報道発表資料

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2023年09月15日
  • 地球環境

アジア開発銀行による二国間クレジット制度日本基金を活用した再生可能エネルギーを使用した持続可能なシステム開発の加速プロジェクト(モルディブ)の承認について

 環境省は、先進的な脱炭素技術等のアジア途上国への普及を図るため、2014年度からADBにJCM日本基金を設置し、JCMプロジェクト形成を進めています。
 アジア開発銀行(ADB)は2023年9月12日、二国間クレジット制度(JCM)日本基金を活用した案件として、モルディブ共和国における再生可能エネルギーを使用した持続可能なエネルギー管理システム開発加速プロジェクトを承認しました。

■ 経緯

 環境省は、アジア開発銀行(ADB)のプロジェクトで導入コスト高から採択が進んでいない先進的な脱炭素技術等が採用されるべく、2014年度からADBに設立した二国間クレジット制度(JCM)日本基金に資金を拠出し、先進的な脱炭素技術等の追加コストを軽減することで、アジアの途上国等における先進的な脱炭素技術等の普及・拡大に貢献するとともに、JCMプロジェクト形成を進めています。
 2015年3月にJFJCM第一号案件である「モルディブ国アッドゥ環礁におけるスマート・マイクロ・グリッド・システムのプロジェクト」を承認しました。この後継事業として、ADBは2023年9月12日、モルディブにおける再生可能エネルギーを使用した持続可能なエネルギー管理システム開発を加速するためのプロジェクトをJFJCMを活用する案件として承認しました。このプロジェクトでは選定された2島においてフロー蓄電池を用いたマイクログリッド技術を導入するとともに、海洋再生可能エネルギー生産技術のパイロット事業を実施します。

■ 採択した案件の概要

(1)プロジェクト実施国・地域 ・ モルディブ共和国ディッドゥ島及びニランドゥ島
(2)導入技術概要 ・ フロー電池エネルギー貯蔵システム (BESS)
・ 海洋再生可能エネルギー生産技術
(3)想定される排出削減量 ・ 約4,500 tCO2/年
【参考】二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)
途上国への温室効果ガス削減技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及や対策を通じ、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への日本の貢献を定量的に評価し、日本の削減目標の達成に活用するものです。我が国は現在、27か国との間で二国間クレジット制度を実施しています。

※モンゴル国、バングラデシュ人民共和国、エチオピア連邦民主共和国、ケニア共和国、モルディブ共和国、ベトナム社会主義共和国、ラオス人民民主共和国、インドネシア共和国、コスタリカ共和国、パラオ共和国、カンボジア王国、メキシコ合衆国、サウジアラビア王国、チリ共和国、ミャンマー連邦共和国、タイ王国、フィリピン共和国、セネガル共和国、チュニジア共和国、アゼルバイジャン共和国、モルドバ共和国、ジョージア、スリランカ民主社会主義共和国、ウズベキスタン共和国、パプアニューギニア独立国、アラブ首長国連邦、キルギス共和国

■ 今後

 環境省とADBは、モルディブ共和国政府と連携し、本プロジェクトのJCMプロジェクト登録に向けた手続を進めていく予定です。

連絡先

環境省地球環境局国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8248
参事官
水谷 好洋
推進官
須賀 義徳
参事官補佐
安陪 達哉
担当
小池 瑛子