報道発表資料

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2023年12月22日
  • 保健対策

令和5年度スギ雄花花芽調査の結果等について

1.今般、本年度のスギ雄花(おばな)の花芽(はなめ)調査の結果を取りまとめましたので、お知らせします。

2.本年のスギ雄花の着花量(ちゃっかりょう)については、地域により大きなばらつきはありますが、全国的な傾向としては、過去10年平均値と比べると、同程度か、やや少なくなっています。

3.本年度は新たに山梨県を追加し 35都府県で調査を実施しました。令和6年度以降、調査対象地域を全国に拡大していく方針です。

4.民間事業者等による花粉飛散予測の精度向上を支援するため、花粉発生量、気象予測等の関連情報を、より詳細に提供していくこととなりました。サンプルデータの提供については、以下のホームページを御参照ください。
https://www.env.go.jp/content/000177463.pdf

5.花粉飛散量の情報提供に用いる表示ランクが本年12月、日本花粉学会「花粉情報等標準化委員会」により改定され、以下のとおり、従前の「非常に多い」の上に「極めて多い」が追加されました。
「少ない」・・・・・1平方cm当たり10個未満
「やや多い」・・・・同10~30個未満
「多い」・・・・・・同30~50個未満
「非常に多い」・・・同50~100個未満
「極めて多い」・・・同100個以上
花粉症の症状を和らげたり、発症を遅らせたりするためには、花粉へのばく露を避けることが重要です。国民には、この表示ランクを参考にして、例えばテレワークを活用するなどの予防行動をとっていただくよう呼びかけていきます。また、民間事業者等には、この表示ランクを用いて、国民への情報提供の標準化を図っていただくよう働きかけていきます。

1.令和5年度スギ雄花花芽調査の結果

(1)スギ雄花花芽調査について

春に飛散するスギ花粉は、スギ雄花の着花量(花粉生産量)に大きく依存します。環境省では、花粉症に関する調査研究の一環として、平成16年度から毎年スギ雄花花芽調査を行い、その結果を林野庁の調査結果と合わせて公表することで、国民の皆様にスギ花粉の飛散予測のための参考情報として御活用いただいています。
スギ雄花の生育は、前年夏(6月~8月、特に花芽が分化する6月)の気象条件に大きな影響を受け、夏の日照時間が長く気温が高い場合には、スギ雄花の着花量が多くなり、翌年春の花粉飛散量も多くなります。また、花粉飛散量が多い年の翌年はスギ雄花の着花量が減少するという傾向が見られます。

(2)本年度のスギ雄花花芽調査の結果

本年11月から12月にかけて、スギ雄花花芽調査を実施した結果、今年度のスギ雄花の着花量は、地域により大きなばらつきはありますが、全国的な傾向としては、過去10年平均値と比べると、同程度か、やや少なくなっています。
また、前年同時期と比較しても、一部を除いて、多くの都府県で少なくなっています。過去10年平均値との比較で150%以上となったのは、岩手県、愛知県、島根県の3県であり、50%以下になったのは山形県、茨城県、徳島県、高知県の4県でした。

○観測地一覧
東北地方:青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県
関東地方:茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県
北陸地方:新潟県、富山県、石川県、福井県
東海地方:静岡県、愛知県
近畿地方:京都府、大阪府、兵庫県、奈良県
中国地方:岡山県、島根県、鳥取県、広島県、山口県
四国地方:香川県、徳島県、高知県、愛媛県
九州地方:福岡県、大分県
(太字は今年度新規追加した都道府県)
※本調査は各都府県の特定の地点で観測したものであり、観察外のスギ林の状況によっては、各地方の観測結果が異なる可能性があります。
※本年度は新たに山梨県を追加し35都府県で調査を実施しました。令和6年度以降、調査対象地域を全国に拡大していく方針です。あわせて、観測地点の位置情報についても提供していくこととしています。

2.花粉症対策について

花粉症の症状を和らげたり、発症を遅らせたりするためには、花粉へのばく露を避けることが重要です。そのための基本的な対策は、以下のとおりです。
・顔にフィットするマスク、メガネを着用する。
・花粉症対策製品(上記のマスク、メガネのほか、空気清浄機、網戸など)を活用する。

【花粉問題対策事業者協議会HP】
https://www.kafunbusiness.org/authentication/

・花粉飛散の多い時間帯(昼前後と夕方)の外出を避ける。
・外出を避けるため、テレワークの活用を検討する。
・洗濯物や布団は屋内に干す。
・毛織物の衣類ではなく、ポリエステルや綿製品で起毛のない衣類を着用する。
・手洗い、うがい、洗顔、洗髪で花粉を落とす。

3.花粉飛散量の表示ランクについて

花粉飛散量の表示ランクが本年12月、日本花粉学会「花粉情報等標準化委員会」により以下のとおり改定され、従前の「非常に多い」の上に「極めて多い」が追加されました。
「少ない」・・・・・1平方cm当たり10個未満
「やや多い」・・・・同10~30個未満
「多い」・・・・・・同30~50個未満
「非常に多い」・・・同50~100個未満
「極めて多い」・・・同100個以上
国民には、この表示ランクを参考にして、例えばテレワークを活用するなどの予防行動をとっていただくよう呼びかけていきます。また、民間事業者等には、この表示ランクを用いて、国民への情報提供の標準化を図っていただくよう働きかけていきます。

4.その他

環境省花粉情報サイトでは、花粉症に関する最新の知見を紹介する「花粉症環境保健マニュアル」や、花粉飛散開始情報、関係省庁・各自治体のリンク集などを掲載しています。今後も、随時更新していく予定ですので、是非、御活用ください。

【環境省花粉情報サイト】
https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/index.html

連絡先

環境省大臣官房環境保健部環境安全課
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8261
課長
吉川 圭子
課長補佐
五十嵐 祐介
課長補佐
坂本 和嘉子