報道発表資料

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2024年07月09日
  • 水・土壌

瀬戸内海における藻場・干潟分布状況調査の結果について

 瀬戸内海における藻場・干潟の保全・再生・創出等を図るため、環境省では衛星画像の解析手法を用いた藻場・干潟の分布状況調査を令和4年度~5年度の2年間で実施しましたので、結果をお知らせします。
 今回調査では、藻場面積は16,963ヘクタール、干潟面積は11,971ヘクタールでした。

■ 背景と経緯

 藻場・干潟については、生物の産卵場所、生息・生育の場、水質浄化、二酸化炭素の吸収・固定等、多面的な機能を有しており、今後、保全・再生・創出をより一層進めていくことが重要とされています。近年では、藻場・干潟における炭素固定機能(ブルーカーボン)への期待の高まりも見られています。
 藻場・干潟の保全・再生・創出を進めるためには、基礎情報として、藻場・干潟の分布状況を精度良く効率的に把握することが極めて重要です。
 瀬戸内海については、瀬戸内海環境保全特別措置法の改正(令和4年4月1日施行)や瀬戸内海環境保全基本計画(令和4年2月25日閣議決定)において、藻場・干潟等の保全・再生・創出が重要とされています。
 このため、環境省では、平成27年度~29年度の調査と同様に衛星画像の解析手法を用いて、令和4年度~5年度に瀬戸内海における藻場・干潟分布調査を実施しました。
 なお、当該調査は、瀬戸内海のみならず、東京湾・伊勢湾、有明海・八代海においても実施しております。令和6年度~7年度は、有明海・八代海の調査を実施する予定です。

■ 調査方法

 本調査では、衛星画像の解析及び現地調査の実施により、3mメッシュごとに藻場・干潟の有無を分析しました。

■ 調査結果の概要

<藻場面積>
藻場面積は瀬戸内海全域で16,963ヘクタール(東京ドーム約3,628個分)でした。既往調査(平成27年度~29年度)の結果と比較して、今回調査では、藻場面積は約9%の増加が見られました。海域別では、瀬戸内海の東部の湾灘では、おおむね藻場面積が増加しましたが、西部の湾灘では、藻場面積は減少しました。※1
※1 本結果は、別途実施したヒアリング結果(東側では、透明度の上昇によるアマモ場の拡大。西側では、植食性魚類の食害や水温上昇により藻場の分布水深の変化等)と符合していますが、様々な要因により藻場面積は変動するため、面積変動の詳細な理由は不明であり、今後の調査が期待されます。
 
<干潟面積>
干潟面積は瀬戸内海全域で11,971ヘクタール(東京ドーム約2,560個分)でした。既往調査(平成27年度~29年度)の結果と比較して、今回調査では、干潟面積は約8%の増加が見られました。※2
※2 干潟域は緩やかな勾配の海底地形であるため、わずかな水深の違いで広域の面積が変化する可能性があり、出水や風浪の影響により面積が変動すると考えられますが、面積変動の詳細な理由は不明であり、今後の調査が期待されます。

■ 参考(過去の報道状況)

・瀬戸内海における藻場・干潟分布状況調査(東部海域)の結果について(平成28年11月25日付け環境省報道発表) 
 https://www.env.go.jp/press/103271.html
・瀬戸内海における藻場・干潟分布状況調査(中部海域)の結果について(平成29年6月30日付け環境省報道発表)
 https://www.env.go.jp/press/104216.html
・瀬戸内海における藻場・干潟分布状況調査(西部海域)の結果について(平成30年9月7日付け環境省報道発表)
 https://www.env.go.jp/press/105928.html
・有明海北部海域における藻場・干潟分布状況調査の結果について(令和元年7月18日付け環境省報道発表)
 https://www.env.go.jp/press/107015.html
・有明海南部海域及び八代海における藻場・干潟分布状況調査の結果について(令和3年1月15日付け環境省報道発表)
 https://www.env.go.jp/press/108911.html

※ 調査結果の詳細は添付資料を御覧ください。

連絡先

環境省水・大気環境局海洋環境課海域環境管理室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8317
室長
水谷 好洋
海域環境対策推進官
工藤 里恵
室長補佐
森川 政人
室長補佐
川田 修平