報道発表資料

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2025年05月30日
  • 総合政策

知多火力発電所7,8号機建設計画に係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見の提出について

 環境省は、「知多火力発電所7,8号機建設計画 環境影響評価準備書」(株式会社JERA)に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。

 環境大臣意見では、
(1) 2035年度、2040年度及び2050年に向け、二酸化炭素排出削減の取組の道筋が1.5℃目標と整合する形で描けない場合には、稼働抑制や休廃止等を計画的に実施することも含め、あらゆる選択肢を勘案して検討すること
(2) 再生可能エネルギー等の非化石電源・高効率な火力発電設備の優先的な稼働等、事業者として足元の温室効果ガス削減に取り組むこと
(3) 脱炭素燃料の導入やCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)等の脱炭素化に向けた技術をできるだけ早期に実装するなど必要な措置を講じ、1.5℃目標と整合する形で、ロックイン効果を創出することなく2050年までのカーボンニュートラル達成を目指すこと
(4) 長期脱炭素電源オークションで事業者自らが作成・提出した脱炭素化ロードマップを、新たな地球温暖化対策計画等を踏まえ必要に応じて見直すとともに、当該ロードマップを遵守し、着実な脱炭素化を進めること
(5) 環境監視を適切に実施するとともに、その結果を踏まえ、必要に応じて追加的な環境保全措置を適切に講ずること
等を求めている。

■ 背景

 環境影響評価法及び電気事業法は、出力15万kW以上の火力発電所の設置又は変更の工事を第一種事業とし、経済産業大臣は、事業者から提出された環境影響評価準備書※1の審査に当たって、環境大臣の意見を聴かなければならないこととされている。
 本件は、「知多火力発電所7,8号機建設計画 環境影響評価準備書」について、この手続に沿って経済産業大臣に対して意見を提出するものである。
 今後、事業者は、環境大臣の意見及び関係地方公共団体の長の意見を受けた経済産業大臣勧告等を踏まえ、法に基づく環境影響評価書の作成等の手続が求められる。
 
※1 環境影響評価準備書:環境影響評価の結果について環境の保全の見地からの意見を聴くための準備として、調査、予測、評価及び環境保全措置の検討を実施した結果等を示し、環境の保全に関する事業者自らの考え方を取りまとめた文書。

■ 事業の概要

 愛知県知多市の既存の火力発電所において、既設の1~5号機(合計出力311.2万kW)を廃止し、新たに7号機及び8号機(合計出力131.98万kW)を設置する事業。
 ・ 事業者   株式会社JERA
 ・ 事業位置  愛知県知多市
 ・ 燃料種   LNG(液化天然ガス)
 ・ 出力    131.98万kW(65.99万kW×2基)

(参考)環境影響評価に係る手続

【配慮書の手続】
 ・ 公表         令和2年10月7日~同年11月6日(住民意見27件※2
 ・ 愛知県知事意見提出  令和2年12月9日
 ・ 環境大臣意見提出   令和2年12月15日
 ・ 経済産業大臣意見提出 令和2年12月21日

【方法書の手続】
 ・ 縦覧         令和3年3月17日~同年4月16日(住民意見65件※2
 ・ 愛知県知事意見提出  令和3年7月14日
 ・ 経済産業大臣勧告   令和3年8月12日

【準備書の手続】
 ・ 縦覧         令和6年10月18日~同年11月18日(住民意見189件※2
 ・ 愛知県知事意見提出  令和7年3月31日
 ・ 環境大臣意見提出   令和7年5月30日

 ※2 環境の保全の見地からの意見の件数。

連絡先

環境省大臣官房環境影響評価課環境影響審査室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8237
室長
加藤 聖
室長補佐
西山 卓也
審査官
河合 実名子
審査官
林  徹
審査官
寺田 彩乃
審査官
久保井 喬

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