報道発表資料

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2026年07月17日
  • 地球環境

アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)第27回政府間会合/科学企画グループ会合の開催結果について

  1. アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN: Asia-Pacific Network for Global Change Research)の第27回政府間会合及び科学企画グループ会合が令和8年7月9日から10日にかけてタイ・バンコクで開催されました。
  2. 創設30周年の節目となる本会合では、第5次戦略フェーズ(2020-2026年)の成果報告及び承認が行われ、同フェーズにおいて108件の研究プロジェクトの実施や698件の科学論文・知識成果物の創出等を通じて、アジア太平洋地域における科学と政策の連携強化に貢献したことが確認されました。
  3. また、今後5年間の活動の方向性を示す第6次戦略計画(2026-2030年)が承認されました。第6次戦略計画では、気候変動、生物多様性の損失、汚染等の地球規模課題への対応に向け、科学と政策の連携及びステークホルダーとの協働を重視し、地域研究、科学的能力開発、科学・政策連携等を通じた実践的かつ政策志向の研究を推進することとされています。

目的・概要

  1. 目的
    隔年でメンバー国22か国の政府メンバーと科学者メンバーが集結し、APNの中長期計画の策定をはじめとする重要方針の決定、組織運営に関する議論等を行う。
  2. 日時
    2026年7月9日・10日
  3. 場所
    タイ・バンコク
  4. 参加者
    ・17か国の政府代表及び/又は科学企画グループメンバー、招聘専門家、オブザーバー、事務局職員等計70名
    ・我が国からは、環境省 羽井佐幸宏 地球環境局総務課気候変動科学・適応室長(APN日本フォーカルポイント)、同室室長補佐高附彩、東京大学未来ビジョン研究センター センター長福士謙介(APN科学企画グループメンバー)、国立環境研究所気候変動適応センターアジア太平洋気候変動適応研究室室長増冨祐司(能力開発委員会専門家)他が出席した。

結果概要

  1. 第5次戦略フェーズ報告書(2020-2026年)の承認
     APNの第5次戦略フェーズ期間中には、COVID-19パンデミック等の影響下においても活動を継続し、研究、能力開発及び科学と政策の連携強化を推進した。期間中、108件の研究プロジェクトを実施するとともに、698件の科学論文・知識成果物を創出し、そのうち110件以上がIPCC第6次評価報告書(AR6)に引用されるなど、国際的な科学的知見の蓄積に貢献した。また、共同研究や人材育成事業を通じてアジア太平洋地域の研究能力強化を支援するとともに、UNFCCC、IPCC及びIPBES等の国際プロセスへの貢献や関係機関との連携を拡大した。これらの取組を通じ、APNは気候変動適応、生物多様性、防災・減災等の地域課題への対応を支援し、科学と政策をつなぐ地域プラットフォームとしての役割を強化したことが報告された。
     今回会合では、これらの成果を含め第5次戦略フェーズ期間中におけるAPNとその活動をまとめた包括的な報告書が承認された。当該報告書では、APNが研究支援、能力開発及び科学と政策の連携を通じて、アジア太平洋地域における地球変動研究と持続可能な発展の推進に貢献してきたことが記載された。
  2. 第6次戦略計画(2026-2030年)の承認
     APNの第6次戦略フェーズ期間(2026-2030年)における活動の方向性等を定める戦略計画として、第6次戦略計画が承認された。
     当該計画では、地球規模の環境変化に対応し持続可能な社会の実現を目指すため、①地域研究、②科学的能力開発、③科学・政策連携、④ステークホルダー参画、⑤組織及び財政基盤の持続可能性強化の5つの戦略目標が設定された。
     特に、気候変動適応、自然を活用した解決策、都市の持続可能性、AI・地球観測技術、気候・環境・健康の統合的課題、循環経済、気候資金、食料・水・エネルギー安全保障等を重点分野として推進することとされた。
     また、政策立案者や関係者との共同設計を重視し、研究成果の社会実装や科学的知見に基づく政策形成への貢献を強化する方向性が示された。当該戦略文書はAPNウェブサイトで公開予定。
  3. APN枠組文書改訂の承認
     APNの機構・組織等について規定するAPN枠組文書について、環境省より、運営委員会及び科学企画グループにおける共同選任専門家の任命手続、任期、更新及び交代に関する規定の明確化、各機関・下部組織の役割説明の追加、現行の運営実態に合わせた規定の整理、用語の統一等の改訂案の提案を行い、提案通り承認された。これにより、APNのガバナンスに関する透明性及び一貫性を向上させるとともに、組織運営の明確化が図られることとなった。
  4. APN創設30周年
     本会合では、2026年に創設30周年を迎えたAPNのこれまでの成果や将来展望について意見交換が行われた。APNは引き続き、アジア太平洋地域における科学と政策の橋渡し役として、持続可能で強靱な社会の実現に貢献していくことが確認された。

今後の活動方針

 APNは、今回会合にて承認された第6次戦略計画に基づき、気候変動適応をはじめとする地球規模課題への対応に資する研究及び能力開発を推進するとともに、研究者、政策担当者、若手専門家、民間企業及び市民社会との連携を強化していく。特に、科学と政策の連携を一層強化し、研究成果の社会実装や科学的知見に基づく意思決定への貢献を進めるとともに、アジア太平洋気候変動適応情報プラットフォーム(AP-PLAT)との連携を含めた気候変動適応に関する知識の共有・活用し取組を推進していく。また、アジア太平洋地域・地球環境変動研究の若手専門家ネットワーク (APN-ECAP)をはじめとする取組を通じて若手研究者・実務者の育成を進め、アジア太平洋地域の持続可能な発展を担う次世代人材の育成・ネットワーク強化を図る。

APN概要

  • 日米のイニシアティブにより1996年に発足した政府間ネットワーク。我が国(環境省・兵庫県)は設立以来最大の拠出国としてAPNを支援している。事務局は兵庫県神戸市に所在。今回開催された政府間会合は同ネットワークの最高意思決定会合であり、加盟している22か国の政府代表が各国科学企画グループ代表と共にネットワークの活動について議論するもの。
  • 加盟国:オーストラリア、バングラデシュ、ブータン、カンボジア、中国、フィジー、インド、インドネシア、日本、ラオス、マレーシア、モンゴル、ネパール、ニュージーランド、パキスタン、フィリピン、韓国、ロシア、スリランカ、タイ、米国、ベトナム
アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)事務局/APNセンター(兵庫県神戸市)
 Website:http://www.apn-gcr.org
 TEL:(078)230-8017 FAX:(078)230-8018 Email:info@apn-gcr.org
 

連絡先

地球環境局総務課気候変動科学・適応室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8242
室長
羽井佐 幸宏
室長補佐
高附 彩