報道発表資料
2025年06月19日
- 地球環境
第11回日本国環境省・アジア開発銀行環境政策対話の結果について
1. 環境省とアジア開発銀行(ADB)は、2025年5月20日に第11回環境政策対話を実施しました。
2. 政策対話には、松澤裕環境省地球環境審議官及びファティマ・ヤスミンADB副総裁が出席し、意見交換を行いました。
3. 議論の結果、世界全体で2030年までの持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向け、両者は、環境協力に関する覚書(LOI)に基づくパートナーシップの継続が重要であることを確認しました。両者の協力においては、環境問題のより幅広い分野において、分野横断的に共同の取組を行うことが重要であるとし、特に二国間クレジット制度(JCM)、気候変動への適応、大気質管理、生物多様性、廃棄物、プラスチック汚染対策、シナジー促進に関する取組を強化し、協力していくことになりました。
2. 政策対話には、松澤裕環境省地球環境審議官及びファティマ・ヤスミンADB副総裁が出席し、意見交換を行いました。
3. 議論の結果、世界全体で2030年までの持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向け、両者は、環境協力に関する覚書(LOI)に基づくパートナーシップの継続が重要であることを確認しました。両者の協力においては、環境問題のより幅広い分野において、分野横断的に共同の取組を行うことが重要であるとし、特に二国間クレジット制度(JCM)、気候変動への適応、大気質管理、生物多様性、廃棄物、プラスチック汚染対策、シナジー促進に関する取組を強化し、協力していくことになりました。
■ 背景
環境省とアジア開発銀行(ADB)は、2014年6月に環境協力に関する覚書(LOI)を締結して以降、毎年、環境政策対話を実施しています。今回、同覚書に基づく11度目の環境政策対話を開催しました。
■ 開催日時
2025年5月20日 10:00~11:30(現地時間)
■ 場所
ADB(フィリピン共和国マニラ市)
■ 主な出席者
(ADB)
ヤスミン セクター・テーマ担当副総裁
カラスコ 持続可能な開発・気候変動局長 ほか
(環境省)
松澤地球環境審議官
行木参事官 ほか
ヤスミン セクター・テーマ担当副総裁
カラスコ 持続可能な開発・気候変動局長 ほか
(環境省)
松澤地球環境審議官
行木参事官 ほか
■ 主な議論
今回の政策対話では、2023年に合意した「日本国環境省とアジア開発銀行(ADB)の間の環境協力における行動計画2023-2025」の12分野について、協力の進捗の確認や両者の施策の動向を共有しました。
議論の結果、世界全体で2030年までの持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向け、両者は、LOIに基づくパートナーシップの継続が重要であることを確認しました。両者の協力においては、環境問題のより幅広い分野において、分野横断的に共同の取組を行うことが重要であるとし、特に二国間クレジット制度(JCM)、気候変動への適応、大気質管理、生物多様性、廃棄物及びプラスチック汚染対策、シナジーの分野において取組を強化し、協力していくことになりました。
そのほかの議論の概要は下記のとおりです。
(ⅰ) 気候変動
(JCM日本基金(JFJCM)及び国際炭素市場)
・JFJCMの近年の実績について共有し、実施地域の拡大等に関する取組の効果を確認するとともに、今後も継続的にプロジェクト組成の加速化について検討を進める。
・環境省とADBは、エネルギー起源CO2に加えて、メタンやHFCなどの温室効果ガス排出削減及び大気質管理や生物多様性保全などの気候変動以外のコベネフィットの創出に向けた案件組成を進める。
・環境省とADBは、実施中のJFJCM案件から発行されるJCMクレジットを、パリ協定6条ルールに沿った「国際的に移転される緩和成果(ITMOs)」として国際移転できるよう取り組む。
・ADBがモルディブの国際炭素市場への参加を支援するにあたり、パリ協定6条実施パートナーシップ(A6IP)センターと連携について議論する。
(適応)
・早期警戒システムを含めた民間が参画する適応関連事業について、今後の協力について検討を進める。
・適応ファイナンスに関するVirtual Brown Bag Seminarを ADB と共同で開催し、主に民間金融機関による適応への投融資拡大に向けた課題やニーズについて議論した成果を踏まえ、この分野での更なる協力を行う。
(ⅱ) 生物多様性
・環境省とADBは、SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)や、CBD COP16におけるADB主催の渡り鳥保全プロジェクトに関するイベント等の協力について改めて共有するとともに、引き続き協力を深めていく。
・環境省とADBは、アジアにおける「昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)」の実施や、ネイチャーポジティブ経済の実現に関する協力の強化、自然を活用した解決策(NbS)及び生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)に関する活動について、引き続き情報交換を行い、更なる協力の機会を模索する。
・環境省は、気候変動による生物多様性への影響を最小化するため、官民パートナーシップを通じた適応策としての自然を活用した解決策(NbS)の推進について、ADBとの連携を模索する。特に、ADBが進める自然を活用した解決策の取組であるネイチャー・ソリューションズ・ファイナンス・ハブ(Nature Solutions Finance Hub)を通じた協力を模索する。
(ⅲ) 大気質管理
・環境省とADBは、大気質の改善及び気候変動の緩和という複数のベネフィットを促進することを目的として、ワークショップやセミナー等のイベントにおける協力について検討し、知識の共有や案件組成の機会創成に努める。特に、2026年3月にバンコクで開催予定のBetter Air Quality Conference 2026における協力を含め検討する。
(ⅳ) 廃棄物管理及びプラスチック汚染対策
・環境省とADBは、ワークショップやイベント等において、互いの取組を紹介し、知識の共有や活動の周知を行い、プロジェクト組成について検討する。
・環境省とADBは、共同で策定している廃棄物発電PPPツールキットについて2025年の最終化に向け協力を継続することを確認した。また、環境省からは、JFJCM及びPPPツールキットを活用した廃棄物発電プロジェクトに係る協力の深化や、廃棄物管理に係る協同の可能性を検討することを提案した。
・プラスチック汚染について、条約策定に向けて交渉中のプラスチック条約のアジア地域における実施を支援することの重要性を確認し、各国の国家計画の策定と実施支援を通じて、プラスチックのライフサイクル全般を対象とした幅広い分野での協力を模索することとした。
(v) シナジー促進
・環境省やADBを含む関係機関による地域イニシアティブ「アジア太平洋シナジーレポート」の作業について、来年7月に開催予定の国連アジア太平洋経済社会委員会関連閣僚級会合での公表に向けて両者が協力していくことを確認。
・環境省とADBは、公民連携を通じた社会的課題に対するシナジーを活かした解決のための適応行動として、自然を活用した解決策(NbS)の活用や、公民連携を通じた早期警戒システムの開発の促進について、更なる協力関係の強化や、体制構築を模索する。
議論の結果、世界全体で2030年までの持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向け、両者は、LOIに基づくパートナーシップの継続が重要であることを確認しました。両者の協力においては、環境問題のより幅広い分野において、分野横断的に共同の取組を行うことが重要であるとし、特に二国間クレジット制度(JCM)、気候変動への適応、大気質管理、生物多様性、廃棄物及びプラスチック汚染対策、シナジーの分野において取組を強化し、協力していくことになりました。
そのほかの議論の概要は下記のとおりです。
(ⅰ) 気候変動
(JCM日本基金(JFJCM)及び国際炭素市場)
・JFJCMの近年の実績について共有し、実施地域の拡大等に関する取組の効果を確認するとともに、今後も継続的にプロジェクト組成の加速化について検討を進める。
・環境省とADBは、エネルギー起源CO2に加えて、メタンやHFCなどの温室効果ガス排出削減及び大気質管理や生物多様性保全などの気候変動以外のコベネフィットの創出に向けた案件組成を進める。
・環境省とADBは、実施中のJFJCM案件から発行されるJCMクレジットを、パリ協定6条ルールに沿った「国際的に移転される緩和成果(ITMOs)」として国際移転できるよう取り組む。
・ADBがモルディブの国際炭素市場への参加を支援するにあたり、パリ協定6条実施パートナーシップ(A6IP)センターと連携について議論する。
(適応)
・早期警戒システムを含めた民間が参画する適応関連事業について、今後の協力について検討を進める。
・適応ファイナンスに関するVirtual Brown Bag Seminarを ADB と共同で開催し、主に民間金融機関による適応への投融資拡大に向けた課題やニーズについて議論した成果を踏まえ、この分野での更なる協力を行う。
(ⅱ) 生物多様性
・環境省とADBは、SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)や、CBD COP16におけるADB主催の渡り鳥保全プロジェクトに関するイベント等の協力について改めて共有するとともに、引き続き協力を深めていく。
・環境省とADBは、アジアにおける「昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)」の実施や、ネイチャーポジティブ経済の実現に関する協力の強化、自然を活用した解決策(NbS)及び生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)に関する活動について、引き続き情報交換を行い、更なる協力の機会を模索する。
・環境省は、気候変動による生物多様性への影響を最小化するため、官民パートナーシップを通じた適応策としての自然を活用した解決策(NbS)の推進について、ADBとの連携を模索する。特に、ADBが進める自然を活用した解決策の取組であるネイチャー・ソリューションズ・ファイナンス・ハブ(Nature Solutions Finance Hub)を通じた協力を模索する。
(ⅲ) 大気質管理
・環境省とADBは、大気質の改善及び気候変動の緩和という複数のベネフィットを促進することを目的として、ワークショップやセミナー等のイベントにおける協力について検討し、知識の共有や案件組成の機会創成に努める。特に、2026年3月にバンコクで開催予定のBetter Air Quality Conference 2026における協力を含め検討する。
(ⅳ) 廃棄物管理及びプラスチック汚染対策
・環境省とADBは、ワークショップやイベント等において、互いの取組を紹介し、知識の共有や活動の周知を行い、プロジェクト組成について検討する。
・環境省とADBは、共同で策定している廃棄物発電PPPツールキットについて2025年の最終化に向け協力を継続することを確認した。また、環境省からは、JFJCM及びPPPツールキットを活用した廃棄物発電プロジェクトに係る協力の深化や、廃棄物管理に係る協同の可能性を検討することを提案した。
・プラスチック汚染について、条約策定に向けて交渉中のプラスチック条約のアジア地域における実施を支援することの重要性を確認し、各国の国家計画の策定と実施支援を通じて、プラスチックのライフサイクル全般を対象とした幅広い分野での協力を模索することとした。
(v) シナジー促進
・環境省やADBを含む関係機関による地域イニシアティブ「アジア太平洋シナジーレポート」の作業について、来年7月に開催予定の国連アジア太平洋経済社会委員会関連閣僚級会合での公表に向けて両者が協力していくことを確認。
・環境省とADBは、公民連携を通じた社会的課題に対するシナジーを活かした解決のための適応行動として、自然を活用した解決策(NbS)の活用や、公民連携を通じた早期警戒システムの開発の促進について、更なる協力関係の強化や、体制構築を模索する。
■ その他
本政策対話とあわせて、日本環境省とADBの協力による取組を紹介するウェビナーを開催するとともに、フィリピン気候変動委員会のロバート・E・A・ボルへ副委員長兼事務局長、フィリピン共和国環境天然資源省フアン・ミゲル T. クナ次官及びイグナチオ・ロヨラ A. ロドリゲス次官、フィリピン共和国エネルギー省ロウェナ・クリスティーナ L. ゲバラ次官を訪問し、現在進めている気候変動協力等について意見交換を行いました。
連絡先
環境省 地球環境局 国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官室
- 代表
- 03-3581-3351
- 直通
- 03-5521-8248
- 参事官
- 行木 美弥
- 推進官
- 須賀 義徳
- 参事官補佐
- 工藤 俊祐
- 担当
- 三保 紗織