報道発表資料

この記事を印刷
2024年02月02日
  • 自然環境

南・東アジア地域生物多様性国家戦略及び行動計画(NBSAP)ダイアローグの結果について

環境省は、生物多様性条約(CBD)事務局、国連大学サステイナビリティ高等研究所とともに、2024年1月23日~同年1月26日に、国連大学本部(東京都渋谷区神宮前)において、「南・東アジア地域生物多様性国家戦略及び行動計画(NBSAP)ダイアローグ」を開催しました。
本会合では、南アジア及び東アジア地域の政府関係者等を対象に、NBSAPの改定、実施等に関する各国の経験の共有及び意見交換等を実施しました。

1.趣旨

生物多様性国家戦略及び行動計画(以下「NBSAP」という。)は、生物多様性条約(以下「CBD」という。)に基づき各締約国が定める、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する国の基本的な計画です。令和4年(2022年)12月に、2030年までの世界目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択されたことを踏まえ、各国がNBSAPを策定、改定、実施を進めることが求められています。
CBD事務局は、NBSAPの改定、実施等を支援するため、世界各地域において、NBSAPの改訂及び実施に関する各国の経験の共有及び意見交換等を目的としたNBSAPダイアローグを開催しています。
今回、CBD事務局が実施する「南・東アジア地域生物多様性国家戦略及び行動計画(NBSAP)ダイアローグ」を、環境省及び国連大学サステイナビリティ研究所が共催し、南・東アジア地域各国のNBSAP改定、実施等の支援を行いました。
※NBSAP: National Biodiversity Strategies and Action Plan

2.実施主体

主催: CBD事務局
共催:環境省、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)

3.結果概要等

【NBSAPダイアローグ】
日時:2024年1月23日~同年1月26日 09:30~17:30
会場:国連大学本部(東京都渋谷区神宮前)Elizabeth Rose Hallほか

【結果概要】
・南アジア及び東アジア地域11か国の政府関係者24名及び関連国際機関等を含む、計14か国約80名が参加しました。
・政府全体・社会全体のアプローチや目標設定、モニタリング計画の作成等のNBSAPに係る各国の経験が共有され、それらを元に今後の課題や解決策等について、主に対話形式で議論が行われました。また、関連国際機関も参画し、特に生物多様性資金や能力開発に係る今後の方策についても議論が行われました。なお、これらの議論から得られた、重要な見解及び行動のポイントについては、南アジア及び東アジア地域の政府並びに利害関係者への提言としてまとめられました。提言には、各国のNBSAP策定・改定に当たり、利害関係者の関与及び同意を得ることの重要性や、国・地域レベルでの人材育成及び技術能力の向上に対する長期的な投資の必要性、各国へ提供される支援と各国のニーズ・優先事項を合わせることの重要性等が盛り込まれました。
・環境省からは白石自然環境局長が開会式において挨拶を行ったほか、各プログラムにおいて我が国のNBSAPに係る経験を発表、共有し議論に貢献しました。


【環境省主催特別イベント】
日時:2024年1月24日~同年1月26日 12:45~13:45
会場:国連大学本部(東京都渋谷区神宮前)Reception Hall

【結果概要】
・NBSAPダイアローグが日本で開催される機会を生かし、日本国内の様々な主体が、どのように「昆明・モントリオール生物多様性枠組」の達成に向けた取組を進めているかを紹介するため、特別イベントを開催し、各日とも南アジア及び東アジア地域の政府関係者並びに関連国際機関等の約80名が参加し、活発な意見交換が行われました。
・第1回(1月24日)は、生物多様性を育む保全活動・土地利用をテーマに、環境省から我が国の保護地域以外で生物多様性保全に資する地域(OECM)関連政策について、農林水産省から農林水産省生物多様性戦略について講演が行われました。
・第2回(1月25日)は、社会全体における生物多様性の主流化をテーマに、環境省から我が国の生物多様性主流化の取組について、経団連自然保護協議会から日本のビジネスセクターによるネイチャーポジティブへの貢献について講演が行われました。
・第3回(1月26日)は、普及啓発・価値観の変化・行動変容に向けた活動をテーマに、環境省から我が国の侵略的外来種政策及び取組について、日本テレビから民間テレビ放送番組による里山再生の取組について講演が行われました。
※OECM: Other Effective Area-based Conservation Measures
 

<参考>

生物多様性国家戦略及び行動計画(National Biodiversity Strategies and Action Plan: NBSAP)
生物多様性条約に基づく、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する国の基本的な計画。2022年12月にカナダ・モントリオールで開催された生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で、2010年に採択された愛知目標の後継となる、2030年までの世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択され、各国はそれを踏まえ生物多様性国家戦略を策定、改定、実施を進めることが求められている。
なお、日本は、新しい世界枠組みの内容を踏まえつつ、生物多様性条約及び生物多様性基本法に基づき、令和5年3月に「生物多様性国家戦略2023-2030」を閣議決定している。

連絡先

環境省自然環境局自然環境計画課 生物多様性戦略推進室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8273
室長
鈴木 渉
室長補佐
河合 秀樹