報道発表資料

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2026年07月06日
  • 地球環境

第12回日本国環境省・アジア開発銀行環境政策対話の結果について

1. 環境省とアジア開発銀行(ADB)は、2026年5月28日に第12回環境政策対話を実施しました。今回の政策対話では、環境協力に関する覚書(LOI)に基づく主な取組の進捗を確認するとともに、今後の具体的な協力内容について行動計画として取りまとめ、LOIを更新するための文書に署名しました。

2. 政策対話においては、土居健太郎環境省地球環境審議官及びファティマ・ヤスミンADB副総裁が出席し、意見交換を行いました。

3. 議論の結果、両者の協力においては、環境問題のより幅広い分野において、分野横断的に共同の取組を行うことが重要であるとし、特に、気候変動・生物多様性・汚染対策に関する取組においてシナジー効果が発揮されることを重視し、協力していくことになりました。

■ 背景

 環境省とアジア開発銀行(ADB)は、2014年6月に環境協力に関する覚書(LOI)を締結して以降、毎年、環境政策対話を実施しています。今回、同覚書に基づく12度目の環境政策対話を開催しました。

■ 開催日時

 2026年5月28日 10:00~11:45(現地時間)

■ 場所

 ADB(フィリピン共和国マニラ市) 

■ 主な出席者

 (ADB)
  ヤスミン セクター・テーマ担当副総裁
  アメール・A・チョウドリー 副総裁室アドバイザー  ほか

 (環境省)
  土居地球環境審議官
  梁瀬推進官
  工藤都市間連携推進企画官   ほか

■ 主な議論

 今回の政策対話では、環境協力に関する覚書(LOI)に基づく主な取組の進捗を確認するとともに、今後の具体的な協力内容について行動計画として取りまとめ、LOIを更新するための文書に署名しました。
 政策対話おいては、土居健太郎環境省地球環境審議官及びファティマ・ヤスミンADB副総裁が出席し、意見交換を行いました。
 議論の結果、両者の協力においては、環境問題のより幅広い分野において、分野横断的に共同の取組を行うことが重要であるとし、特に、気候変動・生物多様性・汚染対策に関する取組においてシナジー効果が発揮されることを重視し、協力していくことになりました。

 そのほかの議論の概要は下記のとおりです。

(ⅰ)  シナジー

 ➢ 気候変動、生物多様性、汚染および廃棄物管理等の統合的・相乗効果のあるアプローチを推進していくことについて確認した。
 ➢ 多国間かつ多利害関係者による協力を促進し、相乗効果の促進を目指すほか、国および地方レベルでの協力や、関連するニーズを、財政的・人的資源と結びつける機会を模索し、開発プロジェクトを通じて具体的な成果を目指すこととした。
 ➢ 特に、アジア・太平洋シナジーレポートの概要と今後の予定を共有し、新たにこの分野を協力分野として含めることとした。関係者間で意見や情報の交換を行うとともに、国際機関と協力して公開を目指し、今後3年間の活動の指針として、継続的に情報交換と相互協力を促進していくことを確認した。

(ⅱ) 気候変動

 (緩和:JCM日本基金(JFJCM)及び国際炭素市場)
 ➢ JFJCMの近年の実績について共有し、実施地域の拡大等に関する取組の効果を確
認するとともに、日本環境省のみでは実現が困難なプロジェクトがADBの協力により実現していることに触れ、JFJCMの実施にADBの高い能力が貢献していることを確認した。今後もJCMA(日本政府指定JCM実施機構:JCM Implementation Agency)やIGES(公益財団法人 地球環境戦略研究機関:Institute for Global Environmental Strategies)との連携も含め協力してプロジェクトを推進していくこととした。 
 ➢ 環境省とADBは、実施中のJFJCM案件から発行されるJCMクレジットを、パリ協定6条ルールに沿った「国際的に移転される緩和成果(ITMOs)」として国際移転できるよう取り組むことを確認した。また、GHG観測衛星のGOSAT(温室効果ガス観測技術衛星:Greenhouse gases Observing SATellite)の観測データの活用を含めたMRV活動の加速化策等について検討することとした。

 (適応)
 ➢ 従来からの協力分野に加えて、早期警戒システム(EWS)を含む気候リスク管理のための地域イニシアティブを実施していくことを提案し、今後協力して推進していくことについて確認した。特に、民間セクターを含む関連関係者と協力しながら、協力とパートナーシップの機会を模索するものとした。 
 ➢ 今後も、アジア太平洋気候変動適応情報プラットフォーム(AP-PLAT)を含む適応情報プラットフォームやその他の適切なチャネルを通じて、協力し、共有していくことを確認した。 

(ⅲ) 生物多様性

 (生物多様性・自然に基づく解決策(NbS))
 ➢ 自然に基づく解決策(NbS)による災害リスクの軽減と適応の推進およびSATOYAMAイニシアティブへの支援に取り組むことについて確認した。加えて、ネイチャーポジティブ経済の実現に向けた取組を軸に、政策対話、能力開発、政府・民間セクター、その他の主要関係者とのパートナーシップを通じて、関係者間の関与を強化することを目指すこととした。
 ➢ 日本環境省とADBの共通の関心事項として生態系回復プロジェクトが挙げられ、生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)や、生態系を活用した気候変動適応(EbA) 、島におけるプロジェクト等について、具体的かつ投資に適したプロジェクト機会の開発を促進するために協力していくことについて確認した。特に、外部資金も活用したプロジェクト形成を推進する方針について共有した。

(ⅳ) 汚染対策

 (大気質改善・管理)
 ➢ 環境省と ADB は、2024年から4件のフォーラムやセミナーを通じて協力してきたことを紹介し、技術支援プロジェクトの実施を通じて大気汚染と気候変動に関するコベネフィットアプローチを推進していることを共有するとともに、今後の協力について確認した。例として、東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)やアジアクリーンブルースカイプログラムの下での協力や、Better Air Quality Conference等のフォーラムを通じた、大気質改善への意識向上の促進を目指すことが挙げられた。
 ➢ 特に、国際連合地域開発センター(UNCRD) と連携して実施する、アジアEST地域フォーラムについて、愛知2030宣言の目標の実現に向け、地域会合及びワークショップが行われたことについて、共有された。

 (循環経済・廃棄物管理・廃水管理・汚染対策)
 ➢ 循環経済・廃棄物管理・廃水管理・汚染対策といった分野についての知見の共有
やワークショップ、共同出版物に関する議論等の従来からの協力分野に加えて、排水処理のための分散型排水処理システムである浄化槽および中央アジア地域の環境汚染対策を推進していくことを提案した。

 (プラスチック汚染)
 ➢ プラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書(条約)の策定に向けた政府間交渉委員会(INC)における交渉を含む、国際的なプロセスやイニシアティブに沿って、プラスチック汚染の問題に対処するための協力とパートナーシップの機会を模索していくものとした。
 ➢ プラスチックを含む廃棄物管理について、衛星データの活用等を検討し、更なる連携の可能性があることについて確認した。

 (中央アジア)
 ➢ 中央アジア諸国からの関心が高い分野として、鉱業排水、循環経済、アラル海・砂漠化・砂嵐、大気汚染(PM2.5)があること、多国間パートナーシップおよび教育・研修の面でも協力可能性があることを共有し、ADBと環境省が協力したプロジェクト実現の可能性について議論を行った。
 

■ その他

 本政策対話とあわせて、日本環境省とADBの協力による取組を紹介するウェビナーを開催するとともに、フィリピン共和国環境天然資源省フアン・ミゲル T. クナ大臣代理を訪問し、現在進めている気候変動協力等について意見交換を行いました。

連絡先

環境省 地球環境局 国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8248
参事官
行木 美弥
推進官
梁瀬 達也
企画官
工藤 俊祐
担当
三保 紗織