報道発表資料

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2024年11月15日
  • 大臣官房

「投資家とスタートアップ向け:Climate TechのGHGインパクト算定・評価に関する手引き」の公表について

 環境省では、投資家やスタートアップが、投資案件審査時にClimate Techスタートアップの環境インパクトを算定・評価する際のフレームワークとして、「投資家とスタートアップ向け:Climate TechのGHGインパクト算定・評価に関する手引き」を策定しましたので、公表します。

■ 概要

 環境省では、投融資によるポジティブなインパクトの創出を拡大するため、金融機関や投資家自身が投融資のインパクト創出に関する意図を持ち、それを自らの戦略として具体化するとともに、金融機関や投資家自身がその戦略を発信・表明する「インパクトファイナンス」の実践を推進しており、令和2年7月に「インパクトファイナンスに関する基本的考え方」、令和3年3月に「グリーンから始めるインパクト評価ガイド」を策定・公表しました。
 気候変動関連技術(Climate Tech)への投資を促進し、ファイナンスを通じて気候変動問題の解決に貢献していく上では、その技術が持つ環境インパクト(Climate Techの場合、GHGインパクト)を投資案件審査時に評価し、投資後にそれをマネジメント(管理)し、ポジティブなインパクトを拡大していく「インパクトファイナンス」の取組が有効と考えられます。特に、ベンチャーキャピタル等によるClimate Techのスタートアップに対する投資においては、環境インパクトの評価が当該スタートアップの持つ技術の潜在的な市場価値評価につながる可能性があり、国際的にもその評価方法について議論が進んでいます。
 この度、環境省では、上記の背景から、国際的な議論や有識者検討会における議論も踏まえ、「投資家とスタートアップ向け:Climate TechのGHGインパクト算定・評価に関する手引き」を策定しました。
 本手引きは、Climate Techスタートアップの環境インパクト、中でも将来的なGHG削減効果(GHGインパクト)に焦点を当て、投資家が、投資案件審査時に当該インパクトを評価する際に参照するものとなることを期待し、GHGインパクトの算定・評価に関する考え方や手順を取りまとめたものです。また、投資家に加え、スタートアップが自身の事業の将来的なGHGインパクトを算定し、投資家に説明する際にも本手引きが参考になると考えます。
 事業のもたらす将来的なGHGインパクトを算定し、当該インパクトが中長期的な気候変動の目標(パリ協定、産業別のGHG削減目標等)の達成にどの程度貢献するかを把握することは、事業の意義や事業計画の蓋然性を含めた事業の将来的な価値に関する解像度を高めることにつながります。また、事業の持つ競合他社や業界内での優位性を客観的に理解し、評価することにもつながります。
 本手引きを投資家やスタートアップを活用することが、Climate Techに関する事業が持つ価値に対する理解を深めることにつながり、ひいては、Climate Techへの投資促進に貢献することを期待しています。

■ 関連情報

 Climate Techインパクト評価・マネジメントに関する検討会
https://www.env.go.jp/seisaku/list/conf_r31216_00001.html

連絡先

大臣官房環境経済課 環境金融推進室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8240
課長
平尾 禎秀
室長
清水 延彦
企画官
平良 耕作
室長補佐
水野 紗也
室長補佐
影山 凡子