報道発表資料

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2024年11月15日
  • 総合政策

(仮称)出水ウィンドファーム事業に係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見の提出について

 環境省は、「(仮称)出水ウィンドファーム事業環境影響評価準備書」(日本風力サービス株式会社)に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。
 
 環境大臣意見では、
(1) 対象事業実施区域の周辺では、国内希少種であるクマタカのペアによる営巣が複数確認されており、風力発電設備の設置予定箇所付近の尾根では、衝突リスクが比較的高いと考えられる追出しや逃避等の干渉行動が確認されていることなどから、クマタカ等の重要な鳥類に対する知見を有する専門家等による検討会を設置し、クマタカ等の重要な鳥類の営巣及び繁殖、風力発電設備への衝突、移動の阻害等に関する環境保全措置や事後調査等に係る助言を踏まえて事業を実施すること
(2) 本事業の工事計画は大規模な土地の改変が行われ、土工量が著しく多くなっていることから、切土量及び盛土量を可能な限り少量化するとともに、土地の改変を最小限に抑制すること
(3) 対象事業実施区域及びその周辺の沢筋等において、国内希少種であるコガタブチサンショウウオ等の重要な両生類が確認されていることから、工事計画の見直しを実施した上で、沈砂池の設置等の適切な環境保全措置を実施すること
 等を求めている。

■ 背景

 環境影響評価法及び電気事業法は、出力50,000kW以上の風力発電所の設置又は変更の工事を第一種事業とし、経済産業大臣は、事業者から提出された環境影響評価準備書※1の審査に当たって、環境大臣の意見を聴かなければならないこととされている。
 本件は、「(仮称)出水ウィンドファーム事業環境影響評価準備書」について、この手続に沿って経済産業大臣に対して意見を提出するものである。
 今後、事業者は、環境大臣の意見及び関係地方公共団体の長の意見を受けた経済産業大臣勧告等を踏まえ、法に基づく環境影響評価書の作成等の手続が求められる。

※1 環境影響評価準備書:環境影響評価の結果について環境の保全の見地からの意見を聴くための準備として、調査、予測、評価及び環境保全措置の検討を実施した結果等を示し、環境の保全に関する事業者自らの考え方を取りまとめた文書。

■ 事業の概要

 鹿児島県出水市において、最大で出力60,200kWの風力発電所を設置する事業。
 事業者   日本風力サービス株式会社
 事業位置  鹿児島県出水市(対象事業実施区域面積 約649ha)
 出力    最大60,200kW(単機出力 4,200~4,300kW×最大14基)

(参考)環境影響評価に係る手続

【配慮書の手続】
・ 公表         令和2年 7月13日~同年 8月12日(住民意見70件※2
・ 熊本県知事意見提出  令和2年 9月25日
・ 鹿児島県知事意見提出 令和2年 8月11日
・ 環境大臣意見提出   令和2年 9月18日
・ 経済産業大臣意見提出 令和2年10月 7日

【方法書の手続】
・ 縦覧         令和3年 2月 1日~同年 3月16日(住民意見61件※2
・ 熊本県知事意見提出  令和3年 7月28日
・ 鹿児島県知事意見提出 令和3年 7月29日
・ 経済産業大臣勧告   令和3年 8月11日

【準備書の手続】
・ 縦覧         令和6年 3月15日~同年 4月15日(住民意見89件※2
・ 熊本県知事意見提出  令和6年10月16日
・ 鹿児島県知事意見提出 令和6年10月29日
・ 環境大臣意見提出   令和6年11月12日

※2 環境の保全の見地からの意見の件数

連絡先

環境省大臣官房環境影響評価課環境影響審査室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8237
室長
加藤 聖
室長補佐
鈴木 祐介
審査官
高木 亮介
審査官
寺田 彩乃

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