報道発表資料

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2026年03月17日
  • 地球環境

「昼の再エネ余剰電力需要創出モデル実証(令和7年度)」の結果について ~市場連動型料金プランを活用した行動変容型・機器制御型DRの実証~

1. 環境省は、2050年ネットゼロの実現に向けて推進している「デコ活」(脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動)※1の一環として、再生可能エネルギー(以下「再エネ」)導入の拡大により生じる昼間の余剰電力を有効に活用し、脱炭素につながるライフスタイル転換を促進することを目的とした実証事業を、株式会社Looop、ボストン・コンサルティング・グループ合同会社と共に実施しました。

2. 本実証事業は、市場連動型電気料金プランやEV等を活用し、消費者の行動変容や機器制御によって昼間の電力需要を創出することを目的としています。今後は、本実証事業の結果を踏まえ、「上げDR」の社会実装に向けた一層の検討を進めてまいります。

※1 「デコ活」とは
「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」の愛称であり、二酸化炭素 (CO₂)を減らす(DE)脱炭素(Decarbonization)と、環境に良いエコ(Eco)を含む"デコ"と活動・生活を組み合わせた新しい言葉です。
https://ondankataisaku.env.go.jp/decokatsu/ 

※2 上げDRとは
 DR(ディマンド・リスポンス)の発動によって電力需要を増加させる取組を指します。具体的には、再エネの過剰発電が生じた際に、需要家側の機器を稼働させて電力を消費したり、蓄電池やEV等への充電を行うことで余剰電力を吸収することを意味します。

■ 行動変容型DRに係る実証事業の概要

<実施内容・期間>
市場連動型電気料金プランの契約者に対し、アプリを通じてユーザー特性に応じたDR行動のレコメンドやインセンティブ提供を行い、DR量の変化を検証。
令和7年10月30日(木)~ 同年11月19日(水)

<主な検証内容>
・DR量の定量的評価
・ユーザーの受容性及び行動変容の実態把握

<結果の概要>
実証期間中、行動変容型DRに参加した利用者群において、DRが観測された日数について着目すると、レコメンドを提供したグループにおいて上げDRの傾向が確認され、過半数の参加者がDR行動をとったことが確認された。
この結果は、レコメンデーションにより継続して行動変容を実施するハードルを低減する効果があることを示唆している。
また、インセンティブを提供したグループにおいて、DR量は低かったもののアプリログイン頻度、再エネ余剰に対する認知及び参加意欲が比較的高かったことから、インセンティブの提供が関心の醸成に寄与し得ることが示唆された。

■ 機器制御型DR(EV制御・エコキュート制御)に係る実証事業の概要

<実施内容・期間>
市場連動型電気料金プランの契約者で、対象のEV及びエコキュートを保有する需要家を対象に、市場価格が安い時間帯に自動制御を実施し、電気削除効果及びDR量の変化を検証。
・機器制御型DR(EV制御) 令和7年10月1日(水)~ 令和8年1月31日(土)
・機器制御型DR(エコキュート制御) 令和7年11月1日(土)~ 同年12月25日(木)

<主な検証内容>
・電気代削減効果の検証
・DR量の定量的評価
・ユーザーの受容性及び行動変容の実態把握

<結果の概要>
市場価格が安い時間帯に自動制御を実施した結果、自動制御による上げDR効果が安定して発現することが確認された。また、EV及びエコキュートの複数機器制御とEV単独制御を比較した際に、相対的に電気代削減効果及びDRの絶対量が増加することも確認された。
一方で、電気代の安い時間にEV充電を促すレコメンドによる電気代削減効果及びDR量の定量的な差は確認されなかったが、レコメンドを参考にする旨の意見も多くみられ、一定の行動変容を促す結果となった。
また、ユーザーの受容性については、実証期間中、手動での充電等の使用より自動制御の利用が多く、肯定的な評価も多かったことから、一定の受容性を確認できた。

■ 今後の展開

環境省は、本実証事業の結果を踏まえ、より多くの家庭や事業者による再エネ由来の余剰電力の有効活用を促進し、脱炭素につながる豊かな暮らしの実現と、2050年ネットゼロの達成に向けて取り組んでまいります。

連絡先

環境省 地球環境局 地球温暖化対策課 デコ活応援隊(脱炭素ライフスタイル推進室)
代表
03-5521-3351
直通
03-5521-8341
隊長
清水 延彦
副長
井原 啓太
隊長補佐
堀越 直樹
隊士
奥野 祥大