報道発表資料

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2025年01月31日
  • 地球環境

日・カザフスタン間の二国間クレジット制度(JCM)の第1回合同委員会を開催しました

1.2025年1月28日、日・カザフスタン間の二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism: JCM)※の第1回合同委員会をカザフスタン共和国にて開催しました(オンラインとのハイブリッド開催)。

2.合同委員会では、パリ協定第6条に沿ってJCMを実施するための規則及びガイドライン類を採択しました。また、合同委員会後、日本政府のJCM資金支援事業の紹介や意見交換が行われました。

3.今後は採択されたルールに基づき、カザフスタンにおけるJCMプロジェクトを促進していくことで、優れた脱炭素技術等による温室効果ガスの排出削減を実現し、両国のNDC(国が決定する貢献:温室効果ガスの削減目標)に貢献してまいります。

※ JCMは、パリ協定第6条に沿って、パートナー国において優れた脱炭素技術やインフラ等の普及及び緩和活動を実施すると同時に、パートナー国の持続可能な開発に貢献するものです。パートナー国で実施される緩和活動を通じた日本からの温室効果ガス排出削減又は吸収への貢献を定量的に評価し、それらの排出削減又は吸収によって日本及びパートナー国の排出削減目標の達成に貢献します。
https://www.env.go.jp/earth/jcm/index.html

■ 合同委員会の概要

 合同委員会は、JCM に係る二国間文書に基づき設置され、日本国及びパートナー国の代表により構成される、JCMの実施に係る意思決定を行う場です。具体的には、JCMに係る規則及びガイドライン類の採択、JCMクレジット量を計算する方法論の承認、プロジェクトの登録及び発行するJCMクレジット量の各国政府への通知を決定します。今回は、初のカザフスタン共和国(パートナー国)との合同委員会であり、JCMに係る規則及びガイドライン類を採択しました。

■ 【開催報告】第1回 日・カザフスタン間の合同委員会

(1) 概要
日時:2025年1月28日
会場:カザフスタン共和国外務省(オンラインとのハイブリッド開催)
 
(2) 参加者
 ○:オンライン参加者
(日本側)
・駐カザフスタン共和国日本国特命全権大使 飯島 泰雅
・在カザフスタン日本国大使館 次席兼参事官 金田 智宏(共同議長)
・在カザフスタン日本国大使館 一等書記官 尾久 孝一
・在カザフスタン日本国大使館 専門調査員 小宮 志門
・外務省 国際協力局 気候変動課 気候変動交渉官 足立 宗喜 ○
・外務省 国際協力局 気候変動課 課長補佐 小泉 直樹 ○
・経済産業省 GXグループ 地球環境対策室 室長補佐 三井 博行
・経済産業省 GXグループ 地球環境対策室 係員 住友 陽次郎
・環境省 地球環境局 国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官付JCM推進室 室長 飯野 暁 ○
・環境省 同室 国際炭素市場調整官 宇賀 まい子 ○
・環境省 同室 室長補佐 木滑 黄平 ○
 他、オブザーバー8名、事務局5名
 
(カザフスタン側) ※ 部局名及び役職名は仮訳
・エコロジー・天然資源大臣 Mr. NYSANBAYEV Yerlan
・エコロジー・天然資源副大臣 Mr. OSHURBAYEV Mansur
・外務副大臣 Mr. BAKAEV Alibek   
・エコロジー・天然資源省 気候政策局長 Ms. SABIYEVA Saule(共同議長)
・同省 低炭素開発課長 Mr. TANATOV Nurman
・同省 低炭素開発課 主席専門家 Ms. MELDEKUL Dinara
・同省 気候変動適応・プロジェクト課長 Ms. TASTEMIROVA Shattyk ○
・エネルギー省 多国間協力課主任専門家 Ms. MUSTAFA Maryam 
・産業・建設省 省エネ・効率課長 Ms. AUBAKIROVA Eldana
・外務省 アジア太平洋地域局 副局長 Mr. SALIEV Maksat
・JSC “Zhasyl Damu” マネージング・ディレクター KALKAMANOV Saken
・JSC “Zhasyl Damu” 温室効果ガスインベントリ部門ディレクター YESEKINA Ayman
・JSC “Zhasyl Damu” 排出量取引システム部門ディレクター AKHMETOVA Botagoz
 他、オブザーバー5名、事務局1名

(3)主な議題と結果概要
① はじめに:
 在カザフスタン日本大使館 飯島特命全権大使から、合同委員会の開催に尽力した両国の関係者に対して謝辞を述べるとともに、JCMが日・カザフスタン関係の更なる強化に資することを期待する旨述べた。カザフスタン側からは、ヌサンバエフ・エルランエコロジー・天然資源大臣及びバカエフ・アリベック外務副大臣から、カザフスタンのNDC達成に向けたJCMへの期待が述べられました。

② 運営に関すること:
 合同委員会実施規則が採択され、共同議長が指名されました。
③ 規則及びガイドライン:
 パリ協定第6条に沿ったJCMに係る規則及びガイドラインが採択されました。採択された主な文書の一覧は以下の通りです。

1) JCM実施規則(Rules of Implementation of the JCM)
  • 事業概要書(Project Idea Note)による計画中の事業に対する異議の有無の確認
  • 持続可能な開発(SD)実施計画・報告(事業登録時のSD実施計画書作成・提出、クレジット発行時のSD実施報告書の作成・提出)
  • 事業登録時のクレジット配分決定
  • 事業実施報告書の定期的な作成・提出
  • JCMクレジットの使用
  • JCMに係るパリ協定に基づく締約国による承認及び相当調整
2) JCM登録簿共通仕様(Common Specifications of the JCM Registry)
3) プロジェクトサイクル手続(Project Cycle Procedure)
4) 提案方法論開発ガイドライン(Guidelines for Developing Proposed Methodology)
5) プロジェクト設計書及びモニタリング報告書作成ガイドライン(Guidelines for Developing Project Design Document and Monitoring Report)
6) 持続可能な開発実施計画書及び報告書作成ガイドライン(Guidelines for Developing Sustainable Development Implementation Plan and Report)
7) 第三者機関指定ガイドライン(Guidelines for Designation as a Third-Party Entity)
8) 妥当性確認及び検証ガイドライン(Guidelines for Validation and Verification)
9) 合同委員会手続規則(Rules of Procedures for the Joint Committee)

④ その他: 
 合同委員会後、日本政府およびアジア開発銀行から、日本政府のJCM資金支援事業の紹介を行いました。また、JCM登録簿システムや今後のプロジェクト開発について意見交換が行われました。

 今後は、採択されたJCMに係る規則及びガイドライン類に基づき、カザフスタン共和国におけるJCMプロジェクトの実施が可能となります。採択された日・カザフスタンJCMに係る規則及びガイドライン類並びにミーティングレポートについては、JCMウェブサイト(https://www.jcm.go.jp/)に掲載されます。

○ 第1回 日・カザフスタン間の合同委員会の様子
  

 

連絡先

環境省地球環境局国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官付JCM推進室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8246
室長
飯野 暁
企画官
百瀬 嘉則
国際炭素市場調整官
宇賀 まい子
室長補佐
木滑 黄平

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