報道発表資料

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2025年10月24日
  • 自然環境

吉野熊野国立公園・吉野山におけるクビアカツヤカミキリ被害木の確認について

<吉野町同時発表>
 
 吉野熊野国立公園の吉野山上千本のヤマザクラにおいて、フラス(※)の発生が確認されました。専門家による同定の結果、特定外来生物クビアカツヤカミキリ(Aromia bungii)による被害であることが確認されましたので、お知らせします。
  被害木には、幼虫の殺虫のための薬剤の樹幹注入を実施済みであり、現在、被害木周辺を含め、吉野山の被害状況の確認を進めています。
  国立公園内におけるクビアカツヤカミキリ被害は、本件が全国初の確認事例です。

※ フラス:クビアカツヤカミキリの幼虫が入り込んだ樹木から4月末頃~10月末頃にかけて排出される、幼虫のフンと木くずが混ざったもの。クビアカツヤカミキリ個体確認の目印となる。
 

詳細情報

■ 経緯

10/10(金) 
吉野山上千本のヤマザクラ(直径約41cm)において、クビアカツヤカミキリによるものと思われるフラスの発生確認の一報を吉野町役場が受け、同町職員が現地確認。
 
10/14(火) 
環境省職員がフラスを採取。

10/15(水) 
環境省より専門家に回収したフラスの分析を依頼。

10/16(木) 
吉野町が主体となり、環境省、奈良県、吉野町、(公財)吉野山保勝会の4者で立ち上げた「吉野山クビアカツヤカミキリ対策関係者会議(第1回)」を開催。

10/20(月) 
吉野山保勝会が薬剤の樹幹注入を実施。「吉野山クビアカツヤカミキリ対策関係者会議(第2回)」を開催。

10/23(木) 
専門家の分析により、当該フラスがクビアカツヤカミキリによるものであることを確認。今後被害木は経過観察を継続。また、「吉野山クビアカツヤカミキリ対策関係者会議」を中心に、吉野山の被害状況の確認や薬剤注入等による被害の拡大防止、住民への普及啓発等の対策を連携して実施する予定。

■ クビアカツヤカミキリとは

 クビアカツヤカミキリ(Aromia bungii)は体長2.5~4cm(触角は含まず)の中国、韓国、台湾、ベトナム等の東アジア原産のカミキリムシ科の外来昆虫で、サクラ、ウメ、モモをはじめとしたバラ科樹木を主に害するとして知られています。日本では、平成24年に愛知県のサクラで初めて本種が発見されて以降、令和7年10月現在、16都府県で発生が確認されています。また、本種は、平成30年1月に外来生物法に基づく特定外来生物に指定され、飼育、移動、放出等が禁止されています。成虫は5月から8月頃にかけて木を出て飛翔・拡散しますが、それ以外の期間は幼虫・さなぎとして木の中で生活します。
 
      <クビアカツヤカミキリの成虫>           <クビアカツヤカミキリのフラス>   
 

■ クビアカツヤカミキリ成虫個体・フラス発見時の対応について

 吉野町内で成虫、フラスを発見した場合は、下記の連絡先へ発見日時、発見場所、発見時の状況をお知らせください。また、可能であれば、写真を撮影してください。成虫を捕まえた場合はその場で殺処分してください(生きたまま持ち運ぶことは外来生物法違反となります)。また、死亡個体であっても発見した場合は御連絡をお願いいたします。
<連絡先>
吉野町 暮らし環境整備課環境対策室 Tel:0746-32-9024
奈良県 景観・自然環境課 生物多様性係 Tel:0742-27-8757

連絡先

環境省自然環境局 国立公園課
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8278
課長
長田 啓
課長補佐
速水 香奈
課長補佐
中西 千紘
自然環境局 野生生物課 外来生物対策室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8344
室長
中島 治美
室長補佐
田中 里奈
担当
吉田 祐規
近畿地方環境事務所 国立公園課
直通
06-6881-6500
課長
榎本 和久
課長補佐
平野 淳