報道発表資料

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2024年03月29日
  • 自然環境

ネイチャーポジティブ経済移行戦略の公表について

1.「ネイチャーポジティブ経済移行戦略」を環境省、農林水産省、経済産業省、国土交通省の連名で策定しましたので公表します。
2.本戦略は、「ネイチャーポジティブ経営」(自社の価値創造プロセスに自然の保全の概念を重要課題(マテリアリティ)として位置づける経営)への移行の必要性、移行に当たって企業が押えるべき要素、新たに生まれるビジネス機会の具体例、ネイチャーポジティブ経営への移行を支える国の施策を具体化させたものです。
3.本戦略の実行を通じて、「ネイチャーポジティブ経済」、すなわち、個々の企業がネイチャーポジティブ経営に移行し、バリューチェーンにおける負荷の最小化と製品・サービスを通じた自然への貢献の最大化が図られ、また、そうした企業の取組を消費者や市場等が評価する社会へと変化することを通じ、自然への配慮が評価されるとともに、行政や市民等の多様な主体による取組が相まって、資金の流れの変革等がなされた経済を目指します。

趣旨・目的

 2022年12月に開催された生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)において、2010年に採択された愛知目標の後継となる、2030年までの世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択され、2030年ミッションとして「生物多様性の損失を止め反転させる」すなわち「ネイチャーポジティブ(自然再興)」が掲げられました。
この新たな国際約束の達成のため、2023年3月に「生物多様性国家戦略2023-2030」(以下「生物多様性国家戦略」という。)が閣議決定され、同戦略における2030年ミッションを達成するための「5つの基本戦略」のうち基本戦略3として「ネイチャーポジティブ経済の実現」が掲げられました。
この基本戦略3における重点施策として、ネイチャーポジティブ経済移行戦略が位置付けられています。2022年3月から、環境省で設置したネイチャーポジティブ経済研究会において議論を行い、このたび、環境省、農林水産省、経済産業省、国土交通省の4省庁連名で「ネイチャーポジティブ経済移行戦略」を取りまとめました。

概要

本戦略は、ネイチャーポジティブの取組が、企業にとって単なるコストアップではなく、自然資本に根ざした経済の新たな成長につながるチャンスであることを分かりやすく示し、実践を促すためのものです。そのため、経済活動の自然資本への依存と損失が社会経済の持続可能性に対する明確なリスクでありネイチャーポジティブ経済への移行の必要性があることについて示した上で、
 
  1.  企業の価値向上プロセスとビジネス機会の具体例
  2.  ネイチャーポジティブ経営への移行に当たり企業が抑えるべき要素
  3.  国の施策によるバックアップ
 
を記載しています。
 なお、企業がネイチャーポジティブ経営を進める上での個別のプロセス(体制づくり、計画づくり等)については生物多様性民間参画ガイドライン(2023年4月第3版発行)に記載しており、いわば本戦略は生物多様性国家戦略と当該ガイドラインを繋ぐものです。
 本戦略に基づき、関係省庁間での緊密な連携の下、施策を強力に推進し、ネイチャーポジティブ経済への移行を着実に進めます。
 

連絡先

環境省自然環境局自然環境計画課 生物多様性主流化室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-9108
室長
浜島 直子
室長補佐
遠矢 駿一郎
担当
楊木 萌