報道発表資料
2025年01月24日
- 保健対策
内分泌かく乱作用に関するOECD試験法の策定について (国際的な標準試験法の開発に対するわが国の貢献)
1.化学物質の内分泌かく乱作用に関する環境省のプログラム(現在は「EXTEND2022」)の下で開発・検討が進められ、OECDにおいて、わが国主導で議論が行われた次の試験法が、OECDの国際標準試験法として採択されました。
・オオミジンコ幼若ホルモン作用短期スクリーニング試験(JHASA)(OECDテストガイドラインNo. 253)
2.わが国では、国立研究開発法人国立環境研究所が化学物質の生物影響に係る試験・評価手法の開発において中核的な役割を担っており、この試験法も同研究所が開発を進め、OECDにおける検討を主導してきました。
3.環境省では、化学物質の内分泌かく乱作用が環境中の生物に及ぼす影響を明らかにするため、EXTEND2022の下でこれらの試験法も活用しつつ、更に試験・評価を進めます。併せて未完成の試験法の開発を進め、OECDによる標準試験法の確立に貢献します。
・オオミジンコ幼若ホルモン作用短期スクリーニング試験(JHASA)(OECDテストガイドラインNo. 253)
2.わが国では、国立研究開発法人国立環境研究所が化学物質の生物影響に係る試験・評価手法の開発において中核的な役割を担っており、この試験法も同研究所が開発を進め、OECDにおける検討を主導してきました。
3.環境省では、化学物質の内分泌かく乱作用が環境中の生物に及ぼす影響を明らかにするため、EXTEND2022の下でこれらの試験法も活用しつつ、更に試験・評価を進めます。併せて未完成の試験法の開発を進め、OECDによる標準試験法の確立に貢献します。
1.試験法開発の背景
(EXTEND2022に至る環境省のプログラム)
化学物質の内分泌かく乱作用が環境中に及ぼす影響を把握するため、環境省のプログラム(現在は「化学物質の内分泌かく乱作用に関する今後の対応-EXTEND2022-」。以下「EXTEND2022」という。)では、広く認められた標準試験法等を活用した試験体系を構築し、その下で化学物質の試験を進めています。また、この体系の下で用いるべき試験法で未確立なものについては、環境省の事業として試験法開発を進めてOECDに提案することを通じ、日本主導で試験法の開発や改定を進めてきました。
(OECDテストガイドライン)
OECDテストガイドラインは、化学物質やその混合物の安全性の評価に用いるための、国際的に合意された試験方法です。これに従って取得された試験データは、さらに条件が揃えば他の国でも受け入れられるものとなる(化学品安全性データの相互受理:MAD)ため、国際標準試験法ということができます。
さらにOECDでは、MADを前提とはしないものの加盟国が合意した試験方法を、ガイダンス文書として策定しています。
さらにOECDでは、MADを前提とはしないものの加盟国が合意した試験方法を、ガイダンス文書として策定しています。
(国立環境研究所の貢献)
わが国では、国立研究開発法人国立環境研究所が化学物質の生物影響に係る試験・評価手法の開発において中核的な役割を担っており、環境省のプログラムにおいても、同研究所が内分泌かく乱作用に関する試験法開発の多くを担ってきました。
2.試験法の策定の内容
○オオミジンコ幼若ホルモン作用短期スクリーニング試験(JHASA)(OECDテストガイドラインNo. 253)
EXTEND2022では、幼若ホルモン作用を有する物質を検出する手法であるオオミジンコ繁殖試験(OECDテストガイドラインNo.211)付属文書7を、「第二段階生物試験」に位置付けていますが、そのスクリーニングのための第一段階生物試験はありませんでした。
これを背景として、同プログラムの下で、化学物質の幼若ホルモン作用に係る第一段階生物試験として用いるべきスクリーニング試験法の開発が、国立環境研究所の研究者により進められました。これは2016年にOECDテストガイドラインプログラムにおいてプロジェクト化され、同研究所の主導の下で国際的な検証試験が行われました。試験法に係るテストガイドラインと検証報告は2024年4月のOECD会合で採択され、順次公開されました。
これを背景として、同プログラムの下で、化学物質の幼若ホルモン作用に係る第一段階生物試験として用いるべきスクリーニング試験法の開発が、国立環境研究所の研究者により進められました。これは2016年にOECDテストガイドラインプログラムにおいてプロジェクト化され、同研究所の主導の下で国際的な検証試験が行われました。試験法に係るテストガイドラインと検証報告は2024年4月のOECD会合で採択され、順次公開されました。
3.今後の対応
オオミジンコ幼若ホルモン作用短期スクリーニング試験(JHASA)については、これをEXTEND2022における新たな「第一段階生物試験」の一つと位置付け、幼若ホルモン作用を有する可能性が考えられる物質を対象とする試験の実施を検討します。
EXTEND2022の枠組みで必要となる試験法のうち未完成のものについては、OECDの下での採択を目指し、国立環境研究所の協力の下で引き続き開発を進めます。これにより、OECDによる標準試験法の確立に貢献します。
EXTEND2022の枠組みで必要となる試験法のうち未完成のものについては、OECDの下での採択を目指し、国立環境研究所の協力の下で引き続き開発を進めます。これにより、OECDによる標準試験法の確立に貢献します。
4.関連リンク先
(1)公開されたOECD試験法(原文)
【タイトル】Test Guideline No. 253: Short-term Juvenile Hormone Activity Screening Assay using Daphnia magna (JHASA)
【URL】https://www.oecd.org/en/publications/2024/06/test-no-253-short-term-juvenile-hormone-jh-activity-screening-assay-in-daphnia-magna_f857f4ce.html (外部サイトに接続します)
【タイトル】Series on Testing and Assessment No. 395: Validation of the Short-term Juvenile Hormone Activity Screening Assay using Daphnia magna (JHASA)
【URL】https://www.oecd.org/en/publications/validation-of-the-short-term-juvenile-hormone-activity-screening-assay-using-daphnia-magna-jhasa_7b633310-en.html(外部サイトに接続します)
【URL】https://www.oecd.org/en/publications/2024/06/test-no-253-short-term-juvenile-hormone-jh-activity-screening-assay-in-daphnia-magna_f857f4ce.html (外部サイトに接続します)
【タイトル】Series on Testing and Assessment No. 395: Validation of the Short-term Juvenile Hormone Activity Screening Assay using Daphnia magna (JHASA)
【URL】https://www.oecd.org/en/publications/validation-of-the-short-term-juvenile-hormone-activity-screening-assay-using-daphnia-magna-jhasa_7b633310-en.html(外部サイトに接続します)
(2)策定OECD試験法の概要
(3)国立環境研究所の報道発表
【URL】https://www.nies.go.jp/whatsnew/2025/20250124/20250124.html (外部サイトに接続します)
連絡先
環境省大臣官房環境保健部化学物質安全課
- 代表
- 03-3581-3351
- 直通
- 03-5521-8261
- 化学物質安全企画官
- 長谷川 敬洋
- 課長補佐
- 山﨑 邦彦