報道発表資料

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2023年05月15日
  • 地球環境

「第14回ペータースベルク気候対話」が開催されました

 2023年5月2日~3日、ドイツ連邦共和国・ベルリンにおいて、「第14回ペータースベルク気候対話」が開催されました。
 我が国からは、小野環境省地球環境審議官、水谷同省国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官、水野外務省国際協力局気候変動課交渉官ほかが出席しました。
 概要は以下のとおりです。

1. 会合の概要

 (1)日程・場所
    2023年5月2日 ~ 3日 ドイツ連邦共和国・ベルリン
 (2)主催
    ドイツ連邦共和国及びアラブ首長国連邦(UAE)
    (共同議長:ドイツ・ベアボック外務大臣、UAE・ジャーベル産業・先端技術大臣 兼 気候変動特使 兼 COP28議長)
 (3)出席者
    ドイツ、UAE(COP28議長国)、主要先進・途上国の閣僚級、国連事務総長(ビデオメッセージ)、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局長代理等が
    出席。我が国からは、小野環境省地球環境審議官、水谷同省国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官、水野外務省国際協力局気候変動課交渉官
    ほかが出席した。

2. 議論の概要

 今次会合では、ドイツのショルツ首相、UAEのジャーベル産業・先端技術大臣、グテーレス国連事務総長(ビデオメッセージで参加)等による基調講演が実施され、講演に対する各国からのコメントや質疑応答がなされた。また関連して、2023年11月~12月にUAEで開催予定のCOP28の成功に向け、グローバル・ストックテイク、公正なエネルギー移行、緩和、ロス&ダメージに関する資金アレンジメンツ、適応、適応資金等が主要議題として議論された。
 会合後、共同議長から、会合での主な議論の概要をまとめた総括が発出された。総括は共同議長の責任で作成されたものであり、その概要は以下のとおり。
(総括の全文(英語)は、https://www.auswaertiges-amt.de/blob/2595568/5324a0a6dcaa4c989e13eb3618560c09/230504-pcd-co-chairs-summary-data.pdfに掲載されている)

○ 共同議長による総括の概要(抜粋仮訳)
 2010年の第1回会合以来、本会合は国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)に先立ち、気候協力に関するハイレベルな政治的議論を実施している。共同議長のジャーベルUAE産業・先端技術大臣及びベアボック独外務大臣は、ショルツ独首相ほか36か国の閣僚及びハイレベルの代表、気候行動及び公正な移行に関する国連事務総長特別顧問、UNFCCC事務局長、UNFCCCオブザーバー代表、ユース代表らとともに同会合に参加した。
 参加者は、パリ協定の目標に沿った経路に最終的に乗るために世界が必要とする具体的な解決策や変革について、ダイナミックかつ建設的な意見交換を行った。ジャーベル大臣は、包摂的で透明性が高く、行動指向のCOP28に向けたビジョン及び目標を発表した。また、参加した閣僚らは、公正なエネルギー移行、気候変動の影響に対する世界全体での対応、未来志向のグローバル・ストックテイク(GST)について、活発な議論を行った。
 資金の利用可能性、入手可能性、アクセスは横断的なテーマであった。ジャーベル大臣は、先進国が表明した1000億米ドルの達成状況に関する進捗評価の重要性を強調した。ベアボック大臣は、気候資金にかかる「デリバリー・プラン」(2021年)に基づき、資金貢献国が本年、1000億米ドルの気候資金の動員を実現することに自信を持っている旨を報告し、ショルツ首相からは、緑の気候基金(GCF)の第2回増資について、20億ユーロ(33%増)の拠出を発表した。ジャーベル大臣はこの拠出を歓迎し、他国もこれにならうよう促した。
 多くの参加者は、アントニオ・グテーレス国連事務総長及びモトリー・バルバドス首相が、国際金融機関及び国際開発金融機関の改革を迅速に進めるよう求めたことについて賛同した。公的資金が重要であるものの、それだけでは不十分であり、必要な規模の変革を可能にするためにも民間資金を活用すべきであるとの認識が広く共有された。

3. その他

 我が国からは、小野環境省地球環境審議官より、本年4月に開催された「G7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合」の成果に触れつつ、COP28にて完結する第1回グローバル・ストックテイクはパリ協定の5年間の野心サイクルのための重要な機会であること、パリ協定の1.5℃目標と整合した国が決定する貢献(NDC)及び長期戦略をまだ策定していない締約国、とりわけ主要経済国に対し、COP28までの排出削減目標の強化を呼びかけた。また、すべての締約国に対し、遅くとも2050年までのネットゼロと、2025年までの世界全体の排出量のピークアウトへのコミットを呼びかけた。さらに、世界規模での取組の一環として、排出削減対策が講じられていない化石燃料のフェーズアウトを加速させるとのG7のコミットメントを強調しつつ、G7以外の国に対しても同様の行動を取るべく要請を行った。最後に、G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合のコミュニケを受けて、世界全体の気候行動の促進に貢献していく旨、発言がなされた。

連絡先

環境省 地球環境局 国際連携課 気候変動国際交渉室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8330
室長
青竹 寛子
地球環境問題交渉官
伊藤 貴輝
担当
広田 潤平