、9-3-2のところのご説明をさせていただきます。循環型社会部会の下におかれております、家電リサイクル制度評価小委員会におきましてご決議をいただきまして、6月23日付で、中央環境審議会としての意見具申をいただきました。家電リサイクル制度の施工状況の評価、検討に関する意見具申についてご説明させていただきます。
 こちらの小委員会での検討状況につきましては、昨年4月から家電リサ法の経産省と共同ということですので、経産省の産業構造審議会、産業技術環境分科会、廃棄物リサイクル小委員会、電気・電子機器リサイクルワーキンググループと合同会合という形で、6回にわたり検討いただいたものでございます。
 本日、部会にご出席いただいた先生の中では、大石委員、大熊委員、大塚委員、崎田委員、村上委員にご参画をいただいたところでございます。改めて御礼を申し上げます。
 それでは、参考資料の9-1に基づいて、この意見具申の概要をご説明をさせていただきたいと思います。
まず、1ポツのところにあります現状ですね。家電の引取台数、地上デジタル放送への移行の期間を除いて、過去最大という形になって、令和2年度は、6年連続で、年度比増という形になっております。回収率につきましては、目標値、平成30年56%というものがあったわけですが、それを達成して、令和元年度も64.1%という形で増加、ただ、エアコンの回収率が37.6%ということで、多品目より低いという現状でございます。
 再商品化率につきましては、平成26年以降はおおむね横ばい、しかしながら、法定の再商品化率を上回っているという状況です。不法投棄については、法施行前の約42.4%まで減っているという状況です。このような中で、この2ポツ、3ポツ、課題論点と、具体的な施策というものをまとめております。一番初めの対象品目ということで、議論の中では、有機EL、それから電子レンジ、マッサージチェア、オイルヒーターなどについて、対象品目としての見解として検討した結果、有機ELテレビにつきまして、速やかに対象品目とするように検討するということとなっております。
 それから2番目、家電リサイクル券の利便性向上のところでございます。個人情報の管理によって保管、それから書き損じなどの対応などで、かなり労力が割かれているという話がございましたので、記載事項の簡略化、さらに保管の電子化など、合理化について、実態を踏まえながら検討していくべしということとなっております。
 3つ目のところですね、多様な販売形態を取る小売業者への対応ということで、ECの事業者さんなんかも増えてきているということで、そういう販売形態の事業者による引渡し義務が適切に履行されることが必要であるということから、右のところに書いてありますように、立入検査の重点化・合理化、モールサイトとの連携などにより、計画的な確認指導等検討ということで、これは、経産省、環境省などで既に取組を開始しているところでございます。
次のページをお願いいたします。次のページ、社会状況に合わせた回収体制の確保・不法投棄対策というところで、この4つのチェックがついているところについて、検討させていただきました。
 まず、指定取引場所の在り方について、引き続き製造事業者と連携しながら検討を進めていくということ、それからまた、やはり社会情勢の変化、地域特性に応じた消費者が配置しやすい方法、それから消費者に分かりやすく伝える方法を検討していくべしということとなっております。さらに、義務外品の回収体制などや、不法投棄体制の取組、これについての支援の継続・充実ということ、5つ目のところの、回収率の向上のところでございます。エアコンが低いということ、先ほど申し上げました。そういうことで、右のほうの具体的な施策という形でございますけれども、回収率向上に向けて重点的に取り組むということで、違法回収業者やヤード小売業者の実態把握、それからそのホテルとか賃貸住宅から出てくるようなエアコンというようなものですね。家庭用のエアコンについての、排水業者や消費者への普及啓発というものを進めていくというものでございます。新たな回収率目標ということで、4品目で70.9%ということを設定させていただくということでございます。それから、6番目、再商品化等の費用の回収方式、ここの検討、合同会合の中では、この料金制度、排出時負担、後払いから検討する場合の課題等などを議論させていただきました。その結果として、現時点ではこの料金制度の変更になるだけの問題消費対策は考えにくいために、その制度の変更は実践的ではないという結論になっています。しかしながら、現行制度、制度を変更した場合の課題について、引き続き検討を進めていくと。
 さらに7つ目のところでございますけれども、サーキュラーエコノミーと、再商品化率、カーボンニュートラルというところでございます。これ、本日の議論の中などにも関係してくるところでございますけれども、リサイクルなどにつきましては、やはりどんな動静脈間の情報共有とシームレスな物質フローの接合、それから、環境配慮設計、新たな再商品化方法の検討、さらに水平利用といったリサイクルの質的向上に取り組むということをされております。また、再商品化率につきまして、適切な水準について引き続き検討すると。さらに、脱炭素の移行に向けて、環境配慮設計やリサイクルの質の向上とともに、やはりそのフロンを使用するエアコンの回収率の向上というものが課題であるため、そこをしっかりと取り組んでいくというような形となっております。今後、この報告書の内容を踏まえて、まずは、対象品目の要件の追加を含めて、毎年1回ほどフォローアップをしながら、課題が発生している場合とか、社会情勢の変化に基づいて、制度の見直しが必要とされる場合には、合同会合の合意を得て、制度の見直しの議論を再度行うというような意見具申をまとめさせていただきました。
 以上、廃棄物適性推進課長のほうからご報告をさせていただきました。
○酒井部会長 どうも、それぞれの資料の説明、どうもありがとうございました。貴重な報告いただいていると思います。それでは、ご質問、あるいはご意見のある方、また挙手ボタンを示していただけますでしょうか。一通りご質問をいただいた上で、またまとめてご回答いただきたいと思います。大熊委員、お願いいたします。
○大熊委員 はい、どうもありがとうございます。私のほうからは、参考資料5の市町村におけるプラスチックの循環の、資源循環の取組状況でございます。2点、質問させていただきます。
 一点目は、プラスチックの組成分析のことでございまして、各都市で、プラスチックの組成分析をされているようなんですけど、容器包装と製品の構成ということでやっている中で、製品の組成なのに、45%の都市があったり、あるいは17%の都市が、非常に低いところもあったりという、ばらつきがあるんですが、その辺の背景は分析をされているのかどうかということが一点目です。2点目は、容リルートと認定ルートのコスト比較をいくつかの都市でされているんですけれども、当然、似ているとお互いには、市町村の中間処理を省略できるというシステムが、今度制度ができましたので、その検討も行っているところがあるんですけども、今当然、中間処理がなくなれば、コストが低くなると思っていたんですが、静岡市が、容リルートを使った方法よりも認定ルート、これは中間処理も省略している方式なんですけども、そちらのほうがコストが高くなっているという状況になっているんですが、この辺のもし背景があればご説明をお願いできればと思っています。以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。引き続いて、藤森委員、お願いいたします。
○藤森委員 ありがとうございます。私のほうも、参考資料5、市町村におけるプラスチックの資源循環の取組状況について、という部分についてであります。これについては、自治体のほうで取組を行うわけでありますけども、なかなか現実進んでいないという現状がありました。それを何とか進めるためにということで、国のほうで、この事業をやっていただいていると思っています。今年度もできるだけ幅広く行うということで、先ほどご説明いただいたところでありますけども、その内容を十分検証しながら、できるだけ早く、多くの自治体で取り組めるように、さらにはそのためには、体制なり様々な財政的な部分も必要になってくると思いますんで、そういう面からも十分ご検証いただきたいなというようなお願いであります。以上です。よろしくお願いいたします。
○酒井部会長 はい、どうも、藤森委員、ありがとうございます。引き続いて、高村委員、お願いします。
○高村委員 ありがとうございます。私のほうからは、補足資料8の持続可能な航空燃料SAFについて、意見を申し上げたいというふうに思います。
 本日、事務局からご紹介があったように、今、特に国際線を運航する航空会社は、国際的に削減義務量が設定をされて、それを機材の改善ですとか、運行方向の改善や、あるいは新しい電力や水素を使ったような機体の開発と並んで、当面の対応として、ここであるSAFの導入を、積極的に進めているところです。これ、義務量超えますと、排出分のクレジットを購入する仕組み、達成する仕組みになっていまして、そういう意味では、どういうふうに、このSAFはどういう価格でどういうふうに調達できる、どういう量を調達できるかというのが、日本のエアラインや航空事業のコストにもなるということだからです。
 特に、今回廃棄物について、やはり注目はされてますのは、国際的なこのSAFの要件というのが、ライフサイクル全体のCO₂排出量が問題になっております。したがって、海外からの輸入というのは、否定をしないわけですけれども、輸送にかかるCO₂、コストはもちろんですけれども、それから原料の栽培、収穫等から、燃料作物なんかそうですけれども、こちら間接的と治療変化も含むCO₂評価が必要になってまして、そういう意味で、廃棄物に対して非常に大きな注目が集まっているというふうに思います。関係省さんの施策の文脈での施策で、ぜひお願いしたいの2点でして、一つは、これ確かな情報かってなりますけども、SAFの原料となるような、例えば廃油などもそうなんですけれども、海外に出ていっているという話も聞かれてまして、やはりその再利用リサイクルをして、それができなくなった廃棄物をうまくSAFの原料として使っていく、ですから、SAFをつくっていく事業者さんにわたる、しっかりした、やはり回収、引渡しの仕組みというのを、ご検討いただけないか、これ様々なSAFの原料ございますので、少しその候補になっているものも含めて、ご検討いただけるといいなというふうに思います。
 2つ目は、参考資料8の6枚目に、SAFの製造ポテンシャルございます。運輸総研さんの検討のところ、少し関与させていただいたんですが、発生する廃棄物の実態や、あるいは回収リサイクル処分の実態が、環境省なら一番分かってると思いますので、ぜひこのポテンシャルについても協力して、精査をさらにしていただきたいというふうに思っております。以上です。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。では引き続いて、篠木委員、お願いします。
○篠木委員 はい、ありがとうございます。私からは、参考資料5について伺いたく思います。こちらの参考資料5のほうで、新しくどういった制度が、今後プラスチックの分別において意味を持つのかということを検討していると思うのですが、こういった制度の変更というのが、住民の分別行動に大きな影響を与えるのではないかと思います。その与える影響には、ポジティブな影響とネガティブな影響があって、ポジティブな影響に関しては、この参考資料の9ページに松本市の住民の反応として書かれているように、「従来の分別に慣れているので定着するにはしばらく時間がかかると思いますけれども、いい取組だと思います」というように、新しいこの制度が教育効果を持って住民の認知を高め、協力を上げるという可能性があります。一方で、こういった新しい制度に対して、対応できない人たちがどうしても住民の中で出てきてしまいます。それが恐らく高齢の方で、今までずっとこうしてたのに何で変えなくてはいけないかというところで、認知がついていかないということがあることが過去の研究では指摘されています。社会が高齢化に向かっていくときに、そういった、なかなか対応できない人たちの比率が増える可能性があるように思いますので、ぜひとも、この事例を増やし、どうすると住民の協力にいい効果があるのかという要因の把握をしていただければと思います。以上です。
○酒井部会長 はい、どうもありがとうございます。では、崎田委員どうぞ。
○崎田委員 はい、崎田です。どうもありがとうございます。既にいろいろご意見がもう出ました。短くします。
参考資料5、私は市町村におけるプラスチックの資源循環の取組のことで一言コメントさせていただきます。私自身、自治体の廃棄物処理計画づくりの審議会にかなり参加をしておりまして、多くの自治体が関心を大変高く持っているんですけれども、実際に議会の方と一緒に視察とかいろいろなのを積み重ねると、やっぱり無理かなというような雰囲気になる方が大変多く、私は今のところ、できるだけそこを、やはりどういう点で、長期的な意義とかそういうお話をするんですが、やはり今税金で仕組みをつくらないといけないという自治体の方たちにしっかり分かっていただくための利点とか効果、そういうものを明確に見据えながら情報発信していただければありがたいと心から願っています。今回も、こういう資料を出していただいて、大変ありがたいと思います。活用していきたいと思います。よろしくお願いします。
○酒井部会長 はい、ありがとうございます。では引き続いて、大塚委員、お願いします。
○大塚委員 一点簡単な質問と、もう一点簡単なコメントですが、参考資料5の26ページのところで、一般廃棄物処理施設との関係などで、あるいはこのプラスチックの一括回収の実施との関係で、条例の改正が必要になるということが出ていますが、これは、大阪市に限った問題では必ずしもないと思うんですけども、全国的な問題になり得ると考えたほうがよろしいんでしょうか。ちょっとその点を教えてください。
 それから、私もそのSAFのところは関心がありますが、先ほどの話だと、国内のその全ての廃棄物をSAF製造に振り向けても、国内給油量の3分の1ぐらいにしかならないということですと、輸入しなくちゃいけないというのも、先ほど高村委員も言われましたが、あまりいろんな意味でよくないと思いますので、ここは、今後どうしていくつもりかっていう話、まだちょっと先の話かもしれませんが、何かお答えいただけたら大変ありがたいと思います。以上でございます。
○酒井部会長 どうもありがとうございます。それでは、委員からの質問は以上でございますね。それぞれの担当からお答えいただきたいと思いますが、ちょっと質問なかった案件も含めて、一つ目のベルリン・ロードマップ、これも、相当今後重要な話になると思っているんですけれども、今後、日本が特にリードをしようとしていく部門について、ちょっと追加で説明をいただければというのが一点です。それから、家電リサイクルのほうですけれども、これも、既に意見具申いただいたものでございますが、今日、話題にあった修理、リペアが、このあたりが、今回どう扱われているかという点のご紹介をいただければと思います。それでは、それぞれご担当お願いいたします。
○伊藤企画官 ベルリン・ロードマップについてお答えいたします。日本がリードする取組の中で、一つ目が、循環経済及び資源効率性の原則の策定というものがございます。これ自体は、昨年のG7のときに決まったものでございますが、これをさらにG7の資源効率性アライアンスというところで、この策定作業を進めていくことが確認されたものでございます。企業や投資家の方々が、資源効率性、循環経済を、企業の経営、ビジョンに盛り込んでいただく、そういったことによって自主的な取組を促進しようというものでございます。2023年の策定に向けて作業を進めてまいりたいと思っております。
 この他に、廃棄物分野での脱炭素化というものがございます。これにつきましては、日本で、昨年8月に、循環部会でまとめていただきました中長期シナリオ案がございまして、これについて、G7各国と内容について、情報共有をより密に図っていきたいと思っております。各国かなり注目していただいておりますので、日本発の取組として、発信してまいりたいと思っております。また、希少金属などの重要鉱物の資源循環についても、各国との中の協調的な政策が取れないかということを議論してまいりたいと考えております。以上3点が、特に日本がリード、あるいは共同リード国としていく作業として掲げられたものでございます。
○平尾室長 続いて、参考資料5についてご説明申し上げます。この資料、昨年度のモデル事業のまとめとして、まとめたものですけれども、市町村の皆様、あるいは市町村を指導いただく都道府県の皆様に使っていただければという趣旨でまとめたものでございまして、今後のその検討のバリアを下げようというふうに考えております。
 個別に、市町村の相談会なども実施をしておりますけれども、こういった情報を発信しているということも含めて、しっかりと対応していきたいというふうに思います。その中で、優れた事例、こういったことも効果があったよといった事例もこれに限らず蓄積を図っていって、シェアをしていきたいというふうに考えてございます。いくつか直接的なご質問ございました。組成がばらついている点、確かにばらついてございます。例えば製品プラの量が多かったのは、亀岡でございますけれども、これ、資料にも書いてございますが、資料の20ページの部分なんですけども、ここ、周知の仕方、あるいは実験のやり方が、ちょっと課題があった可能性が高くございまして、期間限定であったということと、埋立ごみの指定袋が有料であるということで、現状、プラ製品が埋立ごみというふうになっておりますけれども、今回まとめて出たという可能性が高いというふうに考えてございます。
また、費用のところで、静岡市のデータなんかもご指摘ございましたけれども、これもご指摘のとおりでして、いろんなパターンを仮定して計算してございます。また個別に、別途詳しくご説明したいというふうに考えておりますけども、距離の置き方と、その指定法人スキームい認定スキームかいう両方のファクターが効いてございまして、一番近くて、認定スキームでやるパターンが一番コスト増が圧縮されておりますけれども、遠方でやる方、想定すると、認定スキームの場合でも、その分のコスト増が効いてるという部分がございます。
 また、大阪市のところで、こういった改訂が必要なものっていうのは、全国的な話なんじゃないかというご指摘ございました。スライドの26の部分でございますけれども、ある意味そのとおりの点、ないところと両方あろうかというふうに思いますけれども、一般的に言ってその一般廃棄物処理計画で、その分別の区分を決めているというようなことが多くございます。そういったところで、皆さんそういったところを変えつつ、実施するといったことが必要になるという部分もあろうかというふうにございます。
 ごめんなさい、一般論で恐縮でございますけれども、以上でございますが、こういった内容の蓄積といったこと事例の蓄積も含めて、今後に生かしていきたいというふうに考えてございます。ありがとうございます。
○神谷課長 じゃあ、最後、SAFについてのお尋ねでございます。高村委員からご指摘の回収引渡しの仕組みづくりをするべきだというご指摘。それから、製造ポテンシャルのデータについて、環境省も協力してデータを整備していくべきだというご指摘、いずれもご指摘のとおりだと思います。私ども、この官民協議会などの場も通じて、各所関係者と協力しながら、取組を配給する分野のほうからどういう貢献ができるかというところ、しっかり進めていきたいと思っています。
 あと、大塚先生から、このポテンシャルを見ると、国内需要が満たせないではないかというご指摘をいただいています。確かに、国内での需要を全て払うというのは、なかなか難しいものがございます。この数字自体は、廃棄物からの供給量というデータでございますので、その他のMOXバイオマスとか、もう少しポテンシャルがあるにはあるんですけれども、やはりこれも、関係者連携をしながら、いかにそういう国産の品質を高められるかという議論に貢献していきたいというふうに思ってございます。以上です。
○筒井課長 それでは、酒井部会長からいただきました、家電リサイクル法のところの修理とかリリースのところどういうふうになっているんだ、どういうこと書かれているんだという話でございます。
 私のほうから簡単にご説明させていただきますけど、家電の要品目につきましては、今までも修理対応等を設定されてて、ある程度の取組は進んでいるわけですけど、やはり大局的な観点から、引き続き家電リサイクルと、特に循環経済の在り方を検討していくことが必要だという考え方に基づきまして、意見具申の最後のところ、終わりにのところに、やはりサービス化や修理などを通じて、付加価値の最大化を図るような、循環経済の移行の必要性というところを書かせていただきまして、そういうような意向が事業の活動の持続可能性や中長期的な国際競争力の源泉となるということも、書かせていただいているところでございます。簡単ですが、以上でございます。
○酒井部会長 はい、どうもありがとうございます。それでは、今日の報告事項とのやり取り、このあたりにさせていただきたいと思います。一点のみ、SAF航空燃料についてでございますが、高村、大塚両委員からご指摘があったとおり、今後十分な確認、調整を、ぜひ質量とも、期待は結構だと思うんですけれども、十分な確認が必要な分野かと思います。丁寧な、今後の作業を期待をしたいと思います。それでは、今日の本日の議事、以上となりますので、進行を事務局のほうにお返ししたいと思います。
○奥山課長 ありがとうございます。それでは最後に、ただいまの出張先の移動で、室石局長が、ちょうどこちらに参加しておりますので、一言ご挨拶をさせていただければと思います。局長、聞こえますでしょうか。
○室石局長 室石ですが、こちらの声、大丈夫ですか。
○奥山課長 はい、聞こえます。よろしくお願いいたします。
○室石局長 本日は、皆様方におかれましては、活発なご議論、本当にありがとうございます。また、私のことになるんですが、6月30日付で退職ということになりました。既に新聞とかでご覧いただいているかもしれません。国家公務員となって、37年勤続させていただきました。新人として配属されたのが、一般廃棄物の担当課でございまして、また、補佐時代は9年間廃棄物関係の課室ですね、順番に経験させていただきました。PCBあるいはダイオキシン問題、あるいは、各種のリサイクル法制定、それから廃棄物処理法の改正も、補佐時代に3回ぐらいあったと思うんですが、いろいろと激動の時代を過ごさせていただきました。
 最近では、福島の復興関係で10年ぐらいやらせていただいたということになります。様々な委員の方々のご指導、ご鞭撻あって、何とか行政を乗り切るときが来たと思う次第でございます。これまで本当にありがとうございました。
後任は、土居次長が、7月1日から局長になるということでありますので、連続性の観点から全く問題ないというか、心配ないというふうに思っております。本当に大変お世話になりまして、ありがとうございました。ちょっと私事の紹介で恐縮ですが、本日、循環部会のほうも本当に活発なご議論の繰り返しになりますが、ありがとうございました。以上でございます。
○奥山課長 次回の循環型社会部会につきましては、事務局のほうから改めてご連絡をさせていただきます。以上で、本日の部会閉会をさせていただきます。どうもありがとうございました。
午後5時02分 開会