報道発表資料

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2023年10月30日
  • 地球環境

炭素市場プラットフォーム第8回戦略対話を開催しました

 環境省は、ドイツ連邦共和国経済・気候保護省との共催により、2023年10月23日(月)及び24日(火)に炭素市場プラットフォーム第8回戦略対話を東京で開催しました。
 炭素市場プラットフォームは、2015年のG7エルマウ・サミット首脳宣言に基づき、炭素市場に関する戦略的な対話の場として設立されたものです。
 今回の会合では、本年のG7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合で策定、広島サミットで承認された「質の高い炭素市場の原則」を踏まえ、自主的な炭素市場での質(十全性)を向上させるための具体的な方策や関係国・機関、民間セクター等における取組について、活発な議論を行いました。

1.炭素市場プラットフォームについて

 2015年のG7エルマウ・サミット首脳宣言に基づき、炭素市場に関して戦略的な対話を促進する場として設立されました。第1回戦略対話は、2016年に当時のG7議長国であった日本がドイツ連邦共和国との共同議長として東京で開催し、以降、G7議長国が持ち回りで開催しています。

2.会合のポイント

(1) 炭素市場プラットフォーム第8回戦略対話は、2023年10月23日(月)及び24日(火)に、G7議長国の日本国環境省とドイツ連邦共和国経済・気候保護省との共催により、東京都内にて開催されました。同会合には、G7各国に加え、炭素市場の活用に関心のある国々の政府関係者、自主的炭素市場に関する民間団体や国際機関・研究機関の関係者が参加しました。
 
(2) 同会合では、G7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合で策定し、広島サミットで承認された「質の高い炭素市場の原則」を踏まえ、①市場の相互作用と環境十全性、②自主的な炭素市場での十全性の向上、③パリ協定6条の実施とNDCの野心向上、の3つの議題について、取組事例の共有及び意見交換を行いました。
 
 ① セッション1:市場の相互関係性と環境十全性
 日本から「質の高い炭素市場の原則」の策定経緯や概要について説明し、続いてOECDから自主的炭素市場と、政府や国連が主導するコンプライアンス炭素市場の相互関係性に関する分析に関する紹介がありました。参加者からは、炭素クレジットの質を確保することの重要性や、質の高いプロジェクトに投資を促す必要性等が述べられました。
 
 ② セッション2:自主的な炭素市場での十全性の向上
 自主的な炭素市場における需要側・供給側・市場側それぞれの観点から、各国や民間イニシアチブ等における炭素市場の質の向上に関する取組の共有があり、参加者からは、透明性を高めるための更なる情報開示やその仕組み、炭素市場の実施体制や手続の必要性について言及がありました。
 
 ③ セッション3:パリ協定6条(市場メカニズム)の実施とNDCの野心向上
 炭素市場の活用のための各国・関係機関の能力構築支援や、国内での実施体制構築等について共有があり、各国の排出削減目標の野心引き上げに向けて、パリ協定6条に沿った活動を促進するための方策について議論しました。

連絡先

環境省地球環境局国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8246
参事官
水谷 好洋
JCM推進企画官
重松 賢行
参事官補佐
髙橋 健太郎
担当
有馬 達矢